(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6906823
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】マスク検査方法及びマスク検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20210708BHJP
G03F 1/84 20120101ALI20210708BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G03F1/84
H01L21/66 J
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-202434(P2020-202434)
(22)【出願日】2020年12月7日
【審査請求日】2021年5月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115902
【氏名又は名称】レーザーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100166501
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 圭太
(72)【発明者】
【氏名】楠瀬 治彦
(72)【発明者】
【氏名】幸山 常仁
【審査官】
大河原 綾乃
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第7126699(US,B1)
【文献】
特開2006−84189(JP,A)
【文献】
特開2010−256340(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2019/0250108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/88−21/958
G01B 11/00−11/30
G03F 1/84
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光時の縮小率が縦方向と横方向とで異なっているマスクを検査するためのマスク検査方法であって、
矩形画素を有し、前記矩形画素の前記縦方向の寸法と前記横方向の寸法の比が、前記縦方向における縮小率と前記横方向における縮小率の逆比に等しい光検出器を用いて前記マスクを撮像するステップ、
を含むマスク検査方法。
【請求項2】
前記光検出器は、TDIセンサである、
請求項1に記載のマスク検査方法。
【請求項3】
前記矩形画素の前記縦方向の寸法と前記横方向の寸法の比は、m:n(m、nは1以上の整数、m≠n)である、
請求項1又は2のいずれかに記載のマスク検査方法。
【請求項4】
前記マスクは、前記縦方向のパターン幅と前記横方向のパターン幅の比が、前記縦方向における縮小率と前記横方向における縮小率の逆比に等しいパターンを有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のマスク検査方法。
【請求項5】
EUV光を用いて前記マスクを撮像する、請求項1から4のいずれか1項に記載のマスク検査方法。
【請求項6】
露光時の縮小率が縦方向と横方向とで異なっているマスクを検査するためのマスク検査装置であって、
矩形画素を有し、前記矩形画素の前記縦方向の寸法と前記横方向の寸法の比が、前記縦方向における縮小率と前記横方向における縮小率の逆比に等しい光検出器、
を備えるマスク検査装置。
【請求項7】
前記光検出器は、TDIセンサである、
請求項6に記載のマスク検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク検査方法及びマスク検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TDI(Time Delay Integration)カメラを用いた撮像方式は、高解像度かつ高コントラストの画像が得られるため、半導体検査において有用である。特許文献1及び2は、TDIカメラを用いて半導体を検査する技術を開示している。
【0003】
特許文献1は、ステージのスキャン速度、及びTDIセンサのラインレートに応じた形状の画素を有するTDIセンサを用いて、被検査物を検査する技術を開示している。また、特許文献2は、デジタルTDIセンサにおいてTDI段数を増加するための技術を開示している。
【0004】
ところで、EUV(Extreme Ultraviolet)露光において、マスクパターンをウエハー上に縮小投影する際の縮小率(<1)を、マスクのスキャン方向と、スキャン方向に直交する方向とで異ならせることが提案されている。このようなマスクは、アナモルフィックマスクとも呼ばれており、縦方向のパターン幅と横方向のパターン幅とが非対称となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−256340号公報
【特許文献2】特開2014−93616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マスクを検査する際、より小さな欠陥を検出するためには、撮像の解像度を上げる必要がある。しかしながら、TDIセンサの画素のサイズを小さくすると、1ピクセル当たりの受光面積が減少して受光量も減少する。したがって、検査時間(露光時間)が同一の場合には、信号対雑音比(S/N)が悪化し、コントラストを維持することは困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、アナモルフィックマスクの検査において、コントラストを維持しつつ、必要な方向において解像度を向上することが可能なマスク検査方法及びマスク検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマスク検査方法は、露光時の縮小率が縦方向と横方向とで異なっているマスクを検査するためのマスク検査方法であって、矩形画素を有し、前記矩形画素の前記縦方向の寸法と前記横方向の寸法の比が、前記縦方向における縮小率と前記横方向における縮小率の逆比に等しい光検出器を用いて前記マスクを撮像するステップ、を含む。
【0009】
また、本発明に係るマスク検査装置は、露光時の縮小率が縦方向と横方向とで異なっているマスクを検査するためのマスク検査装置であって、矩形画素を有し、前記矩形画素の前記縦方向の寸法と前記横方向の寸法の比が、前記縦方向における縮小率と前記横方向における縮小率の逆比に等しい光検出器、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アナモルフィックマスクの検査において、コントラストを維持しつつ、必要な方向において解像度を向上することが可能なマスク検査方法及びマスク検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態にかかるマスク検査装置の全体構成を示す模式図である。
【
図2】検査対象であるマスクのパターンを例示する模式図である。
【
図4】処理装置の構成を示す制御ブロック図である。
【
図5】実施形態にかかるマスク検査方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態の具体的構成について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0013】
本実施の形態にかかるマスク検査装置は、マスクを撮像した画像に基づいて検査を行う。検査装置は、微細なパターンが形成されたフォトマスクを検査する。検査装置は、マスクに付着した異物など欠陥検査を行う。
【0014】
本実施の形態にかかる検査装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、検査装置100の全体構成を模式的に示す図である。検査装置100は、ステージ10と、撮像光学系20と、処理装置50と、を備えている。処理装置50は、プロセッサ、及びメモリなどを備えたコンピュータである。
【0015】
図1では、説明の明確化のため、XYZの3次元直交座標系を示している。尚、Z方向が鉛直方向であり、マスク40の厚さ方向と平行な方向である。したがって、Z方向が高さ方向となる。マスク40の上面には、遮光膜などのパターン41が形成されている。Z方向は、マスク40のパターン形成面(主面)の法線方向である。X方向、及びY方向が水平方向であり、マスク40のパターン方向と平行な方向である。Z方向は、マスク40の厚さ方向である。マスク40がフォトマスクであるため矩形状のガラス基板となっている。そして、X方向、及びY方向はマスク40の端辺と平行な方向となっている。X方向、及びY方向は、それぞれ横方向、縦方向とも呼ぶ。
【0016】
ステージ10には、撮像対象のマスク40が載置されている。上記のように、マスク40はフォトマスクであり、ステージ10上に保持されている。ステージ10上において、マスク40はXY平面に並行に保持されている。ステージ10は、駆動機構11を有する3次元駆動ステージである。処理装置50が駆動機構11を制御することで、ステージ10がXYZ方向に駆動される。
【0017】
マスク40は、アナモルフィックマスクと呼ばれるマスクである。マスク40は、露光時の縮小率(<1)が横方向(X方向)と縦方向(Y方向)とで異なっている。例えば、横方向(X方向)の縮小率Mx(<1)が(1/4)、縦方向(Y方向)の縮小率My(<1)が(1/8)であってもよい。
【0018】
図2を用いて、マスク40上のパターン41について説明する。
図2は、パターン41を例示する模式図である。パターン41は、パターン41x1、41x2、及び41x3を含んでいる。パターン41x1、41x2、及び41x3は、それぞれ幅Lxを有している。幅Lxは、X方向のパターン幅とも呼ぶ。また、パターン41は、パターン41y1、41y2、41y3を含んでいる。パターン41y1、41y2、及び41y3は、それぞれ幅Lyを有している。幅Lyは、Y方向のパターン幅とも呼ぶ。縮小率Mx(<1)が(1/4)であり縮小率My(<1)が(1/8)である場合、幅Lxと幅Lyの比は、1対2となる。つまり、幅Lxと幅Lyの比は、縮小率の逆数(例:4と8)の比(逆比)となっている。これにより、縮小率Mxを(1/4)とし、縮小率Myを(1/8)として露光を行ったときに、X方向とY方向で同じ幅を有するパターンがウエハーに転写される。例えば、Lxが64nm、Lyが128nmである場合、X方向とY方向の両方において16nmの幅を有するパターンがウエハー上に転写されることになる。
【0019】
このように、アナモルフィックマスクにおいて縮小率(<1)が大きい方向(
図2のX方向、縮小率の逆数が小さい方向)は、縮小率(<1)が小さい方向(
図2のY方向、縮小率の逆数が大きい方向)よりもパターン幅が細く、より高解像度な検査が必要となる。また、縮小率(<1)が小さい方向は、欠陥についても、より縮小して転写されるため、高精度の検査を必要としない可能性がある。
【0020】
尚、
図2に示したパターン41は単なる例示的なものに過ぎない。縮小率Mx及びMyのそれぞれは、(1/4)、(1/8)には限られないため、幅Lx及びLyの比は、1対2に限られない。また、X方向のパターンとY方向のパターンは、交差してもよい。また、パターン41は、線状のパターンに限られず、矩形のパターンであってもよい。このような場合、矩形のX方向の長さを幅Lxとし、矩形のY方向の長さを幅Lyとしてもよい。パターン41は、斜め方向に伸びるラインや、曲線を含んでいてもよい。
【0021】
図1に戻って、撮像光学系20は、光源21と、凹面鏡22と、凹面鏡23と、落とし込みミラー24と、シュバルツシルト光学系27とを備えている。撮像光学系20は、マスク40を撮像するための暗視野光学系となっている。尚、撮像光学系20において、照射光L11は、マスク40に対して斜め下方に入射してもよい。このような場合、検出光L12は斜め上方に進む。
【0022】
尚、
図1に示す撮像光学系20は、適宜簡略されている。撮像光学系20は、上記の構成以外の光学素子、レンズ、光スキャナ、ミラー、フィルタ、ビームスプリッタなどが設けられていてもよい。また、
図1は、EUV光による高精度な検査を行うための反射光学系を示しているが、検査装置100は、EUV光以外の光を用いて検査を行ってもよい。このような場合、撮像光学系20は、透過光学系であってよい。
【0023】
光源21は、照射光L11を発生する。照射光L11は、例えば、露光波長と同じ13.5nmのEUV光である。照射光L11は、EUV光に限らず、UV光、可視光等を含んでもよい。光源21は、ランプ光源、LED(Light Emitting Diode)光源、レーザ光源であってもよい。光源21で発生した照射光L11は、拡がりながら進む。光源21から発生した照射光L11は、凹面鏡22で反射する。凹面鏡22は、例えば、楕円面鏡である。凹面鏡22は、Mo膜とSi膜が交互に積層された多層膜ミラーとなっており、EUV光を反射する。凹面鏡22で反射した照射光L11は、絞られながら進む。照射光L11は、焦点を結んだ後、拡がりながら進む。そして、照射光L11は、凹面鏡23で反射する。
【0024】
凹面鏡23は、例えば、楕円面鏡である。凹面鏡23は、Mo膜とSi膜が交互に積層された多層膜ミラーとなっており、EUV光を反射する。凹面鏡23で反射された照射光L11は、絞られながら進んで、落とし込みミラー24に入射する。落とし込みミラー24で反射した照射光L11がマスク40に入射する。落とし込みミラー24は、マスク40に照射光L11を集光する。このように、マスク40の検査領域がEUV光である照射光L11で照明される。したがって、照射光L11がマスク40を照明する照明光となる。
【0025】
マスク40で反射した検出光L12は、穴開き凹面鏡25に入射する。穴開き凹面鏡25の中心には、穴25aが設けられている。穴開き凹面鏡25で反射された検出光L12は、凸面鏡26に入射する。凸面鏡26は、穴開き凹面鏡25からの検出光L12を穴開き凹面鏡25の穴25aに向けて反射する。穴開き凹面鏡25の穴25aを通過した検出光L12は、光検出器28に入射する。シュバルツシルト光学系27によって、マスク40の検査領域が光検出器28に拡大投影される。
【0026】
光検出器28は、マスク40を撮像するための撮像素子を有している。光検出器28は、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。光検出器28は、照射光L11で照明された検出領域からの検出光L12を検出する。
【0027】
光検出器28は、X方向に配列された複数の矩形画素を有している。尚、矩形画素の形状については後述する。ここで、光検出器28として、TDIセンサを用いている。X方向はTDIセンサのライン方向であり、Y方向はTDIセンサの転送方向である。光検出器28は、各矩形画素が受光した光によって発生した電荷を、Y方向に転送することにより、マスク40を撮像する。もちろん、光検出器28は、TDIセンサに限られるものではない。光検出器28は、複数の矩形画素が1列に配列されたラインセンサであってもよい。パターン41の有無に応じて、光検出器28の受光量が変化する。光検出器28は、矩形画素毎に、受光量に応じた検出信号を処理装置50に出力する。
【0028】
次に、光検出器28が備える矩形画素の形状について説明する。各矩形画素のX方向の寸法lx(lはアルファベットのエルを表している)とY方向の寸法lyの比は、マスク40の縮小率Mxと縮小率My(<1)の逆比となっている。例えば、縮小率Mx(<1)が(1/4)であり、縮小率My(<1)が(1/8)である場合、寸法lxと寸法lyの比は、1:2となる。尚、矩形画素のX方向の寸法とY方向の寸法の比は、1:2には限られない。縮小率Mx(<1)が(1/m)、縮小率My(<1)が(1/n)の場合(m、nは1以上の整数、m≠n)、寸法lxと寸法lyの比は、m:nとなる。
【0029】
次に、
図3を用いて、光検出器28が備える矩形画素281について具体的に説明する。
図3の左図は、従来のマスク検査装置で用いられている画素の模式図である。このような画素において、X方向の長さは単位長さlの1倍であり、Y方向の長さは単位長さlの1倍である。単位長さlは、例えば、12μmである。一方、光検出器28が備える矩形画素281のX方向の長さlxは単位長さlの(√2/2)倍であり、Y方向の長さlyは単位長さlの(√2)倍である。したがって、矩形画素281の受光面積は、従来技術における画素の受光面積と等しい。よって、受光面積を保つことによってS/Nの悪化を防ぎつつ、高解像度の測定が必要となる方向の解像度を増加させることが可能となる。
【0030】
尚、矩形画素281の寸法lxと寸法lyの比は、
図2に示した幅Lxと幅Lyの比に等しい。つまり、矩形画素281の寸法lxと寸法lyの比を縮小率Mx(<1)とMy(<1)の逆比にすることは、寸法lxと寸法lyの比を幅Lxと幅Lyの比にすることであるともいえる。したがって、矩形画素281は、パターン幅が細かい方向(高解像度が必要な方向)において寸法が小さくなっているといえる。
【0031】
図1に戻って、ステージ10は駆動ステージであり、マスク40をXY方向に移動させることができる。処理装置50の駆動制御部52(
図4参照)が、駆動機構11を制御している。駆動機構11がマスク40における検出領域を相対的に移動させる。駆動制御部52が、ステージ10をXY方向に移動させることで、マスク40において、照射光L11による照明位置を変化させることができる。
【0032】
このため、マスク40の任意の位置を撮像することができ、マスク40のほぼ全面を検査することができる。もちろん、駆動制御部52が、ステージ10ではなく、撮像光学系20を駆動してもよい。すなわち、ステージ10に対する撮像光学系20の相対位置が移動可能になっていればよい。あるいは、光スキャナなどを用いて、照射光L11を走査してもよい。
【0033】
具体的には、ステージ10はマスク40をY方向に移動させることができる。照射光L11は、例えば、マスク40においてX方向に沿ったライン状の領域を照明している。また、光検出器28における矩形画素の配列方向がX方向となっている。つまり、矩形画素の配列方向と、ステージ10の駆動方向が互いに直交している。
【0034】
図4は、処理装置50の構成を示すブロック図である。処理装置50は、検査部51と、駆動制御部52とを備えている。検査部51は、光検出器28が撮像した撮像画像を取得し、撮像画像を用いてマスク40を検査する。撮像画像は検査領域のパターン情報を含んでおり、検査部51は、撮像画像に基づきパターンを解析し、欠陥を検出する。検査部51における処理は、従来と同様に種々の処理を用いることができる。検査部51は、例えば、撮像画像の輝度を閾値と比較することで欠陥を検査してもよい。また、検査部51は、参照試料とマスク40との比較検査により、マスクを検査してもよい。
【0035】
例えば、検査部51は、参照画像と撮像画像との輝度の差分値を求め、差分値を閾値と比較する。検査部51は、差分値と閾値との比較結果によって、パターン異常、異物などの欠陥を検出する。すなわち、異物などが付着した欠陥箇所では、差分値が閾値よりも大きくなる。検査部51は、欠陥箇所と、その位置座標を対応付けて出力する。尚、欠陥箇所の位置座標は、駆動制御部52の駆動位置などによって特定される。検査部51は、ステージ10の駆動位置と光検出器28における画素位置に基づいて、検査領域におけるXY座標を求める。駆動制御部52は、上記の通り、ステージ10を制御する。
【0036】
図5は、実施形態にかかるマスク検査方法の流れを例示するフローチャートである。マスク40の参照画像が、撮影済みであるものとする。まず、矩形画素を有する光検出器28を用いて、マスク40の撮像画像を撮影する(ステップS11)。次に、ステップS101で撮像した撮像画像と、参照画像とを比較し、比較結果に応じてマスク40上の異物等の欠陥を検出する(ステップS12)。検査により欠陥が検出された場合、フォトマスクに洗浄又は修正が施されてもよい。
【0037】
実施形態にかかる発明の効果について説明する。将来の高NA世代と言われているEUVマスクは、縦方向の縮小率(<1)と横方向の縮小率(<1)が異なっている。ここで、実施形態に係る検査装置が有する矩形画素は、各方向における寸法の比が、各方向における縮小率(<1)の逆比となっている。したがって、縮小率(<1)が大きく高解像度の検査が必要な方向において画素の寸法が小さく、縮小率(<1)が小さく高解像度の検査が不要な方向において画素の寸法が大きい。したがって、実施形態にかかる検査装置により、受光面積の減少によるコントラストの低下や、検査時間の増加を防ぎつつ、必要な方向において高解像度の検査を行うことが可能となる。
【0038】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態による限定は受けない。
【符号の説明】
【0039】
100 検査装置
10 ステージ
11 駆動機構
20 撮像光学系
21 光源
22、23 凹面鏡
24 落とし込みミラー
25 穴開き凹面鏡
25a 穴
26 凸面鏡
27 シュバルツシルト光学系
28 光検出器
281 矩形画素
40 マスク
41、41x1〜41x3、41y1〜41y3 パターン
50 処理装置
51 検査部
52 駆動制御部
照射光 L11
検出光 L12
Lx、Ly 幅
lx、ly 寸法
【要約】
【課題】アナモルフィックマスクの検査において、コントラストを維持しつつ、必要な方向において解像度を向上する。
【解決手段】本発明に係るマスク検査方法は露光時の縮小率が縦方向と横方向とで異なっているマスクを検査するためのマスク検査方法であって、矩形画素281を有し、矩形画素281の縦方向の寸法と横方向の寸法の比が、縦方向における縮小率と横方向における縮小率の逆比に等しい光検出器28を用いてマスク40を撮像するステップ、を含む。
【選択図】
図1