【文献】
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【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
現在のコンピュータプラットフォームアーキテクチャ設計は、1つの装置を他の装置に接続する多くの異なるインターフェースを含んでいる。これらインターフェースは、計算装置及び周辺装置のためのI/O(入力/出力)を提供し、I/Oを提供する様々なプロトコル及び規格を使用することができる。
例えば、現在のコンピュータシステムは、それらの装置を接続するケーブルのコネクタによって実現されるような、対応する接続インターフェースとしてユニバーサルシリアルバス(USB)サブシステムを備えている。
【0003】
また、USBとしては、USB2及びUSB3は、コンピュータシステム間でデータを送受信するために使用される一般的なI/Oインターフェースである。
例えば、USB Type−Cは、USB3.1に対応する高速信号を伝送するための8つ(2つ一組として4組)の差動信号(RX1、TX1,RX2,TX2)と、USB2.0に対応する2つ一組の差動信号(D)と、接続された機器間におけるデータの送受信の際のコンフィグレーション等に使用される制御信号(CC1、CC2、SBU1、SBU2)と、コンピュータに接続された接続機器に対して電力を供給するVBUS及びGNDの各々とにより構成されている。
また、例えば、USB Type−Cケーブルは、上述の各信号、電力供給及びGNDを接続する線(線材)により構成されている。
【0004】
このうち4組の高速信号伝送用の上述の差動信号(RX1、TX1,RX2,TX2)の一部または全部を用いて例えばHD(high definition)画像とHD音声とを伝送するデジタルインターフェース規格であるDisplayPort(ディスプレイポート)の信号を伝送させる方法が、DisplayPort Alt Mode on USB Type−Cとして規格化されている。
例えば、画像信号や制御信号等を含む各種信号が伝送される伝送路の設定(伝送路設定)は、PinAssignment(ピンアサイメント) CまたはPinAssignment Dとして設定される。PinAssignment Cの設定は、上述の4組の差動信号線(RX1、TX1,RX2,TX2)の全てをDisplayPortとして利用する設定である。PinAssignment Dの設定は、上述の4組の差動信号線(RX1、TX1,RX2,TX2)のうち、予め決められた2組をDisplayPortとして利用し、残り2組をUSB3.1として利用する設定である。
また、DisplayPortは一つの画像を出力する画像伝送モード(画像の伝送形式)であるシングルストリーム(SST:Single Stream Transport)と、二つ以上の画像を出力するための画像伝送モードであるマルチストリーム(MST:Multi Stream Transport)の2種類の伝送モードが規格化されている。
例えば、画像送信装置と画像表示装置とをUSB Type−Cケーブルを用いて接続し、画像送信装置に接続された画像表示装置の後段に2台以上の画像表示装置がDisplayPort(ディスプレイポート)ケーブルを用いてデイジーチェーン(daisy chain)接続(縦続接続)されているとき、画像伝送モードとしてシングルストリームが設定されていると1つの画像が伝送されるので、それぞれの画像表示装置は同じ画像を表示することができる。一方、画像伝送モードとしてマルチストリームが設定されていると複数の画像が伝送されるので、それぞれの画像表示装置は例えばそれぞれ異なる画像を表示することができる。また、マルチストリームが設定されていると1つの画像表示装置は例えばそれぞれ異なる複数の画像を表示することができる。
ここで、DisplayPortケーブルは、DisplayPort信号を伝送するように構成されているケーブルであり、例えば、DisplayPortの規格に対応した各線を備える。また、DisplayPort信号は、DisplayPortの規格に対応した画像信号を含む信号である。
【0005】
USB Type−Cの入力端子をもち、DisplayPort Alt mode on USB Type−Cによる画像入力に対応している画像表示装置がある。(例えば、特許文献1)
【0006】
DisplayPort Alt mode on USB Type−Cに対応した画像送信装置と画像表示装置とを、USB Type−Cケーブルを用いて接続した場合、伝送路設定をPinAssignment Dとすることにより、DisplayPort信号とUSB3.1信号を同時に伝送することができる。
PinAssignment Dの設定は、2組の差動信号線をDisplayPortとして利用しており、伝送速度がHBR2の場合、1組当たりの伝送速度は5.4Gbpsなので、この設定における伝送速度は10.8Gbps(5.4Gbps×2)となる。
なお、HBR2は、DisplayPortを用いて信号を伝送する際に規定されている伝送速度の1つであり、RBR(伝送速度:1.62Gbps)、HBR(伝送速度:2.7Gbps)、HBR2(伝送速度:5.4Gbps)、HBR3(伝送速度:8.1Gbps)などがある。
ここで使用されている画像表示装置がサポートしている伝送速度は、HBR2までとし、HBR3はサポートしていないものとする(画像表示装置の仕様)。
ここで、画像送信装置が供給する画像を、例えば第1の画像とする。第1の画像は、画像の解像度が水平(横)2560ドット、垂直(縦)1440ドット(解像度:2560×1440)であり、画像のリフレッシュレートが60Hzであり、画像の階調が10bitを用いて表現されるものとする。第1の画像を、DisplayPortを用いて伝送する場合、DisplayPort信号の伝送速度は約9Gbps(以下、「約」は省略)が必要となる。
【0007】
すなわち、画像表示装置は、伝送路設定をPinAssignment Dに設定された場合、第1の画像を正常に受信するように(画像表示装置の仕様を満たすように)、画像の伝送形式をシングルストリームのモードに設定されていることが一般的である。
この場合、画像表示装置は1つの画像信号を受信するので、1つの画像を表示する。また、この場合、画像表示装置は、受信した画像をdot by dotとして表示することができる。なお、画像表示装置が備える表示面、例えば液晶パネルの解像度は2560dot×1440dotとする。ここで、dot by dotとして表示すること(dot by dot表示)は、画像表示装置が備える表示面に画像などを表示する際の表示モードの一つで、画像送信装置などから供給される画像を構成する1画素を、画像表示装置が備える表示面を構成する1画素に対応させて表示させることである。すなわち、供給された画像は、拡大・縮小などの解像度変換等の処理を行わずに、そのまま表示される。
【0008】
次に、上述した画像送信装置と画像表示装置とをUSB Type−Cケーブルを用いて接続する際の動作を説明する。画像送信装置と画像表示装置とをUSB Type−Cケーブルで接続した後、両装置に電源を投入すると、画像送信装置は、画像表示装置が有する(記憶している)画像表示装置に関する表示情報を取得する。この表示情報は、少なくとも、伝送路設定の情報と、画像の伝送形式設定の情報とを含む。画像送信装置は、取得した表示情報に基づき、画像表示装置が設定される(記憶している)伝送路設定と伝送形式設定とに合わせて、USB Type−Cケーブルを用いて画像表示装置に画像を供給する。画像表示装置は、記憶部に記憶している伝送路設定の情報と伝送形式設定の情報とに基づき、画像送信装置からの情報、例えば画像を受信する。
画像表示装置に設定されている表示情報が、伝送路設定をPinAssignment D 、画像の伝送形式設定をSSTとして設定されていた場合、上記のような動作を行い、画像送信装置および画像表示装置は、伝送路設定をPinAssignment D、画像の伝送形式設定をSSTとして処理を行う。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における画像表示装置は、信号ケーブルを用いた画像入力に対応し、特に、所定の伝送特性を有する複数の伝送路(伝送線路)を有する信号ケーブルを用いて、少なくとも、画像を示す画像信号を含む第1の信号が供給される装置である。第1の信号は、第1の規格であるディスプレイポートの規格に対応した信号(DisplayPort信号)でもよい。なお、所定の伝送特性は、例えば同じ伝送特性(伝送速度、周波数特性、等)である。なお、同じ伝送特性とは、同じ伝送特性になるように設計されたものを含み、完全に同じ特性である必要はない。また、第1の信号は、画像に関連するタイミング信号(同期信号や画像有効期間を示す信号:DE信号)、等を含んでもよい。
また、本発明における画像表示装置は、画像送信装置から供給される第1の信号または第2の信号の伝送に関する設定を行うことができる装置である。第1の信号の伝送に関する設定は、例えば、第1の信号の伝送形式の設定や伝送路の設定、等である。
また、本発明における画像表示装置は、画像出力端子を用いて、ディジーチェーン接続された1または複数の他の画像表示装置に画像を伝送する画像表示装置としてもよい。
上述の信号ケーブルは、所定の規格に対応したケーブルであってもよい。例えば、所定の規格とは、DisplayPort alt mode on USB Type−Cである。
画像の伝送に関する複数の設定は、複数の異なる規格に対してそれぞれ対応した設定であってもよい。複数の規格とは、例えば、ディスプレイポートに関する規格、USBに関する規格、等である。
本発明における画像表示装置は、例えば、複数の規格においてそれぞれ設定される複数の設定を、所定の操作を行うことにより連係して設定することができる。例えば、ディスプレイポートの規格に対応する伝送形式の設定を行うことにより、USBの規格に対応する伝送路の設定を連係して行うことができる。このことにより、利用者に煩雑な操作をさせることなく、画像送信装置と画像表示装置との間の最適な画像の伝送設定を行う。
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態による画像表示装置を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による画像表示装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、画像表示装置1は、USB−Type−C入力部101、USB−Type−C制御部102、信号接続部103、DisplayPort制御部104、DisplayPort出力部105、映像処理部106、映像表示部107、設定制御部108、USB3.1入力部109、USB2.0入力部110及びUSB−Hub(ハブ)111の各々を備えている。
【0019】
USB−Type−C入力部101は、USB−Type−Cのコネクタを含む。
すなわち、USB−Type−C入力部101は、所定の伝送特性を有する複数の伝送路を有する信号ケーブル、例えば、USB Type−Cケーブルを用いて第1の信号または第2の信号が供給(入力)される。なお、第1の信号および第2の信号は、双方向の通信(情報伝送)の場合を含む。この場合も例えば1方向において信号が供給されている。USB−Type−C入力部101は、信号入力部の一例である。
第1の信号は、少なくとも、画像を示す画像信号を含む。また、第1の信号は、画像に関するタイミング信号(同期信号や画像有効期間を示す信号:DE信号)や制御信号、等を含んでもよい。例えば、本実施形態において、第1の信号は第1の規格に対応した信号である。第1の規格は、ディスプレイポートの規格である。第2の信号は、第2の規格に対応した信号である。第2の規格は、USBの規格である。第2の信号は、USBの規格に対応するUSB信号である。
【0020】
USB−Type−C制御部102は、記憶部(図示せず)を有し、USB−Type−Cの各種設定(接続設定を含む)、少なくとも第1の信号の伝送路の設定(伝送路設定)を記憶する。また、USB−Type−C制御部102は、USB−Type−Cの各種設定を管理し、伝送路設定に応じて、信号接続部103に対し、伝送路を設定する制御信号(PinAssignment制御信号A)を出力する。例えば、伝送路設定は、PinAssingment D(第1の伝送路設定)またはPinAssingment C(第2の伝送路設定)として設定され、PinAssignment制御信号Aは、PinAssingment DまたはPinAssingment Cに対応した設定にするよう信号接続部103に指示する制御信号である。
なお、伝送路設定は、複数の伝送路のうち、第1の信号を伝送する伝送路の数、または、第1の信号以外の信号を伝送する伝送路の数を含む設定でもよい。この場合、設定する伝送路の数に対応する、第1の信号を伝送する伝送路が、予め対応付けて記憶されている。
また、USB−Type−C制御部102は、伝送路の設定の変更に応じて、信号接続部103に対し、PinAssignment制御信号Aを出力する。例えば、後述する設定制御部108からの伝送路設定の変更に対応する信号(PinAssignment制御信号B)を受けると、PinAssignment制御信号Bに対応するPinAssignment制御信号Aを信号接続部103に対し出力する。
なお、第1の伝送路設定と第2の伝送路設定とは少なくとも一部が異なる設定である。すなわち、第1の伝送路設定と第2の伝送路設定とは、設定される伝送路のうち、少なくとも一部の伝送路が異なる種類の信号を伝送するようになされる設定である。例えば、画像信号(パケット)を含む信号と、画像信号(パケット)を含まない信号とは異なる種類の信号である。また、ディスプレイポートに対応する信号(パケット)とUSBに対応する信号(パケット)など、異なる規格に対応する信号は、異なる種類の信号である。なお、信号はパケットに限定されない。
USB−Type−C制御部102は、接続制御部の一例である。
【0021】
信号接続部103は、USB−Type−C制御部102からのPinAssignment制御信号A(伝送路を設定する第1の制御信号)を受け、PinAssignment制御信号Aに基づき、USB−Type−Cケーブル(信号ケーブル)が有する4組の差動信号(RX1、TX1,RX2,TX2)(以下、伝送路とも言う)を用いて供給された信号(高速信号)の供給先を設定する。このとき、信号接続部103は、PinAssignment制御信号AがPinAssingment Dに対応する設定を示す場合、予め定められている、4組のうち2組の伝送路を用いて伝送されたDisplayPort信号(第1の信号)を、後述するDisplayPort制御部104に供給し、残りの2組の伝送路を用いて伝送されたUSB信号(第2の信号)をUSB3.1入力部110に対して供給する。すなわち、PinAssingment Dの設定は、例えば4組の差動信号であるRX2をDisplayPort Lane0、TX2をDisplayPort Lane1、TX1をUSB3.1SSTX1、RX1をUSB3.1SSRX1として設定される。
また、信号接続部103は、PinAssignment制御信号AがPinAssingment Cに対応する設定を示す場合には、予め定められている、4組の全ての伝送路を用いて伝送されたDisplayPort信号を、DisplayPort制御部104に供給する。
すなわち、PinAssingment Dの設定は、例えば4組の差動信号であるRX2をDisplayPort Lane0、TX2をDisplayPort Lane1、TX1をDisplayPort Lane2、RX1をDisplayPort Lane3として設定される。
伝送路制御部は、USB−Type−C制御部(接続制御部)102および信号接続部103を含む。すなわち、伝送路制御部は、第1の信号を伝送する伝送路を、信号ケーブルが有する複数の伝送路の少なくとも一部に設定する伝送路設定に応じて、複数の伝送路を用いて供給された信号(第1の信号または第2の信号)の供給先を変更する。
【0022】
DisplayPort制御部104は、記憶部(図示せず)を有し、少なくとも画像(画像信号)の伝送形式の設定(伝送形式設定)を記憶する。また、DisplayPort制御部104は、記憶部(図示せず)を有し、自身のEDIDを記憶する。伝送形式設定とEDIDとは同じ記憶部に記憶されてもよいし、異なる記憶部に記憶されてもよい。DisplayPort制御部104は、入力されたDisplayPort信号(マルチストリーム)を、映像処理部106に対し出力する機能と、DisplayPort出力部105に対して出力す
る機能を有している。なお、映像処理部106に対し出力する信号は、映像処理部106で用いられる赤(R)、緑(G)、青(B)等の色(3原色)に対応する画像信号(RGB信号)に変換して出力し、DisplayPort出力部105に対して出力する信号は、「SST」または「MST」のDisplayPort信号として出力することが望ましい。なお、映像処理部106で用いられる画像信号が対応する色は、画像表示部107が画像を表示するときに発する光の少なくとも基本の色(例えば3原色)である。また、映像処理部106で用いられる画像信号は、輝度、色差信号、等でもよい。
また、DisplayPort制御部104は、伝送形式設定に応じて、前記伝送路を用いて伝送された第1の信号から画像信号を生成する。例えば、DisplayPort制御部104は、伝送形式設定がSSTの場合、供給される画像は1つの画像なので、供給された画像を映像処理部106で用いられる画像信号に変換して(生成して)、変換した画像信号を映像処理部106に出力する。DisplayPort制御部104は、供給された画像をDisplayPort出力部105に供給するようにしてもよい。また、DisplayPort制御部104は、伝送形式設定が「MST」の場合、供給される画像は複数の画像なので、供給された画像のうち、所定の1の画像を映像処理部106で用いられる画像信号に変換して(生成して)、変換した画像信号を映像処理部106に出力する。DisplayPort制御部104は、供給された画像のうち他の画像(映像処理部106に出力する画像とは異なる画像、換言すると、画像表示部107に表示する画像とは異なる画像)をDisplayPort出力部105に供給するようにしてもよい。なお、映像処理部106に出力する画像(画像信号)(換言すると、画像表示部107に表示する画像)は複数でもよい。また、DisplayPort出力部105に供給する画像は、映像処理部106に出力した画像と同じ画像でも、異なる画像でも、両方含んでいてもよい。また、DisplayPort出力部105に供給する画像は、1つでもよいし、複数でもよい。また、DisplayPort出力部105に供給する画像は、利用者により選択された画像でもよい。
また、DisplayPort制御部104は、伝送形式設定の変更に応じて、上述した処理を変更する。例えば、後述する設定制御部108からの伝送形式設定の変更に対応する信号(SST/MST制御信号)を受けると、SST/MST制御信号に対応した処理を行う。
また、DisplayPort制御部104は、DisplayPort出力部105に接続された後段の、2台目の他の画像表示装置、もしくは2台目から更にデイジーチェーン接続された画像表示装置を正しく表示させるために必要な情報、例えば、画像伝送速度を、AUX(Auxiliary:補助)チャネルにおいて伝送される後段の、EDID(DisplayPort Configuration Data)およびDPCD(Extended Display. Identification Data)等のデータを取得することで求める機能を有する。すなわち、後段の、EDIDに含まれる表示する画像の解像度情報と、DPCDに含まれる、伝送速度情報とに基づき、DisplayPort信号の画像伝送速度を求める。なお、後段に接続された画像表示装置を正しく表示させるための情報が求められるのであれば、他のデータを用いてもよい。
DisplayPort制御部104は、画像制御部の一例である。
【0023】
DisplayPort出力部105は、DisplayPortの規格に対応した、DisplayPort信号を出力するDisplayPort−Outの端子(コネクタ)を含む。DisplayPort−Outの端子は、後段の画像表示装置(2台目の画像表示装置)とDisplayPortケーブルを用いて接続される。DisplayPort−Outの端子は、画像出力端子の一例である。DisplayPort出力部105は、画像出力部の一例である。画像出力部は、DisplayPort信号に限らず、他の信号形式、例えばRGB信号や輝度色差信号等の画像信号を出力してもよい。
【0024】
映像処理部106は、DisplayPort制御部104から供給される画像信号を、映像表示部107に表示する画像信号(映像信号ともいう)に変換して、映像表示部107に出力する。映像処理部106は、例えば、必要に応じて、色補正処理、輪郭補正処理、解像度変換処理、または、ガンマ補正処理、等を行い、映像信号を変換する。
【0025】
映像表示部107は、例えば液晶パネルを含み、映像処理部106から出力された画像信号を入力して、利用者に対し画像(映像)として表示する機能を有する。
【0026】
USB3.1入力部109は、信号接続部103から出力されたUSB3.1信号を、USB−Hub111に対し出力する機能を有する。
【0027】
USB2.0入力部110は、USB−Type−C入力部101から入力されたUSB2.0信号を、USB−Hub111に対し出力する機能を有する。
【0028】
USB−Hub111は、USB3.1入力部109から出力されたUSB3.1信号、及びUSB2.0入力部110から出力されたUSB2.0信号の各々を入力し、USB−Device200それぞれに対して出力する機能、及びUSB−Device200から供給されるUSB3.1信号及びUSB2.0信号の各々を入力し、所定の機能部(不図示)に対して出力する。
USB−Hub111は、USB接続部の一例である。
【0029】
設定制御部108は、画像表示装置1全体の制御を行う機能ブロックにおける画像表示装置制御部の一部として構成されてもよい。設定制御部108は、キーボードのキー操作やリモコン(リモートコントロール)端末の操作等の外部装置からの利用者の制御、または、画像表示装置1が備えるボタンを用いた利用者の制御に対応し、画像表示装置1の設定値(例えば、表示する画像の解像度や後述する伝送路設定、伝送形式設定など)を変更できる。また、設定制御部108は、USB−Type−C制御部102が記憶している伝送路設定を変更する機能を有する。設定制御部108は、伝送路設定が変更されると、USB−Type−C制御部102に対し、伝送路設定の変更に対応する信号(PinAssignment制御信号B)を出力する。設定制御部108は、DisplayPort制御部104が記憶している伝送形式設定を、変更する機能を有する。設定制御部108は、伝送形式設定が変更されると、DisplayPort制御部104に対し、伝送形式設定の変更に対応する信号(SST/MST制御信号)を出力する。
【0030】
USB−Device200は、マウス、キーボード、USBメモリなどの一般的なUSBデバイスを示している。USB−Device200は、USBデバイスとして画像表示装置1に接続される外部装置である。
【0031】
図2は、複数の、例えば2台の画像表示装置を接続し画像を表示するマルチディスプレイの構成例を示す図である。画像送信装置500と画像表示装置1(1の画像表示装置または第1の画像表示装置または1台目の画像表示装置とする)とは、USB Type−Cケーブルを用いて接続されている。また、画像表示装置1と画像表示装置2(他の画像表示装置または第2の画像表示装置または2台目の画像表示装置とする)とは、DisplayPortケーブルを用いてデイジーチェーン接続されている。
なお、画像表示装置1は、初期設定として、DisplayPort信号(第1の信号)の伝送形式設定はシングルストリームに、伝送路設定はPinAssignment Dに設定されているとする。
この状態において、各装置1、2および500に電源を投入すると、画像送信装置500は、画像表示装置1が有する(記憶している)画像表示装置1に関する表示情報を取得する。この表示情報は、少なくとも、第1の信号を伝送する伝送路設定の情報と、第1の信号を伝送する伝送形式設定の情報とを含む。
【0032】
具体的には、画像送信装置500は、USB Type−Cの制御信号(CC1、CC2)を用いて、USB Type−C制御部102が有する記憶部から伝送路設定を取得する。また、画像送信装置500は、USB Type−Cの制御信号(SBU1、SBU2)を用いて、USB Type−C制御部102、信号接続部103を介して、DisplayPort制御部104が有する記憶部から伝送形式設定を取得する。また、画像送信装置500は、USB Type−Cの制御信号(SBU1、SBU2)を用いて、USB Type−C制御部102、信号接続部103を介して、DisplayPort制御部104が有する記憶部からEDIDを取得する。
画像送信装置500は、取得した表示情報に基づき、画像表示装置1が設定される伝送路設定と伝送形式設定とに合わせて(一致するように)、USB Type−Cケーブルを用いて画像表示装置1に第1の信号を供給する。画像表示装置1は、記憶部に記憶している伝送路設定の情報と伝送形式設定の情報とに基づき、画像送信装置500からの第1の信号を受信し、第1の信号に含まれる画像を表示する。
このように、画像表示装置に設定(記憶)されている表示情報を画像送信装置が取得し、この表示情報に基づき、画像表示装置と画像送信装置との間の通信(情報伝送)の設定を行うことをコンフィグレーションとする。なお、画像送信装置が表示情報を取得することは、画像送信装置が画像表示装置から表示情報を読み出すことや、画像表示装置が画像送信装置に表示情報を送信すること、等、主体を問わず画像送信装置が画像表示装置から表示情報を得ることとしてもよい。
【0033】
また、コンフィグレーションは、EDID等の情報を取得すること等、その他の初期設定を行うことを含んでもよい。また、表示情報は、EDID等の情報を含んでもよい。
また、画像表示装置1は、伝送形式の情報に基づき、受信した画像のうち、設定されている画像を画像表示装置2に供給するようにしてもよい。画像表示装置2は、画像表示装置1から供給された画像を表示する。
具体的には、画像送信装置500は、取得した表示情報から、伝送形式はシングルストリーム、伝送路の設定はPinAssignment Dであることを判定すると、自身の設定を、伝送形式を「SST」に、伝送路の設定をPinAssignment Dに設定して画像表示装置1に第1の信号を供給する。画像表示装置1は、自身の設定により、伝送形式を「SST」、伝送路の設定をPinAssignment Dとして、画像送信装置500から第1の信号を受信し、受信した第1の信号に含まれる画像を表示する。
また、画像表示装置1は、受信した画像(「SST」に設定されているので(受信した画像は1つの画像であるので)、自身が表示している画像と同じ画像)を画像表示装置2に供給する。この場合、画像送信装置500と画像表示装置1とは、伝送路の設定がPinAssignment Dに設定されるので、USB3.1を利用することができる。
その後、利用者は、画像表示装置1と画像表示装置2とが同じ画像を表示する状態から、画像表示装置1と画像表示装置2とが異なる画像を表示する状態に変更する場合、利用者は伝送形式設定を「SST」から「MST」に切り替える(変更する)。この伝送形式設定の変更は、画像表示装置が備えるコントロール用ボタンもしくは外部装置のリモコン等を用いた操作で行われる。
利用者が伝送形式設定を変更すると、設定制御部108は伝送形式設定が変更されたことを検出し、設定制御部108は、DisplayPort制御部104に対し、伝送形式設定の変更に対応する信号(SST/MST制御信号)を出力する。この場合、伝送形式設定の変更に対応する信号は、シングルストリームの設定からマルチストリームの設定に変更することを示す信号である。また、設定制御部108は、伝送路制御部(USB−Type−C制御部102)に対し、伝送路設定の変更に対応する信号(PinAssignment制御信号B)を出力する。この場合、伝送路設定の変更に対応する信号は、PinAssingment Dに対応する設定からPinAssingment Cに対応する設定に変更することを示す信号である。DisplayPort制御部104は、受信した信号に応じて、記憶部に記憶している伝送形式設定をシングルストリームの設定からマルチストリームの設定に変更する。伝送路制御部(USB−Type−C制御部102)は、受信した信号に応じて、記憶部に記憶している伝送路設定をPinAssingment Dに対応する設定からPinAssingment Cに対応する設定に変更する。
その後、設定制御部108は、画像送信装置500にコンフィグレーションを行うようにコマンド(命令)を送信し、設定制御部108は、画像表示装置1がコンフィグレーションを行うように制御する。
【0034】
なお、コンフィグレーションは、画像送信装置または画像表示装置に電源が供給された場合の他、例えば、画像表示装置からUSB Type−Cケーブルの制御信号線(CC1、CC2)等を用いて送信される制御コマンド等により行われる。すなわち、例えば、伝送線路の設定が変更されたことを示すコマンドまたはDisplayPortのHotPlug(ホットプラグ)信号が変化したこと(LowレベルからHighレベルに変化したこと、等)を示すコマンド、または、コンフィグレーションを開始することを示すコマンド、等を、画像表示装置から画像送信装置に送信することにより、コンフィグレーションが開始される。すなわち、直接的または間接的にコンフィグレーションを促すコマンドを画像表示装置から画像送信装置に送信することにより、コンフィグレーションが開始される。なお、コンフィグレーションの開始は、制御コマンドの送信に限らず、例えば、専用の端子および線を有するようにして、その端子の電圧レベルを変化させること(LowレベルからHighレベルに変化させる、等)により画像送信装置に通知するようにしてもよい。
【0035】
すなわち、従来の画像表示装置は、画像表示装置の設定変更を画像送信装置に適用するため、各装置の電源をオフした後、再びオンしたり、画像送信装置と画像表示装置との間のUSB TYPE−Cケーブルを抜いた後、再び接続する、等、コンフィグレーションを再び行う必要があり、利用者にとっては煩雑な手順を踏む必要があった。
しかし、上述のように制御することにより、画像表示装置1および画像送信装置500の設定を容易に変更することができ、利用者の負担を低減できる。
また、画像表示装置および画像送信装置を利用者が手動でそれぞれ設定することもできるが、利用者にとっては煩雑な手順を踏む必要があった。
なお、設定変更後のコンフィグレーションは、必ずしも行う必要はなく、次回の装置の電源投入時から設定が反映されるようにしてもよい。この場合、設定変更から画像表示装置の電源を遮断するまで、画像表示装置1および画像送信装置500は、変更前の設定で動作するようにすることが望ましい。
【0036】
図3は、本発明の第1の実施形態の画像表示装置1における伝送路設定と伝送形式設定との制御を示す動作例を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS101:設定制御部108は、現在の伝送路設定と、伝送形式設定とを検出し、自身内部の記憶部に書き込んで記憶する。
【0038】
ステップS102:設定制御部108は、外部装置(例えば、リモコン)から伝送形式設定の設定状態が利用者により変更されたか否かの判定を行う。このとき、設定制御部108は、伝送形式設定の設定状態が変更された場合、処理をステップS103へ進める。一方、設定制御部108は、伝送形式設定の設定状態が変更されない場合、ステップS102の処理を繰り返す。
【0039】
ステップS103:設定制御部108は、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変更された場合、処理をステップS104へ進める。一方、設定制御部108は、伝送形式設定が「MST」から「SST」に変更された場合、処理をステップS108へ進める。
【0040】
ステップS104:設定制御部108は、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変更された場合、伝送路設定を、PinAssignment DからPinAssingment Cに変更することを示すPinAssingment制御信号BをUSB−Type−C制御部102に対して出力する。
また、設定制御部108は、伝送形式設定を、「SST」から「MST」に変更することを示すSST/MST制御信号を、DisplayPort制御部104に対して出力する。
【0041】
ステップS105:USB−Type−C制御部102は、伝送路設定を、PinAssignment DからPinAssingment Cに変更することを示すPinAssingment制御信号Aを、信号接続部103に対して出力する。
【0042】
信号接続部103は、PinAssignment制御信号AがPinAssingment Cに対応する設定を示す場合には、USB−Type−C入力部101から出力される4組の全ての伝送路を用いて伝送されたDisplayPort信号を、DisplayPort制御部104に供給する。
【0043】
ステップS106:USB−Type−C制御部102は、PinAssignment制御信号Aに応じて、記憶部に記憶している伝送路設定をPinAssingment Dに対応する設定からPinAssingment Cに対応する設定に変更する。そして、USB−Type−C制御部102は、画像送信装置500に対してコンフィグレーションを行うコマンドを送信し、かつ画像表示装置1がコンフィグレーションを行うように制御する。
【0044】
ステップS107:DisplayPort制御部104は、伝送形式設定を、シングルストリームからマルチストリームに変更することを示すSST/MST制御信号が供給された場合、DisplayPort信号の伝送形式設定の再設定を行う。すなわち、DisplayPort制御部104は、DisplayPort信号から生成した画像信号を映像処理部106に出力するとともに、DisplayPort信号から生成した他の画像信号を、DisplayPort出力部105を介してデイジーチェーン接続された後段の画像表示装置2に対してDisplayPort信号として出力する設定となる。
【0045】
ステップS108:設定制御部108は、伝送形式設定が「MST」から「SST」に変更された場合、伝送路設定を、PinAssignment CからPinAssingment Dに変更することを示すPinAssingment制御信号BをUSB−Type−C制御部102に対して出力する。
また、設定制御部108は、伝送形式設定を、マルチストリームからシングルストリームに変更することを示すSST/MST制御信号を、DisplayPort制御部104に対して出力する。
【0046】
ステップS109:USB−Type−C制御部102は、伝送路設定を、PinAssignment CからPinAssingment Dに変更することを示すPinAssingment制御信号Aを、信号接続部103に対して出力する。
【0047】
信号接続部103は、PinAssignment制御信号AがPinAssingment Dに対応する設定を示す場合には、USB−Type−C入力部101から出力される4組のうち2組の伝送路を用いて伝送されたDisplayPort信号を、DisplayPort制御部104に供給し、残りの2組の伝送路を用いて伝送されたUSB信号をUSB3.1入力部110に供給する。
【0048】
ステップS110:USB−Type−C制御部102は、PinAssignment制御信号Aに応じて、記憶部に記憶している伝送路設定をPinAssingment Cに対応する設定からPinAssingment Dに対応する設定に変更する。そして、USB−Type−C制御部102は、画像送信装置500に対してコンフィグレーションを行うコマンドを送信し、かつ画像表示装置1がコンフィグレーションを行うように制御する。
【0049】
ステップS111:DisplayPort制御部104は、伝送形式設定を、「MST」から「SST」に変更することを示すSST/MST制御信号が供給された場合、記憶部に記憶しているDisplayPort信号の伝送形式設定を「MST」から「SST」に再設定する。また、DisplayPort制御部104は、DisplayPort信号から生成した画像信号を映像処理部106に出力する設定となる。また、DisplayPort制御部104は、DisplayPort信号から生成した上記と同一の画像信号を、DisplayPort出力部105を介してデイジーチェーン接続された後段の画像表示装置2に対してDisplayPort信号として出力しても良い。
【0050】
上述した構成により、第1の実施形態においては、利用者がマルチディスプレイとして画像表示装置1及び2の2つの表示画面を利用する際、伝送形式設定を、「MST」及び「SST」のいずれか一方から他方に変換する処理を行うことのみで、伝送路設定も変更させることができるため、従来のように、伝送形式設定及び伝送路設定の双方を別々に変更する手間を省くことができ、USB−Type−Cの伝送路設定及び伝送形式設定を容易な操作で変更し、最適な伝送路の状態に設定することができる。
すなわち、画像送信装置が供給する画像が1つの場合(DisplayPort信号の伝送形式が「SST」に設定された場合)、伝送路設定をPinAssignment Dとすることにより、4組の差動信号線のうち、他の2組の差動信号線をUSB3.1として利用することができる。
なお、USB3.1を用いて情報の伝送が行われているときに、USB3.1の伝送路が切断されると、伝送中の情報に関連する情報が破壊される可能性がある。このため、USB3.1を使用できる伝送路の設定から使用できない伝送路の設定に変更する場合、設定を変更する前に、USB3.1を用いた情報の通信が行われていないか否かを、利用者に確認するように、例えば、映像表示部107を用いて表示すること(注意を促すこと)が望ましい。
また、本実施形態では、画像出力端子を用いて、デイジーチェーン接続された他の画像表示装置に画像を伝送する画像表示装置として説明したが、これに限定されない。例えば、画像出力端子に他の画像表示装置を接続したり、画像を出力したりする必要はない。また、画像出力端子を備えなくともよい。例えば、画像表示装置は、1の画像を表示する(用いる)状態と、それぞれ異なる複数の画像を表示する(用いる)状態とを変更できるように設定した場合なども、伝送路設定及び伝送形式設定を容易に適切に変更することができる。
【0051】
また、本実施形態では、所定の設定情報として、伝送形式を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、所定の設定情報として、伝送路設定を用いてもよい。この場合、例えば、設定情報として、USB3.1を使用するか、否かを伝送路設定とすることができる。USB3.1を「使用しない(PinAssignment C)」から「使用する(PinAssignment D)」に設定を変更したときに、伝送形式を「MST」から「SST」に変更する。また、USB3.1を「使用する」から「使用しない」に設定を変更したときに、伝送形式を「SST」から「MST」に変更するようにしてもよい。
【0052】
<第2の実施形態>
第2実施形態の画像表示装置の構成は、
図1に示す第1の実施形態と同様である。以下、第2実施形態の画像表示装置においては、第1の実施形態の画像表示装置と異なる動作のみを説明する。
本実施形態の第1の実施形態と異なる点は、利用者がこの伝送形式設定の動作を、一般的には画像表示装置に搭載されているコントロール用ボタンもしくは外部装置のリモコン等による操作を行うことなく、デイジーチェーン出力のために用いられるDisplayPort−Out端子におけるHot−Plug−Detectピンを用いて、伝送形式設定が変更されたことを検出することである。
【0053】
すなわち、DisplayPort制御部104は、DisplayPort−Out端子におけるHot−Plug−Detectピンの電圧を測定し、この測定した電圧が「H(ハイ)」レベルであるか「L(ロー)」レベルであるかの判定を行う。ここで、DisplayPort制御部104は、測定電圧が「H」レベルである場合、他の画像表示装置がDisplayPort出力部105に対して後段としてデイジーチェーン接続されていると判定する。一方、DisplayPort制御部104は、測定電圧が「L」レベルである場合、DisplayPort出力部105に他の画像表示装置がデイジーチェーン接続されていないと判定する。
【0054】
利用者が伝送形式設定を、「SST」から「MST」に切り替えたいタイミングは、「MST」によりマルチディスプレイの多画面を使用したい時であると考えられる。そのため、
図2に示す様に、画像表示装置1に対して2台目の画像表示装置2が後段としてデイジーチェーン接続された場合、DisplayPort制御部104は、DisplayPort出力部105のHot−Plug−Detectピンの電圧が「L」レベルから「H」レベルに変化したことを検出する。そして、DisplayPort制御部104は、上記Hot−Plug−Detectピンの電圧が「L」レベルから「H」レベルに変化した検出結果を設定制御部108に対して出力する。これにより、設定制御部108は、第1の実施形態と同様に、伝送形式設定を「SST」から「MST」に設定を変更させ、伝送路設定をPinAssingment DからPinAssingment Cに変更させる。
【0055】
一方、DisplayPort制御部104は、画像表示装置1に対する画像表示装置2のデイジーチェーン接続が切断された、すなわち後段の他の画像表示装置1が外されたことを、Hot−Plug−Detectピンの電圧が「H」レベルから「L」レベルに変化したことにより検出する。 すなわち、DisplayPort制御部104は、ホットプラグ検知を行う。そして、DisplayPort制御部104は、上記Hot−Plug−Detectピンの電圧が「H」レベルから「L」レベルに変化した検出結果を設定制御部108に対して出力する。これにより、設定制御部108は、第1の実施形態と同様に、伝送形式設定を「MST」から「SST」に設定を変更させ、伝送路設定をPinAssingment CからPinAssingment Dに変更させる。
【0056】
上述したように、第2の実施形態によれば、DisplayPort制御部104がDisplayPort出力部105のHot−Plug−Detectピンの電圧を測定し、この測定電圧により伝送形式設定を「SST」または「MST」のいずれにするかを判定し、この判定した設定変更を設定制御部108に出力し、設定制御部108が伝送形式設定及び伝送路設定の各々を、第1の実施形態と同様に行うため、利用者が画像表示装置1に、後段として画像表示装置2をデイジーチェーン接続するか切断するかにより、伝送形式設定及び伝送路設定の各々が行われ、画像表示装置が伝送形式設定及び伝送路設定における利用者の負担を、第1の実施形態に比較してより低減することができる。
【0057】
図4は、本発明の第2の実施形態の画像表示装置1における伝送形式設定と伝送路設定との制御を示す動作例を示すフローチャートである。以下、第1の実施形態と異なるステップS101AからステップS103Aの各々を説明し、ステップS104からステップ111までは、第1の実施形態と同様な処理であるため、説明を省略する。
【0058】
ステップS101A:DisplayPort制御部104は、DisplayPort出力部105のHot−Plug−Detectピンの電圧を測定し、この測定電圧により伝送形式設定を「SST」または「MST」のいずれであるかを測定する。
そして、DisplayPort制御部104は、測定電圧が「L」レベルの場合、伝送形式設定が「SST」であると判定し、一方、測定電圧が「H」レベルの場合、伝送形式設定が「MST」であると判定し、判定結果を自身内部の記憶部に書き込んで記憶する。
【0059】
ステップS102A:DisplayPort制御部104は、DisplayPort出力部105のHot−Plug−Detectピンの電圧が変化したか否かの判定を行う。このとき、設定制御部108は、Hot−Plug−Detectピンの電圧が変化した場合、処理をステップS103Aへ進める。一方、設定制御部108は、Hot−Plug−Detectピンの電圧が変化していない場合、ステップS102Aの処理を繰り返す。
【0060】
ステップS103A:DisplayPort制御部104は、Hot−Plug−Detectピンの電圧が「L」レベルから「H」レベルに変化した場合、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変更されたことを示す制御信号を設定制御部108に出力する。また、DisplayPort制御部104は、Hot−Plug−Detectピンの電圧が「H」レベルから「L」レベルに変化した場合、伝送形式設定が「MST」から「SST」に変更されたことを示す制御信号を設定制御部108に出力する。
【0061】
これにより、設定制御部108は、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変更された場合、処理をステップS104へ進める。一方、設定制御部108は、伝送形式設定が「MST」から「SST」に変更された場合、処理をステップS108へ進める。
以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0062】
<第3の実施形態>
第3実施形態の画像表示装置の構成は、
図1に示す第1の実施形態と同様である。以下、第3実施形態の画像表示装置においては、第1の実施形態の画像表示装置と異なる動作のみを説明する。
上述した第1実施形態及び第2実施形態のように、2台目を後段に接続した時点でDisplayPort信号の帯域が必ず足りなくなる場合、第1の実施形態及び第2の実施形態の各々で説明した構成により、この帯域の問題を解決することができる。しかしながら、第1の実施形態及び第2の実施形態の各々の解決法は、伝送形式設定を「SST」から「MST」に設定変更すると、画像信号を伝送するための伝送路の数が増加する。この結果、USB3.1信号を伝送していた伝送路がDisplayPort信号の伝送路に切り替わるため、USB3.1信号の通信がUSB2.0信号の通信に必ず切り替わってしまう。このため、利用者の視点では、USBにおけるデータの伝送速度が低下するというデメリットが発生する。
【0063】
したがって、画像表示装置1及び画像表示装置2の各々を表示するために求められるDisplayPort信号の画像伝送速度がそれぞれ4Gbpsなど少ない場合、もしくは画像伝送速度の向上や画像データ量を圧縮などで、2画面の使用時では帯域不足にならない場合は、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変化しても、伝送路設定を、PinAssignment Cの設定に変えずに、PinAssignment Dの設定を継続し続けた方が利用者の利便性の観点から望ましい。
【0064】
そのため、第3の実施形態においては、伝送形式設定が「MST」に設定され、画像表示装置1に対して複数台の他の画像表示装置がデイジーチェーン接続されている場合、画像表示装置1の伝送路設定を、後段の画像表示装置に必要な画像伝送速度に応じて変更する構成となっている。
【0065】
以下の説明においては、例えば、
図6から
図8の各々に示す様に、伝送形式設定が「MST」に設定されて、画像表示装置1に対して画像表示装置2及び画像表示装置3の各々がデイジーチェーン接続されている場合を用いる。
図5、
図6及び
図7は、第3の実施形態を説明するための、画像表示装置のデイジーチェーンの構成例を示す図である。
【0066】
図5は、伝送形式設定が「SST」に設定されている場合であり、画像表示装置1には他の画像表示装置がデイジーチェーン接続されていない。このため、伝送路設定は、4組の伝送路における2組(USB3.1SSTX1、USB3.1SSRX1)の伝送路がUSB3.1信号に割り当てられ、2組(DisplayPortLane0、DisplayPortLane1)の伝送路がDisplayPort信号に割り当てられている。
【0067】
図6は、画像表示装置1に画像表示装置2がデイジーチェーン接続され、伝送形式設定が「MST」に設定されており、かつ画像表示装置1及び画像表示装置2の各々を表示するために求められるDisplayPort信号の画像伝送速度がそれぞれ4Gbpsなど少ない場合を示している。このため、伝送路設定は、
図5と同様に、4組の伝送路における2組(USB3.1SSTX1、USB3.1SSRX1)の伝送路がUSB3.1信号に割り当てられ、2組(DisplayPortLane0、DisplayPortLane1)の伝送路がDisplayPort信号に割り当てられている。
【0068】
図7は、画像表示装置1に画像表示装置2及び画像表示装置3がデイジーチェーン接続され、伝送形式設定が「MST」に設定されており、かつ画像表示装置1、画像表示装置2及び画像表示装置の各々を表示するために求められるDisplayPort信号の画像伝送速度が、2組の伝送路では不十分となる場合を示している。このため、伝送路設定は、4組の伝送路の全て(DisplayPortLane0からDisplayPortLane3)がDisplayPort信号に割り当てられている。
【0069】
第3の実施形態によれば、USB−Type−Cのケーブルが接続されている画像表示装置1において、DisplayPort制御部104が、デイジーチェーン接続の2台目の画像表示装置2と、3台目の画像表示装置3で必要な映像伝送速度を、DisplayPort出力部105のAUXチャネルにより伝送されるEDIDデータに含まれる解像度情報と、DPCDデータに含まれる伝送速度情報とを元に計算する。
【0070】
そして、第3の実施形態においては、DisplayPort制御部104が算出した画像伝送速度が、PinAssingment Dの設定では足りないと判定された場合のみ、PinAssignment Cの設定に切り替えている。これにより、第3の実施形態によれば、伝送形式設定が「MST」に設定されている場合においても、画像伝送速度が十分な場合、最適な映像表示とUSB3.1での接続とを実現し、画像伝送速度が不十分と判定された場合のみ、画像表示とUSB2.0でのデータ通信とに切り替わるという動作を可能とし、画像伝送速度が低下する場合を低減させ、利用者の利便性を向上させることできる。
【0071】
図8は、本発明の第3の実施形態の画像表示装置1における伝送路設定とDisplayPort信号の伝送形式設定との制御を示す動作例を示すフローチャートである。以下、第1の実施形態と異なるステップS103B_1からステップS103B_6の各々を説明し、ステップS101及びステップS102と、ステップS104からステップ111までとは、第1の実施形態と同様な処理であるため、説明を省略する。
【0072】
ステップS103B_1:画像表示装置制御部108は、伝送形式設定が「SST」から「MST」に変更された場合、処理をステップS103B_1へ進める。一方、画像表示装置制御部108は、伝送形式設定が「MST」から「SST」に変更された場合、処理をステップS108へ進める。
【0073】
ステップS103B_2:DisplayPort制御部104は、DisplayPort出力部105のAUXチャネルにより伝送されるEDIDデータに含まれる解像度情報と、DPCDデータに含まれる伝送速度情報とを読み込む。そして、DisplayPort制御部104は、デイジーチェーン接続の2台目の画像表示装置2で必要な画像伝送速度を、読み込んだEDIDデータに含まれる解像度情報及びDPCDデータに含まれる伝送速度情報の各々を用いて求める。
【0074】
ステップS103B_3:DisplayPort制御部104は、4組の伝送路のうち、2組(DisplayPortLane0、DisplayPortLane1)をDisplayPort信号に割り当てることで、求めた画像伝送速度に対して十分な伝送速度であるか否かの判定を行う。このとき、DisplayPort制御部104は、4組の伝送路のうち2組の伝送路をDisplayPort信号に割り当てることで、求めた画像伝送速度に対して十分な伝送速度である場合、処理をステップS103B_4へ進める。一方、DisplayPort制御部104は、4組の伝送路のうち2組をDisplayPort信号に割り当てることで、求めた画像伝送速度に対して十分な伝送速度でない場合、処理をステップS104へ進める。
【0075】
また、上述した実施形態の各々では、DisplayPort alt mode on USB Type−Cの規格に基づく形態を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、複数の伝送路を有する信号ケーブルを用いて、第1の信号および第2の信号を伝送する形態に適用できる。複数の伝送路は同じ伝送特性を有することが望ましい。
【0076】
図9は、本発明の実施形態の概念を説明する図である。
図9において、本発明の実施形態における画像表示装置10は、信号入力部11(USB−Type−C入力部101)、伝送路制御部12(DisplayPort制御部104)、画像制御部13(DisplayPort制御部104)及び設定制御部14(設定制御部108)の各々を備えている。
信号入力部11は、外部装置(不図示)から、所定の伝送特性を有する複数の伝送路を有する信号ケーブルを用いて第1の信号(DisplayPort信号)または第2の信号(USBの規格に対応するUSB信号)が供給される。
伝送路制御部12は、上記第1の信号を伝送する伝送路を、複数の伝送路の少なくとも一部に設定する伝送路設定に応じて、複数の伝送路を用いて供給された信号の供給先を変更する。
画像制御部13は、伝送路制御部12の設定した伝送路を用いて上記第1の信号を伝送する形式を示す伝送形式設定に応じて、伝送路を用いて供給された第1の信号から画像信号を生成する。
設定制御部14は、所定の設定情報の変更に応じて、伝送路設定および伝送形式設定の各々を変更する。すなわち、ディスプレイポート信号の伝送形式設定を、「SST」または「MST」のいずれかとし、USB−Type−Cにおける伝送路設定をPinAssignment DまたはPinAssignment Cのいずれかに切り替える。また、設定制御部11は、伝送路設定および伝送形式設定の各々の設定変更の後、コンフィグレーションを行わせる命令を、画像表示装置に対して送信する。
【0077】
これにより、マルチディスプレイを構成するデイジーチェーンにおける初段の画像表示装置のDisplayPort(ディスプレイポート)信号の伝送形式設定を、「SST」及び「MST」間の切り替え処理と、USB Type−CのPinAssignment(ピンアサイメント)の設定、すなわち伝送路設定の再設定の処理に関する操作を容易に行え、利用者の負担を低減できる。
【0078】
また、
図1のマルチディスプレイにおける画像表示装置のDisplayPort(ディスプレイポート)信号の伝送形式設定を、「SST」から「MST」の設定の切り替えと、USB Type−CのPinAssignment(ピンアサイメント)の設定、すなわち伝送路設定のの再設定との操作に関する処理を、画像表示装置における制御機能を実現するためのコントロールを外部コンピュータシステムによって行てもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0079】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。