(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施の形態の概要>
本発明の実施の形態の概要を述べる。
本発明の実施の形態に係る通信端末は、その通信端末のユーザが、通信端末の操作の仕方を含む種々の質問を受け付けて応答する通信相手と相互通信するための機能を提供するように構成されている。ここで、ユーザの「通信相手」とは、ユーザに対して業務としてサポートを提供する「サポートオペレータ」ということもできる。したがって、以下本明細書においては「通信相手」を「サポートオペレータ」と記載する。
【0020】
なお、サポートオペレータは通信端末のユーザから質問された通信端末の操作方法等について回答する者には限らない。サポートオペレータは通信端末のユーザのサポートをする以外の他のサービスを提供する者も含まれる。例えばサポートオペレータは医師や弁護士等の専門家であってもよし、占いや手相の鑑定士であってもよい。
【0021】
実施の形態に係る通信端末は、サポートオペレータが所持するスマートフォンやタブレット等の端末と、インターネット等の既知のネットワークを介して相互通信する。このため、従来のコールセンタとは異なり、サポートオペレータは勤務場所や勤務時間に縛られず、いつでもどこでもユーザからの通信に応答することができる。
【0022】
実施の形態に係る通信端末のユーザをサポートするサポートオペレータの待遇は、ユーザからの直接的な評価も考慮される。そこで実施の形態に係る通信端末は、ユーザとサポートオペレータとの通信の終了時に、ユーザのサポートオペレータに対する評価を入力するためのインタフェースをユーザに提供する。実施の形態に係る通信端末は、この評価が未入力の場合は、サポートオペレータとの相互通信を規制する。これにより、実施の形態に係る通信端末は、サポートオペレータに対するユーザの評価を取得する機会を増やすことができる。結果として、実施の形態に係る通信端末は、ユーザ毎にサポートオペレータの評価を取得することの確実性を高めることができる。
以下、実施の形態に係る通信端末が前提とするサービスの概要についてまず説明する。
【0023】
[サービスの概要]
図1は、実施の形態に係る通信端末1が前提とするサービスシステムSの概要を説明するための図である。サービスシステムSは、通信端末1、サーバ2、データベース3、及びオペレータ端末4を含む。なお、以下に記載する(1)から(7)までの流れは、
図1中の(1)から(7)の矢印で示す情報の流れに対応する。
【0024】
通信端末1はユーザUが所持する端末であり、既知のタブレットPC(Personal Computer)等で構成される。サーバ2とデータベース3とは、それぞれユーザUとサポートオペレータOとの間でネットワークNを介した相互通信サービスを提供するサービス提供者(以下、単に「サービス提供者」と記載する。)が管理するサーバ及びデータベースである。
【0025】
オペレータ端末4は、サポートオペレータOが所持する端末である。なお、ネットワークNはインターネットや携帯電話通信網等から構成される既知の通信ネットワークである。また
図1は第1サポートオペレータOaと第2サポートオペレータObとの2人のサポートオペレータOを示しているが、サポートオペレータOの数は3人以上であってもよい。
【0026】
ユーザUは、通信端末1の販売を扱う販売店の店頭等において、通信端末1の利用を申し込む。
(1)ユーザUから通信端末1の申し込みがあると、サービス提供者は通信端末1のセットアップを実施する。ここで「通信端末1のセットアップ」とは、ユーザUが通信端末1を開封して電源に接続するだけで通信端末1を即座に利用することができる状態にすることをいう。
【0027】
具体的には、サービス提供者は、通信端末1のOS(Operating System)が通信端末1の利用開始前に要求するユーザID(Identifier;識別子)やパスワードの初期設定、テレビ電話に用いるIDやそのパスワードの初期設定、ホーム画面の設定、通信端末1とサポートオペレータOとが通信するためのネットワークNの設定等を実施する。サービス提供者はまた、設定した各IDを記載した書面(以下、単に「IDカード」と記載する。)や各IDに対応するパスワードを記載した設定内容通知書類を作成する。なお、サービス提供者が初期設定するパスワードは、ユーザUに後日変更してもらうことを前提とした初期設定パスワードである。
【0028】
(2)サービス提供者は、セットアップを行った通信端末1とIDカードとを、通信端末1の購入者であるユーザUに送付する。具体的には、サービス提供者は運送業者Dに委託して、ユーザUが指定した配送先に通信端末1を送付する。
【0029】
(3)これにより、ユーザUは通信端末1をひとたび受け取れば、通信端末1の初期設定等をしなくてもすぐに通信端末1の使用を開始することができる。ユーザUはさらに、IDカードに記載されている各種ID情報を友人や家族に知らせることにより、友人や家族とテレビ電話等をすぐに始めることもできる。
【0030】
このため、ユーザUが通信端末1の操作に不慣れであっても、通信端末1をすぐに利用することができる。いわば、通信端末1を購入したユーザUが使用開始後の15分程度で遭遇する困難(すなわち、通信端末1の利用開始の仕方が分からないという困難)を、ユーザUは回避することができる。サービス提供者はまた、ユーザUが通信端末1を用いて何を実行できるかが直感的に分かるように、あらかじめ通信端末1のホーム画面を設定する。これにより、通信端末1を入手したユーザUが利用開始後の2時間程度で遭遇する困難(すなわち、通信端末1を利用して何ができるか分からないという困難)を、ユーザUは回避することができる。
【0031】
サービス提供者は、ユーザUが音声入力によって通信端末1を利用できるように通信端末1を設定している。サービス提供者はさらに、ホーム画面から起動できるように設定したアプリケーションの使用例を記載したいわば「お試しマニュアル」を、通信端末1とともにユーザUに送付する。通信端末1のホーム画面には、ニュース閲覧、メール、天気予報等のアプリケーションプログラムがあらかじめ設定されている。お試しマニュアルには、これらのアプリケーションプログラムの使い方が記載されている。ユーザUは、お試しマニュアルに記載された手順をたどることにより、音声入力を主体とした操作で、通信端末1が実現する機能の便利さを実感することができる。これにより、通信端末1を購入したユーザUが利用開始後の1週間程度で遭遇する課題(すなわち、通信端末1の利便性に気づく前に通信端末1の利用をやめてしまうという課題)を、ユーザUは回避することができる。
【0032】
上述したように、ユーザUはIDカードに記載されている各種ID情報を友人や家族に知らせることにより、友人や家族とテレビ電話等をすぐに始めることもできる。通信端末1を用いて他者とのつながりができれば、ユーザUが通信端末1を利用しようとする動機づけとなりうる。また他者から通信端末1を介したユーザUとのコミュニケーションがあれば、必然的にユーザUが通信端末1を利用する機会を提供することにもなる。これにより、通信端末1を購入したユーザUが利用開始後の1か月程度で遭遇する困難(すなわち、通信端末1を利用した他者とのつながりを築くことの困難)を、ユーザUは回避することができる。
【0033】
(4)通信端末1にはさらに、通信端末1の操作に関して不明なことがある場合に、そのことを質問することができるサポートオペレータOと通信するためのアプリケーションプログラムも、あらかじめインストールされている。このアプリケーションは通信端末1のホーム画面から起動することができるようにサービス提供者によってセットアップされている。このためユーザUは、通信端末1で簡単な操作を実行することにより、サポートオペレータOとの間で相互通信を開始することができる。
【0034】
ここでユーザUとサポートオペレータOとの間の「相互通信」とは、ユーザUとサポートオペレータOとが単に音声通話することのみならず、テレビ電話を用いて互いの顔を見ながら会話をすること、及びユーザUとサポートオペレータOとの間で通信端末1の画面を共有したり、サポートオペレータOが通信端末1を操作したり、操作する場所に目印を表示したりすることも含む。これにより、音声のみによるサポートと比較して、実施の形態に係る通信端末1を介した通信は、ユーザUとサポートオペレータOとの間のコミュニケーションを密にすることができる。
【0035】
なお、
図1には明示していないが、ユーザUとサポートオペレータOとの間の通信経路には、サーバ2が含まれている。これにより、サーバ2は、ユーザUとサポートオペレータOとの間で行われた音声通話の録音やビデオ通話の録画を保存することができる。
【0036】
実施の形態に係る通信端末1は、ユーザUが特定のサポートオペレータOに連絡するための機能を提供する。これにより、ユーザUは、対応に好感を持ったサポートオペレータOと以後も通信することができるようになる。また実施の形態に係る通信端末1を用いたユーザUとサポートオペレータOとの間の相互通信を提供するサービス提供者は、サポートオペレータOが提供したサービスの対価の決定に、ユーザUによる評価やサポートオペレータOとの間の通信時間も反映させる。
【0037】
これにより、サポートオペレータOは、ユーザUに対してより丁寧に対応することの動機づけとすることができる。結果として、ユーザUは好感を持ったサポートオペレータOを選択することができ、またサポートオペレータOは自身のサービス提供に対する対価を増やすことができる。ユーザUは、通信端末1の操作に困ったときにいつでも質問できるサポートオペレータOを見つけることができれば、通信端末1を購入したユーザUの長期的な課題(すなわち、困ったときに質問できる人がいないという課題)を、ユーザUは回避することができる。
【0038】
(5)ユーザUによるサポートオペレータOの評価システムをより実効的なものとするために、通信端末1は、ユーザUとサポートオペレータOとの間の通信を提供する機能と、ユーザUがサポートオペレータOの評価を実施するための機能とを連動させる。
【0039】
より具体的には、通信端末1は、ユーザUとサポートオペレータOとの相互通信の終了後、サポートオペレータOに関するユーザUの評価をユーザUに入力させるとともに、その評価が未入力の場合、ユーザUとサポートオペレータOとの間の相互通信の提供を規制する。ユーザUは、サポートオペレータOの評価を終えるまではサポートオペレータOと通信することができないので、ユーザUがサポートオペレータOの評価をすることの動機づけとすることができる。結果として、ユーザU毎にサポートオペレータOの評価を管理することができる。
【0040】
(6)ユーザUによるサポートオペレータOの評価結果は、ネットワークNを介してサービス提供者が管理するデータベース3に格納される。(7)また、ユーザUによるサポートオペレータOの評価に加えて、データベース3は、サポートオペレータOによるユーザUの評価も受け付けて格納する。
【0041】
これにより、サービス提供者は、ユーザUによるサポートオペレータOの一方的な評価のみならず、サポートオペレータOによるユーザUの評価も考慮したいわば相互評価に基づいて、サポートオペレータOの対価を決定することもできる。サービス提供者はさらに、サポートオペレータOによる評価の高いユーザUに対してサービス提供者がユーザUに提供するサービスに使用できるポイントを提供したり、サービスの利用料を割り引いたりすることができる。
以下、実施の形態に係る通信端末1についてより詳細に説明する。
【0042】
<実施の形態の機能構成>
図2は、実施の形態に係る通信端末1の機能構成を模式的に示す図である。実施の形態に係る通信端末1は、通信部10、記憶部20、表示部30、及び制御部40を備える。なお、
図2は通信端末1が提供する主に相互通信機能及び評価機能を実現するための構成を示しており、その他の構成は省略している。
【0043】
通信部10は、通信端末1がサーバ2やオペレータ端末4と通信するための通信インタフェースである。通信部10は、例えばWi−FI(登録商標)モジュールやLAN(Local Area Network)モジュール、携帯電話通信モジュール等の既知の通信モジュールによって実現される。なお通信端末1は、ユーザU毎に発行されたSIM(Subscriber Identity Module)カードを挿入するように構成されている。通信部10はこのSIMカードの情報を用いることによって通信を確立する。
【0044】
記憶部20は、OSやアプリケーションプログラム等を格納するROM(Read Only Memory)や通信端末1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、及びユーザUのID等を格納するSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0045】
表示部30は、通信端末1が生成した情報をユーザUに視覚的に通知するためのインタフェースである。通信端末1がタブレットPCの場合、表示部30は表示領域とタッチパネルとが一体となったタッチスクリーンであり、入力インタフェースとしても機能する。
【0046】
制御部40は、通信端末1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することによって相互通信実行部41、評価受付部42、表示制御部43、通信規制部44、選択受付部45、及び通知部46として機能する。
【0047】
相互通信実行部41は、通信端末1のユーザUに、ネットワークNを介したサポートオペレータOとの相互通信を提供する。具体的には、通信端末1の表示部30に表示されたホーム画面には、ユーザUがサポートオペレータOと相互通信するためのアプリケーションがサービス提供者によって設定されている。
【0048】
[通信端末1のホーム画面]
図3は、実施の形態に係る通信端末1の表示部30に表示されるホーム画面の一例を模式的に示す図である。
図3に示すように、通信端末1のホーム画面は、通信端末1を使って何ができるかをユーザUが一見して把握できるように、サービス提供者によってあらかじめアプリケーションアイコンAIが配置されている。通信端末1のホーム画面には、ユーザUがサポートオペレータOとの通信を簡便に開始するためのアプリケーションプログラムの通信アイコンCI(第1通信アイコンCI1及び第2通信アイコンCI2)も配置されている。
【0049】
図3に示す例では、アプリケーションアイコンAIとして、ニュースを見るためのアイコン、ウェブサイトを閲覧するためのアイコン、SNS(Social Networking Service)を開始するためのアイコン、カメラを起動するためのアイコン、通信端末1に保存されている写真を閲覧するためのアイコン、メールを読み書きするためのアイコン、動画サイトを閲覧するためのアイコン、ネットショッピングをするためのアイコン、及びテレビを視聴するためのアイコンの全部で9種類のアプリケーションアイコンAIがあらかじめ配置されている。
【0050】
なお、通信端末1のホーム画面にあらかじめ配置されるアプリケーションアイコンAIは
図3に示す例に限られず、その他のアイコンであってもよい。サービス提供者は、通信端末1の購入時にユーザUが回答したアンケートの結果を参酌して、通信端末1のホーム画面に配置するアプリケーションアイコンAIの種類を定めてもよい。さらに、通信端末1は、ユーザUがアイコンの配置を変更するための図示しないUI(Graphical User Interface)も備えてもよい。
【0051】
[オペレータのステータスの表示]
図4は、ユーザUが通信アイコンCIを選択することで開始される相互通信用のアプリケーションプログラムの表示例を模式的に示す図である。より具体的には、ユーザUが第2通信アイコンCI2をタップした場合に、表示制御部43が表示部30に表示させるGUIを示す図である。
【0052】
図4に示すように、表示部30には、ユーザUが過去に会話をしたサポートオペレータOの一覧が表示される。一覧には、ユーザUが過去に会話をしたサポートオペレータOのステータスも表示されている。ここで「サポートオペレータOのステータス」とは、サポートオペレータOのネットワークNにおける状態を示す情報であり、具体的にはサポートオペレータOがオンライン中であるか否か、オンライン中である場合には他のユーザUと通信中であるか否かを示す情報である。またユーザUが過去に会話をしたサポートオペレータOの一覧には、ユーザUがそのサポートオペレータOに対して過去にした評価の結果も表示されている。
【0053】
ユーザUが通話することを希望するサポートオペレータOがオンラインであり、かつ他のユーザUと通信中でない場合には、ユーザUはサポートオペレータOの名前をタップすることでサポートオペレータOと通信することができる。したがって、ユーザUはホーム画面で第2通信アイコンCI2を選択し、かつ一覧においてサポートオペレータOの名前を選択すること、すなわち2タップの操作で、サポートオペレータOとの通信を迅速に開始することができる。これは、選択受付部45が、一覧中の複数のサポートオペレータOの中からユーザUが選択した一人のサポートオペレータOを受け付けることで実現できる。
【0054】
これにより、従来の電話を用いたコールセンタによるサポートとは異なり、ユーザUは所定の番号に電話をしてその応答を待つという手順を省いてサポートオペレータOとの通信を開始することができる。特に、ユーザUはサポートオペレータOを直接指定して通信を開始できる点で、従来のコールセンタによるサポートサービスとは相違する。
【0055】
[通信画面例]
図5は、サポートオペレータOとの相互通信中の表示部30の表示例を模式的に示す図である。
図5には、ユーザUがサポートオペレータOである「AAAA」と音声通話中であることが表示されている。またサポートオペレータOとユーザUとが相互通信中に、表示制御部43は、ユーザUに課される課金額と通話時間との少なくともいずれか一方をリアルタイムで表示部30に表示させる。
図5は、表示制御部43は、通信時間とユーザUに課金される通信料金との両方を表示部30に表示させている場合の例を示している。これにより、ユーザUは通話料金や通信時間を確認しながらサポートオペレータOと通信することができる。
【0056】
また
図5に示すように、ユーザUは表示部30に表示されたアイコンを選択することにより、サポートオペレータOとの間の通信形態を音声通話からビデオ通話に切り替えることもできる。さらに、表示部30の表示画面をサポートオペレータOと共有したり、サポートオペレータOに通信端末1の操作権限を付与したりすることも、ユーザUはアイコンをタップすることで実現できる。これによりサポートオペレータOは通信端末1の表示部30を閲覧できるので、単にユーザUと音声通話する場合よりも、ユーザUが通信端末1の操作で躓いている原因を容易に特定することができる。さらに、通信端末1のビデオ通話機能を用いることにより、ユーザUは通信端末1以外の他のものについてのサポートをサポートオペレータOから受けることもできる。
【0057】
評価受付部42は、ユーザUとサポートオペレータOとの相互通信の終了後、サポートオペレータOに関するユーザUの評価をユーザUに入力させる。より具体的には、表示制御部43は、ユーザUとサポートオペレータOとの相互通信の終了後、評価入力用のGUIを表示部30に表示させ、評価受付部42はGUIの入力を受け付ける。通信規制部44は、ユーザUによるサポートオペレータOの評価が未入力の場合、相互通信実行部41による相互通信の提供を規制する。これにより、実施の形態に係る通信端末1は、ユーザUがサポートオペレータOの評価を入力することの動機づけをユーザUに提供することができる。
【0058】
[評価画面例]
図6は、実施の形態に係る通信端末1の表示部30に表示されるサポートオペレータOの評価入力画面の一例を模式的に示す図である。
図6に例示する評価入力画面は、相互通信実行部41による相互通信機能の提供が終了することを契機として、表示制御部43が表示部30に表示させるGUIである。ユーザUは表示部30に表示されるサポートオペレータOの評価を示すアイコンを選択することにより、簡単にサポートオペレータOの評価を実施することができる。
【0059】
図6において、ユーザUが「大満足」を選択すると、「大満足」に関連付けられた点数(例えば3点)がサーバ2に送信される。この他、「満足(2点)」、「普通(1点)」、「もう少し(0点)」の各評価にも、それぞれ対応する点数が関連付けられている。サーバ2は、取得した点数をサポートオペレータOと関連付けてデータベース3に格納する。図示はしないがデータベース3は、サポートオペレータOに対してなされた評価点の合計が、ユーザU毎に集計されている。これにより、サーバ2は、サポートオペレータOの評価をユーザU毎に管理することができる。サーバ2はさらに、サポートオペレータOについてあるユーザUがした評価の平均値も算出することができる。
【0060】
サーバ2はまた、各サポートオペレータOに対してなされた各ユーザUの評価点の合計もデータベース3に記憶させる。これにより、サーバ2は、各サポートオペレータOのユーザU全体としての評価を管理することもできる。サーバ2はさらに、サポートオペレータOについてなされたユーザU全体としての評価の平均値も算出することができる。
【0061】
図6に示すように、評価入力画面には、より詳細な評価及びシステムの評価を入力するための画面(不図示)に遷移させるためのアイコンと、ユーザUが音声による評価を録音するための画面(不図示)に遷移させるためのアイコンも備えられている。
【0062】
ここで通信規制部44は、ユーザUがサポートオペレータOの評価を実施するまでは、相互通信実行部41による相互通信を規制する。通信規制部44はまた、ユーザUがサポートオペレータOの評価を実施することで初めて相互通信用のアプリケーションプログラムを終了する。万が一ユーザUがサポートオペレータOの評価を実施することなく相互通信用のアプリケーションプログラムを強制終了した場合には、その次にユーザUがアプリケーションプログラムを起動したとき、表示制御部43はサポートオペレータOの評価画面を表示部30に表示させる。これにより、実施の形態に係る通信端末1は、ユーザUによるサポートオペレータOの評価の取得の確実性を高めることができる。
【0063】
[時間単価等の表示]
図4の説明に戻る。
図4に示すように、表示制御部43は、複数のサポートオペレータOそれぞれに設定された相互通信に関する課金額の時間単価を、複数のサポートオペレータOそれぞれと関連付けて表示部30に表示させる。例えば
図4に示す例では、サポートオペレータOである「AAAA」と通信する際の時間単価は1分当たりW円であり、「BBBB」は1分あたりX円であることを示している。
【0064】
また、表示制御部43は、各サポートオペレータOに対して前回ユーザUが実施した評価結果、各サポートオペレータOと通信を実施した日付及びその時の通信時間も、サポートオペレータOに関連付けて表示部30に表示させる。ユーザUは通信を希望するサポートオペレータOを選択するときにこれらの情報を参照することができるので、サポートオペレータOを思い出す際の一助とすることができる。
【0065】
[予定表の表示]
上述したように、実施の形態に係る通信端末1は、複数のサポートオペレータOの中から通信を希望するサポートオペレータOを選択する機能をユーザUに提供する。また、表示制御部43は、サポートオペレータOがネットワークNにオンライン中であるか否かの情報を表示部30に表示させる。
【0066】
ユーザUは、通信を希望するサポートオペレータO以外のサポートオペレータOがオンライン中であったとしても、通信を希望するサポートオペレータOがオフラインの場合には、そのサポートオペレータOがオンラインになってから通信することを希望する場合もあり得る。しかしながら、ユーザUは希望するサポートオペレータOがいつオンラインとなるかが分からないと、何度も通信端末1を操作してサポートオペレータOのステータスを確認しなくてはならない。
【0067】
そこで表示制御部43は、複数のサポートオペレータOのそれぞれがネットワークNにオンラインとなる予定の日時を表示部30に表示させる。
図4に示す例では、ユーザUは各サポートオペレータOに対応付けて表示部30に表示されているカレンダーを模したアイコンをタップすると、表示制御部43はそのサポートオペレータOのオンライン予定日時を表示部30に表示させる。これにより、通信端末1は、ユーザUがサポートオペレータOのステータスを確認する手間を省くことができる。なお、複数のサポートオペレータOの予定表は、データベース3に格納されている。表示制御部43は、通信部10を介してデータベース3から取得した予定表を表示部30に表示させる。
【0068】
[オンラインの通知]
また通知部46は、ネットワークNにオフラインとなっているサポートオペレータOのうち、ユーザUが選択したサポートオペレータOがオンラインとなった場合、その旨をユーザUに通知する。
【0069】
図7は、ユーザUが選択したサポートオペレータOがオンラインとなった場合に表示部30に表示される表示画面例を模式的に示す図である。
図7は、ユーザUがサポートオペレータOである「AAAA」を選択した場合に、「AAAA」がオンラインとなったときの表示部30の表示画面例である。ユーザUが選択したサポートオペレータOがオンラインとなると、通知部46は表示制御部43に指示して、サポートオペレータOがオンラインになったことを示すメッセージを表示部30に表示させる。
【0070】
図7に示すように、表示制御部43はサポートオペレータOがオンラインになったことを示すメッセージと同時に、ユーザUがサポートオペレータOとの通信を開始するためのアイコンも表示部30に表示させる。これにより、ユーザUはアイコンをタップするだけで、希望するサポートオペレータOとすぐに通信を開始することができる。
【0071】
なお通知部46は、サポートオペレータOがオンラインになったことを示すメッセージを表示制御部43に指示することに替えて、あるいはこれに加えて、音声やバイブレーションでユーザUに通知してもよい。これにより、例えばユーザUが通信端末1から離れている場合や、携帯中のカバン等にしまっている場合であっても、サポートオペレータOがオンラインになったことをユーザUに気づきやすくさせることができる。
【0072】
コールセンタにおける従来型のサポートサービスにおいては、ユーザUは、(1)コールセンタの電話番号を探す、(2)電話のあるところまで移動する、(3)電話番号を入力する、(4)サポートオペレータが出るまで待機する、(5)過去の経緯を知らない新しいサポートオペレータに対して1から説明する、といった煩雑な手続きを踏んでいた。これに対し、実施の形態に係る通信端末1は、ユーザUが数回のタップ操作をするだけで、ユーザUが希望するサポートオペレータOとすぐに通信する環境を提供することができる。これにより、通信端末1は、サポートサービスにおけるユーザUの利便性を大きく向上することができる。
【0073】
[サポートオペレータOの検索機能]
以上は、ユーザUが通信を希望するサポートオペレータOが既に存在することを前提として説明した。しかしながら、ユーザUが初めてサポートオペレータOと相互通信をする場合や、いつも利用するサポートオペレータO以外のサポートオペレータOを希望する場合等には、ユーザUはサポートオペレータOを検索する機能があると便利である。そのため通信端末1は、サポートオペレータOの検索機能もユーザUに提供する。
【0074】
より具体的には、
図4に示すように、表示制御部43は検索クエリを用いてユーザUがサポートオペレータOを絞り込む機能を提供するためのアイコンを表示部30に表示させる。図示はしないが、ユーザUは検索用アイコンをタップすることにより、種々の条件及びカテゴリ(例えばサポートオペレータOの得意分野や、サポートオペレータOの通話履歴情報、過去の評価結果等の条件)でサポートオペレータOを検索することができる。なお、サポートオペレータOの得意分野や過去の評価結果、通話履歴等は、データベース3に格納されている。通信端末1がユーザUに提供する検索機能や通話機能は、データベース3に問い合わせた結果を利用して実現する。
【0075】
ここで、過去の評価結果等に基づく検索をする際に、表示制御部43は、ユーザUによる評価の高いサポートオペレータOを優先して表示部30に表示させるようにしてもよい。ユーザUによる評価の高いサポートオペレータOはサポート内容も品質が高いと考えられるので、表示制御部43はいわば「おすすめ」としてそのようなサポートオペレータOを表示部30に表示させる。これにより、ユーザUが質の高いサポートを受けられる蓋然性を高めることができる。また、サポートオペレータOにとっては、自身の評価が高くなることで仕事を得る機会が増えるため、評価を高めようとする動機づけとなり得る。
【0076】
表示制御部43はまた、過去の通話履歴回数の多いサポートオペレータO、ユーザUとは異なる他のユーザによる評価の高いサポートオペレータO、又はネットワークNにオンラインとなっておりかつユーザUとは異なる他のユーザと通信中でないサポートオペレータOを優先してコンピュータの表示部30に表示させてもよい。これにより、ユーザUは評価の高いサポートオペレータOと通信する蓋然性が高まり、少なくともいずれかのサポートオペレータOとはすぐに通信を開始できるようになる。
【0077】
[一斉呼び出し機能]
一方、ユーザUが初めてサポートオペレータOと相互通信をする場合等には、ユーザUは特定のサポートオペレータOを選択せずに、とりあえずいずれかのサポートオペレータOと通信することを希望する場合もありうる。このため実施の形態に係る通信端末1は、複数のサポートオペレータOを同時に呼び出す一斉呼び出し機能をユーザUに提供する。
【0078】
具体的には、ユーザUは
図3に示す第1通信アイコンCI1をタップすることで、ユーザUは複数のサポートオペレータOを同時に呼び出すことができる。この結果、ユーザUは呼び出されたサポートオペレータOのうち最初に応答したサポートオペレータOと通信することになる。電話を用いた従来型のサポートサービスではユーザUは「電話をする」、「サポートオペレータOの応答を待つ」といった手順を踏まなくてはならないのに対し、通信端末1は1度の操作でサポートオペレータOと通信する機能をユーザUに提供することができる。
【0079】
すなわち、従来のコールセンタでは、オペレータの数の制限により、応答するまでに時間がかかることが多かった。これに対し、実施の形態に係る通信端末1によれば、サポートオペレータOの労働体系及び評価体系が従来と比較して抜本的に相違するため、サポートオペレータOの数を大幅に増やすことができる。その結果、ユーザUが呼び出してからサポートオペレータOが応答するまでに要する応答時間を飛躍的に短くできる。
【0080】
<通信端末1が実行する情報処理のフロー>
図8は、実施の形態に係る通信端末1が実行する情報処理の流れを示すフローチャートである。本発明における処理は、例えば通信端末1の電源が投入されたときに開始する。
【0081】
相互通信実行部41は、ユーザUが通信アイコンCIをタップすることを契機として、通信用アプリを起動する(S2)。前回の通信に関するサポートオペレータOの評価が未入力の場合(S4のYes)、表示制御部43は、サポートオペレータOの評価を入力するための評価入力画面を表示部30に表示させる(S6)。
【0082】
前回の通信に関するサポートオペレータOの評価の入力が済んでいる場合(S4のNo)、選択受付部45は、ユーザUが通信を希望するサポートオペレータOの選択を受け付ける(S8)。相互通信実行部41は、ユーザUが選択したサポートオペレータOとの相互通信をユーザUに提供する(S10)。
【0083】
ユーザUとサポートオペレータOとの相互通信が終了するまでの間(S12のNo)、相互通信実行部41は、相互通信の提供を継続する。ユーザUとサポートオペレータOとの相互通信が終了すると(S12のYes)、表示制御部43は、サポートオペレータOの評価を入力するための評価入力画面を表示部30に表示させる(S14)。
【0084】
表示制御部43が表示部30に評価入力画面を表示させると、本フローチャートにおける処理は終了する。通信端末1の制御部40は上記の処理を繰り返すことにより、評価入力の有無による相互通信の可否決定処理を継続する。
【0085】
<実施の形態に係る通信端末1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る通信端末1によれば、ユーザUとの通信サービスにおいて、ユーザU毎にサポートオペレータOの評価を管理することができる。
特に、通信端末1はユーザUがサポートオペレータOの評価を実施するまでサポートオペレータOとの相互通信を規制する。これにより、通信端末1はユーザUによるサポートオペレータOの評価を取得することの確実性を高めることができる。
【0086】
通信端末1はまた、ユーザUとサポートオペレータOとが相互通信中に、ユーザUに課される課金額と通話時間との少なくともいずれか一方をリアルタイムで表示部30に表示する。これにより、ユーザUは通話料金や通信時間を確認しながらサポートオペレータOと通信することができる。
また通信端末1は、複数のサポートオペレータOそれぞれの時間単価をサポートオペレータOに関連付けて表示部30に表示する。これにより、ユーザUはサポートオペレータOの選択の際に時間単価を簡単に確認することができる。
【0087】
通信端末1はまた、複数のサポートオペレータOを一斉に呼び出す機能をユーザUに提供する。これにより、ユーザUは、だれでも構わないのですぐにいずれかのサポートオペレータOと通信を希望するときに、ワンタップで通信を開始することができる。ユーザUが通信端末1の操作に不慣れであっても、簡単にサポートオペレータOと通信することができる。
【0088】
通信端末1はさらに、複数のサポートオペレータOのそれぞれのネットワークNにおけるステータスを表示部30に表示させる。これにより、ユーザUは通信を希望するサポートオペレータOとすぐに通信できるか否かを一見して把握することができる。通信端末1はサポートオペレータOがオフラインの場合、サポートオペレータOの予定表を表示部30に表示する。これにより、ユーザUは何度も通信端末1を操作してサポートオペレータOのステータスを確認するといった煩雑さを省くことができる。
【0089】
通信端末1は、オフラインのサポートオペレータOであってユーザUが選択したサポートオペレータOがオンラインとなると、そのことをユーザUに通知する。これにより、ユーザUが積極的に通信端末1を確認しなくても、ユーザUはサポートオペレータOがオンラインとなることを知ることができる。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。以下そのような変形例を説明する。
【0091】
<第1の変形例>
上記では、
図4を参照して、ユーザUはサポートオペレータOの名前をタップすることでサポートオペレータOと通信することができる場合について説明した。具体的には、ユーザUはホーム画面で第2通信アイコンCI2を選択し、かつ一覧においてサポートオペレータOの名前を選択すること、すなわち2タップの操作で、サポートオペレータOとの通信を迅速に開始することができる場合について説明した。
【0092】
第1の変形例に係る通信端末1は、第2通信アイコンCI2に替えて、あるいはこれに加えて、ユーザUが1タップで特定のサポートオペレータOと通信を開始するための表示情報である第3通信アイコンを表示部30に表示させてもよい。第3通信アイコンはユーザUが選択可能なアイコンである。ユーザUが第3通信アイコンを選択すると、ユーザUはそのアイコンに対応付けられているサポートオペレータOと通信を開始することができる。
【0093】
第3通信アイコンには、ユーザUによる評価の高いサポートオペレータO、過去の通話履歴回数の多いサポートオペレータO、ユーザUとは異なる他のユーザによる評価の高いサポートオペレータOのうち、ネットワークNにオンラインとなっているサポートオペレータOが対応付けられている。該当するサポートオペレータOが複数存在する場合には、ユーザU又は他のユーザの評価が最も高いサポートオペレータOが対応付けられる。
【0094】
これを実現するために、記憶部20は、評価受付部42がユーザUから受け付けた過去の評価情報及びネットワークNにおける現在のステータスを、評価対象となったサポートオペレータOの連絡先と対応付けて格納する。表示制御部43は、記憶部20を参照して、例えばユーザUによる評価が高いサポートオペレータO等、ユーザUに通信を推奨するサポートオペレータOと通信を開始するための第3通信アイコンを表示部30に表示させる。これにより、ユーザUは、1タップでサポートオペレータOとの通信を開始することができる。
【0095】
<第2の変形例>
上記では、
図4を参照して、ユーザUが過去に会話をしたサポートオペレータOの一覧に、ユーザUがそのサポートオペレータOに対して過去にした評価の結果が表示される場合について説明した。これに替えて、あるいはこれに加えて、表示制御部43は、サポートオペレータOについてユーザUがした過去の評価の平均を表示してもよいし、サポートオペレータOについてなされたユーザU全体としての評価の平均を表示してもよい。これにより、ユーザUは統計的にみて評価の高いサポートオペレータOを選択することができる。