特許第6906752号(P6906752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6906752ゴムストリップの製造方法および製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906752
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】ゴムストリップの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/52 20060101AFI20210708BHJP
   B29C 43/24 20060101ALI20210708BHJP
   B29C 43/58 20060101ALI20210708BHJP
   B29K 21/00 20060101ALN20210708BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20210708BHJP
【FI】
   B29C43/52
   B29C43/24
   B29C43/58
   B29K21:00
   B29L30:00
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-163578(P2017-163578)
(22)【出願日】2017年8月28日
(65)【公開番号】特開2019-38217(P2019-38217A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(72)【発明者】
【氏名】河村 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一郎
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−252668(JP,A)
【文献】 特開2015−174241(JP,A)
【文献】 特開2009−006502(JP,A)
【文献】 特開2013−176901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/52
B29C 43/24
B29C 43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム押出手段の吐出口から連続的に吐出されるゴム組成物を圧延して幅狭帯状のゴムストリップを形成する圧延手段を用いたゴムストリップの製造方法であって、
前記圧延手段の設定温度が、前記ゴム押出手段内部で前記ゴム組成物から発生する揮発
成分の沸点以上、150℃以下であり、
前記ゴム組成物が、シランカップリング剤を含有するシリカ系配合のゴム組成物であり、
前記ゴムストリップの表面全面に多数の微細な発泡痕を形成させることを特徴とするゴムストリップの製造方法。
【請求項2】
前記ゴム押出手段の設定温度が、前記ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く、前記圧延手段の温度以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴムストリップの製造方法。
【請求項3】
前記ゴム押出手段の設定温度が、30〜70℃であることを特徴とする請求項2に記載のゴムストリップの製造方法。
【請求項4】
前記圧延手段の設定温度が、80〜120℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴムストリップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤの製造等に使用されるゴムストリップの製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの製造方法の1つとして幅狭帯状のゴムストリップを成形ドラム上で螺旋状に巻き重ねて生カバーを成形するストリップワインド工法がある。このゴムストリップは、混練されたゴム組成物をゴム押出工程においてゴム押出手段から連続して押出して所定の幅と厚さに予備成形し、さらに圧延工程においてカレンダーロール等の圧延手段を用いて圧延し、所定の形状に成形することにより製造される(例えば特許文献1参照)。そして、製造されたゴムストリップは、成形ドラムまで引き取られて巻回されることによりローカバーに成形される。
【0003】
このとき、圧延工程では、カレンダーロールに密着したゴムストリップを離型させるため、強制的に引き剥がさなければならない場合がある。このような強制的なゴムストリップの引き剥がしは、成形後のゴムストリップに収縮が生じて、ゴムストリップの断面形状を大きく変形させる。また、密着力(タック)がゴムの腰の強さを上回る(以下、「過密着」ともいう)場合、引き剥がし時にゴムストリップが切れてしまい引き取れない場合がある。
【0004】
一方、近年、環境保全のため氷結路面用にはスタッドレスタイヤが多く用いられている。また、安全性重視の観点からスタッドレスタイヤ以外の冬用タイヤ、オールシーズン用タイヤについてもより高いグリップ性能が要求されるようになっており、このような高いグリップ性能を得るために、トレッドにはオイルなどの軟化剤を多く含むゴム組成物が用いられる傾向が高くなっている。
【0005】
しかし、オイルなどの軟化剤を多く含むゴム組成物は粘着性が高いため、ゴムストリップの製造時におけるカレンダーロールからの離型性に対する重要性は益々高くなっている。
【0006】
ここで、ゴム組成物のカレンダーロールへのタックは、ゴム組成物の粘着性だけではなく、カレンダーロールの温度の影響を受けることが分かっている。このため、従来は、一般的に、カレンダーロールの温度を種々の方法を用いて適正化することによって、粘着性の高いゴム組成物でも、離型性を確保していた。しかし、近年は、乗用車用、二輪車用、重荷重用など用途に応じて多種多様なゴム組成物が用いられるようになっており、ゴム組成物毎にカレンダーロールからの離型に適正な温度が異なるため、従来技術で対応することは容易とは言えない。
【0007】
そこで、このようなゴム組成物の多様化に対応できる技術として、ゴム組成物に応じて適正温度を予め設定しておき、カレンダーロールの表面温度をこの適正温度に制御することにより、各ゴム組成物における離型性を確保する技術が開発されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−184152号公報
【特許文献2】特開2013−252668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した各ゴム組成物における適正温度は、通常、試行錯誤によって設定されていたため、1種類のゴム組成物の適正温度を設定するにも多くの時間と労力を必要とし、ましてや多種多様なゴム組成物のそれぞれについて適正温度を設定するためには、莫大な時間と労力とを必要としていた。
【0010】
そこで本発明は、多種多様なゴム組成物のそれぞれについて、多くの時間と労力を掛けることなく圧延の適正温度を設定することができ、所定形状のゴムストリップを安定して製造することができるゴムストリップの製造技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
請求項1に記載の発明は、
ゴム押出手段の吐出口から連続的に吐出されるゴム組成物を圧延して幅狭帯状のゴムストリップを形成する圧延手段を用いたゴムストリップの製造方法であって、
前記圧延手段の設定温度が、前記ゴム押出手段内部で前記ゴム組成物から発生する揮発
成分の沸点以上、150℃以下であり、
前記ゴム組成物が、シランカップリング剤を含有するシリカ系配合のゴム組成物であり、
前記ゴムストリップの表面全面に多数の微細な発泡痕を形成させることを特徴とするゴムストリップの製造方法である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、
前記ゴム押出手段の設定温度が、前記ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く、前記圧延手段の温度以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴムストリップの製造方法である。
【0014】
請求項3に記載の発明は、
前記ゴム押出手段の設定温度が、30〜70℃であることを特徴とする請求項2に記載のゴムストリップの製造方法である。
【0015】
請求項4に記載の発明は、
前記圧延手段の設定温度が、80〜120℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴムストリップの製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、多種多様なゴム組成物のそれぞれについて、多くの時間と労力を掛けることなく圧延の適正温度を設定することができ、所定形状のゴムストリップを安定して製造することができるゴムストリップの製造技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本発明の一実施の形態におけるゴムストリップの表面の顕微鏡写真である。
図1B】本発明の一実施の形態におけるゴムストリップの断面の顕微鏡写真である。
図2A】本発明の一実施の形態のゴムストリップの製造方法における温度の設定方法を示す模式図である。
図2B】本発明の一実施の形態のゴムストリップの製造方法におけるゴムストリップの断面の様子を示す模式図である。
図3A】従来のゴムストリップの製造方法における温度の設定方法を示す模式図である。
図3B】従来のゴムストリップの製造方法におけるゴムストリップの断面の様子を示す模式図である。
図4】ゴムストリップの製造装置の構成を示す模式図である。
図5】圧延手段の温度制御機構の一例における構成を示すブロック図である。
図6】ゴム押出温度の制御機構の一例を示す模式図である。
図7】比較例のゴムストリップの表面の顕微鏡写真である。
図8】本発明の一実施例のゴムストリップの表面の顕微鏡写真である。
図9】本発明の他の一実施例のゴムストリップの表面の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[1]従来技術における問題点と本発明の完成に至る経緯
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する前に、本発明の理解を容易にするために、従来技術における問題点、および、本発明の完成に至る経緯について説明する。
【0021】
1.従来技術における問題点について
まず、従来のゴムストリップの製造技術における問題点について説明する。
【0022】
図4は、ゴムストリップの製造装置の構成を示す模式図であり、ゴムストリップの製造装置1を側面から見た図である。なお、図4において、Gは(ゴムストリップに成形前の)ゴム組成物であり、Gsはゴムストリップであり、3はゴム押出手段(ゴム押出機)であり、4は圧延手段(カレンダーロール)であり、5は引き取りロールである。
【0023】
ゴム押出手段3には、スクリュータイプのゴム押出機が広く用いられている。また、圧延手段4には、4Pと4Fの上下一対のカレンダーロールが広く用いられている。なお、理解しやすいようにゴム押出手段3については、シリンダ10の内部に設置されているスクリュー軸11を記載している。
【0024】
従来のゴムストリップは、このようなゴムストリップの製造装置を用いて、以下の手順に従って製造されていた。なお、この製造手順は、本発明においても基本的に同様である。
【0025】
まず、所定の配合材料を所定の条件(温度、時間等)で混練機を用いて混練することにより得られたゴム組成物Gを、ゴム押出手段(ゴム押出機)3のゴム投入口10Aからシリンダ10内に投入する。
【0026】
投入されたゴム組成物Gは、シリンダ10内を、回転するスクリュー軸11の駆動によって可塑化されながら前進して、押出ヘッド12に設けられた吐出口2から所定の形状で連続的に吐出される。これにより、ゴム組成物GがゴムストリップGsの断面形状に応じた形状に予備成形される。
【0027】
吐出されたゴム組成物Gは、その後、表面温度が所定の温度に設定された圧延手段(カレンダーロール)4に送られて、上下一対のカレンダーロール4P、4Fの間を通過することにより圧延されて、所定の断面形状のゴムストリップGsに成形される。その後、成形されたゴムストリップはカレンダーロール4から引き剥がされて、引き取りロール5に引き取られて成形ドラム(図示せず)に向けて送られた後、成形ドラムに巻き付けられローカバーとして成形される。ローカバーを加硫することによりタイヤが製造される。
【0028】
このとき、前記したように、ゴムストリップGsがカレンダーロール4に過密着していると、カレンダーロール4からの引き剥がしが難しくなり、ゴムストリップGsの変形を招いてしまうため、種々の方法で圧延手段の温度設定を適正に制御して、ゴムストリップGsの離型性を確保していた。しかし、その温度設定は試行錯誤によっていたため、容易なことではなかった。
【0029】
2.本発明の完成に至る経緯
このような状況下、本発明者は、ゴムストリップがカレンダーロールから離型されるメカニズムについて、鋭意検討を行った。その結果、カレンダーロールの表面温度を上昇させていくと、ある温度から急激に離型性が上昇して、十分な離型性が確保できることが分かった。そして、十分な離型性が確保されたゴムストリップの表面を詳細に観察したところ、目視では確認できないミクロサイズ、具体的には、サブミリメーターレベルの微細な発泡痕が一面に存在していることが分かった。図1Aに、十分な離型性が確保されたゴムストリップの表面を顕微鏡(マイクロスコープ)で撮像した画像を示す。図1Aからゴムストリップの表面全面に多数の発泡痕が存在していることが確認できる。なお、図1Aは、後述する実験1において圧延温度120℃で得られたゴムストリップの表面の顕微鏡画像である。
【0030】
この結果から、本発明者は、カレンダーロールの表面温度を上昇させることによってゴムストリップの表面が微細に発泡した結果、ゴムストリップとカレンダーロール表面との接触面積が減少して粘着性の低下を招き、離型性が向上したものと推測した。
【0031】
そして、このような発泡は、ゴム組成物の吐出工程において生成された揮発成分がゴム組成物に含有されており、表面温度が上昇したカレンダーロールと接することにより、この揮発成分が急激に気化したために生じたと推測した。
【0032】
具体的な一例として、シリカ系配合のゴム組成物の場合、80℃で急激に離型性が上昇しており、この温度はシランカップリング剤に由来して発生するエタノールの沸点78℃とほぼ一致しているため、ゴムストリップ表面における発泡はエタノールの気化によるものと推測される。
【0033】
この推測の下、本発明者は、ゴムストリップのカレンダーロールからの十分な離型性を確保するためには、カレンダーロールの表面温度を揮発成分の沸点以上の温度に設定して、ゴムストリップと接触させることにより、ゴム押出手段から吐出されたゴム組成物の表面を揮発成分の沸点以上の温度に加熱すればよいと考え、実験の結果、この考えが正しいことを確認し、本発明を完成するに至った。
【0034】
そして、上記実験でゴム組成物を従来の圧延と同程度の通常の線速で圧延手段を通過させた場合、発泡が起きるのはゴムストリップの表面だけであり、ゴムストリップの密度等の品質に殆ど影響しないことが分かった。図1Bに顕微鏡で撮像されたゴムストリップの断面の画像を示す。図1Bより発泡が起きているのは表面の極薄い領域に限られ、内部にまでは及んでいないことが確認できた。なお、図1Bは、後述する実験1において圧延温度120℃で得られたゴムストリップの断面の顕微鏡画像である。
【0035】
また、圧延手段の温度を150℃以下に設定することにより、ゴムストリップの表面における加硫の進行を抑制できることが分かった。
【0036】
[2]発明の実施の形態
以下、本発明を実施の形態に基づいて、具体的に説明する。
【0037】
1.本発明の概要
本実施の形態のゴムストリップの製造方法は、ゴム押出手段と、その吐出口から連続的に吐出されるゴム組成物を圧延して幅狭帯状のゴムストリップを形成する圧延手段を用いて、例えば、ストリップワインド成形法において用いられるゴムストリップを製造する製造方法であり、上記したように、基本的には、従来のゴムストリップの製造方法と同様である。しかし、本実施の形態においては、圧延手段の設定温度を、ゴム押出手段内部でゴム組成物から発生する揮発成分の沸点以上、150℃以下に設定する点において、従来とは異なっている。
【0038】
ゴムストリップの製造においては、通常、ゴム押出手段による押出工程中、ゴム組成物の配合材料間に化学反応が起こり、例えば、シランカップリング剤などに由来するエタノールや水などの揮発成分が発生する。このため、圧延手段の設定温度を揮発成分の沸点以上とすることにより、圧延手段に接触したゴム組成物中の揮発成分が加熱されて気化して、ゴム組成物の表面で発泡する。この発泡に伴って圧延手段の表面とゴム組成物の表面との接触面積が減少するため、圧延手段に対する粘着力(タック)が低下して、十分な離型性を確保することができる。
【0039】
このように、本発明によれば、ゴム押出手段内部で発生する揮発成分を特定すれば、この揮発成分の沸点に対応して、圧延手段の温度を直ちに適切に設定することができる。そして、揮発成分は、ゴム組成物の構成材料に基づいて容易に特定することができる。この結果、多くの時間と労力を掛けずに圧延手段の適正温度を設定することができる。また、離型性の良い適正温度の下で圧延を行うため、所定形状のゴムストリップを安定して製造することができる。
【0040】
2.ゴムストリップの製造方法
上記したように、本実施の形態のゴムストリップの製造方法は、圧延手段の温度設定を除いては、基本的に、従来のゴムストリップの製造方法と同様であるため、以下においては、圧延手段の温度設定を中心として説明する。
【0041】
(1)圧延手段の温度設定
本実施の形態において、圧延手段の温度は、上記の通り、揮発成分の沸点以上、150℃以下に設定する。これにより、上記したように、圧延手段に接触したゴム組成物中の揮発成分が加熱されて気化して、ゴム組成物の表面で発泡する。そして、発泡に伴って、圧延手段とゴム組成物の表面との接触面積が減少するため、十分な離型性を確保することができる一方、150℃以下に設定することによりゴムストリップにおける加硫の進行を抑制することができ、安定した品質のゴムストリップを製造することができる。
【0042】
なお、ここでいう「圧延手段の設定温度」の「温度」とは、圧延手段のうちゴム組成物の圧延に際してゴム組成物と直に接触する表面の温度であり、圧延手段に接続された制御手段によって制御される。
【0043】
本実施の形態において、ゴム押出手段による押出工程中にゴム組成物に発生する揮発成分は、特に限定されず、例えば、配合材料にエトキシシラン系のシランカップリング剤が含まれている場合には、揮発成分として、エタノール(沸点:78℃)や水が発生し、配合材料にメトキシシラン系のシランカップリング剤が含まれている場合には、揮発成分として、メタノール(沸点:65℃)が発生する。なお、水は、常圧水(沸点:95℃)として発生する場合や、加圧水(沸点:120℃)として発生する場合がある。そして、これらの揮発成分は、ゴム組成物における配合材料に応じて容易に特定することができる。
【0044】
なお、これらの揮発成分は、押出工程中でも揮発する恐れがあるため、本実施の形態の押出手段には密閉式のゴム押出機を用いて、押出工程中における揮発成分の揮発を抑制することが好ましい。そして、ゴム組成物の配合においては、揮発性材料が配合される場合もあるが、このような揮発性材料は、高温で長時間行われる混練機での混練工程で揮発するため、押出手段内部で発生する揮発成分が上記した本発明の効果を発揮する。
【0045】
そして、本実施の形態のゴムストリップの製造方法は、シランカップリング剤を含有するゴム組成物を用いたゴム組成物からなるゴムストリップの製造に特に好適な方法である。シランカップリング剤は、カーボンブラックやシリカ等の無機系の補強材(フィラー)の分散性を高めるため広く用いられている。特に、表面に親水性シラノール基を有するため、ゴム成分(ポリマー)やオイルとの親和性が低く、ゴム組成物中での分散性が劣るシリカを用いる場合には通常シランカップリング剤を添加して分散性を高め、ゴムの耐摩耗性や力学強度の低下を抑えている。
【0046】
シランカップリング剤には、通常ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のアルコキシシラン化合物が用いられる。これらのシランカップリング剤を用いた場合にはゴム押出工程でシランカップリング剤の加水分解によるカップリング反応が進行しゴム成分と無機フィラーとが化学的に結合すると共に、エタノールなどの揮発成分が発生する。また、シランカップリング剤は、加水分解の材料となる水分を含有している。このため、ゴム組成物の配合材料として別途揮発成分を添加する必要がない。また、従来の混練技術およびゴム押出技術をそのまま適用することが可能である。
【0047】
このようなエタノールの発生に際して、圧延手段の設定温度は、好ましくは80〜120℃の範囲内に設定される。80℃は、前記揮発成分エタノールの沸点より高い温度であるため、圧延手段の設定温度を80℃以上に設定することにより、圧延時にゴムストリップの表面の温度を確実にエタノールの沸点以上の温度に加熱することができる。一方、圧延手段の設定温度の上限を120℃と、ゴム組成物の加硫を進行させる温度である150℃よりも低い温度に設定することにより、加硫の進行を確実に防止することができる。なお、120℃に設定した場合には、エタノールに加えて、加圧水も揮発させることができる。
【0048】
(2)ゴム押出手段の温度設定
上記においては、圧延手段の温度設定について説明したが、ゴム押出手段の温度設定を圧延手段と同じ高い温度に設定した場合、ゴム組成物が可塑化され過ぎて腰の強さが不足し、圧延手段における離型性をいくら向上させても、ゴムストリップのカレンダーロールからの引き剥がし時や引き取り時に切れてしまう恐れがある。なお、ここでゴムストリップの腰の強さとは、未加硫のゴムストリップ(グリーンゴムストリップ)の引っ張り応力の最大値を指標とする値である。
【0049】
しかし、ゴム押出手段の温度設定を低くすると、ゴム押出工程においてメルトフラクチャー現象が発生して、そのまま圧延されるため、不良品のゴムストリップとなる恐れがある。なお、このメルトフラクチャー現象は、押出物全体が脈打つ形で流れが大きく乱れ、厚みや幅等の形状もいびつに押し出される現象であり、ゴム組成物の温度が低いほど発生しやすいことが知られている。
【0050】
このため、圧延手段の温度設定に加えて、ゴム押出手段の温度設定も適切に行うことが好ましく、具体的には、ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く、圧延手段の温度以下の温度であることが好ましい。なお、メルトフラクチャーが開始する温度は、ゴム組成物の組成、粘弾性等の物性値や吐出速度等により異なるため、ゴム押出温度の下限値はこれらの条件に応じて適宜設定される。
【0051】
このように、ゴム押出手段の温度と圧延手段の温度とを個別に設定し、ゴム押出手段の温度を、ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く、圧延手段の温度以下の温度に設定することにより、ゴム押出工程でのメルトフラクチャーによる不良品の発生を防ぎながら、ゴム組成物における腰の強さを確保すると共に、圧延手段の温度を揮発成分の沸点以上、150℃以下に設定することにより、優れた離型性を確保して、安定した品質のゴムストリップを製造することができる。
【0052】
そして、本発明者は、実験により、ゴム押出手段の温度を低く設定しても圧延時に表面を発泡させることは可能であり、圧延直後のゴムストリップの腰の強さは、圧延前のゴム組成物の腰の強さを引き継いでおり、圧延で殆ど低下していないことを確認している。このことから、ゴム押出手段の温度を圧延手段の設定温度とは別にゴムストリップを伸長などによる変形を起こさずに圧延手段から安定して引き剥がすことが可能な腰の強さが得られる温度に設定することが好ましいことが分った。
【0053】
即ち、従来のゴムストリップの製造方法の場合、圧延手段の温度とゴム押出手段の温度とを同じ温度に制御することが一般的であった。図3Aは従来のゴムストリップの製造方法における温度の設定方法を示す模式図である。図3Aで縦軸はタックおよびゴムストリップの腰の強さであり、横軸は温度である。また、図3Bは圧延後のゴムストリップGsの断面の様子を示す模式図である。
【0054】
図3Aに示すように、従来は、ゴム押出手段の温度および圧延手段の温度について、Tを上下に変化させて引き剥がしに好適な温度を試行錯誤で求めていた。しかし、このような方法では、広い温度範囲でゴムストリップの腰がタックよりも低いために、ゴムストリップの腰を確保すると同時に引き剥がしに好適な温度を求めるまでに多くの時間と労力が必要であった。そして、得られたゴムストリップは、図3Bに示すように、内部から表面部まで一様となっている。
【0055】
これに対して、本実施の形態においては、上記したように、圧延手段の温度とゴム押出手段の温度とは、分けて設定している。図2Aは本実施の形態のゴムストリップの製造方法における温度の設定方法を示す模式図であり、タックおよびゴムストリップ(ゴム)の腰の強さと温度との関係を示している。なお、図2A図3Aとは、同じデータである。そして、図2Bは圧延後のゴムストリップGsの断面の様子を示す模式図であり、ゴムストリップGsにおいて内部Iと表面部分Sとで様子が異なっていることを示している。
【0056】
図2Aに示すように、本実施の形態においては、ゴム押出手段の温度をTに設定する一方、圧延手段の温度Tに設定している。このため、ゴム押出工程においては十分な腰の強さを確保することができる一方、圧延工程においてはその腰の強さより低いタックで十分な離型性を確保して圧延することができる。そして、得られたゴムストリップは、図2Bに示すように、内部Iでは一様に腰の強いゴムとなっている一方、表面部分Sでは発泡痕が形成されている。
【0057】
また、本実施の形態では、ゴム押出手段の温度をメルトフラクチャーが開始する温度より高く設定しているため、メルトフラクチャーが発生しない。このため、メルトフラクチャーによる不良ゴムストリップの発生を防止することができる。
【0058】
なお、ここでいう「ゴム押出手段の設定温度」の「温度」とは、ゴム押出手段の吐出口から所定の温度のゴム組成物を押出すために設定される吐出口の温度であり、ゴム押出手段に接続された制御手段により所定の設定温度に設定される。
【0059】
具体的には、本実施の形態において、ゴム押出手段の設定温度は、好ましくは30〜70℃の範囲内に設定され、より好ましくは30〜50℃に設定される。
【0060】
ゴム押出手段の設定温度の上限を70℃、より好ましくは50℃とすることにより、十分に高いレベルの腰の強さを有するゴム組成物を押出すことができる。
【0061】
また、トレッド等のタイヤゴム材料に用いられるゴム組成物を通常の条件の下で押出す際のメルトフラクチャー開始温度は一般的に20℃程度であり、本実施の形態においては、ゴム押出手段の温度の下限をそれより高い30℃に設定しているため、通常の押出条件の下で、確実にメルトフラクチャーを発生させることなく押出すことができる。
【0062】
そして、このように、ゴム押出手段の温度を揮発成分の沸点を大幅に下回る温度に設定することによって、ゴムの腰を確保するだけでなく、圧延工程前における揮発成分の揮発を十分に抑制することができ好ましい。
【0063】
(3)ゴム組成物
本実施の形態のゴムストリップの製造方法は、多種多様な配合のゴム組成物に使用することができるが、その内でも、例えば、スタッドレスタイヤや冬用タイヤ、オールシーズン用タイヤなどの製造に使用される高オイル配合で温度の影響を受けやすいゴム組成物に用いられることが好ましい。なお、高オイル配合のゴム組成物とは、ゴム成分100質量部に対してオイルが20質量部以上配合されているゴム組成物を指し、オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、その混合物等が挙げられる。
【0064】
ゴム組成物には、通常、オイルと共に、主成分であるゴム成分、および、カーボンブラック、シリカなどの補強材、添加剤などの各種配合材料が含まれる。
【0065】
3.ゴムストリップの製造装置
上記したゴムストリップの製造には、以下に説明するゴムストリップの製造装置が用いられる。即ち、本実施の形態に係るゴムストリップの製造装置は、ゴム押出機と、上下一対のカレンダーロールとを有しており、カレンダーロールの表面温度をゴム組成物から発生する揮発成分の沸点以上、150℃以下に制御するロール温度制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0066】
さらに、本実施の形態においては、ゴム組成物の吐出温度を、ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く、カレンダーロールの表面温度以下の温度に制御する吐出温度制御手段が設けられていることが好ましい。
【0067】
以下、本実施の形態における特徴部分であるロール温度制御手段および吐出温度制御手段について説明する。
【0068】
(1)ロール温度制御手段
ロール温度制御手段は、カレンダーロールの表面温度を、ゴム押出手段内部でゴム組成物から発生する揮発成分の沸点以上150℃以下に制御するものであり、例えば、図5に一例を示すような公知の温度制御機構を用いることができる。
【0069】
図5は圧延手段の温度制御機構の構成を示すブロック図である。図5に示すように、この温度制御機構においては、圧延手段(カレンダーロール)4を加熱する加熱工程と、圧延手段4の外周面の温度を測定する検出工程と、ゴム組成物Gの種類、温度、形状及び圧延速度のうち、少なくとも1つの情報に応じて予め設定される設定温度Tsと、前記検出工程で検出される検出温度Tkとを比較し、検出温度Tkが低いときに、圧延手段4を加熱して圧延手段4の温度を設定温度Tsに保持する温度制御工程とを含み、圧延手段4がフィードバック制御されるように構成されている。
【0070】
(2)吐出温度制御手段
吐出温度制御手段は、ゴム組成物の吐出温度を、ゴム組成物のメルトフラクチャーが開始する温度より高く前記カレンダーロールの表面温度以下の温度に制御するものであり、例えば、図6に一例を示すような公知の温度制御機構を用いることができる。
【0071】
図6はゴム押出温度の制御機構を示す模式図である。図6に示すように、この温度制御機構においては、温度センサー14におけるゴム押出温度の測定結果から制御手段16によりモーター13を制御して、ゴム押出機3のスクリュー軸11の回転数を制御することにより、ゴム押出温度がフィードバック制御されるように構成されている。
【実施例】
【0072】
次に実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0073】
[1]実験1
実験1では、圧延手段の設定温度を変化させてゴムストリップの離型性およびゴムストリップの表面の発泡の発生の有無を調べた。なお実験1においては、シランカップリング剤が配合されているため、押出手段内部で発生する揮発成分はエタノール(沸点78℃)またはメタノール(沸点65℃)および水(常圧水)である。
【0074】
1.ゴム組成物の製造
最初に、下記配合材料を使用して、表1に示す配合に従って、A、B、2種類のスタッドレスタイヤのトレッド用ゴム組成物を混練した。なお、配合量は質量部である。
【0075】
天然ゴム(NR):RSS#3
ブタジエンゴム(BR):日本ゼオン(株)製のBR1220
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤(1):エボニックデグサ社製のSi75
(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤(2):信越化学社製のLS−535
(メルカプトメチルトリメトキシシラン)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140(アロマオイル)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
【0076】
【表1】
【0077】
2.ゴムストリップの製造と評価
次に、得られたゴム組成物Gを、ゴム押出手段の温度を30℃、押出速度を6.0m/minに設定してゴム組成物Gを押出した。
【0078】
次に、押出されたゴム組成物を、圧延速度(線速6.6m/min)の下、圧延手段の設定温度を50℃、70℃、80℃、105℃、120℃、150℃、160℃と変化させて圧延し、厚さ1.5mm、幅20mmのゴムストリップを製造した(各100m)。
【0079】
この際、ゴムストリップのカレンダーロールへの離型性を評価した。具体的には、各ゴムストリップのタックを下記のタック試験法で測定した。また、得られたゴムストリップの表面を顕微鏡で観察し、表面の発泡の跡の有無を評価した。
【0080】
(タック試験)
タック(N)は、粘着性試験機として、東洋精機製作所製「PICMAタックテスター」を用いて測定した。具体的には、各ゴムストリップを準備し、この試験片を、JIS T9233に準拠して、温度23℃、圧着荷重4.9(N)、圧着時間10秒の条件で、アルミニウム製の接着部円盤に圧着した。その後、速度10(mm/min)の条件で、接着部円盤から引きはがし、この引きはがすときの力の最大値を求め、タックの値とした(5回の測定の平均値)。
【0081】
3.評価結果
それぞれの温度で圧延し製造したゴムストリップのカレンダーロールに対する離型性とタック試験の結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
表2に示すように、配合A、Bのいずれにおいても、圧延手段4の設定温度が50℃では過密着が発生した。一方、80℃、105℃、120℃、150℃、160℃ではいずれも過密着が発生せず、ゴムストリップを伸長させることなく圧延手段から引き剥がすことができた。また、タックは50℃において配合Aでは12.0N、配合Bでは11.4Nと高いが、配合Aでは揮発成分のエタノールの沸点以上の80℃以上で、配合Bでは揮発成分のメタノールの沸点以上の70℃以上で圧延したものでは、いずれも、50℃の測定値に比べて低下しており、このタックの低下が良好な離型性を招いていることが確認できた。その一方、160℃で圧延したものでは、いずれも、離型性は良好であったものの、タック値が急激に低下し、表面において加硫の進行が確認されたため、ゴムストリップの製造に際して、150℃を超えて圧延することは適当でないことが分かった。
【0084】
配合Aにおける圧延手段4の設定温度50℃の観察結果を図7、設定温度80℃の観察結果を図8、設定温度105℃の観察結果を図9、設定温度120℃の観察結果を図1Aに示す。これらの図から圧延手段の設定温度がエタノールの沸点より低い50℃では発泡の跡が認められなかったのに対し、沸点以上の80℃、105℃、120℃ではいずれも発泡の跡が存在していることが分かった。
【0085】
以上の結果より、圧延手段の温度をゴム組成物に発生する揮発成分であるエタノールまたはメタノールの沸点以上に設定した場合、ゴム組成物表面に発泡が生じ、離型性が向上していることが確認できた。
【0086】
[2]実験2
実験2では、ゴム押出手段の設定温度を変化させてゴム組成物を製造し、それぞれのゴム組成物を同温度で圧延してゴムストリップを製造し、押出手段の温度によるゴムの腰の強さを試験した。
【0087】
1.ゴムストリップの製造
実験1の配合Aと同一の配合でスタッドレスタイヤのトレッド用ゴム組成物を配合し、ゴム押出手段の設定温度を20℃、30℃、50℃、70℃、90℃の5水準で変化させ、押出速度6.0m/minの押出条件下でゴム組成物を押出した。得られたゴム組成物を圧延手段の設定温度80℃、圧延速度(線速6.6m/min)の下で圧延し、厚さ1.5mm、幅20mmのゴムストリップを製造した。
【0088】
2.評価
製造されたゴムストリップの腰(グリーンTB)を引張特性試験により測定し評価した。
【0089】
具体的には、製造したゴムストリップ(未加硫)の引張特性(引張強度)を、ASTM6746−10の規定に準拠して測定した(測定温度:21℃)。即ち、長さ10cm、幅10mmおよび厚さ2.5mmの形状に試験片を作成し、ゴム吐出時の設定温度で5分間加熱した後、21℃で引張試験を行った(引張速度:100mm/min)。
【0090】
3.評価結果
評価結果を表3に示す。なお、試験結果は3回の測定の平均であり、引張応力の最大値をゴムの腰として示している。
【0091】
【表3】
【0092】
表3に示すように、ゴムの腰はゴム押出手段の設定温度が30〜70℃の場合に0.3〜0.8と好適なゴムの腰を示した。90℃の場合は、ゴムの腰が0.1と非常に低かった。この結果から、ゴム押出手段の設定温度は30〜70℃が好ましく、30〜50℃がより好ましく、40℃が特に好ましいことが分かった。なお、20℃の場合はゴム表面にメルトフラクチャーが発生したため、ストリップのくびれ部分から急激に破断してしまい、ゴムの腰も極端に小さく見積もられた。
【0093】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 ゴムストリップ製造装置
2 吐出口
3 ゴム押出手段(ゴム押出機)
4、4F、4P 圧延手段(カレンダーロール)
5 引き取りロール
10 シリンダ
10A ゴム投入口
11 スクリュー軸
12 押出ヘッド
13 モーター
14 温度センサー
16 制御手段
G ゴム組成物
Gs ゴムストリップ
I ゴムストリップの内部
S ゴムストリップの表面部分
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9