特許第6907071号(P6907071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000002
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000003
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000004
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000005
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000006
  • 特許6907071-照明装置、表示装置及びテレビ受信装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6907071
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】照明装置、表示装置及びテレビ受信装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20210708BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20210708BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20210708BHJP
   F21V 9/08 20180101ALI20210708BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20210708BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20210708BHJP
   F21Y 113/17 20160101ALN20210708BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210708BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20210708BHJP
【FI】
   F21S2/00 481
   F21S2/00 484
   F21V5/00 530
   F21V5/04 600
   F21V9/08 200
   F21V9/08 100
   F21V9/40
   F21S2/00 482
   G02F1/13357
   F21Y113:17
   F21Y115:10 500
   F21Y115:15
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-165394(P2017-165394)
(22)【出願日】2017年8月30日
(65)【公開番号】特開2019-46566(P2019-46566A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 啓太朗
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/136787(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/047794(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/113363(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光面を有する光源と、
前記発光面と対向するよう配され、前記発光面から発せられた光に拡散作用を付与する第1拡散板と、
前記第1拡散板に対して前記光源側とは反対側に重なる状態で配され、前記発光面から発せられた光に拡散作用を付与する第2拡散板と、
前記発光面から発せられた光を波長変換する蛍光体を含む波長変換シートであって、前記第1拡散板と前記第2拡散板との間に挟み込まれる波長変換シートと、を備え、
前記光源に対して前記発光面側とは反対側に配される底部と、前記底部の外端部に連ねられて前記第1拡散板の外端部を支持する拡散板支持部と、を有していて前記光源を収容するシャーシと、
前記第2拡散板の外端部を前記拡散板支持部側とは反対側から押さえる拡散板押さえ部材と、を備えており、
前記波長変換シートは、その外端部が前記拡散板支持部と前記拡散板押さえ部材との間に、前記第1拡散板及び前記第2拡散板の各外端部を介して挟み込まれており、
前記シャーシは、前記拡散板支持部から表側に向けて立ち上がる立板部を有し、
前記立板部は、前記波長変換シートの端面と対向する照明装置。
【請求項2】
前記第1拡散板は、その板面に沿う第1方向に沿って延在し、前記板面に沿い且つ前記第1方向と直交する第2方向に沿って並んで配される複数の第1シリンドリカルレンズからなる第1レンチキュラーレンズを有する請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2拡散板は、前記第2方向に沿って延在し、前記第1方向に沿って並んで配される複数の第2シリンドリカルレンズからなる第2レンチキュラーレンズを有する請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源に対して前記発光面側とは反対側に配される底部を有していて前記光源を収容するシャーシと、
前記発光面から発せられた光を前記第1拡散板側へ反射する反射シートであって、前記光源を露出させつつ前記底部を覆う底側反射部と、前記底側反射部から外側に傾斜しつつ前記第1拡散板側に向かって立ち上がる傾斜反射部と、を少なくとも有する反射シートと、
各々が前記発光面から発せられた光と同色、又はその光を構成する各原色光と同色を呈していて少なくとも前記傾斜反射部の表面上に配される複数のドット状の呈色部と、を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記呈色部は、前記底側反射部側から外側に向かうにつれて単位面積当たりの密度又は色の濃度が高くなる請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源は、前記発光面から青色光と赤色光とを含むマゼンタ色光を発し、
前記波長変換シートは、前記蛍光体として、前記青色光を緑色光に波長変換する緑色蛍光体を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の照明装置と、
前記照明装置から照射される光を利用して画像を表示する表示パネルと、を備える表示装置。
【請求項8】
請求項7記載の表示装置を備えるテレビ受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、表示装置及びテレビ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示装置の一例として、特許文献1に記載のものが挙げられる。この液晶表示装置は、液晶パネルと、いわゆる直下型のバックライト装置(照明装置)を備えている。このバックライト装置は、液晶パネルの真下に複数の光源がマトリクス状に配置された構成を備えており、液晶パネルの背面に向かって面状に広がった白色の光を供給する。バックライト装置は、青色光等を一次光として出射する光源と、光源から離れた状態で配され、一次光の一部を波長変換して他の光(二次光)を放出する波長変換シートとを備えている。バックライト装置では、光源から出射された一次光と、波長変換シートにより波長変換された他の光(二次光)とが加法混色されることで、白色光が生成される。
【0003】
前記バックライト装置は、波長変換シート以外に、前記光源と離れた状態で配される拡散板等の光学部材を備えている。また、バックライト装置内には、光学部材等で反射されて光源側に戻された光等を反射する反射シートが設けられている。反射シートの中央側は、液晶パネルの画面中央側と対向する形で配され、その周縁側は、液晶パネル側に向かって立ち上がりつつ傾斜した状態で、液晶パネルの画面周縁側と対向している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/136787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載されたバックライト装置に備わる波長変換シートは、例えば外力が作用すると歪みや皺などの局所的な変形が生じるおそれがあり、また発光に伴って光源などから生じる熱によって伸縮しても同様の局所的な変形が生じるおそれがある。波長変換シートに局所的な変形が生じると、出射光に色ムラなどが生じることが懸念される。また、波長変換シートは、他の光学シートに比べると吸湿し易くなっており、吸湿に伴って波長変換シートに含有される蛍光体(量子ドット蛍光体)が変性してしまい、波長変換性能が劣化することが懸念される。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、波長変換シートの変形や吸湿を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置は、光を発する発光面を有する光源と、前記発光面と対向するよう配され、前記発光面から発せられた光に拡散作用を付与する第1拡散板と、前記第1拡散板に対して前記光源側とは反対側に重なる状態で配され、前記発光面から発せられた光に拡散作用を付与する第2拡散板と、前記発光面から発せられた光を波長変換する蛍光体を含む波長変換シートであって、前記第1拡散板と前記第2拡散板との間に挟み込まれる波長変換シートと、を備える。
【0008】
このようにすれば、光源の発光面から発せられた光は、第1拡散板を透過する際に少なくとも拡散作用が付与され、その後波長変換シートを透過する際に波長変換され、さらにその後第2拡散板を透過する際に再び少なくとも拡散作用が付与される。波長変換シートは、相対的に高い剛性を有する第1拡散板と第2拡散板との間に挟み込まれているから、外力が作用した場合でも波長変換シートに歪みや皺などの局所的な変形が生じ難くなるとともに、熱膨張や熱収縮に伴う局所的な変形も生じ難くなる。さらには、第1拡散板と第2拡散板との間に挟み込まれた波長変換シートは、外部に露出する面積が極めて小さくなるので、外気に含まれる水分を吸収する事態が生じ難くなる。以上により、波長変換シートの変形や吸湿の発生が好適に抑制される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、波長変換シートの変形や吸湿を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係るテレビ受信装置の概略構成を示す分解斜視図
図2】液晶表示装置における図1のA−A線断面図
図3】液晶表示装置に備わるバックライト装置の平面図
図4図2における液晶表示装置の端部付近を拡大した断面図
図5】第1拡散板、第2拡散板及び波長変換シートの部分切り欠き斜視図
図6】本発明の実施形態2に係る第1拡散板、第2拡散板及び波長変換シートの部分切り欠き斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図5によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、図2及び図4などに示す上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0012】
本実施形態に係るテレビ受信装置10TVは、図1に示すように、全体として横長の略方形状をなす液晶表示装置10と、当該液晶表示装置10を挟むようにして収容する表裏両キャビネット10C1,10C2と、電源10Pと、テレビ信号を受信するチューナー(受信部)10Tと、スタンド10Sと、を備えて構成される。液晶表示装置10は、図2に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11に表示のための光を供給するバックライト装置(照明装置)12と、を備え、これらが枠状のベゼル13などにより一体的に保持される。
【0013】
次に、液晶表示装置10を構成する液晶パネル11及びバックライト装置12について順次に説明する。このうち、液晶パネル(表示パネル)11は、図1に示すように、平面に視て横長な方形状をなしており、一対のガラス基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられるとともに、両ガラス基板間に液晶が封入された構成とされる。一方のガラス基板(アレイ基板、アクティブマトリクス基板)には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子(例えばTFT)、そのスイッチング素子に接続された画素電極、さらには配向膜等が設けられ、他方のガラス基板(対向基板、CF基板)には、R(赤色),G(緑色),B(青色)等の各着色部が所定配列で配置されたカラーフィルタや、液晶パネル11の周縁に沿って配される枠状の遮光部11LS(図2)、さらには配向膜等が設けられている。液晶パネル11は、図2に示すように、画像を表示可能な表示面11DSを有しており、その表示面11DSのうち、枠状の遮光部11LSより内側の方形の部分が、画像が表示される表示領域AAとなっているのに対し、表示領域AAの外側の枠状の部分(遮光部11LSと重畳する部分)が、画像が表示されない非表示領域NAAとなっている。なお、両ガラス基板の外側にはそれぞれ偏光板が配されている。
【0014】
続いて、バックライト装置12について詳しく説明する。バックライト装置12は、図2に示すように、表側(光出射側、液晶パネル11側)に開口する光出射部14Bを有して略箱型をなすシャーシ14と、シャーシ14の光出射部14Bを覆うようにして配される光学部材15と、シャーシ14の外縁部に沿って配され光学部材15の外縁部をシャーシ14との間で挟んで保持するフレーム(拡散板押さえ部材)16と、を備える。さらに、シャーシ14内には、LED(光源)17と、LED17が実装されたLED基板18と、シャーシ14内の光を反射させる反射シート(反射部材)19と、が備えられる。このように、本実施形態に係るバックライト装置12は、シャーシ14内において液晶パネル11及び光学部材15の直下位置にLED17が配されてその発光面17Aが対向状をなす、いわゆる直下型とされる。以下では、バックライト装置12の各構成部品について詳しく説明する。
【0015】
シャーシ14は、例えばアルミニウム板や電気亜鉛めっき綱板(SECC)などの金属板からなり、図2及び図3に示すように、液晶パネル11と同様に横長な方形状(矩形状、長方形状)をなす底板部(底部)14Aと、底板部14Aの各辺(一対の長辺及び一対の短辺)の外端からそれぞれ表側(光出射側)に向けて立ち上がる側板部(側部)14Cと、各側板部14Cの立ち上がり端から外向きに張り出す受け板部(拡散板支持部)14Dと、受け板部14Dの外端から表側に向けて立ち上がる立板部14Eと、からなり、全体としては表側に向けて開口した浅い略箱型をなしている。シャーシ14は、その長辺方向がX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致している。底板部14Aは、LED基板18に対して裏側、つまりLED17に対してその発光面17A側(光出射側)とは反対側に配されている。各側板部14Cは、底板部14Aに対して傾斜状をなしている。各受け板部14Dは、表側から載置される光学部材15や反射シート19の外端部を支持可能とされる。各受け板部14Dは、底板部14Aの外端部に対して各側板部14Cを介して連ねられている。各立板部14Eは、各受け板部14Dに載置された光学部材15及び反射シート19の端面と対向状をなすとともに、後述するフレーム16が固定されている。
【0016】
光学部材15は、液晶パネル11及びシャーシ14と同様に平面に視て横長の方形状をなしており、図2に示すように、その外端部が受け板部14Dに載せられることで、シャーシ14の光出射部14Bを覆うとともに、液晶パネル11とLED17との間に介在して配される。光学部材15は、LED17の発光面17Aに対して表側、つまり光出射側に所定の間隔を空けて対向状をなしている。光学部材15は、相対的に裏側(LED17側、光出射側とは反対側)に配される第1光学部材15Aと、第1光学部材15Aに対してフレーム16を挟んで相対的に表側に配される第2光学部材15Bと、から構成される。第1光学部材15Aは、その外端部がシャーシ14の受け板部14Dに対して表側に重なる形で載置される。第1光学部材15Aには、第1拡散板20と、第2拡散板21と、波長変換シート22と、が含まれる。このうち、第1拡散板20及び第2拡散板21は、所定の厚みを持つほぼ透明な樹脂製の基材内に拡散粒子を多数分散して設けた構成とされ、透過する光を拡散させる機能を有する。なお、これら第1拡散板20、第2拡散板21及び波長変換シート22に関しては、後に改めて詳しく説明する。
【0017】
第2光学部材15Bは、その外端部がフレーム16に対して表側に重なる形で載置されており、第1光学部材15Aとの間にフレーム16の厚み分の間隔が空けられている。第2光学部材15Bは、プリズムシート(レンズシート)23と、プリズムシート23の表側に重ねられる反射型偏光シート24と、から構成される。プリズムシート23は、シート状の基材と、基材の表側の表面に設けられるプリズム部とからなる。プリズム部は、長辺方向(X軸方向)に沿って延びつつ、短辺方向(Y軸方向)に並ぶ複数の単位プリズムから構成されている。プリズムシート23は、このようなプリズム部を備えることにより、第1光学部材15A側からの光に、単位プリズムの並び方向(Y軸方向)について選択的に集光作用(異方性集光作用)を付与できる。反射型偏光シート24は、反射型偏光フィルムと、反射型偏光フィルムを表裏から挟み込む一対の拡散フィルムとからなる。反射型偏光フィルムは、例えば、屈折率の互いに異なる層を交互に積層した多層構造からなり、プリズムシート23からの光のうち、p波を透過させ、s波を裏側へ反射させる。反射型偏光フィルムによって反射されたs波は、後述する反射シート19等によって、再度表側に反射され、その際に、s波とp波に分離する。このように、反射型偏光シート24は、反射型偏光フィルムを備えることで、本来ならば、液晶パネル11の偏光板によって吸収されるs波を、裏側(反射シート19側)へ反射させることで有効活用することができ、光の利用効率(輝度)を高めることができる。一対の拡散フィルムは、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料からなり、反射型偏光フィルム側とは反対側の表面に、光に拡散作用を付与するためのエンボス加工が施されている。
【0018】
フレーム16は、合成樹脂からなり、光反射性を有するように白色塗装されており、図2に示すように、全体として液晶パネル11及び光学部材15の外周縁部に沿う枠状をなしている。フレーム16は、各受け板部14Dと対向状をなしていて各受け板部14Dとの間で第1光学部材15Aの外端部を挟持する内枠部16Aと、内枠部16Aの外端から裏側に向けて突出して立板部14Eの外面と対向する外枠部16Bと、から構成される。内枠部16Aは、第1光学部材15Aを構成する第2拡散板21の外端部を受け板部14D側とは反対側から押さえる。内枠部16Aは、液晶パネル11及び第2光学部材15Bの外端部をベゼル13との間で挟持する。内枠部16Aの大部分は、液晶パネル11の非表示領域NAAに配されているものの、内枠部16Aの内周縁側の端部は、液晶パネル11の表示領域AAに入り込んでいる。つまり、内枠部16Aは、非表示領域NAAと表示領域AAとに跨って配されている。なお、内枠部16Aは、シャーシ14の受け板部14Dより表示領域AA側に突き出している。
【0019】
次に、LED17及びLED17が実装されるLED基板18について説明する。LED17は、図2及び図3に示すように、LED基板18上に表面実装されるとともにその発光面17AがLED基板18側とは反対側を向いた、いわゆる頂面発光型(トップビュー型)とされており、その光軸がZ軸方向、つまり液晶パネル11の表示面(光学部材15の板面)に対する法線方向と一致している。ここで言う「光軸」とは、LED17における発光光のうち、発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向と一致する軸のことである。詳しくは、LED17は、発光源として青色光を発する青色LED素子(青色発光素子)を封止材によってケース内に封止してなり、封止材には、青色LED素子からの青色光により励起されて赤色光を発する赤色蛍光体(図示せず)が含有されている。従って、LED17は、青色LED素子から発せられる青色光(青色成分の光)と、青色LED素子の青色光により励起されて赤色蛍光体から発せられる赤色光(赤色成分の光)との混色により、全体としてマゼンダ色光を発することが可能とされている。そして、LED17から発せられたマゼンダ色光は、その一部が詳しくは後述する波長変換シート22によって緑色光に波長変換されるようになっている。従って、バックライト装置12の出射光は、波長変換シート22により波長変換された緑色光と、LED17のマゼンダ色光と、の加法混色により概ね白色を呈するものとされる。LED17に備わる青色LED素子は、例えばInGaNなどの半導体材料からなる半導体であり、順方向に電圧が印加されることで青色の波長領域(約420nm〜約500nm)に含まれる波長の青色の単色光を発光するものとされる。この青色LED素子は、図示しないリードフレームによってケース外に配されたLED基板18における配線パターンに接続される。また、赤色蛍光体は、青色LED素子の青色光を励起光として、赤色に属する波長領域(約600nm〜約780nm)の光、つまり赤色光を蛍光光として発する。
【0020】
LED基板18は、図2及び図3に示すように、平面に視て方形状をなしており、シャーシ14内において底板部14Aの表側に重なる形で収容されている。LED基板18の表側の板面(光学部材15側を向いた板面)には、上記した構成のLED17が表面実装されており、ここが実装面18Aとされる。LED17は、LED基板18の実装面18Aの面内においてX軸方向及びY軸方向に沿って複数ずつ行列状(マトリクス状、碁盤目状)に並列して配されるとともに、実装面18Aの面内に配索形成された配線パターンによって相互が電気的に接続されている。LED基板18における各LED17の配列ピッチは、ほぼ一定とされ、詳しくはX軸方向(行方向)及びY軸方向(列方向)についてそれぞれほぼ等間隔に配列されている。LED基板18は、底板部14A上においてX軸方向及びY軸方向に沿って複数ずつ並ぶ形で配されている。また、LED基板18は、シャーシ14と同じアルミ系材料などの金属製とされ、その表面に絶縁層を介して銅箔などの金属膜からなる配線パターン(図示せず)が形成され、さらには最外表面には、白色を呈する反射層(図示せず)が形成された構成とされる。なお、LED基板18に用いる材料としては、セラミックなどの絶縁材料を用いることも可能である。また、LED基板18には、図示しない配線部材が接続されるコネクタ部が設けられており、配線部材を介して図示しないLED駆動基板(光源駆動基板)から駆動電力が供給されるようになっている。
【0021】
反射シート19は、合成樹脂製とされ、表面が光の反射性に優れた白色を呈している。反射シート19は、その表面にて特定の波長の光を吸収することがなく、全ての可視光線を乱反射するものとされており、全域にわたって光の反射率がほぼ一定とされている。反射シート19は、図2及び図3に示すように、シャーシ14の内面のほぼ全域にわたって敷設される大きさを有しているので、シャーシ14内に配されたLED基板18をほぼ全域にわたって表側(光出射側、光学部材15側)から覆うことが可能とされる。この反射シート19によりシャーシ14内の光を表側(光出射側、光学部材15側)に向けて反射させることができる。反射シート19は、LED基板18(底板部14A)に沿って延在するとともに各LED基板18を一括してそのほぼ全域を覆う大きさの底側反射部19Aと、底側反射部19Aの各外端から表側に立ち上がるとともに底側反射部19Aに対して傾斜状をなす4つの傾斜反射部19Bと、各傾斜反射部19Bの外端から外向きに延出するとともにシャーシ14の受け板部14Dに載せられる延出部19Cとから構成されている。この反射シート19の底側反射部19Aが各LED基板18における表側の面、つまりLED17の実装面18Aに対して表側に重なるよう配される。また、反射シート19の底側反射部19Aには、各LED17と平面に視て重畳する位置に各LED17を個別に挿通するLED挿通孔(光源挿通孔)19Dが開口して設けられている。このLED挿通孔19Dは、各LED17の配置に対応してX軸方向及びY軸方向について行列状(マトリクス状)に複数が並列配置されている。なお、フレーム16の内枠部16Aは、延出部19Cより内側(表示領域AA側)に突き出した形となっている。延出部19Cは、平面に視て内枠部16Aにより全域が覆われた状態となっている。
【0022】
次に、波長変換シート22に関して詳しく説明する。波長変換シート22は、図2に示すように、液晶パネル11等と同様、平面視矩形状をなしており、第1光学部材15の各拡散板20,21と略同等の大きさである。つまり、波長変換シート22は、平面に視た大きさが液晶パネル11の表示領域AAより大きく設定されている。波長変換シート22は、各拡散板20,21より厚みの小さい(薄い)シート状とされる。具体的には、各拡散板20,21の厚みは、例えば1.5mm〜2mm程度とされるのに対し、波長変換シート22の厚みは、例えば200μm〜400μm程度とされる。このため、波長変換シート22は、機械的な剛性や強度が各拡散板20,21より低くなっている。波長変換シート22は、LED17からの光を波長変換するための蛍光体(波長変換物質)を含有する蛍光体層(波長変換層)と、蛍光体層を表裏から挟み込んでこれを保護する一対の保護層と、から構成されている。蛍光体層には、LED17からのマゼンダ色光に含まれる青色光を励起光として、緑色光(約500nm〜約570nmの波長領域)を発する緑色蛍光体が分散配合されている。これにより、バックライト装置12の出射光は、LED17から発せられる青色光及び赤色光と、波長変換シート22に含まれる緑色蛍光体により波長変換される緑色光と、を含むことになり、全体として白色光となる。このような緑色蛍光体としては、比較的シャープな発光スペクトルを有するものが好ましく、例えば、「SrGa:Eu2+」等の硫化物蛍光体が用いられる。
【0023】
上記した波長変換シート22は、各拡散板20,21に比べると剛性が低いため、例えば外力が作用すると歪みや皺などの局所的な変形が生じるおそれがある。また、発光に伴ってLED17などから生じる熱によって伸縮しても同様の局所的な変形が生じるおそれがある。波長変換シート22に上記のような局所的な変形が生じると、出射光に色ムラなどが生じ、液晶パネル11に表示不良が生じることが懸念される。また、波長変換シート22は、他の光学シートに比べると吸湿し易くなっており、吸湿に伴って波長変換シート22に含有される蛍光体(硫化物蛍光体)が変性してしまい、波長変換性能が劣化することが懸念される。波長変換シート22の波長変換性能が劣化すると、出射光に色ムラなどが生じ、結果として液晶パネル11に表示不良が生じるおそれがある。
【0024】
そこで、本実施形態に係るバックライト装置12では、図4に示すように、波長変換シート22が第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれている。波長変換シート22は、相対的に高い剛性を有する第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれているから、外力が作用した場合でも波長変換シート22に歪みや皺などの局所的な変形が生じ難くなるとともに、熱膨張や熱収縮に伴う局所的な変形も生じ難くなる。さらには、第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれた波長変換シート22は、外部に露出する面積が極めて小さくなるので、外気に含まれる水分を吸収する事態が生じ難くなる。以上により、波長変換シート22の変形や吸湿の発生が好適に抑制されるので、波長変換シート22の透過光を利用して液晶パネル11の表示面11DSに表示される画像(テレビ画像を含む)に色ムラなどが生じ難くなり、もって優れた表示品位が得られる。
【0025】
波長変換シート22に対して裏側(LED17側)に重なる第1拡散板20は、図5に示すように、その板面に沿うX軸方向(第1方向)に沿って延在し、板面に沿い且つX軸方向と直交するY軸方向(第2方向)に沿って並んで配される複数の第1シリンドリカルレンズ25Aからなる第1レンチキュラーレンズ25を有する。第1レンチキュラーレンズ25は、第1拡散板20を構成する平板状の第1基材20Aにおける表側の板面に設けられている。第1シリンドリカルレンズ25Aは、軸線方向がX軸方向と一致した略半円柱状をなしており、その表側(波長変換シート22側)を向いた表面が円弧状をなす凸型の第1円弧状面25A1とされる。第1シリンドリカルレンズ25Aは、その軸線方向(延在方向、第1方向)と直交する並び方向(第2方向)に沿って切断した断面形状が略半円形状をなしている。Y軸方向に沿って並列した多数本の第1シリンドリカルレンズ25Aは、底面の幅寸法及び高さ寸法が全てほぼ同一とされており、隣り合う第1シリンドリカルレンズ25A間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。このようにすれば、第1拡散板20に入射した光には、拡散粒子により拡散作用が付与されるのに加えて、第1レンチキュラーレンズ25によって複数の第1シリンドリカルレンズ25Aの並び方向であるY軸方向について選択的に集光作用が付与される。その一方、第1拡散板20に入射した光が第1レンチキュラーレンズ25を構成する第1シリンドリカルレンズ25Aの表面である第1円弧状面25A1に達すると、その第1円弧状面25A1にて反射されてLED17側に戻される場合があり、その反射光はLED17側で反射シート19などにより反射されて再び第1拡散板20に入射することになる。ここで、仮に波長変換シートが第1拡散板20に対してLED17側に配された場合には、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過するため、光が過剰に波長変換されて色ムラが生じるおそれがある。その点、波長変換シート22は、第1拡散板20に対してLED17側とは反対側に配されているから、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過ことが避けられ、もってLED17の光が波長変換シート22によって過剰に波長変換されることに起因する色ムラの発生が生じ難くなる。なお、第1拡散板20は、各第1シリンドリカルレンズ25Aの表面が波長変換シート22における裏側の板面に対して線接触している。
【0026】
波長変換シート22に対して表側(LED17側とは反対側)に重なる第2拡散板21は、図5に示すように、Y軸方向(第2方向)に沿って延在し、X軸方向(第1方向)に沿って並んで配される複数の第2シリンドリカルレンズ26Aからなる第2レンチキュラーレンズ26を有する。第2レンチキュラーレンズ26は、第2拡散板21を構成する平板状の第2基材21Aにおける表側の板面に設けられている。第2シリンドリカルレンズ26Aは、軸線方向がY軸方向と一致した略半円柱状をなしており、その表側(波長変換シート22側とは反対側)を向いた表面が円弧状をなす凸型の第2円弧状面26A1とされる。第2シリンドリカルレンズ26Aは、その軸線方向(延在方向、第2方向)と直交する並び方向(第1方向)に沿って切断した断面形状が略半円形状をなしている。X軸方向に沿って並列した多数本の第2シリンドリカルレンズ26Aは、底面の幅寸法及び高さ寸法が全てほぼ同一とされており、隣り合う第2シリンドリカルレンズ26A間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。このようにすれば、第2拡散板21に入射した光には、拡散粒子により拡散作用が付与されるのに加えて、第2レンチキュラーレンズ26によって複数の第2シリンドリカルレンズ26Aの並び方向であるX軸方向について選択的に集光作用が付与される。従って、当該バックライト装置12の出射光には、第1拡散板20によりY軸方向について選択的に集光作用が付与されるのに加えて、第2拡散板21によりX軸方向について選択的に集光作用が付与されることになるから、バックライト装置12の出射光に係る正面輝度が高いものとなる。なお、第2拡散板21は、第2基材21Aにおける裏側の板面が波長変換シート22における表側の板面に対して面接触している。
【0027】
波長変換シート22は、図4に示すように、その外端部がシャーシ14の受け板部14Dとフレーム16との間に、第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部を介して挟み込まれている。詳しくは、波長変換シート22は、既述した通り、平面に視た大きさが第1拡散板20及び第2拡散板21の同大きさと同等とされており、その外周端面が第1拡散板20及び第2拡散板21の外周端面とほぼ面一状に揃えられているので、外周端部が第1拡散板20及び第2拡散板21の外周端部と重畳配置されている。このようにすれば、受け板部14Dとフレーム16との間には、波長変換シート22の外端部が第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部を介して挟み込まれる。従って、第1拡散板20の外端部を出射した光が波長変換シート22の外端部を透過して波長変換される確実性が高くなるので、仮に波長変換シートの外端部が第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部より内側に引っ込む配置とされる場合に比べると、バックライト装置12の外端部付近にてLED17の光が波長変換されずに外部に出射する事態が生じ難くなる。これにより、バックライト装置12における外端部付近の出射光に色ムラが生じ難くなる。
【0028】
反射シート19のうち、少なくとも各傾斜反射部19Bには、図4に示すように、LED17の発光面17Aから発せられた光と同色、又はその光を構成する各原色光と同色を呈する呈色部27が設けられている。呈色部27は、反射シート19との比較においてLED17の光の色味に近い色味を呈する。詳しくは、白色を呈する反射シート19に対し、呈色部27は、LED17の光の色味、つまりマゼンダ色味を呈するものとされる。呈色部27は、反射シート19の表面にマゼンダ色を呈する塗料(顔料または染料を含む)を公知の塗工技術(例えば、印刷技術)などを用いて塗布して形成される塗膜からなる。呈色部27は、LED17の発光面17Aから発せられた光(マゼンタ色光)の色と補色の関係にある色の光(緑色光)の吸収率が、発光面17Aから発せられた光(マゼンタ色光(青色光、赤色光))の吸収率よりも高くなっている。また、呈色部27は、LED17の発光面17Aから発せられた光(マゼンタ色光(青色光、赤色光))の反射率が、発光面17Aから発せられた光と補色の関係にある色の光(緑色光)の反射率よりも高くなっている。つまり、呈色部27は、緑色光を吸収して、マゼンタ色光(青色光、赤色光)を反射する機能を備えている。これにより、呈色部27で反射された光(例えば、白色の戻り光)は、呈色部27が設けられていない白色の部分(反射シート19)で反射された場合と比べて、マゼンタ色を帯びることになる。
【0029】
呈色部27は、図3に示すように、平面視で円形をなしており、各傾斜反射部19Bの略全域に分散形成されている。なお、隣り合った呈色部27の間からは、白色を呈する反射シート19の表面が露出している。各傾斜反射部19Bの表面に配された各呈色部27は、底側反射部19A側から外側(延出部19C)に向かうにつれて、サイズ(大きさ)が大きくなるように設定されている。つまり、各呈色部27は、底側反射部19A側から外側(延出部19C)に向かうにつれて、単位面積当たりの密度が高くなるように設定されている。本実施形態の場合、各呈色部27の濃度(色の濃さ)は、同じに設定されている。また、各呈色部27は、傾斜反射部19Bと底側反射部19Aとの境界線が延びる方向においては、等間隔で配設されている。各呈色部27は、全体的には、傾斜反射部19Bの表面上に全面的に拡がるように形成されている。
【0030】
呈色部27は、図3及び図4に示すように、傾斜反射部19Bに加えて底側反射部19Aにも設けられている。底側反射部19Aに設けられる呈色部27は、底側反射部19Aに供給される一次光と二次光との割合を調整等することを目的としており、底側反射部19Aの表面上において、均等に分布するように行列状に配設されている。底側反射部19Aに設けられた各呈色部27の大きさは、略同じである。また、底側反射部19Aに設けられた呈色部27の濃度(色の濃さ)は、各傾斜反射部19Bに設けられた呈色部27と同様である。但し、底側反射部19A側は、各傾斜反射部19B側と比べて、LED17からの光(一次光)が十分供給されるため、単位面積当たりの密度については、底側反射部19A側の呈色部27の方が、各傾斜反射部19B側の呈色部27よりも小さく設定されている。なお、底側反射部19Aの最も外側に配設される呈色部27は、製造設備上の都合で、それよりも内側に配設される呈色部27と比べて、サイズが小さくされている。
【0031】
また、呈色部27は、図3及び図4に示すように、底側反射部19A及び傾斜反射部19Bに加えて延出部19Cにも設けられている。つまり、呈色部27は、反射シート19の全域にわたって分散配置されている。延出部19Cに設けられた呈色部27は、延出部19Cの表面上において、均等に配列しつつ、全体として、底側反射部19A及び傾斜反射部19Bを取り囲む枠状をなす形で、配設されている。延出部19Cに設けられた各呈色部27の大きさは、略同じである。
【0032】
以上のようなバックライト装置12を備えた液晶表示装置10の電源が投入されると、図示されないコントロール基板から出力される各種信号が液晶パネル11に伝送され、液晶パネル11の表示が制御されると共に、図示されないLED駆動基板によりLED基板18上のLED17の点灯駆動が制御される。LED17の発光面17Aから発せられた光は、光学部材15にて所定の光学作用が付された後、最終的に、液晶パネル11側に向かう光となる。このような光を利用することで、液晶パネル11の表示領域AAに、視認可能な画像が表示される。
【0033】
ここで、バックライト装置12における光学部材15及び波長変換シート22での光学作用について詳細に説明する。LED17の発光面17Aからは、図4に示すように、青色光と赤色光からなるマゼンタ色光が一次光として出射される。LED17からの一次光は、第1光学部材15Aを構成する第1拡散板20に含有される拡散粒子により拡散作用が付与されるのに加えて第1レンチキュラーレンズ25によりY軸方向について選択的に集光作用が付与された後、その一部は、第1拡散板20上の波長変換シート22に入射する。波長変換シート22に入射した一次光のうち、青色光の一部は、波長変換シート22中の緑色蛍光体により波長変換されて緑色光(二次光)となって放出される。波長変換シート22からは、緑色光と共に、波長変換されずに透過した青色光や赤色光が出射される。このように、波長変換シート22からは、LED17からの一次光(青色光、赤色光)と、波長変換後に得られた二次光(緑色光)と、が出射されることで、白色光が形成される。波長変換シート22の出射光は、第2拡散板21に入射し、第2拡散板21に含有される拡散粒子により拡散作用が付与されるのに加えて第2レンチキュラーレンズ26によりX軸方向について選択的に集光作用が付与される。
【0034】
なお、波長変換シート22から出射された一次光(青色光、赤色光)と、二次光(緑色光)と、は、図4に示すように、第2光学部材15Bを構成するプリズムシート23に入射して集光作用が付与され、その後、反射型偏光シート24において、特定の偏光光(p波)が選択的に透過されて液晶パネル11に向かい、それとは異なる特定の偏光光(s波)が選択的に裏側へ反射される。反射型偏光シート24にて反射されたs波の光、プリズムシート23で集光作用を付与されずに裏側に向けて反射された光、更には各拡散板20,21にて裏側に向けて反射された光等は、反射シート19で反射されて再び表側に向けて進行することになる。
【0035】
次いで、反射シート19及び呈色部27等の光学作用について詳細に説明する。反射シート19は、図4に示すように、直接、光学部材15側に向かわないLED17からの一次光(青色光及び赤色光からなるマゼンタ色光)や、光学部材15等により裏側へ戻された光(一次光及び二次光)を、表側に向けて反射する。反射シート19において、傾斜反射部19Bには、底側反射部19Aよりも、単位面積当たりの密度が高くなるように、呈色部27が形成されている。そのため、傾斜反射部19B側に供給される一次光の量が、底側反射部19A側に供給される一次光の量よりも少なくても、傾斜反射部19B側では、呈色部27が多くの一次光(マゼンタ色光)を反射するため、傾斜反射部19B側での反射光と、底側反射部19A側での反射光との間に、色の差が生じることが抑制されている。
【0036】
より詳しくは、傾斜反射部19Bは、図4に示すように、底側反射部19Aに比べると、光学部材15を構成する第1光学部材15Aとの間の距離が短くなっているため、傾斜反射部19Bと第1光学部材15Aとの間で多重反射が生じ易くなっていることから、第1光学部材15Aに含まれる波長変換シート22による光の波長変換効率が局所的に高くなることが懸念される。特に、傾斜反射部19Bと第1光学部材15Aとの間の距離は、底側反射部19Aから外側に向かう(離れる)ほど短くなる傾向であるため、多重反射光が波長変換シート22を透過する回数は、底側反射部19Aから外側に向かうほど多くなる。その点、傾斜反射部19Bに設けられる呈色部27は、底側反射部19Aに設けられる呈色部27より単位面積当たりの密度が高くなっているから、傾斜反射部19B側に波長変換シート22により波長変換された二次光(緑色光)が多く供給されても、傾斜反射部19B側では、呈色部27が多くの二次光(緑色光)を吸収するため、傾斜反射部19B側での反射光と底側反射部19A側での反射光との間に、色の差が生じることが抑制されている。しかも、傾斜反射部19Bにおいて呈色部27は、底側反射部19A側から外側に向かうにつれて単位面積当たりの密度が高くなっているから、波長変換シート22を透過する回数が多い多重反射光ほど強い呈色作用が付与され、二次光の吸収量がより多くなる。これにより、多重反射光に色ムラがより生じ難くなっている。
【0037】
ところで、図4に示すように、第1拡散板20に入射した光が第1レンチキュラーレンズ25を構成する第1シリンドリカルレンズ25Aの表面に達すると、その表面にて反射されてLED17側に戻される場合があり、その反射光はLED17側で反射されて再び第1拡散板20に入射することになる。ここで、仮に波長変換シートが第1拡散板20に対してLED17側に配された場合には、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過するため、光が過剰に波長変換されて色ムラが生じるおそれがある。その点、波長変換シート22は、第1拡散板20に対してLED17側とは反対側に配されているから、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過ことが避けられ、もってLED17の光が波長変換シート22によって過剰に波長変換されることに起因する色ムラの発生が生じ難くなる。
【0038】
このようなバックライト装置12では、波長変換シート22の画面中央側(表示領域AAの中央側)と画面周縁側(表示領域AAの周縁側)とにそれぞれ供給される一次光の量等が均質化され、その結果、バックライト装置12から出射される出射光の色が均質化され、色ムラが抑制される。
【0039】
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、光を発する発光面17Aを有するLED(光源)17と、発光面17Aと対向するよう配され、発光面17Aから発せられた光に拡散作用を付与する第1拡散板20と、第1拡散板20に対してLED17側とは反対側に重なる状態で配され、発光面17Aから発せられた光に拡散作用を付与する第2拡散板21と、発光面17Aから発せられた光を波長変換する蛍光体を含む波長変換シート22であって、第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれる波長変換シート22と、を備える。
【0040】
このようにすれば、LED17の発光面17Aから発せられた光は、第1拡散板20を透過する際に少なくとも拡散作用が付与され、その後波長変換シート22を透過する際に波長変換され、さらにその後第2拡散板21を透過する際に再び少なくとも拡散作用が付与される。波長変換シート22は、相対的に高い剛性を有する第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれているから、外力が作用した場合でも波長変換シート22に歪みや皺などの局所的な変形が生じ難くなるとともに、熱膨張や熱収縮に伴う局所的な変形も生じ難くなる。さらには、第1拡散板20と第2拡散板21との間に挟み込まれた波長変換シート22は、外部に露出する面積が極めて小さくなるので、外気に含まれる水分を吸収する事態が生じ難くなる。以上により、波長変換シート22の変形や吸湿の発生が好適に抑制される。
【0041】
また、第1拡散板20は、その板面に沿う第1方向に沿って延在し、板面に沿い且つ第1方向と直交する第2方向に沿って並んで配される複数の第1シリンドリカルレンズ25Aからなる第1レンチキュラーレンズ25を有する。このようにすれば、第1拡散板20に入射した光には、第1レンチキュラーレンズ25によって複数の第1シリンドリカルレンズ25Aの並び方向である第2方向について選択的に集光作用が付与される。その一方、第1拡散板20に入射した光が第1レンチキュラーレンズ25を構成する第1シリンドリカルレンズ25Aの表面に達すると、その表面にて反射されてLED17側に戻される場合があり、その反射光はLED17側で反射されて再び第1拡散板20に入射することになる。ここで、仮に波長変換シートが第1拡散板20に対してLED17側に配された場合には、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過するため、光が過剰に波長変換されて色ムラが生じるおそれがある。その点、波長変換シート22は、第1拡散板20に対してLED17側とは反対側に配されているから、第1拡散板20による反射光が波長変換シート22を繰り返し透過ことが避けられ、もってLED17の光が波長変換シート22によって過剰に波長変換されることに起因する色ムラの発生が生じ難くなる。
【0042】
また、第2拡散板21は、第2方向に沿って延在し、第1方向に沿って並んで配される複数の第2シリンドリカルレンズ26Aからなる第2レンチキュラーレンズ26を有する。このようにすれば、第2拡散板21に入射した光には、第2レンチキュラーレンズ26によって複数の第2シリンドリカルレンズ26Aの並び方向である第1方向について選択的に集光作用が付与される。従って、当該バックライト装置12の出射光には、第1拡散板20により第2方向について選択的に集光作用が付与されるのに加えて、第2拡散板21により第1方向について選択的に集光作用が付与されることになるから、当該バックライト装置12の出射光に係る正面輝度が高いものとなる。
【0043】
また、LED17に対して発光面17A側とは反対側に配される底板部(底部)14Aと、底板部14Aの外端部に連ねられて第1拡散板20の外端部を支持する受け板部(拡散板支持部)14Dと、を有していてLED17を収容するシャーシ14と、第2拡散板21の外端部を受け板部14D側とは反対側から押さえるフレーム(拡散板押さえ部材)16と、を備えており、波長変換シート22は、その外端部が受け板部14Dとフレーム16との間に、第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部を介して挟み込まれる。このようにすれば、LED17を収容するシャーシ14は、底板部14Aの外端部に連ねられる受け板部14Dが第1拡散板20の外端部を支持する。フレーム16は、第2拡散板21の外端部を受け板部14D側とは反対側から押さえる。そして、受け板部14Dとフレーム16との間には、波長変換シート22の外端部が第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部を介して挟み込まれる。従って、第1拡散板20の外端部を出射した光が波長変換シート22の外端部を透過して波長変換される確実性が高くなるので、仮に波長変換シートの外端部が第1拡散板20及び第2拡散板21の各外端部より内側に引っ込む配置とされる場合に比べると、当該バックライト装置12の外端部付近にてLED17の光が波長変換されずに外部に出射する事態が生じ難くなり、もって外端部付近の出射光に色ムラが生じ難くなる。
【0044】
また、LED17に対して発光面17A側とは反対側に配される底板部14Aを有していてLED17を収容するシャーシ14と、発光面17Aから発せられた光を第1拡散板20側へ反射する反射シート19であって、LED17を露出させつつ底板部14Aを覆う底側反射部19Aと、底側反射部19Aから外側に傾斜しつつ第1拡散板20側に向かって立ち上がる傾斜反射部19Bと、を少なくとも有する反射シート19と、各々が発光面17Aから発せられた光と同色、又はその光を構成する各原色光と同色を呈していて少なくとも傾斜反射部19Bの表面上に配される複数のドット状の呈色部27と、を備える。このようにすれば、シャーシ14内に収容されたLED17の発光面17Aから発せられた光は、反射シート19の底側反射部19A及び傾斜反射部19Bによって第1拡散板20側へ反射される。第1拡散板20や第2拡散板21に達した光には、反射シート19側へ反射されるものも少なからず含まれている。ここで、反射シート19のうち、傾斜反射部19Bは、各拡散板20,21との間の距離が底側反射部19Aに比べて短いため、各拡散板20,21との間で光の多重反射が生じ易くなっている。この多重反射光は、その過程で波長変換シート22を繰り返し透過することで波長変換が過度になされてしまい、結果として色ムラが生じることが懸念される。その点、反射シート19の傾斜反射部19Bの表面上には、LED17の発光面17Aから発せられた光と同色、又はその光を構成する各原色光と同色を呈する呈色部27が配されているから、上記のように各拡散板20,21と傾斜反射部19Bとの間で多重反射する光には、呈色部27による呈色作用が付与され、呈色作用を受けない光に比べると、LED17の光の色味に近い色味を帯びることになる。従って、多重反射光に色ムラが生じ難くなる。しかも、呈色部27は、複数のドット状とされているから、傾斜反射部19Bにおける分布密度や色の濃度などを細やかに調整することができ、色ムラを抑制するのに好適となっている。
【0045】
また、呈色部27は、底側反射部19A側から外側に向かうにつれて単位面積当たりの密度又は色の濃度が高くなる。傾斜反射部19Bと各拡散板20,21との間の距離は、底側反射部19A側から外側に向かうほど短くなるため、多重反射光が波長変換シート22を透過する回数は、底側反射部19A側から外側に向かうほど多くなる。これに対し、呈色部27は、底側反射部19A側から外側に向かうにつれて単位面積当たりの密度又は色の濃度が高くなっているから、波長変換シート22を透過する回数が多い多重反射光ほど強い呈色作用が付与されることになる。これにより、多重反射光に色ムラがより生じ難くなる。
【0046】
また、LED17は、発光面17Aから青色光と赤色光とを含むマゼンタ色光を発し、波長変換シート22は、蛍光体として、青色光を緑色光に波長変換する緑色蛍光体を含む。このようにすれば、LED17の発光面17Aから発せられたマゼンダ色光には、青色光と赤色光とが含まれているから、波長変換シート22を透過する際には、マゼンダ色光に含まれる青色光が緑色光に波長変換される。これにより、当該バックライト装置12の出射光には、青色光、緑色光及び赤色光が含まれ、全体として白色光となる。
【0047】
また、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記記載のバックライト装置12と、バックライト装置12から照射される光を利用して画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、を備える。このような液晶表示装置10によれば、バックライト装置12に備わる波長変換シート22の変形や吸湿が抑制されているから、色ムラなどが抑制された優れた表示品位が得られる。
【0048】
また、本実施形態に係るテレビ受信装置10TVは、上記記載の液晶表示装置10を備える。このようなテレビ受信装置10TVによれば、液晶表示装置10の表示品位が優れたものとされているから、表示品位に優れたテレビ画像の表示を実現することができる。
【0049】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図6によって説明する。この実施形態2では、第1拡散板120及び第2拡散板121の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0050】
本実施形態に係る第1拡散板120及び第2拡散板121は、図6に示すように、共に平板状をなしている。つまり、第1拡散板120及び第2拡散板121は、上記した実施形態1に記載したようなレンチキュラーレンズ25,26(図5を参照)を有さない構成とされる。このような構成の第1拡散板120及び第2拡散板121は、波長変換シート122を表裏両側から面接触する形で挟持するので、波長変換シート122に局所的な変形がより生じ難いものとなる。
【0051】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した実施形態1以外にも、第1拡散板の第1レンチキュラーレンズを構成する第1シリンドリカルレンズの延在方向がY軸方向と、並び方向がX軸方向と、それぞれ一致し、第2拡散板の第2レンチキュラーレンズを構成する第2シリンドリカルレンズの延在方向がX軸方向と、並び方向がY軸方向と、それぞれ一致する構成であっても構わない。
(2)上記した各実施形態では、第1光学部材と第2光学部材との間にフレームの内枠部が介在する構成を示したが、第1光学部材に対して表側に第2光学部材が直接載置されていても構わない。また、第2光学部材に含まれる光学シートの具体的な種類・枚数・積層順などは適宜に変更可能である。
(3)上記した各実施形態では、第1光学部材が2枚の拡散板を有する構成を示したが、第1光学部材が3枚以上の拡散板を有する構成であっても構わない。その場合、2枚以上の拡散板が波長変換シートに対して表側と裏側とのいずれか一方のみに配されていても構わないが、2枚以上の拡散板が波長変換シートに対して表側と裏側との両方に配されていても構わない。なお、2枚以上の拡散板を波長変換シートに対して裏側にのみ選択的に配置し、波長変換シートに対して表側には拡散板が1枚のみ配される構成を採れば、波長変換シートに対して表側に配される1枚の拡散板(第1拡散板)による反射光量が、波長変換シートに対して裏側に配される2枚以上の拡散板(第2拡散板)による反射光量より少なくなるので、波長変換シートを透過する反射光量が少なくなり、もって色ムラの発生を抑制する上で好ましい。
(4)上記した各実施形態では、LEDの発光面と第1拡散板の裏側の板面とが直接対向配置される場合を示したが、LEDの発光面と第1拡散板の裏側の板面との間に他の部材が介在していても構わない。
(5)上記した各実施形態では、反射シートの傾斜反射部に設けられた呈色部における平面に視たサイズ(大きさ)を底側反射部からの距離に応じて変化させることで単位面積当たりの密度を変化させた構成を示したが、傾斜反射部に設けられた呈色部における平面に視たサイズを一定するものの、隣り合う呈色部の間の間隔(配列ピッチ)を底側反射部からの距離に応じて変化させることで、単位面積当たりの密度を変化させるようにしても構わない。また、傾斜反射部に設けられた呈色部における平面に視たサイズと、隣り合う呈色部の間の間隔と、を共に底側反射部からの距離に応じて変化させることも可能である。
(6)上記した各実施形態では、反射シートの傾斜反射部に設けられた呈色部における色の濃度を一定に保ちつつ単位面積当たりの密度を底側反射部からの距離に応じて変化させた構成を示したが、傾斜反射部に設けられた呈色部における単位面積当たりの密度を一定に保ちつつ色の濃度を底側反射部からの距離に応じて変化させることも可能である。さらには、傾斜反射部に設けられた呈色部における単位面積当たりの密度と色の濃度とを共に底側反射部からの距離に応じて変化させることも可能である。なお、傾斜反射部に設けられた呈色部における単位面積当たりの密度と色の濃度とを共に底側反射部からの距離に応じて変化させずに一定とすることも可能である。
(7)上記した各実施形態では、反射シートを構成する傾斜反射部に加えて底側反射部及び延出部にも呈色部を設けるようにした場合を示したが、底側反射部及び延出部のいずれか一方または両方に呈色部を非形成とすることも可能である。
(8)上記した各実施形態では、呈色部として塗膜からなるものを例示したが、それ以外にも、例えばLEDから発せられた光と同色のセロファン等を呈色部として用いてもよい。但し、上記実施形態のように、塗膜からなる呈色部は、既存の塗工装置(印刷装置等)を使用して形成することができ、しかも形成速度が速く好ましい。
(9)上記した各実施形態では、マゼンタ色(つまり、LEDの発光面から発せられた光と同色)の呈色部を使用したが、本発明はこれに限られず、発光面から発せられた光を構成する各原色光と同色の呈色部であってもよい。例えば、LEDからの光がマゼンタ色光(青色光、赤色光)の場合、マゼンタ色光を構成する青色光(原色光の一例)と同色の呈色部(青色呈色部)と、赤色光(原色光の一例)と同色の呈色部(赤色呈色部)とを組み合わせたものを、マゼンタ色の呈色部に代わるものとして使用してもよい。
(10)上記した各実施形態では、マゼンタ色光(青色光、赤色光)を出射するLED(光源)を使用したが、それ以外にも、例えば青色光を一次光として出射する光源を使用し、蛍光体として、青色光を緑色光に波長変換する緑色蛍光体と、青色光を赤色光に波長変換する赤色蛍光体とを含む波長変換シートを使用してもよい。この場合、波長変換シートからは、前記蛍光体で波長変換された二次光として、緑色光と赤色光が出射され、反射シートの傾斜反射部等には、青色を呈する呈色部(青色呈色部)が形成される。また、緑色蛍光体として、例えば、SrGa:Eu2+を使用し、赤色蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)S:Eu2+を使用してもよい。
(11)また、他の場合としては、青色光を一次光として出射する光源を使用し、蛍光体として、青色光を黄色光に波長変換する黄色蛍光体を含む波長変換シートを使用してもよい。この場合、波長変換シートからは、前記蛍光体で波長変換された二次光として、黄色光が出射され、反射シートの傾斜反射部等には、青色を呈する呈色部(青色呈色部)が形成される。
(12)また、他の場合としては、紫色の光を出射する光源を使用し、蛍光体として、黄色蛍光体及び緑色蛍光体を含む波長変換シートを使用してもよい。この場合、呈色部としては、紫色を呈する呈色部が利用される。
(13)また、他の場合としては、シアン色の光を出射する光源を使用し、蛍光体として、赤色蛍光体を含む波長変換シートを使用してもよい。この場合、呈色部としては、シアン色を呈する呈色部が利用される。
(14)上記した各実施形態では、波長変換シートの蛍光体として、硫黄化物蛍光体を使用したが、本発明はこれに限られず、例えば、量子ドット蛍光体(Quantum Dot Phosphor)を用いてもよい。量子ドット蛍光体は、ナノサイズ(例えば、直径2nm〜10nm程度)の半導体結晶中に電子・正孔や励起子を三次元空間方位で閉じ込めることで、離散的エネルギー準位を有しており、そのドットのサイズを変えることで発光光のピーク波長(発光色)等を適宜選択することができる。なお、量子ドット蛍光体は、空気中の酸素や水分と反応して劣化し易く、また環境負荷物質であるカドミウム等を使用するため、波長変換シートの蛍光体としては、上述した硫化物蛍光体が好ましい。硫化物蛍光体は、二酸化ケイ素膜で被覆されており、また、波長変換シート中にガス吸収材を添加することで、高温高湿環境下においても、信頼性が高いと言える。
(15)上記した各実施形態では、ドット状の呈色部として、円形状のものを使用したが、本発明のドット状の呈色部は、これらの形状に限られず、例えば、四角形、三角形状等の多角形状、楕円形状、不規則な形状等、本願発明の目的を損なわない限り、特に制限はない。
(16)上記した各実施形態では、シャーシが金属製とされた場合を例示したが、シャーシを合成樹脂製とすることも可能である。
(17)上記した各実施形態では、光源としてLEDを用いたものを示したが、有機ELなどの他の光源を用いることも可能である。
(18)上記した各実施形態では、液晶パネル及びシャーシがその短辺方向を鉛直方向と一致させた縦置き状態とされるものを例示したが、液晶パネル及びシャーシがその長辺方向を鉛直方向と一致させた縦置き状態とされるものも本発明に含まれる。
(19)上記した各実施形態では、液晶表示装置のスイッチング素子としてTFTを用いたが、TFT以外のスイッチング素子(例えば薄膜ダイオード(TFD))を用いた液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示装置にも適用可能である。
(20)上記した各実施形態では、透過型の液晶表示装置を例示したが、それ以外にも反射型の液晶表示装置や半透過型の液晶表示装置にも本発明は適用可能である。
(21)上記した各実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを用いた液晶表示装置を例示したが、他の種類の表示パネルを用いた表示装置にも本発明は適用可能である。
(22)上記した各実施形態では、チューナーを備えたテレビ受信装置を例示したが、チューナーを備えない表示装置にも本発明は適用可能である。具体的には、電子看板(デジタルサイネージ)や電子黒板として使用される液晶表示装置にも本発明は適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10…液晶表示装置(表示装置)、10TV…テレビ受信装置、11…液晶パネル(表示パネル)、12…バックライト装置(照明装置)、14…シャーシ、14A…底板部(底部)、14D…受け板部(拡散板支持部)、16…フレーム(拡散板押さえ部材)、17…LED(光源)、17A…発光面、19…反射シート、19A…底側反射部、19B…傾斜反射部、20,120…第1拡散板、21,121…第2拡散板、22,122…波長変換シート、25…第1レンチキュラーレンズ、25A…第1シリンドリカルレンズ、26…第2レンチキュラーレンズ、26A…第2シリンドリカルレンズ、27…呈色部
図1
図2
図3
図4
図5
図6