(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
本実施形態では、レストランAにおける順番待ち管理の例について説明するが、その他、アミューズメント施設、ショッピングモール、イベント会場、病院、銀行、役所など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用できる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、順番管理システム1は、管理センター等に設置された順番管理サーバ(順番管理装置)100と、施設の入口付近などに設置された順番管理端末200と、ユーザ端末300を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200およびユーザ端末300と通信ネットワークNを介して接続されている。なお、
図1には1つの順番管理端末200が図示されているが、実際には1つの施設で複数の順番管理端末200が使用されていてもよい。
【0015】
施設(ここではレストランA)の利用者は、順番管理端末200やユーザ端末300を操作して、施設への順番待ちを登録することができる。また、ユーザ端末300を介して待ち時間を確認したり、順番が来た際に呼出を受けたりすることができる。また、施設の従業者等は、順番管理端末200を操作して、順番待ちリストに登録されている順番待ち組のステータスを更新することができる。
【0016】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。本実施形態では、1つの施設の順番待ちの管理を例に説明するが、順番管理サーバ100は、実際には複数の施設に設置されている順番管理端末200と接続され、各施設の順番待ちを管理している。順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいてサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0017】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース(記憶部)110と、プロセッサ(キャンセル判断部、キャンセル処理部)120とを備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2を備えている。
【0018】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)が登録されている。クライアント管理テーブルTA1の1レコードには、例えば「レストランA」のレコードとして、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」等が設定されている。これらの情報は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、施設のオーナーなど)によって設定される。なお、1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用してもよいが、例えば一定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。
【0019】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。順番待ちリストの1レコードには、受付番号「1」、受付時刻「13:03」、受付項目「テラス席」、人数「2」、ステータス「呼出中」、キャンセル対象外フラグ「0」等の情報が含まれている。その他、氏名、連絡先のメールアドレス、電話番号などの情報も含むことができる。
【0020】
ステータスには、順番到来前の状態である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態である「呼出中」、順番が来た者を実際に席に案内した状態である「案内済」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。受付項目は、ここでは希望の席の種類(テーブル、カウンター、テラス席等)の種類である。
【0021】
キャンセル対象外フラグは、当該順番待ち組を自動キャンセルの対象から外すか否かを示すフラグである。キャンセル対象外フラグ「1」の場合には、後述するように、自動キャンセルの条件を満たしている場合でも、自動キャンセルを行わずに順番待ちリストにそのまま残しておく。
【0022】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。順番待ちリストの内容は、順番管理端末200から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0023】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0024】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と順番管理端末200、ユーザ端末300との間などで、相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0025】
順番管理端末200は、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。なお、順番管理端末200は、1施設で複数台利用することもできる。順番管理端末200は、利用者が順番待ちの受付登録のために利用する端末(受付端末)や、従業者が順番待ちリストの内容の確認や、各順番待ち組のステータスの更新操作に用いる端末(管理端末)として利用することができる。
【0026】
図1に示すように、順番管理端末200は、プロセッサ210と、入力装置220と、表示装置230と、通信インタフェース240と、記憶資源250を備えている。順番管理端末200は、施設に来た利用者や、施設の従業者がタッチパネルなどの入力装置220を操作することで、順番待ちリストへの登録や更新等の入力を受け付ける。
【0027】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源250に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0028】
入力装置220は、順番待ちリストへの登録や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネルを備えている。
【0029】
表示装置230は、順番待ちリストや、受付画面やステータス管理画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0030】
通信インタフェース240は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNを介して他の装置と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース240は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0031】
記憶資源250は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0032】
記憶資源250には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース240を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源250には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(アプリケーション)が記憶されている。
【0033】
ユーザ端末300は、施設の利用者が携帯する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、ノートPC(パーソナルコンピュータ)などの端末である。ユーザ端末300は、プロセッサ310、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置320、液晶ディスプレイなどの表示装置330、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース340、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源350を備えている。記憶資源350には、これら各種プログラムや各種データのほか、順番管理システム1のサービスを利用するためのコンピュータプログラム(専用アプリ)が記憶されている。
【0034】
(順番待ちの受付登録)
次に、順番管理システム1による順番待ちの受付登録処理について
図2のフローチャートを用いて説明する。受付登録を行う利用者は、施設内に設置された順番管理端末200を操作して受付登録を行う。
【0035】
まず、順番管理端末200は通信インタフェース240を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの情報を受信する(ステップS101)。
【0036】
順番管理端末200は、受信した順番待ちリストの情報に基づいて、表示装置230に受付案内画面を表示する(ステップS102)。受付案内画面には、例えば、現在の順番待ち組数や予想待ち時間などが表示される。また、受付登録をする場合にタッチするボタンと、タッチ操作を促すメッセージなどが表示される。
【0037】
利用者が、表示装置230に表示されたボタンにタッチすると、受付登録画面が表示される(ステップS103)。受付登録画面には、受付登録に必要な項目の選択や入力を促すメッセージや、席の種類の選択ボタン、利用人数の入力ボタンなどが表示される。また、順番が到来した際に、電話やメールによる呼出しを希望する利用者は、受付登録画面において、連絡先の電話番号またはメールアドレスを登録することができる。
【0038】
表示された受付登録画面に対して利用者が操作入力を行い、順番待ちの受付登録に必要な情報(席の種類、利用人数、連絡先等)の入力を完了すると、順番管理端末200は、新規登録情報として、順番管理サーバ100に送信する(ステップS104)。
【0039】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、その施設の順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS105)。
【0040】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200に受付完了画面を表示させる(ステップS106)。受付完了画面には、受付番号や、現時点での予想待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、順番管理端末200に接続されたプリンタから印刷される順番券を受け取ることができる。
【0041】
順番券には、受付番号と対応付けられた二次元コードが印刷されている。利用者が自身のユーザ端末300を利用して順番券に印刷された二次元コードを読み取ると、ユーザ端末300の表示装置330に、現在の順番待ち状況(現状の待ち組数や予想待ち時間など)が表示される。また、利用者が、二次元コードを読み込むことによって表示される案内にしたがって電話番号やメールアドレスを入力することにより、順番が到来した際に電話またはメールによるメッセージを受信したり、順番が近づいたときにリマインドメッセージを受信したりすることができる。
【0042】
(順番待ちリストの更新)
次に、順番管理システム1による順番待ちリストの更新処理について
図3のフローチャートを用いて説明する。順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者が順番管理端末200を操作してステータスの更新処理を行った際などに更新される。ステータスの更新処理には、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」が含まれる。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た組を口頭で呼出したり、電話や呼出メールなどで知らせたりした状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た組を実際に案内した状態であることを意味する。
【0043】
まず、順番管理端末200は通信インタフェース240を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの情報を受信する(ステップS201)。
【0044】
順番管理端末200は、受信した順番待ちリストの情報に基づいて、表示装置230に管理画面を表示する(ステップS202)。
図4は、順番管理端末200に表示される管理画面を例示する図である。
図4に示すように、順番管理端末200の管理画面には、順番待ちリストに登録されている順番待ち組の一覧が表示される。
【0045】
従業者は、順番待ちリストの中から、順番が到来した組(選択した席に空きができて呼出の対象となった組)に対し、メールや電話等で呼出連絡を行うと共に、当該組のステータスを「呼出中」に更新する処理を行う(ステップS203)。
【0046】
ステータスの更新処理を行う場合、順番管理端末200に表示された順番待ちリストの中から、更新対象の順番待ち組(受付番号「5」の行)を選択し、選択した順番待ち組に対してステータスの更新処理を行う。例えば、受付番号「5」の組のステータスを「呼出中」に更新する場合には、受付番号「5」の行を右から左へとスワイプし、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」を示す操作ボタン群を表示させる。従業者は、所望の操作ボタン(例えば「呼出」)をタップすることで、ステータスの更新操作を行う。
【0047】
ステータスの更新操作が行われると、更新対象の順番待ち組を特定する情報(例えば受付番号「5」)と更新処理の情報(例えば「呼出」)が、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS204)。
【0048】
順番管理サーバ100は、受信した情報に基づき順番待ちリストを更新する。例えば、受付番号「5」の順番待ち組のレコードのステータスが「呼出中」に更新される(ステップS205)。なお、「変更」、「取消」、「案内」の処理を行う場合にも、従業者が順番管理端末200を操作して同様の流れで行うことができる。
【0049】
(キャンセル対象外フラグの更新)
各順番待ち組のキャンセル対象外フラグの更新は、施設の従業者が順番管理端末200を操作して行う。具体的には、管理画面に表示された順番待ちリストの中から、対象の順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組に対してキャンセル対象外フラグを「1」に設定する操作を行う。キャンセル対象外フラグを「1」にする例としては、当該利用者から、公共交通機関の遅延(オンラインでの順番待ち登録の場合)や、同行者の急な体調不良等、やむを得ない理由で送れる旨の連絡を受けた場合などである。
【0050】
(自動キャンセル処理)
次に、順番管理システム1による自動キャンセル処理について
図5のフローチャートを用いて説明する。順番管理サーバ100は、順番待ちリストに登録されている順番待ち組について、呼出後、所定の条件が満たされても呼出に応じない場合には、自動的に順番待ちを取消にする処理を行う。具体的には、一定時間経過しても現れない場合や、順番が後ろの組を一定組数先に案内しても現れない場合などが自動キャンセルの対象となる。
【0051】
まず、順番管理サーバ100は、順番待ちリストに登録されている組のうち、ステータスが「呼出中」の組について、直近のステータスの更新時刻(ステータスが「呼出中」に更新された時刻)から、あらかじめ設定された時間(例えば、15分)が経過しているか否かを判定する(ステップS301)。設定時間を経過している場合には(ステップS301:YES)、ステップS303に進む。
【0052】
設定時間を経過していない場合には(ステップS301:NO)、当該組よりも順番が後ろの組(後に呼出を受けた組)のうち、ステータスが既に「案内済」になってる組の数が、一定数以上(例えば、4組以上)あるか否かを判定する(ステップS302)。先に案内された組が一定数以上ある場合には(ステップS302:YES)、ステップS303に進む。
【0053】
ステップS303では、順番管理サーバ100は、当該順番待ち組のキャンセル対象外フラグが「1」であるか否かを判定する。キャンセル対象外フラグが「1」である場合には(ステップS303:YES)、順番管理サーバ100は、自動キャンセルを行わずに処理を終了する。一方、キャンセル対象外フラグが「0」である場合には(ステップS303:NO)、順番管理サーバ100は、自動キャンセル処理を行う(ステップS304)。具体的には、順番待ちリストの当該順番待ち組のステータスを「取消済」に更新する。
【0054】
なお、自動キャンセルの条件が成立したと判断された場合(ステップS301:YESまたはステップS302:YES)、まず当該順番待ち組のユーザ端末300にキャンセル要否を確認する通知を行うようにしてもよい。例えば、ユーザ端末300に
図6に示すようなメッセージを送信し、利用者が「キャンセルしない(5分以内に行く)」を選択した場合には、自動キャンセルは行わずに呼出中のまま残すようにしてもよい。なお、キャンセル要否の確認は自動電話を利用して行ってもよい。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、呼出後に所定条件が成立した場合には、当該順番待ち組を自動的にキャンセルするようにした。これにより、適切なタイミングでの順番待ちの自動キャンセルを実現することができる。
【0056】
具体的には、呼出後一定時間が経過しても呼出に応じない場合や、後ろの組を一定数先に案内しても現れない場合には、自動キャンセルとするようにした。これにより、後ろで待っている利用者にも迷惑をかけず、また、一定の条件のもとで自動キャンセルにすることで、キャンセル扱いとなった利用者に対して説明がしやすくなる。
【0057】
また、自動キャンセルの条件が成立したタイミングで、一旦利用者にキャンセル要否を確認するようにしたので、自動キャンセルを行った直後に当該利用者が現れてトラブルが発生するような事態を避けることができる。
【0058】
また、やむを得ない事情で送れることが分かっている場合には、キャンセル対象外グラフを立てて管理し、自動キャンセルを行わないようにした。これにより、自動キャンセルの対象外の組を除外し、適切な自動キャンセルを行うことができる。
【0059】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【解決手段】施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、施設において順番待ちを登録した利用者の、順番待ちのステータス情報を保持する順番待ちリストを記憶する記憶部と、順番が到来し、ステータスが呼出中に更新された利用者について、順番待ちを自動キャンセルするか否かを判断するキャンセル判断部と、順番待ちを自動キャンセルすると判断された利用者のステータスを取消に更新するキャンセル処理部とを備える。