特許第6907428号(P6907428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6907428
(24)【登録日】2021年7月5日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】仮設用継電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20210708BHJP
   H02J 4/00 20060101ALI20210708BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210708BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20210708BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20210708BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20210708BHJP
【FI】
   H02J1/00 304A
   H02J4/00
   H02J1/00 304H
   H02J7/00 P
   H02J7/00 302B
   B60L50/60
   B60L53/14
   B60L58/10
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-104475(P2019-104475)
(22)【出願日】2019年6月4日
(65)【公開番号】特開2020-198728(P2020-198728A)
(43)【公開日】2020年12月10日
【審査請求日】2019年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】516217767
【氏名又は名称】有限会社ワタナベエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】特許業務法人エム・アイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大吾
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−129760(JP,A)
【文献】 特開2017−123749(JP,A)
【文献】 特開2012−019639(JP,A)
【文献】 特開2012−147529(JP,A)
【文献】 特開2002−010414(JP,A)
【文献】 特開2018−107879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 58/10
H02J 4/00
H02J 7/00
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物に仮設電力を供給するための仮設用継電装置であって、仮設電線により引き込まれた商用電力、EV用の充電スタンドからの交流電力、またはEVの二次電池からの直流電流、若しくは家屋に配設されたEV充電用プラグから供給される電力を、各階負荷が利用できる形式の電力形式に変換する電力切替装置を備え、電気自動車を充電するための第1のEV用プラグから仮設電力を受け取り、電気自動車を充電するための第2のEV用プラグから他の階層に対して仮設電力を送付し、受領した仮設電力を、前記電力切替装置により各階負荷が利用できる形式の電力形式に変換し、前記各階負荷を駆動する、仮設用継電装置。
【請求項2】
複数の箇所にある前記仮設用継電装置を接続するための延長ケーブルを含む、請求項1に記載の仮設用継電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設用継電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の建設中には、仮設配電盤を設け、仮設配電盤に商用電源からの電力を引き込み、建築物の各階へと作業のために使用する電力を提供している。従来の仮設配電盤は、商用電源からの電力を引き込むため、特定の階層における作業が終了した後、商用電源の接続された仮設配電盤からの電力を別の階に延長し、作業者による他の階層での作業が行われる。
【0003】
各階層での作業は、並行的に行われることもあり、また、現住建造物の作業では、商用電源からの電力供給を継続したまま、電源ケーブルを延長することが要求される場合も多い。このため、このような作業は、電気工事士資格を有する作業者が、十分注意を払い行うことになるが、それでも雨中、暗中、狭隘部での作業を行う場合、感電する可能性が排除できず、熟練者と雖も特に注意を必要とする作業となっている。
【0004】
これまで、仮設電源の設置に関して、検討されており、例えば、特開2002−61420号公報(特許文献1)では、建築現場の狭隘で煩雑なスペースに、上下に分割された仮設電柱を一人の作業者で短時間のうちに、容易に、安全に立設でき、また、使用済みの仮設電柱を容易に撒去回収できる装置を提供する技術が提案されている。
【0005】
特許文献1の技術は知られているものの、仮設配電盤を他の階層に延長する際に安全、かつ効率的に施工する技術が現在でも必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】

【特許文献1】特開2002−61420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、安全かつ効率的に仮設電力を延長できる、仮設用継電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、
建造物に仮設電力を供給するための仮設用継電装置であって、
電気自動車を充電するための第1のEV用プラグから仮設電力を受け取り、電気自動車を充電するための第2のEV用プラグから他の階層に対して仮設電力を送付し、受領した仮設電力を、仮設電線により引き込まれた商用電力、EV用の充電スタンドからの交流電力、またはEVの二次電池からの直流電流、若しくは家屋に配設されたEV充電用プラグから供給される電力を、各階負荷が利用できる形式の電力形式に変換する電力切替装置により、前記各階負荷を駆動する、仮設用継電装置が提供される。
【0009】
前記仮設電力は、仮設電線により引込まれた商用電力、EV充電用電力または電気自動車の二次電池からの直流電力とすることができる。
【0010】
複数の箇所にある前記仮設用継電装置を接続するための延長ケーブルを含むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態によれば、安全かつ効率的に仮設電力を延長することができる、仮設用継電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態の仮設継電装置112が配設された施工現場100の実施形態を示す図。
図2図2は、本実施形態の仮設用継電器112の機能構成を示した図。
図3図3は、本実施形態で使用する延長ケーブル113の実施形態を示す図。
図4図4は、本実施形態の仮設用継電装置112の他の実施形態を示す図。
図5図5は、本実施形態の仮設用継電装置112の他の使用態様502を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施形態により説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の仮設継電装置112が配設された施工現場100の実施形態を示す。施工中の建造物110には、施工のための足場111が仮設されており、足場を介して、作業者が、建造物110の外部を施工し、また、建造物110の内部を施工することが可能とされている。
【0014】
建造物110の外部や内部を施工するためには、少なからず電力を使用する装置が利用されるため、通常では、建造物110から離れた箇所に仮設用電柱120を設け、送電線130から仮設電線121を引き込み、電気メーター122および引込開閉器123および電線124を経由した仮設電力を使用して仮設用継電装置112から、建造物110の内部に電力を供給する。
【0015】
仮設用継電装置112からは、各階層の施工を行うための機器が要求する電圧、相の電力が図示しない電線を介して建造物110内に引き込まれ、各種の作業を可能としている。
【0016】
例えば図1に示した実施形態において、1階での作業を終了した場合や、複数の階層での作業を並列的に行う必要が生じた場合、2階に仮設用配電盤を設置し、電線124を2階の仮設用配電盤112に接続することで2階における施工のための電源を確保する。このような切り替え作業は、他の施工を完全に中止して行う場合を除き商用電源からの電力供給を受けた状態で電線接続を行わなければならない状況となる。また、その他、現住の建造物110を施工する場合、居住用の電力を停止できないため、同様に商用電源からの電力が供された状態での電線延長工事が行われる。
【0017】
従来、作業者が、直接生きた電気の来ている電線を加工し、接続を行う。作業者は、電気工事士の資格を有しているとは言え、生きた電力が供給された電線を施工するのは、十分な注意が必要とされる。また、近年の少子高齢化の影響により施工者が高齢化すること、また外国人労働者の増加が予測されることから、さらに安全性を向上し、効率化することが喫緊の課題である。
【0018】
そこで、本実施形態では、仮設用継電装置112を、電気自動車の充電や電気自動車から電力を引き出すためのEV用プラグを使用して構成する。また、工事用電線の延長は、EV用プラグを両端に接続した延長ケーブルに113を使用して行う。このため、例えば2階での作業が必要となった場合、1の仮設用継電装置112の出力側のEV用プラグに適合するEV用プラグを備えた延長ケーブル113を接続し、延長ケーブル113の他端を、2階に設置された仮設用継電装置112の入力側のEV用プラグに接続する。
【0019】
このため、作業者は、生きた電線を直接施工することなく、EV用プラグを介して工事用電力を延長することができ、また延長ごとに生きた電力の通じた電線を施工することが無くなる。さらに、同時的に3階、4階の施工が必要となった場合にでも、適宜仮設用継電装置112を増設することで、同時並列的に複数階の階層へと、一本の電線124からの電力供給で、EV用プラグの電力制限の上限まで電力を供給することが可能となり、施工効率が改善される。
【0020】
図2は、本実施形態の仮設用継電器112の機能構成を示した図である。図2に示すように仮設用継電装置112は、従来の配電盤と類似の構造を有しているが、電力の入力用のEV用プラグ201と、電力の出力用のEV用プラグ204とが筐体に備えられている。EV用プラグ201は、メスコネクタとして実装され、EV用プラグ204はオスコネクタとして実装することができる。
【0021】
また、EV用プラグ201には、対応するオスのEV用プラグ203が挿入されて電力の供給を行い、EV用プラグ204には、対応するメスのEV用プラグ202が装着されて、電力の出力が行われる。EV用プラグとしては、これまで知られたいかなる形式のものでもよく、例えば日本配線システム工業規格JWDS−0033、国際規格IEC:61851−1 ed.2.0 AnnexAで規定される規格に適合するものを使用することができまた、チャデモ、コンボ方式のいずれに適合する形式のプラグでもよい。
【0022】
EV用プラグ201と、EV用プラグ204との間には、ブレーカー203が配置されていて過電流を保護することができる構成とされている。また、図示した実施形態では、ブレーカー203の下流側から電力切替装置205を介して各階負荷206へと電力が供給されている。電力切替装置205は、供給された電力を各階負荷206が利用できる形式の電圧および相に変換する機能を有する。例えば、引込開閉器から供給されるのが、200V3相交流の場合、100V2相交流に変換する処理を行うことができる。
【0023】
また、引込開閉器203から供給されるのが、例えば、EV用の充電スタンドからの交流電力または仮設電力としてEVの二次電池からの直流電流を使用する場合、または仮設電力として家屋に配設されたEV充電用プラグからの電力を使用する場合、電力切替装置205は、各階負荷206が利用できる形式の電力形式に変換する機能を備えていても良い。例えば、このために使用する電力切替装置205は、特開2018−107879号公報に記載された電力切替装置を使用することができる。
【0024】
また、EV用プラグ204には、特に制限はないが、引込み開閉器や、EV充電スタンド、EVの二次電池からの直流電力をそのまま、他の階層の仮設用継電装置112へと送付する構成とされている。このため、各仮設用継電装置112は、同一の構成とすることができ、特定の実施態様の必要に応じて、個別に設置することができるし、また適宜、仮設用継電装置112を移設して電力供給を行うことができる。
【0025】
図3は、本実施形態で使用する延長ケーブル113の実施形態を示す。図3に示すように、延長ケーブル113は、電線210の両端にEV用コネクタ203と、EV用コネクタ202とが接続されている。延長ケーブル113は、EV充電用の電力システムを使用する場合、充電ポストと、EVとを接続する形式を有する充電ケーブルを使用することができる。また、図1に記載したように商用電源からの電力供給を行う場合には、既存の電線をEV用プラグ203、303に接続し、適切電力供給を行うように構成することができる。
【0026】
図4は、本実施形態の仮設用継電装置112の他の実施形態を示す。図2に示した実施形態では、筐体にE用プラグが設けられていたところ、図4に示す実施形態では、EV用プラグ201、204は、仮設用継電装置112から電線を介してブレーカー203に接続されており、その他の機能は、図2に示した仮設用継電装置112と同一である。図4に示した実施形態では、従来使用されていた配電盤に対して最小の加工で本実施形態の仮設用継電装置112とすることができ、従来資源を有効利用することが可能となる。

【0027】
図5は、本実施形態の仮設用継電装置112の他の使用態様502を示した図である。なお、説明の便宜上、建造物110とEV502の大きさは、変更して示している。鍛造物110には、本実施形態の仮設用継電装置112が配置されていて、仮設用継電装置112には、EVの二次電池から電力が供給されている。EV502からの直流電流は、引出しケーブル501により、電力切替装置503に供給されている。電力切替装置503は、EV502からの電力を、例えば200V3相交流に変換し、仮設用継電装置112に送付する。
【0028】
なお、電力切替装置503としては、上述した特開2018−107879号公報に記載された電力切替装置を使用することができる。図5に示した仮設用継電装置112は、EV用コネクタを介して供給電力を受け取り、仮設用継電装置112が内蔵する電力切替装置205により、各階負荷206の要求に適合した電力に変換し、各階負荷206に供給する。
【0029】
図5の実施形態によれば、建造物110の側に商用電力が無い場合や、商用電力を使用するまで電力需要が大きくない場合等、効率的に建造物110の施工のための電力を供給することが可能となり、施工性も改善することができる。
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、建造物110の施工を安全かつ効率的に行うことができる、仮設用継電装置を提供することができる。
【0031】
以上、本発明を実施形態により説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態が可能であり、また開示した実施形態に対する追加、変更も可能であり、いずれの実施態様であっても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0032】
100…施工現場
110…建造物
111…足場
112…仮設用継電装置
113…延長ケーブル
121…仮設電線
122…電気メーター
123…引込開閉器
201、202、203、204…EV用プラグ
図1
図2
図3
図4
図5