(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駆動アーム(3)の端部(9)に適合されるように意図されたアダプター(2)であって、前記アダプター(2)は少なくとも1つのフロント部分(11)を備え、前記少なくとも1つのフロント部分(11)の少なくとも1つのセクションは、U形状の様式で配置されるとともにフロント上方壁(11a)と2つのフロント側壁(11b)とを具備し、前記アダプター(2)は少なくとも1つのリア部分(12)を備え、前記少なくとも1つのリア部分(12)の少なくとも1つのセクションは、U形状の様式で配置されるとともにリア上方壁(12a)と2つのリア側壁(12b)とを具備し、前記フロント部分(11)及び前記リア部分(12)は、前記フロント上方壁(11a)と前記リア上方壁(12a)との間に介在する関節連結手段(13)を介し、お互いに関節連結されることを特徴とするアダプター(2)。
前記フロント部分(11)は、本体(14)及びフロント端部(15)を含み、前記本体(14)は、前記関節連結手段(13)を介して前記リア部分(12)に接続されている請求項1又は2に記載のアダプター(2)。
少なくとも1つのリア側壁(12b)には、少なくともスロープ(31)によって範囲が定められる溝(33)が設けられている請求項1〜7のいずれか一項に記載のアダプター(2)。
U形状である少なくとも1つの端部(9)であって、内部容積部(99)の範囲を定める第1の壁(95)及び2つの第2の壁(96)によって範囲が定められる少なくとも1つの端部(9)を有する駆動アーム(3)であって、前記内部容積部(99)には、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアダプター(2)が受けられ又は請求項10に記載の接続デバイス(8)が受けられる、駆動アーム(3)。
前記第1の壁(95)には、歯(17)が設けられるボタン(16)のための受け孔(90)が設けられており、前記孔(90)は、前記ボタン(16)が当接されるフロント横断エッジ(94)を有し、前記歯(17)は前記第1の壁(95)の上方に延在する、請求項11に記載の駆動アーム(3)。
駆動アーム(3)と、ワイパーブレード(1)に固定的に接合されるコネクター(10)と、回転のために前記駆動アーム(3)に前記コネクター(10)を接続する請求項1〜9のいずれか一項に記載のアダプター(2)と、を備えるワイパーシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この分野で一般的に提起される問題は、有効且つ耐久的に駆動アームの端部と協働することができるとともに、様々な形態をとることができるアダプターを提供する必要性に関する。
【0008】
より具体的には、簡単且つ迅速なワイパーシステムの保守作業を可能にするアダプターを提供し、経験の浅いユーザーが容易に保守作業を実行できるようにすることが望ましい。摩耗したワイパーブレードを新しいワイパーブレードに交換するための作業を、接続デバイスに対する、特にアダプターに対する、損傷のリスクが全くなく、容易に行うことができることが特に望ましい。
【0009】
さらに具体的には、ガラス面上を移動させられるワイパーシステムの使用中に駆動アームの端部に取り付けられたアダプターの不用意なロック解除を防止するアダプターを提供することが望ましい。
【0010】
本発明の目的は、ワイパーブレードと駆動アームの端部との間の頑丈で恒久的な接続を持ちつつ、簡単且つ迅速なメンテナンス操作を可能にするように構成されたアダプターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のアダプターは、駆動アームの端部に取り付けられるように意図されたアダプターである。アダプターは、少なくとも1つのフロント部分を含み、その少なくとも1つのフロント部分の少なくとも1つのセクションはU形状の様式に配置されるとともに、フロント上方壁と2つのフロント側壁とを備える。アダプターは少なくとも1つのリア部分を有し、その少なくとも1つのリア部分の少なくとも1つのセクションはU形状の様式に配置されるとともに、リア上方壁と2つのリア側壁とを備える。
【0012】
本発明によれば、フロント部分及びリア部分は、フロント上方壁とリア上方壁との間に介在する関節連結手段を介して互いに関節連結される。
【0013】
アダプターは、有利には、単独で又は一緒に取られる以下の特徴の少なくとも1つを含む。
− フロント部分及びリア部分は、アダプターの縦軸に沿って整列され、
− フロント部分は、本体及びフロント端部を備え、本体は、関節連結手段を介してリア部分に接続され、
− フロント端部及び本体は、本体の上方に張り出した境界部によって区切られており、
− 境界部には少なくとも1つのフックが設けられ、
− アダプターは、アダプターをコネクターに接続するように構成された回転手段を備え、
− リア上方壁には歯が設けられたボタンが設置され、
− 少なくとも1つのリア側壁には、少なくともスロープによって区切られた溝が設けられ、
− アダプターには、リア部分のための作動手段が設けられている。
【0014】
また本発明は、コネクター及びそのようなアダプターによって形成される接続デバイスに関する。
【0015】
本発明はまた、U形状の少なくとも1つの端部であって、そのようなアダプター又はそのような接続デバイスが収容される内部容積部を定める第1の壁及び2つの第2の壁によって区切られた少なくとも1つの端部を備える駆動アームに関する。
【0016】
好ましくは、第1の壁には、歯が設けられたボタンのための受け孔が設けられており、その穴は、ボタンが当接する前側の横断縁部を有し、その歯は第1の壁の上方に延びている。
【0017】
本発明はまた、そのような駆動アームと、ワイパーブレードに固定的に取り付けられたコネクターと、回転のためにコネクターを駆動アームに接続させるそのようなアダプターと、を備えるワイパーシステムに関する。
【0018】
また本発明は、駆動アームの端部とのそのようなアダプターのための組立方法に関し、その組立方法は、
− アダプターの境界部を端部の第1の壁のフロントエッジに接触させる第1のステップと、
− 第1のステップの間に行われる境界部とフロントエッジとの間の接触の周りにおける端部に対するアダプターの回転を伴う第2のステップと、
− アダプターのボタンの歯が第1の壁を乗り越えて、その上に延びる第5のステップと、
を含む。
【0019】
好ましくは、第2のステップと第5のステップとの間に、代替的に又は累積的に
− 端部におけるアダプターの手動ロックを伴う第3のステップと、
− 端部におけるアダプターの自動的ロックを伴う第4のステップと、が与えられる。
【0020】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、図面を参照して例として与えられる以下の説明を読むことにより、より明確に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図において、縦、横、垂直、側方、フロント、リア、左、右、上、下の用語は、
図1に示されたワイパーブレード1の向きを指すことが意図されている。縦方向は縦軸Xに対応し、その縦軸Xに沿って、本発明のワイパーブレード1及び/又はアダプター2が延在する。横方向は、縦軸Xに垂直な横軸Yの方向に対応する。左及び右の用語は、縦軸Xの一方側及び他方側における、横軸Yに沿った位置と関連するものと理解されることが意図されている。垂直軸Zの方向に平行な垂直方向は、上述の縦軸及び横軸に垂直である。上又は下の用語は垂直軸に平行な方向に関し、下の用語はウインドスクリーンの平面を含む。縦方向に関して、外部又は内部という用語は、ワイパーブレード1の駆動アーム3上のワイパーブレード1のピボット位置に関連していると理解されるべきであり、内部という用語は、アーム3とハーフワイパーが延びている部分に対応し、外部という用語は、他方のハーフブレードが延在する部分に対応する。
【0023】
上述の方向は、図に示されている直交基準系Oxyzに示されている。この基準系では、軸Oxは縦方向を表し、軸Oyは横方向を表し、軸Ozは垂直方向を表す。
【0024】
図1において、自動車両は、ガラス面上に、特に自動車両のリアウインドウ又はウインドスクリーン上に、存在する水及び/又は汚れを排出するために、ワイパーシステム4を一般に備える。ワイパーシステム4は、ガラス面上及びその上方において、角度の往復運動を行うことができる駆動アーム3を備える。
【0025】
ワイパーシステム4はまた、軸Oxに平行な縦軸Xと呼ばれる主軸に沿って延びるワイパーブレード1を備える。ワイパーブレード1は、少なくとも1つのエアデフレクタ5とスクレーパーブレード6とを備える。エアデフレクタ5は、ガラス面上を流れる空気流によって加えられる圧力を、自動車両のガラス面に対するワイパーブレード1の当接力に変えるように設けられている。スクレーパーブレード6は、ガラス面上に存在する水及び/又は汚れを排出するために、ガラス面と直接接触するワイパーブレード1の構成要素である。エアデフレクタ5及びスクレーパーブレード6は、接続デバイス8によって支持される半剛性アセンブリ7を形成し、その接続デバイス8は駆動アーム3と半剛性アセンブリ7との間に介在する。
【0026】
接続デバイス8は、駆動アーム3の端部9とワイパーブレード1との間の機械的接続を保証し、それによりワイパーブレード1を交換するために駆動アーム3からのワイパーブレード1の分離を許容する。本発明は、特に、その機械的接続を効果的に保護しつつ、そのような交換作業を容易にするように設けられたアダプター2の提供に関する。換言すれば、アダプター2は、ワイパーブレード1の販売後マーケットに特に適している。
【0027】
一般的に言えば、本発明の接続デバイス8は、好ましくは合計2つの構成要素、すなわち
図2に一緒に示されているアダプター2及びコネクター2、を備え、
図2は使用のための位置における本発明のアダプター2を示す。この使用のための位置では、アダプター2は、後述する本発明の方法に従って、駆動アーム3の端部9に取り付けられる。
【0028】
コネクター10は、ワイパーブレード1を支持することができ、アダプター2に回転のために取り付けられている。アダプター2は、駆動アーム3の端部9に固定されるように設けられている。本発明の一実施形態によれば、アダプター2及びコネクター10は、合成材料、例えば頭字語POMによって知られているポリオキシメチレン(polyoxymethylenes)のファミリーからの材料、から成形することにより構成され、或いは、ポリマー材料の混合物、例えば頭字語ABSによって知られているアクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene)のファミリーのポリマーの混合物、からの成形によって、構成される。一方ではアダプターが、他方ではコネクター10が、それぞれ一体であることが好ましい。換言すれば、一方ではアダプター2は、他方ではコネクター10は、モノブロックであり、アダプター2又はコネクター10の破壊に基づいてのみ複数の部分に分離することができる。端部9は、例えば鋼板やアルミニウム板などの金属ストリップを曲げることによって、又は合成材料から成形することによって、それ自体製造される。
【0029】
図3〜
図5を参照すると、アダプター2は、縦軸Xに沿って延び、互いに関節接続されたフロント部分11とリア部分12とを備える。フロント部分11及びリア部分12は、縦軸Xに沿って相互に連続しており、縦軸Xに沿って次々と整列している。フロント部分11及びリア部分12は、関節軸A1周りにおいて互いに対して移動可能であり、その関節軸A1は、垂直軸Z、縦軸Xに直交し、横軸Yに平行である。換言すれば、フロント部分11とリア部分12とは、関節軸A1の周りに互いにヒンジ式に取り付けられている。フロント部分11とリア部分12との間に介装されるとともにフロント部分11とリア部分12との間の接続手段を形成する関節連結手段13によって、フロント部分11とリア部分12とは互いに接続されている。
【0030】
アダプター2のフロント部分11は、本体14及びフロント端部15を含む。本体14は、関節連結手段13を介してリア部分12に接続されたフロント部分11の一部である。本体14は、フロント端部15とリア部分12との間の中間位置にある。アダプターのヘッドとも呼ばれるフロント端部15は、リア部分12とは縦方向に反対に位置するフロント部分11の最端部分を形成する。言い換えると、縦軸Xに沿って、アダプター2のリアからそのフロントに向かう方向に、リア部分12、関節連結手段13、本体14及びフロント端部15が連続的に配置されている。
【0031】
フロント部分11は、リア部分12に関して固定された基準を形成し、リア部分は、関節連結手段13を介してフロント部分11を中心に回転するアダプター2の部分である。
【0032】
フロント部分11及びリア部分12はそれぞれ、U形状横断プロファイルを有する。換言すれば、平面Oyzに平行な断面において取られた断面に従って、フロント部分11及びリア部分12は、U形状の横断プロファイルを持つ。言い換えれば、フロント部分11は、「U」の基部を形成する上方壁11aと、2つのフロント側壁11bとを備え、その2つのフロント側壁11bは、互いに特に平行であり又は実質的に平行であるとともに上方壁11aと直交し又は実質的に直交し、「U」の脚部を形成し、その一方でリア部分12は、「U」の基部を形成するリア上方壁12aと、2つのリア側壁12bとを備え、その2つのリア側壁12bは、互いに実質的に平行であるとともにリア上方壁12aに実質的に直交し、「U」の脚部を形成する。
【0033】
アダプター2は回転手段をさらに備え、その回転手段は、アダプター2をコネクター10に接続するように設けられ、一方の他方に対する回転を許容する。この回転手段は、横軸Yの周りでのこの回転を可能にする。回転手段は、アダプター2の凹状構造内において延びるストランドのペア(a pair of strands)によって形成することができる。またそれらは、フロント側壁11bに設けられた複数のベアリングであってもよい。
【0034】
有利には、回転手段は、アダプター2上に、縦方向にフロント端部15と関節連結手段13との間に配置される。
【0035】
フロント上方壁11aとリア上方壁12aとは、有利には、関節連結手段13によって互いに連結される。換言すれば、関節連結手段13は、フロント上方壁11aとリア上方壁12aとの間に介在する。
【0036】
図3では、アダプター2が休止位置に示されているが、
図4では、アダプター2が使用のための位置に、すなわちアダプター2が
図2に示されているように図示されている。すなわち、例えば、
図3ではアダプター2が成形から作られた状態が概して示されているが、
図4ではアダプター2が駆動アーム3の端部9に取り付けられた場合のアダプター2が示されており、その端部9は読みやすくするために
図4に図示されていない。
図5では、アダプター2は、休止位置と使用のための位置との間の中間にある組立位置で示されている。
【0037】
使用のための位置は、特にワイパーブレード1のワイピング動作中に、アダプター2が端部9に取り付けられる位置である。アダプター2の休止位置は、それが端部9から分離され且つリア部分12に対して力が加えられない位置である。アダプター2の組立位置は、駆動アーム3の端部9の孔90の内側におけるボタン16の導入を可能にするために、リア部分12がフロント部分11に対して移動する位置に対応する。
【0038】
図3において、フロント上方壁11aとリア上方壁12aとは第1の角度α
1を形成し、当該第1の角度α
1はゼロではなく、好ましくは4°〜6°であり、好ましくは5°である。一方、
図4において、フロント上方壁11aとリア上方壁12aとは同一平面上にあり、第2の角度α
2を形成し、当該第2の角度α
2は本ケースでは、後述する本発明の方法の実施の結果として、実質的にゼロである。使用のための位置の別の例によれば、第2の角度α
2は正又は負でありつつ0°とは異なることができ、第2の角度α
2は第1の角度α
1よりも小さいことが理解される。
【0039】
第2の角度α
2は、0°とは異なるが、第1の角度α
1よりも小さいことが有利であることに留意されたい。そのような場合、使用のための位置におけるアダプター2のリア部分12及びフロント部分11は複数の平面内に延在しており、複数の平面間において第2の角度α
2が形成され、この角度は、例えば1°〜4°である。そのような特異性は、駆動アーム3の端部9とアダプター2との間の縦方向の遊びに対する補償を生むことを許容する。
【0040】
リア上方壁12aには、リア上方壁12aの上方に出るボタン16が設けられている。すなわち、ボタン16は、リア上方壁12aの上に張り出しつつ、それにより形成された面の上方に位置する。ボタン16は、
図2に示すように、駆動アーム3の端部9が備える孔90の内側で重なるように形成されている。ボタン16は、リア上方壁12aの上に張り出して延びる歯17を有する。このような歯17は、縦方向前方に延びるボタン16から延びるリムを形成する。換言すると、ボタン16の歯17は突起を形成する。ボタン16、特にその歯17、は、駆動アーム3の端部9の第1の壁95の厚さを把持するように配置されている。その歯17によって増大されているボタン16の長さであって、縦方向Xにおいて測定された長さは、同じ方向で測定された孔90の長さよりも小さい。その歯17が設けられたボタン16は、それにより、孔90を通って延びることができる。
【0041】
フロント端部15には、本体14のフロント上方壁11aの上方に少なくとも部分的に突き出すフック18が設けられている。フック18は、好ましくは、各フロント側壁11bから同じ距離に配置される。すなわち、フック18は、好ましくは、アダプター2の縦方向の中心面に配置される。
【0042】
フロント側壁11bとリア側壁12bとは、アダプター2の下方エッジ20と関節連結手段13との間に延在する貫通孔19によって互いに分離されている。下方エッジ20は、フロント側壁11b及びリア側壁12bの下方端部によって形成されており、この下方エッジ20は、フロント上方壁11a及びリア上方壁12aに対向して配置されている。貫通孔19は、関節連結手段13の周りのフロント部分11とリア部分12との間の傾斜動作21の間に、フロント側壁11b及びリア側壁12bの導入を許容する。換言すれば、関節連結手段13周りのフロント部分11及び/又はリア部分12の傾斜動作21の間に、フロント部分11のリアリム11c及びリア部分12のフロントリム12cは、貫通孔19を狭める又は拡げる結果として、互いに向かって移動することができ又は互いからはなれるように移動することができる。貫通孔19は、例えば、
図3〜
図5に示すようにV形状である。
図6〜
図8に示す別の実施形態によれば、貫通孔19は異なる形態、特にS形状形態、を有することができる。
【0043】
図3において、リアエッジ11cとフロントエッジ12cとは第3の角度α
3を形成し、第3の角度α
3は、0に等しくない、好ましくは4°〜6°であり、好ましくは5°である一方で、
図4では、リアエッジ11cとフロントエッジ12cは、第3の角度α
3よりも厳密に小さい第4の角度α
4を形成する。第4の角度α
4は、使用のための位置を定める。
【0044】
図5では、特にリアエッジ11cがフロントエッジ12cに当接している場合に、組立位置において、第4の角度がゼロであってもよいことに留意されたい。この状況において、これら2つのエッジの間に配置される貫通孔19は閉じられる。孔19は、それがフロント上方壁11aを上方壁12aから隔てるという意味において、貫通孔としての資格がある。フロント側壁11bとリア側壁12bとの間に配置された貫通孔19の部分は、フロント上方壁11a及びリア上方壁12aからアダプター2の下方エッジ20に向かう方向に拡大する。
【0045】
アダプター2には、例えば、フロント部分11とリア部分12とをその互いに対する傾斜動作12の間において最大距離に維持するために、リアエッジ11cとフロントエッジ12cとの間の貫通孔19の内部に延びる脚部22が設けられている。このために、脚部22は、
図4に示すように、アダプター2の使用のための位置において、フロントエッジ12cの自由端とリアエッジ11cの自由端との間の長手軸Xに沿ってとられた貫通孔の長さよりも、大きな長さを有する。脚部22の少なくとも1つは、リアエッジ11cとフロントエッジ12cとの間の誇大な間隔を回避しつつ、関節連結手段13の弾力効果の補強を可能にし、そしてそのような間隔は角度α
1の増大によって明らかになることに留意されうる。また弾力効果は、駆動アーム3の端部9とアダプター2との間の縦方向の遊びを補償する機能にも関与する。これは、脚部22の少なくとも1つが、リア部分12を
図3に示されるその休止位置に向けて駆り立てることによるものである。
【0046】
好ましくは、
図2に示されるアダプター2の休止位置と
図4に示されるアダプター2の使用のための位置との間において変形することを許容するのに最適化された柔軟性を脚部22に与えるために、脚部22は小さい厚さを有する。
【0047】
リア部分12には、例えば、作動手段23が設けられており、その一例は、アダプター2が使用のための位置にある場合に、リア部分12の後部において縦方向に、平面Oxyに平行な平面の内側に延在するプレートによって構成される。作動手段23は、アダプター2の休止位置とアダプター2の組立位置との間でそれを傾動させるために、リア部分12のアダプター2の把持部材を形成する。そのような作動手段23は、駆動アーム3の端部9に対するアダプター2の組み付け又は分離を可能にする。
【0048】
図6〜
図8には、
図3〜
図5の概略図に示されたアダプター2の変形例が示されている。この変形例によれば、アダプター2は脚部22又はリア舌部23が設けられていない。
【0049】
図6において、フロント端部15が、垂直軸Zに沿ってフロント端部11aの上方壁15aと下方エッジ20との間でとられた高さであって、本体14からフロント端部15の前部に向かって減少する高さを持つように、フロント端部15はアダプター2の前部に向かって輪郭を見せる。フロント端部15は、端部9を縦方向に延在させてそれをプロファイルする先端を形成する。
【0050】
中間体14の各フロント側壁11bには、フロント側壁11bの上方に延在するフィンガー24が設けられている。好ましくは、フィンガー24は、中間体14のフロント側壁11bによって形成される平面の上方に配置された円筒部分の形態である。フィンガー24は、駆動アーム3の端部9が具備する溝91の内側をスライドするように設けられている。フィンガー24の径は、好ましくは、溝91におけるフィンガー24のスライドを容易にするために、垂直軸Zに沿った溝91の幅より小さい。
【0051】
フロント端部15及びフロント部分11の縁部において、フロント端部15は第1の垂直高さH1を有し、この第1の垂直高さH1は、この端部の上方壁15aとアダプター2の下方エッジ20との間で方向Ozにとられており、アダプター2の下方エッジ20とフロント上方壁11aとの間において同じ方向Ozにとられた本体14の第2の垂直高さH2よりも大きい。換言すれば、フロント端部15は、アダプター2の第1の部分11よりも高く、この高低差は、例えば、駆動アーム3の端部9の厚さと等しい。相補的に、フロント端部15はまた、第1の部分11の上方に突出しており、少なくとも部分的に縦方向にその部分と重なっている。
【0052】
図7を参照すると、フロント端部15a及びフロント部分11の縁部において、フロント端部は第1の横幅L1を有し、その第1の横幅L1は、横軸Yに沿ってフロント端部15のフロント側壁11b間でとられており、フロント側壁11b間においてとられた横軸Yに沿った本体14の第2の横幅部L2よりも大きい。その結果、フロント端部15は、本体14のフロント上方壁11aの上方に現れる境界部25を含む。すなわち、フロント端部15は、アダプター2の第1の部分11よりも広い。相補的に、フロント端部15はまた、第1の部分11の各サイドに突出する。この幅の差は、例えば、駆動アーム3の端部9を構成する壁の厚さの2倍である。
【0053】
境界部25は、駆動アーム3の端部9が備えるフロントエッジ92に対する停止カウンタを構成する。
【0054】
境界部25にはフック18が設けられている。フック18は、
図3及び
図4に示されるように、フロント端部15の上方壁からの突起部、
図6〜
図8に示されるように境界部25からのこの上方壁の延長部と同様である。
【0055】
境界部25は、第2の入れ子部材93を補完する構成を有する少なくとも第1の入れ子部材26を含み、駆動アーム3の端部9のフロントエッジ92がその第2の入れ子部材93を具備する。境界部25及びフロントエッジ92が接触して配置され隣接して配置されるようにすることを容易にするために、第1の入れ子部材26と第2の入れ子部材93は互いに協働する。
【0056】
図示された実施形態によれば、2つの第1の入れ子部材26があり、それらの2つの第1の入れ子部材26はそれぞれフロント側壁11bに取り付けられている。あるいは、入れ子部材26は、アダプター2上の単一部材であってもよい。各第1の入れ子部材26は、例えば、溝91の開口が構成する第2の入れ子部材93と協働するために、半円形の突起の形態である。第1の入れ子部材26と第2の入れ子部材93は、共に、アダプター2の使用のための位置において、駆動アーム3の端部9に対するアダプター2の垂直変位を防止する。
【0057】
1又は複数の入れ子部材26は、有利には、駆動アーム3の端部9におけるアダプター2の垂直阻止手段である。
【0058】
リア部分12は、少なくとも1つのスロープ31、特にそれぞれがリア側壁12bに垂直に配置された2つのスロープ31、を含む。スロープ31の各々は、平面Oyzと実質的に平行な平面内において延在する。スロープ31は、それぞれ、側壁12bに配置された溝33の範囲を定める。
【0059】
図7において、関節連結手段13は、例えば、フロント部分11とリア部分12とを連結する少なくとも1つのバー27によって形成されている。関節連結手段13は、特に2つの連続バー27を備え、その2つの連続バー27は開口28によって互いに間隔をあけて離れている。各バー27は、例えば、垂直軸Zに沿った薄い厚さEを有するプレートによって形成される。関節連結手段13は、特にアダプター2の成形の間において、例えば第2の高さH2の15%よりも小さい(
図6において視認できる)関節連結手段13の厚さEを作り出すことが簡単であり、その厚さEはバー27の上方エッジと下方エッジとの間において垂直軸Zに沿っている。バー27のそのような小さい厚さは、関節連結手段13に柔軟性を与え、それはフロント部分11に対するリア部分12の関節連結を可能にする。
【0060】
図7において、本発明によるアダプター2が占めるU形状断面を見ることができる。このU形状断面は、リア部分12のリア上方壁12aと側壁12bとによって、及びフロント上方壁11aとフロント側壁11bとによって、形成される。このU形状は、ワイパーブレード1に固定的に結合されたコネクター8を少なくとも部分的に受けるように配置された内部容積部32の範囲を定める。
【0061】
この内部容積部はまた、例えばリア部分12のリア上方壁12aによって、リア部分12を成形することによって作り出された舌部29を受けてもよい。舌部29は、アダプター2の使用のための位置においてコネクター8に対して接触するように設けられる。そのような舌部29は、駆動アーム3の端部9に取り付けられたアダプター2の機械的接続を確保するための装置を形成する。これは、一旦アダプター2が端部9に取り付けられると、舌部29がフロント部分11に対するリア部分12の傾動を阻止することによるものであり、それは、例えば氷によってワイパーブレード1がウインドスクリーン上に保持されつつ牽引力が駆動アームにかかる場合に、例えばボタン16が孔90から離れるのを防ぐ。
【0062】
図9及び
図10において、平面Oyzに平行な断面として見た場合に、駆動アーム3の端部9は、「U」形状に配置されている。端部9は、「U」の基部を形成する第1の壁95と、実質的に平行であるとともに「U」の脚部を形成する2つの第2の壁96と、を含む。
【0063】
第1の壁95には孔90が設けられ、孔90は端部9の第1の壁95に対して横方向に中央にある。第1の部分95及び第2の壁96は、U形状の横断プロファイルを有するフロントエッジ92によって、フロント部分において部分的に範囲が定められている。
【0064】
フロントエッジ92には2つの溝91が設けられており、それらの2つの溝91は第2の壁96の内側に縦方向に配置されている。2つの溝91は、それぞれの第2の壁96を介し、互いに対向して配置されている。それぞれアダプター2のフィンガー24の導入を可能にするために、各溝91は開口93を具備し、その開口93はフロントエッジ92に設けられている。
【0065】
第2の壁96はそれぞれ内部面97を有し、その内部面97は、第1の壁95とともに、端部9の内部容積部99の範囲を定める。各内部面97にはスタッド98が設けられ、そのスタッド98は内部面97から内部容積部99に向かって延びる。各スタッド98は、例えば、内部面97に対して垂直な軸を有するシリンダー内に配置される。2つのスタッド98はフロントエッジ92から同じ距離に配置され、これらの2つのスタッド98の中心を通って延在する直線が横軸Yと平行であることに留意される。
【0066】
スタッド98は、例えば、溝91の後部において配置される。言い換えれば、各溝91は、縦軸Xに沿ってそれぞれのスタッド98と位置合わせされる。さらに、孔90及びスタッド98は、特に、孔90がスタッド98の上方に垂直に突出するように平面Oxyと平行な横断面の内側に配置される。
【0067】
図11において、駆動アーム3の端部9とのアダプター2の組立方法は、アダプター2のフック18と端部9の第1の壁95のフロントエッジ92とを移動させて隣接させるための第1のステップ101を含む。これにより、第1の壁95は、フロント部分11のフロント上方壁11aとフック18との間で受けられるようになる。
【0068】
この方法の第2のステップ102によれば、第1のステップ101の間に互いに向かって移動するのにつれて、フック18とフロントエッジ92との間の接触点を通って延びるとともに横軸Yと実質的に平行である第2の回転軸A2の周りで、端部9上においてアダプター2の回転をもたらす。この回転は、ボタン16が孔90と一列に並んで配置されるまで行われる。
【0069】
組立方法のこの段階では、端部9におけるアダプター2の阻止は、2つの代替的又は累積的なステップに従って行われうる。
【0070】
これらの代替案のうちの1つによれば、その方法は、リア部分12に力を加えてそれを関節連結手段13を介してフロント部分11の近くに動かすようにすることを伴う第3のステップ103を含む。そのような力は、手動的な圧力をリアプレート23に加えることによって適用されうる。この第3のステップ103は、第1の角度α
1から第2の角度α
2(
図4)への減少を引き起こすとともに、第3の角度α
3から第4の角度α
4(
図4)への減少を引き起こす。次いで貫通孔19が閉じられ、それはボタン16がフロント端部15に向かって縦方向に移動されることを引き起こす。ボタン16のこの縦方向の変位は歯17を変位させて、それが孔90内に導入されることを可能にする。まとめられた方法では、第3のステップ103は端部9におけるアダプター2の手動的な固定を伴う。
【0071】
他の代替によれば、その方法は、端部9におけるアダプター2の自動ロックを伴う第4のステップを含む。第2のステップ102において開始された回転を続けることによって、スタッド98が溝33内に導入される。これを行うことにより、スタッド98は移動してアダプター2のスロープ31と当接し、スロープに対してスライドする。この当接は、上方壁11aのリア上方壁12aとの整列を生じさせる力をもたらし、第1の角度α
1から第2の角度α
2への減少を引き起こし(
図4)、第3の角度α
3から第4の角度α
4への減少を引き起こす(
図4)。次いで、貫通孔19が閉鎖され、それはボタン16がフロント端部15に向かって縦方向に移動されることを引き起こす。ボタン16のこの縦方向の変位は、歯17を変位させて、それが孔90内に導入されることを可能にする。これは、その休止位置を占める傾向があるリア部分2をもたらし、休止位置では、フロント上方壁11a及びリア上方壁12aが、拘束下におかれている第1の角度α
1を形成する。
【0072】
第5のステップ105によれば、第2のステップ102の間に行われる回転が、歯17が第1の壁95を乗り越えてその上に位置するように、継続される。一旦リア上方壁12aが端部9の第1の壁95の内面に当接すると、屈曲力が中断された場合に及び/又は1以上の脚部22によってその休止位置を占めるようなリア部分12の自然な傾向に基づいて、孔90のフロント横断エッジ94に対するボタン16の接触がもたらされる。
【0073】
そのような場合、使用のための位置は、第2の角度α
2が0°とは異なる一方で第1の角度α
1よりも小さいことを伴う。ボタン16のフロント側面及び境界部25を隔てる第1の距離と、端部9のフロントエッジ92から孔90のフロント横断エッジ94を隔てる第2の距離と、の間の長さの差は、上述の縦方向の遊びを表す。この遊びの存在は、不快な騒音や振動として明らかになりうる。使用のための位置におけるフロント上方壁11aとリア上方壁12aとの間の0ではない角度の存在によってもたらされるこの遊びの補償は、これらの不利を取り除くことを可能にする。本発明のアダプター2は、駆動アーム3の端部9とアダプター2との間の縦方向移動を制限するように設けられた縦方向の遊びを補償するための装置を含むと考えることができる。
【0074】
したがって全ての場合において、特にガラス面上を動かされるワイパーシステム4の使用中に、端部9におけるアダプター2の最適化された固定がもたらされ、駆動アーム3の端部9に取り付けられたアダプター2の不用意なロック解除の防止がもたらされる。
【0075】
リア部分の回転をもたらして歯17を変位させてそれが孔90から離れることを可能にする、ボタン16に対する当接の代わりに、駆動アームの端部9からのアダプターの分解は、上述のそれらのものに対して運ばれるステップに基づいて行われる。