(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る車両用表示装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[第1実施形態]
図1から
図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車両用表示装置に関する。
図1は、第1実施形態に係る車両用表示装置のブロック図、
図2は、第1実施形態に係る第一画像を示す図、
図3は、第1実施形態に係る車両用表示装置の動作を示すフローチャート、
図4は、運転者の注視動作を示す図、
図5は、第1実施形態に係る第二画像を示す図である。
【0011】
図1に示すように、第1実施形態に係る車両用表示装置1は、状態検出部11、第一監視部12、第二監視部13、制御部20、音声制御部31、メータディスプレイ制御部32、HUD制御部33、音声出力部41、メータディスプレイ42、およびHUD43を有する。車両用表示装置1は、車両100に搭載された表示装置である。車両用表示装置1は、運転者200の前方に各種の画像を表示する。本実施形態の車両用表示装置1では、後述する第一画像6や第二画像8を含む各種の画像がメータディスプレイ42によって表示される。
【0012】
状態検出部11は、車両100の運転者200(
図4参照)の状態を検出する。状態検出部11は、例えば、集積回路やマイクロコンピュータであり、本実施形態の検出動作を実行するように構成されている。状態検出部11は、車両100に配置されたカメラ51と電気的に接続されている。カメラ51は、例えば、車室内における運転者200の前方に配置される。カメラ51は、運転者200の顔を含む運転者200の画像を撮像する。状態検出部11は、カメラ51から取得した画像データを解析し、運転者200の状態を検出する。状態検出部11は、例えば、運転者200の顔の向き、運転者200の頭部の位置や動き、運転者200の視線方向等を検出する。状態検出部11の検出結果は、制御部20に送られる。
【0013】
第一監視部12は、車両100の状態を監視する。第一監視部12は、例えば、集積回路やマイクロコンピュータであり、本実施形態の監視動作を実行するように構成されている。第一監視部12は、各種の車両信号を受信する。車両信号は、例えば、車両100の走行速度を示す信号や、車両100のシフトポジションを示す信号等である。第一監視部12は、受信した車両信号に基づいて、車両100が走行中であるか停車中であるか等の監視を行う。第一監視部12の監視結果は、制御部20に送られる。
【0014】
第二監視部13は、車両100の運転状態や車両100の周囲環境を監視する。第二監視部13は、例えば、集積回路やマイクロコンピュータであり、本実施形態の監視動作を実行するように構成されている。第二監視部13は、カーナビゲーション52、外部カメラ53、および各種センサ54と電気的に接続されている。カーナビゲーション52は、車両100のルート案内を行う機能を有するナビゲーション装置である。カーナビゲーション52は、ルート案内を実行している場合、ルート案内に関する情報を第二監視部13に送る。ルート案内に関する情報は、例えば、メータディスプレイ42に表示する画像の情報を含んでいる。第二監視部13は、カーナビゲーション52から受け取った情報を制御部20に送る。
【0015】
外部カメラ53は、車両100の外部を撮像するカメラである。外部カメラ53は、例えば、車両100の前方、側方や後方を撮像する。外部カメラ53によって撮像された画像データは、第二監視部13に送られる。第二監視部13は、外部カメラ53から受け取った画像データを制御部20に送る。
【0016】
各種センサ54は、車両100の周辺環境を検出するセンサである。各種センサ54は、車両100の周辺の物体を検出するコーナーセンサを含む。コーナーセンサは、例えば、超音波センサである。各種センサ54は、先行車両を検出するセンサや、後続車両を検出するセンサを含んでいてもよい。各種センサ54の検出結果は、第二監視部13に送られる。第二監視部13は、各種センサ54から受け取った情報を制御部20に送る。
【0017】
制御部20は、運転者200の状態とコンテンツの状態(シーン)から運転者200の要求を推定する。制御部20は、推定結果に基づいてメータディスプレイ42の表示を切り替えるなど、各デバイスに対する制御を行う。本実施形態の制御部20は、状態検出部11から取得した運転者200の状態、第一監視部12から取得した車両100の状態、および第二監視部13から取得した情報に基づいて、メータディスプレイ42に表示する表示内容を制御する。制御部20の動作の詳細については後述する。
【0018】
音声制御部31は、音声出力部41を制御する。音声出力部41は、車両100に設けられたスピーカーやブザーなど、音声を出力する装置である。音声制御部31は、制御部20からの指令に応じて音声出力部41を駆動し、音声出力部41から音声を出力させる。
【0019】
メータディスプレイ制御部32は、メータディスプレイ42を制御する。メータディスプレイ42は、車両100における運転者200の前方に配置された装置であり、例えば、インストルメントパネルに配置されている。メータディスプレイ42は、例えば、TFT−LCD(Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)等の液晶表示装置によって画像を表示する。本実施形態のメータディスプレイ42は、矩形の表示部42aを有する。メータディスプレイ42は、表示部42aの任意の位置に任意の画像を表示させることができる。メータディスプレイ42は、制御部20の指令に応じて表示部42aに画像を表示させる。
【0020】
HUD43は、ヘッドアップディスプレイ装置である。HUD43は、運転者200の前方の反射部に対して画像を投影する。HUD43は、例えば、運転者200の前方のウインドシールドに画像を投影する。ウインドシールドによって反射された画像は、ウインドシールドよりも前方の位置において結像する虚像として視認される。HUD43は、各種の情報を虚像によって表示する。HUD43は、制御部20の指令に応じて反射部に向けて画像を投影する。
【0021】
本実施形態の制御部20は、以下に説明するように、表示部42aに第一画像6(
図2参照)を表示させる。制御部20は、第一画像6を運転者200が注視する動作が検出された場合、表示部42aに表示する画像を第一画像6から第二画像8に変化させる。本実施形態の第一画像6は、カーナビゲーション52によるルート案内の画像61である。第二画像8は、カーナビゲーション52によるルート案内の詳細表示の画像81(
図5参照)である。本実施形態の車両用表示装置1は、運転者200がルート案内の画像61を注視した場合にルート案内の詳細を表示することで、運転者200の感覚に合致した情報表示を実現できる。
【0022】
制御部20は、カーナビゲーション52によるルート案内がなされている場合、
図2に示すように、メータディスプレイ42に第一画像6としてルート案内の画像61を表示させる。ルート案内の画像61には、車両100の鳥瞰画像61a、道路の画像61b、周囲の構造物の画像61c、および分岐点における進行方向を示す矢印の画像61dが含まれる。
図2では、矢印の画像61dとして、右折用の矢印が示されている。第一画像6としてのルート案内の画像61は、簡易表示の画像である。ルート案内の画像61は、表示部42aにおける画像横方向の中央部に表示されている。
【0023】
表示部42aには、ルート案内の画像61に加えて、メータ画像7が表示される。メータ画像7は、車両100の走行状態に関するメータの画像である。本実施形態のメータ画像7は、車速画像71および回転速度画像72を含む。車速画像71は、車両100の走行速度を表示する画像である。車速画像71は、ルート案内の画像61に対して画像横方向の一方側に表示される。回転速度画像72は、車両100に搭載された機関の回転速度を表示する画像である。回転速度画像72は、例えば、エンジンの回転速度を表示する。回転速度画像72は、ルート案内の画像61に対して画像横方向の他方側に表示される。
【0024】
図3を参照して、本実施形態の制御部20の動作について説明する。ステップS10において、制御部20は、人の状態が変化したか否かを判定する。制御部20は、状態検出部11から取得した運転者200の状態に基づいてステップS10の判定を行う。制御部20は、例えば、最新の運転者200の状態と、前回取得した運転者200の状態との比較を行う。運転者200の状態が変化したと肯定判定された場合(S10−Y)にはステップS20に進み、運転者200の状態が変化していないと否定判定された場合(S10−N)にはステップS10の判定を繰り返す。
【0025】
ステップS20において、制御部20は、現在のシーンを確認する。現在のシーンは、例えば、表示部42aに表示されている第一画像6や、外部カメラ53によって撮像された周囲の環境や、各種センサ54によって検出された周辺の物体や、車両100の現在位置等を含む。言い換えると、現在のシーンは、運転者200に対してメータディスプレイ42が提供している情報の種類や、車両100の周辺の障害物の有無や、車両100の周辺環境や、車両100がどこを走行しているか、が含まれる。制御部20は、メータディスプレイ42に表示されている画像の内容、外部カメラ53によって撮像された画像データ、各種センサ54の検出結果等を確認する。ステップS20が実行されると、ステップS30に進む。
【0026】
ステップS30において、制御部20は、動作要求を推定する。制御部20は、ステップS10において検出された運転者200の状態の変化と、ステップS20において取得した現在のシーンについての情報と、に基づいて、運転者200の要求を推定する。ここでは、メータディスプレイ42にルート案内の画像61が表示されている場合の動作要求の推定について説明する。
【0027】
制御部20は、ルート案内の画像61を運転者200が注視する動作が検出されているか否かを判定する。以下の説明では、ルート案内の画像61等の第一画像6を運転者200が注視する動作を単に「注視動作」と称する。注視動作は、例えば、運転者200が視線を第一画像6に向ける動作を含む。注視動作は、運転者200が視線を第一画像6に向け続ける動作を含んでもよい。例えば、運転者200が視線を第一画像6に向けたまま一定の時間が経過した場合に、注視動作がなされたと判定されてもよい。注視動作は、
図4に矢印Y1で示す動作、すなわち運転者200が運転者200の顔を第一画像6に近づける動作を含んでもよい。
【0028】
第一画像6としてルート案内の画像61が表示されており、かつ運転者200の注視動作が検出された場合、ルート案内の詳細を見たいという運転者200の要求があると推定できる。本実施形態の制御部20は、ルート案内の画像61に対する注視動作が検出されると、ステップS30において、ルート案内の詳細を表示する動作が運転者200によって要求されていると推定する。ステップS30において動作要求が推定されると、ステップS40に進む。なお、制御部20は、ステップS30において動作要求がなされていないと推定することもできる。例えば、制御部20は、ステップS10において検出された運転者200の状態の変化が、動作要求を示す変化とは異なる場合、動作要求はないと判定してもよい。
【0029】
ステップS40において、制御部20は、出力制御を実行する。出力制御は、典型的には、メータディスプレイ42に対する表示制御である。制御部20は、ステップS30において推定された動作要求に基づいて、メータディスプレイ42に対して表示部42aの表示内容を指令する。本実施形態の制御部20は、ルート案内の画像61に対する注視動作が検出されると、メータディスプレイ42において、第一画像6に代えて第二画像8を表示させる。
【0030】
本実施形態の第二画像8は、
図5に示すように、ルート案内の詳細表示の画像(以下、単に「詳細画像」と称する。)81である。詳細画像81は、車両100の鳥瞰画像81a、道路の画像81b、周囲の構造物の画像81c、および矢印の画像81dを含む。詳細画像81では、車両100および道路が真上から見下ろす鳥瞰図で示されている。よって、右折先の道路が確認しやすくなる。また、詳細画像81では、
図4に示すルート案内の画像61と比較して、車両100の周囲のより広い範囲が示される。よって、車両100の周辺環境が把握しやすくなる。詳細画像81における周囲の構造物の画像81cは、第一画像6における周囲の構造物の画像61cよりも詳細な画像とされてもよい。例えば、詳細画像81では、周囲の構造物の画像81cが実際の構造物の形状や色を再現した画像とされてもよい。
【0031】
表示部42aにおいて、詳細画像81が表示される範囲は、ルート案内の画像61が表示される範囲よりも広い。例えば、画像横方向において、詳細画像81が表示される幅Wd2(
図5)は、ルート案内の画像61が表示される幅Wd1(
図4)よりも広い。また、ルート案内の画像61が円形の領域内に表示されていることに対して、詳細画像81は、表示部42aの上端から下端までの領域に表示されている。従って、詳細画像81の表示範囲は、ルート案内の画像61の表示範囲に対して、画像縦方向および画像横方向の両方に沿って広がっている。
【0032】
制御部20は、詳細画像81を表示させる場合、メータ画像7の表示範囲を縮小させる。詳細画像81が表示される場合、画像横方向におけるメータ画像7の幅Wd4(
図5)は、ルート案内の画像61が表示される場合のメータ画像7の幅Wd3(
図4)よりも狭い。詳細画像81が表示される場合のメータ画像7の位置は、ルート案内の画像61が表示される場合のメータ画像7の位置よりも、画像横方向の端部に近い位置である。メータ画像7の幅Wd4を狭くすることで、詳細画像81を表示するための広い領域が確保される。
【0033】
上記のように、本実施形態の車両用表示装置1は、ルート案内の画像61に対する注視動作があった場合に詳細画像81を表示する。ルート案内の画像61を注視する動作は、運転者200がルート案内の画像61の詳細を確認したいときの自然な動作である。例えば、ルート案内の画像61の詳細を確認したいときに、運転者200は無意識にルート案内の画像61に顔を近づけたり、ルート案内の画像61を覗き込んだりすると考えられる。こうした動作が検出された場合に詳細画像81が表示されることで、運転者200の感覚に合致した案内表示が実現される。自然に生じる動作から運転者200の動作要求が推定され、画像が切り替わることから、運転者200が表示切り替えのための操作を行うことが不要となる。
【0034】
なお、制御部20は、ステップS40において、ルート案内の画像61を詳細画像81に切り替える旨の音声メッセージを音声出力部41から出力させてもよい。ステップS40が実行されると、本制御フローは終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の車両用表示装置1は、表示部42aと、状態検出部11と、制御部20と、を有する。表示部42aは、車両100に配置され、車両100に関する情報の画像である第一画像6を運転者200の前方に表示する。状態検出部11は、運転者200の動作を検出する。制御部20は、第一画像6を運転者200が注視する動作が検出された場合に、表示部42aに表示する画像を第一画像6から第二画像8に変化させる。
【0036】
本実施形態に係る車両用表示装置1は、第一画像6を注視する動作から運転者200の要求を推定してその要求に応じた第二画像8を表示部42aに表示させることができる。よって本実施形態の車両用表示装置1は、運転者200の感覚に合致した表示を実現することができる。
【0037】
本実施形態の第一画像6は、車両100の画像を含む。制御部20は、車両100の画像を含む第一画像6を注視する動作から、運転者200の要求を推定することができる。
【0038】
本実施形態の第二画像8は、第一画像6に関連する詳細情報の画像である。第一画像6を注視する動作に応じて詳細情報を含む第二画像8が表示されることで、運転者200の感覚に合致した表示が実現される。
【0039】
第一画像6を運転者200が注視する動作は、運転者200が運転者200の顔を第一画像6に近づける動作を含んでもよい。運転者200が第一画像6に注意を向ける場合、無意識に顔を第一画像6に近づけると考えられる。この動作は、より多くの情報を得たいという運転者200の要求を示していると推定できる。従って、運転者200が第一画像6に顔を近づけた場合に第二画像8が表示されることで、運転者200の感覚に合致した表示が実現される。
【0040】
本実施形態の第一画像6は、カーナビゲーション52によるルート案内の画像61であり、第二画像8は、ルート案内の詳細表示の画像81である。ルート案内の画像61を注視する動作に応じてルート案内の詳細表示の画像81が表示されることで、運転者200の感覚に合致した表示が実現される。
【0041】
本実施形態の表示部42aは、第一画像6に加えて車両100の走行状態に関するメータ画像7を表示する。制御部20は、第一画像6を運転者200が注視する動作が検出された場合、メータ画像7の表示範囲を縮小させ、第一画像6の表示範囲よりも広い範囲に第二画像8を表示させる。よって、本実施形態の車両用表示装置1は、第二画像8によって多くの情報や詳細な情報を運転者200に提供することができる。
【0042】
なお、制御部20は、運転者200の注視動作が終了した場合、表示部42aに表示する画像を第二画像8から第一画像6に変化させてもよい。制御部20は、例えば、運転者200が第二画像8を注視している間は表示部42aに第二画像8を表示し、第二画像8に対する運転者の注視動作が終了すると、第二画像8に代えて第一画像6を表示部42aに表示させてもよい。制御部20は、例えば、運転者200が第二画像8とは異なる方向に視線を向けている状態が所定時間継続した場合に第二画像8に対する注視動作が終了したと判定してもよい。
【0043】
制御部20は、運転者200の操作入力によって第二画像8に代えて第一画像6を表示させてもよい。例えば、メータディスプレイ42の表示内容を操作する操作メニューに、第二画像8の表示を終了させるためのメニュー項目が表示されてもよい。運転者200は、第二画像8の表示が必要なくなったときには、第二画像8の表示を終了させるメニュー項目を選択し、第二画像8の表示を終了させることができる。
【0044】
[第2実施形態]
図6から
図8を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6は、第2実施形態に係る第一画像を示す図、
図7は、注視動作を示す図、
図8は、第2実施形態に係る第二画像を示す図である。第2実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、例えば、第二画像8として車両100のアラウンドビューが表示される点である。
【0045】
図6に示すように、表示部42aには、第一画像6として、自車両画像62が表示されている。自車両画像62は、車両100の画像であり、例えば、車両100を後方から見たときの画像である。自車両画像62には、車両100が停車している路面も表示される。車両100の近傍に物体が存在する場合、その物体の少なくとも一部が自車両画像62に表示されてもよい。自車両画像62は、車両100を後方から見下ろした鳥瞰画像であってもよい。自車両画像62は、例えば、車両100が停車しているときや、車両100が発進しようとしているときに表示される。
図6では、車速が0[km/h]であり、かつシフトポジションがDポジションである状態で表示部42aに自車両画像62が表示されている。
【0046】
運転者200は、車両100を発進させる前や、車両100を発進させようとする際に、車両100の周囲に障害物があるか否かを確認しようとする。このときに、運転者200は、例えば、
図7に示すようにメータディスプレイ42に表示されている自車両画像62を注視する。制御部20は、自車両画像62を注視する注視動作が検出された場合、
図8に示すように第二画像8としてアラウンドビュー画像82を表示させる。
【0047】
アラウンドビュー画像82は、車両100の画像82a、および車両100の周辺の物体の画像82bを含む鳥瞰画像である。つまり、アラウンドビュー画像82は、車両100および車両100の周辺の物体を表示する鳥瞰画像である。アラウンドビュー画像82は、例えば、外部カメラ53によって撮像された車両100の周辺の画像から生成される。アラウンドビュー画像82は、第二監視部13や制御部20によって生成されてもよい。本実施形態のアラウンドビュー画像82は、車両100の側方の画像、車両100の前方の画像、および車両100の後方の画像から生成される。
【0048】
図8に示すアラウンドビュー画像82には、車両100の周辺の物体として、車両100の側方に存在する他車両が示されている。ただし、表示される周辺の物体は、側方の他車両には限定されない。車両100の周辺の物体として、周辺に位置する人物、構造物、動物等がアラウンドビュー画像82に表示されてもよい。
【0049】
表示部42aにアラウンドビュー画像82が表示されることで、運転者200が車両100の周囲の状況を容易に確認することができる。確認しようとする対象を注視する自然な動作によって自車両画像62がアラウンドビュー画像82に切り替えられることで、運転者200の感覚に合致した情報提供が実現される。
【0050】
表示部42aにおいて、アラウンドビュー画像82が表示される範囲は、自車両画像62が表示される範囲よりも広い。制御部20は、アラウンドビュー画像82を表示させる場合、メータ画像7の表示範囲を縮小させる。メータ画像7の表示範囲が縮小されることにより、アラウンドビュー画像82を表示する領域が確保される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の第一画像6は、停車中の車両100の画像であり、第二画像8は、車両100および車両100の周辺の物体を表示する鳥瞰画像である。第一画像6を注視する動作に応じて車両100および周辺の物体を含む鳥瞰画像が表示されることで、運転者200の感覚に合致した表示が実現される。
【0052】
[第3実施形態]
図9から
図12を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9は、第3実施形態に係る第一画像を示す図、
図10は、運転者の振り返り動作を示す図、
図11は、運転者の注視動作を示す図、
図12は、第3実施形態に係る第二画像を示す図である。第3実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、例えば、第二画像8として、車両100のコーナー部分の拡大図が表示される点である。
【0053】
図9に示すように、表示部42aには、第一画像6として、警告画像63が表示されている。警告画像63は、車両100の周辺の物体に対する車両100の接近を警告する画像である。警告画像63は、車両100の鳥瞰画像63a、および周辺の物体と接近していることを示す接近表示63bを含む。警告画像63は、コーナーセンサの検出結果に基づいて表示される。警告画像63は、例えば、第二監視部13によって生成される。制御部20は、第二監視部13から取得した警告画像63を表示部42aに表示させる。
【0054】
図9には、シフトポジションがRポジションであるときに右後方の物体に対して車両100が接近している場合の警告画像63が示されている。運転者200は、警告画像63が表示されると、車両100に接近している物体を確認しようとする。運転者200は、例えば、
図10に示すように右後方を振り返り、物体を視認しようとする。このときに、接近している物体が死角に入っていると、運転者200が物体を視認することができない。物体を視認できなかった運転者200は、
図11に示すように、顔を前方に向けて警告画像63を注視する。
【0055】
制御部20は、運転者200が警告画像63を注視する注視動作を検出した場合、
図12に示すように、障害物画像83を表示させる。障害物画像83は、第二画像8であり、警告画像63に代えて表示される。障害物画像83は、車両100の鳥瞰画像83a、および障害物の画像83bを含む。障害物画像83における鳥瞰画像83aでは、車両100の一部が表示される。より詳しくは、鳥瞰画像83aでは、車両100における周辺の物体に接近している部分が表示される。例えば、右後方の物体に対して車両100が接近している場合、鳥瞰画像83aには車両100の右後部が表示される。
【0056】
障害物の画像83bは、車両100に対して接近している物体の画像である。障害物の画像83bは、例えば、外部カメラ53によって撮像された画像である。なお、障害物の画像83bは、外部カメラ53によって撮像された画像に代えて、各種センサ54の検出結果に基づいて生成された画像であってもよい。
【0057】
表示部42aに障害物画像83が表示されることで、運転者200が障害物の位置や種類を容易に確認することができる。障害物への接近が警告されている場合に、その警告内容を確認しようとして警告画像63を注視する動作は、自然な動作である。自然になされる注視動作に応じて障害物の画像83bが表示されることで、運転者200の感覚に合致した警告表示が実現される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の第一画像6は、車両100の周辺の物体に対する車両100の接近を警告する警告画像63であり、第二画像8は、周辺の物体および車両100における周辺の物体に接近している部分を表示する障害物画像83である。周辺の物体に対する車両100の接近が警告されている場合、車両100に対する警告対象の物体の相対位置が運転者200によって重要な情報である。運転者200が警告画像63を注視する場合、警告対象の物体についての情報を運転者200が求めていると推定できる。この場合に障害物画像83が表示されることで、運転者200の感覚に合致した表示が実現される。
【0059】
[各実施形態の第1変形例]
上記第1実施形態から第3実施形態の第1変形例について説明する。メータディスプレイ42は、実像によって第一画像6および第二画像8を表示することに代えて、虚像によって第一画像6および第二画像8を表示してもよい。
【0060】
第一画像6や第二画像8を表示する表示部は、メータディスプレイ42には限定されない。例えば、HUD43によって第一画像6および第二画像8が表示されてもよい。
図13は、各実施形態の第1変形例に係るヘッドアップディスプレイ装置を示す図である。HUD43は、例えば、
図13に示すように、表示部10a、バックライトユニット10b、およびミラー2を有する。表示部10aは、例えば、液晶表示装置である。表示部10aによって表示された画像は、ミラー2によってウインドシールドWSの反射部101に向けて投影される。投影された画像は、反射部101によって運転者200に向けて反射される。反射部101によって反射された画像は、ウインドシールドWSよりも前方において結像する虚像3として運転者200によって視認される。HUD43は、第一画像6および第二画像8を虚像3として表示させる。
【0061】
HUD43によって第一画像6が表示されている場合の注視動作は、運転者200が運転者200の顔を反射部101に近づける動作を含んでもよい。制御部20は、第一画像6が表示されているときに注視動作を検出した場合、第一画像6に代えて第二画像8をHUD43によって表示させる。制御部20は、第二画像8の表示範囲を第一画像6の表示範囲よりも広くさせてもよい。
【0062】
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。