(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記媒体束の前記厚さが前記第1閾値より大きい第2閾値を上回る場合には前記シフト位置の前記候補数を2ないし4のうちから選択可能とし、前記厚さが前記第2閾値以下であって前記第1閾値を上回る場合には前記候補数を2または3のうちから選択可能とし、前記厚さが前記第1閾値以下である場合には前記候補数を2とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の媒体処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照しながら説明する。以下の説明では、便宜上、各図において、シートS等の排出方向をY方向と表現し、シートS等の積載方向をZ方向と表現し、排出方向および積載方向に直交するシートS等のシフト方向をX方向と表現する。
【0016】
1.複合機
図1を参照して、まず、本発明の一実施形態に係る複合機1について説明する。
図1は、複合機1および媒体処理装置2を含む画像形成装置100を概略的に示す断面図である。
図1の前後(手前−奥)方向がX方向に相当し、
図1の左右方向がY方向に相当し、
図1の上下方向がZ方向に相当する。
【0017】
図1に示すように、画像形成装置100は、シートSに画像を形成する複合機1と、画像が形成されたシートSに対する後処理(例えば、パンチ処理、ステープル処理、仕分け処理等)を実行する媒体処理装置2とを備える。
【0018】
複合機1は、略箱型形状の筐体3を備える。筐体3の下部に、コピー用紙等のシートSを収納する給紙カセット4が設けられる。シートSは、コピー用紙等の紙製の記録材に限定されず、任意の記録材、例えばフィルムやOHPシート等の樹脂製の記録材等をも広く含む概念である。
【0019】
筐体3の上部に、胴内排紙空間が設けられる。この胴内排紙空間には、複合機1と媒体処理装置2との間のシートSの搬送経路を構成する中継ユニット5が設けられる。筐体3の上方に、原稿を画像データとして読み取る画像読取装置6が設けられる。
【0020】
筐体3の中央部に、中間転写ベルト7が複数のローラーに架設される。中間転写ベルト7の下方に、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)等にて構成される露光部8が設けられる。中間転写ベルト7の下部に沿って、トナーの色(例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色)にそれぞれ対応した画像形成部9が設けられる。
【0021】
各画像形成部9は、回転可能に設けられる感光体ドラムと、感光体ドラムの周囲に一次転写のプロセス順に配置される帯電部、現像部、一次転写部、クリーニング部、および除電部と、を備える。各現像部の上方に、対応する色のトナーを収容するトナーコンテナ10が設けられる。
【0022】
筐体3の片側(
図1における右側)にシートSの搬送経路11が設けられる。搬送経路11の上流端に給紙カセット4が設けられ、搬送経路11の中流部に中間転写ベルト7の一部を含む二次転写部12が設けられ、搬送経路11の下流部に定着部13が設けられ、搬送経路11の下流端に複合機排紙口14が設けられる。
【0023】
複合機1は、第1制御部40とタッチパネル50とを備える。第1制御部40は、画像形成装置100(複合機1および媒体処理装置2)の各部を制御し画像形成および後処理を実行させる。タッチパネル50は、ユーザーに対して画像形成に関する情報等を提示すると共に、ユーザーから受け付けた操作に対応する信号を生成し、第1制御部40および第2制御部60のいずれか一方または双方に供給する。
【0024】
2.中継ユニット
次いで、中継ユニット5について説明する。
図1に示すように、中継ユニット5は、中継給紙口15と、複数の中継供給ローラー16と、中継排紙口17とを備える。中継給紙口15および中継排紙口17は、中継ユニット5の両端が開口して形成される。
【0025】
中継給紙口15は、中継ユニット5が複合機1に取り付けられる際に筐体3の複合機排紙口14に対向する位置に設けられる。複数の中継供給ローラー16は、中継給紙口15から中継排紙口17へのシートSの中継経路18を構成する。中継排紙口17は、中継ユニット5が複合機1に取り付けられる際に筐体3の媒体処理装置2側の面に位置する。
【0026】
3.画像形成処理
複合機1は、以下のように画像形成を実行する。画像読取装置6やネットワーク経由で接続された外部のパーソナルコンピューター等から複合機1に画像データが入力されると(すなわち、印刷開始が指示されると)、まず、帯電部によって帯電された感光体ドラムの表面に対し、露光部8によって画像データに応じた露光が行われる。以上の露光によって感光体ドラム上に形成された静電潜像は、現像部によってトナー像に現像される。以上のトナー像は、一次転写部において中間転写ベルト7上に一次転写される。以上の動作を各画像形成部9が繰り返すことによって、中間転写ベルト7上にフルカラーのトナー像が形成される。なお、各感光体ドラム上の残留トナーおよび電荷は、クリーニング装置および除電器によって除去される。
【0027】
他方、給紙カセット4から取り出されたシートSは、上述した画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部12へと搬送される。中間転写ベルト7上のフルカラーのトナー像はシートSに二次転写され、トナー像が形成されたシートSは搬送経路11を通って定着部13に搬送される。定着部13によってトナー像の定着が行われたシートSは、複合機排紙口14から排出され、中継ユニット5を経由して媒体処理装置2へと導かれる。
【0028】
4.媒体処理装置
図1および
図2を参照して、媒体処理装置2について説明する。
図1の左側に媒体処理装置2が示される。
図2は、複合機1に取り付けられる媒体処理装置2を示す一部切欠き斜視図である。媒体処理装置2は、略箱型形状の筐体20を備える。筐体20の下方に脚部21が設けられる。換言すると、媒体処理装置2の筐体20は脚部21に支持される。
【0029】
筐体20は、後処理給紙口22と後処理排紙口23(排出部)とを備える。後処理給紙口22は筐体20の複合機1側(
図1の右方向)に開口し、後処理排紙口23は後処理給紙口22の反対側(
図1の左方向)に開口する。後処理排紙口23(排出部)は、シートSを所定のY方向(排出方向)へ排出する箇所である。
【0030】
筐体20の内部には、後処理給紙口22から後処理排紙口23へ向かうシートSの搬送経路に沿って、シートSにパンチ穴を穿孔するパンチ部24と、シートSを所定枚数毎に綴じるステープル部25と、シートSのX方向(幅方向、すなわちシフト方向)の位置を調整するシフト部26とが設けられる。なお、筐体20は、以上の機構に加えて、他の機能(折り処理等)を担う機構を更に備えてもよい。
【0031】
筐体20の内部には、シートSの搬送経路に沿って、搬送ローラー27、処理トレイ28、および排紙ローラー29が設けられる。搬送ローラー27および排紙ローラー29がシートSを搬送する。処理トレイ28の上方に、整合部材30が設けられる。整合部材30は、例えば、シフト処理等を実行する場合に、搬送ローラー27が搬送するシートSに接触して、シートSの後端を処理トレイ28上のステープル部25側に移動させることによって整合させる要素である。
【0032】
搬送ローラー27は、シートSの搬送経路において、パンチ部24よりも下流側かつシフト部26よりも上流側に配置される。搬送ローラー27は、後処理給紙口22からそのまま(すなわち、パンチ部24で処理されず)搬送されてくるシートSや、パンチ部24にて処理されたシートSを、下流側へと搬送する。
【0033】
処理トレイ28は、シートSの搬送経路において搬送ローラー27よりも下流側に配置される。処理トレイ28は、ステープル部25やシフト部26等にて処理されるシートSを一時的に載置する(スタックする)。処理トレイ28の第1端部(下流側端部)は後処理排紙口23側に配置され、処理トレイ28の第2端部(上流側端部)はステープル部25側に配置される。シートSの後端が処理トレイ28の第2端部に当てられることによって、シートSの後端が揃えられる。
【0034】
排紙ローラー29は処理トレイ28の第1端部側に配置される。排紙ローラー29は、処理トレイ28に載置されたシートSを1枚ごとまたは1束(すなわち、複数枚)ごとに排出する。排紙ローラー29は、例えば、処理トレイ28に載置されたシートSの束(媒体束)を上方および下方から挟み込む一組のローラー対によって構成される。
【0035】
排紙ローラー29が回転することによって、シートSの束が処理トレイ28から排出トレイ31へと排出される。一組の排紙ローラー29は、一方の排紙ローラー29を他方の排紙ローラー29に対して離間または圧接するように移動可能に構成される。すなわち、排紙ローラー29は、シートSを処理トレイ28に載置する際には離間し、処理トレイ28に載置されたシートSを排出する際には、枚数に応じた適切なニップ圧でシートSの束を挟み込むように圧接する。
【0036】
排出トレイ31は、筐体20の左側面から外側に突出して設けられる。排出トレイ31には、後処理排紙口23(排出部)から排出されたシートSが積載される。
【0037】
図3に示すように、本実施形態のシフト部26は、シートSをシフト方向(X方向)において規制する一対の規制ガイドである。シフト部26は、モーターやギア等の揺動機構26aによってシフト方向(X方向)に揺動される。
【0038】
揺動機構26aによってシフト部26が移動することによって、処理トレイ28上におけるシートSのシフト方向の載置位置が変化する。その結果、シートSの排出トレイ31への排出位置が変化することとなり、シートSが積載される排出トレイ31上の位置であるシフト位置も変化する。例えば、
図3に示すように、排出トレイ31上の載置位置P1−Aに載置されたシートSは後処理排紙口23から排出されて排出トレイ31上のシフト位置P2−Aに積載される一方、載置位置P1−Bに載置されたシートSは排出されてシフト位置P2−Bに積載される。以上の説明から理解される通り、
図3の例におけるシフト位置P2の数は2である。
【0039】
すなわち、シフト部26は、処理トレイ28上のシートSの載置位置(ひいては、排出トレイ31に対するシートSの排出位置)を、排出方向(Y方向)に直交するシフト方向(X方向)において変化させることにより、シートSが積載される排出トレイ31上のシフト位置を変化させる。なお、上記した載置位置、排出位置およびシフト位置の変化は、1枚のシートSごとに実行することも、複数枚のシートSを含むシート束ごとに実行することも可能である。
【0040】
また、媒体処理装置2は第2制御部60を備える。第2制御部60は、複合機1の第1制御部40と協働して媒体処理装置2の各部を制御し、後処理を実行させる。
【0041】
5.制御部
図4を参照して、複合機1の第1制御部40および媒体処理装置2の第2制御部60について説明する。第1制御部40は、マイクロコンピューターによって構成される制御装置であって、演算処理部41と記憶部42とを有する。演算処理部41はCPU(Central Processing Unit)としてのマイクロプロセッサーを備え、記憶部42はROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。ROMは読取り可能な記憶媒体であり、画像形成装置100(複合機1および媒体処理装置2)の制御に用いられるプログラムを格納する。RAMは読み書き可能な記憶媒体であり、主記憶装置として機能し、書き込まれた情報を記憶する。なお、記憶部42はフラッシュメモリー等の補助記憶装置をさらに備えてもよい。また、第2制御部60も、第1制御部40と同様に構成される制御装置であって、演算処理部61と記憶部62とを有する。
【0042】
第1制御部40の演算処理部41は、ROMに格納されたプログラムに従い、RAMに記憶された情報を参照して所定の処理を実行する。演算処理部41は、プログラムに従った処理によって実現される種々の機能ブロックを論理的に構成する。また、演算処理部41は、処理等によって得られた種々の情報を記憶部42に対して書き込む。第2制御部60の演算処理部61および記憶部62についても同様に機能する。また、第1制御部40と第2制御部60とは協働して種々の制御処理を実行可能である。
【0043】
第1制御部40は、複合機1の各部(画像形成部9やタッチパネル50等)、中継ユニット5、および媒体処理装置2の第2制御部60と電気的に接続されている。第2制御部60は、第1制御部40に加えて、媒体処理装置2の各部(シフト部26や排紙ローラー29等)と電気的に接続されている。
【0044】
第2制御部60は、第1制御部40との協働の下、複数のシートSを含むシート束Bごとに排出トレイ31上のシフト位置P2を変化させるように、シフト部26を制御することが可能である。
【0045】
6.シフト位置の制御
上記した通り、本実施形態の画像形成装置100(媒体処理装置2)は、幅方向(X方向)において相異なる複数のシフト位置P2に対してシートSを排出することが可能である。幅方向におけるシフト位置P2の端部間の間隔(シフト間隔)は、ユーザーにとってのシートS(シート束B)の取り分け易さに基づいて設定されると好適である。
【0046】
シート束B間のシフト間隔が30mm以上であれば取り分け易いと判断できる場合を考える。媒体処理装置2の後処理排紙口23は、所定の幅を有する。後処理排紙口23の幅が240mmであるA4機の場合、A4サイズのシートSは幅が210mmであるので、シフト間隔が30mmである2つのシフト位置P2を設ける仕様(シフト位置P2の候補数が「2」である構成)が採用される。
【0047】
しかしながら、ユーザーの用途によっては、3つ以上のシフト位置P2が必要である場合がある。ところが、単純にシフト間隔を縮めると、ユーザーにとってシート束Bの取り分けが困難となり、ユーザーの利便性が悪化する結果となる。
【0048】
排出トレイ31上のシートSが積載される位置であるシフト位置P2について、ユーザーの利便性の面からさらに検討する。複数のシートSが束ごとに仕分けされて排出トレイ31上に排出され積載されている場合、ユーザーは、シートSをシート束B(媒体束)ごとに取り分ける。シート束Bの取り分け易さは、例えば、シート束Bの厚さに依存する。
【0049】
図5ないし
図7を参照して、シート束Bの厚さとシート束Bの取り分け易さとの関係について考察する。
図5ないし
図7においては、2つのシフト位置P2にそれぞれシート束Bが積載されている。
図5では、シート束Bの厚さが1mmであり、シフト位置P2の端部間の距離(シフト間隔)が30mmである。
図5の例ほどのシフト間隔があれば、多くのユーザーにとってシート束Bが取り分け易い。
【0050】
他方、
図6では、シート束Bの厚さは1mmのままだが、シフト位置P2の端部間の距離(シフト間隔)は15mmと、
図5の例よりも短くなっている。
図6の例ほどのシフト間隔は、多くのユーザーにとって取り分け難い。
【0051】
また、
図7では、
図5および
図6の例と比較して、シート束Bの厚さが10mmと1mmよりも厚くなっている。この場合、シフト位置P2の端部間の距離(シフト間隔)が15mmであっても、多くのユーザーにとってシート束Bが取り分け易い。
【0052】
以上のように、シート束Bの厚さが一定である場合、シフト間隔が大きいほど、ユーザーにとってシート束Bが取り分け易い。また、シフト間隔が一定である場合、シート束Bの厚さが厚いほど、ユーザーにとってシート束Bが取り分け易い。
【0053】
上記した知見に基づいて、本実施形態では、シフト間隔が固定でありシフト位置の候補数が「2」のみである従来構成を改善して、シート束Bの厚さに応じてシフト間隔を可変とし、かつ、シフト位置P2の候補数を「2」から「4」の間でユーザーが選択可能な構成とする。換言すると、本実施形態では、シート束Bの厚さが大きいほど、シフト位置P2の候補数を増加させる構成を採用する。シート束Bの厚さは、シートSのウェイト情報(例えば、坪量)とシート束Bに含まれるシートSの枚数とに基づいて算定可能である。
【0054】
また、本実施形態では、シフト位置P2の候補数が増加するほど、シフト間隔を狭める構成を採用する。例えば、前述のA4機(紙幅210mm、排出口幅240mm)においては、シフト位置P2の候補数が「2」であればシフト間隔は30mm、シフト位置P2の候補数が「3」であればシフト間隔は15mm、シフト位置P2の候補数が「4」であればシフト間隔は10mmである。
【0055】
以下、
図8を参照しながら、本実施形態の具体的な処理について説明する。
図8は、媒体処理装置2におけるシフト位置P2の制御フローチャートである。本処理フローは、タッチパネル50や外部のパーソナルコンピューター等を用いてユーザーがプリント指示をする際にインタラクティブに実行されるプロパティー設定である。
【0056】
図8の処理フローが開始すると、第1制御部40は、タッチパネル50またはパーソナルコンピューターのモニターを介して、ユーザーに対してシート束Bのシフト処理(仕訳処理)を実行するか否かを問い合わせる(ステップS101)。ユーザーは、タッチパネル50またはパーソナルコンピューター等を用いてシフトするか否かを指示する。
【0057】
ユーザーが「シフトしない」と指示した場合(S101:NO)、第1制御部40は、本処理フローを終了してプリント処理を開始する。
【0058】
他方、ユーザーが「シフトする」と指示した場合(S101:YES)、第1制御部40は、画像形成がされるべきシートSのウェイト情報を取得する(ステップS102)。より具体的には、例えば、ユーザーが選択したシートSの種別(普通紙、ハガキ、ボンド紙、封筒等)に基づいて、ウェイト情報であるシートSの坪量[g/m
2]を特定する。シートSの種別と坪量との対応付けは、記憶部42(または記憶部62)に予め記憶された対応表に基づいて行われると好適である。または、ユーザーがタッチパネル50等を用いてシートSの坪量を直接的に入力または選択する構成も採用可能である。
【0059】
ウェイト情報が特定されると、第1制御部40は、シートSの1枚当たりの厚さを特定する(ステップS103)。より具体的には、例えば、第1制御部40は、
図9に示したテーブルTを参照して、ステップS102にて取得されたウェイト情報(シートSの坪量)に基づいて、シートS1枚当たりの厚さを特定する。以上のテーブルTは、記憶部42または記憶部62に記憶されていると好適である。
【0060】
シートSの1枚当たりの厚さが特定されると、第1制御部40は、シート束Bの厚さを算定する(ステップS104)。より具体的には、ステップS103にて特定されたシートSの1枚当たりの厚さと、ユーザーによって入力されたシート束Bに含まれるべきシートSの枚数とを乗算することによって、シート束Bの厚さが算定されると好適である。
【0061】
次いで、第1制御部40は、算定されたシート束Bの厚さに基づいて、媒体処理装置2のシフト部26がシート束Bをシフトさせ得るシフト位置P2の候補数を決定する(ステップS105)。より具体的には、例えば、第1制御部40は、シート束Bの厚さが0mmを上回り4mm以下である場合は、ユーザーが選択可能なシフト位置P2の候補数を「2」のみと決定し(ステップS106)、シート束Bの厚さが4mmを上回り20mm以下である場合は、ユーザーが選択可能なシフト位置P2の候補数を「2」または「3」と決定し(ステップS107)、シート束Bの厚さが20mmを上回る場合は、ユーザーが選択可能なシフト位置P2の候補数を「2」、「3」、または「4」と決定する(ステップS108)。また、第1制御部40は、シフト位置P2を候補数が「2」である場合のシフト間隔を30mmと設定し、候補数が「3」である場合のシフト間隔を15mmと設定し、候補数が「4」である場合のシフト間隔を10mmと設定する。すなわち、シート束Bの厚さが大きいほどシフト位置P2の候補数を増加させ、シフト位置P2の候補数が多いほどシフト間隔を狭めるように制御が実行される。
【0062】
ユーザーが選択可能なシフト位置P2の候補数が決定されると、第1制御部40は、タッチパネル50またはパーソナルコンピューターのモニター等を介して、シフト位置P2の候補数を提示する(ステップS109)。ユーザーは、タッチパネル50またはパーソナルコンピューター等を用いて、後続するプリント処理において適用されるべきシフト位置P2の数を、第1制御部40に指示する。第1制御部40は、ユーザーからの指示に基づいて、シフト位置P2の数を決定する(ステップS110)。
【0063】
なお、ユーザーが選択可能なシフト位置P2の候補数が1種類しかない場合(例えば、ステップS106の場合)、その候補数が自動的に選択され、ステップS109およびステップS110がスキップされると好適である。
【0064】
以上のフローチャートが終了すると、画像形成装置100(複合機1および媒体処理装置2)は、決定されたシフト位置P2の数に従ってプリント処理と後処理とを実行する。
【0065】
なお、上記した構成においては複合機1の第1制御部40が主として
図8の制御フローを実行しているが、媒体処理装置2の第2制御部60が主として
図8の制御フローを実行する構成も可能であることは、当然に理解される。
【0066】
7.本実施形態による技術的効果
上記した本実施形態においては、媒体処理装置2が、シートS(シート状の媒体)を排出位置からY方向(所定の排出方向)へ排出する後処理排紙口23と、後処理排紙口23から排出されたシートSが積載される排出トレイ31と、排出位置と排出トレイ31との相対位置を、Y方向に直交するX方向(シフト方向)において変化させることにより、シートSが積載される排出トレイ31上のシフト位置P2を変化させるシフト部26と、を備える。第1制御部40および/または第2制御部60は、複数のシートSを含むシート束Bごとにシフト位置P2を変化させるようにシフト部26を制御する。そして、第1制御部40および/または第2制御部60は、排出すべきシート束Bの厚さを算定し、算定された厚さが第1閾値(例えば、4mm)を上回る場合には、シフト位置P2の候補数を複数から選択可能とする。
【0067】
以上の構成によれば、シート束Bの厚さが所定値以上であるためユーザーがシート束Bを取り分け易い場合に限って、シフト位置P2の候補数が複数から選択可能となる。また、本構成によれば、シート束Bの厚さに関わらずシフト位置P2の候補数を複数から選択可能とする構成と比較して、シート束Bの取り分け易さを維持しつつシフト位置P2の候補数を増大させることが可能である。
【0068】
また、本実施形態の構成では、シート束Bの厚さが大きいほど、シフト位置P2の候補数を増加させる。以上の構成によれば、シート束Bの厚さが大きいほど、すなわちシート束Bがより取り分け易いほど、シフト位置P2の候補数を増加させるので、ユーザーにとっての利便性がより向上する。
【0069】
また、本実施形態の構成では、シフト位置P2の候補数が増加するほど、シフト位置P2の端部間の距離であるシフト間隔が狭められる。以上の構成によれば、シフト位置P2の候補数が増加してもシフト間隔が小さくなるので、後処理排紙口23(排出部)の幅を拡大させること無しにシフト位置P2の候補数を増加させることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態の構成では、シート束Bの厚さが第2閾値(例えば、20mm)を上回る場合にはシフト位置P2の候補数を2ないし4のうちから選択可能とし、シート束Bの厚さが第2閾値以下であって第1閾値(例えば、4mm)を上回る場合にはシフト位置P2の候補数を2または3のうちから選択可能とし、シート束Bの厚さが第1閾値以下である場合にはシフト位置P2の候補数を2とする。以上の構成によれば、シート束Bの厚さが所定の範囲に区切られ、それぞれの範囲毎にシフト位置P2の候補数が設定されるので、より簡易な形で本発明の構成を実施可能となる。
【0071】
なお、シートSのX方向の幅が210mmであり、後処理排紙口23のX方向の幅が240mmである構成(A4機)において、第1閾値および第2閾値を上記した値(4mm、20mm)に限定することによって、上記した技術的効果がより一層顕著となる。
【0072】
また、本実施形態の構成によれば、排出トレイ31に排出される前のシート束Bが一時的に載置される処理トレイ28を備える媒体処理装置2において、シフト部26が、処理トレイ28上のシート束Bをシフト方向において規制し、シート束Bの処理トレイ28上の載置位置を変化させることによって後処理排紙口23中の排出位置を変化させる。以上の構成によれば、排出トレイ31が(少なくともシフト方向に対し)固定されていても、排出位置と排出トレイ31との相対位置関係を変化させることが可能である。
【0073】
また、本実施形態の構成によれば、シフト位置P2の候補数を選択可能な媒体処理装置2を備えた画像形成装置100が提供される。
【0074】
8.変形例
上記した本発明の実施形態においては、画像形成装置100が、相互に接続される複合機1と媒体処理装置2とをそれぞれ別体として備えている。しかしながら、画像形成装置100が、上記した複合機1の機能と媒体処理装置2の機能とを併せ持つ1台の装置として構成されてもよい。この場合、画像形成装置100を媒体処理装置としても捉えることが可能であることは当然である。
【0075】
上記した本発明の実施形態においては、媒体処理装置2のシフト部26が、排出トレイ31に対するシートSの排出位置を変化させている。しかしながら、シフト部26が、シートSの排出位置に対する排出トレイ31の位置を変化させる構成(すなわち、排出トレイ31を移動可能とし、シフト部26が排出トレイ31を移動させる構成)も採用可能である。すなわち、シフト部26は、シートSの排出位置と排出トレイ31との相対位置をX方向において変化させ得る任意の構成とすることが可能である。
【0076】
上記した本発明の実施形態においては、複合機1を含む画像形成装置100に本発明の構成を適用した場合について説明しているが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、プリンター等の複合機1以外の装置を備えた画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。
【0077】
上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。