特許第6907327号(P6907327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6907327無線充電システム、無線充電方法及び被充電機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6907327
(24)【登録日】2021年7月2日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】無線充電システム、無線充電方法及び被充電機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210708BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20210708BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20210708BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   H02J50/12
   H02J50/80
【請求項の数】18
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2019-543900(P2019-543900)
(86)(22)【出願日】2018年2月13日
(65)【公表番号】特表2020-511102(P2020-511102A)
(43)【公表日】2020年4月9日
(86)【国際出願番号】CN2018076700
(87)【国際公開番号】WO2018184428
(87)【国際公開日】20181011
【審査請求日】2019年8月15日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/079784
(32)【優先日】2017年4月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジアリャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ドンスン
(72)【発明者】
【氏名】リン、シャンボ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジアダ
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−092986(JP,A)
【文献】 特開2013−038854(JP,A)
【文献】 特開2013−230007(JP,A)
【文献】 特開平09−121462(JP,A)
【文献】 特開2012−249410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
H02J 50/00 −50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電装置と被充電機器を備え、
前記無線充電装置は、無線送信回路及び第一通信制御回路を備え、
前記無線送信回路は、前記被充電機器に対して無線充電するために、電磁信号を送信するために用いられ、
前記第一通信制御回路は、前記無線充電中に前記被充電機器と無線通信を行うために用いられ、
前記被充電機器は、バッテリと、無線受信回路と、降圧回路と、検出回路と、第二通信制御回路と、を備え、
前記無線受信回路は、前記電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられ、
前記降圧回路は、前記無線受信回路の出力電圧を受信し、且つ前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられ、
前記検出回路は、前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するために用いられ、
前記第二通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記第一通信制御回路と無線通信を行って、前記第一通信制御回路によって前記無線送信回路の送信電力を調整するために用いられ
前記被充電機器はさらに第二充電チャンネルを備え、前記第二充電チャンネルには変換回路が設置されており、前記変換回路は前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流を受信し、前記無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにして、且つ前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられ、
前記第二通信制御回路は、さらに前記第一充電チャンネルと前記第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御するために用いられる、
ことを特徴とする無線充電システム。
【請求項2】
バッテリと、無線受信回路と、降圧回路と、検出回路と、通信制御回路と、第二充電チャンネルと、を備え、
前記無線受信回路は、無線充電装置から送信する電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられ、
前記降圧回路は、前記無線受信回路の出力電圧を受信し、且つ前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられ、
前記検出回路は、前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するために用いられ、
前記通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するために用いられ、
記第二充電チャンネルには変換回路が設置されており、前記変換回路は前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流を受信し、前記無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにして、且つ前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられ、
前記通信制御回路は、さらに前記第一充電チャンネルと前記第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御するために用いられる、
ことを特徴とする被充電機器。
【請求項3】
前記降圧回路は、Buck回路又はチャージポンプである、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項4】
前記通信制御回路は前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行うことは、
前記通信制御回路は前記無線充電装置に調整情報を送信することを備え、前記調整情報は前記無線充電装置に電源装置の出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項5】
前記バッテリの現在の充電段階は、トリクル充電段階、定電圧充電段階及び定電流充電段階のうちの少なくとも1つを備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項6】
前記通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するようにすることは、
前記バッテリの定電圧充電段階において、前記第一充電チャンネルの出力電圧が前記定電圧充電段階に対応する充電電圧と一致するように、前記通信制御回路は、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するようにすることを備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の被充電機器。
【請求項7】
前記通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するようにすることは、
前記バッテリの定電流充電段階において、前記第一充電チャンネルの出力電流が前記定電流充電段階に対応する充電電流と一致するように、前記通信制御回路は、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するようにすることを備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の被充電機器。
【請求項8】
前記通信制御回路は、さらに前記無線充電装置にバッテリの状態情報を送信して、前記無線充電装置が前記バッテリの状態情報に応じて前記無線充電装置の送信電力を調整するようにするために用いられ、前記バッテリの状態情報は、前記被充電機器のバッテリの現在の電力及び/又は現在の電圧を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項9】
前記通信制御回路と前記無線充電装置との間で送信される通信情報は、前記バッテリの温度情報、前記バッテリの充電電圧及び/又は充電電流のピーク値又は平均値を指示する情報、過電圧保護又は過電流保護に入ることを指示する情報、前記無線充電装置と前記無線受信回路との間の電力伝送効率を指示する電力伝送効率情報のうちの少なくとも一種を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項10】
前記通信制御回路は、さらに前記無線充電装置とハンドシェイク通信を行うために用いられ、前記ハンドシェイク通信が成功し場合、前記第一充電チャンネルが作動するように制御し、前記ハンドシェイク通信が失敗した場合、前記第二充電チャンネルが作動するように制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項11】
前記通信制御回路は、さらに前記バッテリの温度に応じて、前記第一充電チャンネルと前記第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項12】
前記第一充電チャンネルの電流は脈動直流電流であり、
前記検出回路はサンプルホールド回路を備え、前記サンプルホールド回路がサンプル状態にあるとき、前記サンプルホールド回路は前記脈動直流電流に対してサンプリングするために用いられ、前記サンプルホールド回路がホールド状態にあるとき、前記サンプルホールド回路は前記脈動直流電流の電流ピーク値をホールドするために用いられ、
前記通信制御回路は、さらに前記サンプルホールド回路がホールド状態にあるか否かを判断するために用いられ、前記サンプルホールド回路が前記ホールド状態にあると判断した場合、前記サンプルホールド回路がホールドしている前記脈動直流電流の電流ピーク値を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項13】
前記サンプルホールド回路はキャパシターを備え、前記サンプルホールド回路は、前記サンプルホールド回路のキャパシターに基づいて前記脈動直流電流の電流ピーク値をホールドし、
前記検出回路は放電回路をさらに備え、前記通信制御回路は、さらに前記放電回路によって前記サンプルホールド回路のキャパシター両端の電荷を放電し、従って前記サンプルホールド回路がホールド状態からサンプル状態に切り替えるようにするために用いられる、
ことを特徴とする請求項12に記載の被充電機器。
【請求項14】
前記無線充電装置は第一無線充電モード又は第二無線充電モードで動作可能であり、前記無線充電装置が前記第一無線充電モードで前記被充電機器を充電する充電速度は、前記無線充電装置が前記第二無線充電モードで前記被充電機器を充電する充電速度より速く、
前記通信制御回路は、さらに前記無線充電装置と無線通信して前記第一無線充電モードと前記第二無線充電モードのどちらを無線充電に対応させるかを交渉するために用いられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項15】
無線受信回路を利用して無線充電装置から送信する電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するステップと、
前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいてバッテリを充電するステップと、
前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するステップと、
前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するステップと、
前記無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流を獲得し、前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにして、且つ前記第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流に基づいて前記バッテリを充電するステップと、
前記第一充電チャンネルと前記第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御するステップと、
を備える、
ことを特徴とする無線充電方法。
【請求項16】
検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行うことは、
前記無線充電装置に調整情報を送信することを備え、前記調整情報は前記無線充電装置に源装置の出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示するために用いられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線充電方法。
【請求項17】
前記無線充電方法は、
前記無線充電装置にバッテリの状態情報を送信して、前記無線充電装置が前記バッテリの状態情報に応じて前記無線充電装置の送信電力を調整するようにすることをさらに備え、その中において、前記バッテリの状態情報は、前記バッテリの現在の電力及び/又は現在の電圧を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線充電方法。
【請求項18】
前記無線充電方法は、
前記無線充電装置とハンドシェイク通信を行って、前記ハンドシェイク通信が成功し場合、前記第一充電チャンネルが作動するように制御し、前記ハンドシェイク通信が失敗した場合、前記第二充電チャンネルが作動するように制御すること、
前記バッテリの温度に応じて、前記第一充電チャンネルと前記第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御すること、
をさらに備える、
ことを特徴とする請求項15に記載の無線充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線充電の分野に関し、さらに具体的に、無線充電システム、無線充電方法及び被充電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、充電技術分野では、被充電機器は主に有線充電方式で充電されている。
【0003】
携帯電話を例に挙げると、現在、携帯電話は依然として主に有線充電方式で充電されている。具体的には、携帯電話を充電することを必要とする場合、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus,USB)ケーブルなどの充電ケーブルによって携帯電話と電源装置を接続することができ、且つこの充電ケーブルによって電源装置の出力電力を携帯電話に伝送して、携帯電話のバッテリーを充電する。
【0004】
被充電機器にとって、有線充電方式は充電ケーブルを使用することを必要とするので、充電準備段階の作業が煩雑になる。したがって、無線充電方式は、ユーザーの間で人気が高まっている。しかしながら、従来の無線充電方式は効果が悪く、改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明は無線充電システム、無線充電方法及び被充電機器を提供し、無線充電過程を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様において、本発明は無線充電システムを提供する。前記無線充電システムは、無線充電装置と被充電機器を備える。前記無線充電装置は、無線送信回路及び第一通信制御回路を備える。前記無線送信回路は、前記被充電機器に対して無線充電するために、電磁信号を送信するために用いられる。前記第一通信制御回路は、前記無線充電中に前記被充電機器と無線通信を行うために用いられる。前記被充電機器は、バッテリと、無線受信回路と、降圧回路と、検出回路と、第二通信制御回路と、を備える。前記無線受信回路は、前記電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられる。前記降圧回路は、前記無線受信回路の出力電圧を受信し、且つ前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられる。前記検出回路は、前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するために用いられる。前記第二通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記第一通信制御回路と無線通信を行って、前記第一通信制御回路によって前記無線送信回路の送信電力を調整するために用いられる。
【0007】
第二態様において、本発明は被充電機器を提供する。前記被充電機器は、バッテリと、無線受信回路と、降圧回路と、検出回路と、通信制御回路と、を備える。前記無線受信回路は、無線充電装置から送信する電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられる。前記降圧回路は、前記無線受信回路の出力電圧を受信し、且つ前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいて前記バッテリを充電するために用いられる。前記検出回路は、前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するために用いられる。前記通信制御回路は、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、前記検出回路によって検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するために用いられる。
【0008】
第三態様において、本発明は無線充電方法を提供する。前記無線充電方法は、無線受信回路を利用して無線充電装置から送信する電磁信号を受信し、且つ前記電磁信号を前記無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換するステップと、前記無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいてバッテリを充電するステップと、前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出するステップと、前記第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流が前記バッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出された前記第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて前記無線充電装置と無線通信を行って、前記無線充電装置の送信電力を調整するステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の無線充電システムの構造を示す例示的な図である。
図2】本発明の一実施形態に係わる無線充電システムの構造を示す図である。
図3】本発明の別の実施形態に係わる無線充電システムの構造を示す図である。
図4】本発明のさらに別の実施態様に係わる無線充電システムの構造を示す図である。
図5】本発明のさらに別の実施態様に係わる無線充電システムの構造を示す図である。
図6】本発明のさらに別の実施態様に係わる無線充電システムの構造を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係わる被充電機器の構造を示す図であるである。
図8】本発明の別の実施形態に係わる被充電機器の構造を示す図であるである。
図9】本発明の実施形態に係わる無線充電方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の別の実施形態に係わる無線充電方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、無線充電技術に基づいて被充電機器に対して充電する。無線充電技術はケーブルを使用しなく電力伝送を完了することができるので、充電準備段階の操作が簡単になる。
【0011】
従来の無線充電技術では、一般的に電源装置(アダプタなど)と無線充電装置(無線充電台座など)を接続して、前記無線充電装置によって電源装置の出力電力を無線方式(電磁信号又は電磁波など)で被充電機器に送信して、被充電機器に対して無線充電を行う。
【0012】
異なる無線充電原理によって、無線充電方式は主に3つのタイプ、即ち磁気結合(又は電磁誘導)、磁気共鳴、及び無線電波に分けられる。現在、主流の無線充電規格は、QI規格、PMA(power matters alliance)規格、無線電力アライアンス(alliance for wireless power,A4WP)規格を含む。QI規格及びPMA規格はいずれも磁気結合方式で無線充電を行う。A4WP規格は磁気共鳴方式で無線充電を行う。
【0013】
以下、図1を参照して、従来の無線充電方式を紹介する。
【0014】
図1に示されたように、無線充電システムは、電源装置110と、無線充電装置120と、被充電機器130と、を備える。無線充電装置120は、例えば、無線充電台座であることができる。被充電機器130は、例えば、端末であることができる。
【0015】
電源装置110が無線充電装置120に接続されると、電源装置110の出力電流は無線充電装置120に伝送されることができる。無線充電装置120はその内部の無線送信回路121を介して電源装置110の出力電流を電磁信号(又は電磁波)に変換して送信することができる。例えば、無線送信回路121は電源装置110の出力電流を交流電流(AC)に変換し、且つ送信コイル又は送信アンテナ(図示せず)によって交流電流を電磁信号に変換することができる。
【0016】
被充電機器130は、無線受信回路131によって無線送信回路121から送信する電磁信号を受信し、且つこの電磁信号を無線受信回路131の出力電流に変換することができる。例えば、無線受信回路131は、受信コイル又は受信アンテナ(図示せず)によって無線送信回路121から送信する電磁信号を交流電流に変換し、且つ交流電流に対して整流及び/又はフィルタリングなどの操作を行って、交流電流を無線受信回路131の出力電圧と出力電流に変換することができる。
【0017】
従来の無線充電技術にとって、無線充電が始まる前に、無線充電装置120と被充電機器130は無線送信回路121の送信電力を事前に交渉する。無線充電装置120と被充電機器130が交渉した電力は5Wであると仮定すると、無線受信回路131の出力電圧と出力電流は一般的に5V及び1Aである。無線充電装置120と被充電機器130が交渉した電力は10.8Wであると仮定すると、無線受信回路131の出力電圧と出力電流は一般的に9V及び1.2Aである。
【0018】
被充電機器130内のバッテリ133の予想充電電圧及び/又は充電電流を獲得するために、無線受信回路131の出力電圧はバッテリ133の両端に直接に印加することには適していなく、先ず被充電機器130内の変換回路132によって変換しなければならない。
【0019】
バッテリ133の予想充電電圧及び/又は充電電流に関する要件を満たすように、変換回路132は無線受信回路131の出力電圧を変換するために用いられる(例えば、定電圧及び/又は定電流制御である)。
【0020】
一例として、変換回路132は、充電集積回路(integrated circuit,IC)のような充電管理モジュールであることができる。バッテリ133の充電過程で、変換回路132はバッテリ133の充電電圧及び/又は充電電流を管理することができる。変換回路132は、バッテリ133の充電電圧及び/又は充電電流を管理するために、電圧フィードバック機能及び/又は電流フィードバック機能を含むことができる。
【0021】
例えば、バッテリーの充電過程は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階のうちの少なくとも1つを含むことができる。トリクル充電段階において、変換回路132は電流フィードバック機能を利用して、トリクル充電段階でバッテリ133に流れる電流がバッテリ133の予想充電電流の大きさ(例えば、第一充電電流)を満足することにする。定電流充電段階において、変換回路132は電流フィードバック機能を利用して、定電流充電段階でバッテリ133に流れる電流がバッテリ133の予想充電電流の大きさ(例えば、第二充電電流であり、第二充電電流は第一充電電流より大きいことができる)を満足することにする。定電圧充電段階において、変換回路132は電圧フィードバック機能を利用して、定電圧充電段階でバッテリ133の両端に印加された電圧の大きさがバッテリ133の予想充電電圧の大きさを満足することにする。
【0022】
一例として、無線受信回路131の出力電圧がバッテリ133の予想充電電圧よりも高い場合、降圧変換後の充電電圧がバッテリ133の予想充電電圧需要を満たすように、変換回路132は無線受信回路131の出力電圧に対して降圧処理を行うことができる。他の例として、無線受信回路131の出力電圧がバッテリ133の予想充電電圧より低い場合、昇圧変換後の充電電圧がバッテリ133の予想充電電圧需要を満たすように、変換回路132は無線受信回路131の出力電圧に対して昇圧処理を行うことができる。
【0023】
さらに他の例として、無線受信回路131の出力電圧は、例えば、5Vの一定電圧であり、バッテリ133が単一のセル(リチウムバッテリセルを例に挙げると、単一のセルの充電カットオフ電圧は、一般的に4.2Vである)を含む場合、変換回路132(例えば、Buck降圧回路)は無線受信回路131の出力電圧に対して降圧処理を行うことができ、従って降圧してから獲得した充電電圧がバッテリ133の予想充電電圧需要を満たすようにする。
【0024】
さらに他の例として、無線受信回路131の出力電圧は、例えば、5Vの一定電圧であり、 バッテリ133が直列に接続された2つ以上の単セル(リチウムバッテリセルを例に挙げると、単一のセルの充電カットオフ電圧は、一般的に4.2Vである)を含む場合、変換回路132(例えば、Boost昇圧回路)は無線受信回路131の出力電圧に対して昇圧処理を行うことができ、従って昇圧してから獲得した充電電圧がバッテリ133の予想充電電圧需要を満たすようにする。
【0025】
変換回路132は、回路変換効率が低いという理由に制限されて、変換されなかった電気エネルギーは熱の形で消散される。この部分の熱は被充電機器130の内部に蓄積される可能性がある。被充電機器130の設計スペース及び放熱スペースはいずれも非常に小さい(例えば、ユーザーが使用する携帯端末の物理的サイズはますます軽量化、薄型化になるとともに、携帯端末の性能を向上させるために、携帯端末内に多数の電子部品が密集して配置されている)ので、変換回路132の設計難易度が向上するだけではなく、被充電機器130の内部に蓄積された熱を速やかに除去することは困難であり、結果的に被充電機器130の異常が発生する。
【0026】
例えば、変換回路132に蓄積された熱は、変換回路132の近傍の電子部品に熱干渉を招く、その結果、電子部品の動作異常を引き起こす可能性がある。さらに、一例では、変換回路132に蓄積された熱は、変換回路132及び変換回路132の近傍の電子部品の寿命を短縮する可能性がある。さらに別の例では、変換回路132に蓄積された熱は、バッテリ133に熱干渉を招く、バッテリ133の異常充電及び異常放電を引き起こす可能性がある。さらに別の例では、変換回路132に蓄積された熱は、被充電機器130の温度を上昇させて、充電過程でユーザーの使用経験に影響を与える可能性がある。さらに別の例では、変換回路132に蓄熱された熱は、変換回路132自体を短絡させる可能性があり、その結果、無線受信回路131の出力電圧が直接にバッテリ133の両端に印加されて、充電異常を引き起こし、もしバッテリ133が長時間過電圧で充電される場合、バッテリ133の爆発を引き起こし、ユーザーの安全が危険になる可能性がある。
【0027】
上記の問題を解決するために、本開示の実施形態は無線充電システムを提供する。無線充電システムでは、無線充電装置と被充電機器は無線通信を行うことができる。また、無線充電装置の送信電力が被充電機器内のバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように(又は被充電機器内のバッテリの現在の充電段階と一致するように)、被充電機器のフィードバック情報に応じて無線充電装置の送信電力を調整することができる。無線充電装置の送信電力がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することは、無線充電装置は電磁信号の送信電力を調整して、無線受信回路がこの電磁信号を受信した後、無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流が被充電機器内のバッテリの要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致する(又は無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流は被充電機器内のバッテリの充電需要を満たす)ことを意味する。これにより、被充電機器において、無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流を直接にバッテリの両端に印加してバッテリを充電することができ(以下、被充電機器のこのような充電方式を「直接充電」という)、上述した変換回路が無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流を変換することによって招くエネルギー損失、発熱などの問題を回避することができる。
【0028】
変換回路の発熱問題を解決してから、無線充電過程の主な発熱源は、無線送信回路(送信コイルを含む)及び無線受信回路(受信コイルを含む)に集中している。
【0029】
充電電力は20Wに等しく、単セルの充電電圧/充電電流は5V/4Aに等しいことを例として説明する。可能な実施形態として、無線送信回路は5V/4Aに基づいて電磁信号を生成することができ、対応して、無線受信回路は電磁信号を5V/4Aの出力電圧/出力電流に変換し、このような低電圧大電流に基づく充電方式は、無線送信回路と無線受信回路が電力送信過程で大量の熱を発生することを招く。
【0030】
無線送信回路と無線受信回路の発熱を低減するために、本発明の実施形態は上述した直接充電モードをさらに改善し、無線受信回路とバッテリとの間に降圧回路を設置し、降圧回路の出力電圧をバッテリの充電電圧とする。依然として、充電電力は20Wに等しく、単セルの充電電圧/充電電流は5V/4Aに等しいことを例として説明する。バッテリの充電電圧に対する要求を満たすために、降圧回路の出力電圧/出力電流を5V/4Aに維持する必要があり、もし降圧回路が半圧回路であると仮定すると、降圧前の電圧は10V/2Aである。このように、無線送信回路は10V/2Aに基づいて電磁信号を生成し、対応して、無線受信回路は電磁信号を10V/2Aの出力電圧/出力電流に変換し、電流は4Aから2Aに減少されるので、電力送信過程で発生する熱もそれに応じて減少される。
【0031】
以下、図2を参照して、本発明の実施形態に係わる無線充電システム200について詳細に説明する。
【0032】
図2に示されたように、本発明の実施形態に係わる無線充電システム200は、無線充電装置220と被充電機器230を備えることができる。
【0033】
無線充電装置220は、無線送信回路221及び第一通信制御回路222を備えることができる。第一通信制御回路222の制御機能は、例えば、マイクロ制御ユニット(micro control unit,MCU)によって実現することができる。
【0034】
無線送信回路221は、被充電機器230に対して無線充電するために、電磁信号を送信するために用いられる。いくつかの実施形態では、無線送信回路221は、無線送信駆動回路と、送信コイル(又は送信アンテナ)(図示せず)と、を備えることができる。無線送信駆動回路は、高周波の交流電流を生成するために用いられる。送信コイル又は送信アンテナは、高周波の交流電流を電磁信号に変換して送信するために用いられる。
【0035】
第一通信制御回路222は、無線充電中に被充電機器230と無線通信を行うために用いられる。具体的には、第一通信制御回路222は被充電機器230の第二通信制御回路235と通信することができる。本発明の実施形態は、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235との間の通信方式及び第一通信制御回路222と第二通信制御回路235との間で送受信される通信情報に対して具体的に限定されなく、これについて、以下、具体的な実施形態と結合して詳細に説明する。
【0036】
被充電機器230は、無線受信回路と231、バッテリ232と、第一充電チャンネル233と、検出回路234と、第二通信制御回路235と、を備えることができる。第二通信制御回路235の制御機能は、例えば、マイクロ制御ユニット(micro control unit,MCU)によって実現することができ、又はMCUと被充電機器内のアプリケーションプロセッサ(application processor,AP)によって共同に実現することができる。
【0037】
無線受信回路231は、電磁信号を受信し、且つ電磁信号を無線受信回路231の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられる。具体的には、無線受信回路231は、受信コイル又は受信アンテナ(図示せず)と、受信コイル及び受信アンテナに接続された整流回路及び/又はフィルタリング回路などのような整形回路と、を備えることができる。受信アンテナ又は受信コイルは、電磁信号を交流電流に変換するために用いられる。整形回路は、交流電流を無線受信回路231の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられる。
【0038】
説明しなければならないことは、本発明の実施形態は、整形回路の具体的な形式、及び整形回路が整形した後の無線受信回路231の出力電圧及び出力電流の形式を具体的に限定しない。
【0039】
いくつかの実施形態では、整形回路は整流回路及びフィルタリング回路を備えることができる。無線受信回路231の出力電圧は、フィルタリング後の安定な電圧であることができる。他の実施形態では、整形回路は整流回路を備えることができる。無線受信回路231の出力電圧は、整流後の脈動波形電圧であることができる。脈動波形電圧は、被充電機器230のバッテリ232の両端に直接に印加されてバッテリ232を充電することができる。無線受信回路231の出力電圧を脈動波形電圧に調整する方式は様々であり、例えば、無線受信回路231内のフィルタリング回路を省略し、ただ整流回路のみを保留することができる。
【0040】
無線受信回路231の出力電流は間欠的にバッテリ232を充電することができると理解されるべきである。無線受信回路231の出力電流の周期は、無線充電システム200に入力される交流電流、例えば、交流電力網の周波数によって変化することができる。例えば、無線受信回路231の出力電流の周期に対応する周波数は、電力網の周波数の整数倍又は逆数倍である。また、無線受信回路231の出力電流は間欠的にバッテリー232を充電する場合、無線受信回路231の出力電流に対応する電流波形は、電力網に同期した1つのパルス又は1つのパルス群から構成されることができる。従来の一定の直流電流(DC)と比較して、大きさが周期的に変化する脈動電圧又は脈動電流は、リチウムバッテリのリチウム析出を減少して、バッテリの寿命を延ばすことができる。加えて、バッテリの分極効果を低減し、充電速度を速め、電池の発熱を減少して、被充電機器が充電される時の安全性及び信頼性を確保することに有益である。
【0041】
第一充電チャンネル233には降圧回路239が設置されている。降圧回路239は、無線受信回路231の出力電圧を受信し且つ無線受信回路231の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャンネル233の出力電圧及び出力電流を獲得し、第一充電チャンネル233の出力電圧及び出力電流に基づいてバッテリ232を充電するために用いられる。
【0042】
降圧回路239は様々な実現形式がある。一例として、降圧回路239はBuck回路であることができる。他の例として、降圧回路239はチャージポンプ(charge pump)であることができる。チャージポンプは複数のスイッチング素子から構成され、スイッチング素子に電流が流れて発生する熱は非常に小さく、電流が直接に配線に流れることとほぼ同等であるので、チャージポンプを降圧回路として使用する場合、降圧効果を達成することができるだけではなく、発熱も少ない。
【0043】
検出回路234は、第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流を検出するために用いられる。第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流は、無線受信回路231と降圧回路239との間の電圧及び/又は電流を指すことができ、即ち無線受信回路231の出力電圧及び/又は出力電流である。又は、第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流は、降圧回路239とバッテリ232との間の電圧及び/又は電流を指すこともでき、即ち第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流である(本実施形態において、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流は、バッテリ232の出力電圧及び/又は出力電流である)。
【0044】
いくつかの実施形態では、検出回路234は電圧検出回路及び電流検出回路を含むことができる。電圧検出回路は、第一充電チャンネル233の電圧をサンプリングし、サンプリングされた電圧値を第二通信制御回路235に送信するために用いられる。いくつかの実施形態では、電圧検出回路は、直列分圧方式で第一充電チャンネル233の電圧をサンプリングすることができる。電流検出回路は、第一充電チャンネル233の電流をサンプリングし、サンプリングされた電流値を第二通信制御回路235に送信するために用いられる。いくつかの実施形態では、電流検知回路は、電流検出抵抗と電流検出器によって第一充電チャンネル233の電流をサンプリングすることができる。
【0045】
第二通信制御回路235は、無線送信回路221の送信電力がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222によって無線送信回路221の送信電力を調整するために用いられる。
【0046】
無線送信回路221の送信電力がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することは、第二通信制御回路235は電磁信号の送信電力を設定して、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致する(又は、第二通信制御回路235は電磁信号の送信電力を設定して、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の充電需要(バッテリ232の充電電圧及び/又は充電電流に対する需要を含む)を満たす))ことを意味する。
【0047】
換言すると、第二通信制御回路235は、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がトリクル充電段階、定電圧充電段階、定電流充電段階のうちの少なくとも1つの段階におけるバッテリ232の充電要求を満たすように、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が無線送信回路221の送信電力を調整するようにするために用いられる。
【0048】
換言すると、第二通信制御回路235は、バッテリ232の充電過程に対して定電圧及び/又は定電流制御を行うように、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が無線送信回路221の送信電力を調整するようにするために用いられる。
【0049】
バッテリの充電過程は、トリクル充電段階、定電圧充電段階及び定電流充電段階のうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0050】
第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることは、
バッテリ232のトリクル充電段階において、第一充電チャンネル233の出力電流がトリクル充電段階に対応する充電電流と一致する(又は第一充電チャンネル233の出力電流がトリクル充電段階におけるバッテリ233の充電電流に対する要求を満たす)ように、第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出されたた第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることを備える。
【0051】
トリクル充電段階に対応する充電電流は1Aであることを例として説明する。バッテリ232がトリクル充電段階にあるとき、検出回路234によって無線受信回路231の出力電流をリアルタイムに検出することができる。無線受信回路231の出力電流が1Aより大きい場合、第一通信制御回路222によって無線送信回路221の送信電力を調整して、第一充電チャンネル233の出力電流が再び1Aに戻るように、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222と通信することができる。
【0052】
第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることは、
バッテリ232の定電圧充電段階において、第一充電チャンネル233の出力電圧が定電圧充電段階に対応する充電電圧と一致する(又は第一充電チャンネル233の出力電圧が定電圧充電段階におけるバッテリ233の充電電圧に対する要求を満たす)ように、第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることを備える。
【0053】
定電圧充電段階に対応する充電電圧は5Vであることを例として説明する。バッテリ232が定電圧充電段階にあるとき、検出回路234によって第一充電チャンネル233の出力電圧をリアルタイムに検出することができる。第一充電チャンネル233の出力電圧が5Vより低いとき、第一通信制御回路222によって無線送信回路221の送信電力を調整して、第一充電チャンネル233の出力電圧が再び5Vに戻るように、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222と通信することができる。
【0054】
第一充電チャンネル233の出力電圧が変動する理由は多様であり、本発明の実施例はこれに対して具体的に限定しない。例えば、無線送信回路221と無線受信回路231との間の電磁信号の伝送が阻害されてエネルギー変換効率が低下するので、第一充電チャンネル233の出力電圧が5Vより低くなる。
【0055】
第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることは、
バッテリ232の定電流充電段階において、第一充電チャンネル233の出力電流が定電流充電段階に対応する充電電流と一致する(又は第一充電チャンネル233の出力電流が定電流充電段階におけるバッテリ233の充電電流に対する要求を満たす)ように、第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に応じて第一通信制御回路222と無線通信を行って、第一通信制御回路222が無線送信回路221の送信電力を調整するようにすることを備える。
【0056】
定電流充電段階に対応する充電電流は2Aであることを例として説明する。バッテリ232が定電流充電段階にあるとき、検出回路234によって第一充電チャンネル233の出力電流をリアルタイムに検出することができる。第一充電チャンネル233の出力電流が2Aより低いとき、第一通信制御回路222によって無線送信回路221の送信電力を調整して、第一充電チャンネル233の出力電流が再び2Aに戻るように、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222と通信することができる。
【0057】
第一充電チャンネル233の出力電流が変動する理由は多様であり、本発明の実施例はこれに対して具体的に限定しない。例えば、無線送信回路221と無線受信回路231との間の電磁信号の伝送が阻害されてエネルギー変換効率が低下するので、第一充電チャンネル233の出力電流が2Aより低くなる。
【0058】
本発明の実施例で言及される定電流充電段階又は定電流段階は、充電電流が完全に一定のままであることを必要とせず、例えば、充電電流のピーク値又は平均値は一定期間内で一定のままであることを指す。実際には、定電流充電段階では、一般的に多段定電流充電方法で充電する。
【0059】
多段定電流充電(Multi-stage constant current charging)は、N個(Nは2以上の整数である)の定電流段階を有することができる。多段階定電流充電は、所定の充電電流で第一段階充電を始まる。多段階定電流充電のN個の定電流段階は、第一段階から第N段階まで順次に実行される。定電流段階の中の前の定電流段階から次の定電流段階に移行すると、脈動波形の電流ピーク値又は平均値は小さくなることができる。バッテリ電圧が充電終止電圧閾値に達すると、定電流段階の中の前の定電流段階は次の定電流段階に移行する。隣接する2つの定電流段階の間の電流変換過程は、漸進的な変化であるか、又は、段階状の跳躍的な変化であってもよい。
【0060】
本発明の実施形態において、被充電機器は端末であることができる。この「端末」は、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、それに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インターフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM−FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、衛星又はセルラー電話、パーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末(セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせることができる)、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)(無線電話(radio telephone)、ページャ(pager)、インターネット/イントラネットアクセス(Internet/Intranet access)、ウェブブラウジング(web browsing)、ノートブック(notebook)、カレンダー(calendar)及び/又は全地球測位システム(global positioning system, GPS)受信機を備えることができる)及び/又は通常のラップトップ型又はハンドヘルド受信機、又は無線電話機能を備えた他の電子デバイスを備えるが、それに限定されるものではない。また、本発明の実施形態において、被充電機器又は端末は、パワーバンク(power bank)を備えることができる。このパワーバンクは、無線充電装置によって充電されることができ、従って他の電子装置に電力を供給するためにエネルギーを蓄積することができる。
【0061】
本発明の実施例は、無線充電装置220と被充電機器230との間の通信方式及び通信順序に対して具体的に限定しない。
【0062】
選択的に、いくつかの実施形態では、無線充電装置220と被充電機器230(又は第二通信制御回路235と第一通信制御回路222)との間の無線通信は一方向無線通信であることができる。
【0063】
例えば、バッテリ232の無線充電過程において、被充電機器230が通信の開始者であり、無線充電装置220が通信の受信者であると特定することができる。例えば、バッテリの定電流充電段階において、被充電機器230は検出回路234によってバッテリ232の充電電流(即ち無線受信回路231の出力電流)をリアルタイムに検出することができる。バッテリ232の充電電流がバッテリの現在要求している充電電流と一致しない場合、被充電機器230は無線充電装置220に調整情報を送信して、無線充電装置220に無線送信回路221の送信電力を調整するように指示する。
【0064】
選択的に、いくつかの実施形態では、無線充電装置220と被充電機器230(又は第二通信制御回路235と第一通信制御回路222)との間の無線通信は双方向無線通信でることができる。双方向無線通信は、一般的に受信者が開始者によって開始された通信要求を受信した後に、受信者が開始者に応答情報を送信することを要求する。双方向通信メカニズムは通信過程をより安全にすることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態に関する記載は、無線充電装置220(無線充電装置220の第一通信制御回路222)と被充電機器230(被充電機器230の第二通信制御回路235)との間の主従関係を限定しない。換言すると、無線充電装置220と被充電機器230のうちのいずれか一方はマスターデバイスとして双方向通信を開始することができ、これに対応して他方はスレーブデバイスとしてマスタデバイスによって開始された通信に対して第一応答又は第一回復を行うことができる。実現可能な方式として、通信過程において、無線充電装置220と被充電機器230との間のリンク状態を比較して、マスターデバイスとスレーブデバイスの身分を確定することができる。例えば、無線充電装置220が被充電機器230に情報を送信する無線リンクはアップリンクであり、被充電機器230が無線充電装置220に情報を送信する無線リンクはダウンリンクであると仮定し、もしアップリンクがより高品質であると、無線充電装置220を通信のマスターデバイスとして設置することができ、もしダウンリンクがより高品質であると、被充電機器230を通信のスレーブデバイスとして設置することができる。
【0066】
本発明の実施形態は、無線充電装置220と被充電機器230との間の双方向通信の具体的な実施態様を限定しない。即ち、無線充電装置220と被充電機器230のうちのいずれか一方はマスターデバイスとして通信会話を開始すると、これに対応して他方はスレーブデバイスとしてマスタデバイスによって開始された通信会話に対して第一応答又は第一回復を行い、マスターデバイスはスレーブデバイスの第一応答又は第一回復に対して第二応答を行うことができ、即ちマスターデバイスとスレーブデバイスとの間で1つの通信ネゴシエーション処理が完了したものと見なすことができる。
【0067】
マスターデバイスは、通信会話に対するスレーブデバイスの第一応答又は第一回復に基づいて、第二応答を以下のように行うことができる。マスターデバイスは、通信会話に対するスレーブデバイスの第一応答又は第一回復を受信してから、受信したスレーブデバイスの第一応答又は第一回復に基づいて専門の第二応答を行うことができる。
【0068】
マスターデバイスは、通信会話に対するスレーブデバイスの第一応答又は第一回復に基づいて、第二応答を以下のように行うことができる。マスターデバイスは、予め設定された時間内に通信会話に対するスレーブデバイスの第一応答又は第一回復を受信しなかったとしても、依然としてスレーブデバイスの第一応答又は第一回復に対して専門の第二応答を行う。
【0069】
選択的に、いくつかの実施形態において、被充電機器230がマスタデバイスとして通信会話を開始し、無線充電装置220がスレーブデバイスとしてマスタデバイスによって開始された通信会話に対して第一応答又は第一回復を行う場合、被充電機器230は無線充電装置220の第一応答又は第一回復に対して専門の第二応答を行う必要はなく、即ち無線充電装置220と被充電機器230との間で1つの通信ネゴシエーション処理が完了したものと見なすことができる。
【0070】
本発明の実施形態は、無線充電装置220の第一通信制御回路222と被充電機器230の第二通信制御回路235との間の無線通信方式に対して具体的に限定しない。例えば、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235は、ブルートゥース(bluetooth)、無線忠実度(wireless fidelity,Wi − Fi)、又は後方散乱(backscatter)変調(又は電力負荷変調)に基づいて互いに無線通信を行うことができる。
【0071】
上述したように、無線充電過程において、第一通信制御回路222によって無線送信回路221の送信電力を調整するように、第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流に基づいて、第一通信制御回路222と無線通信することができる。しかしながら、本発明の実施形態は第二通信制御回路235と第一通信制御回路222との間で伝送される通信内容に対して具体的に限定しない。
【0072】
一実施形態において、第二通信制御回路235は、検出回路234によって検出された第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流を第一通信制御回路222に送信することができる。第二通信制御回路235は、さらにバッテリの状態情報を第一通信制御回路222に送信することができる。バッテリの状態情報は、被充電機器230内のバッテリ232の現在の電力及び/又は現在の電圧を含む。第一通信制御回路222は、先ずバッテリ232の状態情報に基づいてバッテリ232の現在の充電段階を確定してから、さらにバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致する目標充電電圧及び/又は目標充電電流を確定することができる。次に、第一通信制御回路222は、第二通信制御回路235から送信された第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流を上述した目標充電電圧及び/又は目標充電電流と比較して、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するか否かを判定する。第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致しない場合、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するまで、無線通信回路221の送信電力を調整する。
【0073】
他の実施形態において、無線送信回路221の送信電力を調整するように第一通信制御回路222に指示するために、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222に調整情報を送信することができる。例えば、第二通信制御回路235は、無線送信回路221の送信電力を上げるように第一通信制御回路222に指示することができる。別の例では、第二通信制御回路235は、無線送信回路221の送信電力を下げるように第一通信制御回路222に指示することができる。さらに具体的には、無線充電装置220は、無線送信回路221の送信電力を複数のギアに設置することができる。第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するまで、第一通信制御回路222は、調整情報を受信するたびに、無線送信回路221の送信電力を1ギア調整する。
【0074】
上述した通信内容の他に、第一通信制御回路222及び第二通信制御回路235は、多い他の通信情報を交換することもできる。いくつかの実施形態では、第一通信制御回路222及び第二通信制御回路235は、安全保護、異常検出、又は故障処理に使用される情報を交換することができ、例えば、バッテリ232の温度情報、過電圧保護又は過電流保護に入ることを指示する情報、電力伝送効率情報(無線送信回路221と無線受信回路231との間の電力伝送効率を示すために用いられる情報)である。
【0075】
例えば、バッテリー232の温度が高い過ぎる場合、第一通信制御回路222及び/又は第二通信制御回路235は充電回路が保護状態に入るように制御することができ、例えば、充電回路を制御して無線充電を停止する。別の例では、第一通信制御回路222は、第二通信制御回路235から送信された過電圧保護又は過電流保護を示す情報を受信してから、無線送信回路221の送信電力を低減するか又は無線送信回路221が作動を停止するように制御することができる。さらに別の例では、第一通信制御回路222は第二通信制御回路235から送信された電力伝送効率情報を受信してから、もし電力伝送効率が予め設定された閾値より低い場合、無線送信回路221が作動を停止するように制御し、ユーザーにこの事件を通知することができ、例えば、ディスプレイスクリーンによって電力伝送効率が低過ぎると表示するか、又は指示ランプによって電力伝送効率が低過ぎると指示して、ユーザーが無線充電環境を調整するようにする。
【0076】
いくつかの実施形態では、第一通信制御回路222及び第二通信制御回路235は、無線送信回路221の送信電力を調整するために用いられる他の情報を交換することができる。例えば、バッテリ232の温度情報、第一充電チャンネル233の電圧及び/又は電流のピーク値又は平均値を示す情報、電力伝送効率情報(無線送信回路221と無線受信回路231との間の電力伝送効率を示すために用いられる情報)である。
【0077】
例えば、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222に電力伝送効率情報を送信することができる。第一通信制御回路222は、電力伝送効率情報に基づいて、無線送信回路221の送信電力の調整幅を確定するために用いられる。具体的には、電力伝送効率情報が無線送信回路221と無線受信回路231との間の電力伝送効率が低いと指示する場合、第一通信制御回路222は無線送信回路221の送信電力の調整幅を上げることができ、無線送信回路221の送信電力が速やかに目標電力に到達することにする。
【0078】
例えば、無線受信回路231の出力電圧及び/又は出力電流が脈動波形電圧及び/又は脈動波形電流である場合、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222に第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流のピーク値又は平均値を示す情報を送信することができ、第一通信制御回路222は第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流のピーク値又は平均値がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するかどうかを判定することができる。第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流のピーク値又は平均値がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致しない場合、第一通信制御回路222は無線送信回路221の送信電力を調整することができる。
【0079】
例えば、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222にバッテリー232の温度情報を送信することができる。バッテリー232の温度が高い過ぎる場合、第一通信制御回路222は無線送信回路221の送信電力を下げて、無線受信回路231の出力電流を低減することにより、バッテリ232の温度を低減することができる。
【0080】
本発明の実施形態によって提供される被充電機器230内のバッテリ232は単一セルを含むことができ、互いに直列に接続されたN個のセルを含むこともできる(Nは1より大きい正整数である)。一例として、N=2であり、図3に示されたように、バッテリ232はセル232aとセル232bを含み、セル232aとセル232bは互いに直列に接続される。充電電力は20Wに等しく、単一セルの充電電圧は5Vに等しいことを例として説明する。直列に接続された2つのセルの充電電圧に対する要求を満たすために、第一充電チャンネル233の出力電圧/出力電流を10V/2Aに維持することを必要とする。このように、無線送信回路は10V/2Aに基づいて電磁信号を生成し、無線受信回路は電磁信号を10V/2Aの出力電圧/出力電流に変換し、電流は4Aから2Aに減少されるので、電力送信過程で発生する熱もそれに応じて減少される。図3はN=2を例として説明し、実は、Nの値は3でもよく、3以上の正整数でもよい。互いに直列に接続されたセルが多ければ多いほど、電気エネルギーが無線送信回路221及び無線受信回路231を通過して発生する熱の量は少ない。
【0081】
説明しなければならないことは、図2及び図3に示される実施形態は、独立に実施されることができ、又は互いに組み合わせて実施されることもできる。選択的に、いくつかの実施形態では、被充電機器は図2に示された降圧回路239を備え、且つ被充電機器のバッテリ232は互いに直列に接続されたN個のセルを含む(Nは1より大きい正整数である)。依然として、充電電力は20Wに等しく、単一セルの充電電圧は5Vに等しいことを例として説明する。直列に接続された2つのセルの充電電圧に対する要求を満たすために、降圧回路239の出力電圧/出力電流を10V/2Aに維持することを必要とする。降圧回路239が半電圧回路であると仮定すると、降圧前の電圧は20V/1Aである。このように、無線送信回路は20V/1Aに基づいて電磁信号を生成し、対応して、無線受信回路は電磁信号を20V/1Aの出力電圧/出力電流に変換し、電流は4Aから1Aに減少されるので、電力送信過程で発生する熱をさらに減少させる。
【0082】
上述したように、本発明の実施形態によって提供される無線充電装置220は充電過程で無線送信回路221の送信電力を連続的に調整することができるので、第一充電チャンネル233の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するようにする。本発明の実施形態は、無線送信回路221の送信電力調整方式を具体的に限定しない。例えば、第一通信制御回路222は電源装置210と通信して、電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を調整することにより、無線送信回路221の送信電力を調整することができる。他の例として、第一通信制御回路222は無線送信回路221が電源装置210の最大出力電力から取り出す電力量を調整することができ、従って無線送信回路221の送信電力を調整する。他の例として、無線充電装置220は交流(例えば、220V交流)を直接に受信することができ、第一通信制御回路222は、第二通信制御回路235のフィードバックに基づいて、交流を直接に必要な電圧及び/又は電流に変換することができる。以下、図4図6を参照して、無線送信回路221の送信電力の調整方式を詳細に説明する。
【0083】
図4は、無線送信回路221の送信電力調整方式の一例である。図4を参照すると、無線充電装置220は充電インターフェース223をさらに備えることができる。充電インターフェース223は、外部の電源装置210に接続するために用いられる。無線送信回路221は、電源装置210の出力電圧及び出力電流に応じて電磁信号を生成するためにも用いられる。第一通信制御回路222は、電源装置210と通信して電源装置210の最大出力電力を交渉し、無線充電中に、無線送信回路221が最大出力電力から取り出す電力量を調整することにより、無線送信回路221の送信電力を調整する。
【0084】
本発明の実施形態において、第一通信制御回路222は出力電力が調整可能である電源装置210と通信して、電源装置210の最大出力電力を交渉する。交渉が完了した後、電源装置210は最大出力電力で無線充電装置220に出力電圧及び出力電流を供給することができる。充電中に、第一通信制御回路222は実際の需要によって最大出力電力から一定量の電力を取り出して無線充電に用いる。即ち、本発明の実施形態において、第一通信制御回路222は無線送信回路221の送信電力を調整する制御権利を有する。第一通信制御回路222は、被充電機器230のフィードバック情報を受信した後、すぐ無線送信回路221の送信電力を調整することができ、調整速度が速く、効率が高いという利点がある。
【0085】
本発明の実施形態は、第一通信制御回路222が電源装置210の最大出力電力から電力量を取り出す方式を具体的に限定しない。例えば、無線充電装置220の内部に電圧変換回路(例えば、電力調整回路である)を設置することができ、電圧変換回路は送信コイル又は送信アンテナに接続されて、送信コイル又は送信アンテナが受信する電力を調整するために用いられる。電圧変換回路は、例えば、パルス幅変調(pulse width modulation,PWM)コントローラ及びスイッチユニットを備えることができる。第一通信制御回路222は、PWMコントローラから送信される制御信号のデューティサイクルを調整することによって、及び/又はスイッチユニットのスイッチ周波数を制御することによって、無線送信回路221の送信電力を調整することができる。
【0086】
図4に示された実施形態において、代替案として、電源装置210は、より高い一定の電力(例えば40W)を直接に出力することもできる。これにより、第一通信制御回路222は電源装置210とその最大出力電力を交渉することを必要としなく、直接に無線送信回路221が電源装置210の一定の出力電力から取り出す電力量を調整すればよい。
【0087】
本発明は電源装置210の種類に対して具体的に限定しない。例えば、電源装置210は、アダプタ、電源バンク(power bank)、自動車用充電器又はコンピュータなどの装置であることができる。
【0088】
本発明は充電インターフェース223の種類に対して具体的に限定しない。選択的に、いくつかの実施形態では、充電インターフェース223はUSBインターフェースであることができる。USBインターフェースは、例えば、USB2.0インターフェース、マイクロUSBインターフェース、又はUSB TYPE−Cインターフェースであることができる。選択的に、他のいくつかの実施形態では、充電インターフェース223はlightningインターフェース、又は他のいかなるタイプの充電用パラレルインターフェース及び/又はシリアルインターフェースであることができる。
【0089】
本発明の実施形態は第一通信制御回路222と電源装置210との間の通信方式に対して具体的に制限しない。一実施形態において、第一通信制御回路222は、充電インターフェース以外の別の通信インターフェースによって電源装置210に接続され、且つこの通信インターフェースによって電源装置210と通信することができる。他の実施形態において、第一通信制御回路222は、無線方式で電源装置210と通信することができる。例えば、第一通信制御回路222は電源装置210と近距離無線通信(near field communication,NFC)を行うことができる。さらに別の実施形態において、第一通信制御回路222は充電インタフェース223によって電源装置210と通信することができ、追加の通信インタフェース又は他の無線通信モジュールを設置することを必要としなく、無線充電装置220を簡素化することができる。例えば、充電インタフェース223はUSBインタフェースであり、第一通信制御回路222はUSBインターフェースのデータ線(D+線及び/又はD−線など)によって電源装置210と通信することができる。別の例において、充電インターフェース223は、電力供給(power delivery,PD)通信プロトコルを支持するUSBインターフェース(USB TYPE−Cインターフェースなど)であることができる。第一通信制御回路222はPD通信プロトコルに基づいて電源装置210と通信することができる。
【0090】
本願は、電源装置210が出力電力を調整する方式に対して具体的に限定しない。例えば、電源装置210の内部に電圧フィードバックループ及び電流フィードバックループを設置することができ、従って実際に需要によって出力電圧及び/又は出力電流を調整することができる。
【0091】
図5は、本発明の実施形態が提供する無線送信回路221の送信電力調整方式の他の例を示す。図4と異なり、図5に対応する実施形態は、電源装置210の最大出力電力を制御することを意図しなく、電源装置210の出力電力を比較的正確に制御することを意図し、電源装置210の出力電力が現在の電力需要を直接に満たすようにする。さらに、図4の実施形態と異なり、図5の実施形態において、電源装置210は無線送信回路221の送信電力を調整する制御権利を有する。電源装置210は出力電圧及び/又は出力電流を変更することによって、無線送信回路221の送信電力を調整する。このような調整方式の利点は、電源装置210によって無線充電装置200が必要とする量の電力を提供するので、電力の無駄が存在しない。以下、図5を参照しながら詳細に説明する。
【0092】
図5に示されたように、本発明の実施形態が提供する無線充電装置220は充電インターフェース223及び電圧変換回路224をさらに備えることができる。充電インターフェース223は、電源装置210に接続するために用いられる。電圧変換回路224は、電源装置210の出力電圧を受信し、且つ電源装置210の出力電圧を変換して、電圧変換回路224の出力電圧及び出力電流を獲得するために用いられる。無線送信回路221は、さらに電圧変換回路224の出力電圧及び出力電流に基づいて電磁信号を生成するために用いられる。第一通信制御回路222は、さらに電源装置210と通信して電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を交渉するために用いられる。
【0093】
本発明の実施形態は、高電圧低電流方式を採用してエネルギー伝送を行うが、このようなエネルギー伝送方式は無線送信回路221の入力電圧(例えば、10V又は20Vである)に対する要求が高く、もし電源装置210の最大出力電圧が無線送信回路221の入力電圧要求に達することはできない場合、電圧変換回路224の設置は、無線送信回路221の入力電圧要求に達することはできない入力電圧が所望の入力電圧に達することにする。もちろん、代替案として、電源装置210の出力電圧が無線送信回路221の入力電圧要求に達することができる場合、電圧変換回路224を省略することもでき、従って無線充電装置220を簡素化することができる。
【0094】
電圧変換回路224は、例えば、昇圧回路であることができる。電圧変換回路224の昇圧倍数と降圧回路239の降圧倍数は、電源装置210の出力電圧、バッテリ232が要求する充電電圧などのパラメータに係わり、両者は同じでもよく、異なってもよく、本発明の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0095】
一例として、電圧変換回路224の昇圧倍数と降圧回路239の降圧倍数を等しく設定することができる。例えば、電圧変換回路224は電源装置210の出力電圧を2倍に昇圧するための昇圧回路であることができ、降圧回路239は無線受信回路231の出力電圧を半分にするための半電圧回路であることができる。
【0096】
本発明の実施形態は、電圧変換回路224の昇圧倍数と降圧回路239の降圧倍数を1:1に設置することができ、このような設置方式によって、降圧回路239の出力電圧及び出力電流はそれぞれ電源装置210の出力電圧及び出力電流と同じであり、通信制御回路222、235を簡略化することに有利である。バッテリ232が要求する充電電流は5Aである場合、第二通信制御回路235は検出回路234によって降圧回路239の出力電流が4.5Aであることを知ると、降圧回路239の出力電流が5Aに達するように、電源装置210の出力電力を調整する必要がある。もし電圧変換回路224の昇圧倍数と降圧回路239の降圧倍数の比が1:1ではないと、電源装置210の出力電力を調整する際、第一通信制御回路222又は第二通信制御回路235は降圧回路239の現在の出力電流と期待値との間の差に基づいて、電源装置210の出力電力の調整値を再び計算することを必要とする。本発明の実施形態は、電圧変換回路224の昇圧倍数と降圧回路239の降圧倍数の比を1:1に設置すると、第二通信制御回路235は第一通信制御回路222に出力電流を5Aに増加させるように通知し、従って無線充電経路のフィードバック調整方式が簡単になる。
【0097】
図5の実施形態において、無線充電装置220は、電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を調整することを必要とするか否かを主動的に確定することができる。別の実施形態において、無線充電装置220は電源装置210と被充電機器230との間の橋として機能することができ、2つの間で情報を転送するために用いられる。
【0098】
例えば、無線充電過程で、第一通信制御回路222は被充電機器230と通信して、電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を調整することを必要とするか否かを確定する。電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を調整することを必要とする場合、第一通信制御回路222は電源装置210と通信して、電源装置210にその出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示する。
【0099】
他の例として、無線充電過程で、無線充電装置220内の通信制御回路222は被充電機器230と無線通信して、電源装置210の出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示するために用いられる調整情報を獲得する。第一通信制御回路222は電源装置210と無線通信して、調整情報を電源装置210に送信し、電源装置210が調整情報に基づいてその出力電圧及び/又は出力電流を調整するようにする。
【0100】
無線充電装置220と被充電機器230との間の通信方式と類似し、無線充電装置220(又はは第一通信制御回路222)と電源装置210との間の通信は一方向通信であることができ、双方向通信であることもでき、本発明の実施形態はこれに対して具体的に限定しないと理解されるべきである。
【0101】
さらに、電源装置の出力電流は、一定の直流電流(DC)、脈動直流電流、又は交流電流(AC)であることができ、本発明の実施例はこれに対して具体的に限定しないと理解されるべきである。
【0102】
図5の実施形態において、第一通信制御回路222は無線送信回路221に接続されて、無線送信回路221が作動を開始するように制御することができ、又は無線充電過程に異常が発生した場合、無線送信回路221が作動を停止するように制御することができる。 又は、いくつかの実施形態において、第一通信制御回路222は無線送信回路221に接続しなくてもよい。
【0103】
図6は、無線送信回路221の送信電力調整方式の他の例を示す。図4及び図5に示した実施形態とは異なり、図6の実施形態に対応する無線充電装置220は電源装置210から電力を取得せず、直接に外部から入力される交流電流(例えば、商用電源)を前記電磁信号に変換する。
【0104】
図6に示されたように、無線充電装置220は、さらに電圧変換回路224及び電源供給回路225を備えることができる。電源供給回路225は、外部から入力される交流電流(商用電源など)を受け、この交流電流に基づいて電源供給回路225の出力電圧及び出力電流を生成するために用いられる。例えば、電源供給回路225は、交流電流に対して整流及び/又はフィルタリングして直流電流又は脈動直流電流を獲得し、且つ直流電流又は脈動直流電流を電圧変換回路224に伝送することができる。
【0105】
電圧変換回路224は、電源供給回路225の出力電圧を受け取り、且つ電源供給回路225の出力電圧を変換して電圧変換回路224の出力電圧及び出力電流を獲得するために用いられる。無線送信回路221は、電圧変換回路224の出力電圧及び出力電流に基づいて電磁信号を生成するために用いられる。
【0106】
本発明の実施形態は、無線充電装置220の内部にアダプタのような機能を統合するので、無線充電装置220は外部の電源装置から電力を獲得することを必要としなく、無線充電装置220の統合度を高め、無線充電過程に必要とする部品の数量を減少する。
【0107】
本発明の実施形態は、高電圧低電流方式を採用してエネルギー伝送を行うが、このようなエネルギー伝送方式は無線送信回路221の入力電圧(例えば、10V又はは20Vである)に対する要求が高く、もし電源供給回路225の最大出力電圧が無線送信回路221の入力電圧要求に達することはできない場合、電圧変換回路224の設置は、無線送信回路221の入力電圧要求に達することはできない入力電圧が所望の入力電圧に達することにする。もちろん、代替案として、もし電源供給回路225の出力電圧が無線送信回路221の入力電圧要求に達することができる場合、電圧変換回路224を省略することもでき、従って無線充電装置220を簡素化することができる。
【0108】
選択的に、いくつかの実施形態において、無線充電装置220は第一無線充電モード又は第二無線充電モードで動作可能である。無線充電装置220が第一無線充電モードで被充電機器230を充電する充電速度は、無線充電装置220が第二無線充電モードで被充電機器230を充電する充電速度より速い。換言すると、第二無線充電モードで動作する無線充電装置220と比較して、第一無線充電モードで動作する無線充電装置220によって被充電機器230内の同じ容量のバッテリを完全に充電することに必要とする時間はさらに短い。
【0109】
第二無線充電モードは、通常の無線充電モードと呼ばれ、例えば、QI規格、PMA規格又はA4WP規格に基づく従来の無線充電モードであることができる。第一無線充電モードは急速無線充電モードであることができる。通常の無線充電モードは、無線充電装置220の送信電力がより小さい(通常15W未満、送信電力はほとんど5W又は10Wである)無線充電モードを指すことができる。通常の無線充電モードにおいて、大容量のバッテリ(例えば、3000mAバッテリである)を完全に充電するためには通常数時間かかる。急速無線充電モードにおいて、無線充電装置220の送信電力がより大きい(通常、15W以上である)。通常の無線充電モードと比較して、急速無線充電モードにおいて、無線充電装置220が同じ容量のバッテリを完全に充電することに必要とする時間は大幅に短縮され、充電速度はさらに速い。
【0110】
選択的に、いくつかの実施形態において、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235は双方向通信して、第一無線充電モードにおける無線充電装置220の送信電力を制御する。
【0111】
さらに、いくつかの実施形態において、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235は双方向通信することができ、第一無線充電モードにおける無線充電装置220の送信電力を制御する過程は、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235は双方向通信して、無線充電装置220と被充電機器230との間の無線充電モードを交渉することを備える。
【0112】
具体的には、第一通信制御回路222は第二通信制御回路235とハンドシェイク通信(handshake communication)を行うことができ、ハンドシェイク通信が成功した場合、無線充電装置220を制御して第一無線充電モードで被充電機器230を充電し、ハンドシェイク通信が失敗した場合、無線充電装置220を制御して第二無線充電モードで被充電機器230を充電する。
【0113】
ハンドシェイク通信は、通信両方がお互いの身分を識別することを指すことができる。ハンドシェイク通信の成功は、無線充電装置220及び被充電機器230の両方が本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方式を支持することを示す。ハンドシェイク通信の失敗は、無線充電装置220及び被充電機器230のうちの少なくとも一方が本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方式を支持しないことを示す。
【0114】
本発明の実施形態において、無線充電装置220は盲目的に第一無線充電モードで被充電機器230に対して急速無線充電を行わなく、被充電機器230と双方向通信して、無線充電装置220が第一無線充電モードで被充電機器230に対して急速無線充電を行うことができるか否かを交渉し、このようにすると充電過程の安全性を向上させることができる。
【0115】
具体的には、第一通信制御回路222と第二通信制御回路235は双方向通信して、無線充電装置220と被充電機器230との間の無線充電モードを交渉することは、第一通信制御回路222は第二通信制御回路235に第一指令(第一指令は、被充電機器230に第一充電モードをオンにするか否かを問い合わせるために用いられる)を送信すること、第一通信制御回路222は第二通信制御回路235が送信する第一指令の応答指令(応答指令は、被充電機器230が第一充電モードをオンにすることに同意するか否かを指示するために用いられる)を受信すること、被充電機器230が第一充電モードをオンにすることに同意する場合、第一通信制御回路222は無線充電装置220を制御して第一無線充電モードで被充電機器230を充電すること、を備える。
【0116】
通信交渉方式によって無線充電モードを確定することに加えて、第一通信制御回路222は、他の要因に基づいて無線充電モードを選択又は切り替えることができる。例えば、第一通信制御回路222は、バッテリ232の温度に基づいて、無線充電装置220が第一無線充電モード又は第二無線充電モードでバッテリ232を充電するように制御することができる。
【0117】
例えば、温度が予め設定された第一閾値(例えば、5℃又は10℃である)より低い場合、第一通信制御回路222は、無線充電装置220が第二無線充電モードで通常の無線充電を行うように制御することができる。温度が第一閾値以上である場合、第一通信制御回路222は、無線充電装置220が第一無線充電モードで急速充電を行うように制御することができる。さらに、温度が高温閾値(例えば、50℃である)より高い場合、第一通信制御回路222は、無線充電装置220が充電を停止するように制御することができる。
【0118】
本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方式は、バッテリ232の充電段階のうちの1つ又は複数の充電段階を制御するために用いられることに留意されたい。例えば、本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方法は、主にバッテリ232の定電流充電段階を制御するために用いられることができる。他の実施形態では、被充電機器230は変換回路を保留することができ、バッテリーがトリクル充電段階及び定電圧充電段階にあるとき、図1に示された従来の無線充電方法で充電することができる。具体的には、バッテリ232がトリクル充電段階及び定電圧充電段階にあるとき、トリクル充電段階及び定電圧充電段階の充電需要を満たすように、被充電機器230の変換回路は無線受信回路231の出力電圧及び出力電流を変換することができる。定電流充電段階と比較して、バッテリ232がトリクル充電段階及び定電圧充電段階で受信した充電電力はより低いので、被充電機器230内部の変換回路の変換効率損失及び熱蓄積は許容可能である。以下、図7を参照して詳細に説明する。
【0119】
図7に示されたように、被充電機器230は、さらに第二充電チャンネル236を備えることができる。第二充電チャンネル236に変換回路237を設置することができる。変換回路237は、無線受信回路231の出力電圧及び出力電流を受信し、無線受信回路231の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、第二充電チャンネル236の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ232の現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにして、且つ第二充電チャンネル236の出力電圧及び/又は出力電流に基づいてバッテリ232を充電する。第二通信制御回路235は、第一充電チャンネル233と第二充電チャンネル236との間の切り替えを制御するために用いられる。例えば、図7に示されたように、第一充電チャンネル233にスイッチ238を設置することができる。第二通信制御回路235は、スイッチ238のオン/オフ状態を制御することによって、第一充電チャンネル233と第二充電チャンネル236との間の切り替えを制御することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、無線充電装置220は第一無線充電モード及び第二無線充電モードを備えることができ、無線充電装置220が第一無線充電モードで被充電機器230を充電する充電速度は、無線充電装置220が第二無線充電モードで被充電機器230を充電する充電速度より速い。無線充電装置220が第一無線充電モードで被充電装置230内のバッテリを充電するとき、被充電装置230は第一充電チャンネル233の動作を制御することができる。無線充電装置220が第二無線充電モードで被充電装置230内のバッテリを充電するとき、被充電装置230は第二充電チャンネル233の動作を制御することができる。
【0120】
例えば、バッテリ232がトリクル充電段階及び/又は定電圧充電段階にあるとき、第二通信制御回路235は第二充電チャンネル236を介してバッテリ232を充電するように制御することができる。バッテリの定電圧定電流過程は、変換回路237(例えば、充電ICである)によって制御することができる。バッテリ232が定電流充電段階にあるとき、第二通信制御回路235は第一充電チャンネル233を介してバッテリ232を充電するように制御することができる。バッテリの定電流制御は、無線充電装置が送信電力を調整することによって実現することができる。変換回路237を保留すると、従来の無線充電方式を兼備することができる。
【0121】
第一充電チャンネル233又は第二充電チャンネル236を選択する方法は様々であり、バッテリ232の現在の充電段階に応じて選択することに限定されないことに留意されたい。
【0122】
選択的に、いくつかの実施形態において、第二通信制御回路235はさらに第一通信制御回路222とハンドシェイク通信を行うために用いられ、ハンドシェイク通信が成功した場合、第一充電チャンネル233が作動するように制御し、ハンドシェイク通信が失敗した場合、第二充電チャンネル236が作動するように制御する。
【0123】
ハンドシェイク通信は、通信両方がお互いの身分を識別することを指すことができる。ハンドシェイク通信の成功は、無線充電装置220及び被充電機器230の両方が本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方式を支持することを示す。ハンドシェイク通信の失敗は、無線充電装置220及び被充電機器230のうちの少なくとも一方が本発明の実施形態に係わる送信電力が調整可能である無線充電方式を支持しないことを示す。ハンドシェイク通信が失敗した場合、第二充電チャンネル236を介して、従来の無線充電方法(例えば、QI規格に基づく無線充電方法)で充電することができる。
【0124】
選択的に、別のいくつかの実施形態において、第二通信制御回路235は、バッテリ232の温度に基づいて、第一充電チャンネル233と第二充電チャンネル236との間の切り替えを制御することができる。
【0125】
例えば、温度が予め設定された第一閾値(例えば、5℃又は10℃である)より低い場合、第二通信制御回路235は、第二充電チャンネル236を介して通常の無線充電を行うように制御することができる。温度が第一閾値以上である場合、第二通信制御回路235は、第一充電チャンネル233を介して急速無線充電を行うように制御することができる。さらに、温度が高温閾値(例えば、50℃である)より高い場合、第二通信制御回路235は無線充電を停止するように制御することができる。
【0126】
上述したように、無線受信回路231の出力電流は脈動直流電流(DC)であることができ、このときにバッテリ232のリチウム析出を低減し、バッテリの寿命を延ばすことができる。無線受信回路231の出力電流が脈動直流電流である場合、第二通信制御回路235は検出回路234によって脈動直流電流のピーク値又は平均値を検出することができ、従って脈動直流電流のピーク値又は平均値に基づいて次の通信又は制御を実行する。
【0127】
検出回路234によって脈動直流電流のピーク値を検出することを例とすると、図8に示されたように、検出回路234はサンプルホールド回路2341を備えることができる。サンプルホールド回路2341がサンプル状態にあるとき、サンプルホールド回路2341は脈動直流電流に対してサンプリングするために用いられ、サンプルホールド回路2341がホールド状態にあるとき、サンプルホールド回路2341は脈動直流電流の電流ピーク値をホールドするために用いられる。また、第二通信制御回路235は、サンプルホールド回路2341がホールド状態にあるか否かを判断するために用いられ、サンプルホールド回路2341がホールド状態にあると判断した場合、サンプルホールド回路2341がホールドしている脈動直流電流の電流ピーク値を取得する。
【0128】
選択的に、いくつかの実施形態において、サンプルホールド回路2341はキャパシター(capacitor)を備えることができる。サンプルホールド回路2341は、サンプルホールド回路2341のキャパシターに基づいて脈動直流電流の電流ピーク値をホールドすることができる。検出回路234は、放電回路2342をさらに備えることができる。第二通信制御回路235は、放電回路2342によってサンプルホールド回路2341のキャパシター両端の電荷を放電し、従ってサンプルホールド回路2341がホールド状態からサンプル状態に切り替えるようにする。
【0129】
選択的に、いくつかの実施形態において、無線充電装置220は、外部インターフェース及び無線データ送信回路をさらに備えることができる。外部インターフェースは、データ処理及び送信機能を有する電子装置に接続されることができる。外部インターフェースは上記した充電インターフェースであることができ、又は他のインターフェースであることもできる。第一通信制御回路222は、さらに外部インターフェースがデータ処理及び送信機能を有する電子装置に接続されている過程において、電子装置の出力電力に応じて被充電機器230に対して無線充電を行うために用いられる。無線データ送信回路は、無線充電装置が電子装置の出力電力に応じて被充電機器230に対して無線充電を行う過程において、無線リンクを介して電子装置に格納されたデータを被充電機器230に送信するか、又は無線リンクを介して被充電機器230に格納されたデータを電子装置送信するために用いられる。無線データ送信回路は、USBプロトコルフォーマットのデータ、ディスプレイポート(display port,DP)プロトコルフォーマットのデータ、モバイル高精細リンク(mobile high−definition link,MHL)プロトコルフォーマットのデータのうちの少なくとも1つを送信するために用いられる。
【0130】
上述したように、図2図8を参照して、本願の装置の実施形態を詳細に説明した。以下、図9図10を参照して、本願の方法の実施形態を詳細に説明する。方法の実施形態は装置の実施形態と互いに対応するので、詳細に説明しなかった部分は上述した装置の実施形を参照することができる。
【0131】
図9は、本発明の実施形態に係わる無線充電方法を示すフローチャートである。前記方法は、被充電機器に応用されることができ、例えば、上述した被充電機器230であることができる。図9の方法は、ステップS910〜S940を備える。
【0132】
ステップS910において、無線受信回路を利用して無線充電装置から送信する電磁信号を受信し、電磁信号を無線受信回路の出力電圧及び出力電流に変換する。
【0133】
ステップS920において、無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流を獲得し、第一充電チャンネルの出力電圧及び出力電流に基づいてバッテリを充電する。
【0134】
ステップS930において、第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流を検出する。
【0135】
ステップS940において、第一充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出された第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて無線充電装置と無線通信を行って、無線充電装置の送信電力を調整する。
【0136】
選択的に、バッテリは互いに直列に接続されたN個のセルを含み、Nは1より大きい正整数である。
【0137】
選択的に、ステップS920は、Buck回路又はチャージポンプを利用して無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行うことを備える。
【0138】
選択的に、ステップS940は、無線充電装置に調整情報を送信することを備え、調整情報は無線充電装置に電源装置の出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示するために用いられる。
【0139】
選択的に、電源装置は、アダプタ、電源バンク又はコンピュータである。
【0140】
選択的に、バッテリの現在の充電段階は、トリクル充電段階、定電圧充電段階、定電流充電段階のうちの少なくとも1つを備える。
【0141】
選択的に、ステップS940は、バッテリの定電圧充電段階において、第一充電チャンネルの出力電圧が定電圧充電段階に対応する充電電圧と一致するように、検出された第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて無線充電装置と無線通信を行って、無線充電装置の送信電力を調整するようにすることを備えることができる。
【0142】
選択的に、ステップS940は、バッテリの定電流充電段階において、第一充電チャンネルの出力電流が定電流充電段階に対応する充電電流と一致するように、検出された第一充電チャンネルの電圧及び/又は電流に応じて無線充電装置と無線通信を行って、無線充電装置の送信電力を調整するようにすることを備えることができる。
【0143】
選択的に、図9の方法は、無線充電装置にバッテリの状態情報を送信して、無線充電装置がバッテリの状態情報に基づいて無線充電装置の送信電力を調整するようにすることをさらに備え、その中において、バッテリの状態情報は、バッテリの現在の電力及び/又は現在の電圧を含む。
【0144】
選択的に、無線通信は、無線双方向通信である。
【0145】
選択的に、無線通信は、ブルートゥース、無線忠実度又は後方散乱変調方式に基づく無線通信である。
【0146】
選択的に、無線通信の通信情報は、バッテリの温度情報、バッテリの充電電圧及び/又は充電電流のピーク値又は平均値を指示する情報、過電圧保護又は過電流保護に入ることを指示する情報、電力伝送効率情報(無線充電装置と無線受信回路との間の電力伝送効率を指示するために用いられる情報)のうちの少なくとも一種を備える。
【0147】
選択的に、図9の方法は、無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流を獲得し、第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにして、且つ第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流に基づいてバッテリを充電すること、第一充電チャンネルと第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御すること、をさらに備えることができる。
【0148】
選択的に、図9の方法は、無線充電装置とハンドシェイク通信を行って、ハンドシェイク通信が成功した場合、第一充電チャンネルが作動するように制御し、ハンドシェイク通信が失敗した場合、第二充電チャンネルが作動するように制御すること、をさらに備えることができる。
【0149】
選択的に、図9の方法は、バッテリの温度に基づいて、第一充電チャンネルと第二充電チャンネルとの間の切り替えを制御すること、をさらに備えることができる。
【0150】
選択的に、第一充電チャンネルの電流は一定の直流電流(DC)、脈動直流電流、又は交流電流(AC)であることができる。
【0151】
選択的に、無線充電装置は第一無線充電モード又は第二無線充電モードで動作可能であり、無線充電装置が第一無線充電モードでバッテリを充電する充電速度は、無線充電装置が第二無線充電モードでバッテリを充電する充電速度より速い。図9の方法は、無線通信装置と通信して、第一無線充電モードと第二無線充電モードのどちらを無線充電に対応させるかを交渉することをさらに備えることができる。
【0152】
図10は、本発明の別の実施形態に係わる無線充電方法を示すフローチャートである。前記方法は、無線充電装置に応用されることができ、例えば、上述した無線充電装置220である。図10の方法は、ステップS1010〜S1030を備える。
【0153】
ステップS1010において、入力電圧を変換して、変換された出力電圧と出力電流を獲得する。
【0154】
ステップS1020において、変換された出力電圧と出力電流に応じて電磁信号を送信して、被充電機器に対して無線充電を行う。
【0155】
ステップS1030において、無線充電中に被充電機器と無線通信して、電磁信号の送信電力を調整し、電磁信号の送信電力がバッテリの現在要求している充電電圧及び/又は充電電流と一致することにする。
【0156】
選択的に、入力電圧は電源装置によって提供される電圧であり、図10の方法は、電源装置と通信して、電源装置の出力電圧及び/又は出力電流を調整し、従って電磁信号の送信電力を調整することをさらに備えることができる。
【0157】
選択的に、ステップS1030は、被充電機器が送信する調整情報を受信することを備えることができる。調整情報は、電源装置の出力電圧及び/又は出力電流を調整するように指示するために用いられる。
【0158】
選択的に、図10の方法は、外部から入力された交流電流を受け取り、その交流電流に応じて入力電圧を生成することをさらに備えることができる。
【0159】
選択的に、交流電流は220Vの交流電流である。
【0160】
選択的に、バッテリの現在の充電段階は、トリクル充電段階、定電圧充電段階、定電流充電段階のうちの少なくとも1つを備える。
【0161】
選択的に、ステップS1030は、バッテリの定電圧充電段階において、バッテリの充電電圧が定電圧充電段階に対応する充電電圧と一致するように、被充電機器と無線通信して、電磁信号の送信電力を調整することを備えることができる。
【0162】
選択的に、ステップS1030は、バッテリの定電流充電段階において、バッテリの充電電流が定電流充電段階に対応する充電電流と一致するように、被充電機器と無線通信して、電磁信号の送信電力を調整することを備えることができる。
【0163】
選択的に、図10の方法は、被充電機器が送信するバッテリの状態情報を受信し、バッテリの状態情報に基づいて電磁信号の送信電力を調整することをさらに備えることができ、その中において、バッテリの状態情報は、バッテリの現在の電力及び/又は現在の電圧を含む。
【0164】
選択的に、無線通信は、無線双方向通信である。
【0165】
選択的に、無線通信は、ブルートゥース、無線忠実度又は後方散乱変調方式に基づく無線通信である。
【0166】
選択的に、無線通信の通信情報は、バッテリの温度情報、バッテリの充電電圧及び/又は充電電流のピーク値又は平均値を指示する情報、過電圧保護又は過電流保護に入ることを指示する情報、電力伝送効率情報(無線送信回路と被充電機器との間の電力伝送効率を指示するために用いられる情報)のうちの少なくとも一種を備える。
【0167】
選択的に、通信情報は電力伝送効率情報を備え、図10の方法は、電力伝送効率情報に基づいて電磁信号の送信電力の調整幅を確定することをさらに備えることができる。
【0168】
上述した実施形態において、全部又は一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、又は任意の他の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアによって実現する場合、全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形式で実現することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータにコンピュータプログラム命令をアップロードして実行される場合、本発明の実装形態のプロセス又は機能の全部または一部が実行される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であることができる。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信することができる。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)である)又は無線(赤外線、無線、マイクロ波などである)方式によって、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体、又は1つ又は複数の利用可能な媒体統合を含むサーバ、データセンタなどのデータ記憶装置であることができる。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、ソフトディスク、ハードディスク、磁気テープである)、光学媒体(例えば、デジタルビデオディスク(digital video disc,DVD)である)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk,SSD)である)などであることができる
【0169】
本願に開示された実施例に基づいて記載される各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータープログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか又はソフトウェアにより実行されるかについて、技術方案の特定の応用場合や設計の制限条件などによって決められる。当業者は、特定応用ごとに異なる方法を使用して記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0170】
本願によって提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置及び方法は、他の形態により実現され得ると理解されるべきである。例えば、上記に説明された装置の実施例は、例示するためのものに過ぎない。例えば、ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに別の分割形態を有してもよい。例えば、複数のユニット又は部品を組み合わせ、又は別のシステムに集積し、又は若干の特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。さらに、図示又は検討する相互間の結合や直接結合や通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、又はユニットの間接結合や通信接続であってもよく、電気、機械や他の形態であってもよい。
【0171】
本出願に言及される装置、設備は、全てチップシステムであることができ、又はケーシングを有する装置又は設備であることもできる。
【0172】
分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットではなくておもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワークユニットに設置してもよい。実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術方案の目的を実現することができる。
【0173】
また、本発明に係る各実施例の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。
【0174】
上述したのは、ただ本願の具体的な実施形態であり、本願の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本願に開示された技術範囲内で変更又は置換を容易に想到しうることであり、全て本出願の範囲内に含まれるべきである。従って本願の保護範囲は特許請求の範囲によって決めるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10