(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動源は回転駆動源であって、前記駆動機構は前記回転駆動源の回転運動を、前記アクチュエータを駆動させる直線運動へと変換する運動変換機構を備える請求項1に記載の吐出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない
。
[実施形態1]
まず、
図1を参照して、全体構成を説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る吐出装置が搭載された飛行体を透視図として示した全体構成図、(B)は吐出装置の断面図、(C)は(B)のC−C線断面図である。
図1(A)において、100は飛行体を示している。飛行体100は、いわゆるマルチコプタ等の無人航空機であり、機体101は、機体胴部102と、機体胴部102から放射状に延びる4本の腕部103と、離着陸のための脚部107と、を備え、腕部103の先端に、それぞれモータ105を介して4つの回転翼104が設けられている。図示例では、回転翼104が4つのクアッドコプタを例示しているが、3つ(トライコプタ)、6つ(ヘキサコプタ)等、公知の種々のマルチコプタが適用可能である。
この飛行体100の機体101の外部、図示例では、機体胴部102の下面に、エアゾール容器をスリーブ20内に組み込んだエアゾール容器組立体40が、支持部50を介して搭載されている。エアゾール容器組立体40には、内部のエアゾール容器のステムにチューブ16を介してノズル15が接続され、ノズル15から内容物が吐出される。飛行体の場合には、このエアゾール容器10を備えたエアゾール容器組立体40と、チューブ16と、ノズル15が、飛行体の吐出装置1に含まれるが、チューブ16とノズル15は必ずしも必須ではない。
なお、図示例では、エアゾール容器組立体40を機体胴部102の下面に搭載しているが、機体胴部102の後面に搭載してもよいし、上面に搭載してもよいし、前面に搭載してもよい。
【0010】
次に、
図1(B),(C)を参照して、
図1の吐出装置1の構成について、より詳細に
説明する。
エアゾール容器10はエアゾール容器組立体40として、機体101に搭載された状態で、機体101の上からエアゾール容器10の内容物を吐出するものである。吐出される内容物は、液体だけでなく、ガス、空気等の気体、粉体等を吐出するもの、さらに、音(ホーン)等を吐出する場合も含まれる。音の吐出は、たとえば、気体を噴出させる際に音が出るように構成される。
エアゾール容器組立体40は、エアゾール容器10と、エアゾール容器10を収容するスリーブ(収容部材)20と、スリーブ20内に配置され、エアゾール容器10から内容物を吐出させるための吐出駆動部30とを備えている。
【0011】
[エアゾール容器について]
エアゾール容器10は、内部に充填された液化ガスや圧縮ガスのガス圧によって、内容物を噴出する容器であり、既存の金属製のエアゾール容器が適用可能であるし、耐圧性を有するプラスチック製の容器を用いることもできる。エアゾール容器10には、吐出方向や吐出形態に応じて流路が形成された各種アクチュエータがステム12に装着される。図示例では、エアゾール容器10のステム12に、フランジ部14bを有するアクチュエータ14を装着した例を示している。アクチュエータ14は、ストレートの吐出流路を備えた直線状の本体部14aと、本体部14aから軸直角方向に張り出すフランジ部14bと、を備えた構成となっている。このアクチュエータ14の本体部14aに、チューブ16が接続される。
本実施形態1では、エアゾール容器10を機体胴部102の下面に搭載して使用するので、封入される噴射剤と内容物の形態としては、原液が内袋に収容され、内袋外周と容器本体内周との間に噴射剤が収容された隔離型が用いられる。隔離型であれば、エアゾール容器の姿勢が、横向き(ステムの位置が横)、下向き(ステムの位置が下)であっても吐出可能である。
もっとも、本実施形態1のように水平状態に搭載しない場合には、隔離型に限定されるものではなく、吐出時のエアゾール容器10の姿勢が、ステム12が上向きで使用される場合には、ディップチューブを備えた二相系、三相系の容器、ステムが下向きで使用される場合には、ディップチューブを有さない二相系、三相系の容器を適用可能である。
なお、噴射剤としては、一般的な炭化水素(液化石油ガス)(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フッ化炭化水素(HFO−1234ZE)等の液化ガス、二酸化炭素(CO2)、窒素(N
2)、亜酸化窒素(N
2O)等の圧縮ガスが適用可能であるが、火災に対する安全性を考慮すると非引火性のフッ化炭化水素、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素等が好適であり、特に、環境負荷を考慮すると、窒素が好適である。
【0012】
[スリーブ20の構成]
スリーブ20の材料としては、アルミ等の金属、プラスチック、または炭素繊維等の強度の高い軽量の素材で構成される。また、硬質の材料に限らず、軟質の材料、たとえば、シリコーンゴムやウレタンフォーム等のゴム材料を使用することもでき、要するにエアゾール容器10を収容する収容部の形状を保持することができる各種素材を用いることができる。「スリーブ」の用語は、円筒状のエアゾール容器10が収容される筒状の部材の意味で使用している。
スリーブ20は、エアゾール容器10より大径の円筒状のスリーブ本体21と、スリーブ本体21の一方の端部を覆う第1端部カバー部22と、他方の端部に設けられる第2端部カバー部23とで構成されている。
第1端部カバー部22はスリーブ本体21に対してねじ部を介して着脱可能にねじ込み固定される構成で、第2端部カバー部23はスリーブ本体21に対して取り外し不能に固定されている。第2端部カバー部23とスリーブ本体21が一体であってもよい。
第1端部カバー部22は、ドーム状のカバー本体222と、スリーブ本体21のめねじ部にねじ込まれるねじ筒部223とを備えた構成となっている。カバー本体222は、空力特性を考慮して先端に向かって徐々に小径となるように縮径された、先端が丸みを帯びた円錐状、あるいはドーム状の曲面となっている。このように空力特性のよい形状とすることにより、水平方向の風(横風)の影響が小さくなり、飛行の安定化を図ることができる。
エアゾール容器10の底部側に位置する第2端部カバー部23は、一端がスリーブ本体21の後端部(エアゾール容器10の底部側の端部)に固定される筒状部231と、筒状部231の他端を閉塞する端板232とを備えた構成となっている。この第2端部カバー部23には、吐出駆動部30が収納されている。
【0013】
[エアゾール容器10の支持構造]
スリーブ20の内径はエアゾール容器10の胴部11aの外径よりも大きく、エアゾール容器10は、スリーブ20の壁面から離間させて一定の距離をとって支持されている。エアゾール容器10の胴部11aをスリーブ20の内壁と離間させないで支持するようにしてもよいが、スリーブ20の内壁からエアゾール容器10の胴部11aを離間させることにより、離間スペースに断熱材や蓄熱材を介装することができる。図示例では、スリーブ20の内周に、径方向内方に延びる径方向支持部21aが軸方向に複数設けられている。この径方向支持部21aは、周方向に複数設けても部分的に支持してもよい、環状に連続させて全周的に支持するようにしてもよい。
なお、スリーブ20は密閉構造ではなく、一部が通気する構造でもよい。例えば、網目構造、パンチングなどの構造を適用可能である。このようにすれば、エアゾール吐出時の自己冷却を外気で緩和させること、スリーブ20の軽量化を図れること等の効果がある。
一方、エアゾール容器10の底部11bは、容器保持部72に支持され、エアゾール容器10の頭部側は、第1端部カバー部22に設けられた押圧部材221によって支持されている。
押圧部材221は、第1端部カバー部22の頂部からエアゾール容器10の中心軸方向にステム12に向かって突出する筒状体221aと、筒状体221aの一端に設けられ第1端部カバー部22に固定される端部フランジ部221bと備えている。押圧部材221の筒状体221aの内周には、アクチュエータ14とノズル15を連結するチューブ16が軸方向に摺動自在に挿入され、筒状体221aの先端面が、アクチュエータ14のフランジ部14bに当接あるいは近接している。この押圧部材221は、第2端部カバー部23と一体成形してもよい。
【0014】
[吐出駆動部30の構成]
次に、吐出駆動部30について説明する。
この吐出駆動部30は、エアゾール容器のアクチュエータ14を駆動させる駆動機構と、駆動機構を駆動する複数の回転駆動源、この例では2つの回転モータ31A,31Bと
、を有している。駆動機構は、複数の回転モータ31A,31Bうち1つ以上の駆動力、
この実施形態では、2つの回転モータ31A,31Bの駆動力によって、エアゾール容器
10の吐出を実施するように構成される。
駆動機構は、2つの回転モータ31の回転運動を、それぞれ、アクチュエータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構として、2つの独立のカム機構32A、32Bと、軸方向に移動自在の容器保持部72と、により構成される。回転モータ31A,31Bは
、第2端部カバー部23に固定された不図示のフレームに固定されている。カム機構32A,32Bは、それぞれ、回転モータ31A,31Bによって回転駆動されるカム32aと、カム32aのカム面に沿って移動するカムフォロワ32cとを備え、カムフォロワ32cが容器保持部72に設けられている。図示例のカム32aは卵形の円板カムで、カム32aのカム軸はエアゾール容器10の中心軸に対して直交しており、カム32aの回転が、カムフォロワ32cを介して容器保持部72の直線運動に変換される。カム32aは円
板カムなので、カム32aにカムフォロワ32cを常時当接させるためのスプリング等の付勢手段が適宜設けられる。
容器保持部72は、エアゾール容器10の底部11bに当接する円板部72aと、円板部72aの外径端部からエアゾール容器10の胴部11aの底部側の端部を保持する環状凸部72bと、円板部72aのモータ側の面の中央部に設けられる連結軸部72cとを備え、連結軸部72cの端部に直交方向に延びる支持軸72dにカムフォロワ32cが回転自在に支持されている。
【0015】
カム32aは、通常は、最小径部分がカムフォロワ32cに当接していて、容器保持部72が後退限位置にあり、エアゾール容器10のバルブ機構が閉弁状態で保持されている。回転モータ31によってカム32aを回転させることで、容器保持部72が軸方向に前進する。すなわち、容器保持部72の後退限位置で、カムフォロワ32cが当接するカム32aの接触位置は、回転中心からの径が小さく、前進限位置でカムフォロワ32cが当接するカム32aの接触位置は、回転中心から径が大きく設定されている。図示例では、カム32aの最大径部ではなく、最小径部から最大径部への移行部分で開弁するようになっているが、最大径部で開弁するように構成してもよい。
この容器保持部72の前進によって、エアゾール容器10が軸方向頭部側に移動し、このエアゾール容器10の移動によって、アクチュエータ14が押圧部材221の筒状体221aに押し付けられる。押圧部材221はスリーブ20の第1端部カバー部22に固定されているので、筒状体221aからの反力で、ステム12がエアゾール容器10内に押し込まれ、エアゾール容器10内のバルブ機構が開弁される。バルブ機構が開弁すると、ガス圧によって内容物が自動的に吐出される。
[吐出駆動部30の動作]
次に、
図2を参照して、吐出駆動部30の動作について説明する。
図2(A)は2つの回転モータが正常の場合の吐出装置の断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は一つの回転モータが故障した場合の吐出装置の断面図、(D)は(C)のD−D線断面図である。
2つの回転モータ31A,31Bは、正常時には、
図2(A),(B)に示すように、両方が同期して回転駆動し、2つのカム機構32A,32Bによって、容器保持部72を介
してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のステムを押し込んで容器内部のバルブ機構を開弁し、内容物を吐出する。
一方の回転モータ31Bが故障して回転が停止した場合には、
図2(C),(D)に示
すように、一方のカム機構32Bは作動せず(図中、×印)、他方の回転モータ31Aの駆動力だけで他方のカム機構32Aを回転駆動し、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてエアゾール容器10のステムを押し込んで、バルブ機構が開弁される。
【0016】
[バルブ機構の構成]
図3には、上記吐出駆動部30によって開弁されるエアゾール容器10のバルブ機構13の一例を示している。
すなわち、ステム12には、先端開口部から軸方向に所定寸法延びる吐出流路12aが設けられ、ステム12の側面に弁孔となるステム孔12bが開口しており、このステム孔12bがマウンティングカップ11dの挿通孔の孔縁に装着されたガスケット13aの内周面によって封止されている。
通常は、ガス圧とスプリング13bの付勢力でステム12が突出方向に付勢され、弁体となるガスケット13aの内周縁を軸方向に押圧することで、ガスケット13aの内周面が弁座を構成するステム孔12bの孔縁に密接して閉弁状態に維持されている。
上記した吐出駆動部30のカム機構32によって、容器保持部72が前進限に移動すると、エアゾール容器10が第1端部カバー部22側に移動し、フランジ付きのアクチュエータ14のフランジ部14bが押圧部材221の端面に当接し、その反力によってステム12が相対的に容器内方に向かって押し込まれる。ステム12が押し込まれると、ガスケ
ット13aの内周縁が容器の内方に向けて撓み、ガスケット13aの内周面がステム孔12bの孔縁から離れて開弁し、ガス圧で押された内容物がステム12の吐出流路12aから吐出される。
図示例のバルブ機構13は一例であり、このような構成に限定されるものではなく、通常は閉弁状態を維持し、ステム12を押し込むことによって開弁する種々の構成を適用することができる。
この例では、カム機構32によって回転モータ31の回転運動を直線運動に変換するようになっているが、カム機構32に限定されるものではなく、たとえば、ねじ送り機構や、ラックアンドピニオン等、回転モータ31の回転運動を直線運動に変換する機構であれば適用可能である。また、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータや、電磁ソレノイド等の直線駆動源を用い、運動変換機構を用いることなく、エアゾール容器10を軸方向に移動させる構成とすることもできる。
【0017】
[電気設備]
次に、
図1(A)に戻って、上記吐出駆動部30を駆動するための電気設備について説明する。
図1(A)には、飛行体に搭載される電気設備について、概念的に記載している。
吐出駆動部30や不図示のカメラ等の搭載装置を制御する搭載装置制御部210が、飛行体100の飛行を制御する飛行制御部110とは別に設けられており、飛行制御部110と共に、機体101側に設けられている。また、吐出駆動部30を駆動するための搭載装置用電源211が、飛行体100を駆動するための電源(飛行制御部110に組み込まれているものとし、図示せず)とは別に設けられ、機体101側に搭載されている。
また、吐出装置1やカメラを遠隔操作するためのアンテナを含む搭載装置用通信部212が、飛行体100を遠隔操作するためのアンテナを含む飛行用通信部112とは別に設けられ、機体101に搭載されている。
搭載装置制御部210、搭載装置用通信部212及び搭載装置用電源211は、飛行制御部110、飛行用通信部112及び飛行用電源の一部、あるいは全てに、その役割を持たせてもよい。
【0018】
[機体との支持構造]
エアゾール容器組立体40の機体101への取付けは、特に図示しないが、たとえば、スライドレールとT形溝のスライド式の嵌合構造、バヨネット結合のような回転方向に掛け外しが可能な構成としてもよいし、ねじ止め、クリップ結合、クランプ等、取り外しと取り付けを容易化した種々の支持手段を適用可能である。
機体101側に配置された搭載装置制御部210及び搭載装置用電源211と吐出駆動部30の回転モータ31A,31B等と電気的に接続する電気接点を設けてもよいし、ス
リーブ20から機体101に配置されたコネクタにケーブルなどで直接接続してもよい。他にも、スリーブ20内に二次電池などの電源および無線通信機を有し、機体101側に配置された飛行制御部110からの電気信号を無線通信により、スリーブ20内の搭載装置制御部210と送受信してもよい。
【0019】
[撒布作業]
撒布作業は、たとえば
図4に示すように、飛行体100の飛行は操縦端末120により遠隔操作され、吐出装置1は、操作端末160により遠隔操作される。操作端末160は飛行体100に搭載されたカメラ106のコントローラとしても使用される。操作端末160には、たとえば、吐出ボタン163や停止ボタン164が設けられ、操作者はディスプレイ167上の画像を見ながら、吐出ボタン163を押すと、吐出指令信号が送信され、飛行体100に搭載された搭載装置用通信部212に受信される。受信された吐出指令信号に基づいて、搭載装置制御部210により吐出駆動部30が駆動され、エアゾール容器10のステム12が押し込まれて内容物が吐出される。停止ボタン164を押すと、停
止指令信号が送信され、吐出駆動部30によってステム12の押し込みが開放されて吐出が停止する。
吐出と停止の切り替えは、ボタンの操作だけでなく、予め記憶されたプログラムに従って、自動的に切り替えることもできる。たとえば、航路を予めプログラムしておいて、GPSからの信号によって、地図上の位置及び高度計によって高さを検出し、所定の位置に達すると吐出を開始し、所定のエリアの吐出が終了すると吐出を停止するようにすることもできる。
本実施形態1では、吐出駆動部30の回転モータ31A,31B及びカム機構32A,32Bが2組あり、一つの回転モータが故障した場合でも、他方の回転モータ及びカム機構32によって吐出駆動部30が作動して正常に内容物の撒布作業を行うことができるので、作業に支障をきたすことが無く、信頼性向上を図ることができる。
【0020】
次に、本発明の吐出装置の他の実施形態について説明する。以下の説明では上記実施形態と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明は省略するものとする。
[実施形態2]
図5は、本発明の実施形態2に係る吐出装置を示している。
図5(A)は、本発明の実施形態2に係る吐出装置の断面図及び制御ブロック図、(B)は、2つの回転モータが正常の場合の説明図、(C)は、一つの回転モータが故障した場合の説明図である。
この実施形態2は、上記端部かなー実施形態1の吐出駆動部30の搭載装置制御部210に、2つの回転モータ31A,31Bの故障を検知する検知部2101と、検知部21
01により故障を検知した場合に故障を報知する手段である報知部2102を設けたものである。
すなわち、回転モータ31A,31Bは、
図5(A)の搭載装置制御部210からの制
御信号によって、モータドライバ2102A,2102Bを介して駆動されるようになっ
ており、回転モータ31A,31Bの回転位置や、電流等の情報が、搭載装置制御部21
0にフィードバックされる構成となっている。この例では、
図5(B)に示すように、回転モータ31A,31Bにはヒューズ等の電流遮断器2103A,2103Bが設けられている。
故障の検知は、搭載装置制御部210にフィードバックされるモータ電流から消費電力を演算し、予め定めた正常範囲から外れると故障と判断、故障が検知されると、報知部に報知信号を発するようになっている。
すなわち、回転モータが正常の場合には、
図5(A)に示すように、2つの回転モータ31A,31Bの消費電力は同じである。
いずれかの回転モータ31A,31Bが故障した場合、たとえば、
図5(B)に示すよ
うに、回転モータ31Aが故障し、回転モータ31Bが正常の場合、断線等による電力損失の場合には、回転モータ31A側の消費電力はゼロとなり、正常範囲から外れ、また、回転モータ31Bも、回転モータ31Aの仕事分の負荷が増加するため、消費電力が増加し、正常範囲から外れる。一方、故障前であっても異常電流が流れれば、回転モータ31Aの消費電力量は異常値となり、正常範囲から外れる。また、ショートしてヒューズ等の電流遮断器2103Aによって回路が遮断されれば、電力消費はゼロとなり、正常範囲から外れる。
【0021】
図6には、報知部2102の一例を示している。
図6(A)は、光によって、故障を知らせる手段として、LED等の警告灯24を、回転モータ31A,31Bが収納されているスリーブ20の第2端部カバー部23の側面に
、警告シンボル25と共に設けた例である。
図6(B)は、音によって、故障を知らせる手段として、スピーカ26を、回転モータ31A,31Bが収納されているスリーブ20の第2端部カバー部23の側面に、警告シ
ンボル25と共に設けた例である。
なお、警告シンボル25は、無くてもよい。
【0022】
[実施形態3]
図7は、本発明の実施形態3に係る吐出装置を示しており、(A)は主回転軸と直交方向から見た断面図、(B)は主回転軸と平行方向からみた断面図である。
この実施形態は、複数の回転モータ31A,31Bは、それぞれの回転運動が合流し、
回転される駆動側の主回転軸33を備え、主回転軸33はカム機構32に接続される構成となっている。この例では、2つの回転モータ31A,31Bで、一つのカム機構32を
回転駆動するように構成されている。この場合、回転モータ31A,31Bは自己保持機
能がなく、停電時や、故障した場合に、駆動軸が自由に回転するものとする。
2つの回転モータ31A,31Bは、正常時には、
図7(A)に示すように、両方が同
期して回転駆動し、一つのカム機構32によって、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構を開弁している。
一方のモータ31が故障した場合には、故障したモータ31と主回転軸33とは空回りし、正常のモータ31のみで主回転軸33が回転駆動し、カム機構32を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構が開弁される。
【0023】
[実施形態4]
図8は、本発明の実施形態4に係る吐出装置を示しており、(A)は吐出前
の断面図、(B)は吐出状態
の断面図である。
この実施形態4では、吐出駆動部430の駆動機構が、回転モータ31の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構がカム機構ではなく、送りねじ機構35が用いられている点で、実施形態3と異なる。
送りねじ機構35は、容器保持部72に固定されるねじ軸351と、ねじ軸351と噛合う回転部材352とを備えている。ねじ軸351は、エアゾール容器10の中心軸の延長線に沿って延び、一端が容器保持部72に固定されている。回転部材352は、軸方向には固定で、回転方向には可動であり、内周には、ねじ軸351のねじが噛み合うめねじ(不図示)が設けられ、外周には、外歯歯車を構成する歯が設けられている。
2つの回転モータ351A,351Bは、モータ軸311がねじ軸351と平行となる
ように配置され、モータ軸311A,311Bに回転部材352の外周の外歯に噛み合う
歯車353A,353Bが固定されている。2つの回転モータ351A,351Bは、同期して同一の回転方向に回転し、一つの回転部材352を回転駆動する。この回転部材352が主回転部材となる。
この回転部材352の回転によって、回転方向には移動不能に保持されるねじ軸351が軸方向に移動し、容器保持部72を介して、エアゾール容器10を頭部側に移動させて、ステム12を容器内に押し込んで開弁して吐出、また、回転部材352を逆回転させることで、エアゾール容器10を底部側に移動させてステム12の押し込みを解除して閉弁させることができる。
2つの回転モータ31A,31Bは、正常時には、両方が同期して回転駆動し、一つの
送りねじ機構35によって、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げる。
一方の回転モータが故障した場合、たとえば、回転モータ351Aが故障すると、故障した回転モータ351Aとモータ軸311Aは空回りし、正常の回転モータ351Bのみで主回転部材である回転部材352が回転駆動し、送りねじ機構35を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構が開弁される。
【0024】
[実施形態5]
図9は、本発明の実施形態5に係る吐出装置を示しており、(A)は主回転軸と直交方向から見た断面図、(B)は主回転軸と平行方向からみた断面図である。
この実施形態5では、実施形態3と同様に、カム機構32の主回転軸33を複数の回転
モータ31によって回転駆動させるものであるが、実施形態3と異なり、主回転軸33に対して、左右2個ずつ、計4個の回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2が
設けられている点で相違する。
すなわち、主回転軸33の両端に中間歯車313A,313Bが取り付けられ、この中
間歯車313A,313Bに、左右それぞれ2つの回転モータ31A1,31A2;31
B1,31B2のモータ軸311A1,311A2;311B1,311B2に設けた歯車
312A1,312A2;312B1,312B2が噛み合っている。この場合も、実施形態3と同様に、回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2は自己保持機能がな
く、停電時や、故障した場合に、駆動軸が自由に回転するものとする。
正常時には、4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2全てが同期し
て回転駆動し、一つのカム機構32を動作させて、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構を開弁している。
4個の回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2のうち、たとえば回転モー
タ31A1が故障した場合には、故障した回転モータ31A1のモータ軸311A1は空回りし、残りの3個の正常の回転モータ31のみで主回転軸33が回転駆動し、一つのカム機構32を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構が開弁される。この場合、3個の回転モータ31が故障した場合まで吐出作業を実行することができる。
【0025】
[実施形態6]
図10は、本発明の実施形態6に係る吐出装置を示している。(A)は、吐出装置の断面図、(B)は(A)の一方向クラッチの一例を示す説明図、(C)
は一方の回転モータが故障して停止した状態の説明図である。
この実施形態6も、実施形態3と同様に、2つの回転モータ31A,31Bによって一
つのカム機構32を駆動する構成であるが、この実施形態6では、回転モータ31A,3
1Bのモータ軸311A,311Bが、故障した際に自己保持されて回転しない場合に適
用される実施形態である。
すなわち、2つの回転モータ31A,31Bのモータ軸311A,311Bは、一方向クラッチ60A,60Bを介して、主回転軸33に連結されている。
図10(B)は、公知の一方向クラッチ60A,60Bの一例を示している。一方向ク
ラッチは、駆動側部材61と被動側部材62とを備え、駆動側部材61の一方向の回転、たとえば、図中、実線矢印に示す反時計回り方向の回転は、被動側部材62に伝達されるが、駆動側部材61の逆方向の回転、すなわち、図中破線矢印に示す時計回り方向の回転は、被動側部材62には伝達されないように構成されている。
図示例は、駆動側部材61の内周に設けた内歯61aを傾け、被動側部材62に内歯61aに係合する爪62aを揺動自在に設けると共に、爪62aをばね部材62bで内歯61aに押し付けるように付勢した構成で、一方向には爪62aが内歯61aに引っ掛かって駆動力が伝達され、反対方向には爪62aが内歯61aに噛み合わず、空回りするものである。この一方向クラッチの構成は一例であって、このような構成に限定されるものではなく、公知の種々の一方向クラッチを適用可能である。
一方向クラッチ60A,60Bの回転が伝達される方向は、回転モータ31A,31Bによって、カム32aの吐出動作における回転方向に合わせて設定される。たとえば、
図10(
B)に示すように、図中、反時計方向がカム32aの吐出動作の回転方向であれば、各一方向クラッチ60A,60Bのトルクが伝達される方向は、回転モータ31A,31Bに向かって、反時計回りの回転方向に設定される。
2つの回転モータ31A,31Bは、正常時には、
図10(A)に示すように、両方が
同期して回転駆動し、一方向クラッチ60A,60Bを介してカム32aを回転駆動し、
容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構が開弁する。
一方、2つの回転モータ31A,31Bのうち、たとえば、一方の回転モータ31Aが
故障した場合には、故障した回転モータ31Aのモータ軸311Aが停止した場合、
図10(C)に示すように、停止した回転モータ31Aのモータ軸311Aに対して、正常に回転している回転モータ31Bによって、主回転軸33が回転しているので、一方向クラッチ60Aの被動側部材が主回転軸33の回転方向に同期して回転する。しかし、一方向クラッチ60Aは、駆動側部材との関係では、互いに噛み合わない方向に回転することとなり空回りする。したがって、正常の回転モータ31のみで主回転軸が回転駆動し、カム機構32を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構が開弁される。
吐出動作が終了すると、2つの回転モータ31A,31Bをそのまま回転させる。する
と、カム32aの角度は初期角度へと戻り、容器保持部72は、容器支持部を底部方向に戻すスプリング等の付勢力によって後退する。そうして、エアゾール容器10のバルブ機構は閉弁する。
【0026】
[実施形態7]
図11は、本発明の実施形態7に係る吐出装置の断面図である。
この実施形態7も、実施形態5と同様に、4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2によって一つのカム機構32を駆動する構成であるが、この実施形態7で
は、回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2のモータ軸311A1,311A2;311B1,311B2が、故障した際に自己保持されて回転しない場合に適用され
る実施形態である。
すなわち、4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2は、一方向クラ
ッチ60A1,60A2;60B1,60B2を介して、歯車312A1,312A2;312B1,312B2に連結されている。
4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2は、正常時には、
図11(
A)に示すように、すべてが同期して回転駆動し、一方向クラッチ60A1,60A2;60B1,60B2を介してカム32aを回転駆動し、容器保持部72を介してエアゾー
ル容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構を開弁する。
仮に、一つの回転モータ31B2が故障した場合、故障した回転モータ31B2のモータ軸311B2が停止し、一方向クラッチ60B2の被動側部材が主回転軸33の回転方向に同期して回転するものの、駆動側部材との関係では、互いに噛み合わない方向となり空回りする。したがって、正常の回転モータ31A1,31A2;31B1のみで主回転軸33が回転駆動し、カム機構32を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構を開弁することができる。
【0027】
[実施形態8]
図12は、本発明の実施形態8に係る吐出装置を示している。(A)は、吐出装置の断面図、(B)は差動歯車装置の拡大図である。
この実施形態8も、実施形態3と同様に、2つの回転モータ31A,31Bによって一
つのカム機構32を駆動する構成であるが、この実施形態8では、回転モータ31A,3
1Bのモータ軸311A,311Bが、故障した際に自己保持されて回転しない場合に適
用される実施形態である。
この実施形態8の場合には、2つの回転モータ31A,31Bが、差動歯車機構80を
介して、主回転軸33を回転させる構成となっている。
差動歯車機構80は、各回転モータ31A,31Bのモータ軸311A,311Bに連結するサイドギア81A,81Bと、サイドギア81A,81Bに噛み合うピニオンギア82と、ピニオンギア82の軸が固定されるケース83と、ケース83に固定されるリングギア84と、リングギア84に噛み合う出力側ピニオン85と、を備え、出力側ピニオン85が、カム32aが固定される主回転軸33に固定されている。
本実施形態の場合には、2つの回転モータ31A,31Bが、正常時には、サイドギア
81A,81Bとの間に回転差が無く、サイドギア81A,81Bに噛み合うピニオンギア
82を介してケース83が回転し、ケース83に固定されるリングギア84が回転して、リングギア84と噛合う出力側ピニオン85が回転し、主回転軸33を介してカム32aが回転駆動される。このカム32aの回転によって、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構を開弁する。
仮に、一つの回転モータ31Aが故障し、故障した回転モータ31Aのモータ軸311Aが停止した場合、一方のサイドギア81Aの回転数がゼロとなり、正常な回転モータ31側のサイドギア81Bのみが回転し、ピニオンギア82が停止したサイドギア81Aの外周を転がるように公転してケース83を回転させ、ケース83に固定されるリングギア84が回転し、リングギア84と噛合う出力側ピニオン85が回転し、主回転軸33を介してカム32aが回転駆動される。
したがって、異常な回転モータ31Aが停止したままで、正常の回転モータ31Bのみで主回転軸33が回転駆動し、カム機構32を作動させ、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構を開弁することができる。
また、差動歯車機構80を用いた場合、各回転モータ31A,31Bが正常の場合でも
、それぞれの回転モータ31A,31Bの回転速度が異なっている場合に、回転差を吸収
することができるという効果も有している。
【0028】
[実施形態9]
図13は、本発明の実施形態9に係る吐出装置を示しており、
図13(A)は、使用中の回転モータが正常の状態、(B)は、使用中の回転モータが故障により電磁クラッチを切り替える場合の説明図、(C)は切替え制御の制御ブロック図である。
この実施形態9も、実施形態5と同様に、4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2によって一つのカム機構32を駆動する構成であるが、この実施形態9で
は、4つの回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2が、電磁クラッチ90A
1,90A2;90B1,90B2を介して、歯車312A1,312A2;312B1,312B2に連結されている点で相違している。電磁クラッチ90A1,90A2;90B
1,90B2は、駆動側部材と被動側部材間の動力の伝達を、電磁力を利用して切り替え
る構成であり、たとえば、電磁力によって摩擦板を吸引する形式でもよいし、電磁誘導作用によって動力を伝達するような形式でもよく、公知の種々の方式の電磁クラッチを適用可能である。
制御構成は、
図5と同様に、各回転モータ31A1,31A2;31B1,31B2は
、搭載装置制御部210によって制御され、この実施形態では、一つの電磁クラッチ90B2をオンに、他の電磁クラッチ90A1,90A2;90B1はオフとし、一つの回転
モータ31B2によってカム32aを駆動するようになっている。どの回転モータ31B2を使用するかは予め任意に設定される。
この搭載装置制御部210には、複数の回転モータ31A1,31A2;31B1,3
1B2の故障を検知可能な検知部2101と、検知部2101により使用中の回転モータ31B2の故障を検知した場合、他の電磁クラッチ90B1をオンにして他の回転モータに切り替える切り替え手段としての電磁クラッチ切換部2104とを備えている。
正常時には、
図13(A)に示すように、一つの回転モータ31B2に対応する電磁クラッチ90B2のみを接続状態とし、他の電磁クラッチ90A1,90A2,90B1は切り離されている。他の回転モータ31A1,31A2;31B1は、回転駆動させなくてもよいし、回転駆動させておいてもよい。
この接続状態の電磁クラッチ90B2によって、一つの回転モータ31B2の駆動力によって、カム32aを回転駆動し、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側に押し上げて、エアゾール容器10のバルブ機構を開弁する。
この使用中の回転モータ31B2が故障した場合、
図13(C)に示すように、検知部2101によって故障が検知されるので、現在接続されている電磁クラッチ90B2を切り離し、故障していない他の回転モータに対応する電磁クラッチ90B1を接続状態とすると共に正常の回転モータ31B1を回転駆動する。この切り替わった正常な回転モータ
31B1によって、主回転軸33が回転駆動し、カム機構32を作動させることができる。
【0029】
図14には、本発明の実施形態10に係る吐出装置を示しており、(A)は本発明の実施形態10に係る吐出装置の断面図及び制御ブロック図、(B)は、2つの回転モータが正常の場合の説明
図である。
この実施形態10は、実施形態1〜9とは異なり、駆動源を直線駆動用の駆動源として2つのリニアアクチュエータ37A,37Bとした例である。すなわち、各リニアアクチ
ュエータ37A,37Bのアクチュエータ本体37A1,37B1が固定され、アクチュエータ本体37A1,37B1に対して軸方向に移動する可動部材37A2,37B2の一端が、エアゾール容器10を保持する容器保持部72に固定されている。可動部材37A2,37B2の移動方向はエアゾール容器10の中心軸と平行方向である。
リニアアクチュエータ37A,37Bとしては、エアシリンダ、ソレノイドアクチュエ
ータを用いることができる。
このリニアアクチュエータ37A,37Bのアクチュエータドライバ37A4,37B4は、エアシリンダの場合には、エアシリンダの空気圧回路に設けられた電磁弁を制御し、ソレノイドアクチュエータの場合には、ソレノイドの電磁コイルが制御される。
2つのリニアアクチュエータ37Aが、正常時には、両方が同期して可動部材37A2,37B2が直線方向に駆動され、容器保持部72を介してエアゾール容器10を頭部側
に押し上げて、バルブ機構を開弁する。
一方のリニアアクチュエータ37Aが故障した場合には、故障したリニアアクチュエータ37Aは駆動しないが、正常のリニアアクチュエータ37Bの可動部材37B2の伸長に従動して、故障したリニアアクチュエータ37Aが伸長し、正常なリニアアクチュエータ37Bの駆動力によって、エアゾール容器10を頭部側に押し上げてバルブ機構が開弁される。
【0030】
また、搭載装置制御部210には、実施形態2の
図5と同様に、複数のリニアアクチュエータ37A,37Bの故障を検知する検知部2101と、検知部2101により故障を
検知した場合に故障を報知する報知部2102が設けられる。
すなわち、リニアアクチュエータ37A,37Bは、
図14(
A)に示すように、搭載
装置制御部210から制御信号によって、アクチュエータドライバ37A4,37B4を
介して駆動されるようになっており、リニアアクチュエータ37A,37Bの可動部材3
7A2,37B3の位置や、電流等の情報が、搭載装置制御部210にフィードバックさ
れる構成となっている。この例では、
図14(B)に示すように、各リニアアクチュエータ37A,37Bにはヒューズ等の電流遮断器2103A,2103Bが設けられている。
故障の検知は、搭載装置制御部210にフィードバックされる電流値から消費電力を演算し、予め定めた正常範囲から外れると故障と判断、故障が検知されると、報知部に報知信号を発するようになっている。
すなわち、リニアアクチュエータ37A,37Bが正常の場合には、リニアアクチュエ
ータ37A,37Bの消費電力は同じである。いずれかのリニアアクチュエータ37A,37Bが故障した場合、断線等で電力損失の場合には、消費電力はゼロとなり正常範囲から外れる。一方、異常電流が流れれば、電力量も異常値となり、正常範囲より大きくなる。また、ショートしてヒューズ等の電流遮断器によって回路が遮断されれば、電力消費はゼロとなり、正常範囲より小さくなる。故障していない他方のリニアアクチュエータに対しては、加わる負荷が大きくなるので、消費電力は単純に増えるだけで、正常範囲内に収まる。
【0031】
その他構成例
上記各実施形態では、回転モータと、回転運動と直線運動に変換する運動変換機構との
組み合わせと、リニアアクチュエータを備えた駆動機構とを、別に設けた例について説明したが、これらを組み合わせた複合構成としてもよい。たとえば、
図15には、回転モータ31と運動変換機構であるカム機構32とを備えた駆動機構と、リニアアクチュエータ37を備えた駆動機構を並列に配置した構成例である。カム機構に限定されるものではなく、
図15に示した送りねじ機構を備えた駆動機構と、リニアアクチュエータを備えた駆動機構を組み合わせた構成とすることもできる。
【0032】
適用分野
なお、上記説明は、本発明の吐出装置を飛行体に搭載した例について説明したが、飛行体に搭載する例に限らず、例えば、特許文献2(特開2017−99299公報)に記載のような、動物忌避装置等、据え置き型で、内容物を自動的に吐出する吐出装置として利用できる。
図16は、据え置き型の吐出装置の構成例である。この吐出装置の構成は、基本的に実施形態1と同じ構成としているが、これに限定されるものではなく、上記した実施形態1〜11の構成はすべて適用可能である。