【課題を解決するための手段】
【0011】
それゆえ、第1の態様では、本発明は、熱溶解積層法によって3D物品を製造するための方法であって、粒子が埋め込まれた3D印刷可能材料を(印刷段階中に)層ごとに堆積させて、3D印刷された材料に埋め込まれている粒子を有する3D印刷された材料を含む3D物品を提供するステップを含み、3D印刷可能材料が、熱可塑性ポリマー材料の連続相を含み、粒子が架橋ポリマー材料を含み、粒子の総数の少なくとも一部が、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法(特に(最長)長さ又は直径)を有する、方法を提供する。3D印刷可能材料及び粒子は、光透過性材料を含む。粒子の光透過性材料は、1.2〜1.8の範囲から選択される屈折率を有する。
【0012】
驚くべきことに、架橋ポリマー粒子が添加剤として使用されると、層が強力な付着性を示し、層間剥離の問題が回避又は低減され得ることが見い出された。更に、上述の方法では、無光沢な外観を有する表面を作り出すことが可能となり得、これは、異なる用途にとって有用であり得る。
【0013】
印刷可能材料は、2つの相を含む。印刷可能材料は、熱可塑性材料の相(以下も参照)を含み、当該相は、本質的に連続した相である。熱可塑性材料ポリマーのこの連続相には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収添加剤、近赤線光吸収添加剤、赤外線吸収添加剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、着色剤、レーザマーキング添加剤、表面効果添加剤、放射線安定剤、難燃剤、防滴剤のうちの1つ以上などの添加剤が存在してもよい。印刷可能材料は、微粒子状材料、すなわち、印刷可能なポリマー材料に埋め込まれた微粒子を更に含み、当該粒子は、実質的に不連続な相を形成する。全混合物中の粒子の量は、特に熱膨張係数を低減する用途では、(粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して60体積%以下である。光学的効果及び表面関連効果のために、全混合物中の粒子の量は、(粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して最大10体積%など、20体積%以下である。それゆえ、3D印刷可能材料は特に、架橋ポリマー材料の粒子及びオプションとして他の粒子が埋め込まれた、本質的に熱可塑性の材料の連続相を指す。同様に、3D印刷された材料は特に、架橋ポリマー材料の粒子及びオプションとして他の粒子が埋め込まれた、本質的に熱可塑性の材料の連続相を指す。
【0014】
特に、3D印刷可能材料は、(粒子を含む)3D印刷可能材料の総体積に対して、1〜50体積%、特に1〜20体積%、例えば、更に特に1〜5体積%の範囲の粒子(本明細書では更に、架橋ポリマー材料の粒子として定義される)を含む。それゆえ、これらの粒子に加えて、3D印刷可能材料は、(架橋ポリマー材料の粒子及びオプションとして更なる粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して、合計で60体積%、更に特に合計で最大50体積%、最大20体積%以下のような、10体積%以下のような量まで(上述のような)更なる微粒子状材料を含んでもよい。
【0015】
本明細書の以下では、粒子と表記する場合、別途記載のない限り又は文脈から明らかでない限り、化学的に架橋されたポリマー材料の粒子を表す。それゆえ、本明細書では、(粒子を含む)印刷可能材料はまた、「印刷可能材料」と示される。しかし、用語「3D印刷可能材料」は特に、熱可塑性の(本質的に(化学的に)架橋されていない)材料の連続相を指し、粒子の実施形態が記載される場合には、特に「粒子」を指す。それゆえ、(連続相を提供する)熱可塑性材料は、3D印刷可能、特に、それ自体がFDM印刷可能であってもよく、そのような粒子は、本質的に3D印刷可能でなくてもよいが、熱可塑性の(本質的に(化学的に)架橋されていない)3D印刷可能材料に埋め込まれているときにのみ印刷可能であってもよい。
【0016】
粒子は、単一の材料を含んでもよく、又は異なる種類の材料を含んでもよい。粒子は、単峰性の粒径分布又は多峰性のサイズ分布を有してもよい。特に、粒子の総数の少なくとも一部が、特定の実施形態では、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法(L1)を有する。粒子は、球状であってもよく、又はフレーク状、棒状などの別の形状を有してもよい。粒子はまた、不規則形状を有してもよい。
【0017】
特に、第1の寸法は、最長寸法(又は直径)を指す。したがって、特に第1の寸法は、長さ(すなわち、最長長さ)又は直径である。本明細書では、用語「粒径」及び「第1の寸法」及び同様の用語は、例えば、SEM測定値又はレーザー散乱測定値から導出され、粒子がより大きい場合には光学顕微鏡測定値からでも導出され得る、サイズ及び寸法を指してもよい。
【0018】
球状粒子の場合、最長寸法と最短寸法は、等しく、直径である。バー状要素(矩形直方体)の場合、最長寸法は長さであってもよく、(幅が高さよりも大きいと仮定すると)最短寸法は高さであってもよい。本質的に円筒形の粒子の場合、長さ及び直径の一方が、最長寸法であってもよい。
【0019】
不規則形状の粒子の場合、また規則形状の物品の場合でも、容易性のために、(不規則形状の)粒子を包囲する最小矩形直方体(rectangular cuboid)(直方体(rectangular parallelepiped))が、長さ、幅、及び高さを画定するために使用されてもよい。それゆえ、用語「第1の寸法」は特に、不規則形状の粒子を包囲する最小矩形直方体(直方体)の長さを指す。
【0020】
粒子が本質的に球状であるとき、最長寸法と、最短寸法と、直径とは、本質的に同じである。それゆえ、用語「最長寸法」及び同等の用語は特に、粒子を包囲する最小矩形直方体(直方体)の最長寸法(又は「長さ」)を指す。したがって、粒子の第1の寸法(L1)は、特に0.2〜100μmの範囲の長さを有する、粒子を包囲する最小矩形直方体の長さであってもよい(長さとして定義されてもよい)。
【0021】
粒子の少なくとも一部が球状である場合、そのような粒子は、第1の寸法(又は長さ若しくは最長寸法)と本質的に同じである直径を有する。それゆえ、実施形態では、粒子の少なくとも一部が球状であり、(そのような粒子の)第1の寸法(L1)は直径である。
【0022】
上述のように、特に、各粒子は、規則形状であるか不規則形状であるかにかかわらず、矩形直方体の形態の最小境界ボックスを有する。各矩形直方体は、幅、高さ、及び長さを有し、長さは、矩形直方体の最も長い寸法である。「第1の寸法」は特に、矩形直方体のこの最も長い寸法を指す。それゆえ、本発明はとりわけ、3D物品を3D印刷するための方法であって、3D印刷可能材料を層ごとに堆積させて、3D印刷された材料を含む3D物品を提供するステップを含み、3D印刷可能材料及び3D印刷された材料が、内部に埋め込まれた複数の粒子を含み、粒子が架橋ポリマー材料を含み、粒子が、矩形直方体の形態の最小境界ボックスを有し、矩形直方体が特に、0.2〜100μmの範囲の長さを有する、方法を提供する。
【0023】
特定の実施形態では、粒子の少なくとも50体積%、特に全ての粒子などが、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法を有する。また更に特には、全ての粒子が、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法を有する。また更なる実施形態では、粒子の少なくとも50体積%が、例えば、1〜100μmの範囲から選択される第1の寸法を有する。最良の結果は、この範囲、又は更に2〜50μmの範囲で得られる。
【0024】
特に、実施形態では、第1の寸法は直径であり、又は実施形態では、第1の寸法は最長長さである。
【0025】
(レーザー)光散乱では特に、(微粒子状材料の)体積平均直径が決定されてもよい。実施形態では、本明細書に示す第1の寸法は特に、例えば、レーザー回折によって得られるようなD
3,2値を指し得る。それゆえ、実施形態では、粒子は、0.2〜100μmの範囲から選択される、特に、2〜50μmの範囲からなどの1〜100μmの範囲から選択される、D
3,2値を有する。
【0026】
ポリマー印刷可能材料、すなわち連続相は特に、架橋されていないが、熱可塑性材料を含む。特定の実施形態では、3D印刷可能材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、より高いTgを有する改質PC(例えば、Covestro社製のApec)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの1つ以上を含んでもよい。粒子は特に、特に化学的に架橋されたポリマーに至る、(メタ)アクリレート、ビニル、エポキシ、フェノールなどの基の重合による架橋分子などの、化学的に架橋された材料を含む。ここで、それは、他の材料、特に粒子が内部に分散され得る、本質的に連続的な相と呼ばれる。
【0027】
実施形態では、粒子は、架橋天然ゴム、架橋シリコーンゴム、架橋エポキシ、架橋フェノール樹脂、オプションとして架橋ポリウレタン、架橋ポリオレフィン(架橋ポリエチレン及び/又は架橋ポリプロピレンなど)、架橋ポリエステル、架橋ポリブタジエンゴム、架橋(メタ)アクリレート、架橋スチレンポリマー、及びこれらのコポリマーのうちの1つ以上を含む。
【0028】
特定の実施形態では、粒子は、印刷可能材料(の連続相)のポリマーと同じであるが、後で架橋されるポリマー材料を含む。それゆえ、実施形態では、3D印刷可能材料は、熱可塑性ポリマー材料の連続相を含み、粒子は、同じであるが、後で架橋される材料を含む。それゆえ、粒子は、連続相と本質的に同じポリマー材料を含むが、3D印刷可能材料の連続相のポリマー材料は、本質的に架橋されていない一方、粒子のポリマー材料は、架橋されている。
【0029】
光学用途では、また非光学用途でも、3D印刷可能材料が光透過性であることが望ましい場合がある。同様に、それは、粒子もまた光透過性材料を含むときに望ましい場合がある。材料の本組み合わせにより、無光沢な(側部)表面が提供されてもよい。それゆえ、3D物品のリブ付き側面は、無光沢な外観を有してもよい。これは特に、粒子の屈折率が、3D印刷可能なポリマー材料の屈折率とほぼ同じであるときに、得られてもよい。特に、屈折率の比が、0.8〜1.25の範囲などの0.7〜1.4の範囲であってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、3D印刷可能材料及び粒子は、光透過性材料を含む。特に、粒子は、1.2〜1.8の範囲から選択される屈折率を有する光透過性材料を含む。
【0030】
粒子は、層同士の結合にプラスの効果を有し得る。粒子はまた、層の結合にマイナスの効果を有し得る、他の目的を有し得る他の粒子と組み合わせて使用されてもよい。それゆえ、粒子はまた、層の結合への他の粒子の有害な効果を補償するために使用されてもよい。例えば、発光目的若しくは磁気目的又は他の目的の無機粒子が適用されてもよく、これは、結合にマイナスの効果を有する場合がある。また本明細書に定義される粒子を使用することにより、結合に負の効果を有する他の粒子が、3D印刷された材料に利用可能となるが、結合は依然として十分となり得る。
【0031】
上述のように、本方法は、(印刷段階中に)3D印刷可能材料を層ごとに堆積させるステップを含む。本明細書では、用語「3D印刷可能材料」とは、堆積又は印刷されることになる材料を指し、用語「3D印刷された材料」は、堆積後に得られる材料を指す。これらの材料は、本質的に同じであってもよいが、これは、3D印刷可能材料が、高温のプリンタヘッド又は押出機内の材料を特に指す場合があり、3D印刷された材料が、同じ材料ではあるが、後の堆積された段階の材料を指すためである。3D印刷可能材料は、フィラメントとして印刷され、フィラメントとして堆積される。3D印刷可能材料は、フィラメントとして供給されてもよく、又はフィラメントに形成されてもよい。それゆえ、いかなる出発材料が適用されるとしても、3D印刷可能材料を含むフィラメントが、プリンタヘッドによって供給されて、3D印刷される。本明細書では、用語「3D印刷可能材料」はまた、「印刷可能材料」として示されてもよい。用語「ポリマー材料」とは、実施形態では、異なるポリマーのブレンドを指す場合もあるが、実施形態ではまた、本質的に、異なるポリマー鎖長を有する単一のポリマーのタイプを指す場合もある。それゆえ、用語「ポリマー材料」又は「ポリマー」は、単一のタイプのポリマーを指す場合もあるが、また、複数の異なるポリマーを指す場合もある。用語「印刷可能材料」は、単一のタイプの印刷可能材料を指す場合もあるが、また、複数の異なる印刷可能材料を指す場合もある。用語「印刷された材料」は、単一のタイプの印刷された材料を指す場合もあるが、また、複数の異なる印刷された材料を指す場合もある。
【0032】
それゆえ、用語「3D印刷可能材料」はまた、2種以上の材料の組み合わせを指す場合もある。一般に、これらの(ポリマー)材料は、ガラス転移温度T
g及び/又は融解温度T
mを有する。3D印刷可能材料は、ノズルから出る前に、3Dプリンタによって、少なくともガラス転移温度、及び一般には、少なくとも融解温度の温度まで加熱されることになる。それゆえ、特定の実施形態では、3D印刷可能材料は、ガラス転移温度(T
g)及び/又は融点(T
m)を有する熱可塑性ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、3D印刷可能材料を、ガラス転移を超えて加熱し、当該材料が半結晶性ポリマーである場合には、融解温度を超えて加熱することを含む。更に別の実施形態では、3D印刷可能材料は、融点(T
m)を有する(熱可塑性)ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、受け物品上に堆積されることになる3D印刷可能材料を、少なくとも融点の温度まで加熱することを含む。ガラス転移温度は、一般に融解温度と同じではない。融解は、結晶性ポリマーにおいて生じる転移である。融解は、ポリマー鎖が、当該結晶構造から脱落して、無秩序な液体となる際に発生する。ガラス転移は、非晶質ポリマーに発生する転移であり、すなわち、固体状態である場合であっても、当該鎖が規則的な結晶として配列されておらず、いずれかの方式で単に分散されているポリマーである。ポリマーは、本質的にガラス転移温度を有するが融解温度を有さない、非晶質とすることができ、又は、一般にガラス転移温度及び融解温度の双方を有し、一般に後者が前者よりも高い、(半)結晶質とすることもできる。
【0033】
それゆえ、上述のように、本発明は、3D印刷可能材料のフィラメントを供給するステップと、(印刷段階中に)3D印刷可能材料を基材上に印刷して3D物品を提供するステップと、を含む方法を提供する。
【0034】
3D印刷可能材料として特に適格であり得る材料は、金属、ガラス、熱可塑性ポリマー、シリコーンなどからなる群から選択されてもよい。
【0035】
本発明による方法では、3D印刷可能材料は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ナイロン(又はポリアミド)、アセテート(又はセルロース)、PLA(ポリ乳酸)、テレフタレート(PETポリエチレンテレフタレートなど)、アクリル(ポリメチルアクリレート、Perspex、ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリプロピレン(又はポリプロペン)、ポリスチレン(PS)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリテン(HDPE))、PVC(ポリ塩化ビニル)ポリクロロエテン、ポリアミド、ポリカーボネート(PC)などの他のポリエステル、ポリスルホンなどの硫化物含有ポリマー、ポリウレタンなどの熱弾性エラストマ、及びポリエチレングリコールとPETとのコポリマーからなる群から選択されるポリマーなどの(熱可塑性)ポリマーを含む。具体的な例についても上述した。
【0036】
印刷可能材料は、受け物品上に印刷される。特に、受け物品は、構築プラットフォームとすることができ、又は、構築プラットフォームによって含まれることができる。受け物品もまた、3D印刷の間に加熱されてもよい。しかしながら、受け物品はまた、3D印刷の間に冷却されてもよい。
【0037】
語句「受け物品上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、受け物品上に直接印刷すること、又は、受け物品上のコーティング上に印刷すること、又は、受け物品上に先に印刷されている、3D印刷された材料上に印刷することを含む。用語「受け物品」とは、印刷プラットフォーム、プリントベッド、基材、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどを指す場合がある。用語「受け物品」の代わりに、用語「基材」もまた使用されてもよい。語句「受け物品上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、印刷プラットフォーム、プリントベッド、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどの上の、あるいは、それらによって構成されている、別個の基材上に印刷することもまた含む。それゆえ、語句「基材上に印刷する」及び同様の語句は、とりわけ、基材上に直接印刷すること、又は、基材上のコーティング上に印刷すること、又は、基材上に先に印刷されている、3D印刷された材料上に印刷することを含む。以降では、基材という用語が更に使用され、当該用語は、印刷プラットフォーム、プリントベッド、基材、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなど、あるいは、それらの上の、又はそれらによって含まれている、別個の基材を指す場合がある。
【0038】
印刷可能な材料が層ごとに堆積され、それにより、(印刷段階中に)3D印刷された物品が生成される。3D印刷された物品は、(堆積されたフィラメントにより生じる)特徴的なリブ付き構造を示し得る。しかし、印刷段階の後に、最終段階などの更なる段階が実行されることが可能である場合もある。この段階は、印刷された物品の受け物品からの取り出し及び/又は1つ以上の後処理動作を含んでもよい。1つ以上の後処理動作が、印刷された物品を受け物品から取り出す前に実行されてもよく、及び/又は、1つ以上の後処理動作が、印刷された物品を受け物品から取り出した後に実行されてもよい。後処理は、例えば、研磨、コーティング、機能部品の追加などのうちの1つ以上を含んでもよい。後処理は、リブ付き構造を平滑化することを含んでもよく、このことは、本質的に平滑な表面をもたらし得る。
【0039】
本発明は、更なる態様では、本明細書に記載される方法で使用され得る3D印刷可能材料自体を提供する。それゆえ、一態様では、本発明は、粒子が埋め込まれた熱溶解積層法3D印刷可能材料であって、熱可塑性ポリマー材料の連続相を含み、粒子が架橋ポリマー材料を含み、粒子の総数の少なくとも一部が特に、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法(特に、(最長の)長さ又は直径)を有する、3D印刷可能材料を提供する。3D印刷可能材料及び粒子は、光透過性材料を含み、粒子の光透過性材料は、1.2〜1.8の範囲から選択される屈折率を有する。粒子は材料に埋め込まれているが、これは、粒子のサブセットが3D印刷可能材料から部分的に突出し得ることを除外するものではない。このことはまた、3D印刷された材料にも当てはまり得る。それゆえ、3D印刷された材料は、(3D印刷された物品の表面の平滑化が、本質的に平滑な表面をもたらし得るが)(ポリマーの)3D印刷された材料から部分的に延びた粒子の結果として粗さを有してもよい。これは、製品の無光沢な外観に寄与し得る。
【0040】
更には、本発明は、本明細書で説明される方法を実行するために使用され得るソフトウェア製品に関する。用語「ソフトウェア製品」の代わりに、用語「コンピュータプログラム製品」も適用され得る。
【0041】
本明細書で説明される方法は、3D印刷された物品を提供する。それゆえ、本発明はまた、更なる態様では、本明細書で説明される方法で得ることが可能な、3D印刷された物品も提供する。特に、本発明は、粒子が埋め込まれている3D印刷された材料を含む3D物品であって、3D印刷された材料が、熱可塑性ポリマー材料の連続相を含み、粒子が架橋ポリマー材料を含み、粒子の総数の少なくとも一部が特に、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法(特に、(最長の)長さ又は直径)を有する、3D物品を提供する。3D印刷された材料及び粒子は、光透過性材料を含み、粒子の光透過性材料は、1.2〜1.8の範囲から選択される屈折率を有する。粒子は、3D印刷された材料に埋め込まれている。しかし、粒子の総数のサブセットがまた、3D印刷された材料の表面にあってもよく、当該部分的に延びてもよい。それゆえ、粒子の総数の少なくとも一部が、印刷された材料に完全に埋め込まれており、粒子の総数の一部が、印刷された材料に部分的に埋め込まれていてもよく、3D印刷された材料の表面から延びていてもよい。
【0042】
3D印刷された物品に関連する、いくつかの特定の実施形態が、以下で本方法を論じる際に既に明らかにされている。以下では、3D印刷された物品に関連する、いくつかの特定の実施形態が、より詳細に論じられる。
【0043】
上述のように、実施形態では、粒子の少なくとも50体積%が、0.2〜100μmの範囲から選択される第1の寸法を有してもよい。更なる実施形態では、粒子の少なくとも50体積%が、1〜100μmの範囲から選択される第1の寸法を有してもよい。それゆえ、粒子の総数の少なくとも一部が特に、第1の寸法を有する。
【0044】
上記から導出できるように、特に、3D印刷された材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、1〜50体積%、特に1〜20体積%、例えば、更に特に1〜5体積%の範囲の粒子(本明細書では更に、架橋ポリマー材料の粒子として定義される)を含む。それゆえ、これらの粒子に加えて、3D印刷された材料は、(架橋ポリマー材料の粒子及びオプションとして更なる粒子を含む)印刷可能材料の総体積に対して、合計で60体積%、更に特に合計で最大50体積%、最大20体積%以下のような、10体積%以下のような量まで(上述のような)更なる微粒子状材料を含んでもよい。それゆえ、実施形態では、3D印刷された材料は、3D印刷された材料の総体積に対して、最大20体積%、例えば最大10体積%の範囲など、少なくとも1体積%の範囲の粒子のような、特に1〜5体積%の範囲の粒子を含む。
【0045】
更に、特定の実施形態では、3D印刷された材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、より高いTgを有する改質PC(例えば、Covestro社製のApec)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらのうちの2つ以上のコポリマーのうちの1つ以上を含んでもよく、並びに/又は、粒子は、架橋天然ゴム、架橋シリコーンゴム、架橋エポキシ、架橋フェノール樹脂、オプションとして架橋ポリウレタン、架橋ポリオレフィン(架橋ポリエチレン及び/若しくは架橋ポリプロピレンなど)、架橋ポリエステル、架橋ポリブタジエンゴム、架橋(メタ)アクリレート、架橋スチレンポリマー、及びこれらのコポリマーのうちの1つ以上を含んでもよい。特定の実施形態では、粒子は、印刷された材料(の連続相)のポリマーと同じであるが、後で架橋されるポリマー材料を含む。それゆえ、実施形態では、3D印刷された材料は、熱可塑性ポリマー材料の連続相を含み、粒子は、同じであるが、後で架橋される材料を含む。それゆえ、粒子は、連続相と本質的に同じポリマー材料を含むが、連続相のポリマー材料は、本質的に架橋されていない一方、粒子のポリマー材料は架橋されている。
【0046】
(本明細書で説明される方法によって)得られる3D印刷された物品は、それ自体が機能的であってもよい。そのようにして得られた3D物品は、(代替的に)、装飾目的又は芸術目的のために使用されてもよい。3D印刷された物品は、機能構成要素を含んでもよく、又は機能構成要素を備えてもよい。機能構成要素は、特に、光学構成要素、電気構成要素、及び磁気構成要素から成る群から選択されてもよい。用語「光学部品」は、レンズ、ミラー、(LEDのような)光源などの光学的機能を有する部品を特に指す。用語「電気部品」は、例えば、集積回路、PCB、バッテリ、ドライバを指す場合があるが、光源(光源が光学部品及び電気部品と見なされ得るため)なども指す場合もある。磁気部品という用語は、例えば、磁気コネクタ、コイルなどを指してもよい。代わりに又は加えて、機能的部品は、(例えば、電気部品を冷却又は加熱するように構成された)熱的部品を含んでもよい。それゆえ、機能的部品は、熱を発生させるように、又は熱を捕捉するように構成されてもよい。
【0047】
また更なる態様では、本発明は、例えば、スポットライト又はスポットライト用などの、3D物品を備える照明器具又はランプを提供する。例えば、物品は、スポットライトなどの、ランプシェードとして、ランプのハウジングとして、又は照明器具ハウジングとして使用されてもよい。
【0048】
3D印刷プロセスに戻ると、本明細書で説明される3D印刷された物品を提供するために、特定の3Dプリンタが使用されてもよい。したがって、また更なる態様において、本発明は、(a)プリンタノズルを含むプリンタヘッドと、(b)3D印刷可能材料をプリンタヘッドに供給するように構成された3D印刷可能材料供給デバイスと、を備える熱溶解積層法3Dプリンタであって、3D印刷可能材料を基材上に供給し、3D物品を層ごとに構築するように構成されている、熱溶解積層法3Dプリンタもまた提供する。3D印刷可能材料供給デバイスは、3D印刷可能材料を含むフィラメントを、プリンタヘッドに供給してもよく、又は、3D印刷可能材料それ自体を供給して、プリンタヘッドが、3D印刷可能材料を含むフィラメントを作り出してもよい。それゆえ、実施形態において、本発明は、(a)プリンタノズルを含むプリンタヘッドと、(b)3D印刷可能材料を含むフィラメントをプリンタヘッドに供給するように構成されたフィラメント供給デバイスと、を備える熱溶解積層法3Dプリンタであって、3D印刷可能材料を基材上に供給し、3D物品を層ごとに構築するように構成されている、熱溶解積層法3Dプリンタを提供する。
【0049】
用語「熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ」の代わりに、簡潔に、用語「3Dプリンタ」、「FDMプリンタ」、又は「プリンタ」が使用されてもよい。プリンタノズルはまた、「ノズル」として、又は場合により「押出機ノズル」として示されてもよい。