(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
k≧2として、k個の供給元(S1〜S5)と、
少なくとも1つの宛先(D1〜D5)と、
それぞれがk個の供給元の1つからの荷物を受け取る「先入れ先出し」タイプのk個の供給元バッファデバイス(F1〜F5)のセットGと、
k個の供給元バッファデバイスから出る荷物を収集し、前記荷物を前記少なくとも1つの宛先に輸送するコレクタ(1)であって、前記供給元バッファデバイスの1つから出る前記荷物を収集するようにそれぞれ構成されたk個の連続するノード(N1〜N5)を含むコレクタ(1)と、
顧客注文を処理するように構成された制御システム(90)であって、各顧客注文が、所与の宛先のための荷物をリストし、宛先の順序番号にそれぞれ関連付けられる、制御システム(90)と
を備えてなる自動荷物配送システムにおいて制御システム(90)によって実施される、荷物を順序付けする方法であって、
前記制御システムが、
収集すべきn個の荷物を含み、前記n個の荷物の未整序を低減する収集リストL
Cを構築するステップ(31)であって、前記未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて計算され、前記n個の荷物が、k個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数1】
であり、ここで、p(i)が、第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップ(31)と、
収集リストL
Cに準拠した前記コレクタでの荷物の収集を実施するために、前記コレクタおよび前記供給元バッファデバイスを制御するステップ(32)と
を実施し、
前記収集リストL
Cを構築するための前記ステップ(31)が、
(A)k’≧2およびk’<kとして、k’個の供給元バッファデバイスを含む少なくとも1つのセットG’を構築するステップ(1001)と、
(B)前記セットまたは各セットG’に関して、収集すべきn’個の荷物を含み、前記n’個の荷物の未整序を低減する収集リストL
C’を構築するステップ(1002)であって、前記未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して前記未整序計算関数を用いて計算され、前記n’個の荷物が、前記k’個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数2】
であり、ここで、p(i)が、前記k’個の供給元バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップ(1002)と、
(C)前記セットまたは各セットG’に関して、前記k’個の供給元バッファデバイスを、前記収集リストL
C’の前記順番で前記n’個の荷物を含む1つの仮想の供給元バッファデバイスによって置き換えることによって、前記セットGを修正するステップ(1003)と、
(D)前記修正されたセットGが複数の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、前記修正されたセットGを用いてステップ(A)〜(D)を繰り返し、前記修正されたセットGが単一の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、前記収集リストL
C’が前記収集リストL
Cを形成するステップ(1005)と、
を含み、さらに、
前記構築するステップが、収集リストL
C’の前記セットまたは各セットG’に関して、
(a)単一の状態e’
init=(U’
init,L’
init)を有する第1の状態セットE1’を初期化するステップであって、U’
initが、k’個のゼロを含むk’アプレットであり、L’
initが空のリストであるステップ(1201)と、
(b)第2の状態セットE2’を空の値で初期化するステップ(1202)と、
(c)n個の連続する構築ステップのうちの各構築ステップ(1203)に関して、
(c.1)e’=(U’,L’)とし、ここでU’がk’個の要素を含むk’アプレットであるとして、E1’の各状態e’について(1204)、U’=(z
1,・・・,z
k’)であり、ここでz
iが、前記k’個の供給源バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで取られる荷物の数であり、L’が、U’に関連付けられた荷物のリストであり、
(c.1.1)f∈{1,・・・,k’}の各値に関して(1205)、
(c.1.1.1)U’(f)が、L’に含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)が、前記第fの供給元バッファデバイスに収集すべき荷物の数であるとして、U’(f)<p(f)の場合(1206)、
−i− e’=(U’,L’)から始めて、U’(f)に1を追加し、L’の最後に、前記第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物の前記シーケンス中で第(U’(f)+1)の位置を占める荷物を追加して、新たな状態e’
N=(U’
N,L’
N)を作成するステップ(1207)と、
−ii− 宛先の昇順の順序番号に対する前記未整序計算関数を用いて、前記新たな状態e’
Nの前記リストL’
Nの未整序の値d’を計算するステップ(1208)と、
−iii− U’
Na=U’
N、およびd’
aをリストL’
Naの未整序の値として、E2’が別の新たな状態e’
Na=(U’
Na,L’
Na)を含む場合(1210)、d’<d’
aのとき、e’
NによってE2’でのe’
Naを置き換え(1214)、d’≧d
a’のとき、e’
NがE2’に挿入されないステップ(1213)と、
−iv− E2’が前記他の新しい状態e’
Naを含まない場合、e’
NがE2’に挿入されるステップ(1211)と、
(c.2)前記構築ステップが第n’の構築ステップでない場合、E2’が前記新たなセットE1’になり(1215)、前記操作が次の構築ステップに進むステップと、
(c.3)前記構築ステップが前記第n’の構築ステップである場合、E2’がただ1つの最終状態e’
F=(U’
F,L’
F)を含み、L’
Fが前記収集リストL
C’を形成するステップ(1216)と、
を含むことを特徴とする方法。
所与の顧客注文の前記荷物が、宛先の所与の昇順の順番で所与の宛先に到達しなければならず、前記制御システムが、前記コレクタと前記少なくとも1つの宛先との間に配置された少なくとも1つの順序付けデバイス91を制御するためのステップ(33)を実施して、前記n個の荷物の未整序の訂正を行う、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
前記制御システムが、前記収集リストを構築するための前記ステップ(31)の前に、Rを2以上の整数として、前記供給元バッファデバイスの1つに含まれるR個の連続する荷物の少なくとも1つのグループに関して、
前記R個の荷物の宛先の順序番号の関数として、宛先の代替順序番号を計算するステップ(30)を実施し、
前記収集リストを構築するための前記ステップ(31)の実行に関して、前記制御システムが、前記R個の荷物のそれぞれについて、宛先の前記代替順序番号を使用する
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
前記供給元バッファデバイスの1つへの少なくとも1つの新たな荷物の投入が、前記供給元バッファデバイスで収集すべき前記荷物、したがって前記k個の供給元バッファデバイスの前記セットで収集すべき前記n個の荷物の修正(34)を促す場合、前記方法の前記ステップの新たな実行が開始される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
前記プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプログラムコード命令を含むコンピュータプログラム(930)。
k≧2として、k個の供給元(S1〜S5)と、
少なくとも1つの宛先(D1〜D5)と、
前記k個の供給元の1つからの荷物をそれぞれ受け取る「先入れ先出し」タイプのk個の供給元バッファデバイス(F1〜F5)のセットGと、
前記k個の供給元バッファデバイスから出る前記荷物を収集し、前記荷物を前記少なくとも1つの宛先に向けて輸送するコレクタ(1)であって、前記k個の供給元バッファデバイスの1つから出る前記荷物を収集するようにそれぞれ構成されたk個の連続するノード(N1〜N5)を含むコレクタ(1)と、
顧客注文を処理するように構成された制御システム(90)であって、各顧客注文が、所与の宛先のための荷物をリストし、宛先の順序番号にそれぞれ関連付けられる、制御システム(90)と
を備えてなる自動荷物配送システムであって、
前記制御システムが、
収集すべきn個の荷物を含み、前記n個の荷物の未整序を低減する収集リストL
Cを構築するステップであって、前記未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて計算され、前記n個の荷物が、前記供給元バッファデバイスに含まれ、
【数4】
であり、ここで、p(i)が、第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップと、
前記収集リストL
Cに準拠した前記コレクタでの荷物の収集のために、前記コレクタおよび前記供給元バッファデバイスを制御するステップと、
を行うように構成された計算機(91、92、93)を含み、
前記計算機(91、92、93)が、
(A)k’≧2およびk’<kとして、k’個の供給元バッファデバイスを含む少なくとも1つのセットG’を構築するステップ(1001)と、
(B)前記セットまたは各セットG’に関して、収集すべきn’個の荷物を含み、前記n’個の荷物の未整序を低減する収集リストL
C’を構築するステップ(1002)であって、前記未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して前記未整序計算関数を用いて計算され、前記n’個の荷物が、前記k’個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数5】
であり、ここで、p(i)が、前記k’個の供給元バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップ(1002)と、
(C)前記セットまたは各セットG’に関して、前記k’個の供給元バッファデバイスを、前記収集リストL
C’の前記順番で前記n’個の荷物を含む1つの仮想の供給元バッファデバイスによって置き換えることによって、前記セットGを修正するステップ(1003)と、
(D)前記修正されたセットGが複数の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、前記修正されたセットGを用いてステップ(A)〜(D)を繰り返し、前記修正されたセットGが単一の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、前記収集リストL
C’が前記収集リストL
Cを形成するステップ(1005)と、
を実施して前記収集リストを構築するように構成され、さらに、
前記計算機(91、92、93)が、前記セットG’または各セットG’に関して、
(a)単一の状態e’
init=(U’
init,L’
init)を有する第1の状態セットE1’を初期化するステップであって、U’
initが、k’個のゼロを含むk’アプレットであり、L’
initが空のリストであるステップ(1201)と、
(b)第2の状態セットE2’を空の値で初期化するステップ(1202)と、
(c)n’個の連続する構築ステップのうちの各構築ステップ(1203)に関して、
(c.1)e’=(U’,L’)として、ここでU’がk’個の要素を含むk’アプレットであるとして、E1’の各状態e’について(1204)、U’=(z
1,・・・,z
k’)であり、ここでz
iが、前記k’個の供給源バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで取られる荷物の数であり、L’が、U’に関連付けられた荷物のリストであり、
(c.1.1)f∈{1,・・・,k’}の各値に関して(1205)、
(c.1.1.1)U’(f)が、L’に含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)が、前記第fの供給元バッファデバイスに収集すべき荷物の数であるとして、U’(f)<p(f)の場合(1206)、
−i− e’=(U’,L’)から始めて、U’(f)に1を追加し、L’の最後に、前記第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物の前記シーケンス中で第(U’(f)+1)の位置を占める荷物を追加して、新たな状態e’
N=(U’
N,L’
N)を作成するステップ(1207)と、
−ii− 宛先の昇順の順序番号に対する前記未整序計算関数を用いて、前記新たな状態e’
Nの前記リストL’
Nの未整序の値d’を計算するステップ(1208)と、
−iii− U’
Na=U’
N、およびd’
aをリストL’
Naの未整序の値として、E2’が別の新たな状態e’
Na=(U’
Na,L’
Na)を含む場合(1210)、d’<d’
aのとき、e’
NによってE2’でのe’
Naを置き換え(1214)、d’≧d
a’のとき、e’
NがE2’に挿入されない、ステップ(1213)と、
−iv− E2’が前記他の新しい状態e’
Naを含まない場合、e’
NがE2’に挿入される、ステップ(1211)と、
(c.2)前記構築ステップが第n’の構築ステップでない場合、E2’が前記新たなセットE1’になり(1215)、前記操作が次の構築ステップに進むステップと、
(c.3)前記構築ステップが前記第n’の構築ステップである場合、E2’がただ1つの最終状態e’
F=(U’
F,L’
F)を含み、L’
Fが前記収集リストL
C’を形成するステップ(1216)と
を実施して、収集リストL
C’を構築するように構成されることを特徴とする、自動荷物配送システム。
【背景技術】
【0003】
自動配送システムの構成要素が、
・k≧2として、k個の供給元と、
・少なくとも1つの宛先と、
・k個の供給元の1つから来る荷物をそれぞれ受け取るFIFO(先入れ先出し)タイプのk個の供給元バッファデバイスと、
・k個の供給元バッファデバイスから出る荷物を収集し、荷物を上記少なくとも1つの宛先に輸送するコレクタであって、k個の供給元バッファデバイスの1つから出る荷物を収集するようにそれぞれ構成されたk個の連続するノードを含むコレクタと、
・顧客注文を処理するように構成された制御システムであって、各顧客注文が、供給元から抽出されて所与の宛先に提供されるべき荷物を、理想的には宛先の所与の昇順(これは、厳密な昇順の順番、例えば「1 2 3 4 5」でも、厳密でない昇順の順番、例えば「1 1 2 2 2 3 4 4 5」でもよい)でリストする、制御システムと
を備えることが考えられる。各荷物は、宛先の順序番号に関連付けられる。
【0004】
したがって、k個の供給元バッファデバイスから出る荷物が、k個の進入する荷物ストリームを形成し、コレクタで収集された後の荷物が、発出する荷物ストリームを形成することが考えられ、ここで、問題は、k個の進入ストリームから発出ストリームを形成する(すなわち、k個の進入ストリームを1つの発出ストリームにグループ化する)ことである。ソート(または事前ソート)の観点および作業率の観点から、この発出ストリームの形成をできるだけ効率的になるように検討する必要がある。荷物の発出または発送の順番に注意を払いながら、できるだけ高密度の発出ストリームを確保することが実際に求められる。
【0005】
制御システムは、顧客注文を処理し、自動配送システムの要素、特に供給元、FIFOタイプの供給元バッファデバイス、コレクタ、および宛先を制御(指令)できるようにする命令を出力する。制御システムは、例えば、中央倉庫管理システムまたは倉庫制御システム(WCS)である。
【0006】
本発明は、それだけに限らないが特に、自動配送システムの各供給元が保管庫の一部であるとき(この部分は、本明細書では以下で「保管ユニット」とも呼ぶ)、および自動配送システムの各宛先が顧客注文準備ステーションまたはピッキングステーションであるときに適用することができる。
【0007】
しかし、本発明の枠組みから逸脱することなく、多くの代替形態が想定可能であることは明らかである。例えば、各供給元は、保管庫、複数の保管庫を含むセット、または(保管庫ほど複雑ではない)保管デバイスとして定義することができる。
【0008】
2.技術的背景
本明細書では以下、より具体的に、自動配送システムを使用して小包を準備する特定の場合に存在する課題および問題を述べる。本発明は、当然、この特定の用途に限定されない。
【0009】
小包準備システムは、より具体的には、企業において、少量の商品の通信販売での発送や販売に使用される。これらの小包準備自動システムのユーザの主な例は、オフィス機器、衣類、化粧品、機械エンジニアリング産業での工具およびスペアパーツの供給業者である。これらのシステムにより、最小限の労力で、短期間に、正確な在庫追跡によって、正確な顧客注文に対応する小包の準備を可能にする。この顧客注文は、様々な量の様々な製品に関するものであり、各製品およびその対応する量が顧客注文ラインによって識別される(各顧客注文ラインは、所望の製品が置かれている保管コンテナを定義する)。
【0010】
そのような自動小包準備システムの一例は、特に本願の出願人によって出願されたフランス特許出願第2915979号に記載されている。そのシステムは、例えば、
・(上記の荷物に対応する)保管コンテナに製品を含む自動保管庫であって、各保管コンテナは、単一の製品参照に関連付けられている(これらは特定の顧客注文および/または製品の組合せを含むコンテナであってもよい)自動保管庫と、
・製品がオペレータによってピッキングされて、小包(発送コンテナ)に入れられる、顧客注文準備ステーションまたはピッキングステーションと、
・製品が置かれている保管コンテナを、保管庫から顧客注文準備または発送ステーションに、またはその逆に搬送する1組のコンベアと、
・倉庫制御システム(WCS)と
を備える。
【0011】
自動保管庫は、例えば4つの保管ユニットを備え、各保管ユニットはレーンによって形成され、レーンは、各側で、重ね合わされる保管レベルのうちの複数のレベルで保管ラック(または棚ユニット)を提供し、各ラックは、その長さに沿って(セルとも呼ばれる)保管位置に細分化され、それぞれ、保管コンテナを収容するように意図されている。各保管レベルで、各レーンは、(収集および輸送用トロリまたはシャトルとも呼ばれる)移送デバイスの移動のためのトラックを受け取り、移送デバイスは、保管コンテナを保管位置内に位置決めし、これらの位置からピッキングすることができるように保管コンテナをシフトさせる。トラックは一般に2本の平行なレールによって形成され、トロリには、これらのレール上を移動するように車輪が装備されている。トロリは、所与の保管レベルで水平方向に移動することができるだけでなく、アレイの一端または両端(または中央)に配設されたエレベータ(アップ/ダウンエレベータまたはスパイラルコンベアまたはミニローダとも呼ぶ)を使用して、保管コンテナを搬送しているときまたは搬送していないときにレーンの1レベルから別のレベルに受け取られることもできる。さらに、これらのエレベータは、トロリに配置された保管コンテナをコンベアのセットに向けて移送することを可能にする。
【0012】
制御システムは、各小包(発送コンテナ)に関連付けられた顧客注文を管理し、保管庫でのこれらの保管コンテナの位置、トロリおよび保管庫エレベータの利用可能性、ならびに、これらの保管コンテナが顧客注文準備またはピッキングステーションに向けて進む互いの順番に応じて保管コンテナ(荷物)をリストする。この目的は、すべての移動および小包準備時間を最適化し、準備ステーションでの、準備される小包の到着と、準備されるこの小包に関連する顧客注文にリストされた保管コンテナの到着との同期を保証することである。
【0013】
ここで、(顧客注文の処理の3つの連続した状態に対応する)
図1A、
図1B、および
図1Cを参照して、(本明細書で上に提示した)自動パッケージ準備システムの特定の文脈での制御システムによって顧客注文を処理するため(および対応する荷物を順序付けするため)の第1の既知の解決策をより詳細に提示する。簡単にするために、これらの図には、自動配送システムのすべての構成要素が示されているわけではない。
【0014】
図1Aは、4つの保管ユニットA1〜A4の末端のみを示し、これらは、自動保管庫の一部であり、4つの荷物保管供給元、すなわち、4つの保管ユニットA1〜A4の1つのすぐ下流にそれぞれ配置された複数のFIFO(先入れ先出し)タイプのバッファデバイス11〜14と、(例えば1つまたは複数のコンベアからなる)コレクタ15とを構成し、コレクタ15は、ノード21〜24を介して、供給元バッファデバイス11〜14から出る荷物を収集し、それらの荷物を顧客注文準備ステーション(宛先)16まで搬送する。したがって、コレクタ15は、自動保管庫に対して顧客注文準備ステーション16を移動させる役割を果たす。実際、建物は、顧客注文準備ステーションを保管庫の横に配置することが常に可能であるとは限らない。
【0015】
図1Cは、コレクタ15と、(例えば、1つ以上のコンベアを備え、荷物を受け取る宛先を構成する)顧客注文準備ステーション16と、ノード25を介して荷物を受け取るために注文準備ステーション16の上流に配置されたFIFOタイプの宛先バッファデバイス17とを示すのみである。
【0016】
この例では、顧客注文は、図中で荷物に付されている昇順の番号1〜8に対応する宛先の所与の順番で、8つの荷物をリストするものと仮定される。言い換えると、顧客注文準備ステーション16は、これら8つの荷物を1〜8の順番で受け取らなければならない。また、番号3および6を付された荷物は供給元A1に保管され、番号1および2を付された荷物は供給元A2に保存され、番号4および7を付された荷物は供給元A3に保管され、番号5および8を付された荷物は供給元A4に保管されることが仮定される。
【0017】
上述した顧客注文を処理するために、制御システムは、保管されている顧客注文の荷物が宛先の所与の順番に従ってそこから出るように各供給元A1〜A4を制御する際に、第1の「供給元内」スケジューリング(供給元から出る前のスケジューリング)を実施する。したがって、
図1Aに示されるように、(供給元A1に対して下流に配置される)供給元バッファデバイス11は、番号3および6を付されている荷物を連続して受け取る。(供給元A2に対して下流に配置される)供給元バッファデバイス12は、番号1および2を付されている荷物を連続して受け取る。(供給元A3に対して下流に配置される)供給元バッファデバイス13は、番号4および7を付されている荷物を連続して受け取る。(保管ユニットA4に対して下流に配置される)供給元バッファデバイス14は、番号5および8を付されている荷物を連続して受け取る。
【0018】
そして、制御システムは、供給元バッファデバイス11〜14およびノード21〜24を制御することによって、第2の「供給元間」スケジューリング(供給元から出た後のスケジューリング)を実施し、それにより、コレクタ15で収集されるときに、顧客注文にリストされている荷物が、宛先の所望の順番で配置される。このために、決定規則(注入およびフォワードフィード規則)が、各ノード21〜24に適用される。
【0019】
注入規則:供給元A1〜A4の1つから(供給元バッファデバイス11〜14の1つを介して)ノードに来る荷物に関して、このノードが宛先の最も上流にある場合には、このノードの下流でコレクタ15に荷物が注入される。宛先の最も上流のノード以外のノードについては、宛先のより低い順序番号を有する他の荷物が、供給元バッファデバイスの1つまたはコレクタにおいてこのノードの上流に存在しない場合、および宛先のより低い順序番号を有する他の荷物が、他のノードに接続された供給元バッファデバイスの1つにおいてこのノードの下流に存在しない場合に、荷物が注入される(そうでない場合には注入されない)。例えば、供給元バッファデバイス13からノード23を介して出る準備ができていても、番号4を付された荷物は、供給元バッファデバイス21および22の1つまたはコレクタ15において番号1、2、および3を付された荷物がノード23の上流に位置している限り、コレクタ15に注入されない。
【0020】
フォワードフィード規則:コレクタ15にすでに存在する荷物およびノードに来る(別の上流ノードから来る)荷物に関して、このノードに接続された供給元バッファデバイスに、宛先のより低い順序番号を有する他の荷物が存在しない場合には、上記荷物が前に移動する(そうでない場合には、前に移動しない)。例えば、番号3を付された荷物がコレクタ15に配置(注入)されていないと仮定した場合、その荷物がノード22に提示されるときに、番号1および2を付されたノードがこのノード22に接続された供給元バッファデバイス12に位置する限り、前に移動しない。
【0021】
図1Bは、宛先の所望の順番(1〜8)で収集(配置)された後、メインコレクタ15によって輸送される番号1〜8を付された荷物を示す。
図1Cに示されるように、制御システムは、宛先バッファデバイス17を制御して、(参照符号25を付されたノードを介してそこに入り、宛先の所望の順番ですでにソートされている)荷物がそこから所望の割合で出て、顧客注文準備ステーション16に提供されるようにする。
【0022】
図1A〜
図1Cに示されるこの技法(およびその注入およびフォワードフィード規則)の1つの欠点は、コレクタの充填レート(したがって、このコレクタから出るときのフローレート)が最適ではないことである。
【0023】
上記の欠点を克服するために、本出願人により出願されたフランス特許出願第3058708号に第2の既知の解決策が述べられている。この既知の解決策の一般的な原理は、供給元から来た荷物を、分析されるノードに注入することができるかどうかを決定するために、本明細書で上述した第1の従来技術の解決策よりも綿密な分析を行うことにある。したがって、特定の場合には、第1の既知の解決策は荷物を注入しないのに対し、第2の既知の解決策は、(閉塞のリスクがないことを保証しながら)荷物を注入する。したがって、第2の既知の解決策は、コレクタの充填レート(したがってコレクタからの発出フローレート)を増加させる。これはまた、ノードを介してコレクタに注入される前の荷物の待機時間を短縮する。
【0024】
しかし、本明細書で上述した第1および第2の既知の解決策には、以下の2つの欠点がある。
・「供給元内」スケジューリング(すなわち供給元から出る前)は、各供給元で、所与の顧客注文について、供給元から出る荷物が、荷物の宛先の昇順の順序番号に従ってスケジュールされることを指示するので、供給元に強い制約を課す。そして、
・「供給元間」スケジューリング(すなわち、供給元から出た後)は、コレクタでの荷物の収集中に、荷物の宛先の昇順の順序番号との一致(言い換えると、コレクタでの収集の終了時に荷物に関する未整序が生じ得ない)を指示するので、供給元バッファデバイスおよびコレクタに強い制約を課す。
【0025】
これらの欠点を克服するために、供給元、供給元バッファデバイス、およびコレクタに対する上記の重い制約をなくすことを狙いとする第3の既知の解決策がある。この制御は、供給元バッファデバイスから出る準備ができている荷物のための空きスペースがコレクタにある場合に、荷物がそのコレクタに収集されるというものである。この第3の既知の解決策を用いると、荷物は、供給元から未整序に出ることができ、コレクタに未整序で収集することができる。しかし、宛先での荷物の到着時に、荷物の宛先の昇順の順序番号が遵守されなければならない場合、コレクタで収集された後に、順序付け(スケジューリングとも呼ばれる)、すなわち荷物の宛先の所望の順番に従った並べ替えを実施する必要がある。このために、少なくとも1つの荷物順序付けおよびバッファ保管システム(またはデバイス)が、コレクタと宛先との間に配置される。そのような順序付けおよびバッファ保管システムの例は、(それらの内容を引用することにより本明細書の一部をなすものとする)本願の出願人により出願されたフランス特許出願第3051948号、フランス特許出願第3045583号、およびフランス特許出願第3031510号に記載されている。
【0026】
しかし、第3の既知の解決策にも、以下のような欠点がある。
・コレクタでの空き場所を待つことにより、供給元バッファデバイスの1つまたは複数(特にコレクタの最も下流に位置するデバイス)において、荷物の望ましくない蓄積が生じる可能性がある。
・コレクタから出る荷物の流れが滑らかでなくなる可能性がある。これは、コレクタの機械的能力が完全には使用されないことを意味する(荷物が、コレクタにおいて互いに必要以上に間隔を空けて置かれ、スペースの損失をもたらし、ラインの最後での生産率を低下させる)。
・コレクタでの荷物の収集の順番は、宛先の昇順の順序番号を考慮していない。荷物の並べ替え(必要な場合)は、コレクタと宛先の間に配置された荷物順序付けおよびバッファ保管システムに完全に依拠する。これは、荷物順序付けおよびバッファ保管システムの複雑さおよび性能をさらに高くする。
【発明の概要】
【0028】
3.概要
本発明の特定の一実施形態では、
−k≧2として、k個の供給元のセットGと、
−少なくとも1つの宛先と、
−それぞれがk個の供給元の1つからの荷物を受け取る「先入れ先出し」タイプのk個の供給元バッファデバイスと、
−k個の供給元バッファデバイスから出る荷物を収集し、荷物を上記少なくとも1つの宛先に輸送するコレクタであって、供給元バッファデバイスの1つから出る荷物を収集するようにそれぞれ構成されたk個の連続するノードを含むコレクタと、
−顧客注文を処理するように構成された上記制御システムであって、各顧客注文が、所与の宛先のための荷物をリストし、宛先の順序番号にそれぞれ関連付けられる、上記制御システムと
を備える自動荷物配送システムにおける制御システムによって実施される、荷物を順序付けするための方法であって、
制御システムが、
収集すべきn個の荷物を含み、上記n個の荷物の未整序を低減する収集リストL
Cを構築するステップであって、未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて計算され、上記n個の荷物が、k個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数1】
であり、ここで、p(i)が、第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップと、
収集リストL
Cに準拠したコレクタでの荷物の収集を実施するために、コレクタおよび供給元バッファデバイスを制御するステップと
を実施する方法が提案される。
【0029】
したがって、提案される解決策は、制御システムが、コレクタおよび供給元バッファデバイスを制御して、宛先の昇順の順序番号の遵守の軽い制約の下で供給元バッファデバイスから出る荷物の収集を実施する、完全に新規性かつ進歩性のある手法を提案する。この軽い制約を違反すると、コレクタでの荷物の収集中に未整序が発生し、提案された解決策がこの未整序を低減する。
【0030】
したがって、提案される解決策は、第1と第2の既知の解決策の欠点と第3の既知の解決策の欠点との両方を軽減する。特に、提案される解決策は、供給元、供給元バッファデバイス、およびコレクタに対して上記の強い(重い)制約を課さず(定めず)、供給元バッファデバイスおよびコレクタに対する軽い制約のみを課す(すなわち、この場合、違反され得る制約は未整序を引き起こし、これは低減されることが求められる)。さらに、収集中の未整序の低減は、宛先デバイスの作業を容易にする(これらの宛先が、これらの宛先に到達する荷物の宛先の昇順の順序番号の遵守を課さない場合)、または、荷物順序付けおよびバッファ保管システムの作業を軽減する(宛先に到着する荷物の宛先の昇順の順序番号の遵守を保証するために、コレクタと宛先との間に配置されたシステムがある場合)。
【0031】
第1の実施形態では、収集リストL
Cを構築するためのステップは、
(a)単一の状態e
init=(U
init,L
init)を有する第1の状態セットE1を初期化するステップであって、U
initが、k個のゼロを含むkアプレットであり、L
initが空のリストであるステップと、
(b)第2の状態セットE2を空の値で初期化するステップと、
(c)n個の連続する構築ステップのうちの各構築ステップに関して、
(c.1)e=(U,L)とし、ここでUがk個の要素を含むkアプレットであるとして、E1の各状態eについて(1204)、U=(z
1,・・・,z
k)であり、ここでz
iが、第iの供給元バッファデバイスから取られる荷物の数であり、Lが、Uに関連付けられた荷物のリストであり、
(c.1.1)f∈{1,・・・,k}の各値に関して、
(c.1.1.1)U(f)が、Lに含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)が、第fの供給元バッファデバイスに収集すべき荷物の数であるとして、U(f)<p(f)の場合、
−i− e=(U,L)から始めて、U(f)に1を追加し、Lの最後に、第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物のシーケンス中で第(U(f)+1)の位置を占める荷物を追加して、新たな状態e
N=(U
N,L
N)を作成するステップと、
−ii− 宛先の昇順の順序番号に対する上記未整序計算関数を用いて、新たな状態e
NのリストL
Nの未整序の値d’を計算するステップと、
−iii− U
Na=U
N、およびd
aをリストL
Naの未整序の値として、E2が別の新たな状態e
Na=(U
Na,L
Na)を含む場合、d’<d’
aのとき、e’
NによってE2’でe’
Naを置き換え(1214)、d’≧d
a’のとき、e’
NはE2’に挿入されないステップと、
−iv− E2が上記他の新しい状態e
Naを含まない場合、e
NがE22に挿入されるステップと、
(c.2)構築ステップが第nの構築ステップでない場合、E2が新たな状態セットE1になり、方法が次の構築ステップに進むステップと、
(c.3)構築ステップが第nの構築ステップである場合、E2が単一の最終状態e
F=(U
F,L
F)を含み、L
Fが上記収集リストL
Cを形成するステップと
を含む。
【0032】
したがって、制御システムは、最適な結果を有する収集リストを構築することができ、(計算時間や複雑さなどの点で)高性能で簡単かつ自動的にそれを行うことができる。
【0033】
第2の実施形態では、収集リストL
Cを構築するためのステップは、
(A)k’≧2およびk’<kとして、k’個の供給元バッファデバイスを含む少なくとも1つのセットG’を構築するステップと、
(B)上記セットまたは各セットG’に関して、収集すべきn’個の荷物を含み、上記n’個の荷物の未整序を低減する収集リストL
C’を構築するステップであって、未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して上記未整序計算関数を用いて計算され、n’個の荷物が、k’個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数2】
であり、ここで、p(i)が、k’個の供給元バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップと、
(C)上記セットまたは各セットG’に関して、k’個の供給元バッファデバイスを、上記収集リストL
C’の順番でn’個の荷物を含む1つの仮想の供給元バッファデバイスによって置き換えることによって、セットGを修正するステップと、
(D)修正されたセットGが複数の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、修正されたセットGを用いてステップ(A)〜(D)を繰り返し、修正されたセットGが単一の供給元バッファデバイスを含む場合(1004)、収集リストL
C’が収集リストL
Cを形成するステップと
を含む。
【0034】
このようにして、k個の供給元バッファデバイスとそれらが含むn個の荷物を含む一般的なアルゴリズムを実行して収集リストL
Cを直接構築する(第1の実施形態の場合)のではなく、第2の実施形態は、収集リストL
Cの反復構築に依拠し、各反復での1つ以上の収集リストL
C’(それぞれが、k’≧2およびk’<kとして、k’個の供給元バッファデバイスに含まれるn’個の荷物を含む)の構築を伴う。したがって、第1の実施形態よりも改善された時間で(すなわち、より短い時間枠で)結果を取得することが可能である。
【0035】
ステップ(A)では、異なるセットG’が共通の供給元バッファデバイスを有さない場合、それぞれがk’個の供給元バッファデバイスを含む複数のセットG’を構築することが可能である。この場合、ステップ(B)で、異なるセットG’を並列処理して異なるリストL
C’を構築し(そして、これらはステップ(C)で使用される)、計算時間をさらに短縮することができる。
【0036】
第2の実施形態の1つの特定の特性によれば、構築は、収集リストL
C’の上記セットまたは各セットG’に関して、
(a)単一の状態e’
init=(U’
init,L’
init)を有する第1の状態セットE1’を初期化するステップであって、U’
initが、k’個のゼロを含むk’アプレットであり、L’
initが空のリストであるステップと、
(b)第2の状態セットE2’を空の値で初期化するステップと、
(c)n個の連続する構築ステップのうちの各構築ステップに関して、
(c.1)e’=(U’,L’)として、U’がk’個の要素を含むk’アプレットであるとして、E1’の各状態e’について、U’=(z
1,・・・,z
k’)であり、ここで、z
iが、k’個の供給源バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで取られる荷物の数であり、L’が、U’に関連付けられた荷物のリストであり、
(c.1.1)f∈{1,・・・,k’}の各値に関して(1205)、
(c.1.1.1)U’(f)が、L’に含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)が、第fの供給元バッファデバイスに収集すべき荷物の数であるとして、U’(f)<p(f)の場合(1206)、
−i− e’=(U’,L’)から始めて、U’(f)に1を追加し、L’の最後に、第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物のシーケンス中で第(U’(f)+1)の位置を占める荷物を追加して、新たな状態e’
N=(U’
N,L’
N)を作成するステップと、
−ii− 宛先の昇順の順序番号に対する上記未整序計算関数を用いて、新たな状態e’
NのリストL’
Nの未整序の値d’を計算するステップと、
−iii− U’
Na=U’
N、およびd’
aをリストL’
Naの未整序の値として、E2’が別の新たな状態e’
Na=(U’
Na,L’
Na)を含む場合(1210)、d’<d’
aのとき、e’
NによってE2’でe’
Naを置き換え、d’≧d
a’のとき、e’
NはE2’に挿入されない、ステップと、
−iv− E2’が他の新しい状態e’
Naを含まない場合、e’
NがE2’に挿入される、ステップと、
(c.2)構築ステップが第n’の構築ステップでない場合、E2’が新たなセットE1’になり(1215)、操作が次の構築ステップに進むステップと、
(c.3)構築ステップが第n’の構築ステップである場合、E2’がただ1つの最終状態e’
F=(U’
F,L’
F)を含み、L’
Fが収集リストL
C’を形成するステップと
を含む。
【0037】
このようにして、非常に短い計算時間で、実現可能な解決策が得られ、この解決策が最適でない場合でも、得られた収集リストL
Cの未整序は、最適な未整序からごくわずかしか離れていない。比較として、第1の実施形態は、最適な結果を与えるが、kおよびnの増加に伴って、必要な計算時間が大幅に増加する(計算時間は、最大3レーンまたは最大約30個の荷物では、わずか0.2秒未満である)。
【0038】
第2の実施形態の1つの特定の特性によれば、k’=2である。
【0039】
このようにして、計算時間を大幅に改善し、改善された時間(すなわち、より短い時間枠)で収集リストL
Cを得ることが可能である。
【0040】
第2の実施形態の1つの特定の特性によれば、この方法は、
実行ごとに異なる少なくとも1つのセットG’を用いた、収集リストL
Cを構築するためのステップの少なくとも2回の実行であって、各実行が結果を提供する、少なくとも2回の実行と、
結果の1つの選択と
をさらに含む。
【0041】
したがって、いくつかの収集リストL
Cを取得し、最良のもの(すなわち、最低の未整序を示すもの)が保持される。
【0042】
第2の実施形態の1つの特定の特性によれば、上記少なくとも2回の実行および上記選択は、動作可能な検索技法を適用することによって行われる。
【0043】
このようにして、すべての可能なケース(すなわち、すべての可能なセットG’)を計算することを避け、したがって必要とされる計算が低減され、同時に、最適な解決策に近づくまたは最適な解決策を達成することが可能になる。
【0044】
1つの特定の特性によれば、ステップ(c.1.1.1)において、制御システムが、N(f)<y
fであるかどうかも検証し(506a、1206a)、ここで、N(f)が、LまたはL’に連続的に配置された第fの供給元バッファデバイスの荷物の最長シーケンスであり、y
fが所定の閾値である。さらに、ステップ(i)〜(iv)は、一方ではU(f)<p(f)またはU’(f)<p(f)である場合にのみ、他方ではN(f)<y
fである場合にのみ実施される。
【0045】
このようにして、同じ供給元バッファデバイスで連続して収集される荷物の数が制限される。これは、収集リスト内の荷物の(供給元および供給元バッファデバイスの観点での)出所のバランスを取る。
【0046】
1つの特定の特性によれば、ステップ−ii−の後に、
−iia− d
Hおよびd’
Hを所定値としてd>d
Hまたはd’>d’
Hである場合、新たな状態e
N、e’
NがそれぞれE2’に挿入されず、ステップ(iii)および(iv)が実施されないステップ
が続く。
【0047】
これは、制御システムによって成される計算を単純にする(管理すべき状態がより少なくなる)。
【0048】
1つの特定の特性によれば、記所定値d
H、d’
Hが、それぞれ
−n、n’個の荷物をそれぞれ含み、
*それぞれkおよびk’個の供給元バッファデバイスから実際に出る準備ができている荷物のうち、L
H、L’
Hの第1の荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物であり、
*L
H、L’
Hの先行の荷物がk、k’個の供給元バッファデバイスから出たと仮定して、それぞれk、k’個の供給元バッファデバイスから出る準備ができている荷物のうち、L
H、L’
Hの後続の各荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物である
ように構築される参照リストL
H、L’
Hを構築するステップと、
−上記未整序計算関数を用いて、リストL
HおよびL’
Hの未整序の値としてそれぞれd
H、d’
Hを計算するステップと
によって計算される。
【0049】
したがって、所定の未整序の値d
Hまたはd’
Hを計算するために、ヒューリスティック法(必ずしも最適解ではない解を迅速に与える計算法)を使用する。提案されるヒューリスティック法は実施が簡単である。
【0050】
1つの特定の実施形態では、上記未整序計算関数が、q個の荷物のリストMに関して、
【数3】
として書かれ、ここで、K(i)が、リストMの第iの荷物の前に配置されているリストMの荷物の数であり、リストMの第iの荷物の順序番号以下の宛先の順序番号を有する。
【0051】
未整序計算関数H(M)は、宛先の厳密な昇順(例えば、「1 2 3 4 5」)または厳密でない昇順(例えば、「1 1 2 2 2 3 4 4 5」)の順序番号と比較した未整序の計算のための高性能の解決策を提供する。
【0052】
実施の変形形態では、未整序を計算するための他の関数を使用することもできる(以下を参照)。
【0053】
1つの特定の特性によれば、所与の顧客注文の荷物が、宛先の所与の昇順の順番で所与の宛先に到達しなければならず、上記制御システムが、コレクタと上記少なくとも1つの宛先との間に配置された少なくとも1つの順序付けデバイスを制御するためのステップを実施して、n個の荷物の未整序の訂正を行う。
【0054】
したがって、この場合、提案される解決策は、宛先に到達する荷物の宛先の昇順の順序番号への準拠を保証する。さらに、上でさらに述べたように、この場合の提案される解決策は、(第3の従来技術の解決策と比較して)荷物順序付けおよびバッファ保管システムの作業を低減する。実際、スケジューリング作業は、一部は、コレクタによる供給元バッファデバイスからの荷物の収集の特定のメカニズムによって行われ、一部は、順序付けおよびバッファ保管システムによって行われる。
【0055】
1つの特定の特性によれば、制御システムが、収集リストを構築するためのステップの前に、Rを2以上の整数として、供給元バッファデバイスの1つに含まれるR個の連続する荷物の少なくとも1つのグループに関して、R個の荷物の宛先の順序番号の関数として、宛先の代替順序番号を計算するステップを実施する。さらに、収集リストを構築するためのステップの実行に関して、制御システムが、R個の荷物のそれぞれについて、宛先の代替順序番号を使用する。
【0056】
このようにして、R個の荷物の同一グループにある荷物が、収集リスト内で互いに続く。これは、例えば、高性能の機械的制約に準拠するために、それに対応して、関連の供給元バッファデバイスへのこれらR個の荷物の投入(およびまた、関連の供給元からのこれらR個の荷物の排出)に関してペースを設定することを可能にする。
【0057】
1つの特定の特性によれば、R個の荷物の宛先の順序番号の関数としての、宛先の代替順序番号の計算が、
− R個の荷物の宛先の順序番号の平均値を計算すること、
− R個の荷物の宛先の順序番号の関数としてR個の荷物の未整序の値を計算すること、
− R個の荷物の未整序の値が所定の閾値よりも大きい場合、宛先の代替順序番号が、最も近い整数に切り上げられた平均値であり、そうでない場合、宛先の代替順序番号が、最も近い整数に切り捨てられた平均値であること
を含む。
【0058】
これは、制御システムによって行われる宛先の代替順序番号の計算を単純化する。
【0059】
1つの特定の特性によれば、供給元バッファデバイスの1つへの少なくとも1つの新たな荷物の投入が、上記供給元バッファデバイスで収集すべき荷物、したがってk個の供給元バッファデバイスすべてで収集すべきn個の荷物の修正を促す場合、方法のステップの新たな実行が開始される。
【0060】
このようにして、提案される解決策は、収集すべきn個の荷物の変更があるとすぐに、方法の新たな実行により動的に使用することができる。
【0061】
本発明の別の実施形態は、上記プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、上述した方法を実施するためのプログラムコード命令を含むコンピュータプログラム製品を提案する。
【0062】
本発明の別の実施形態は、(その様々な実施形態の任意の1つにおいて)上述した方法を実施するためにコンピュータによって実行可能な1組の命令を備えるコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読の非一時的記憶媒体の使用を提案する。
【0063】
本発明の別の実施形態は、
− k≧2として、k個の供給元と、
− 少なくとも1つの宛先と、
− k個の供給元の1つからの荷物をそれぞれ受け取る「先入れ先出し」タイプのk個の供給元バッファデバイスのセットGと、
− k個の供給元バッファデバイスから出る荷物を収集し、荷物を上記少なくとも1つの宛先に向けて輸送するコレクタであって、k個の供給元バッファデバイスの1つから出る荷物を収集するようにそれぞれ構成されたk個の連続するノードを含むコレクタと、
− 顧客注文を処理するように構成された制御システムであって、各顧客注文が、所与の宛先のための荷物をリストし、宛先の順序番号にそれぞれ関連付けられる、制御システムと
を備える自動荷物配送システムであって、
上記制御システムが、
− 収集すべきn個の荷物を含み、n個の荷物の未整序を低減する収集リストL
Cを構築するステップであって、上記未整序が、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて計算され、上記n個の荷物が、k個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数4】
であり、ここで、p(i)が、第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である、ステップと、
収集リストL
Cに準拠したコレクタでの荷物の収集のために、コレクタおよび供給元バッファデバイスを制御するステップと、
を行うように構成された計算機を含む。
【0064】
有利には、制御システムは、その様々な実施形態の任意の1つにおいて本明細書で上述したように荷物を順序付けする方法において実施するステップの実施手段を備える。
【0065】
4.図面のリスト
本発明の他の特徴および利点は、例示的かつ非網羅的な例として与えられる以下の説明および添付図面から明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0067】
5.詳細な説明
本発明のすべての図において、同一の要素およびステップは同じ参照符号で表されている。
【0068】
図2は、本発明による荷物順序付け方法を実施することが可能な自動配送システムの一例のブロック図を示す。この例では、システムは、5つの供給元S1〜S5(例えば保管庫の異なる部分(保管ユニット))と、5つの宛先D1〜D5(例えば顧客注文ピッキングまたは準備ステーション)と、コレクタ1(例えば1つまたは複数のコンベアからなる)と、順序付けおよび保管バッファデバイスまたはシステム91と、制御システム90(例えばWCSタイプのもの)とを備える。この例では、供給元の数および宛先の数は、単に例示として与えられている。より一般的には、システムは、k(k≧2)個の供給元と、少なくとも1つの宛先とを備える。
【0069】
すでに上でさらに説明したように、コレクタ1は、各宛先まで荷物を輸送するように構成され、複数の連続するノードを備える。参照符号N1〜N5を付されたノードはそれぞれ、供給元S1〜S5の1つから出る荷物を収集するように構成され、参照符号N1’〜N5’を付されたノードはそれぞれ、宛先D1〜D5の1つに向けて荷物を送るように構成される。これらのノードはそれぞれ、例えば90度または45度移送デバイスを備える。
【0070】
各供給元S1〜S5は、例えば、FIFOタイプの供給元バッファデバイスF1〜F5によってノードN1〜N5の1つに接続される。同様に、各宛先D1〜D5は、例えば、FIFOタイプの宛先バッファデバイスF1’〜F5’によってノードN1’〜N5’の1つに接続される。
【0071】
各宛先の上流で、順序付けおよびバッファ保管システム91は、この宛先に関して、宛先の昇順の順番で荷物の最終スケジューリングを可能にする。以下でさらに詳細に述べるように、コレクタでの荷物の収集の終了時に、これらの荷物が(宛先の昇順の順番に対して)未整序であることが許容される。順序付けおよびバッファ保管システム91は、この未整序をなくす。
【0072】
一変形形態では、制約は、宛先に関してより融通性があり、宛先の昇順の順序番号が、この宛先に到着する荷物によって遵守されていないことが許容される。この変形形態では、各宛先の上流の順序付けおよびバッファ保管システム91は、省略される(存在しない)か、または最終スケジューリングを実施するために使用されるが、その最終スケジューリングは部分的なものでよい(すなわち、時として上述した未整序をなくさずに減少させるだけである)。
【0073】
別の変形形態では、複数の順序付けおよびバッファ保管システム91(各宛先のすぐ上流かつコレクタ1の下流に1つ)は存在せず、(1組の宛先の上流に)ただ1つの順序付けおよびバッファ保管システム91が存在する。
【0074】
制御システム90は、顧客注文を処理するように構成され、顧客注文はそれぞれ荷物をリストし、荷物は、供給元から抽出されて、理想的には(本明細書での上の論述を参照)、宛先の所与の昇順の順番で所与の宛先に提供されるべきである。
【0075】
例えば、制御システム90は、
図5および
図6(第1の実施)、
図10および12(第2の実施)、または
図13(第3の実施)を参照して本明細書で以下に述べる特定の実施形態の1つに従って荷物順序付け方法を実施する。
【0076】
次に
図3を参照して、本発明の特定の一実施形態による荷物順序付け方法を提示する。この方法は、制御システム90によって実施される。
【0077】
ステップ31で、制御システム90は、収集されるべきn個の荷物を含み、宛先の昇順の順序番号に対するn個の荷物の未整序(未整序計算関数を用いて計算される)を低減する収集リストL
Cを準備する。n個の荷物は、供給元バッファデバイスF1〜F5に含まれる。
【数5】
が成り立ち、ここで、p(i)は、第iの供給元バッファデバイスで収集されるべき荷物の数である。収集リストを構築するためのこのステップ31の特定の一実施形態を、
図5を参照して本明細書で以下に述べる。また、
図10および
図12を参照して第2の実施を以下でさらに述べ、
図13を参照して第3の実施を以下でさらに述べる。
【0078】
ステップ32で、制御システム90は、コレクタ1および供給元バッファデバイスF1〜F5を制御し、(コレクタでの)荷物の収集が収集リストに従って実施されるようにする。
【0079】
所与の顧客注文の荷物が、宛先の所与の昇順の順番で所与の宛先に到着しなければならない場合、ステップ33が実施され、ステップ33で、制御システム90は、n個の荷物の未整序の訂正のために順序付けおよびバッファ保管システム91を制御する。
【0080】
テストステップ34で、制御システム90は、供給元バッファデバイスF1〜F5の1つへの少なくとも1つの新たな荷物の投入が、この供給元バッファデバイスに収集されるべき荷物の修正、したがってk個の供給元バッファデバイスの組に収集されるべきn個の荷物の修正を促すことを検証する。テストステップ34で肯定応答があった場合(すなわち、収集されるべきn個の荷物の組の修正があった場合)、制御システム90は、方法のステップの新たな実行を開始する。
【0081】
一変形形態では、荷物順序付け方法は、
図9Aおよび
図9Bを参照して以下でさらに述べる予備ステップ30を含む。
【0082】
図4は、本発明の特定の一実施形態による制御システム90の構造を表す。この制御システムは、ランダムアクセスメモリ92(例えばRAM)と、処理ユニット91とを含み、処理ユニット91は、例えばプロセッサを備え付けられ、読み取り専用メモリ93(例えばROMまたはハードディスクドライブ)に記憶されたコンピュータプログラム930によって駆動される。
【0083】
初期化時、コンピュータプログラムのコード命令は、例えば、ランダムアクセスメモリ92にロードされ、次いで、処理ユニット91のプロセッサによって実行されて、本発明の荷物順序付け方法を実施する(例えば、その実施形態の任意の1つにおいて
図3の実施形態に従う)。処理ユニット91は、コマンド(「命令」とも呼ばれる)94を入力する。処理ユニット91のプロセッサは、これらのコマンド94を処理し、出力で他のコマンド(「命令」とも呼ばれる)95を生成し、自動配送システムに含まれる様々な要素、特に供給元S1〜S5、FIFOタイプの供給元バッファデバイスF1〜F5、コレクタ1、宛先D1〜D5、FIFOタイプの宛先バッファデバイスF1’〜F5’、ならびに順序付けおよびバッファ保管システム91の制御を可能にする(または指令する)。
【0084】
この
図4は、いくつかの取り得る方法のうち、その実施形態の任意の1つで本発明の技法を実施するただ1つの特定の手法を示す。実際、制御システムは、命令のシーケンスを含むプログラムを実行する再プログラム可能な計算機(例えばPCプロセッサ、DSPプロセッサ、マイクロコントローラなど)、または専用の計算機(例えば、FPGAやASICなどの1組の論理ゲートまたは任意の他のハードウェアモジュール)で同様に良く実施することができる。
【0085】
再プログラム可能な計算機を用いて制御システムを作製する場合、対応するプログラム(すなわち、命令のシーケンス)は、取外し可能な記憶媒体(例えばフロッピーディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)または取外し不可能な記憶媒体に記憶することができ、この記憶媒体は、コンピュータまたはプロセッサによって部分的または完全に読み出し可能である。
【0086】
図5は、(収集リストL
Cを準備する)
図3のステップ31の第1の特定の実施のアルゴリズムを示す。
【0087】
ステップ501で、制御システムは、第1の状態セットE1を単一の状態e
init=(U
init,L
init)で初期化し、ここで、U
initは、k個のゼロを含むkアプレットであり、L
initは空リストである。
【0088】
ステップ502で、制御システムは、第2の状態セットE2を空の値で初期化する。
【0089】
テストステップ503で、制御システムは、n個の連続する構築ステップ(すなわち、それらのすべて)が実施されたかどうかを検証する。
【0090】
テストステップ503で肯定応答があった場合、制御システムはステップ516に進み、ステップ516で、E2に含まれる単一の最終状態e
F=(U
F,L
F)から収集リストL
Cを得る。実際、制御システムは、L
Fを収集リストL
Cとして取る。
【0091】
テストステップ503で否定応答があった場合、制御システムは、テストステップ504に進む際に次の構築ステップの処理を開始し、テストステップ504で、E1のすべての状態が処理されたかどうかを検証する。E1の各状態eは、e=(U,L)として書かれ、ここで、Uは、k個の要素を含むkアプレットであり、第iの供給元バッファデバイスで取られる荷物の数をz
iとしてU=(z
1,・・・,z
k)であり、i∈{1,・・・,k}であり、Lは、Uに関連付けられた荷物のリストである。
【0092】
テストステップ504で肯定応答があった場合、制御システムはステップ515に進み、ステップ515で、構築ステップが第nの構築ステップではない場合、E2が新たな状態セットE1になり、次いで制御システムが(次の構築ステップに進むために)ステップ503に戻る。
【0093】
テストステップ504で否定応答があった場合、制御システムは、未処理状態E1を取り、テストステップ505に進み、テストステップ505で、f∈{1,・・・,k}としてfのすべての値が処理されたかどうかを検証する。
【0094】
ステップ505で肯定応答があった場合、制御システムは、ステップ504に戻る。テストステップ505に対して否定応答があった場合、制御システムは、fの未処理の値を取り、テストステップ506に進み、テストステップ506で、U(f)<p(f)であるかどうかを検証し、ここで、U(f)は、Lに含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)は、第fの供給元バッファデバイスで収集されるべき荷物の数である。
【0095】
テストステップ506で否定応答があった場合、制御システムは、ステップ505に戻る。ステップ506で肯定応答があった場合、制御システムは、テストステップ506aに進み、テストステップ506aで、N(f)<y
fであるかどうかを検証し、ここで、N(f)は、Lに連続的に配置された第fの供給元バッファデバイスの荷物の最大数であり、y
fは所定の値(例えば、y
f=6)である。
【0096】
テストステップ506aで否定応答があった場合、制御システムは、ステップ505に戻る。テストステップ506aで肯定応答があった場合、制御システムはステップ507に進み、ステップ507で、U(f)に1を加え、Lの最後に、第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物のシーケンスでの第(U(f)+1)の位置を占める荷物を加えて、e=(U,L)から始まる新たな状態e
N=(U
N,L
N)を作成する。
【0097】
ステップ507の後にステップ508が続き、ステップ508で、制御システムは、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて、新たな状態e
NのリストL
Nの未整序の値dを計算する。
【0098】
ステップ508の特定の一実施形態では、制御システムは、未整序計算関数を使用し、未整序計算関数は、q個の荷物のリストMに関して以下のように書かれる。
【数6】
ここで、K(i)は、リストMの第iの荷物の前に配置されているリストMの荷物の数であり、リストMの第iの荷物の順序番号以下の宛先の順序番号を有する。
【0099】
それだけに限らないが特に、本発明の枠組みから逸脱することなく、以下の他の未整序計算関数を使用することができる。
[式2]
B(M)=MAX(K(i)), i∈{1,・・・,q}
ここで、K(i)は、上でさらに定義したものである。
【数7】
ここで、A(i)は、リストMのq個の荷物が宛先の昇順の順序番号に従って並べ替えられた場合に、リストMの第iの荷物が占める位置である。
[式4]
G(M)=MAX(|(A(i)−i|), i∈{1,・・・,q}
ここで、A(i)は、上でさらに定義したものである。
【0100】
例えば、M=(3,1,8,4,7,2,6,5)の場合、以下のようになる。
・H(M)=([(1−1)−0]+[(2−1)−0]+[(3−1)−2]+[(4−1)−2]+[(5−1)−3]+[(6−1)−1]+[(7−1)−4]+[(8−1)−4])=12
・B(M)=4
・F(M)=(|3−1|+|1−2|+|8−3|+|4−4|+|7−5|+|2−6|+|6−7|+|5−8|)=18
・G(M)=5
【0101】
ステップ508の後にテストステップ509が続き、テストステップ509で、制御システムは、d>d
Hであるかどうかを検証し、ここでd
Hは所定値である。
【0102】
ステップ509の特定の一実施形態では、所定値d
Hは以下のように計算される。
−n個の荷物を含み、以下のように構築される参照リストL
Hを構築する。
・k個の供給元バッファデバイスから実際に出る準備ができている荷物のうち、L
Hの第1の荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物である。
・L
Hの先行の荷物がk個の供給元バッファデバイスから出たと仮定して、k個の供給元バッファデバイスから出る準備ができている荷物のうち、L
Hの後続の各荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物である。
−未整序計算関数を用いて、リストL
Hの未整序の値としてd
Hを計算する。
【0103】
テストステップ509で肯定応答があった場合、制御システムはステップ505に戻る。テストステップ509で否定応答があった場合、制御システムはテストステップ510に進み、ステップ510で、E2が別の新たな状態e
Na=(U
Na,L
Na)を含むかどうかを検証する。ここで、U
Na=U
Nであり、d
aは、リストL’
Nの未整序の値である。
【0104】
テストステップ510で肯定応答があった場合、制御システムはステップ512に進み、ステップ512で、d<d
aであるかどうかを検証する。テストステップ512で肯定応答があった場合、制御システムはステップ514に進み、ステップ514で、E2でのe
Naをe
Nによって置き換える。テストステップ512で否定応答があった場合、制御システムはステップ513に進み、ステップ513で、e
NをE2に挿入しない。ステップ512またはステップ514の終了時に、制御システムはステップ505に戻る。
【0105】
テストステップ510で否定応答があった場合、制御システムはステップ511に進み、ステップ511でe
NをE2に挿入し、次いでステップ505に戻る。
【0106】
ここで
図6ならびに
図7A、
図7Bおよび
図7Cを参照して、1つの宛先のみを有する第1の実施における、本発明による荷物順序付け方法を用いた顧客注文の処理を提示する。
図7A、
図7Bおよび
図7Cは、この処理の以下の3つのステップである、コレクタでの収集前の荷物、コレクタでの収集後の荷物、および最終スケジューリング後の荷物をそれぞれ示す。
【0107】
この例では、2つの供給元S1およびS2と、1つの宛先D1とがあると仮定される。処理すべき顧客注文は、番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10を付された荷物をリストする(図では、荷物は、それらの宛先の順序番号を付されている)。
【0108】
図7Aに示されるように、供給元バッファデバイスF1(供給元S1の下流にある)は、シーケンス7、6、1、9、および3に従って5つの荷物を含む。供給元バッファデバイスF2(供給元S2の下流にある)は、8、4、5、2、および10のシーケンスに従って5つの荷物を含む。したがって、n=10、p(1)=5、およびp(2)=5である。
【0109】
E1を初期化するためのステップと、
図5を参照して上でさらに述べたn個の構築ステップとの結果は、以下のようである(未整序の値dの計算の関数としてH(M)を取る際)。
E1を初期化するためのステップ
状態e
00=[U=(0,0);L=()];d=0
構築ステップ1
状態e
10=[U=(1,0);L=(8)];d=0
状態e
01=[U=(0,1);L=(7)];d=0
構築ステップ2
状態e
20=[U=(2,0);L=(8,4)];d=1
状態e
11=[U=(1,1);L=(7,8)];d=0
状態e
11a=[U=(1,1);L=(8,7)];d=1(保持されない)
状態e
02=[U=(0,2);L=(7,6)];d=1
構築ステップ3
状態e
30=[U=(3,0);L=(8,4,5)];d=2
状態e
21=[U=(2,1);L=(8,4,7)];d=2
状態e
21a=[U=(2,1);L=(7,8,4)];d=2(保持されない)
状態e
12=[U=(1,2);L=(7,8,6)];d=2(保持されない)
状態e
12a=[U=(1,2);L=(7,6,8)];d=1
状態e
03=[U=(0,3);L=(7,6,1)];d=3
構築ステップ4
状態e
40=[U=(4,0);L=(8,4,5,2)];d=5
状態e
31=[U=(3,1);L=(8,4,5,7)];d=3
状態e
31a=[U=(3,1);L=(8,4,7,5)];d=4(保持されない)
状態e
22=[U=(2,2);L=(8,4,7,6)];d=4
状態e
22a=[U=(2,2);L=(7,6,8,4)];d=4(保持されない)
状態e
13=[U=(1,3);L=(7,6,8,1)];d=4(保持されない)
状態e
13a=[U=(1,3);L=(7,6,1,8)];d=3
状態e
04=[U=(0,4);L=(7,6,1,9)];d=3
構築ステップ5
状態e
50=[U=(5,0);L=(8,4,5,2,10)];d=5
状態e
41=[U=(4,1);L=(8,4,5,2,7)];d=6
状態e
41a=[U=(4,1);L=(8,4,5,7,2)];d=7(保持されない)
状態e
32=[U=(3,2);L=(8,4,5,7,6)];d=5
状態e
32a=[U=(3,2);L=(8,4,7,6,5)];d=7(保持されない)
状態e
23=[U=(2,3);L=(8,4,7,6,1)];d=8(保持されない)
状態e
23a=[U=(2,3);L=(7,6,1,8,4)];d=6
状態e
14=[U=(1,4);L=(7,6,1,8,9)];d=3
状態e
14a=[U=(1,4);L=(7,6,1,9,8)];d=4(保持されない)
状態e
05=[U=(0,5);L=(7,6,1,9,3)];d=6
構築ステップ6
状態e
51=[U=(5,1);L=(8,4,5,2,10,7)];d=7(保持されない)
状態e
51a=[U=(5,1);L=(8,4,5,2,7,10)];d=6
状態e
42=[U=(4,2);L=(8,4,5,2,7,6)];d=8
状態e
42a=[U=(4,2);L=(8,4,5,7,6,2)];d=10(保持されない)
状態e
33=[U=(3,3);L=(8,4,5,7,6,1)];d=10(保持されない)
状態e
33a=[U=(3,3);L=(7,6,1,8,4,5)];d=9
状態e
24=[U=(2,4);L=(7,6,1,8,4,9)];d=6
状態e
24a=[U=(2,4);L=(7,6,1,8,9,4)];d=7(保持されない)
状態e
15=[U=(1,5);L=(7,6,1,8,9,3)];d=7
状態e
15a=[U=(0,5);L=(7,6,1,9,3,8)];d=7(保持されない)
構築ステップ7
状態e
52=[U=(5,2);L=(8,4,5,2,7,10,6)];d=9(保持されない)
状態e
52a=[U=(5,2);L=(8,4,5,2,7,6,10)];d=8
状態e
43=[U=(4,3);L=(8,4,5,2,7,6,1)];d=14
状態e
43a=[U=(4,3);L=(7,6,1,8,4,5,2)];d=14(保持されない)
状態e
34=[U=(3,4);L=(7,6,1,8,4,5,9)];d=9
状態e
34a=[U=(3,4);L=(7,6,1,8,4,9,5)];d=10(保持されない)
状態e
25=[U=(2,5);L=(7,6,1,8,4,9,3)];d=11
状態e
25a=[U=(2,5);L=(7,6,1,8,9,3,4)];d=11(保持されない)
構築ステップ8
状態e
53=[U=(5,3);L=(8,4,5,2,7,6,10,1)];d=15(保持されない)
状態e
53a=[U=(5,3);L=(8,4,5,2,7,6,1,10)];d=14
状態e
44=[U=(4,4);L=(8,4,5,2,7,6,1,9)];d=14
状態e
44a=[U=(4,4);L=(7,6,1,8,4,5,9,2)];d=15(保持されない)
状態e
35=[U=(3,5);L=(7,6,1,8,4,5,9,3)];d=15
状態e
35a=[U=(3,5);L=(7,6,1,8,4,9,3,5)];d=15(保持されない)
構築ステップ9
状態e
54=[U=(5,4);L=(8,4,5,2,7,6,1,10,9)];d=15(保持されない)
状態ea
54a=[U=(5,4);L=(8,4,5,2,7,6,1,9,10)];d=14
状態e
45=[U=(4,5);L=(8,4,5,2,7,6,1,9,3)];d=20
状態ea
45a=[U=(4,5);L=(7,6,1,8,4,5,9,3,2)];d=22(保持されない)
構築ステップ10
状態e
55=[U=(5,5);L=(8,4,5,2,7,6,1,9,10,3)];d=21(保持されない)
状態e
55a=[U=(5,5);L=(8,4,5,2,7,6,1,9,3,10)];d=20
【0110】
したがって、状態e
55aが最終状態であり、リストL=(8,4,5,2,7,6,1,9,3,10)が収集リストL
Cとして取られる。これは
図7Bに示されている。順序付けおよびバッファ保管システム91によってリストが並べ替えられた(最終スケジューリング)後、
図7Cに示されるように、リスト(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)が得られる。
【0111】
図6は、
図5のアルゴリズムによってこの例で見た状態のツリー(およびより正確にはこれらの状態のUの値)を示す。
【0112】
ここで
図8A、
図8B、および
図8Cを参照して、いくつかの宛先を有する第2の実施における、本発明による荷物順序付け方法を用いた顧客注文の処理を提示する。
図8A、
図8B、および
図8Cは、この処理の以下の3つの状態である、コレクタでの収集前の荷物、コレクタでの収集後の荷物、および最終スケジューリング後の荷物をそれぞれ示す。
【0113】
この例では、3つの供給元S1、S2、およびS3と、4つの宛先D1、D2、D3、およびD4とがあると仮定される。宛先ごとに1つずつ、処理すべき2つの顧客注文がある。これらの顧客注文はそれぞれ、宛先の順序番号1、2、3、および4を有する4つの荷物をリストする。これらの図では、荷物は、それらの宛先の順序番号と、それらの宛先に対応する幾何符号(D1に関する楕円形、D2に関する三角形、D3に関する矩形、D4に関する円形)とによって参照される。
【0114】
図8Aに示されるように、供給元バッファデバイスF1(供給元S1の下流にある)は、シーケンス3r、1o、2c、4t、および1r(文字o、t、r、およびcはそれぞれ、「楕円形」、「三角形」、「矩形」、および「円形」に対応し、それらの宛先(それぞれD1、D2、D3、およびD4)を示す)に従って5つの荷物を含む。供給元バッファデバイスF2(供給元S2の下流にある)は、シーケンス2o、1t、4r、3c、3t、および4cに従って6つの荷物を含む。供給元バッファデバイスF3(供給元S3の下流にある)は、シーケンス1c、2r、4o、2t、および3oで5つの荷物を含む。したがって、n=16、p(1)=5、p(2)=6、およびp(3)=5となる。
【0115】
図8Bは、
図5のアルゴリズムを適用することによって得られる収集リストL
C=(1c,2o,1t,2r,3r,1o,2c,4t,1r,4o,2t,3o,4r,3c,3t,4c)を示す。荷物1rおよび3oの位置決めにより、未整序が示される。
【0116】
図8Cは、順序付けおよびバッファ保管システム91による並べ替え(最終スケジューリング)後の、異なる宛先バッファデバイスF1’〜F5’で正確に順序付けされた荷物を示す。
【0117】
ここで
図9Aおよび
図9Bを参照して、宛先の代替順序番号を使用する第3の実施における、本発明による荷物順序付け方法を用いた顧客注文の処理を提示する。
図9Aおよび
図9Bは、この処理の2つの状態である、コレクタでの収集前の荷物と、コレクタでの収集後の荷物とをそれぞれ示す。
【0118】
図3の荷物順序付け方法が(収集リストを構築するためのステップ31の前に)予備ステップ30を含む場合(上でさらに参照した変形形態)を考える。この予備ステップ30では、制御システムは、供給元バッファデバイスF1〜F5に含まれる荷物の宛先の順序番号の関数として、宛先の代替順序番号を計算する。より具体的には、供給元バッファデバイスの1つに含まれるR個(Rは2以上の整数)の連続する荷物の少なくとも1つのグループ(または特定の一実施形態では各グループ)に関して、システムは、R個の荷物の宛先の順序番号の関数として宛先の代替順序番号を計算する。次いで、収集リストを構築するためのステップ31の実行中に、制御システムは、R個の荷物のそれぞれについて、宛先の代替順序番号を使用する。
【0119】
特定の一実施形態では、ステップ30で行われる計算は、R個の荷物の各グループについて以下のことを含む。
・R個の荷物の宛先の順序番号の平均値を計算する。
・R個の荷物の宛先の順序番号の関数としてR個の荷物の未整序の値を計算する(未整序計算関数の例はすでに上でさらに述べた)。
・R個の荷物の未整序の値が所定の閾値Sよりも大きい場合、宛先の代替順序番号は、最も近い整数に切り上げられた平均値である。そうでない場合、宛先の代替順序番号は、最も近い整数に切り捨てられた平均値である。
【0120】
所定の閾値は、例えば、S=0である。この場合、R個の荷物に未整序がない場合にのみ、最も近い整数に切り捨てられた平均値を取る。一変形形態では、Sは、ゼロよりも大きい(例えば、S=4)。この場合、R個の荷物の未整序がSよりも小さい限り、より低い整数に切り捨てられた平均値を取る許容値が受け入れられる。
【0121】
図9Aに示される例では、
図8Aの例において、3つの供給元S1、S2、およびS3(したがって3つの供給元バッファデバイスF1、F2、およびF3)、4つの宛先D1、D2、D3、およびD4、ならびに処理すべき4つの顧客注文(宛先ごとに1つ)があると仮定される。以下の制約が加えられる。供給元バッファデバイスの荷物が、コレクタ1でR個ずつ(すなわち一度にR個)収集されなければならない(この例ではR=2)。
【0122】
図9Aの例では、以下のグループがある(破線で区切られている)。すなわち、供給元バッファデバイスF1に関して、(3r,1o)および(2c,4t)(荷物1rは単独であるので考慮に入れない)と、供給元バッファデバイスF2に関して、(2o,1t)、(4r,3c)、および(3t,4c)と、供給元バッファデバイスF3に関して、(1c,2r)および(4o,2t)(荷物3oは単独であるので考慮に入れない)とグループがある。この例では、荷物1rおよび3oは、荷物のグループの一部ではない。したがって、荷物1rおよび3oに関して、宛先の代替順序番号の計算はない。荷物1rおよび3oは、収集リストを構築するためのステップ31では考慮に入れられない(言い換えると、収集すべきn個の荷物の一部ではない)。収集すべきn個の荷物のセットが修正された場合(つまり、テストステップ34で肯定応答があった場合)に、制御システム90が方法のステップの新たな実行を開始するときに、荷物1rおよび3oが考慮に入れられる。一変形形態では、または収集すべきn個の荷物のセットの修正がない場合には、荷物1rおよび3o(およびそれらの宛先の順序番号)は、収集リストを構築するためのステップ31で即座に考慮に入れられる。
【0123】
これらのグループそれぞれについて、ステップ30の計算(S=0とする)の結果は、グループの各荷物の右側の括弧内に示されている。異なる丸めた値を有する以下の2つの例を考える。
・供給元バッファデバイスF2のグループ(2o,1t)について:宛先の代替順序番号は2である(2と1の平均=1.5。2つの荷物に未整序があるので、値は最も近い整数に切り上げられる)。
・供給元バッファデバイスF3のグループ(1c,2r)について:宛先の代替順序番号は1である(1と2の平均=1.5。2つの荷物に未整序がないので、値は最も近い整数に切り捨てられる)。
【0124】
図9Bは、
図5のアルゴリズムに宛先の代替順序番号を適用する(荷物1rおよび3oは除く。それらは、それらの宛先の順序番号で考慮に入れられる)ことによって得られた収集リストL
C=(1c,2r,2o,1t,3r,1o,2c,4t,1r,4o,2t,3o,4r,3c,3t,4c)を示す。
【0125】
図10は、
図3のステップ31(収集リストL
Cの構築)の第2の特定の実施形態のアルゴリズムを示す。
【0126】
ステップ1001で、制御システムは、k’個の供給元バッファデバイスを含む少なくとも1つのセットG’を構築し、ここでk’≧2およびk’<kである。計算時間を改善(短縮)するための1つの特定の実施形態では、k=2である。しかし、本発明の枠組み内に留まりながら、kの他の値も可能である。
【0127】
ステップ1002で、上記セットまたは各セットG’に関して、制御システムは、収集すべきn’個の荷物を含み、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数を用いて計算されたn’個の荷物の未整序を低減する収集リストL
C’を構築し、n’個の荷物が、k’個の供給元バッファデバイスに含まれ、
【数8】
であり、ここでp(i)は、k’個の供給元バッファデバイスの第iの供給元バッファデバイスで収集すべき荷物の数である。
【0128】
ステップ1003で、制御システムは、上記セットまたは各セットG’に関して、k’個の供給元バッファデバイスを、収集リストL
C’の順番でn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイスによって置き換えて、セットGを修正する。
【0129】
テストステップ1004で、制御システムは、修正されたセットGがただ1つの供給元バッファデバイスを含むかどうかを検証する。
【0130】
テストステップ1004で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1005に進み、ステップ1005で、修正されたセットGの単一の供給元バッファデバイスの収集リストL
C’を収集リストL
Cとして取る。
【0131】
テストステップ1004で否定応答があった場合、制御システムはステップ1006に進み、ステップ1006で、修正されたセットGによってセットGを置き換え、次いでこの置換えにより得られた新たなセットGを用いてステップ1001〜1004を繰り返す。
【0132】
図11Aは、
図10の第2の実施の第1の適用例を示し、4つの供給元バッファデバイスF1〜F4のセットG(G={F1,F2,F3,F4})およびk’=2を有する。この第1の例では、制御システムは、ステップ1001の各反復でk’個の供給元バッファデバイスの単一のセットG’を構築する。
【0133】
ステップ1001〜1003の第1の反復(参照符号1101で表される)で、制御システムは、セットG’={F1,F2}を構築し、関連の収集リストL
C’(F1+F2)を構築し、2つの供給元バッファデバイスF1およびF2を、収集リストL
C’(F1+F2)の順番でn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F1+F2」と表される)によって置き換えて、セットGを修正する。
【0134】
ステップ1001〜1003の第2の反復(参照符号1102で表される)で、制御システムは、セットG’={(F1+F2),F3}を構築し、関連の収集リストL
C’(F1+F2+F3)を構築し、2つの供給元バッファデバイス(F1+F2)およびF3を、収集リストL
C’(F1+F2+F3)の順番でn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F1+F2+F3」と表される)によって置き換えて、セットGを修正する。
【0135】
ステップ1001〜1003の第3の反復(参照符号1103で表される)で、制御システムは、セットG’={(F1+F2+F3),F4}を構築し、関連の収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)を構築し、2つの供給元バッファデバイス(F1+F2+F3)およびF4を、収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)の順番でn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F1+F2+F3+F4」と表される)によって置き換えて、セットGを修正する。
【0136】
この段階(参照符号1104で表されるステップ)では、セットGは、仮想の供給元バッファデバイスF1+F2+F3+F4以外の要素を含まないので、制御システムは、その収集リストL
Cとして収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)を取る。
【0137】
図11Bは、
図10の第2の実施の第2の適用例を示し、4つの供給元バッファデバイスF1〜F4のセットG(G={F1,F2,F3,F4})およびk’=2を有する。
【0138】
ステップ1001〜1003の第1の反復(参照符号1101’として表される)において、制御システムは、
・第1のセットG’1={F1,F2}を構築し、関連の収集リストL
C’(F1+F2)を構築し(参照符号1101’aとして表されるサブステップ)、
・第2のセットG’2={F3,F4}を構築し、関連の収集リストL
C’(F3+F4)を構築し(参照符号1101’bとして表されるサブステップ)、
・一方では、2つの供給元バッファデバイスF1およびF2を、収集リストL
C’(F1+F2)の順番でのn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F1+F2」として表される)によって置き換えて、セットGを修正し、他方では、2つの供給元バッファデバイスF3およびF4を、収集リストL
C’(F3+F4)の順番でのn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F3+F4」として表される)によって置き換えて、セットGを修正する(参照符号1101’cとして表されるサブステップ)。
【0139】
ステップ1001〜1003の第2の反復(参照符号1102’で表される)で、制御システムは、セットG’={F1+F2,F3+F4}を構築し、関連の収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)を構築し、2つの供給元バッファデバイス(F1+F2)および(F3+F4)を、収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)の順番でn’個の荷物を含む仮想の供給元バッファデバイス(「F1+F2+F3+F4」と表される)によって置き換えて、セットGを修正する。
【0140】
この段階(参照符号1103’で表されるステップ)では、セットGは、この仮想の供給元バッファデバイスF1+F2+F3+F4以外の要素を含まないので、制御システムは、その収集リストL
Cとして収集リストL
C’(F1+F2+F3+F4)を取る。
【0141】
図12は、k’個の供給元バッファデバイスのセットG’に関する収集リストL
C’の構築の、
図10のステップ1002における特定の実施形態のアルゴリズムを示す。要約すると、これは、nをn’、kをk’、およびL
CをL
C’によって置き換えた、
図5のアルゴリズムの変形である。
【0142】
ステップ1201で、制御システムは、単一の状態e’
init=(U’
init,L’
init)を有する第1の状態セットE1’を初期化し、ここで、U’
initは、k’個のゼロを含むk’アプレットであり、L’
initは空のリストである。
【0143】
ステップ1202で、制御システムは、第2の状態セットE2’を空の値で初期化する。
【0144】
テストステップ1203で、制御システムは、n’個の連続する構築ステップ(すなわち、それらのすべて)が実施されたかどうかを検証する。
【0145】
テストステップ1203で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1216に進み、ステップ1216で、E2’に含まれる単一の最終状態e’
F=(U’
F,L’
F)から収集リストL’
Cを得る。実際、制御システムは、L’
Fを収集リストL’
Cとして取る。
【0146】
テストステップ1203で否定応答があった場合、制御システムは、テストステップ1204に進む際に次の構築ステップの処理を開始し、テストステップ1204で、E1’のすべての状態が処理されたかどうかを検証する。E1’の各状態e’は、e’=(U’,L’)として書かれ、ここで、U’は、k’個の要素を含むk’アプレットであり、第iの供給元バッファデバイスで取られる荷物の数をz
iとしてU’=(z
1,・・・,z
k’)であり、L’は、U’に関連付けられた荷物のリストである。
【0147】
テストステップ1204で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1215に進み、ステップ1215で、構築ステップが第n’の構築ステップではない場合、E2’が新たな状態セットE1’になり、次いで制御システムが(次の構築ステップに進むために)ステップ1203に戻る。
【0148】
テストステップ1204で否定応答があった場合、制御システムは、未処理状態E1’を取り、テストステップ1205に進み、テストステップ1205で、f∈{1,・・・,k’}としてfのすべての値が処理されたかどうかを検証する。
【0149】
テストステップ1205で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1204に戻る。テストステップ1205に対して否定応答があった場合、制御システムは、fの未処理の値を取り、テストステップ1206に進み、テストステップ1206で、U’(f)<p(f)であるかどうかを検証し、ここで、U’(f)は、L’に含まれる第fの供給元バッファデバイスの荷物の数であり、p(f)は、第fの供給元バッファデバイスで収集されるべき荷物の数である。
【0150】
テストステップ1206で否定応答があった場合、制御システムはステップ1205に戻る。ステップ1206で肯定応答があった場合、制御システムは、テストステップ1206aに進み、テストステップ1206aで、N’(f)<y
fであるかどうかを検証し、ここで、N’(f)は、L’に連続的に配置された第fの供給元バッファデバイスの荷物の最大数であり、y
fは所定の値(例えば、y
f=6)である。
【0151】
テストステップ1206aで否定応答があった場合、制御システムはステップ1205に戻る。テストステップ1206aで肯定応答があった場合、制御システムはステップ1207に進み、ステップ1207で、U’(f)に1を加え、L’の最後に、第fの供給元バッファデバイスに含まれる荷物のシーケンスでの第(U’(f)+1)の位置を占める荷物を加えて、e’=(U’,L’)から始まる新たな状態e’
N=(U’
N,L’
N)を作成する。
【0152】
ステップ1207の後にステップ1208が続き、ステップ1208で、制御システムは、宛先の昇順の順序番号に対して未整序計算関数(そのような関数の例については
図5の説明を参照のこと)を用いて、新たな状態e’
NのリストL’
Nの未整序の値d’を計算する。
【0153】
ステップ1208の後にテストステップ1209が続き、テストステップ1209で、制御システムは、d’>d
Hであるかどうかを検証し、ここでd’
Hは所定値である。
【0154】
ステップ1209の特定の一実施形態では、所定値d’
Hは以下のように計算される。
−n’個の荷物を含み、以下のように構築された参照リストL’
Hを構築する。
・k’個の供給元バッファデバイスから実際に出る準備ができている荷物のうち、L’
Hの第1の荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物である。
・L’
Hの先行の荷物がk’個の供給元バッファデバイスから出たと仮定して、k’個の供給元バッファデバイスから出る準備ができている荷物のうち、L’
Hの後続の各荷物が、宛先の最小の順序番号を有する荷物である。
−未整序計算関数を用いて、リストL’
Hの未整序の値としてd’
Hを計算する。
【0155】
テストステップ1209で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1205に戻る。テストステップ1209で否定応答があった場合、制御システムはテストステップ1210に進み、ステップ1210で、E2’が別の新たな状態e’
Na=(U’
Na,L’
Na)を含むかどうかを検証する。ここで、U’
Na=U’
Nであり、d’
aは、リストL’
Nの未整序の値である。
【0156】
テストステップ1210で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1212に進み、ステップ1212で、d’<d’
aであるかどうかを検証する。テストステップ1212で肯定応答があった場合、制御システムはステップ1214に進み、ステップ1214で、E2’でのe’
Naをe’
Nによって置き換える。テストステップ1212で否定応答があった場合、制御システムはステップ1213に進み、ステップ1213で、e’
NをE2’に挿入しない。ステップ1213またはステップ1214の終了時、制御システムはステップ1205に戻る。
【0157】
テストステップ1210で否定応答があった場合、制御システムはステップ1211に進み、ステップ1211で、e’
NをE2’に挿入し、次いでステップ1205に戻る。
【0158】
図13は、
図3のステップ31(収集リストL
Cの構築)の第3の特定の実施形態のアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは、実行ごとに異なる少なくとも1つのセットG’を用いて、第2の特定の実施(
図10〜
図12を参照して上でさらに述べた)に従って、収集リストL
Cを数回構築するための構築ステップ(31)を実行することにある。制御システムによる各実行(ステップ1301
1〜1301
m。ここでm>1)は、異なる結果、すなわち異なる収集結果(L
C,1,・・・,L
C,m)を与える。そして、制御システムは、最終結果を構成する結果の1つ(L
Cと表される)を選択する。特定の一実施形態では、制御システムは、(上でさらに述べた未整序計算関数を用いて計算された)最低の未整序を有する収集リストを選択する(ステップ1302)。
【0159】
収集リストL
Cを構築するこの第3の特定の実施を適用するいくつかの手法が考えられる。
【0160】
第1の手法は、セットG’の可能な組合せをすべて計算し、得られた結果を比較することにある。
図14は、この意味での一例であり、4つの供給元バッファデバイスF1〜F4を含む開始セットGの場合、k’=2個の供給元バッファデバイスのセットG’(それぞれ実際のものまたは仮想のもの)のすべての可能な組合せのテストおよび比較を伴う。
図14は、可能性のツリー全体を示す(参照符号1401〜1412で表される12個の可能性がある)。
【0161】
別の手法は、動作可能な検索技法(「枝切り」、「シミュレーテッドアニーリング」、「遺伝的アルゴリズム」など)を適用し、それにより、可能性のツリー全体の評価を避け、したがって、できるだけ短時間で最良の解決策に近づくまたは最良の解決策を達成することにある。いくつかの動作可能な検索技法があり、それらはすべて、この文脈で適用されて、セットG’のいくつかの可能な組合せの評価と、最適な組合せの選択とを可能にする。例えば、
・「枝切り」技法:「興味深くない」と考えられて(部分的にまたは全体的に)訪問されない、可能性のツリー全体の枝に関する。
・「シミュレーテッドアニーリング」技法:最初の組合せから始めて、1つの変更のみが試行され、この変更は、解決策を改善する場合には適用され、改善しない場合には、(反復の過程で変化する)特定のパーセンテージのみで適用されることが許容される。
・「遺伝的アルゴリズム」技法:可能な組合せの母集団を考慮し、この母集団の一部または全体に変更が適用され、そして反復が実施される。
・その他
【0162】
セットG’の組合せは、識別子および区切り記号によって表すことができる。例えば、「F1;F2 F3;F4 F5 F6;F7 F8」は、以下のように結合された8つの供給元バッファデバイスF1〜F8を表す。
・F2とF3の結合。F2+F3と表される仮想の供給元バッファデバイスを形成する。
・F4、F5、およびF6の結合。F4+F5+F6と表される仮想の供給元バッファデバイスを形成する。
・F7とF8の結合。F7+F8と表される仮想の供給元バッファデバイスを形成する。
・F1とF2+F3との結合。F1+F2+F3と表される仮想の供給元バッファデバイスを形成する。
・F1+F2+F3とF4+F5+F6との結合。F1+F2+F3+F4+F5+F6と表される仮想の供給元バッファデバイスを形成する。
・F1+F2+F3+F4+F5+F6とF7+F8との結合。F1+F2+F3+F4+F5+F6+F7+F8として表される一意の仮想の供給元バッファデバイスを形成し、その関連の収集リストが収集リストL
Cである。