特許第6907037号(P6907037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6907037-乗物用の室内照明装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6907037
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】乗物用の室内照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/59 20170101AFI20210708BHJP
   B60Q 3/217 20170101ALI20210708BHJP
   B60Q 3/64 20170101ALI20210708BHJP
【FI】
   B60Q3/59
   B60Q3/217
   B60Q3/64
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-116833(P2017-116833)
(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公開番号】特開2019-1276(P2019-1276A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】509069892
【氏名又は名称】株式会社HOWA
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 裕也
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−096328(JP,U)
【文献】 特開2014−231311(JP,A)
【文献】 特開2000−090702(JP,A)
【文献】 実開昭61−062652(JP,U)
【文献】 特開2011−000974(JP,A)
【文献】 特開2004−256035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/59
B60Q 3/217
B60Q 3/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用の室内に構成される乗物用の室内照明装置であって、
光を発する発光体と該発光体から発せられる光を導光する導光体とを有する発光手段と、
前記発光手段へ電力供給するために乗物の電源を蓄電可能とする蓄電池と、
前記導光体を露出させるように前記発光手段を支持すると共に前記蓄電池を収容するハウジングと、を有し、
前記ハウジングは、乗物の内装材に対し着脱可能に構成されており、
前記発光手段は、前記ハウジングが前記内装材に装着された状態では、前記乗物からの電力供給によって前記発光体の点灯及び消灯が行われ、前記ハウジングが前記内装材から離脱された状態では、前記蓄電池の電力供給によって前記発光体の点灯及び消灯が行われる構成であり
前記導光体は、乗物の外方側の骨格として構成される乗物構成部材と、前記乗物構成部材の室内側に面する内装材のうち前記発光体の光が透過させる透光部との間に介装されており、
前記ハウジングは、その外形形状が前記内装材の面形状の一部として構成されて室内側に露出されており、
前記内装材は、光を反射する反射面を有する反射部材と、前記反射面と所定間隔を隔てて対面配置される前記透光部としてのハーフミラーとを有し、
前記導光体は、前記ハーフミラーと前記反射部材との間に着脱可能に介装される、
乗物用の室内照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用の室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用の室内照明装置は、例えば電球、発光ダイオード等の発光手段を内装材に埋設して間接照明にする態様、発光手段をインジケータの文字の裏面側から照射する態様等が知られている。また、内装材等の開口部を裏側から照射することで面発光的な見栄えを演出している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-231311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、乗物の内装材に固定されており特定の部位を照らす機能しか有していない。そのため、例えば、夜間などの暗い状態のときの着座者の足下の部位等の上記照明装置の光が届かない部位を明るくする為には別の照明装置が必要になる。また、照明装置が使用できないような非常時に備えるためには、別途非常用の照明装置が必要になる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、乗物の室内空間の照明としての機能を確保しながら、利便性の向上を図る乗物用の室内照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する乗物用の室内照明装置は、乗物用の室内に構成される乗物用の室内照明装置であって、光を発する発光体と該発光体から発せられる光を導光する導光体とを有する発光手段と、前記発光手段へ電力供給するために乗物の電源を蓄電可能とする蓄電池と、前記導光体を露出させるように前記発光手段を支持すると共に前記蓄電池を収容するハウジングと、を有し、前記ハウジングは、乗物の内装材に対し着脱可能に構成されており、前記発光手段は、前記ハウジングが前記内装材に装着された状態では、前記乗物からの電力供給によって前記発光体の点灯及び消灯が行われ、前記ハウジングが前記内装材から離脱された状態では、前記蓄電池の電力供給によって前記発光体の点灯及び消灯が行われる。
【0007】
この構成によれば、ハウジングは、乗物の内装材に対し着脱可能に構成されており、発光手段は、ハウジングが内装材に装着された状態では、乗物からの電力供給によって発光体の点灯及び消灯が行われ、ハウジングが内装材から離脱された状態では、蓄電池の電力供給によって発光体の点灯及び消灯が行われる。そのため、乗物の室内空間の照明としての機能を有している。更に、内装材から取り外した状態でも蓄電池の電力供給によって発光体の点灯及び消灯が行われる。そのため、室内照明として特定部位の照明以外にも他の部位の照明としても機能し得る。また、非常用の照明装置として機能し得る。よって、乗物の室内空間の照明としての機能を確保しながら、利便性の向上を図る乗物用の室内照明装置を提供することができる。
【0008】
上記乗物用の室内照明装置について、前記導光体は、乗物の外方側の骨格として構成される乗物構成部材と、前記乗物構成部材の室内側に面する内装材のうち前記発光体の光が透過させる透光部との間に介装されており、前記ハウジングは、その外形形状が前記内装材の面形状の一部として構成されて室内側に露出されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、導光体は、乗物構成部材と内装材のうち発光体の光が透過させる透光部との間に介装されている。また、ハウジングは、その外形形状が内装材の面形状の一部として構成されて室内側に露出されている。そのため、乗物に装着された状態では、内装材の一部として一体感をもたせることができることから、収容スペースを別途必要することなく乗物に備えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、乗物の室内空間の照明としての機能を確保しながら、利便性の向上を図る乗物用の室内照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る車両用照明装置の全体斜視図である。
図2図1の車両用照明装置をドアから取り外した構成を示した斜視図である。
図3図1のIII−III線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明に係る乗物用の室内照明装置の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
本発明に係る乗物用の室内照明装置の実施形態として、自動車の内装ドアトリム4の加飾用の車両用照明装置10を例示して説明する。各図に適宜矢印で示す方向は、乗物として例示する自動車の前方、後方、上方、下方、外方、内方とそれぞれ一致する方向である。
【0014】
図1、2に示すように、自動車のドア1は、その車両の外方側に骨格として構成される鋼板製のパネル部材2(乗物構成部材)と、パネル部材2の車室内方側に面する合成樹脂等からなるドアトリム4(内装材)と、が構成される。ドアトリム4は、一般的な構成として保形性と取付剛性を備えるために合成樹脂等からなる複数の樹脂成形品6からなる。これら複数枚の板状の樹脂成形品6を組み合せることでドアトリム4となる。ドアトリム4は、一部領域に貫通形成された開口部8が形成されている。開口部8には、車室内の一部分等を照らすための照明として車両用照明装置10が構成される。
【0015】
車両用照明装置10は、発光手段40と、蓄電池60と、ハウジング50を有する。
【0016】
発光手段40は、車両の室内に向けて光を発する発光ダイオード42(発光体)を有する。本実施形態における発光手段40は、発光ダイオード42と、発光ダイオード42から発せられる光を導光する導光体44を有する。導光体44は、図1、2に示すように概略、透明な棒状部材で形成されている。発光ダイオード42は、導光体44の一端から照射する態様が例示される。なお、発光手段40としての発光体は発光ダイオード42を例示したが、電球、発光ダイオード42(LED:Light Emitting Diode)、有機エレクトロルミネッセンス等種々適用できる。導光体44の材質は、透光性であり導光作用を有する光透過性材料であれば種々適用できる。例えば、導光体44の材質は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂等の合成樹脂、ガラス等の無機材料などを適用できる。また導光体44は、無色透明に限られず、上記材料に顔料などの着色剤を含有したものも適用可能である。また、導光体44は、種々の形状を適用できる。例えば、導光体44は、板状部材であってもよい。また、発光手段40は、装飾的形状が施される態様であるとより一層、意匠効果の向上を図り得る。
【0017】
蓄電池60は、充電を行うことにより電気を蓄えて電池として使用できる様になり、繰り返し使用することができる。蓄電池60は、車両電源から蓄電可能であり、蓄電した電気を発光手段40へ電力供給する。
【0018】
ハウジング50は、導光体44を露出させるように発光手段40を支持すると共に、蓄電池60を収容する部材である。ハウジング50の外形形状の一部は、車両のドアトリム4の面形状の一部としてハウジング意匠面52が構成されると共に、ドアトリム4に対し着脱可能に構成されている。このハウジング意匠面52は、室内側に露出されている。
【0019】
図1、3に示すように、導光体44は、車両の外方側の骨格として構成される鋼板製のパネル部材2(乗物構成部材)と、パネル部材2の室内側に面するドアトリム4(内装材)のうち発光ダイオード42の光が透過させるハーフミラー30(透光部)との間に介装される。ドアトリム4は、光を反射する反射面22を有する反射部材20と、反射部材20の反射面22と所定間隔を隔てて対面配置されるハーフミラー30と、を有する。発光手段40の導光体44は、ハーフミラー30と、反射部材20との間に介装される。
【0020】
反射部材20は、図3に示すように、所定の反射率を有する板状またはシート状に形成されている。本実施形態では、合成樹脂の板状部材の一方側の面にアルミニウム蒸着を施すことで鏡面状の反射面22を有している。なお、反射面22は、アルミニウム蒸着を例示したが、所定の反射率を有するように鏡面であれば種々の金属の蒸着を施すことができる。また、反射面22は、鏡面に施されたシートを合成樹脂に貼り付けて反射面とする態様であってもよい。
【0021】
ハーフミラー30は、図3に示すように、反射部材20の反射面22と所定間隔を隔てて対面配置される。透光性の樹脂の板状部材の一方の面には、ハーフミラー蒸着面32が施されている。係るハーフミラー蒸着面32が、反射部材20の反射面22と対面配置される。ハーフミラー蒸着面32と反対側の面は、車両の室内側に面する意匠面34として構成されている。そのため、ハーフミラー30は、全体としてドアトリム4の面と連続した面形状とされており、意匠面34が開口部8から露出するように構成されている。
【0022】
図3に示されるように発光ダイオード42(図1、2参照)から発せられる光は、導光体44の一端から照射される。導光体44は、入光された光によって発光する。発光ダイオード42の光は、導光体44を介して反射部材20とハーフミラー30の合わせ鏡の原理によって繰り返し反射されてハーフミラー30から透光する。ここで、発光手段40は発光状態においてハーフミラー30側から視認できる位置に設定されていることから、発光手段40の写像が反射部材20に複数連なって投影された状態でハーフミラー30側から視認することができる。そのため奥行感をもたせた視覚的効果を得られ車両の室内空間を広く見せることができる。一方、発光手段40は、非発光状態の場合では室内側の光がハーフミラー30によって反射されることから、意匠面34であるハーフミラー30を通して視認されない。すなわち、発光手段40が非発光状態においては、ハーフミラー30の意匠面34のみの外観となる。
【0023】
ここで、発光手段40は、ハウジング50がドアトリム4に装着された状態では、車両からの電力供給によって発光ダイオード42の点灯及び消灯が行われる。すなわち、車両側の操作によって連動して点消灯する。一方、ハウジング50がドアトリム4から離脱された状態では、蓄電池60の電力供給によって発光ダイオード42の点灯及び消灯が行われる。すなわち、発行手段40を独立して操作して点消灯が行われる。そのため、夜間などの暗い状態のときの着座者の足下の部位等の光が届かない部位を明るくする為に、係る車両用照明装置10を用いることができる。また、車両の照明装置が使用できないような非常時においても、非常用の照明装置として利用できる。
【0024】
このように、本実施形態の車両用照明装置10によれば、ハウジング50は、車両のドアトリム4(内装材)に対し着脱可能に構成されており、発光手段40は、ハウジング50がドアトリム4に装着された状態では、車両からの電力供給によって発光ダイオード42(発光体)の点灯及び消灯が行われ、ハウジング50がドアトリム4から離脱された状態では、蓄電池60の電力供給によって発光ダイオード42の点灯及び消灯が行われる。そのため、車両の室内空間の照明としての機能を有している。更に、ドアトリム4から取り外した状態でも蓄電池60の電力供給によって発光ダイオード42の点灯及び消灯が行われる。そのため、室内照明として特定部位の照明以外にも他の部位の照明としても機能し得る。また、非常用の照明装置として機能し得る。よって、車両の室内空間の照明としての機能を確保しながら、利便性の向上を図る車両用の室内照明装置を提供することができる。
【0025】
また、導光体44は、パネル部材2(乗物構成部材)とドアトリム4のうち発光ダイオード42の光が透過させるハーフミラー30(透光部)との間に介装されている。また、ハウジング50は、その外形形状がドアトリム4の面形状の一部としてハウジング意匠面52が構成されて室内側に露出されている。そのため、車両に装着された状態では、ドアトリム4の一部として一体感をもたせることができることから、収容スペースを別途必要することなく車両に備えることができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の乗物用の室内照明装置は、本実施の形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。例えば、乗物は、車両に限定されず、船舶、航空機等の各種の乗物に適用し得る。内装材として、自動車の内装ドアトリム4を例示したが、ドアトリム以外に天井材、インパネ等にも適用し得る。発光手段40は、単一であっても合わせ鏡で複数に見えるため省電力と装飾性の向上の両立が図り得る。しかしながら発光手段40は、複数構成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 ドア
2 パネル部材(乗物構成部材)
4 ドアトリム(内装材)
6 樹脂成形品
8 開口部
10 車両用照明装置
20 反射部材
22 反射面
30 ハーフミラー(透光部)
32 ハーフミラー蒸着面
34 意匠面
40 発光手段
42 発光ダイオード(発光体)
44 導光体
50 ハウジング
52 ハウジング意匠面
60 蓄電池
図1
図2
図3