(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6906912
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】ガソリン直噴レール
(51)【国際特許分類】
F02M 55/02 20060101AFI20210708BHJP
【FI】
F02M55/02 310C
F02M55/02 310B
F02M55/02 350B
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-162542(P2016-162542)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-31271(P2018-31271A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000501
【氏名又は名称】翠特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀司
【審査官】
松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0261330(US,A1)
【文献】
特開2012−097690(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0223486(US,A1)
【文献】
特開平08−246984(JP,A)
【文献】
特開平08−261097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール本体の一端にインレットを接続したガソリン直噴レールにおいて、レール本体の内部に板状のオリフィスを備えるとともに、インレットには燃料流通路を備え、この燃料流通路とオリフィスとの間に空洞部を備えたものであって、上記インレットは、レール本体とは別体とするとともに、燃料流通路を備えた先端側とは反対側の基端側にレール本体内への挿入部を備え、この挿入部には上記空洞部が備えられるとともに、この挿入部に上記オリフィスが一体的に備えられたことを特徴とするガソリン直噴レール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インレットを設けたガソリン直噴レールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料レールの脈動を低減する目的で、特許文献1に示す如く燃料供給口とレール本体との間にオリフィスを設ける方法が一般的に知られている。このようにオリフィスを設けることにより、燃料ポンプによって発生する圧力変動をレール本体内で低減させることができる。
【0003】
また上記特許文献1に記載の発明の他にも、
図3に示す如く、燃料レールの脈動を低減する目的でレール本体(50)の一端(51)にインレット(52)を固定配置し、このインレット(52)内にオリフィス(53)が設
けられたものが公知となっている。
【特許文献1】特開2012−97690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、今後燃料噴射システムが高圧化されるため、この高圧化に伴い燃料ポンプによる圧力脈動が更に大きくなるものと予想される。この圧力脈動を低減するためには、上記背景技術の如く燃料供給路とレール本体との間にオリフィスを設けるのみならず、高圧ポンプと燃料レールとの間をつなぐ高圧パイプの内容積を増やす必要がある。そして高圧パイプの内容積を増やすためには、高圧パイプの内径を大きくする必要があるが、システムの高圧化が行われた場合には高圧パイプの強度上の問題から、その内径を大きくするにも限界がある。そしてこのような強度上の問題をクリアするためには高強度材を使用することも考えられるが、高強度材は高価であるため必要以上にコストがかかり現実的ではない。
【0005】
そこで、本発明は上記の如き課題を解決しようとするものであって、システムの高圧化が行われた場合でも高圧パイプの内径を大きくすることなく、圧力脈動を低減可能とするインレットを備えたガソリン直噴レールを得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の如き課題を解決したものであって、レール本体の一端にインレットを設けたガソリン直噴レールにおいて、レール本体の内部にオリフィスを備えるとともに、インレットには燃料流通路を備え、この燃料流通路とオリフィスとの間に空洞部を備えたものである。
【0007】
このように燃料流通路とオリフィスとの間に空洞部を設けることにより、高圧パイプを通じてインレットと連通する高圧ポンプとオリフィスとの間の内容積を大きくすることができる。そのため、高圧ポンプによって発生する圧力脈動を低減することができる。従って、高圧パイプの内径を大きくする必要がないことから、高強度材を採用する必要もなくコストの上昇を抑えることが可能となる。
【0008】
また、インレットは、レール本体とは別体とするとともに、燃料流通路を備えた先端側とは反対側の基端側にレール本体内への挿入部を備え、この挿入部に空洞部を備えたものである。このようにインレットをレール本体とは別体に形成するとともに、このインレットに空洞部を備えることにより、インレットをレール本体に組み付けることによって空洞部をレール本体に容易に配置することができるため、製造を簡易なものとすることができる。
【0009】
また
本発明は、オリフィスは板状であって、インレットの挿入部に一体的に備えられたものである。このようにオリフィスをインレットの挿入部に一体的に備えることにより、レール本体への組み付け時にオリフィスとインレットとを同時に組み付けることができるため、組み付けを容易なものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は上記の如く、燃料流通路とオリフィスとの間に空洞部を設けることにより、高圧パイプを通じてインレットと連通する高圧ポンプとオリフィスとの間の内容積を広いものとすることができる。そのため、高圧ポンプによって発生する圧力脈動を低減することができる。従って、高圧パイプの内径を大きくする必要がないことから、高強度材を採用する必要もなくコストの上昇を抑えることが可能となる。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例1について、
図1において以下に説明する。まず、(1)はレール本体であって、その一端(15)には、レール本体(1)とは別体に形成したインレット(2)を固定配置している。このインレット(2)は先端(3)側に燃料流通路(4)を備えるとともに、この先端(3)側とは外周鍔(5)を隔てた基端(6)側を円筒形状とし、この円筒形状部分をレール本体(1)への挿入部(7)としている。また、この挿入部(7)の外径を、レール本体(1)の内径と略同一としている。
【0013】
そして、この挿入部(7)の内部に上記燃料流通路(4)に連通する空洞部(8)を設けるとともに、基端(6)側に開口部(10)を設けている。そしてこの挿入部(7)の先端面(11)には、平板状のオリフィス(12)をろう付けにて固定配置するとともに、このオリフィス(12)の中心には小径なオリフィス穴(13)を貫通形成している。このようにインレット(2)にオリフィス(12)を固定配置することにより、レール本体(1)への組み付け時にオリフィス(12)とインレット(2)とを同時に組み付けることができるため、組み付けを容易なものとすることができる。
【0014】
尚、本実施例では上記の如く、インレット(2)にオリフィス(12)を一体的に備えているが、他の異なる実施例ではこれに限らず、インレット(2)とオリフィス(12)とを別体に形成し、まずオリフィス(12)をレール本体(1)内に挿入配置した後に、インレット(2)のみをレール本体(1)にろう付けにて固定配置することも可能である。
【0015】
そして上記の如く形成したインレット(2)の挿入部(7)を、レール本体(1)内に挿入配置するとともに、インレット(2)の外周鍔(5)をレール本体(1)の端面(14)に当接配置した状態で、インレット(2)をレール本体(1)にろう付けにて固定配置している。これにより、レール本体(1)内にオリフィス(12)が位置するとともに、オリフィス(12)とインレット(2)の燃料流通路(4)との間に空洞部(8)が位置するものとなる。
【0016】
このように燃料流通路(4)とオリフィス(12)との間に空洞部(8)を設けることにより、高圧パイプ(図示せず。)を通じてインレット(2)と連通する高圧ポンプ(図示せず。)とオリフィス(12)との間の内容積を広いものとすることができる。そのため、高圧ポンプにより発生する圧力脈動を低減することができる。従って、高圧パイプの内径を大きくする必要がないことから、高強度材を採用する必要もなくコストの上昇を抑えることが可能とな
る。
【符号の説明】
【0017】
1 レール本体
2 インレット
3 先端
4 燃料流通路
6 基端
7 挿入部
8 空洞部
12 オリフィス
15 一端