(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記空冷空間内で互いに対向配置され、前記電気信号を光信号に変換して送信する複数の回路基板を更に備えた、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、一実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、一実施形態に係るX線CT装置1の構成を示すブロック図である。X線CT装置1は、X線管11から被検体Pに対してX線を照射し、当該照射されたX線をX線検出器12で検出する。X線CT装置1は、当該X線検出器12からの出力に基づいて、被検体Pに関するCT画像を生成する。
【0016】
図1に示すX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。架台装置10は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。寝台装置30は、X線CT撮影の対象となる被検体Pを載置し、X線CT撮影を実行する位置まで移動するための装置である。コンソール装置40は、架台装置10を制御するコンピュータである。
【0017】
例えば、架台装置10および寝台装置30はCT検査室に設置され、コンソール装置40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。なお、コンソール装置40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール装置40は、架台装置10及び寝台装置30とともに同一の部屋に設置されてもよい。いずれにしても架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
【0018】
架台装置10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17及びDAS18を有する。
【0019】
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射する真空管である。照射された熱電子は、ターゲットの焦点に衝突した際のエネルギーによってX線に変換される。これにより、X線管11は、熱電子が衝突したターゲットの焦点から、被検体Pへ照射するX線を発生する。X線管11で発生したX線は、コリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。
【0020】
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器(半導体検出器)であっても構わない。
【0021】
回転フレーム13は、X線発生部とX線検出器12とを回転軸回りに回転可能に支持する。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、アルミニウム等の金属により形成された固定フレーム(図示せず)に回転可能に支持される。詳しくは、回転フレーム13は、ベアリングを介して固定フレームの縁部に接続されている。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸Z回りに一定の角速度で回転する。なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなす開口(ボア)が形成された略円筒形状の筐体に収容されている。開口はFOV19に略一致する。開口の中心軸は、回転フレーム13の回転軸Zに一致する。回転フレーム13の回転軸Zは、X線管11の回転軸Zと呼んでもよい。なお、DAS18が生成した検出データは、例えば発光ダイオード(LED)を有する回路基板90から光通信によって架台装置の非回転部分(例えば固定フレーム)に設けられた、フォトダイオードを有するデータ受信装置25に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレームから架台装置の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。また、回転フレーム13は、特許請求の範囲に記載の回転部の一例である。
【0022】
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。
【0023】
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール装置40からの指令に従い、X線高電圧装置14およびDAS18等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。また、制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。また、制御装置15は、回転フレーム13の回転期間にファン(図示せず)をオフし、回転フレーム13の停止期間にファンをオンさせる制御を行ってもよい。また、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。なお、制御装置15は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。また、制御装置15は、特許請求の範囲に記載の第1制御部及び第2制御部の一例である。
【0024】
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
【0025】
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
【0026】
DAS18(Data Acquisition System)は、被検体Pにより減弱されたX線の強度を示すデジタル値を1ビューごとに収集する。DAS18は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、増幅された電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、当該デジタル信号が示すデジタル値を有する検出データを生成する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、および収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値のセットである。なお、ビュー番号としては、ビューが収集された順番(収集時刻)を用いてもよく、X線管11の回転角度を表す番号(例、1〜1000)を用いてもよい。また、DAS18が生成した検出データは、架台装置10に収容されたデータ受信装置25を介してコンソール装置40へと転送される。
【0027】
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
【0028】
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。
【0029】
寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置15による制御に従い、天板33を移動する。例えば、寝台駆動装置32は、天板33に載置された被検体Pの体軸が回転フレーム13の開口の中心軸に一致するよう、天板33を被検体Pに対して直交方向に移動する。また、寝台駆動装置32は、架台装置10を用いて実行されるX線CT撮影に応じて、天板33を被検体Pの体軸方向に沿って移動してもよい。寝台駆動装置32は、制御装置15からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。寝台駆動装置32は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現される。
【0030】
支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
【0031】
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
【0032】
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。例えば、メモリ41は、CT画像や表示画像のデータを記憶する。また、メモリ41は、本実施形態に係る制御プログラムを記憶する。
【0033】
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。
【0034】
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
【0035】
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、画像処理機能444、スキャン制御機能445、表示制御機能446などを実行する。なお、各機能441〜446は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441〜446を実現するものとしても構わない。
【0036】
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能441は、メモリ41に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路44内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線CT装置1の各部を制御する。例えば、処理回路44は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。
【0037】
前処理機能442は、データ受信装置25から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前のデータ(検出データ)および前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。
【0038】
再構成処理機能443は、前処理機能442にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。
【0039】
画像処理機能444は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。
【0040】
スキャン制御機能445は、X線高電圧装置14に高電圧を供給させて、X線管11にX線を照射させるなど、X線スキャンに関する各種動作を制御する。例えば、スキャン制御機能445は、スキャン範囲、撮影条件等を決定するための被検体Pの2次元の位置決め画像データを取得する。なお、位置決め画像データはスキャノ画像データやスカウト画像データと呼ばれる場合もある。
【0041】
表示制御機能446は、各機能441〜445による処理途中又は処理結果の情報を表示するようにディスプレイ42を制御する。
【0042】
以下、
図1乃至
図7Cを参照して、架台装置10におけるX線検出器12、DAS18及び回路基板90を含むX線検出部50の構成の一例を説明する。このX線検出部50は、回転フレーム13により、X線管11と共に回転可能に支持されている。
【0043】
図2及び
図3は、X線検出部50の構成を示す斜視図である。このX線検出部50は、X線を電気信号に変換する複数の検出器モジュール70を含んでいる。複数の検出器モジュール70は、チャンネル方向C及び列方向Sに沿ってアレイ状に配列されている。
図3に示す例では、列方向に4列となる4個の検出器モジュール70がチャンネル方向に多数配置されている。
【0044】
ここで、X線検出部50は、遮蔽部材51、熱交換器52、包囲部材53及び第1のファンを備えている。
【0045】
遮蔽部材51は、複数の検出器モジュール70を包囲するように配置され、複数の検出器モジュール70を密閉する密閉空間の一部を形成する。遮蔽部材51は、X線管11から中心角をファン角θとする扇状の範囲で照射されたX線が入射する面がX線を透過し外部からの光を遮蔽する材料により構成され、それ以外の面が外部からの光や不要なX線を遮蔽する例えばアルミ鋳物により構成される。
【0046】
熱交換器52は、密閉空間を遮蔽部材51と共に形成し、当該密閉空間と空冷空間との間で熱交換を行う。すなわち、熱交換器52は、密閉空間と空冷空間との境界面に設けられる。熱交換器52としては、例えば、プレート型熱交換器の如き、隔壁式単相流熱交換器が使用可能となっている。また例えば、熱交換器52としては、片面に放熱部材を有する2枚のヒートシンクを背中合わせに貼り合わせた構造としてもよい。また、熱交換器52は、基板71とDAS18等の電子回路とからなる発熱体よりも、X線管11に近い位置には設けなくてもよい。また、「密閉空間」及び「空冷空間」は、それぞれ「第1の空間」及び「第2の空間」と呼んでもよい。
【0047】
包囲部材53は、空冷空間及び熱交換器52を包囲するように配置された複数の面と、複数の面のうち、回転フレーム13の回転方向に直交する複数の面に個別に形成された複数の第1開口54とを含んでいる。複数の第1開口54は、回転フレーム13の回転に応じて空冷空間に空気を流すため、回転軌道上で互いに対向する位置にあることが好ましい。本実施形態では、包囲部材53は、熱交換器52に対向する面に配置された複数の第2のファン55と、複数の第2のファン55から送出された風を排出するための複数の開口56とを有している。複数の開口56は、第1開口54が形成された複数の面とは異なる複数の面に形成されている。言い換えると、包囲部材53は、空冷空間及び熱交換器52を包囲する複数の面により箱状に形成され、各々の面には、第1開口54、第2のファン55及び複数の開口56のいずれかが形成されている。なお、第2のファン55は、回転フレーム13の回転中心に近い位置に配置される方が、遠心力による負荷が小さくなる観点から好ましい。
【0048】
図4は、
図3の4−4線矢視断面図である。このX線検出部50は、密閉空間SP1内に、複数の検出器モジュール70と、ケーブル80と、放熱部材81と、回路基板90と、第1のファン57とを備える。
【0049】
ここで、各検出器モジュール70は、基板71、X線変換素子72、DAS18を含む電子回路、コネクタ74及び保持部材75を備える。各検出器モジュール70は、発熱体を含み、埃の混入を防ぎたいモジュールである。発熱体は、検出器モジュール70への電力の供給により熱を発生する部品であり、基板71と、DAS18等の電子回路とが該当する。
【0050】
ここで、基板71は、高熱伝導性及び高絶縁性を有する例えばセラミックにより構成される。そして、基板71には、X線が入射する表面側の面上にX線変換素子72とこのX線変換素子72の近傍に配置されたDAS18等の電子回路とが実装されている。また、基板71には、裏面側の面上にコネクタ74及び保持部材75が配置されている。
【0051】
X線変換素子72は、X線を光に変換するシンチレータ及びこのシンチレータにより変換された光を電気信号に変換するフォトダイオードにより構成される。そして、X線変換素子72は、X線管11から照射され、被検体Pを透過したX線を検出して電気信号に変換する。
【0052】
DAS18等の電子回路は、X線変換素子72により変換された電気信号を電圧信号に変換して増幅し、増幅した電圧信号をデジタル信号に変換して投影データ(を示す電気信号)を生成する。DAS18等の電子回路は、例えばASICとして実装される。なお、電子回路のADC(Analog to Digital Converter)は、基板71上に実装される場合に限らず、例えば、X線変換素子72のフォトダイオードが形成されたシリコン上に形成してもよい。これに限らず、DAS18等の電子回路は、任意の形態で実装可能となっている。
【0053】
コネクタ74は、DAS18等の電子回路でデジタル信号への変換により生成された投影データをケーブル80に出力する。
【0054】
保持部材75は、剛性及び高熱伝導性を有する例えばアルミニウム等の材料により構成される。そして、保持部材75は、一端部側が基板71に配置され、他端部が放熱部材81を介してケーブル80を保持する。
【0055】
ケーブル80は、各検出器モジュール70から出力された投影データ(を示す電気信号)を回路基板90に出力するケーブルであり、一端部側に配置された4個のコネクタ801と、薄くて柔軟性を有する例えばFPC等のフレキシブル配線板802とにより構成される。
【0056】
各コネクタ801は、フレキシブル配線板802の一端部側に配置され、列方向Sにおける各検出器モジュール70のコネクタ74に係合して当該検出器モジュール70と電気的に接続される。
【0057】
フレキシブル配線板802は、放熱部材81を介して各検出器モジュール70の保持部材75に保持され、回路基板90とこの回路基板90に最も近い検出器モジュール70との間では屈曲して配置される。そして、フレキシブル配線板802は、各検出器モジュール70からコネクタ801に出力された投影データを回路基板90に伝送する。
【0058】
放熱部材81は、柔軟性を有し、且つ、面方向に高い熱伝導性を有する例えばグラファイトシートにより構成される。そして、放熱部材81は、フレキシブル配線板802の両面の表面全域に亘って密着して配置され、一端部側の各検出器モジュール70の基板71近傍では保持部材75に接触して配置される。なお、放熱部材81をフレキシブル配線板802の片側表面に配置して実施するようにしてもよい。また、放熱部材81は、任意の付加的事項であり、省略してもよい。
【0059】
回路基板90は、各検出器モジュール70で生成された投影データを例えば光通信によりデータ受信装置25に送信処理する送信回路と、密閉空間SP1内で空気を循環させる第1のファン57と、それらの電源等とが高密度に実装されている。例えば、複数の回路基板90は、密閉空間SP1内で互いに対向配置され、(投影データを示す)電気信号を光信号に変換して送信する。第1のファン57は、複数の回路基板90間の空気を流動させるように配置されている。なお、第1のファン57は、回路基板90に限らず、密閉空間SP1内の任意の位置に設けることが可能である。
【0060】
また、密閉空間SP1内を循環する空気の流れFL1は、例えば、第1のファン57から熱交換器52、各検出器モジュール70及び回路基板90を介して第1のファン57に戻る経路を通っている。このような空気の流れFL1により、密閉空間SP1内で効率的に検出器モジュール70を冷却して、検出器モジュール70から生じる熱勾配を解消し、熱交換器52による熱交換を促進する。この熱勾配は、検出器モジュール70への電力供給に伴い、基板71と、DAS18等の電子回路とが発熱することにより生じる。また、第1のファン57が複数の回路基板90間の空気を流動させるため、回路基板90間に熱がこもらないようにして、密閉空間SP1内の熱勾配を解消し、熱交換を促進することができる。
【0061】
空冷空間内SP2を流れる空気の流れFL2は、例えば、第2のファン55から送出され、空冷空間SP2及び熱交換器52を介して開口56から排出される経路を通っている。このような空気の流れFL2により、熱交換器52を空冷し、熱交換を促進する。
【0062】
ここで、空気の流れFL1,FL2について、
図5乃至
図7Cを用いて補足的に述べる。
図5は、
図4の5−5線矢視断面の一部を示す模式図であり、
図6Aは、密閉空間SP1側の熱交換器52を説明するための模式図である。
図6Bは、第1のファン57による空気の流れFL1を説明するための模式図である。
【0063】
図5及び
図6Aに示すように、密閉空間SP1内において、チャンネル方向Cに沿って、互いに略平行に複数の回路基板90が配置されている。第1のファン57は、回路基板90毎に設けられ、熱交換器52に対向して配置されている。熱交換器52は、密閉空間SP1側において、基板52a上に複数の平板部材52bが互いに略平行に設けられている。また、複数の平板部材52bと、複数の回路基板90とは、互いに略平行である。複数の平板部材52bの長手方向は、例えば、チャンネル方向C及び列方向Sに直交する方向(X線の照射方向)である。但し、複数の平板部材52bのうちの中央の平板部材52bの長手方向をチャンネル方向C及び列方向Sに直交する方向とし、残りの平板部材52bの長手方向を、中央の平板部材52bの長手方向に平行な方向としてもよい。なお、複数の回路基板90の面方向も同様に、チャンネル方向C及び列方向Sに直交する方向としてもよい。あるいは、中央の回路基板90の面方向をチャンネル方向C及び列方向Sに直交する方向とし、残りの回路基板90の面方向を、中央の回路基板90の面方向に平行な方向としてもよい。
【0064】
このような熱交換器52に向けて第1のファン57から空気を送出すると、
図6Bに示すように、空気の流れFL1が、熱交換器52の基板52a上を複数の平板部材52bの長手方向に沿って進むように生じる。
【0065】
図7Aは、空冷空間SP2側の熱交換器52を説明するための模式図であり、
図7Bは、X線検出部50の回転による空気の流れFL2を説明するための模式図である。
図7Cは、第2のファン55による空気の流れFL2を説明するための模式図である。
【0066】
図7Aに示すように、空冷空間SP2側において、熱交換器52は、基板52a上に互いに等間隔を有して格子状に配列された複数の角柱部材52cを有している。複数の角柱部材52cの長手方向は、基板52aに直交する方向である。なお、空冷空間SP2側において、熱交換器52は、角柱部材52cに代えて、他の部材を設けてもよい。但し、
図7B及び
図7Cに示す如き、空気の流れFL2に沿った形状の部材が好ましい。例えば、回転方向d1に沿った長手方向を有する複数の平板部材を、適宜、間隔を空けて長手方向に沿って配置してもよい。この場合、基板2a上で回転方向d1に直交する方向については、当該平板部材を互いに平行に配置すればよい。
【0067】
次に、回転フレーム13の回転期間中、制御装置15の制御により、第2のファン55は停止している。また、回転フレーム13の回転期間中、
図7Bに示すように、X線検出部50が回転方向d1に沿って移動すると、X線検出部50内の熱交換器52も回転方向d1に沿って移動する。このとき、図示しない第1開口54を介して空冷空間SP2を流れる空気の流れFL2は、回転方向d1とは逆方向に進むように生じる。
【0068】
また、回転フレーム13の停止期間中、X線検出部50及び熱交換器52も移動を停止する。また、回転フレーム13の停止期間中、制御装置15の制御により、第2のファン55が動作する。ここで、
図7Cに示すように、熱交換器52に向けて第2のファン55から空気を送出すると、空気の流れFL2が、熱交換器52の基板52a上を複数の角柱部材52cの間に沿って進むように生じる。なお、第2のファン55は、回転フレーム13の回転期間中にも動作してもよい。この場合、回転フレーム13の回転期間中に、より一層、熱交換器52による熱交換を促進できる。
【0069】
以上のような一実施形態の構成によれば、X線検出部50は、遮蔽部材51、熱交換器52、第1のファン57及び包囲部材53を備えている。遮蔽部材51は、複数の検出器モジュール70を包囲するように配置され、複数の検出器モジュール70を密閉する密閉空間SP1の一部を形成する。熱交換器52は、密閉空間SP1を遮蔽部材51と共に形成し、密閉空間SP1と空冷空間SP2との間で熱交換を行う。第1のファン57は、密閉空間SP1内で空気を循環させる。包囲部材53は、空冷空間SP2及び熱交換器52を包囲するように配置された複数の面と、当該複数の面のうち、回転部の回転方向に直交する複数の面に個別に形成された複数の第1開口54とを含む。
【0070】
ここで、複数の検出器モジュール70を密閉する密閉空間SP1を形成することにより、埃を検出器モジュールに吹き付けることがない。また、遮蔽部材51と共に密閉空間SP1を形成する熱交換器52が、密閉空間SP1と空冷空間SP2との間で熱交換を行うことにより、密閉空間SP1を冷却することができる。これに加え、熱交換器52による熱交換は、第1のファン57が密閉空間SP1内で空気を循環させることにより促進される。また、熱交換器52による熱交換は、回転部の回転期間に、第1開口54を介して空冷空間SP2を流れる空気の流れFL2が熱交換器52を空冷することにより促進される。
【0071】
従って、埃を検出器モジュールに吹き付けずに、検出器モジュールを冷却することができる。
【0072】
また、第2のファン55が空冷空間SP2側から熱交換器52を空冷し、制御装置15が第2のファン55を回転部の回転期間に停止させる。また、制御装置15が第2のファン55を回転部の停止期間に動作させる。従って、回転部の停止期間には、第2のファン55が、空冷空間SP2側から熱交換器52を空冷することにより、熱交換を促進することができる。
【0073】
また、第2のファン55が包囲部材53に設けられた構成により、X線検出部50の回転期間に、第2のファン55も移動する。従って、X線検出部50の停止位置によらず、回転部の停止期間には、第2のファン55が熱交換器52を空冷することができる。また、X線検出部50の回転期間に、第2のファン55が熱交換器52を空冷することもできる。
【0074】
また、密閉空間SP1内で互いに対向配置され、電気信号を光信号に変換して送信する複数の回路基板90を更に備え、第1のファン57が、複数の回路基板90間の空気を流動させるように配置されている。このため、回路基板90間に熱がこもらないようにして、密閉空間SP1内の熱勾配を解消し、熱交換を促進することができる。
【0075】
以上のような一実施形態は、以下の第1乃至第4変形例のように変形してもよい。また、以下の説明は、前述した図面と略同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
【0076】
<第1変形例>
第1変形例は、密閉空間SP1内の回路基板90に代えて、空冷空間SP2に回路基板を配置している。具体的には、
図8に断面図を示すように、X線検出部50は、空冷空間SP2内で互いに対向配置され、電気信号を光信号に変換して送信する複数の回路基板90aを備えている。複数の回路基板90aは、
図7Bに示した如き、回転方向d1に逆向きの空気の流れFL2に沿って面方向を有するように配置されることが好ましい。この回路基板90aは、前述した回路基板90から第1のファン57が省略されている。
【0077】
これに伴い、密閉空間SP1内の各検出器モジュール70から出力される投影データを示す電気信号を伝送するケーブル80は、熱交換器52に形成された開口部86を介して空冷空間SP2内の回路基板90aに接続される。この開口部86は、ケーブル80及び放熱部材81により封止されることにより、密閉空間SP1の密閉状態を維持する。また、放熱部材81は、各検出器モジュール70で発生した熱を、開口部86を介して空冷空間SP2に伝達することにより、各検出器モジュール70の温度を下げることができる。但し、放熱部材81は、必須ではなく、任意の付加的事項であり、省略可能である。
【0078】
また、密閉空間SP1内において、遮蔽部材51には少なくとも1つの第1のファン57aが設けられている。この第1のファン57aは、密閉空間SP1内で空気を循環させる。
【0079】
他の構成は、一実施形態と同様である。
【0080】
以上のような第1変形例によれば、空冷空間SP2内で互いに対向配置され、電気信号を光信号に変換して送信する複数の回路基板90aを備えた構成としても、一実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加え、密閉空間SP1の外に回路基板90aを配置した構成により、密閉空間SP1を小型化することができる。
【0081】
<第2変形例>
第2変形例は、密閉空間SP1内の複数の回路基板90のうちの1枚の回路基板90cを空冷空間SP2に配置した構成となっている。なお、残りの回路基板90bは、前述同様に、密閉空間SP1内に配置されている。ここで、回路基板90cとしては、例えば、残りの回路基板90bを制御する制御回路基板が使用可能となっている。
【0082】
これに伴い、回路基板90cは、例えば、空冷空間SP2内で熱交換器52上に配置されてもよい。また、回路基板90cは、第1のファン57が省略されており、コネクタ91を有している。コネクタ91に接続されたケーブル83は、熱交換器52に形成された開口部86cを介して密閉空間SP2内の回路基板90bに接続されている。この開口部86aは、ケーブル83により封止されることにより、密閉空間SP1の密閉状態を維持する。なお、ケーブル83は、前述同様に、フレキシブル配線板の両面に放熱部材が形成されている。但し、ケーブル83から放熱部材を省略してもよい。
【0083】
他の構成は、一実施形態と同様である。
【0084】
以上のような第2変形例によれば、密閉空間SP1内の複数の回路基板90のうちの1枚の回路基板90cを空冷空間SP2に配置した構成としても、一実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加え、回路基板90cを空冷空間SP2に配置した分だけ、密閉空間SP1内の回路基板90bの間が広くなるので、空気の流れFL1が循環し易くなる。すなわち、一実施形態のように、全ての回路基板90を密閉空間SP1に配置してもよく、第1変形例のように、全ての回路基板90cを空冷空間SP2に配置してもよい。あるいは、第2変形例のように、回路基板90cを空冷空間SP2及び密閉空間SP1に分散して配置してもよい。すなわち、空冷空間SP2に分散配置する回路基板90cは、1枚に限定されず、複数枚であってもよい。
【0085】
<第3変形例>
第3変形例は、遮蔽部材51及び複数の熱交換器52を用いて密閉空間SP1を形成した構成である。
【0086】
具体的には、X線検出部50は、
図10に示すように、遮蔽部材51、複数の熱交換器52、第1のファン57及び複数の包囲部材53を備えている。
【0087】
遮蔽部材51は、回転フレーム13の回転軸方向に平行な複数の面で複数の検出器モジュール70を包囲するように配置され、複数の検出器モジュール70を密閉する密閉空間SP1の一部を形成する。
【0088】
複数の熱交換器52は、回転フレーム13の回転軸方向に直交して配置され、密閉空間SP1を遮蔽部材51と共に形成する。複数の熱交換器52は、当該密閉空間SP1と複数の空冷空間SP2との間で熱交換を行う。
【0089】
第1のファン57は、密閉空間SP1内で空気を循環させる。
【0090】
複数の包囲部材53は、空冷空間SP2及び熱交換器52の組毎に設けられ、空冷空間SP2及び熱交換器52を包囲するように配置された複数の面と、当該複数の面のうち、回転フレーム13の回転方向に直交する複数の面に個別に形成された複数の第1開口54とを含む。複数の第1開口54は、例えば、
図3の左側に示した第1開口54と同様に、
図10の右側の空冷空間SP2の端部(図示せず)に配置される。
【0091】
他の構成は、一実施形態と同様である。
【0092】
以上のような第3変形例によれば、遮蔽部材51及び複数の熱交換器52を用いて密閉空間SP1を形成した構成としても、一実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加え、複数の熱交換器52を用いることから、一実施形態に比べ、密閉空間SP1の冷却を促進することができる。また、複数の熱交換器52は、X線の検出面以外の任意の面に用いることができる。また、第3変形例は、第1又は第2変形例に組み合わせてもよい。
【0093】
<第4変形例>
第4変形例は、包囲部材53に設けた第2のファン55に代えて、
図11及び
図12に示すように、架台装置10に第2のファン10aを設けている。
【0094】
具体的には、X線管11、X線検出部50及び回転フレーム13を収容する架台装置10は、回転フレーム13の停止期間に包囲部材53に近接する位置に第2のファン10aが設けられている。当該位置は、回転フレーム13の停止期間中に、回転軌道上でX線検出部50が待機する位置である。第4変形例では、当該位置を、架台装置10を正面からみたときの6時の位置(回転軌道上で最も下方の位置)としている。
【0095】
包囲部材53は、停止期間において第2のファン10aと空冷空間SP2との間に位置する領域に形成された第2開口58を更に含んでいる。
【0096】
他の構成は、一実施形態と同様である。
【0097】
以上のような第4変形例によれば、架台装置10に第2のファン10aを設けた構成としても、一実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加え、第2のファン10aがX線検出部50と共に回転しないため、第2のファン10aに遠心力による負荷がかからず、第2のファン10aが故障しにくくなることが期待できる。また、第4変形例は、第1乃至第3変形例の各々に組み合わせてもよい。
【0098】
以上説明した少なくとも一つの実施形態及び変形例によれば、X線検出部は、遮蔽部材、熱交換器、第1のファン及び包囲部材を備えている。遮蔽部材は、複数の検出器モジュールを包囲するように配置され、複数の検出器モジュールを密閉する密閉空間の一部を形成する。熱交換器は、密閉空間を遮蔽部材と共に形成し、密閉空間と空冷空間との間で熱交換を行う。第1のファンは、密閉空間内で空気を循環させる。包囲部材は、空冷空間及び熱交換器を包囲するように配置された複数の面と、当該複数の面のうち、回転部の回転方向に直交する複数の面に個別に形成された複数の第1開口とを含む。
【0099】
従って、埃を検出器モジュールに吹き付けずに、検出器モジュールを冷却することができる。
【0100】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0101】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。