特許第6908180号(P6908180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6908180
(24)【登録日】2021年7月5日
(45)【発行日】2021年7月21日
(54)【発明の名称】MALDIイオン源
(51)【国際特許分類】
   H01J 49/16 20060101AFI20210708BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20210708BHJP
【FI】
   H01J49/16 400
   G01N27/62 G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-509623(P2020-509623)
(86)(22)【出願日】2018年12月4日
(86)【国際出願番号】JP2018044582
(87)【国際公開番号】WO2019187353
(87)【国際公開日】20191003
【審査請求日】2020年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2018-59654(P2018-59654)
(32)【優先日】2018年3月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】志知 秀治
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0245453(US,A1)
【文献】 米国特許第07180058(US,B1)
【文献】 特開2007−127653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 49/16
G01N 27/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MALDIにより試料をイオン化させるMALDIイオン源であって、
内部に試料が設置されるチャンバと、
前記チャンバの外部に設けられ、レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記チャンバの外部に設けられ、前記レーザ光が照射された前記チャンバ内の試料からの光を受光するカメラと、
前記チャンバの外部に設けられ、前記チャンバ内に入射する前記レーザ光の光軸と、前記レーザ光が照射された試料から前記カメラに向かう光の光軸とを同軸上にする光学素子と、
前記光学素子と試料との間に設けられた第1レンズとを備え
前記チャンバには、前記レーザ光及び当該レーザ光が照射された試料からの光が通過する開口が形成されており、
前記第1レンズは、前記開口を覆うようにして設けられた窓部材を構成しており、
前記第1レンズには、凸湾曲面及び平坦面が形成されており、前記凸湾曲面は前記第1レンズにおける外方側の面であり、前記平坦面は前記第1レンズにおける内方側の面であることを特徴とするMALDIイオン源。
【請求項2】
前記カメラは、試料からの光を受光する撮像素子と、前記撮像素子に入射する光が通過する少なくとも1つの第2レンズとを有し、
前記第1レンズと前記撮像素子との距離、又は、前記第1レンズと前記第2レンズとの距離を調整するための調整機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のMALDIイオン源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MALDIにより試料をイオン化させるMALDIイオン源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、MALDIにより試料をイオン化させるMALDIイオン源が利用されている。例えば、質量分析装置にMALDIイオン源を用いる場合には、試料に対してレーザ光が照射されて、試料がイオン化される。そして、イオン化された試料は、チャンバ内で質量電荷比に応じて時間的に分離され、イオン検出器により順次検出される(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
図3は、従来のMALDIイオン源200の構成例を示した概略図である。従来のMALDIイオン源200は、チャンバ201と、レーザ光源202と、カメラ203とを備えている。レーザ光源202及びカメラ203のそれぞれは、チャンバ201と間隔を隔てて配置されている。
【0004】
チャンバ201の周壁には、窓板206,207が設けられている。チャンバ201では、窓板207が設けられる部分と異なる部分(異なる壁面)に、窓板206が設けられている。レーザ光源202は、窓板206と間隔を隔てて配置されている。レーザ光源202と窓板206との間には、レンズ208が設けられている。カメラ203は、窓板207と間隔を隔てて配置されている。カメラ203は、レンズ209と、レンズ209を収容する調整筒210とを備えている。
チャンバ201には、サンプルプレート220上に載置された試料、及び、ミラー221が収容されている。
【0005】
MALDIイオン源では、レーザ光源202から出射されたレーザ光が、レンズ208を通過することによって集光される。また、そのレーザ光は、窓板206を通過してチャンバ201内に入り、ミラー221で反射されてサンプルプレート220上の試料に照射される。また、試料からの光は、窓板207を通過して、カメラ203で受光される。このとき、カメラ203のレンズ209の焦点距離は、調整筒210によって調整される。そして、カメラ203での撮像結果に基づいて、レーザ光の照射位置が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−298668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来のMALDIイオン源200では、部品点数が多くなるという不具合や、各部品を配置するためのスペースが必要になるという不具合が生じる。そこで、図4に示すMALDIイオン源400の構成にすることも考えられる。なお、図4のMALDIイオン源400では、図3のMALDIイオン源200と同一の部材については、同一の符号を付している。
【0008】
図4に示すMALDIイオン源400では、カメラ203と窓板207と間のスペースに、ダイクロイックミラー401が設けられている。また、MALDIイオン源400では、レーザ光源202は、ダイクロイックミラー401と間隔を隔てて配置されており、レンズ208は、ダイクロイックミラー401とレーザ光源202との間に配置されている。チャンバ201には、上記した窓板206及びミラー221が設けられていない。
【0009】
このMALDIイオン源400では、レーザ光源202から出射されたレーザ光は、レンズ208を通過することによって集光された後、ダイクロイックミラー401で反射され、窓板207を通過してチャンバ201内に入る。そして、チャンバ201内に入った光は、サンプルプレート220上の試料に照射される。また、試料からの光は、窓板207を通過して、カメラ203で受光される。
【0010】
このとき、上記した場合と同様に、調整筒210によってカメラ203のレンズ209の焦点距離が調整される。ここで、MALDIイオン源400の構成の場合には、カメラ203のレンズ209から試料までの距離L1(作動距離)が、図3に示すMALDIイオン源200の構成の場合よりも長くなってしまう。そのため、カメラ203のレンズ209の焦点距離L2を長くする必要があり、カメラ203から試料までの領域で大きなスペースが必要となってしまう(図4における上下方向の寸法が大きくなってしまう)。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らすことができ、かつ、小型化を実現できるMALDIイオン源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係るMALDIイオン源は、MALDIにより試料をイオン化させるMALDIイオン源である。前記MALDIイオン源は、チャンバと、レーザ光源と、カメラと、光学素子と、第1レンズとを備える。前記チャンバは、内部に試料が設置される。前記レーザ光源は、前記チャンバの外部に設けられ、レーザ光を出射する。前記カメラは、前記チャンバの外部に設けられ、前記レーザ光が照射された前記チャンバ内の試料からの光を受光する。前記光学素子は、前記チャンバの外部に設けられ、前記チャンバ内に入射する前記レーザ光の光軸と、前記レーザ光が照射された試料から前記カメラに向かう光の光軸とを同軸上にする。前記第1レンズは、前記光学素子と試料との間に設けられる。
【0012】
このような構成によれば、光学素子と試料との間に設けられた第1レンズを、レーザ光源からの光を集光するためのレンズとして用いることができるとともに、カメラ用のレンズとして用いることができる。
そのため、MALDIイオン源における部品点数を減らすことができる。
また、レーザ光源と光学素子との間にレンズを設ける必要がないため、レーザ光源と光学素子との間の距離を短くすることができる。
そのため、MALDIイオン源の小型化を実現できる。
【0013】
(2)また、前記チャンバには、前記レーザ光及び当該レーザ光が照射された試料からの光が通過する開口が形成されていてもよい。前記第1レンズは、前記開口に設けられた窓部材を構成していてもよい。
【0014】
このような構成によれば、MALDIイオン源における部品点数をさらに減らすことができる。
【0015】
(3)また、前記第1レンズは、少なくとも一方の面に凸湾曲面を有してもよい。
このような構成によれば、第1レンズによってレーザ光源からの光を良好に集光できる。
【0016】
(4)また、前記カメラは、撮像素子と、少なくとも1つの第2レンズとを有してもよい。前記撮像素子は、試料からの光を受光する。前記第2レンズには、前記撮像素子に入射する光が通過する。前記MALDIイオン源は、調整機構をさらに備えてもよい。前記調整機構は、前記第1レンズと前記撮像素子との距離、又は、前記第1レンズと前記第2レンズとの距離を調整する。
【0017】
このような構成によれば、第1レンズと撮像素子との距離、又は、第1レンズと第2レンズとの距離を調整機構により調整することで、試料からの光を撮像素子で精度よく撮像できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学素子と試料との間に設けられた第1レンズを、レーザ光源からの光を集光するためのレンズとして用いることができるとともに、カメラ用のレンズとして用いることができる。そのため、MALDIイオン源における部品点数を減らすことができる。また、レーザ光源と光学素子との間にレンズを設ける必要がないため、レーザ光源と光学素子との間の距離を短くすることができる。そのため、MALDIイオン源の小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るMALDIイオン源を用いた質量分析装置の構成を示した概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るMALDIイオン源の構成例を示した概略図である。
図3】従来のMALDIイオン源の構成例を示した概略図である。
図4図3のMALDIイオン源の構成を一部変更したMALDIイオン源を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.質量分析装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係るMALDIイオン源1を用いた質量分析装置10の構成を示した概略図である。質量分析装置10は、例えば、生体試料等の混合物試料からペプチドを始めとする高分子化合物を同定する際に使用可能である。質量分析装置10は、例えば、マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオントラップ飛行時間型質量分析装置(MALDI−IT−TOFMS)である。
質量分析装置10は、例えば、MALDIイオン源1、イオントラップ12及びTOFMS(飛行時間型質量分析計)13及び本体100を備えている。
【0021】
本体100は、中空状に形成されている。本体100内に、MALDIイオン源1、イオントラップ12及びTOFMS13などが設けられている。本体100内には、例えば、第1チャンバ101及び第2チャンバ102が形成されている。この例では、第1チャンバ101は、MALDIイオン源1を収容する空間を形成している。一方、第2チャンバ102は、イオントラップ12及びTOFMS13を収容する空間を形成している。
【0022】
第1チャンバ101及び第2チャンバ102は、開口103を介して互いに連通している。すなわち、第1チャンバ101と第2チャンバ102とは、区画壁104を介して区画されており、当該区画壁104に形成された開口103を介して互いに連通している。
第1チャンバ101内及び第2チャンバ102内は、図示しない真空ポンプなどにより真空状態となる。
【0023】
MALDIイオン源1は、試料をイオン化し、得られたイオンをイオントラップ12に供給する。試料は、例えば、サンプルプレート111上に濃縮された状態で準備され、分析の際にサンプルプレート111ごとMALDIイオン源1にセットされる。
イオントラップ12は、例えば、三次元四重極型である。
TOFMS13には、飛行空間131が形成されている。また、TOFMS13には、イオン検出器132が設けられている。
【0024】
質量分析装置10を使用する際には、まず、MALDIイオン源1において、MALDI(マトリックス支援レーザ脱離イオン化法)を用いて試料にレーザが照射される。これにより、試料がマトリックスとともに真空中で気化され、試料とマトリックスとの間のプロトンの授受によって試料がイオン化される。
【0025】
そして、MALDIイオン源1で得られたイオンがイオントラップ12で捕捉される。イオントラップ12では、捕捉したイオンの一部を選択的にイオントラップ12内に残し、CID(衝突誘起解離)により開裂させる。このようにして開裂されたイオンは、イオントラップ12からTOFMS13に供給される。
【0026】
TOFMS13では、飛行空間131を飛行したイオンがイオン検出器132により検出される。具体的には、飛行空間131に形成された電場により加速されたイオンが、当該飛行空間131を飛行する間に質量電荷比に応じて時間的に分離され、イオン検出器132により順次検出される。これにより、質量電荷比とイオン検出器132における検出強度との関係がスペクトルとして測定され、質量分析が実現される。
【0027】
2.MALDIイオン源の構成
図2は、MALDIイオン源1の構成例を示した概略図である。
MALDIイオン源1は、レーザ光源2と、チャンバ3と、カメラ4とを備えている。レーザ光源2及びカメラ4のそれぞれは、チャンバ3と間隔を隔てて配置されている。
チャンバ3は、箱状に形成されている。チャンバ3は、壁部31と段差部32とを備えている。
【0028】
壁部31は、チャンバ3の周壁として形成されている。
段差部32は、チャンバ3の壁部31の一部分から内方に向かって(中心側に向かって)窪んでいる。すなわち、段差部32は、壁部31に設けられる凹部である。段差部32には、開口321が形成されている。段差部32には、開口321を覆うようにして、レンズ6が設けられている。具体的には、段差部32の外縁部には、Oリング5が設けられている。そして、段差部32との間でOリング5を挟むようにしてレンズ6が配置されている。なお、チャンバ3内は、図示しない真空ポンプにより、適宜真空状態に保たれてもよい。
【0029】
レンズ6には、凸湾曲面61及び平坦面62が形成されている。凸湾曲面61は、レンズ6における外方側の面(チャンバ3の外方側を向く面)である。凸湾曲面61は、外方側に向かって膨らむように湾曲している。平坦面62は、レンズ6における内方側の面(チャンバ3の内方側を向く面)である。平坦面62は、Oリング5に当接している。レンズ6は、開口321を閉塞する窓部材を構成している。また、レンズ6は、後述するように、レーザ光源2からのレーザ光を集光するためのレンズとして機能するとともに、カメラ4用のレンズとしても機能する。レンズ6が、第1レンズの一例を構成している。
【0030】
チャンバ3内には、サンプルプレート111上に載置された試料が収容されている。サンプルプレート111(サンプルプレート111上に載置された試料)は、開口321に対向している。
【0031】
カメラ4は、レンズ6と間隔を隔てて配置されている。カメラ4は、撮像部41と、CCD42と、調整筒43と、レンズ44とを備えている。
撮像部41は、中空状に形成されている。
CCD42は、撮像部41内に収容されている。CCD42が、撮像素子の一例を構成している。
【0032】
調整筒43は、筒状に形成されており、撮像部41からチャンバ3側に向かって延びている。調整筒43は、軸線方向の寸法を調整できるように構成されている。調整筒43が、調整機構の一例を構成している。
【0033】
レンズ44は、調整筒43内に収容されている。レンズ44は、両側の表面が凸状に形成される両凸レンズである。レンズ44が、第2レンズの一例を構成している。
CCC42、レンズ44、レンズ6、開口321及びサンプルプレート111(サンプルプレート111上の試料)は、同一の直線上に配置されている。
【0034】
カメラ4とレンズ6との間のスペースには、ミラー7が設けられている。また、レーザ光源2は、ミラー7と対向している。レンズ6は、ミラー7とサンプルプレート111上の試料との間に配置されている。ミラー7は、例えば、ダイクロイックミラーである。ミラー7がダイクロイックミラーである場合には、ミラー7は、特定波長の光のみを反射し、その他の波長の光を透過する。なお、ミラー7は、ハーフミラーであってもよいし、偏光ミラーであってもよい。ミラー7が、光学素子の一例を構成している。
【0035】
MALDIイオン源1では、レーザ光源2から出射されたレーザ光のうち特定波長の光は、ミラー7で反射された後、レンズ6(開口321)を通過してチャンバ3内に入る。このとき、レーザ光は、レンズ6を通過することで、集光される。そして、レンズ6を通過したレーザ光は、サンプルプレート111上の試料に照射される。
【0036】
また、試料からの光は、レンズ6(開口321)を通過して、カメラ4で受光される。具体的には、試料からの光は、レンズ6及びミラー7を通過し、調整筒43内に入る。そして、調整筒43内に入った光は、レンズ44を通過した後、CCD42で受光される。このとき、カメラ4のレンズ44の焦点距離は、調整筒43によって調整される。そして、CCD42からの信号に基づいて、レーザ光の照射位置が調整される。レンズ44の焦点距離の調整は、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。
【0037】
このように、MALDIイオン源1では、レーザ光源2からチャンバ3内に入射するレーザ光の光軸と、レーザ光が照射された試料からカメラ4に向かう光の光軸とが同軸上に位置する。また、レンズ6は、レーザ光源2からのレーザ光を集光するためのレンズとして機能するとともに、カメラ4用のレンズとしても機能する。
【0038】
3.作用効果
(1)本実施形態によれば、図2に示すように、MALDIイオン源1は、レーザ光源2と、チャンバ3と、カメラ4と、レンズ6と、ミラー7とを備えている。レンズ6は、ミラー7と、サンプルプレート111上の試料との間に設けられている。MALDIイオン源1では、レーザ光源2からチャンバ3内に入射するレーザ光の光軸と、レーザ光が照射された試料からカメラ4に向かう光の光軸とが同軸上に位置する。また、MALDIイオン源1において、レンズ6は、レーザ光源2からの光を集光するためのレンズとして用いられるとともに、カメラ4用のレンズとしても用いられる。
【0039】
そのため、MALDIイオン源1における部品点数を減らすことができる。
また、レーザ光源2とミラー7との間にレンズを設ける必要がないため、レーザ光源2とミラー7との間の距離を短くすることができる。
そのため、MALDIイオン源1の小型化を実現できる。
【0040】
(2)また、本実施形態によれば、図2に示すように、レンズ6は、チャンバ3の開口321に設けられた窓部材を構成している。
そのため、MALDIイオン源1における部品点数をさらに減らすことができる。
【0041】
(3)また、本実施形態によれば、図2に示すように、レンズ6における外方側の面は、凸湾曲面61として形成されている。
そのため、レンズ6によって、レーザ光源2からの光を良好に集光できる。
【0042】
(4)また、本実施形態によれば、図2に示すように、カメラ4は、CCD42と、調整筒43と、レンズ44とを備えている。レンズ44とレンズ6との距離は、調整筒43により調整される。
そのため、試料からの光をCCD42で精度よく撮像できる。
【0043】
4.変形例
以上の実施形態では、レンズ6は、外方側の面が凸湾曲面61として形成されるとして説明した。しかし、レンズ6は、少なくとも一方の面に凸湾曲面が形成される構成であればよい。例えば、レンズ6は、内方側の面に凸湾曲面が形成される構成でもよく、両側の面に凸湾曲面が形成される構成でもよい。
【0044】
また、以上の実施形態では、1つのレンズ44が調整筒43内に収容されるとして説明した。しかし、調整筒43内に複数のレンズ44が収容されてもよい。
【0045】
また、以上の実施形態では、カメラ4では、調整筒43によりレンズ44の位置が調整されるとして説明した。しかし、カメラ4において、レンズ44が固定され、CCD42の位置(光軸方向の位置)が調整される機構を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 MALDIイオン源
2 レーザ光源
3 チャンバ
4 カメラ
6 レンズ
7 ミラー
42 CCD
43 調整筒
44 レンズ
61 凸湾曲面
321 開口
図1
図2
図3
図4