特許第6906783号(P6906783)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6906783-詰め替え用袋 図000002
  • 特許6906783-詰め替え用袋 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906783
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】詰め替え用袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20210708BHJP
   B65D 33/36 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   B65D75/62 A
   B65D33/36
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-21774(P2017-21774)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-127251(P2018-127251A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】517043468
【氏名又は名称】野々垣 信浩
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】野々垣 信浩
【審査官】 杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−159391(JP,A)
【文献】 国際公開第98/010993(WO,A1)
【文献】 特開2005−96824(JP,A)
【文献】 特開2013−166574(JP,A)
【文献】 特開2004−059139(JP,A)
【文献】 特開2005−280809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00−33/38
B65D 75/30−75/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切除により注ぎ口が形成される注出口形成部を備えた可撓性シート製詰め替え用袋であって、当該注出口形成部の下側辺縁部の圧着領域に、基部の上方への折曲により当該注ぎ口に差し込まれるための略L字状の突出片を形成する切れ目が形成されていることを特徴とする詰め替え用袋。
【請求項2】
前記下側辺縁部に、略くちばし状の突出端を突出片に形成する切欠部が設けられていることを特徴とする請求項記載の詰め替え用袋。
【請求項3】
前記突出片の基部に、折曲部を示す折り線が表示されていることを特徴とする請求項1又は2記載の詰め替え用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー液、リンス液、洗剤、食用油等の液状体や粘性体などの流動性を有する内容物を収容する詰め替え用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、詰め替え用袋としては、可撓性シートの圧着(ヒートシール)により製袋された袋体の一端部に、手指や鋏で切除して注ぎ口を形成する注出口形成部を設けたものが汎用されている。
しかしながら、斯かる従来の詰め替え用袋は、注ぎ口を形成して内容物を他の容器に移し替える際に、注ぎ口の可撓性シート部同士が密着して当該注ぎ口が閉止されてしまい易い結果、スムースに移し替えができない、と云う問題があった。
【0003】
そこで、注ぎ口の密着を防止すべく、袋の内面側に複数の点状突起を設けたものも既に報告されている(例えば、特許文献1参照)が、斯かる別部材を設ける方式は、当該別部材を形設するための原材料と工程が必要となるため、製造効率及び製造コストの点で問題となっていたのが実状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−291992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたものであり、効率良く、かつ低コストで、注ぎ口の密着を防止して内容物をスムースに移し替えることができる詰め替え用袋を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、袋地に切れ目を入れて、注ぎ口に折曲差し込み可能な突出片を形成すれば、別部材を設けることなく、袋地自体で形成された突出片を注ぎ口のスペーサーとして使用し得るので、密着が阻止され、内容物をスムースに移し替えることができることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、切除により注ぎ口が形成される注出口形成部を備えた可撓性シート製詰め替え用袋であって、当該注出口形成部近傍の圧着領域に、折曲により当該注ぎ口に差し込み可能な突出片を形成する切れ目が形成されていることを特徴とする詰め替え用袋により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の詰め替え用袋によれば、切れ目によって形成された突出片を根元部で折曲して、その先部を注ぎ口に差し込めば、当該突出片がスペーサーとして機能して注ぎ口の密着を阻止し、内容物の流出スペースが確保されるので、内容物を他の容器にスムースに移し替えることができる。
しかも、袋地自体に切れ目を入れるだけなので、別部材を形設するための原材料や工程が不要なため、効率良く、かつ低コストで詰め替え用袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明詰め替え用袋の平面図。
図2】本発明詰め替え用袋の使用方法を示す平面要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0011】
図1において、10は詰め替え用袋で、重ね合せた2枚の略長方形状の可撓性シートの周囲をヒートシール等により圧着して製袋されている。この詰め替え用袋10の上部の一方の角部には、切除により注ぎ口が形成される注出口形成部11が設けられ、その基部には切除ラインを示す切れ目線12が表示されている。
【0012】
注出口形成部11近傍の圧着領域Sには、折曲により注ぎ口に差し込み可能な突出片13を形成する切れ目14が形成されている。切れ目14を形成する注出口形成部11近傍の圧着領域Sとしては、詰め替え用袋10の上部辺縁部であっても良いが、圧着エリアが広範囲となり、注ぎ口の大きさが制約されるので、注出口形成部11の下側辺縁部とするのが望ましい。
【0013】
突出片13の具体的な大きさや形状は、注ぎ口に差し込み可能なものであれば、特に限定されないが、特に、当該下側辺縁部に、略くちばし状の突出端13aを突出片13に形成する切欠部15を設け、当該突出片13が全体として略L字状を呈するように形成するのが、注ぎ口への差し込み操作性と差し込み状態の保持性に優れ望ましい。
また、当該突出片13の基部には、折曲部を示す折り線16が表示されている。
【0014】
次に、図2と共に上記の実施の形態に係る詰め替え用袋の使用方法を説明する。
まず、従来と同様、注出口形成部11を切れ目線12に沿って手指(あるいは鋏等)で切除して当該切れ目線12部に注ぎ口Pを形成する(図2(1))。次いで、切れ目14及び切欠部15で形成された略L字状の突出片13をその基部の折り線16に沿って上方に折曲すれば、略くちばし状の突出端13aの反対側において、他方の突出端13bが注ぎ口P方向に突出した状態となる(図2(2))。そこで、当該突出端13bから突出片13を注ぎ口Pに差し込めば(図2(3)の矢印方向)、差し込まれた突出片13部分により注ぎ口P内部において内容物の流出スペースが確保されると共に、その状態が安定的に保持されるので、内容物を他の容器にスムースに移し替えることができる。
【符号の説明】
【0015】
10:詰め替え用袋
11:注出口形成部
12:切れ目線
13:突出片
13a:略くちばし状突出端
13b:他方の突出端
14:切れ目
15:切欠部
16:折り線
図1
図2