特許第6907975号(P6907975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6907975
(24)【登録日】2021年7月5日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】塗装乾燥炉用ヤニ除去装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 14/45 20180101AFI20210708BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20210708BHJP
   B05C 9/12 20060101ALI20210708BHJP
   B04C 5/20 20060101ALI20210708BHJP
   B04C 9/00 20060101ALI20210708BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20210708BHJP
   B05B 16/00 20180101ALI20210708BHJP
   B05C 5/04 20060101ALI20210708BHJP
【FI】
   B05B14/45
   F26B21/00 K
   B05C9/12
   B04C5/20
   B04C9/00
   B01D45/12
   B05B16/00
   B05C5/04
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-45758(P2018-45758)
(22)【出願日】2018年3月13日
(65)【公開番号】特開2019-155281(P2019-155281A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】迫田 耕二
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 香織
【審査官】 河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−134306(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102350406(CN,A)
【文献】 特開2001−310150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 7/00−21/00
B05C 5/00− 5/04
B05B12/16−12/36
14/00−16/80
B01D45/00−45/18
B04C 1/00−11/00
F26B 1/00−25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装乾燥炉に取付けられる塗装乾燥炉用ヤニ除去装置であって、
上記塗装乾燥炉の炉内空間に連通する吸気部と、上記吸気部を通じて上記炉内空間からヤニを含む高温空気を吸気して旋回させる旋回処理空間と、上記旋回処理空間から分離空気を排気する排気部と、を有する筒状のサイクロン容器と、
上記サイクロン容器を冷媒との間の熱移動を利用して冷却する冷却装置と、
を備え
上記冷却装置は、上記サイクロン容器の外周に筒壁を隔てて設けられた冷媒滞留空間を有する冷却容器と、上記冷却容器の流入口と流出口を接続する冷媒循環流路と、上記冷媒循環流路を上記流出口から上記流入口へと流れる上記冷媒を冷却する熱交換器と、を備え、
上記熱交換器は、上記冷媒循環流路を流れる上記冷媒を上記サイクロン容器の上記排気部を通じて排気された上記分離空気との間の熱交換によって冷却するように構成されている、塗装乾燥炉用ヤニ除去装置。
【請求項2】
上記サイクロン容器は、上記排気部が排気連通管によって上記塗装乾燥炉の上記炉内空間に連通しており、上記冷却装置は、上記冷媒循環流路を上記冷却容器の上記流出口から上記熱交換器へと流れる上記冷媒を加熱するとともに、上記冷媒循環流路を上記熱交換器から上記冷却容器の上記流入口へと流れる上記冷媒を冷却するヒートポンプを備える、請求項に記載の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置。
【請求項3】
上記サイクロン容器は、上記吸気部が吸気連通管によって上記塗装乾燥炉の上記炉内空間に連通しており、上記吸気連通管の入口部及び上記排気連通管の出口部はいずれも、上記塗装乾燥炉の上記炉内空間のうち入口側エアシール部と出口側エアシール部のうちの少なくとも一方に配置されるように構成されている、請求項に記載の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置。
【請求項4】
上記サイクロン容器は、上記吸気部が設けられた大径筒部と、上記大径筒部よりも筒径が下回る小径筒部と、上記大径筒部から上記小径筒部に向けて内径が漸減するテーパー形状の円錐筒部と、を有し、上記小径筒部に設けられたヤニ排出口にヤニ受け容器が接続されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置。
【請求項5】
上記サイクロン容器は、筒軸が垂直方向に沿って延在し且つ上記小径筒部が最低所に配置されるように構成されている、請求項に記載の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装乾燥炉に取付けられるヤニ除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車ボディや自動車関連部品などのワークに塗膜を形成する工程では、塗装後のワークが塗装乾燥炉で搬送されながら乾燥処理される。この塗装乾燥炉の炉内空間では、加熱された塗料から煙状のガスが発生する。このガスは、高温状態で気化した塗料ヤニ成分(以下、単に「ヤニ」という。)を主体とするものであり、低温状態になると凝縮して液化或いは固化する特性を有する。
【0003】
塗装乾燥炉の炉内空間の高温空気が入口部や出口部の低温領域で冷やされるとヤニが凝縮し易く、凝縮したヤニがワークに向けて落下して付着すると品質低下が発生する要因になり得る。また、気化したヤニは、塗装乾燥炉の外部に排気されると、塗装乾燥炉の周辺設備や天井などで冷やされて付着する。このため、塗装乾燥炉やその周辺に付着したヤニを除去する清掃作業を定期的に行う必要があるという問題があった。
【0004】
そこで、下記の特許文献1には、このような問題を対処するための塗装廃ガス排気ダクト(以下、単に「排気ダクト」という。)が提案されている。この排気ダクトは、塗装乾燥炉の炉内空間の高温空気がフード構造部のダクト曲部を流れるように構成されている。この排気ダクトによれば、外気と接触しているダクト曲部の内面に高温空気に含まれているヤニを凝縮させ、漏斗部に集めてカートリッジ容器に回収されるようになっている。また、ダクト曲部の外面にヒートシンクや放熱フィンを設けることによって、ダクト曲部の温度上昇を抑えようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−255865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記の排気ダクトの場合、高温空気をダクト曲部に流すのみでは十分な冷却効果を得るのが難しく、ダクト曲部の外面にヒートシンクや放熱フィンを追加しても高温空気からヤニを効率良く回収するのに改善の余地がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、塗装乾燥炉の高温空気に含まれるヤニを効率良く回収することができる塗装乾燥炉用ヤニ除去装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
塗装乾燥炉に取付けられる塗装乾燥炉用ヤニ除去装置であって、
上記塗装乾燥炉の炉内空間に連通する吸気部と、上記吸気部を通じて上記炉内空間からヤニを含む高温空気を吸気して旋回させる旋回処理空間と、上記旋回処理空間から分離空気を排気する排気部と、を有する筒状のサイクロン容器と、
上記サイクロン容器を冷媒との間の熱移動を利用して冷却する冷却装置と、
を備え
上記冷却装置は、上記サイクロン容器の外周に筒壁を隔てて設けられた冷媒滞留空間を有する冷却容器と、上記冷却容器の流入口と流出口を接続する冷媒循環流路と、上記冷媒循環流路を上記流出口から上記流入口へと流れる上記冷媒を冷却する熱交換器と、を備え、
上記熱交換器は、上記冷媒循環流路を流れる上記冷媒を上記サイクロン容器の上記排気部を通じて排気された上記分離空気との間の熱交換によって冷却するように構成されている、塗装乾燥炉用ヤニ除去装置、
にある。
【発明の効果】
【0009】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、塗装乾燥炉の炉内空間の高温空気はサイクロン容器の吸気部から吸気され、旋回処理空間において旋回する。一方で、サイクロン容器が冷却装置の冷媒によって冷やされる。このとき、旋回処理空間の高温空気は、冷却装置の冷媒によって冷やされたサイクロン容器の内壁面に接触しながら周方向に旋回する。このため、高温空気とサイクロン容器の内壁面との接触時間を増やすことができ、高温空気から冷媒側への熱移動が促進される。この場合、高温空気の冷却効果を高めることができる。
【0010】
しかも、高温空気の冷却によってヤニが凝縮し、凝縮したこのヤニは、旋回流にしたがって周方向に旋回するときに遠心力を受けて遠心分離され、サイクロン容器の内壁面に押し付けられ付着する。このため、サイクロン容器による遠心分離効果を利用して、凝縮したヤニを効率良く回収することができる。この場合、ヤニが原因で生じるワークの品質低下の発生を防ぐことが可能になり、またヤニを除去する清掃作業を減らして維持管理コストを低く抑えることが可能になる。一方で、ヤニが遠心分離されたあとの分離空気は、排気部を通じてサイクロン容器の外部へと排気される。
【0011】
以上のごとく、上記の態様によれば、塗装乾燥炉の高温空気に含まれるヤニを効率良く回収することができる塗装乾燥炉用ヤニ除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1にかかる塗装乾燥設備の模式図。
図2図1中の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置の側面図。
図3図2のIII-III線矢視断面図。
図4図2中のサイクロン容器で高温空間が処理される様子を示す斜視図。
図5図4のV-V線矢視断面図。
図6図1の塗装乾燥設備の変更例にかかる模式図。
図7参考形態1の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
【0014】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、上記冷却装置は、上記サイクロン容器の外周に筒壁を隔てて設けられた冷媒滞留空間を有する冷却容器と、上記冷却容器の流入口と流出口を接続する冷媒循環流路と、上記冷媒循環流路を上記流出口から上記流入口へと流れる上記冷媒を冷却する熱交換器と、を備えるのが好ましい。
【0015】
このヤニ除去装置によれば、冷却容器の冷媒滞留空間において高温空気との間での熱移動によって加熱された冷媒は、冷却容器の流出口から流出して冷媒循環流路を流れた後に流入口から冷却容器に戻る。このとき、冷媒循環流路を流れる冷媒が熱交換器によって冷却されるため、高温空気の冷却効果を高い状態に維持できる。
【0016】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、上記熱交換器は、上記冷媒循環流路を流れる上記冷媒を上記サイクロン容器の上記排気部を通じて排気された上記分離空気との間の熱交換によって冷却するように構成されているのが好ましい。
【0017】
このヤニ除去装置によれば、冷却装置の冷媒循環流路を流れる冷媒を熱交換器において冷却するときの低温側媒体として、サイクロン容器から排気される分離空気を利用することができる。
【0018】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、上記サイクロン容器は、上記排気部が排気連通管によって上記塗装乾燥炉の上記炉内空間に連通しており、上記冷却装置は、上記冷媒循環流路を上記冷却容器の上記流出口から上記熱交換器へと流れる上記冷媒を加熱するとともに、上記冷媒循環流路を上記熱交換器から上記冷却容器の上記流入口へと流れる上記冷媒を冷却するヒートポンプを備えるのが好ましい。
【0019】
このヤニ除去装置によれば、サイクロン容器から排気された後に熱交換器で加熱された分離空気は、排気連通管によって塗装乾燥炉の炉内空間に供給される。このため、分離空気が低温状態で塗装乾燥炉の炉内空間に供給されるのを防ぐことができる。しかも、分離空気を塗装乾燥炉の炉内空間に供給することによって、分離空気を塗装乾燥炉の外部に放出するような場合に生じる熱エネルギーの損失を防ぐことができる。
【0020】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置は、上記サイクロン容器は、上記吸気部が吸気連通管によって上記塗装乾燥炉の上記炉内空間に連通しており、上記吸気連通管の入口部及び上記排気連通管の出口部はいずれも、上記塗装乾燥炉の上記炉内空間のうち入口側エアシール部と出口側エアシール部のうちの少なくとも一方に配置されるように構成されているのが好ましい。
【0021】
このヤニ除去装置によれば、塗装乾燥炉のエアシール部から吸気連通管を通じて高温空気がサイクロン容器に吸気され、且つサイクロン容器から排気連通管を通じて分離空気が塗装乾燥炉のエアシール部に戻される。この場合、エアシール部における分離空気の流れによって気密性を確保でき、塗装乾燥炉の炉内空間で発生したヤニが炉外へ拡散するのを防ぐことができる。しかも、分離空気を利用することでエアシール部のために専用の送風機などの機器を設ける必要ないため、ヤニ除去装置に要する装置コストを低く抑えることができる。
【0022】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、上記サイクロン容器は、上記吸気部が設けられた大径筒部と、上記大径筒部よりも筒径が下回る小径筒部と、上記大径筒部から上記小径筒部に向けて内径が漸減するテーパー形状の円錐筒部と、を有し、上記小径筒部に設けられたヤニ排出口にヤニ受け容器が接続されているのが好ましい。
【0023】
このヤニ除去装置において、サイクロン容器の吸気部から吸気された高温空気は、円錐筒部を大径筒部側から小径筒部側に向けて旋回径を徐々に小さくしながら旋回する。このときに冷却により凝縮したヤニは、旋回流にしたがって周方向に旋回するときに遠心力を受けて遠心分離されるが、この遠心力は旋回径が小さいほど強まる。このため、遠心分離効果が最も高くなる小径筒部のヤニ排出口を通じてサイクロン容器からヤニ受け容器にヤニを回収することができる。
【0024】
上記の塗装乾燥炉用ヤニ除去装置において、上記サイクロン容器は、筒軸が垂直方向に沿って延在し且つ上記小径筒部が最低所に配置されるように構成されているのが好ましい。
【0025】
このヤニ除去装置によれば、サイクロン容器を筒軸が垂直方向に沿って延在するように配置することによって、ヤニに作用する重力を利用してヤニ受け容器にヤニを回収することができる。このため、サイクロン容器の内壁面にヤニが残留するのを防ぐことができる。この場合、サイクロン容器の内壁面を高温空気のための冷却面として継続的に使用することができる。
【0026】
以下、塗装乾燥炉に取付けられるヤニ除去装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
この実施形態を説明するための図面において、特にことわらない限り、塗装乾燥炉におけるワークの搬送方向を矢印Dで示すものとする。また、水平方向を矢印Xで示し、垂直方向を矢印Yで示し、周方向を矢印Zで示すものとする。
【0028】
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1にかかる塗装乾燥設備1は、塗装後の自動車ボディであるワークWを乾燥する塗装乾燥炉(以下、単に「乾燥炉」という。)2と、乾燥炉2に取付けられる塗装乾燥炉用ヤニ除去装置としての2つのヤニ除去装置10と、を備えている。
【0029】
複数のワークWは、塗装処理後に乾燥炉2に向けて搬送台車7で搬送方向Dに順次搬送され、乾燥炉2の炉内空間3に導入される。炉内空間3は、主乾燥領域3aと、この主乾燥領域3aよりも上流側に設けられた入口側エアシール部3bと、主乾燥領域3aよりも下流側に設けられた出口側エアシール部3cと、を有する。
【0030】
主乾燥領域3aには、熱風発生装置4が設けられている。このため、熱風発生装置4による空気の循環加熱によって、主乾燥領域3aにおいてワークWの実質的な乾燥処理が行われる。
【0031】
2つのヤニ除去装置10のうちの一方の第1ヤニ除去装置10Aは、吸気連通管5及び排気連通管6を有し、これら吸気連通管5及び排気連通管6を介して乾燥炉2の炉内空間3に接続されている。この第1ヤニ除去装置10Aについて、吸気連通管5の入口部5a及び排気連通管6の出口部6aはいずれも炉内空間3のうち入口側エアシール部3bに配置されている。このため、入口側エアシール部3bから吸気連通管5を通じて第1ヤニ除去装置10Aに高温空気が導入されて処理され、処理後の空気が排気連通管6を通じて入口側エアシール部3bに戻されるようになっている。
【0032】
2つのヤニ除去装置10のうちの他方の第2ヤニ除去装置10Bは、第1ヤニ除去装置10Aの場合と同様の吸気連通管5及び排気連通管6を有し、これら吸気連通管5及び排気連通管6を介して乾燥炉2の炉内空間3に接続されている。この第2ヤニ除去装置10Bについて、吸気連通管5の入口部5a及び排気連通管の出口部6aはいずれも炉内空間3のうち出口側エアシール部3cに配置されている。このため、出口側エアシール部3cから吸気連通管5を通じて第2ヤニ除去装置10Bに高温空気が導入されて処理され、処理後の空気が排気連通管6を通じて出口側エアシール部3cに戻されるようになっている。
【0033】
ここで、図2及び図3を参照しながら、第1ヤニ除去装置10Aの具体的な構造について説明する。なお、2つのヤニ除去装置10の構造は同一であるため、以下では、一方の第1ヤニ除去装置10Aをヤニ除去装置10として説明し、他方の第2ヤニ除去装置10Bの構造についての説明を省略する。
【0034】
図2に示されるように、ヤニ除去装置10は、サイクロン容器20と、冷却装置30と、を備えている。
【0035】
サイクロン容器20は、自らの回転を伴わない固定式の円筒状容器であり、主に金属材料からなる。このサイクロン容器20は、吸気部21と、旋回処理空間23と、ヤニ排出口24と、排気部25と、を有する。
【0036】
吸気部21は、吸気連通管5を介して塗装乾燥炉2の炉内空間3に連通する開口部分である。旋回処理空間23は、吸気部21を通じて炉内空間3からヤニNを含む高温空気Aを吸気して旋回させるための空間である。ヤニ排出口24は、旋回処理空間23からヤニNを排出するための開口であり、常時に開放された状態にある。排気部25は、旋回処理空間23から分離空気Bを排気する開口部分であり、排気連通管6を介して塗装乾燥炉2の炉内空間3に連通している。この排気部25は、筒軸L上を垂直方向Yに延在している(図3参照)。
【0037】
ここで、ヤニNは、加熱された塗料から発生する塗料ヤニ成分であり、典型的には、塗料に含まれる硬化剤(イソシアネート)やブロック剤(アルコール類、オキシム類)が酸化・重合した化合物によって構成されている。このヤニNは、高温状態で気化してヒューム状物質となる一方で、低温状態になると凝縮して液化或いは固化する特性を有する。
【0038】
排気連通管6には、排気ファン26が接続されている。この排気ファン26は、運転時の吸引作用によって、サイクロン容器20の旋回処理空間23に吸気部21から排気部25に向かう気流を発生させる送風装置として構成されている。
【0039】
なお、これに代えて、サイクロン容器20の吸気部21に送風装置を接続して、或いは吸気部21及び排気部25の両方に送風装置を接続して、この送風装置を用いてサイクロン容器20の旋回処理空間23に気流を発生させるようにすることもできる。
【0040】
サイクロン容器20の旋回処理空間23を区画する本体部22は、吸気部21が設けられた大径筒部22aと、大径筒部22aよりも筒径が下回る小径筒部22cと、大径筒部22aから小径筒部22cに向けて内径が漸減するテーパー形状の円錐筒部22bと、を有する。
【0041】
サイクロン容器20の筒壁20aの内壁面20bは、高温空気Aを冷却するための冷却面として構成されている。このため、サイクロン容器20の内壁面20bは、熱伝導性の高い金属材料によって構成されるのが好ましい。また、必要に応じてこの内壁面20bに熱伝導性の高いコーティング層を設けるようにしてもよい。
【0042】
また、サイクロン容器20は、筒軸Lが垂直方向Yに沿って延在し且つ小径筒部22cが最低所に配置されるように構成されている。そして、小径筒部22cに設けられたヤニ排出口24にヤニ受け容器40が接続されている。このため、旋回処理空間23のヤニNは、小径筒部22cのヤニ排出口24を通じてヤニ受け容器40に回収されるようになっている。
【0043】
冷却装置30は、サイクロン容器20を冷媒としての冷却水Cとの間の熱移動を利用して冷却する機能を有する。この冷却装置30は、冷却容器31と、冷媒循環流路35と、熱交換器36と、ヒートポンプ37と、を備えている。
【0044】
なお、冷却水Cを、必要に応じてフッ化炭素系冷媒、フロン系冷媒、アルコール系冷媒、ケトン系冷媒等の冷媒に変更することもできる。
【0045】
冷却容器31は、サイクロン容器20の外周に筒壁20aを隔てて設けられた冷媒滞留空間32を有する。このため、冷却容器31は水平方向Xについての断面形状が円環状であり、筒軸Lを中心として筒壁20aと同心円状の筒壁31aを有する(図3参照)。
【0046】
冷媒循環流路35は、冷却容器31の流入口33と流出口34を接続する流路である。この冷媒循環流路35は、冷却容器31の流出口34からヒートポンプ37まで延在する第1接続管35aと、ヒートポンプ37から熱交換器36を経由してヒートポンプ37に戻る第2接続管35bと、ヒートポンプ37から冷却容器31の流入口33まで延在する第3接続管35cと、によって構成されている。
【0047】
熱交換器36は、冷媒循環流路35を冷却容器31の流出口34から流入口33へと流れる冷却水Cを冷却する機能を有する。この熱交換器36は、冷媒循環流路35を流れる冷却水Cをサイクロン容器20の排気部25を通じて排気された分離空気Bとの間の熱交換によって冷却するように構成されている。この熱交換器36において、冷却水Cが高温側媒体となり、分離空気Bが低温側媒体となる。
【0048】
ヒートポンプ37は、冷媒循環流路35を冷却容器31の流出口34から熱交換器36へと流れる冷却水Cを加熱するとともに、冷媒循環流路35を熱交換器36から冷却容器31の流入口33へと流れる冷却水Cを冷却する機能を有する。
【0049】
この機能を達成するために、ヒートポンプ37は、冷媒Caの流路37aと、この流路37a上にいずれも設けられた圧縮機37b、膨張弁37c、蒸発器37d及び凝縮器37eと、を備えている。流路37aを循環する冷媒Caの温度と圧力は、圧縮機37b及び膨張弁37cによって調整される。冷媒Caとして、典型的にはフッ化炭素系冷媒、フロン系冷媒、アルコール系冷媒、ケトン系冷媒等が用いられる。
【0050】
このヒートポンプ37の流路37aにおいて、圧縮機37bで圧縮された冷媒Caは高温になって凝縮器37eを流れるため、冷却水Cは冷媒循環流路35を第1接続管35aから第2接続管35bへと流れるときにこの凝縮器37eを介して加熱される。
【0051】
また、このヒートポンプ37の流路37aにおいて、膨張弁37cで急激に圧力が低下した冷媒Caは低温になって蒸発器37dを流れるため、冷却水Cは冷媒循環流路35を第2接続管35bから第3接続管35cへと流れるときにこの蒸発器37dを介して冷却される。
【0052】
なお、ヒートポンプ37を使用せずに熱交換器36においてサイクロン容器20の排気部25を通じて排気された分離空気Bを所望の温度まで加熱することができる場合には、ヒートポンプ37を省略することもできる。
【0053】
次に、上記のヤニ除去装置10の動作について説明する。
【0054】
図4に示されるように、排気ファン26の運転時の吸引作用によって、サイクロン容器20の旋回処理空間23に吸気部21から排気部25に向かう気流が発生する。これにより、気化した状態のヤニNを含む高温空気Aが吸気部21から吸気され、旋回処理空間23において周方向Zに旋回する。
【0055】
高温空気Aは、サイクロン容器20の内壁面20bに沿って旋回流Saを形成し、流速を高めながら円錐筒部22bを大径筒部22a側から小径筒部22c側へと流れる。このとき、サイクロン容器20の内壁面20bは、冷却容器31の冷媒滞留空間32に滞留した冷却水Cによって冷やされた冷却面となっている(図3参照)。このため、高温空気Aが旋回時に内壁面20bに接触して冷却され、この高温空気Aに含まれているヤニNが凝縮して液状化する。そして、この高温空気Aは、比重差によってヤニNと分離空気Bとに遠心分離される。
【0056】
図4及び図5に示されるように、ヤニNは、旋回流Saによる遠心力Fを受けて内壁面20bに押し付けられる。特に、大径筒部22aから小径筒部22cに向かうにつれて旋回径が小さくなるため、ヤニNに作用する遠心力Fが強まる。このため、小径筒部22cに向かうにしたがってヤニNが内壁面20bに強く押し付けられて付着し易くなる。そして、内壁面20bに付着したり旋回処理空間23を下降したりしたヤニNは、重力にしたがって小径筒部22cのヤニ排出口24から排出されてヤニ受け容器40に連続的に回収される。
【0057】
サイクロン容器20の旋回処理空間23における高温空気Aの流速は、旋回流Saの中心付近の領域の方がその周りの領域よりも小さい。このため、この領域においては排気ファン26による吸引力の影響を受け易い。従って、高温空気Aから遠心分離された後の分離空気Bは、ヤニNに比べて比重が小さいため、旋回流Saの中心付近の領域を排気部25に向けて直線的に流れる直進流Sbを形成する。この分離空気Bは、排気ファン26によって吸引されて排気部25から排気された後、排気連通管6を通じて入口側エアシール部3b及び出口側エアシール部3cに供給されてエアシールに使用される(図1参照)。
【0058】
上述の実施形態1によれば、以下のような作用効果が得られる。
【0059】
上記のヤニ除去装置10において、塗装乾燥炉2の炉内空間3の高温空気Aはサイクロン容器20の吸気部21から吸気され、旋回処理空間23において旋回する。一方で、サイクロン容器20が冷却装置30の冷媒によって冷やされる。このとき、旋回処理空間23の高温空気Aは、冷却水Cによって冷やされたサイクロン容器20の内壁面20bに接触しながら周方向Zに旋回する。このため、高温空気Aとサイクロン容器20の内壁面20bとの接触時間を増やすことができ、高温空気Aから冷却水C側への熱移動が促進される。この場合、高温空気Aの冷却効果を高めることができる。
【0060】
しかも、高温空気Aの冷却によってヤニNが凝縮し、凝縮したこのヤニNは、旋回流Saにしたがって周方向Zに旋回するときに遠心力Fを受けて遠心分離され、サイクロン容器20の内壁面20bに押し付けられて付着する。このため、サイクロン容器20による遠心分離効果を利用して、凝縮したヤニNを効率良く回収することができる。この場合、ヤニNが原因で生じるワークWの品質低下の発生を防ぐことが可能になり、またヤニNを除去する清掃作業を減らして維持管理コストを低く抑えることが可能になる。一方で、ヤニNが遠心分離されたあとの分離空気Bは、排気部25を通じてサイクロン容器20の外部へと排気される。
【0061】
また、上記のヤニ除去装置10によれば、冷却容器31の冷媒滞留空間32において高温空気Aとの間での熱移動によって加熱された冷却水Cは、冷却容器31の流出口34から流出して冷媒循環流路35を流れた後に流入口33から冷却容器31に戻る。このとき、冷媒循環流路35を流れる冷却水Cが熱交換器36によって冷却されるため、高温空気Aの冷却効果を高い状態に維持できる。
【0062】
また、上記のヤニ除去装置10によれば、冷却装置30の冷媒循環流路35を流れる冷却水Cを熱交換器36において冷却するときの低温側媒体として、サイクロン容器20から排気される分離空気Bを利用することができる。
【0063】
また、上記のヤニ除去装置10によれば、サイクロン容器20から排気された後に熱交換器36で加熱された分離空気Bは、排気連通管6によって塗装乾燥炉2の炉内空間3に供給される。このため、分離空気Bが低温状態で塗装乾燥炉2の炉内空間3に供給されるのを防ぐことができる。しかも、分離空気Bを塗装乾燥炉2の炉内空間3に供給することによって、この分離空気Bを乾燥炉2の外部に放出するような場合に生じる熱エネルギーの損失を防ぐことができる。
【0064】
また、上記のヤニ除去装置10によれば、乾燥炉2のエアシール部3b,3cから吸気連通管5を通じて高温空気Aがサイクロン容器20に吸気され、且つサイクロン容器20から排気連通管6を通じて分離空気Bが乾燥炉2のエアシール部3b,3cに戻される。この場合、エアシール部3b,3cにおける分離空気Bの流れによって気密性を確保でき、乾燥炉2の炉内空間3で発生したヤニNが炉外へ拡散するのを防ぐことができる。しかも、分離空気Bを利用することでエアシール部3b,3cのために専用の送風機などの機器を設ける必要ないため、ヤニ除去装置10に要する装置コストを低く抑えることができる。
【0065】
また、上記のヤニ除去装置10において、サイクロン容器20の吸気部21から吸気された高温空気Aは、円錐筒部22bを大径筒部22a側から小径筒部22c側に向けて旋回径を徐々に小さくしながら旋回する。このときに冷却により凝縮したヤニNは、旋回流Saにしたがって周方向Zに旋回するときに遠心力Fを受けて遠心分離されるが、この遠心力Fは旋回径が小さいほど強まる。このため、遠心分離効果が最も高くなる小径筒部22cのヤニ排出口24を通じてサイクロン容器20からヤニ受け容器40にヤニを回収することができる。
【0066】
また、上記のヤニ除去装置10によれば、サイクロン容器20を筒軸Lが垂直方向Yに沿って延在するように配置することによって、ヤニNに作用する重力を利用してヤニ受け容器40にヤニNを回収することができる。このため、サイクロン容器20の内壁面20bにヤニNが残留するのを防ぐことができる。この場合、サイクロン容器20の内壁面20bを高温空気Aのための冷却面として継続的に使用することができる。
【0067】
なお、上述の塗装乾燥設備1は、エアシール部3b,3cに取付けられる2つのヤニ除去装置10を備えているが、このヤニ除去装置10の数は2つに限定されるものではなく、またその取付け箇所はエアシール部3b,3cに限定されるものではない。
【0068】
例えば、塗装乾燥設備1の変更例として、図6に示される塗装乾燥設備1’を採用することができる。この塗装乾燥設備1’において、ヤニ除去装置10の数は1つであり、しかもこのヤニ除去装置10の取付け箇所は乾燥炉2の炉内空間3のうちの主乾燥領域3aである。即ち、吸気連通管5の入口部5a及び排気連通管6の出口部6aはいずれも主乾燥領域3aに配置されている。一方で、乾燥炉2の炉内空間3のうちのエアシール部3b,3cにはそれぞれ、同一構造のエアシール装置8が取付けられている。
【0069】
この塗装乾燥設備1’の更なる変更例として、ヤニ除去装置10を2つのエアシール部3b,3cをいずれか一方に取付ける構造を採用することもできる。また、乾燥炉2の炉内空間3のうち、主乾燥領域3aとエアシール部3b,3cの三箇所全てにヤニ除去装置10が取付けられた構造を採用することもできる。本構造によれば、3つのヤニ除去装置10を同時に使用することによって、ヤニNの回収性能を強化することができる。
【0070】
また、上述の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
【0071】
参考形態1
図7に示されるように、参考形態1のヤニ除去装置110は、サイクロン容器120及び冷却装置130を備えている。
【0072】
サイクロン容器120は、分離空気Bを排気するための排気部125を有する。この排気部125は、長尺配管からなり、その垂直方向Yの寸法が実施形態1の場合の排気部25の垂直方向Yの寸法を大幅に上回るように構成されている。本構成によれば、排気部125を長くすることで分離空気Bが冷却水Cとの間で熱交換可能な領域が増えている。
【0073】
冷却装置130は、サイクロン容器120を冷媒としての冷却水Cとの間の熱移動を利用して冷却するものであり、サイクロン容器120の外周に冷媒貯留空間132を有する冷却容器131を備えている。この冷却容器131において、冷媒貯留空間132は閉じた空間でありこの冷媒貯留空間132に冷却水Cが貯留されている。また、排気部125の概ね全体が冷媒貯留空間132に配置されている。このように、冷却装置130は、冷却容器131のみを有し、実施形態1の冷却装置30のような別要素(冷媒循環流路35、熱交換器36、ヒートポンプ37)を備えていない。
なお、実施形態1の場合と同様に、冷却水Cを、必要に応じてフッ化炭素系冷媒、フロン系冷媒、アルコール系冷媒、ケトン系冷媒等の冷媒に変更することもできる。
【0074】
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0075】
冷却容器131の冷媒貯留空間132に貯留されている冷却水Cの一部は、サイクロン容器120の旋回処理空間23に吸気された高温空気Aとの間の熱交換によって加熱されて蒸発し気相になる。また、この気相の一部は、排気部125を流れる分離空気Bとの間の熱交換によって冷却されて凝縮し液相になる。その結果、冷却容器131の冷媒貯留空間132に、冷却水Cの気液平衡状態が形成される。
【0076】
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0077】
この参考形態1によれば、冷却装置130の構成要素の数が実施形態1における冷却装置30の構成要素の数よりも少なくてすむため、冷却装置130の要する装置コストを低く抑えることができ、また設置に必要なスペースを小さくできる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0078】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変更が考えられる。例えば、各実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0079】
上述の実施形態では、乾燥炉2の炉内空間3から高温空気Aを吸気し、ヤニNが分離された分離空気Bを高温空気Aの吸気領域と同じ領域に排気する場合について例示したが、高温空気Aの吸気領域と分離空気Bの排気領域が異なっていてもよい。また、分離空気Bの排気領域が乾燥炉2の外部であってもよい。
【0080】
上述の実施形態では、大径筒部22aと、円錐筒部22bと、小径筒部22cと、を有するサイクロン容器20を用いる場合について例示したが、このサイクロン容器20の構造はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜に変更可能である。例えば、円錐筒部22bに相当する部位のみを有する構造や、大径筒部22a及び小径筒部22cの少なくとも一方に相当する部位のみを有する構造などを採用することもできる。また、サイクロン容器20は筒状であれば、その断面形状は、円形以外に、楕円形、三角形、四角形、多角形などであってもよい。
【0081】
上述の実施形態では、サイクロン容器20は筒軸Lが垂直方向Yに沿って延在した状態で配置される場合について例示したが、これに代えて、サイクロン容器20を筒軸Lが垂直方向Yに対して任意の角度で傾斜した状態で配置することもできる。
【0082】
上述の実施形態では、サイクロン容器20の小径筒部22cに設けられたヤニ排出口24からヤニNを排出する場合について例示したが、これに代えて、ヤニ排出口24を閉じてサイクロン容器20の小径筒部22cにヤニNを一時的に溜めて、ヤニNを排出する作業のときにのみヤニ排出口24を開放するようにしてもよい。
【0083】
上述の実施形態では、自動車ボディを塗装後に乾燥する乾燥炉2に取付けられるヤニ除去装置10,110について例示したが、ヤニ除去装置10,110の本質的な構造を、自動車ボディ以外の自動車関連部品や、自動車以外の他の分野のワークを塗装後に乾燥する乾燥炉に適用することもできる。
【符号の説明】
【0084】
1,1’ 塗装乾燥設備
2 塗装乾燥炉
3 炉内空間
3b 入口側エアシール部
3c 出口側エアシール部
5 吸気連通管
5a 入口部
6 排気連通管
6a 出口部
10,110 塗装乾燥炉用ヤニ除去装置(ヤニ除去装置)
10A 第1ヤニ除去装置
10B 第2ヤニ除去装置
20,120 サイクロン容器
20a 筒壁
21 吸気部
22a 大径筒部
22b 円錐筒部
22c 小径筒部
23 旋回処理空間
24 ヤニ排出口
25,125 排気部
30,130 冷却装置
31,131 冷却容器
32 冷媒滞留空間
33 流入口
34 流出口
35 冷媒循環流路
36 熱交換器
37 ヒートポンプ
40 ヤニ受け容器
A 高温空気
B 分離空気
C 冷却水(冷媒)
L 筒軸
N ヤニ
Y 垂直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7