(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば建設廃棄物や都市ごみのように、コンクリートや金属や木やプラスチック等の多様な材質が混在した廃棄物は、そのままの状態では再利用が困難であり、多くは埋め立てや海洋投棄等の最終処分が行われていた。しかしながら、廃棄物を材質毎に選別して収集すれば、再生資源として利用できるものが多く、これらは有価物として流通する。そこで最近、廃棄物の選別を行うための各種装置の開発が進みつつある。
【0003】
従来、廃棄物を材質毎に選別する装置としては、被選別物を撮影して画像認識により材質を判別する廃棄物選別装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の廃棄物選別装置は、被選別物を搬送するコンベヤと、このコンベヤに選別対象の被選別物を投入する投入装置と、コンベヤ上の被選別物を撮影するカメラと、コンベヤ上の被選別物を回収するロボットアームと、これらの装置を制御する制御装置とを備える。
【0004】
上記従来の廃棄物選別装置は、カメラが被選別物を撮影すると、制御装置が撮影画像の画像処理を行って、上記被選別物の材質を認識すると共に、上記被選別物のコンベア上における位置を特定する。続いて制御装置は、コンベアの駆動情報に基づいて、上記被選別物がロボットアームに接近したことを検知すると、ロボットアームを制御してコンベア上の上記被選別物を回収し、この被選別物の材質に応じた収集箱に投入するように制御を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の廃棄物選別装置は、被選別物がカメラで撮影された後に、搬送に伴う振動や速度の変化等に起因してコンベヤ上で移動すると、撮影画像に基づいて認識された位置からずれるため、ロボットアームによる回収が失敗する不都合がある。このような被選別物の回収の失敗は、被選別物が、ビンや缶等の転がり易いものである場合に、頻繁に発生する。ロボットアームによる被選別物の回収が失敗すると、廃棄物選別装置の選別効率が低下する問題がある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、被選別物の回収の失敗を防止できて、従来よりも効率的に被選別物を選別できる廃棄物選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の廃棄物選別装置は、被選別物を搬送するコンベヤと、
上記コンベヤの搬送面上に、異なる材質の混在した被選別物を投入する投入部と、
上記コンベヤで搬送される被選別物の材質を判別する判別部と、
上記コンベヤで搬送される被選別物の位置を特定する位置特定部と、
上記コンベヤ上の被選別物を回収する回収部と、
上記判別部で材質が判別された被選別物を、上記位置特定部で特定された位置に基づいて、上記コンベヤから回収して材質に応じて選別するように上記回収部を制御する制御部とを備える廃棄物選別装置において、
上記コンベヤの搬送面が、上記被選別物が載置される載置領域と、この載置領域を取り囲むように形成された凸状枠体とを有することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、コンベヤの搬送面上に、異なる材質の混在した被選別物が投入部によって投入される。コンベヤの搬送面上に投入された被選別物は、判別部によって材質が判別され、位置特定部によって位置が特定される。判別部は、例えば被選別物の赤外線画像や可視光線画像等に基づく画像処理により、材質を判別することができる。また、判別部は、例えばX線や、被選別物に予め付与された識別子やタグ等によって被選別物の材質を判別してもよい。また、位置特定部は、例えば被選別物の可視光線画像で位置を特定するものや、被選別物に電磁波を出射して位置を特定するもの等を用いることができ、他の方法によるものであってもよい。上記判別部で材質が判別された被選別物が、制御部によって制御された回収部により、上記位置特定部で特定された位置に基づいて、コンベヤから回収されて材質に応じて選別される。被選別物の選別は、コンベヤから回収された被選別物が、例えば、材質に応じて予め準備された収集箱等に投入されること等によって実行される。上記回収部は、被選別物を取り上げるものや、被選別物を吸引するものや、被選別物を吸着するもの等、種々の機構で被選別物を回収するものが該当する。この廃棄物選別装置は、コンベヤの搬送面が、被選別物が載置される載置領域と、この載置領域を取り囲むように形成された凸状枠体とを有するので、被選別物が投入部で投入されて所定の載置領域に位置すると、この被選別物は凸状枠体で上記所定の載置領域内に安定して保持される。したがって、被選別物は、投入部によって投入されてから、回収部によって回収されるまでコンベヤで搬送される間に、振動や速度の変化等により力を受けても、過剰な移動が凸状枠体で防止されて、載置領域から離脱することが防止される。その結果、被選別物は、回収部で回収されるとき、位置特定部で特定されたコンベヤ上の位置から少ない誤差の範囲の位置に保持されるので、回収部が失敗することなく被選別物を回収することができる。その結果、被選別物の選別効率を効果的に向上することができる。ここで、上記凸状枠体は、載置領域の表面から突出して凸状の断面を有し、載置領域内の被選別物の乗り越えを防止できれば、平面形状や断面形状は特に限定されない。
【0010】
一実施形態の廃棄物選別装置は、上記コンベヤの搬送面の凸状枠体が、平面視において格子状に形成されている。
【0011】
上記実施形態によれば、コンベヤの搬送面の凸状枠体が、平面視において格子状に形成されているので、被選別物が投入部で投入されて回収部で回収されるまでの間、被選別物の過剰な移動を効果的に防止できる。また、被選別物が搬送される間に載置領域内で移動しても、回収部が載置領域内で回収動作を行うことにより、被選別物を確実に回収することができる。
【0012】
一実施形態の廃棄物選別装置は、上記コンベヤ上の被選別物を撮影する撮影装置を備え、
上記判別部は、上記撮影装置で撮影された撮影画像に基づいて、上記被選別物の材質を判別し、
上記位置特定部は、上記撮影装置で撮影された撮影画像に基づいて、上記コンベヤで搬送される被選別物のコンベヤ上の位置を特定し、
上記制御部は、上記コンベヤの移動距離に基づいて上記被選別物が回収部の回収範囲に接近したことを検知すると、上記位置特定部で特定された位置を示す座標に上記回収部までの距離を付加して求めた回収位置座標に上記被選別物が存在するとして、上記回収部に被選別物を回収させるものである。
【0013】
上記実施形態によれば、コンベヤ上の被選別物を撮影装置が撮影して得られた撮影画像に基づいて、判別部が被選別物の材質を判別する。また、上記撮影装置で撮影された撮影画像に基づいて、位置特定部が上記コンベヤ上の被選別物の位置を特定する。ここで、被選別物の材質の判別用の画像を撮影する撮影装置と、被選別物の位置の特定用の画像を撮影する撮影装置とは、異なる撮影装置であっても同一の撮影装置であってもよい。制御部は、コンベヤの移動距離に基づいて上記被選別物が回収部の回収範囲に接近したことを検知すると、上記位置特定部で特定された位置を示す座標に上記回収部までの距離を付加して求めた回収位置座標に上記被選別物が存在するとして、上記回収部に被選別物を回収させる。ここで、上記被選別物は、搬送面の載置領域が凸状枠体で取り囲まれたコンベヤで搬送されるので、搬送の過程で力を受けても、載置領域内に保持される。したがって、回収位置座標に被選別物が存在するとして制御部が回収部を制御しても、被選別物は回収位置座標から比較的小さい誤差の範囲の位置にあるので、被選別物を比較的高い成功率で回収することができる。
【0014】
一実施形態の廃棄物選別装置は、上記制御部は、上記回収位置座標に替えて、上記位置特定部で特定された位置を含む載置領域に上記回収部までの距離を付加して求めた回収領域に、上記被選別物が存在するとして、上記回収部に被選別物を回収させるものである。
【0015】
上記実施形態によれば、制御部は、回収位置座標に替えて、位置特定部で特定された位置を含む載置領域に回収部までの距離を付加して求めた回収領域に、被選別物が存在するとして回収部を制御する。これにより、被選別物がコンベヤによる搬送中に載置領域内で移動しても、被選別物を高い成功率で回収することができる。ここで、制御部は、回収部が被選別物を回収するまで、回収領域内で回収部の回収動作を繰り返すように制御してもよい。或いは、回収部の被選別物を回収する部材を、回収部の一度の動作で回収領域の全体に対して回収動作を実行するように設定してもよい。
【0016】
一実施形態の廃棄物選別装置は、
上記コンベヤの搬送面の凸状枠体の表面に、位置を示すマークが付されており、
上記位置特定部によって、上記被選別物が位置する載置領域に対応するマークの位置を特定するものである。
【0017】
上記実施形態によれば、位置特定部が、被選別物の位置を特定すると共に、この被選別物が位置する載置領域に対応する凸状枠体のマークの位置を特定することにより、被選別物と載置領域との位置関係を検知することができる。したがって、制御部が、回収部で被選別物を回収する制御を、正確に行うことができる。また、被選別物がコンベヤで搬送される際に載置領域内で移動しても、載置領域に対応するマークの位置を特定しておけば、マークの位置にコンベヤの回収部までの移動距離を付加することにより、回収部は、被選別物の存在する載置領域を正確に特定することができる。したがって、被選別物の存在する載置領域で回収御動作を行うことにより、高い成功率で被選別物を回収することができる。ここで、マークによって位置が特定される載置領域に被選別物が存在する場合、この被選別物の位置を検出しなくてもよい。被選別物の存在する載置領域の位置をマークで特定し、このマークの位置に基づいて回収部を制御することにより、効率的に高い成功率で被選別物を回収することができる。また、マークは、凸状枠体の表面の全面に付してもよく、凸状枠体の表面の一部に付してもよい。
【0018】
一実施形態の廃棄物選別装置は、
上記コンベヤの搬送面の載置領域は、一辺の寸法が100mm以上300mm以下に形成されている。
【0019】
上記実施形態によれば、コンベヤの搬送面の格子状の凸状枠体に囲まれた載置領域を、一辺の寸法が100mm以上300mm以下程度となるように形成することにより、被選別物を載置領域内に効果的に保持することができる。ここで、載置領域の形状は、格子状の凸状枠体の配置形状に応じて、正方形や、長方形や、菱形や、六角形等の種々の形状を採用できる。また、これらの種々の形状の載置領域において、辺の長さが互いに等しい場合や、異なる場合のいずれにおいても、各々の辺の寸法を100mm以上300mm以下程度とすることにより、被処理物を安定して保持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態の廃棄物選別装置を示す模式図である。この廃棄物選別装置は、都市ごみ等のように、コンクリート、ガラスビン、金属屑、プラスチック、木片及び古紙等の種々のものが混在した廃棄物を、材質に応じて選別するものである。本実施形態の廃棄物選別装置は、例えばゴミ処理場等に設置され、家庭や商業施設等から回収された廃棄物を材質毎に選別して収集することにより、有価物である再生資源を得るものである。
【0023】
本実施形態の廃棄物選別装置1は、被選別物2を搬送するコンベヤ3と、コンベヤ3上の被選別物2の形状及び高さを測定する3Dセンサ4と、コンベヤ3上の被選別物2を撮影する可視光カメラ5を備える。3Dセンサ4、可視光カメラ5は、これらの撮影画像が入力されて処理を行う画像処理装置6に接続されている。この画像処理装置6は、ロボットアーム8とコンベヤ3を制御する制御装置7に接続されている。この制御装置7で制御された回収部としてのロボットアーム8により、コンベヤ3上の被選別物2が取り上げられ、材質毎に分けて収集する回集箱9に投入されるようになっている。
【0024】
コンベヤ3は、両端のプーリに巻き回されたコンベヤベルト11が、モータに連結された駆動プーリ12で駆動されて、コンベヤベルト11の搬送面上の被選別物2を搬送するように構成されている。このコンベヤ3は、モータ及び変速機等を含んで形成された駆動装置10が制御装置7によって制御され、被選別物2の搬送の動作が制御される。コンベヤ3のコンベヤベルト11の搬送面には、被選別物2を載置するための載置領域19と、この載置領域を取り囲む凸状枠体18が形成されている。
【0025】
図2は廃棄物選別装置1のコンベヤ3の一部を示す平面図であり、
図3はコンベヤ3の横断面図であり、
図4はコンベヤベルト11の表面の一部を示す斜視図であり、
図5はコンベヤベルト11の一部の断面図である。コンベヤ3は、
図2又は3に示すように、被選別物2を搬送するコンベヤベルト11と、コンベヤベルト11の搬送側を支持する搬送側ローラ13と、コンベヤベルト11の戻り側を支持する戻り側ローラ14と、搬送側ローラ13及び戻り側ローラ14を支持する支柱15を有する。コンベヤベルト11の搬送側の表面が、搬送面になっている。コンベヤベルト11の搬送面の両側には、コンベヤベルト11の縁部を覆う縁部材16,16が配置されている。
【0026】
コンベヤ3のコンベヤベルト11の搬送面には、
図2に示すように、平面視において格子状の凸状枠体18が設けられている。凸状枠体18は、
図5に示すように矩形断面を有し、コンベヤベルト11のベルト本体17の表面に貼り付けられている。コンベヤベルト11のベルト本体17の表面の凸状枠体18で囲まれた正方形の領域が、被選別物2を載置して搬送する載置領域19になっている。載置領域19は、正方形の場合は、一辺の寸法が100m以上200mm以下程度に形成されるのが好ましいが、選別する被選別物2に応じて他の寸法に形成してもよい。コンベヤベルト11は、ベルト本体17が、芯材の表面にゴムが積層されて形成され、このベルト本体17の表面に、ゴムで形成された凸状枠体18が接着されている。ここで、コンベヤベルト11を形成するゴムは、天然ゴムでも合成ゴムでもよい。また、ゴム以外の樹脂からなるエラストマーで、コンベヤベルト11を形成してもよい。
【0027】
3Dセンサ4は、コンベヤ3上の被選別物2の形状及び高さを計測し、測定情報が、コンベヤ3上の被選別物2の特定や、ロボットアーム8の制御に用いられる。3Dセンサ4は、レーザースキャナを用いて構成することができる。上記3Dセンサ4は、コンベヤ3の上方を取り囲むように設置された計測部屋の内側に配置され、外部の光による影響を防止するようになっている。ここで、3Dセンサ4は、レーザースキャナ以外の他の光学的手法によるものや、超音波等を利用した音響的手法によるものを用いてもよい。
【0028】
可視光カメラ5は、コンベヤ3上の被選別物2を撮影して可視光画像を出力する。この可視光画像に基づいて、画像処理装置6が被選別物2の材質を判別すると共に、被選別物2の位置を特定する。可視光カメラ5は、コンベヤ3の上方を取り囲むように設置された撮影部屋の内側に配置され、外部の光による影響を防止するようになっている。可視光カメラ5は、コンベヤ3のコンベヤベルト11が所定距離を進行する毎に静止画像を撮影して、コンベヤベルト上の様子を漏れなく連続的に撮影するようになっている。なお、可視光カメラ5以外に、赤外線カメラを配置し、赤外線カメラから出力された被選別物2の赤外線画像に基づいて、画像処理装置6で被選別物2の材質の判別や位置の特定を行ってもよい。また、可視光カメラ5と赤外線カメラの両方を配置し、可視光画像と赤外線画像の両方に基づいて、被選別物2の材質の判別や位置の特定を行ってもよい。
【0029】
画像処理装置6は、3Dセンサ4の測定情報と、可視光カメラ5が撮影した可視光画像が入力され、これらの情報に基づいて、被選別物2のコンベヤ3上の位置を特定すると共に、被選別物2の寸法を特定する。このように、画像処理装置6は、位置特定部としての機能を有する。また、画像処理装置6は、コンベヤ3上の被選別物2について、被選別物2の寸法と、他の被選別物2との距離と、コンベヤ3の側壁からの距離等とに基づいて、各被選別物2がロボットアーム8の把持部によって把持できるか否かを判断する。画像処理装置6は、ロボットアーム8によって把持可能と判断した被選別物2に関する情報を、制御装置7に出力する。制御装置7に出力する情報としては、被選別物2の位置である被選別物座標を示す被選別物座標情報や、被選別物2の大きさを示す寸法情報や、被選別物2の重心の位置である重心座標を示す重心座標情報や、ロボットアーム8が被選別物2を把持する際の把持部の姿勢を示す姿勢情報や、ロボットアーム8が被選別物2を把持して回収すべき位置である回収位置座標を示す回収位置座標情報や、被選別物2のコンベヤベルト11上における局所的な座標である局所座標を示す局所座標情報等がある。局所座標情報は、被選別物2が位置する凸状枠体18の基準点を基準とした被選別物2の座標によって表すことができる。
【0030】
画像処理装置6が制御装置7に出力する情報のうち、被選別物座標情報や、重心座標情報や、回収位置座標情報等は、制御装置7から受け取ったコンベヤ3の駆動量を示す情報に基づいて作成する。
【0031】
また、画像処理装置6は、可視光カメラ5が撮影した可視光画像に基づいて、画像認識技術により被選別物2の材質を判別する。例えば、画像処理装置6は、判別モデルとして、教師有り学習によってアルゴリズムを成長させるニューラルネットワークを用いて、被選別物2の画像認識を行う。この場合、被選別物2の画像をニューラルネットワークに入力して演算を行い、上記被選別物2の材質を出力する。判別モデルとして、他の教師有り学習を行うアルゴリズムによるサポートベクターマシン(SVM)等を用いることもできる。また、画像処理装置6のニューラルネットワークは、多数構造を有してディープラーニングを行ってもよい。このように、画像処理装置6は、判別部としての機能も有する。
【0032】
画像処理装置6のニューラルネットワークは、廃棄物選別装置1が被選別物2の選別作業を行うに先立ち、学習モードで機械学習を行う。学習モードでは、教師データとして、被選別物の画像を入力すると共に、この被選別物の画像の材質の情報を正解として入力する。廃棄物選別装置1で選別しようとする複数の材質について、被選別物の種々の形態を示した画像と、この被選別物の材質を示す正解の情報との複数の組み合わせを準備し、これらの複数の組み合わせの画像及び情報を用いて機械学習を行う。
【0033】
学習モードでは、廃棄物選別装置1のコンベヤ3で被選別物2を搬送し、可視光カメラ5で撮影した可視光画像を画像処理装置6で処理して被選別物2の部分を抽出すると共に、画像処理装置6又は制御装置7に設けた入力部を通じて上記被選別物2の材質に関する情報を正解として入力する。上記被選別物2の画像と、上記材質に関する正解の情報を、画像処理装置6に入力して教師有り学習を行う。学習モードでは、コンベヤ3上の被選別物2の撮影画像に基づいて機械学習を行う以外に、被選別物の画像と、この画像の被選別物の材質を示す情報とを予め準備しておき、これらの画像と情報を画像処理装置6に入力して機械学習を行ってもよい。
【0034】
制御装置7は、画像処理装置6からの情報に基づいてロボットアーム8を制御する。詳しくは、制御装置7は、画像処理装置6で回収の対象として特定された被選別物2について、画像処理装置6から、被選別物座標情報と、重心座標情報と、回収位置座標情報と、局所座標情報と、把持部の姿勢に関する情報を受け取る。また、コンベヤ3から、コンベヤベルト11の駆動量を示す情報を受け取る。コンベヤベルト11の駆動量は、コンベヤ3の駆動モータ等に設けられたエンコーダにより検出することができる。このコンベヤ3のコンベヤベルト11の駆動量を示す情報を、画像処理装置6に出力する。これらの画像処理装置6及びコンベヤ3からの情報に基づいて、制御装置7がロボットアーム8を制御し、被選別物2を把持してコンベヤ3から取り上げ、材質に応じた回集箱9に投入して回収する動作を実行させる。
【0035】
画像処理装置6と制御装置7は、いずれもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラムが格納された記憶装置を有し、記憶装置のコンピュータプログラムが読み出されてCPUで実行されることにより、各装置の機能が実現される。画像処理装置6や制御装置7の記憶装置は、磁気ディスクや半導体メモリ等で形成することができる。制御装置7は、廃棄物選別装置1を操作するための操作部を有し、この操作部は、ボタン、タッチセンサ、タッチパッド、ダイヤル等の入力装置や、表示機能を兼ね備えたタッチパネルで形成することができる。
【0036】
回収部としてのロボットアーム8は、例えば垂直多関節ロボットにより構成することができ、先端に、コンベヤ3上の被選別物2を把持する把持部を有する。把持部は、複数のフィンガーを有するロボットハンドで形成され、対向位置にあるフィンガーが互いに接離することにより、被選別物2を把持又は解放するように形成されている。なお、把持部はロボットハンドに限定されず、例えば吸着や吸引によって被選別物2を把持するものであってもよい。ロボットアーム8は、先端の把持部でコンベヤ3上の被選別物2を把持して取り上げ、取り上げた被選別物2の材質に応じて、材質毎に設定された回集箱9に投入する。回収部は、垂直多関節ロボット以外に、パラレルリンクロボットや水平多関節ロボット等の他の形式のロボットを用いてもよい。
【0037】
コンベヤ3の3Dセンサ4よりも上流側には、矢印Eで示すように被選別物2をコンベヤ3上に投入する投入部として、図示しない振動フィーダが設けられている。なお、投入部は、コンベヤ等の他の装置を用いて構成されてもよい。
【0038】
コンベヤ3の上流側と下流側は、図示しない戻しコンベヤによって接続されており、コンベヤ3上の被選別物2のうち、ロボットアーム8で取り上げられずに残存した被選別物2は、矢印F1で示すようにコンベヤ3の終端から排出され、上記戻しコンベヤで戻されて、矢印F2で示すようにコンベヤ3の始端部に再度投入される。
【0039】
上記構成の廃棄物選別装置1は、次のように動作する。まず、コンベヤ3の始端部に、被選別物2が、矢印Eで示されるように、振動フィーダで投入される。コンベヤ3に投入された被選別物2は、下流側の3Dセンサ4で形状が計測され、画像処理装置6で三次元情報が取得される。この後、コンベヤ3で3Dセンサ4の下流側に搬送され、可視光カメラ5で撮影され、画像処理装置6で可視光画像が取得される。被選別物2の三次元情報と可視光画像が取得されると、画像処理装置6は、可視光画像をニューラルネットワークに入力して画像認識を行い、被選別物2の材質を特定する。また、画像処理装置6は、被選別物2の三次元情報に基づいて、被選別物2がロボットアーム8の把持部によって把持できるか否かを判断する。被選別物2の材質が回収の対象であり、かつ、被選別物2をロボットアーム8で把持できると判断すると、画像処理装置6は、被選別物2の三次元情報や可視光画像に基づいて、被選別物2の被選別物座標と、回収位置座標情報と、局所座標を作成する。続いて、画像処理装置6は、被選別物2の材質の情報と、被選別物2の寸法情報と、被選別物座標情報と、重心座標情報と、回収位置座標情報と、局所座標情報と、ロボットアーム8の姿勢情報を、制御装置7に出力する。
【0040】
制御装置7は、回収対象の被選別物2に関する情報を画像所有装置6から受けると、コンベヤ3の駆動量に基づいて被選別物2の位置を観察する。制御装置7は、コンベヤ3の駆動量に基づいて、被選別物2がロボットアーム8の回収位置座標に接近したことを検知すると、被選別物2に対するロボットアーム8の回収動作を開始する。詳しくは、制御装置7は、回収位置座標の位置に、ロボットアーム8の把持部を位置させると共に、把持部を姿勢情報に応じた姿勢となるように調節する。被選別物2がロボットアーム8の回収位置座標に達すると、ロボットアーム8の把持部を駆動し、被選別物2の寸法情報に基づいて被選別物2を掴むように把持部を開き、重心座標が把持部の内部に位置する状態で把持部を閉じて、被選別物2を掴む。続いて、ロボットアーム8のアーム部を駆動し、把持部で掴んだ被選別物2をコンベヤ3から持ち上げ、材質に応じた回収箱9まで搬送し、回収箱9の投入口の近傍で把持部を開いて被選別物2を回収箱9内に落下させて被選別物2の回収が完了する。
【0041】
コンベヤ3上の被選別物2のうち、ロボットアーム8で取り上げられなかった被選別物2は、矢印F1で示すようにコンベヤ3の終端部から排出され、図示しない戻しコンベヤで戻されて、矢印F2で示すようにコンベヤ3の始端部に再度投入される。コンベヤ3上に、選別すべき被選別物2が残留しているか否かが、3Dセンサ4の三次元情報及び/又は可視光カメラ5の可視光画像に基づいて画像処理装置6で判断され、コンベヤ3上に選別すべき被選別物2が残留する場合、制御装置7によりコンベヤ3の運転が継続される。一方、コンベヤ3上に選別すべき被選別物2が無くなると、制御装置7によりコンベヤ3の運転が停止され、廃棄物選別装置1の動作が終了する。
【0042】
本実施形態の廃棄物選別装置1は、コンベヤ3上に投入された被選別物2が、
図5に示すように、コンベヤ3のコンベヤベルト11の表面に形成された載置領域19に載置されて、凸状枠体18で囲まれた状態で搬送される。したがって、被選別物2は、画像処理装置6でコンベヤ3上の位置が特定されてからロボットアーム8で回収されるまでコンベヤ3で搬送される間に、振動や速度の変化等により力を受けても、この被選別物2の過剰な移動が凸状枠体18で防止されて、載置領域19内に保持される。このため、被選別物2は、ロボットアーム8で回収されるとき、回収位置座標から少ない誤差の範囲内に位置するので、ロボットアーム8による回収の失敗を効果的に防止することができる。その結果、被選別物2の選別効率を効果的に向上することができる。このような凸状枠体18による被選別物2の過大な移動の防止効果は、被選別物2が、円柱状や球体状のような転がり易いものである場合に、効果的に発揮できる。すなわち、被選別物2が、例えばビンや缶、バーベル、ボウリングのピンやボール、碍子等のように転がり易いものであっても、コンベヤ3の搬送中に転がってロボットアーム8による回収が失敗する不都合を、効果的に防止できる。
【0043】
上記実施形態において、画像処理装置6は制御装置7に、ロボットアーム8で被選別物2を実行する位置に関する回収位置座標情報を出力したが、ロボットアーム8で被選別物2を実行する領域の座標に関する回収領域座標情報を出力してもよい。すなわち、画像処理装置6は、可視光カメラ5の撮影画像に基づいて、ロボットアーム8が被選別物2の回収を行う回収領域として、被選別物2が位置する載置領域19にロボットアーム8までの距離を付加して、回収領域を設定する。この回収領域の座標を示す情報である回収領域座標情報を、画像処理装置6が制御装置7に送信する。請求装置7は、コンベヤ3の駆動量に基づいて、被選別物2がロボットアーム8の回収領域に接近したことを検知すると、被選別物2に対するロボットアーム8の回収動作を開始する。詳しくは、制御装置7は、ロボットアーム8の把持部が、回収領域内で被選別物2を掴むまで掴み動作を繰り返すように制御する。把持部が被選別物2を掴んだことを検知すると、ロボットアーム8のアーム部を駆動し、把持部で掴んだ被選別物2をコンベヤ3から持ち上げて回収箱9に投入させて、被選別物2の回収が完了する。このように、載置領域19に対応する回収領域を設定し、この回収領域で被選別物2を回収するようにロボットアーム8を制御することにより、載置領域19内の被選別物2を確実に回収することができる。なお、ロボットアーム8は、回収領域内で把持部が被選別物2を掴むまで掴み動作を繰り返すことに替えて、一度の掴み動作で回収領域の全体に対して掴み効果を発揮するように把持部を形成し、回収領域内であれば被選別物2の位置に関係無く、一度の掴み動作で上記被選別物2を掴むように形成してもよい。
【0044】
また、上記実施形態において、回収位置座標や回収領域を画像処理装置6が算出したが、回収位置座標や回収領域座標は制御装置7が算出してもよい。この場合、制御装置7は、画像処理装置6から入力された被選別物座標情報にロボットアーム8までの距離を付加して回収位置座標を算出すればよい。また、制御装置7は、画像処理装置6から、被選別物2が位置する載置領域19の座標に関する情報の入力を受け、入力された載置領域19の位置に、ロボットアーム8までの距離を付加して回収領域の座標を算出すればよい。
【0045】
また、上記実施形態において、コンベヤベルト11の載置領域19を取り囲む凸状枠体18に、この凸状枠体18の位置を示すためのマークを付してもよい。このマークは、可視光カメラ5で撮影されたとき、可視光画像に被選別物2と共に鮮明に映るような態様と材質で表示する。なお、被選別物2の位置を赤外線や他の波長の電磁波で検出する場合は、検出に使用する電磁波によって検出されるような態様と材質でマークを表示する。凸状枠体18に付されたマークは、可視光カメラ5で撮影され、被選別物2と共に可視光画像に現れる。このマークが現れた可視光画像の画像処理を画像処理装置6が行って、被選別物2の被選別物座標情報と、被選別物2が存在する載置領域19の位置を示す情報であってマークの位置を示す情報であるマーク座標情報を出力する。こうして、載置領域19の位置に関する情報を容易に作製することができる。また、マークに基づいて高精度に載置領域19の位置を特定できるので、載置領域19に存在する被選別物2の位置を高精度に特定できる。また、被選別物2が存在する載置領域19の位置をマークで特定しておけば、コンベヤ3で搬送される間に被選別物2が載置領域19内で移動しても、ロボットアーム8が上記載置領域19内で回収動作を行うように制御することで、上記被選別物2を高い成功率で回収することができる。この場合、被選別物2の位置を特定せず、被選別物2が存在する載置領域19のみの位置を特定してもよい。
【0046】
また、上記実施形態において、凸状枠体18を、矩形断面の線状体が平面視において直交する格子状に形成したが、載置領域19を含むベルト本体17の表面よりも突出して凸状の断面を有し、載置領域19内の被選別物2の移動を防止できれば、凸状枠体18の断面形状や平面形状は特に限定されない。また、この凸状枠体18によって区画される載置領域19の形状は、凸状枠体18の配置形状に応じて、正方形に限られず、長方形、菱形及び六角形等の他の種々の形状を採用できる。また、載置領域19の寸法に関して、正方形の場合は一辺の寸法を100mm以上200mm以下程度とするのが好ましいが、長方形の場合は短辺の寸法を100mm以上200mm以下程度とし、長辺の寸法を200mm以上300mm以下程度とするのが好ましい。また、載置領域19の形状を正方形及び長方形以外とした場合、一辺の寸法を100mm以上300mm以下程度とするのが好ましい。しかしながら、載置領域19の寸法は、被選別物に応じて適宜設定すればよく、100mm以上300mm以下には限定されない。
【0047】
また、上記実施形態において、廃棄物選別装置1は、3Dセンサ4の三次元情報及び/又は可視光カメラ5の可視光画像に基づいて、被選別物2の材質を判別すると共に位置を特定する画像処理装置6を備えるが、被選別物2の材質を判別する判別部や、被選別物2の位置を特定する位置特定部は、これに限定されない。
【0048】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。