(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
特許文献1はアウトサイドハンドル装置を開示している。このアウトサイドハンドル装置は、サイドドアである車両ドアのアウタパネルの車外側面に設けられたアウトサイドハンドルを備えている。
【0003】
アウタパネルには貫通孔が形成されている。アウタパネルの車内側面には、貫通孔と対向する支持部材が固定されている。
アウトサイドハンドルの一部は、貫通孔を車内方向に貫通し且つ支持部材によって上下方向の回転軸まわりに回転可能に支持されている。アウトサイドハンドルは車両ドアに対して、初期位置と、初期位置よりも車外側に位置する操作位置と、の間を水平方向に回転可能である。さらにアウトサイドハンドルには、車内側に向かって延びる押圧部が設けられている。
【0004】
支持部材には、アウタパネルの車内側に位置するベルクランクが回転可能に支持されている。ベルクランクは、初期位置と操作位置との間を水平な回転軸まわりに回転可能であり、且つ、バネによって初期位置側へ回転付勢されている。
ベルクランクの外周部の一部には、アウトサイドハンドルの押圧部が常に接触する。即ち、ベルクランク及びアウトサイドハンドルは互いに連動する。そのため、アウトサイドハンドルが初期位置に位置するときベルクランクが初期位置に位置し、アウトサイドハンドルが操作位置に位置するときベルクランクが操作位置に位置する。
【0005】
車両ドアは、アウタパネルの車内側面に固定されたインナパネルを備えている。
さらにインナパネルのアウタパネルとの対向面には、共に回転可能且つ互いに係脱するラッチ及びポールを有する周知のロック装置が固定されている。このロック装置は、車両ドアを車体に対して閉状態に保持するラッチ状態と、車両ドアが車体に対して回転するのを許容するアンラッチ状態と、に移行可能である。ロック装置はベルクランクの下方に位置している。
さらにロック装置とベルクランクとは、略上下方向に延びる金属製の連係ロッドを介して互いに連係されている。
【0006】
アウトサイドハンドルが初期位置に位置するときベルクランクが初期位置に位置し、ロック装置はラッチ状態となる。一方、アウトサイドハンドルを操作位置まで回転させると、アウトサイドハンドルの押圧部によって押圧されたベルクランクが操作位置へ回転する。するとベルクランクと連係する連係ロッドが下方に移動してポールを回転させるので、ロック装置がアンラッチ状態となる。
【0007】
さらにこのアウトサイドハンドル装置はドア開放防止機構を備えている。
このドア開放防止機構は、このアウトサイドハンドル装置を搭載した車両の車両ドアに対して別の車両が衝突したときに機能する。
即ち、このような事態が発生すると、衝突によって発生した車幅方向の慣性力によってベルクランクが初期位置から操作位置へ回転しようとする。しかし、この慣性力によるベルクランクの回転をドア開放防止機構が規制する。
従って、このような事態が発生したときに、ロック装置が不意にアンラッチ状態になるおそれは小さい。
【発明の概要】
【0009】
(発明が解決しようとする課題)
図9の(a)は、アウトサイドハンドル装置を搭載した車両の車両ドアに対して別の車両が衝突する前の時点における車両ドアの一部の構成部材を省略して示す模式的な断面図である。このときのアウトサイドハンドル装置とロック装置との上下方向距離はLud0である。
一方、
図9の(b)は、アウトサイドハンドル装置を搭載した車両ドアに対して別の車両が衝突したときの(a)と同様の断面図である。このときのアウトサイドハンドル装置とロック装置との上下方向距離はLud0より短いLud1である。即ち、(b)では、アウタパネル及びインパネルが衝突により凹んだことに起因して、衝突前と比べてアウトサイドハンドル装置とロック装置とが互いに接近している。
【0010】
このような事態が発生した場合に、ロック装置から連係ロッドに上向きの力が掛かり、さらにこの力が連係ロッドからベルクランクに掛かることがある。
しかし、アウトサイドハンドルが初期位置に位置するとき、アウトサイドハンドルは初期位置から操作位置と反対側への回転が規制される。
そのため、アウトサイドハンドルが初期位置に位置するときにこのような力が連係ロッドからベルクランクに掛かると、ベルクランクから連係ロッドに反力が及び且つこの反力によって連係ロッドが下方に移動することがある。連係ロッドが下方に移動すると、連係ロッドがロック装置をラッチ状態からアンラッチ状態に移行させる。即ち、ロック装置がラッチ状態からアンラッチ状態に不意に移行してしまう。
【0011】
しかし特許文献1のドア開放防止機構は、ロック装置から連係ロッドに上向きの力が掛かったときに、ロック装置がラッチ状態からアンラッチ状態に不意に移行するのを阻止できない。
【0012】
本発明は、例えば車両ドアの変形に起因してハンドルの下方に位置するロック装置からロック装置とハンドルとを連係する連係部材に力が掛かったときに、ロック装置が不意にアンラッチ状態に移行するおそれを小さくできる車両用ドアハンドル装置を提供することを目的とする。
【0013】
(課題を解決するための手段)
本発明は、
車両ドアに対して相対回転可能なハンドルと、
前記ハンドルの回転に連動して、前記車両ドアに対して第1初期位置と第1操作位置との間を相対回転可能な第1ベルクランクと、
前記車両ドアに対して前記第1ベルクランクと同軸まわりに第2初期位置と第2操作位置との間を相対回転可能な第2ベルクランクと、
前記第2ベルクランクの下方に位置するように前記車両ドアに固定されたロック装置と前記第2ベルクランクとを接続し、前記第2ベルクランクが前記第2初期位置に位置するときに前記ロック装置をラッチ状態にし且つ前記第2ベルクランクが前記第2操作位置に位置するときに前記ロック装置をアンラッチ状態にする連係部材と、
前記第1ベルクランクと前記第2ベルクランクとの間に設けられた仮保持手段と、
を備え、
前記仮保持手段が、
前記第2ベルクランクを前記第2操作位置と反対側に回転させる所定値を超える大きさの力である非常時回転力が前記連係部材から前記第2ベルクランクに掛からない場合は、前記第1ベルクランクが前記第1初期位置に位置するときに前記第2ベルクランクを前記第2初期位置に位置させ且つ前記第1ベルクランクが前記第1操作位置に位置するときに前記第2ベルクランクを前記第2操作位置に位置させ、
前記非常時回転力が前記連係部材から前記第2ベルクランクに掛かったときは、前記第2ベルクランクが前記第1ベルクランクに対して前記第2操作位置と反対側に相対回転するのを許容する。
【0014】
例えば、本発明の車両用ドアハンドル装置を搭載した車両の車両ドアに別の車両が衝突すると車両ドア(例えば、ドアパネル)が凹むことがある。すると、ハンドルとロック装置との間の上下方向距離が衝突前と比べて短くなることがある。そして、ハンドルとロック装置との間の上下方向距離が短くなると、ロック装置から連係部材に上向きの力が掛かることがある。
しかし本発明では、第2ベルクランクを第2操作位置と反対側に回転させる所定値を超える大きさの力である非常時回転力が連係部材から第2ベルクランクに掛かったとき、第2ベルクランクが第1ベルクランクに対して第2操作位置と反対側に相対回転する。即ち、ロック装置から連係部材に掛かった上向きの力が、第2ベルクランクが第1ベルクランクに対して相対回転することにより吸収される。
そのため、このような事態が発生した場合に、ロック装置がラッチ状態からアンラッチ状態に不意に移行するおそれは小さい。
【0015】
前記仮保持手段が、
前記所定値の大きさの付勢力により、前記第1ベルクランクを前記車両ドアに対して前記第1初期位置側に相対回転させ且つ前記第2ベルクランクを前記車両ドアに対して前記第2操作位置側に相対回転させるトーションバネと、
前記第1ベルクランクが前記第2ベルクランクに対して前記第1初期位置側に相対回転するのを規制するストッパ機構と、
を備えてもよい。
【0016】
本発明をこのように構成すると、仮保持手段の構造が簡単になる。
【0017】
前記ストッパ機構が、
前記第1ベルクランクに形成された当接部と、
前記第2ベルクランクに形成された、前記第1ベルクランクが前記ハンドルの回転に連動して回転するときは前記当接部との接触状態を維持し且つ前記第2ベルクランクが前記連係部材から前記非常時回転力を受けたときは前記当接部から離間するストッパと、
を備えてもよい。
【0018】
本発明をこのように構成すると、ストッパ機構の構造が簡単になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示す車両ドア10の前端部は、車体(図示略)に対して上下方向の回転軸まわりに回転可能として支持されている。この車両ドア10は、回転軸まわりに回転することにより車体の側面に形成された開口部を開閉する。即ち、車両ドア10は後部のサイドドアである。
車両ドア10の下半部を構成するドア本体11の車外側面は金属板からなるアウタパネル12(ドアパネル)により構成されている。アウタパネル12の車内側面の周縁部には金属板からなるインナパネル(ドアパネル)(図示略)の周縁部が固定されている。アウタパネル12とインナパネルとの間には空間が形成されている。車両ドア10の上半部の後部はドアサッシュ10aにより構成されている。
【0021】
車両ドア10のアウタパネル12とインナパネルとの間の空間には、その一部が車両ドア10の後端面において露出するロック装置13が設けられている(
図1の破線参照)。ロック装置13はインナパネルに固定されている。このロック装置13は、ラッチ及びポール等を備える周知のロック装置である。ロック装置13は、車両ドア10の車内側面を構成し且つインナパネルに固定されたトリム(図示略)の上端面に上下方向にスライド自在に設けられたロックノブ14と連係している。さらにロック装置13は、後述する連係ロッド65を介してドアハンドル装置20と連係している。
【0022】
続いてドアハンドル装置20の詳しい構造について説明する。
ドアハンドル装置20は主要な構成要素としてアウトサイドハンドル21、支持部材30、及びベルクランク40を具備している。
【0023】
各図に示されたアウトサイドハンドル21は上下方向に延びる長尺状部材である。
図2及び
図3等に示すように、アウトサイドハンドル21は、平面視略U字形をなす本体部22と、本体部22から車内側に向かって延びる押圧アーム23と、を一体的に備えている。
【0024】
図3に示すようにドアサッシュ10aには貫通孔10a1が形成されている。
さらにドアサッシュ10aの車外側面には、貫通孔10a1と車幅方向に対向する支持部材30が固定されている。即ち、
図1に示すように、支持部材30はロック装置13の上方に位置している。
支持部材30は樹脂製の一体成形品である。
支持部材30は、ベース部31、第2回転軸32、及び浮き上がり抑え部材33を備えている。
【0025】
ベース部31はドアサッシュ10aに固定される。
ベース部31の一部には、車内側に向かって膨らんだ膨出部31aが形成されている。
図2及び
図6に示すように膨出部31aの車外側にはハンドル用凹部31bが形成されている。
膨出部31aの直下に位置する第2回転軸32は、ベース部31の車内側面から車内側に向かって延びる略円柱状の部位である。
【0026】
さらにベース部31の膨出部31aの車内側面には浮き上がり抑え部材33が車内側に向けて突設されている。浮き上がり抑え部材33は、膨出部31aの車内側面に固定され且つ膨出部31aの車内側面から車内側に延びる前後一対の固定端部33aと、前後両端部が前後の固定端部33aにそれぞれ固定された対向部33bと、を有している。
膨出部31aには、
図2及び
図3等に示すように、膨出部31aをその厚み方向に貫通するアーム用貫通孔35が形成されている。
図3に示すように、アーム用貫通孔35の後面はストッパ面36を構成している。
【0027】
アウトサイドハンドル21は、ベース部31のハンドル用凹部31bに収納されている。そしてアウトサイドハンドル21は、上下一対且つ上下方向に延びる第1回転軸27(
図2及び
図3参照)を介してベース部31に回転可能に支持されている。
そのためアウトサイドハンドル21は、第1回転軸27を中心にしてベース部31(ドアサッシュ10a)に対して相対回転可能である。具体的には、アウトサイドハンドル21は、
図1、
図4、
図5、及び
図6に示す初期位置と、
図7に示す操作位置と、の間を水平方向に回転可能である。さらに、アウトサイドハンドル21の初期位置から操作位置と反対側への回転は規制されている。
さらに
図4、
図5、
図7、及び
図8に示すように、押圧アーム23の先端部がベース部31のアーム用貫通孔35(及びドアサッシュ10aの貫通孔10a1。これらの図面では図示略)を車外側から車内側に貫通している。
【0028】
図2乃至
図8に示すように、ベース部31にはベルクランク40が取り付けられている。
ベルクランク40は、互いに別部材である第1ベルクランク41、第2ベルクランク48、及び第1捩じりコイルバネ55を備えている。
【0029】
第1ベルクランク41は樹脂製の一体成形品(例えば、ナイロン製)である。
第1ベルクランク41は、円筒部42、回転中心孔43、被押圧部44、円弧状突片45、及び当接部46を備えている。
車幅方向に延びる軸線を中心とする円筒部42の両端は開口している。そして円筒部42の内周側空間が回転中心孔43を構成している。さらに円筒部42の車内側端部には周方向に離間した2つの抜止片42aが突設されている。
円筒部42の外周面の一部から円筒部42の径方向外側に延びる被押圧部44は側面視で略三角形をなす。
図2に示すように、第1ベルクランク41の下部には、円筒部42の軸線を中心とする断面略円弧形状の円弧状突片45が設けられている。
さらに円弧状突片45の前端部には当接部46(仮保持手段)(ストッパ機構)が形成されている。
【0030】
第2ベルクランク48は樹脂製の一体成形品(例えば、ナイロン製)である。
第2ベルクランク48は回転中心孔49、円弧状突片50、ストッパ51、及び連係接続部52を備えている。
回転中心孔49の軸線は車幅方向に延びている。回転中心孔49の断面形状は、円筒部42の外径より僅かに大径の円形である。さらに回転中心孔49の内周面には2つの凹部49aが凹設されている。2つの凹部49aの周方向間隔は、上述した2つの抜止片42aの周方向間隔と同一である。
図2及び
図3に示すように、第2ベルクランク48の下部には、回転中心孔49の軸線を中心とする断面略円弧形状の円弧状突片50が設けられている。円弧状突片50の内径は円弧状突片45の外径よりも僅かに大きい。
さらに円弧状突片50の前端部の上面にはストッパ51(仮保持手段)(ストッパ機構)が形成されている。
さらに円弧状突片50の後端部には連係接続部52が形成されている。
【0031】
第1ベルクランク41と第2ベルクランク48は、
図2、
図3、及び
図6に示す第1捩じりコイルバネ55(トーションバネ)(仮保持手段)を介して互いに接続される。
第1ベルクランク41と第2ベルクランク48とを接続する場合は、まず第1ベルクランク41の円筒部42に第1捩じりコイルバネ55のコイル状部56を装着する。
さらに、回転中心孔43と回転中心孔49とが同軸をなすように第1ベルクランク41の車内側に第2ベルクランク48を位置させ且つ各抜止片42aと各凹部49aとの周方向位置をそれぞれ一致させた上で、第1ベルクランク41を第2ベルクランク48に対して車内側へ直線的に相対移動させる。すると、第1ベルクランク41の各抜止片42aが第2ベルクランク48の各凹部49aを車内側へ貫通する。そして、各抜止片42aが各凹部49aを貫通した後に第1ベルクランク41を第2ベルクランク48に対して相対回転させて、各抜止片42aと各凹部49aとの回転位相を互いにずらす。すると、各抜止片42aによって第2ベルクランク48の円筒部42に対する車内側への脱落が規制される。さらに第1ベルクランク41の各抜止片42aが第2ベルクランク48の各凹部49aより車内側に位置すると、第2ベルクランク48の円弧状突片50が第1ベルクランク41の円弧状突片45の外周側に位置する。さらに円弧状突片50のストッパ51と円弧状突片45の当接部46とが互いに対向する。より詳細には、ストッパ51が当接部46に対して外周側から対向する。
そして、このようにして第1ベルクランク41と第2ベルクランク48とを相対回転可能に接続したら、コイル状部56を弾性変形させた状態で、第1捩じりコイルバネ55の一端部に設けられた係止片57を第1ベルクランク41に係止し且つ第1捩じりコイルバネ55の他端部に設けられた係止片58を第2ベルクランク48に係止する。すると第1捩じりコイルバネ55が、車内側から見たときに第1ベルクランク41を第2ベルクランク48に対して反時計方向に相対回転させ且つ第2ベルクランク48を第1ベルクランク41に対して時計方向に相対回転させる付勢力を発生する。そのため、第1ベルクランク41と第2ベルクランク48との間に第1捩じりコイルバネ55の付勢力以外の力が掛からないとき、第1捩じりコイルバネ55の付勢力によって、第2ベルクランク48のストッパ51が第1ベルクランク41の当接部46に対して接触する。
【0032】
このようにして一体化されたベルクランク40は、
図2及び
図3に示す第2捩じりコイルバネ60を介して支持部材30の第2回転軸32に装着される。
ベルクランク40を第2回転軸32に装着する場合は、まず第2回転軸32に第2捩じりコイルバネ60のコイル状部61を装着する。
さらに、第2回転軸32と同軸をなすように第2回転軸32の車内側に位置させたベルクランク40を車外側に移動させて第1ベルクランク41の回転中心孔43に第2回転軸32を挿入する。
さらに、コイル状部61を弾性変形させた状態で、第2捩じりコイルバネ60の一端部である係止片62をベース部31に係止させ且つ第2捩じりコイルバネ60の他端部である係止片63を第1ベルクランク41に係止させる。
【0033】
次いで、ベルクランク40の第1ベルクランク41の被押圧部44の先端部及び浮き上がり抑え部材33の少なくとも一方を弾性変形させながら、対向部33bの車内側に位置していた被押圧部44の先端部を対向部33bとベース部31との間且つ前後の固定端部33aの間に移動させる。
【0034】
このような手順によってベース部31に装着されたベルクランク40の第1ベルクランク41は支持部材30の第2回転軸32に対して回転可能である。具体的には、被押圧部44の先端部が前方の固定端部33aに当接する第1初期位置(
図4及び
図5の位置)と、車内側から見たときに第1初期位置から時計方向に回転した第1操作位置(
図7の位置)と、の間を回転可能である。
さらに第2捩じりコイルバネ60は、車内側から見たときに第1ベルクランク41を反時計方向に回転付勢する付勢力を発生する。従って、第1ベルクランク41に対して第1捩じりコイルバネ55及び第2捩じりコイルバネ60以外の外力を及ぼさないとき、第1ベルクランク41は第2捩じりコイルバネ60の付勢力によって第1初期位置に位置する。
【0035】
さらに、
図4、
図5、
図7、及び
図8に示すように、アウトサイドハンドル21の押圧アーム23は第1ベルクランク41の被押圧部44に対して前方から接触している。即ち、第2捩じりコイルバネ60によって、押圧アーム23と被押圧部44との接触状態が常に維持される。従って、アウトサイドハンドル21及び第1ベルクランク41の回転動作は互いに連動する。
例えば、アウトサイドハンドル21が初期位置に位置するとき第1ベルクランク41が第1初期位置に位置する。一方、第2捩じりコイルバネ60の付勢力に抗してアウトサイドハンドル21を初期位置から操作位置側へ回転させると、押圧アーム23がアーム用貫通孔35内を後方へ移動する。そして、押圧アーム23がアーム用貫通孔35のストッパ面36に当接したときにアウトサイドハンドル21が操作位置に到達する。すると押圧アーム23によって被押圧部44が後方に押圧された第1ベルクランク41が第1操作位置に到達する。
【0036】
さらに上述のように、第1ベルクランク41と第2ベルクランク48との間に第1捩じりコイルバネ55の付勢力以外の力が掛からないとき、第1捩じりコイルバネ55の付勢力によって、第2ベルクランク48のストッパ51が第1ベルクランク41の当接部46に対して接触する。即ち、ストッパ51と当接部46とが互いに係合する。
そのため、第1ベルクランク41の当接部46、第2ベルクランク48のストッパ51、及び第1捩じりコイルバネ55の働きにより、第1ベルクランク41が第1初期位置に位置するとき、第2ベルクランク48は第2初期位置(
図4及び
図5の位置)に位置する。
さらに、アウトサイドハンドル21の初期位置から操作位置への回転に伴って第1ベルクランク41が第1初期位置から第1操作位置へ回転すると、第1ベルクランク41の当接部46、第2ベルクランク48のストッパ51、及び第1捩じりコイルバネ55の働きによって、第2ベルクランク48が第2初期位置から第2操作位置(
図7の位置)へ回転する。
さらに、アウトサイドハンドル21の操作位置から初期位置への回転に伴って第1ベルクランク41が第1操作位置から第1初期位置からへ回転すると、第1ベルクランク41の当接部46、第2ベルクランク48のストッパ51、及び第1捩じりコイルバネ55の働きによって、第2ベルクランク48が第2操作位置から第2初期位置へ回転する。
【0037】
さらに
図5、
図7、及び
図8に仮想線で示すように、第2ベルクランク48の連係接続部52には、金属製の硬質部材である連係ロッド65(連係部材)の一端(上端)が回転可能に接続されている。一方、連係ロッド65の他端(下端)は、ドアハンドル装置20(支持部材30)より下方に位置するロック装置13のオープンレバー(図示略)に接続されている。このオープンレバーは、前後方向に延びる回転軸を中心に回転可能である。従って、このオープンレバーは、ベルクランク40及びアウトサイドハンドル21の動きと連動する。具体的には、アウトサイドハンドル21が初期位置に位置し且つベルクランク40の第2ベルクランク48が第2初期位置に位置するとき、オープンレバーは初期位置に位置する。一方、アウトサイドハンドル21が操作位置に位置し且つ第2ベルクランク48が第2操作位置に位置するとき、オープンレバーは操作位置に位置する。
【0038】
周知のように、車両ドア10が車体の開口部を閉じている状態でアウトサイドハンドル21が初期位置に位置し且つオープンレバーが初期位置に位置するとき、ロック装置13はラッチ状態を維持する。また、ロックノブ14がロック位置(図示略)に位置するときは、アウトサイドハンドル21を初期位置から操作位置まで回転させてオープンレバーを操作位置に移動させても、ロック装置13はラッチ状態を維持する。
一方、ロックノブ14がアンロック位置(
図1の位置)に位置する場合は、アウトサイドハンドル21を操作位置へ移動させることによりオープンレバーを操作位置に移動させると、ロック装置13はラッチがストライカを解放するアンラッチ状態となる。従って、車両ドア10は車体に対して開方向に回転可能になる。
【0039】
ところで、上述のように、車両ドア10に対して車両ドア10を搭載した車両とは別の車両が衝突すると、衝突前と比べてロック装置13とドアハンドル装置20との上下方向距離が短くなることがある。そして、このような事態が発生すると、ロック装置13から連係ロッド65に上向きの力が掛かり、さらにこの力が連係ロッド65から第2ベルクランク48に掛かることがある。このときに連係ロッド65から第2ベルクランク48に掛かる力は、第2ベルクランク48を第2操作位置と反対側に回転させる方向の力である。
例えば、アウトサイドハンドル21が初期位置に位置し、第1ベルクランク41が第1初期位置に位置し、且つ第2ベルクランク48が第2初期位置に位置するときにこのような事態が発生することがある。さらに、このときの連係ロッド65から第2ベルクランク48に掛かる力の大きさが第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力(所定値)を超える場合がある。以下、連係ロッド65から第2ベルクランク48に掛かる第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力を超える大きさの力を非常時回転力と呼ぶ。
【0040】
しかし連係ロッド65から第2ベルクランク48に非常時回転力が掛かると、
図8に示すように、第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力に抗して、第2ベルクランク48が第1ベルクランク41に対して第2初期位置から反時計方向に相対回転する。即ち、第2ベルクランク48のストッパ51が第1ベルクランク41の当接部46から反時計方向に離間する。
すると、連係ロッド65から第2ベルクランク48に及んだ非常時回転力が、第2ベルクランク48が第1ベルクランク41に対して相対回転することにより吸収される。そのため、第2ベルクランク48から連係ロッド65に反力が及び且つこの反力によって連係ロッド65が下方に移動することがない。
従って、このような事態が発生した場合に、ロック装置13がラッチ状態からアンラッチ状態に不意に移行するおそれは小さい。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。
例えば、図示は省略してあるが、第1ベルクランク41と第2ベルクランク48との対向面の一方に円筒部42(回転中心孔49)の中心軸を中心とする円弧溝を形成し、且つ、第1ベルクランク41と第2ベルクランク48との対向面の他方に、この円弧溝に対して相対移動可能に嵌合するピンを設けてもよい。そして、第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力によって第2ベルクランク48を第1ベルクランク41に対して一方の方向に回転付勢して、この回転付勢力によってピンを円弧溝の一方の端面に当接させてもよい。この変形例では、円弧溝及びピンがストッパ機構の構成要素となる。
例えば、第1ベルクランク41にピンを設け且つ第2ベルクランク48に円弧溝を設けた場合は、第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力によって、車内側から見たときにピンが円弧溝の反時計方向の端面に当接する。そのため、第1ベルクランク41が第1初期位置に位置するときに第2ベルクランク48が第2初期位置に位置し、且つ、第1ベルクランク41が第1操作位置に位置するときに第2ベルクランク48が第2操作位置に位置する。
さらに衝突に起因して連係ロッド65から第2ベルクランク48に非常時回転力が掛かった場合は、第1捩じりコイルバネ55の回転付勢力に抗して、車内側から見たときにピンが円弧溝の内部を時計方向側に相対回転する。換言すると、車内側から見たときに第2ベルクランク48が第1ベルクランク41に対して第2初期位置から反時計方向に相対回転する。
【0042】
車両ドア10はサイドドアでなくてもよい。例えば、車両ドア10はバックドアであってもよい。
またスライド式の車両ドアに本発明を適用してもよい。
【0043】
ドアハンドル装置20をアウタパネル12に設けてもよい。
【0044】
本発明を車両ドア10のトリムに回転可能に支持されるインサイドハンドルに適用してもよい。即ち、インサイドハンドルに押圧アーム23を設けてもよい。
【0045】
本発明をアウトサイドハンドル21及び/又はインサイドハンドルに適用する場合も、その第1回転軸の延長方向は上下方向である必要はない。例えば第1回転軸の延長方向が水平方向であってもよい。但し、この場合も、支持部材30の第2回転軸32の軸線方向を、この第1回転軸に対して直交させる。
【0046】
ベルクランク40を樹脂以外の材料によって構成してもよい。例えば、ベルクランク40を金属製としてもよい。