(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6906660
(24)【登録日】2021年7月1日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】抵抗変化型メモリ保存装置およびその操作方法
(51)【国際特許分類】
G11C 13/00 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
G11C13/00 480D
G11C13/00 230
G11C13/00 270J
G11C13/00 480K
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-102022(P2020-102022)
(22)【出願日】2020年6月12日
【審査請求日】2020年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】林 立偉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 隆吉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 如傑
(72)【発明者】
【氏名】郭 盈杉
【審査官】
後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/013344(WO,A1)
【文献】
特開2014−75170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルを含み、それぞれが書き込みパルス幅期間において、書き込み電流を出力するメモリアレイと、
前記メモリセルに接続され、制御端子を含む第1選択トランジスタと、
前記第1選択トランジスタおよび前記メモリセルに接続され、前記書き込みパルス幅期間の第1抵抗転移期間において、前記書き込み電流に基づいて第1電圧レベルまで徐々に変化する第1制御電圧を前記第1選択トランジスタの前記制御端子に印加し、且つ前記第1抵抗転移期間の後の第1フィラメント安定期間において、前記第1制御電圧を前記第1電圧レベルに設定して、前記書き込み電流を第1既定電流値に制限するために配置されたメモリコントローラと、
を含む抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項2】
前記書き込みパルス幅期間が、複数の抵抗転移期間と複数のフィラメント安定期間を含み、前記書き込み電流が、各前記フィラメント安定期間において、対応する既定電流値に制限される請求項1に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項3】
前記抵抗転移期間が、前記第1抵抗転移期間および前記第1フィラメント安定期間の後の第2抵抗転移期間を含み、前記フィラメント安定期間が、前記第1フィラメント安定期間および前記第2抵抗転移期間の後の第2フィラメント安定期間を含み、前記メモリコントローラが、前記第1制御電圧を前記第1抵抗転移期間において前記第1電圧レベルまで徐々に変化させるとともに、前記第1制御電圧を前記第2抵抗転移期間において第2電圧レベルまで徐々に変化させるために配置され、且つ前記第2フィラメント安定期間において前記第1制御電圧を前記第2電圧レベルに設定するために配置され、前記第2電圧レベルが、前記第1電圧レベルよりも大きい請求項2に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項4】
前記メモリコントローラが、前記第1抵抗転移期間において、前記第1制御電圧を初期制御電圧から最終制御電圧まで斬増させるために配置され、前記最終制御電圧が、前記第1電圧レベルよりも大きい請求項3に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項5】
前記書き込み電流が、前記第2フィラメント安定期間において、前記第1既定電流値よりも大きい第2既定電流値に制限される請求項3に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項6】
前記メモリセルおよび前記メモリコントローラに接続された第2選択トランジスタをさらに含み、
前記第2選択トランジスタが、第1端子、第2端子、および制御端子を含み、前記第2選択トランジスタの前記第1端子が、前記メモリセルに接続され、前記第2選択トランジスタの前記第2端子が、ソース線に接続され、前記書き込み電流を前記第2選択トランジスタの前記第2端子から前記メモリコントローラに出力し、
前記第1選択トランジスタが、さらに、第1端子および第2端子を含み、前記第1選択トランジスタの前記第1端子が、ビット線に接続され、前記第1選択トランジスタの前記第2端子が、前記メモリセルに接続され、第1選択トランジスタが、前記第1制御電圧に基づいて、前記書き込み電流を前記メモリセルのうちの1つに提供し、
各前記メモリセルが、トランジスタと、可変抵抗とを含み、
前記メモリコントローラが、前記書き込みパルス幅期間において、前記第2選択トランジスタに対し、前記第2選択トランジスタを完全にオンにする電圧を提供し、且つ前記トランジスタに対し、前記トランジスタを完全にオンにする電圧を提供するために配置された請求項1に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項7】
前記メモリコントローラが、
前記第1既定電流値の設定、前記第1フィラメント安定期間の時間長の設定を受信し、および前記書き込み電流を受信するよう配置された論理制御回路と、
前記第2選択トランジスタの前記制御端子に印加された第2制御電圧を出力し、および前記トランジスタの制御端子に印加された第3制御電圧を出力するよう配置されたタイミング制御回路と、
前記論理制御回路の出力、前記タイミング制御回路の出力、および前記書き込み電流に基づいて、前記第1制御電圧の電圧レベルを更新し、更新後の第1制御電圧を前記第1選択トランジスタの前記制御端子に出力するよう配置された電圧調節回路と、
前記書き込み電流を検出し、前記書き込み電流を前記論理制御回路に出力するために使用される電流感知回路と、
を含む請求項6に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項8】
前記メモリコントローラが、前記第1フィラメント安定期間の時間長を前記第1抵抗転移期間の時間長よりも短くするよう配置された請求項1に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項9】
前記メモリコントローラが、前記書き込みパルス幅期間において検証操作を実行しないよう配置された請求項1に記載の抵抗変化型メモリ保存装置。
【請求項10】
複数のメモリセルと、前記メモリセルに接続された第1選択トランジスタとを含む抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法であって、
書き込みパルス幅期間において、前記メモリセルのうちの1つから書き込み電流を読み出し、前記書き込みパルス幅期間が、複数の抵抗転移期間および複数のフィラメント安定期間を含み、前記抵抗転移期間が、第1抵抗転移期間および第2抵抗転移期間を含み、前記フィラメント安定期間が、第1フィラメント安定期間および第2フィラメント安定期間を含むことと、
前記第1抵抗転移期間において、前記第1選択トランジスタの制御端子に対し、前記書き込み電流に基づいて第1電圧レベルまで徐々に変化する制御電圧を提供し、前記書き込み電流を前記メモリセルのうちの1つに提供することと、
前記第1抵抗転移期間の後の前記第1フィラメント安定期間において、前記第1選択トランジスタの前記制御端子に対し、前記第1電圧レベルに固定した前記制御電圧を提供して、前記書き込み電流を第1既定電流値に制限することと、
前記第1フィラメント安定期間の後の前記第2抵抗転移期間において、前記第1選択トランジスタの前記制御端子に対し、前記書き込み電流に基づいて前記第1電圧レベルよりも大きい第2電圧レベルまで徐々に変化する前記制御電圧を提供することと、
前記第2抵抗転移期間の後の前記第2フィラメント安定期間において、前記第1選択トランジスタの前記制御端子に対し、前記第2電圧レベルに固定した前記制御電圧を提供して、前記書き込み電流を第2既定電流値に制限することと、
を含む抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【請求項11】
前記抵抗変化型メモリ保存装置が、さらに、第2選択トランジスタを含み、且つ各前記メモリセルが、前記第1選択トランジスタと前記第2選択トランジスタの間に配置され、前記操作方法が、さらに、
前記書き込みパルス幅期間において、前記第2選択トランジスタに対し、前記第2選択トランジスタを完全にオンにする電圧を提供し、且つ前記メモリセルのうちの1つのトランジスタに対し、前記トランジスタを完全にオンにする電圧を提供することを含む請求項10に記載の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【請求項12】
前記第1選択トランジスタの前記制御端子に対し、前記書き込み電流に基づいて前記第1電圧レベルまで徐々に変化する前記制御電圧を提供するステップが、
前記第1抵抗転移期間において、前記制御電圧を初期制御電圧から最終制御電圧まで斬増させ、前記最終制御電圧が前記第1電圧レベルよりも大きいことを含む請求項10に記載の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【請求項13】
前記第2既定電流値が、前記第1既定電流値よりも大きい請求項10に記載の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【請求項14】
前記第1既定電流値、前記第2既定電流値、前記第1フィラメント安定期間の時間長、および前記抵抗転移期間の数量を設定し、前記第1フィラメント安定期間の時間長が、前記第1抵抗転移期間の時間長よりも短いことをさらに含む請求項10に記載の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【請求項15】
前記書き込みパルス幅期間において検証操作を実行しない請求項10に記載の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ保存装置およびその操作方法に関するものであり、特に、抵抗変化型メモリ保存装置およびその操作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化型メモリ(いわゆる抵抗変化型ランダムアクセスメモリ(Resistive Random Access Memory, RRAM))は、低消費電力、高速動作、高密度、および相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor, CMOS)製造技術との互換性といった潜在的優位性を具えているため、次の世代の不揮発性メモリ素子に非常に適合している。
【0003】
現行の抵抗変化型メモリは、通常、相対的に配置された上電極と下電極、および上電極と下電極の間に配置された誘電体層を含む。現行の抵抗変化型メモリは、高抵抗状態と低抵抗状態の間で繰り返し切り換えを行うことができ、データを記憶する前に、まず、チャネル形成(forming)工程を行う必要がある。形成工程は、抵抗変化型メモリにバイアスをかけて(例えば、正バイアス)、電流を上電極から下電極に流し、誘電体層の中に酸素空孔と酸素イオンを発生させて電流経路を形成し、抵抗変化型メモリを高抵抗状態(high resistance state, HRS)から低抵抗状態(low resistance state, LRS)に変化させて、導電フィラメント(filament)を形成することを含む。通常、形成されたフィラメントにおいて、上電極に隣接する部分の直径は、下電極に隣接する部分の直径よりも小さい。そして、抵抗変化型メモリをリセット(reset)または設定(set)し、抵抗変化型メモリをそれぞれ高抵抗状態と低抵抗状態に切り換えて、データの記憶を完了することができる。また、現行の抵抗変化型メモリをリセットする時は、設定した時とは極性が反対のバイアスを抵抗変化型メモリにかけて、電流を下電極から上電極に流す。この時、上電極に隣接する部分の酸素空孔が一部の酸素イオンと結合して電流経路を遮断し、フィラメントを上電極に隣接する部分で切断する。現行の抵抗変化型メモリを設定する時は、フィラメント形成工程の時と極性が同じバイアスを抵抗変化型メモリにかけて、電流を上電極から下電極に流す。この時、上電極に隣接する酸素イオンが離脱して酸素空孔を再形成し、フィラメントを上電極に隣接する部分で再形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現有技術では、抵抗変化型メモリが形成工程または設定工程を完了する期間に、形成電圧または設定電圧を印加してから検証操作(放電操作と検証電圧の印加を含む)を行わなければならず、検証が失敗した時には、充電操作を行って再度形成電圧または設定電圧を提供する必要があるため、形成工程または設定工程を完了するのに必要な時間が長くなる。また、現有技術において、抵抗変化型メモリが形成工程または設定工程を経た後、異なるメモリセルのプロセス上の変異によりセル電流の分布が不均一になるため、ビット誤り率(bit error rate,BER)が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の抵抗変化型メモリ保存装置は、メモリアレイと、第1選択トランジスタと、メモリコントローラとを含む。メモリアレイは、複数のメモリセルを含み、各メモリセルは、書き込みパルス幅期間において、書き込み電流を出力する。第1選択トランジスタは、メモリセルに接続される。メモリコントローラは、第1選択トランジスタおよびメモリセルに接続される。メモリコントローラは、書き込みパルス幅期間の第1抵抗転移期間において、前記書き込み電流に基づいて第1電圧レベルまで徐々に変化する第1制御電圧を第1選択トランジスタの制御端子に印加し、且つ第1抵抗転移期間の後の第1フィラメント安定期間において、第1制御電圧を第1電圧レベルに設定し、書き込み電流を第1既定電流値に制限するために使用される。
【0006】
本発明の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法は、書き込みパルス幅期間において、複数のメモリセルのうちの1つから書き込み電流を読み出し、前記書き込みパルス幅期間が、第1抵抗転移期間、第1フィラメント安定期間、第2抵抗転移期間、および第2フィラメント安定期間を含むことと;第1抵抗転移期間において、第1選択トランジスタの制御端子に対し、前記書き込み電流に基づいて第1電圧レベルまで徐々に変化する制御電圧を提供し、書き込み電流をこれらのメモリセルのうちの1つに提供することと;第1抵抗転移期間の後の第1フィラメント安定期間において、第1選択トランジスタの制御端子に対し、第1電圧レベルに固定した制御電圧を提供して、書き込み電流を第1既定電流値に制限することと;第1フィラメント安定期間の後の第2抵抗転移期間において、第1選択トランジスタの制御端子に対し、前記書き込み電流に基づいて第1電圧レベルよりも大きい第2電圧レベルまで徐々に変化する制御電圧を提供することと;第2抵抗転移期間の後の第2フィラメント安定期間において、第1選択トランジスタの制御端子に対し、第2電圧レベルに固定した制御電圧を提供して、書き込み電流を第2既定電流値に制限することを含む。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の実施形態において、メモリコントローラは、制御電圧を第1選択トランジスタの制御端子に印加し、書き込みパルス幅期間の抵抗転移期間において、書き込み電流を既定電流値まで徐々に変化させ、書き込みパルス幅期間のフィラメント安定期間において、書き込み電流を1つまたは複数の既定電流値に制限するため、ビット誤り率を有効に下げることができる。
【0008】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の概略図である。
【
図2】
図2Aは、
図1の実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の内部概略図である。
図2Bは、
図2Aの実施形態のメモリコントローラのブロック概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の1つの実施形態の書き込み電流の書き込みパルス幅期間の波形概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態の書き込み電流の書き込みパルス幅期間の波形概略図である。
【
図5】
図5A〜
図5Dは、本発明の1つの実施形態のメモリセルの異なる段階のフィラメント構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の1つの実施形態のメモリ保存装置の電圧および電流の波形概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の1つの実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法のステップフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、複数の実施形態を挙げて本発明を説明するが、本発明は、例示した複数の実施形態のみに限定されるものではない。また、実施形態の間で適切に組み合わせることが可能である。本願の明細書全文(請求項を含む)において使用している「接続」という語句は、直接的または間接的ないかなる接続手段も指すことができる。例を挙げて説明すると、文中において、第1装置が第2装置に接続されると記述されている場合、当該第1装置が直接当該第2装置に接続されていると解釈してもよく、あるいは当該第1装置がその他の装置またはある種の接続手段により間接的に当該第2装置に接続されていると解釈してもよい。
【0012】
図1は、本発明の1つの実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の概略図である。
図1を参照すると、本実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置100は、第1セレクタ回路110と、第2セレクタ回路120と、メモリコントローラ130と、メモリアレイとを含む。メモリアレイは、複数のメモリセル140を含む。
図1において、1つのメモリセル140を例に挙げて説明を行う。メモリコントローラ130は、書き込みパルス幅期間において、第1セレクタ回路110に制御電圧V1を提供するよう配置される。書き込みパルス幅期間は、抵抗転移期間P0、およびその後のフィラメント安定期間P1を含む(
図3に表示)。すなわち、フィラメント安定期間P1は、抵抗転移期間P0の後の期間であり、両者の間にはその他の時間区間が存在しないが、本発明は、両者間にその他の時間空間が存在するかどうかを限定しない。書き込みパルス幅期間は、選択したメモリセル140に特定のデータをうまく書き込むために必要な時間を指す。
【0013】
図2Aは、
図1の実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の内部概略図である。
図1および
図2Aを参照すると、本実施形態において、メモリセル140は、例えば、1つのトランジスタT3および1つの可変抵抗R(1T1R)の構造、または2つのトランジスタおよび2つの可変抵抗(2T2R)の構造を有し、その実施方式は、本発明が属する技術分野における通常の知識から十分な教示、提案、および実施説明を得ることができる。本発明は、メモリセル140の構造を限定しない。
【0014】
本実施形態において、メモリコントローラ130は、プロセッサチップ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)チップ、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits, ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device, PLD)、またはその他の類似デバイス、あるいはこれらのデバイスの組み合わせであってもよく、あるいは異なる回路ブロックであるが同じ機能を有するものであってもよく、その実施方式は、発明が属する技術分野における通常の知識から十分な教示、提案、および実施説明を得ることができる。
【0015】
具体的に説明すると、メモリセル140の一端は、第1セレクタ回路110を介してビット線BLに接続され、他端は、第2セレクタ回路120を介してソース線SLに接続される。第1セレクタ回路110および第2セレクタ回路120は、同じセレクタ回路ブロックにあってもよく、あるいは異なる回路ブロックにより実施してもよく、本発明は、これに限定されない。書き込みパルス幅期間において、メモリセル140のトランジスタT3の制御端子に電圧V3(ワード線電圧)が提供され、トランジスタT2の制御端子に電圧V2が提供され、メモリコントローラ130が第1セレクタ回路110に制御電圧V1を提供するため、第1セレクタ回路110は、メモリアレイの複数のメモリセル140に書き込み電流Idを提供することができ、書き込み電流Idは、メモリセル140を介して第2セレクタ回路120の第1端子に提供される。そして、メモリコントローラ130は、第2セレクタ回路120の第2端子から書き込み電流Idを受信するとともに、第2セレクタ回路120から読み出した書き込み電流Idに基づいて制御電圧V1を更新し、更新後の制御電圧V1を第1セレクタ回路110に出力することにより、メモリアレイにおいて同じ状態の複数のメモリセル140に書き込まれた書き込み電流Idを抵抗転移期間P0において既定電流値に向かって変化させ、同じ既定電流値に制限する。メモリコントローラ130は、さらに、書き込み電流Idが既定電流値に達した後のフィラメント安定期間P1において引き続き第1セレクタ回路110に制御電圧V1を提供することにより、書き込み電流Idをフィラメント安定期間P1において引き続きメモリセル140に通す。
【0016】
第1セレクタ回路110は、1つまたは複数の第1選択トランジスタT1を含み、第2セレクタ回路120は、1つまたは複数の第2選択トランジスタT2を含む。
図2Aにおいて、各セレクタ回路が1つの選択トランジスタを含む場合を例として説明しているが、その数量は、本発明を限定するためのものではない。具体的に説明すると、第1選択トランジスタT1は、第1端子、第2端子、および制御端子を含む。第1選択トランジスタT1の第1端子は、ビット線BLに接続され、第1選択トランジスタT1の第2端子は、メモリセル140に接続される。第1選択トランジスタT1の制御端子は、メモリコントローラ130に接続される。第2選択トランジスタT2は、第1端子、第2端子、および制御端子を含む。第2選択トランジスタT2の第1端子は、メモリセル140に接続され、第2選択トランジスタT1の第2端子は、ソース線SLおよびメモリコントローラ130に接続される。
【0017】
図2Bは、
図2Aの実施形態のメモリコントローラの機能ブロック概略図である。
図2Bを参照すると、本実施形態のメモリコントローラ130は、論理制御回路132と、タイミング制御回路134と、電圧調節回路136と、電流感知回路138とを含む。論理制御回路132は、メモリコントローラ130のコア回路として、複数の設定値(例えば、既定電流値の設定、ステップ数の設定、およびフィラメント安定期間の時間長の設定)を受信するよう配置され、且つ電流感知回路138から出力された書き込み電流Idを比較するよう配置され、書き込み電流Idとこれらの設定値に基づいて、タイミング制御回路134および電圧調節回路136の操作を制御する。電圧調節回路136は、書き込み電流Id、論理制御回路132の出力、およびタイミング制御回路134の出力に基づいて、制御電圧V1を調節および出力するよう配置される。タイミング制御回路134は、各信号のフィードバックタイミングおよびコントロールタイミングを制御するよう配置される。電流感知回路138は、書き込み電流Idを検出し、書き込み電流Idを論理制御回路132に出力するために使用される。ここで、電圧調節回路136および電流感知回路138は、アナログ式であってもよい。
【0018】
図3は、本発明の1つの実施形態の書き込み電流の書き込みパルス幅期間の波形概略図である。本実施形態では、書き込みパルス幅期間T_WPWにおいて、メモリコントローラ130は、第1セレクタ回路110に初期制御電圧Vli(
図6に示す)を提供することにより、第1セレクタ回路110がメモリアレイの複数のメモリセル140に書き込み電流Idを提供できるようにして、各メモリセル140の抵抗値を書き込み電流Idの変化に応じて変化させる。メモリコントローラ130は、メモリセル140から書き込み電流Idを読み出し、メモリセル140から読み出した書き込み電流Idに基づいて、更新後の制御電圧V1を第1選択トランジスタT1の制御端子に印加する。メモリアレイにおいて同じ状態の複数のメモリセル140に書き込まれた書き込み電流Idが既定電流値Irefを超過した後、メモリコントローラ130は、対応する制御電圧V1を固定された制御電圧V1
fに設定し、固定された制御電圧V1
fに基づいて、フィラメント安定期間P1において引き続き第1選択トランジスタT1の制御端子に固定された制御電圧V1
fを提供することにより、これらのメモリセル140の書き込み電流Idをフィラメント安定期間P1において既定電流値Irefに制限し、書き込み操作が完了する。本実施形態において、抵抗転移期間P0において、メモリコントローラ130が提供した制御電圧V1は、初期制御電圧Vliから固定された制御電圧V1
fまで斬増するため、各メモリセル140から読み出した電流(すなわち、書き込み電流Id)は、制御電圧V1の上昇とともに斬増する。1つの実施形態において、
図6に示すように、抵抗転移期間P0において、メモリコントローラ130が提供した制御電圧V1は、初期制御電圧Vliから固定された制御電圧V1
fよりも大きい最終制御電圧V1
tまで斬増するため、各メモリセル140から読み出した電流(すなわち、書き込み電流Id)は、制御電圧V1の上昇とともに既定電流値Irefよりも大きい値まで斬増し、且つ最終制御電圧V1
tに達した後、固定された制御電圧V1
fまで下がるため、各メモリセル140から読み出した電流(すなわち、書き込み電流Id)は、制御電圧V1の下降とともに既定電流値Irefに等しい値まで低下する。
【0019】
一般的に、メモリセルが形成工程または設定工程を経た後、セル電流の分布が不均一になることにより、ビット誤り率が高くなる可能性がある。しかも、この不均一なセル電流の分布は、メモリセルのプロセス上の変異によって起こる可能性がある。また、プロセス上の変異により、書き込みパルス幅期間T_WPWにおいて異なるメモリセルから読み出した書き込み電流も、
図3の符号300で示した部分のように、異なる可能性がある。本発明の実施形態において、メモリアレイにおいて同じ状態の複数の書き込まれた書き込み電流Idを既定電流値Irefに制限することにより、セル電流の分布をさらに均一にすることができ、フィラメント安定期間P1において引き続き第1選択トランジスタT1の制御端子に上述した固定された制御電圧V1
fを提供することにより、メモリセルの導電フィラメント構造をさらに丈夫にすることができ、それにより、ビット誤り率を有効に下げることができる。また、本実施形態において、書き込みパルス幅期間において書き込み検証操作を行わないことにより、書き込みに必要な時間を短縮することができる。
【0020】
図4は、本発明の別の実施形態の書き込み電流の書き込みパルス幅期間の波形概略図である。本実施形態において、書き込みパルス幅期間T_WPWは、複数の抵抗転移期間とその後のフィラメント安定期間を含む。メモリコントローラ130は、各抵抗転移期間において、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1を提供し、且つ1つ前の抵抗転移期間の初期制御電圧は、1つ後の抵抗転移期間の初期制御電圧よりも小さい。これにより、書き込み電流Idは、既定電流値Iref1から既定電流値Iref2、既定電流値Iref3へと徐々に増加する。ここで、既定電流値Iref3は、既定電流値Iref2よりも大きく、且つ既定電流値Iref2は、既定電流値Iref1よりも大きい。上述した既定電流値の数量は、本発明を限定するためのものではない。
【0021】
例を挙げて説明すると、書き込みパルス幅期間T_は、抵抗転移期間P0、P2、P4、および各抵抗転移期間の後のフィラメント安定期間P1、P3、P5を含む。メモリコントローラ130は、抵抗転移期間P0において、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1を提供することにより、書き込み電流Idを抵抗転移期間P0において既定電流値Iref1まで徐々に上昇させ、最終的に、既定電流値Iref1(第1既定電流値)に制限する。続いて、メモリコントローラ130は、フィラメント安定期間P1において、第1選択トランジスタT1の制御端子に
図6に示した固定された制御電圧V1
fを提供することにより、書き込み電流Idをフィラメント安定期間P1において既定電流値Iref1に維持する。ここで、フィラメント安定期間P1の時間長は、抵抗転移期間P0の時間長よりも短い。続いて、メモリコントローラ130は、抵抗転移期間P2において、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1’を提供することにより、書き込み電流Idを抵抗転移期間P2において既定電流値Iref2まで徐々に上昇させ、最終的に、既定電流値Iref2(第2既定電流値)に制限する。続いて、メモリコントローラ130は、フィラメント安定期間P3において、第1選択トランジスタT1の制御端子に
図6に示した固定された制御電圧V1’
fを提供することにより、書き込み電流Idをフィラメント安定期間P3において既定電流値Iref2に維持する。ここで、既定電流値Iref2は、既定電流値Iref1よりも大きい。また、フィラメント安定期間P3の時間長は、抵抗転移期間P2の時間長よりも短い。同様にして、メモリコントローラ130は、抵抗転移期間P4において、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1”を提供することにより、書き込み電流Idを抵抗転移期間P4において既定電流値Iref3まで徐々に上昇させ、最終的に、既定電流値Iref3(第3既定電流値)に制限する。続いて、メモリコントローラ130は、フィラメント安定期間P5において、第1選択トランジスタT1の制御端子に
図6に示した固定された制御電圧V1”
fを提供することにより、書き込み電流Idをフィラメント安定期間P5において既定電流値Iref3に維持する。ここで、既定電流値Iref3は、既定電流値Iref2よりも大きい。また、フィラメント安定期間P5の時間長は、抵抗転移期間P4の時間長よりも短い。
【0022】
図5A〜
図5Dは、本発明の1つの実施形態のメモリセルの異なる段階のフィラメント構造の概略図である。
図4および
図5を参照すると、抵抗転移期間P0において、メモリセル140が転移し(例えば、HRSからLRSに変化する)、そのフィラメント分布は、
図5Aに示すように、比較的緩い。転移した後、メモリコントローラ130は、第1選択トランジスタT1の制御端子に固定された制御電圧V1
fを引き続き印加して、書き込み電流Idをフィラメント安定期間P1において既定電流値Iref2に制限し、これにより、
図5Bに示すように、メモリセル140のフィラメント分布は、フィラメント安定期間P1において、安定(stabilization)した状態に変化する。抵抗転移期間P2において、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1’を提供することにより、
図5Cに示すように、緩い状態にあるフィラメントを再構成または復元させる。
図5Cにおいて、Eは、電界方向を示し、e−は、電子移動の方向を示す。続いて、フィラメント安定期間P3において、第1選択トランジスタT1の制御端子に固定された制御電圧V1’
fを引き続き印加することにより、
図5Dに示すように、メモリセル140のフィラメント分布を再度安定させる。
【0023】
同様に、抵抗転移期間P4において、メモリセル140のフィラメント分布は、比較的緩い状態にある;フィラメント安定期間P5において、メモリセル140のフィラメント分布は、再度比較的安定する。つまり、本実施形態において、ステップ形態の制御電圧V1を第1選択トランジスタT1の制御端子に印加することにより、書き込み電流Idを抵抗転移期間P0、P2、P4に区切って既定電流値Iref1、Iref2、Iref3まで徐々に変化させることができ、且つ書き込み電流Idをフィラメント安定期間P1、P3、P5においてそれぞれ既定電流値Iref1、Iref2、Iref3に制限することができる。このような方法により、メモリセル140は、緩い状態と安定した状態を繰り返し経過するため、フィラメントをさらに丈夫にして、セル電流の分布をさらに均一にすることができ、ビット誤り率を下げることができる。
【0024】
図4の実施形態において、3ステップを例にしているが、本発明はこれに限定されず、既定電流値の数と大きさは、実際の設計要求に応じて調整することができる。例えば、
図3の実施形態において、メモリコントローラ130は、書き込み電流Idを既定電流値Irefのみに制限する。すなわち、1ステップである。
【0025】
図6は、本発明の1つの実施形態のメモリ保存装置の電圧および電流の波形概略図である。
図2Aおよび
図6を参照すると、
図6において、電圧V1、電圧V1’、電圧V1”は、第1選択トランジスタT1の制御端子に印加される制御電圧であり、電圧V2は、第2選択トランジスタT2の制御端子に印加される別の制御電圧であり、電圧V3は、メモリセル140のトランジスタT3の制御端子に印加されるワード線電圧である。電圧VBL、VSLは、それぞれビット線BLおよびソース線SLに印加される電圧である。電圧V2、V3、VBL、VSLは、メモリコントローラ130から提供されてもよく、あるいはメモリ保存装置100のその他のメモリコントローラまたは電源供給装置から提供されてもよい。電圧Vdは、第1選択トランジスタT1の第2端子の電圧である。
【0026】
時間点TAにおいて、メモリ保存装置100は、初期状態にあり、電圧V1、V2、V3、VBL、VSLは、いずれも0Vである。時間点TBにおいて、電圧V2、V3が上昇するため、第2選択トランジスタT2およびトランジスタT3を同時に導通し、第2選択トランジスタT2およびトランジスタT3を完全にオンの状態(Fully On)にする。例えば、第2選択トランジスタT2の制御端子に高電位の電圧V2を印加し、且つソース線SLに低電圧(例えば、設置電圧)を印加して、第2選択トランジスタT2を完全にオンにする。また、メモリセル140のトランジスタT3の制御端子に高電位のワード線電圧V3を印加して、メモリセル140のトランジスタT3を完全にオンにする。時間点TCにおいて、電圧VBLが上昇するため、第1選択トランジスタT1の第1端子を電圧VBLまで上昇させる。ここで、電圧VBLのレベルは、書き込み電流Idのクランプを防ぐため、比較的高く設定してもよい。
【0027】
時間点t0において、既定電流値Iref1に基づいて、メモリコントローラ130は、第1選択トランジスタT1の制御端子に斬増する制御電圧V1を印加して、第1選択トランジスタT1を導通する。時間点t0aから時間点t1にかけて(抵抗転移期間)、メモリセル140は、制御電圧V1および電圧VBLに基づいて転移を起こす。時間点t1において、メモリコントローラ130は、制御電圧V1を固定された第1電圧レベルL1に下げることにより、書き込み電流Idを既定電流値Iref1に制限して、時間点t2まで持続させる。固定された第1電圧レベルL1が印加する時間長(フィラメント安定期間)は、実際の設計要求に応じて、フィラメントを比較的安定させることができる。1つの実施形態において、時間点t0から時間点t1までをいくつかのピコ秒(picosecond)とする。1つの実施形態において、フィラメント安定期間の時間長(すなわち、固定された第1電圧レベルL1が印加する時間長)は、抵抗転移期間の時間長(すなわち、時間点t0aから時間点t1までの時間長)よりも長い。
【0028】
時間点t2において、既定電流値Iref2に基づいて、メモリコントローラ130は、制御電圧V1’を第2電圧レベルL2よりも大きい値まで徐々に増加させる。本実施形態において、既定電流値Iref2は、既定電流値Iref1よりも大きく、且つ第2電圧レベルL2は、第1電圧レベルL1よりも大きい。時間点t2から時間点t3までを抵抗転移期間とし、フィラメントは、この期間において緩い状態にあり、再構成または復元を行う。
【0029】
同様に、時間点t3から時間点t4にかけて、制御電圧V1’を固定された第2電圧レベルL2に下げることにより、書き込み電流Idを既定電流値Iref2に制限するため、メモリセル140は、再度安定した状態になる。同様に、時間点t4から時間点t5にかけて(抵抗転移期間)、既定電流値Iref3に基づいて、メモリコントローラ130は、制御電圧V1”を第3電圧レベルL3よりも大きい値まで徐々に増加させるため、メモリセル140のフィラメントは、再度緩い状態になる。続いて、時間点t5から時間点t6にかけて、制御電圧V1”を固定された第3電圧レベルL3に下げることにより、書き込み電流Idを既定電流値Iref3に制限するため、メモリセル140のフィラメントは、再度安定した状態になる。既定電流値Iref3は、既定電流値Iref2よりも大きく、且つ第3電圧レベルL3は、第2電圧レベルL2よりも大きい。つまり、本実施形態において、制御電圧V1、V1’、V1”は、時間とともに段階的に増加するステップ電圧であり、第1電圧レベルL1から順番に第2電圧レベルL2、第3電圧レベルL3へと増加する。
【0030】
図7は、本発明の1つの実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法のステップフロー図である。
図2A、
図4、
図6、および
図7を参照すると、本実施形態の操作方法は、少なくとも
図2Aの抵抗変化型メモリ保存装置100に適用されるが、本発明はこれに限定されない。
図2Aの抵抗変化型メモリ保存装置100を例に挙げて説明すると、ステップS100において、メモリコントローラ130は、書き込みパルス幅期間の第1抵抗転移期間において、第1選択トランジスタT1の制御端子に対し、第1電圧レベルL1まで徐々に変化する制御電圧V1を提供し、且つその後の第1フィラメント安定期間において、メモリコントローラ130は、第1選択トランジスタT1の制御端子に対し、固定された第1電圧レベルL1を提供して、書き込み電流Idを第1既定電流値Iref1に制限する。ステップS110において、メモリコントローラ130は、書き込みパルス幅期間の第2抵抗転移期間において、第1選択トランジスタT1の制御端子に対し、第2電圧レベルL2まで徐々に変化する制御電圧V1を提供し、且つその後の第2フィラメント安定期間において、メモリコントローラ130は、第1選択トランジスタT1の制御端子に対し、固定された第2電圧レベルL2を提供して、書き込み電流Idを第2既定電流値Iref2に制限する。第2電圧レベルL2は、第1電圧レベルL1よりも大きく、且つ第2既定電流値Iref2は、第1既定電流値Iref1よりも大きい。
【0031】
また、本発明の実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法は、
図1〜
図6の実施形態の説明から十分な教示、提案、および実施説明を得ることができるため、ここでは繰り返し説明しない。また、本発明の実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法は、少なくともシングルレベルセル(Single-Level Cell, SLC)のメモリ保存装置またはマルチレベルセル(Multi-Level Cell, MLC)のメモリ保存装置に応用することができるが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施形態の抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法は、また、1回のみ書き込み可能(One-time programmable, OTP)なメモリ保存装置または再書き込み可能(Multi-time programmable, MTP)なメモリ保存装置にも応用することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
以上のように、本発明の実施形態において、メモリコントローラは、制御電圧を第1選択トランジスタの制御端子に印加し、書き込みパルス幅期間の抵抗転移期間において、書き込み電流を既定電流値まで徐々に変化させ、書き込みパルス幅期間のフィラメント安定期間において、書き込み電流を1つまたは複数の既定電流値に制限する。フィラメント安定期間において、書き込み電流を1つまたは複数の既定電流値に制限することによって、セル電流の分布をさらに均一にすることができ、且つメモリセルの導電フィラメント構造をさらに丈夫にして、ビット誤り率を有効に下げることができる。
【0033】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、抵抗変化型メモリ保存装置およびその操作方法を提供する。
【符号の説明】
【0035】
100 抵抗変化型メモリ保存装置
110 第1セレクタ回路
120 第2セレクタ回路
130 メモリコントローラ
132 論理制御回路
134 タイミング制御回路
136 電圧調節回路
138 電流感知回路
140 メモリセル
300 メモリセルの転移
BL ビット線
E 電界方向
e− 電子移動の方向
Id 書き込み電流
Iref、Iref1、Iref2、Iref3 既定電流値
L1、L2、L3 電圧レベル
P0、P2、P4 抵抗転移期間
P1、P3、P5 フィラメント安定期間
R メモリセルの抵抗
S100、S110 方法ステップ
SL ソース線
T1 第1選択トランジスタ
T2 第2選択トランジスタ
T3 メモリセルのトランジスタ
TA、TB、TC、t0、t0a、t1、t2、t3、t4、t5、t6 時間点
T_WPW 書き込みパルス幅期間
V1 制御電圧
V2 電圧
V3 ワード線電圧
VBL、VSL、Vd 電圧
【要約】
【課題】ビット誤り率を有効に下げることのできる抵抗変化型メモリ保存装置およびその操作方法を提供する。
【解決手段】抵抗変化型メモリ保存装置は、メモリセルと、選択トランジスタと、メモリコントローラとを含む。メモリセルは、書き込みパルス幅期間において、書き込み電流を出力する。選択トランジスタは、メモリセルに接続される。メモリコントローラは、選択トランジスタおよびメモリセルに接続される。メモリコントローラは、書き込みパルス幅期間の抵抗転移期間において、既定電圧レベルまで徐々に変化する制御電圧を選択トランジスタの制御端子に印加し、且つ抵抗転移期間の後のフィラメント安定期間において、前記制御電圧を前記既定電圧レベルに設定して、書き込み電流を既定電流値に制限するために使用される。また、抵抗変化型メモリ保存装置の操作方法も提出する。
【選択図】
図7