(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ペースト塗布の対象である積層セラミックコンデンサー等の電子部品は、個々に分断されている微小サイズの電子部品である。そのため、個々に分断されている微小サイズの電子部品をハンドリングするには、上述されたゴム板等の治具が用いられていた。しかし、治具をハンドリングして各工程に搬送するには時間を要する上、搬送機構も複雑化する。
【0007】
本発明の幾つかの態様は、生産性を格段に向上することができるペースト塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、
第1帯状部材を送り移動する第1送り移動部と、
停止された前記第1帯状部材に複数の電子部品の各々の一端部を接合して、前記複数の電子部品を前記第1帯状部材に装着する装着部と、
停止された前記第1帯状部材に装着されている前記複数の電子部品の各々の他端部にペーストを塗布する第1塗布部と、
前記第1送り移動部により前記第1帯状部材を送り移動しながら、前記複数の電子部品の各々の前記他端部に塗布された前記ペーストを乾燥する第1乾燥部と、
第2帯状部材を送り移動する第2送り移動部と、
乾燥された前記ペーストを前記他端部に有する前記複数の電子部品の各々の前記他端部を前記第2帯状部材に接合し、前記複数の電子部品の各々の前記一端部を前記第1帯状部材から引き離して、前記複数の電子部品を前記第1帯状部材から前記第2帯状部材に移し換える移し換え部と、
停止された前記第2帯状部材に装着されている前記複数の電子部品の各々の前記一端部にペーストを塗布する第2塗布部と、
前記第2送り移動部により前記第2帯状部材を送り移動しながら、前記複数の電子部品の各々の前記一端部に塗布された前記ペーストを乾燥する第2乾燥部と、
前記第2帯状部材を回収する回収部と、
を有するペースト塗布装置に関する。
【0009】
本発明の一態様によれば、複数の電子部品は、第1送り移動部により送り移動される第1帯状部材、または第2送り移動部により送り移動される第2帯状部材に接合されて搬送されるので、ゴム板等の治具を搬送する必要がなく、生産性が向上する。第1送り移動部により送り移動される第1帯状部材は、装着部により複数の電子部品の一端部が接合され、複数の電子部品を直接搬送する。第1塗布部は、第1帯状部材に接合されている電子部品の他端部にペーストを塗布する。第1乾燥部は、電子部品の他端部に塗布されたペーストを乾燥する。移し換え部は、複数の電子部品を第1帯状部材から前記第2帯状部材に移し換える。第2送り移動部により送り移動される第2帯状部材は、乾燥されたペーストを有する他端部が第2帯状部材に接合され複数の電子部品を直接搬送する。第2塗布部は、第2帯状部材に接合されている電子部品の一端部にペーストを塗布する。第2乾燥部は、電子部品の一端部に塗布されたペーストを乾燥する。処理が終了した第2帯状部材は回収部にて回収される。なお、回収される第2帯状部材には電子部品が接合されたままでも良いが、電子部品を脱離させた後の第2帯状部材を回収しても良い。
【0010】
(2)本発明の一態様(1)では、
前記装着部よりも前記第1帯状部材の第1送り移動方向の上流に配置され、前記第1帯状部材が巻回されている第1ロールと、
前記移し換え部よりも前記第1送り移動方向の下流に配置され、前記第1帯状部材が巻き取られる第2ロールと、
前記移し換え部よりも前記第2帯状部材の第2送り移動方向の上流に配置され、前記第2帯状部材が巻回されている第3ロールと、
前記回収部に配置され、前記第2帯状部材が巻き取られる第4ロールと、
を含むことができる。それにより、複数の電子部品を一バッチ処理分として、複数バッチ処理分の電子部品を、第1帯状部材のロール・ツー・ロール方式及び第2帯状部材のロール・ツー・ロール方式により、順次搬送して処理することができる。
【0011】
(3)本発明の一態様(2)では、
前記第1乾燥部は、前記第1帯状部材の幅方向の両端部で前記第1帯状部材の第1面と当接する一対の第1無端ベルトと、
前記第1帯状部材の幅方向の両端部で前記第1帯状部材の第2面と当接する一対の第2無端ベルトと、
前記一対の第1無端ベルトに転接する少なくとも一つの第1駆動ローラーと、
前記一対の第2無端ベルトに転接する少なくとも一つの第2駆動ローラーと、
を有し、
前記一対の第1無端ベルト及び前記一対の第2無端ベルトにより前記第1帯状部材の前記両端部を挟んで、前記第1帯状部材を送り移動することができる。こうすると、第1帯状部材の幅方向の両端部を一対の第1無端ベルト及び一対の第2無端ベルトで挟んで、第1帯状部材が搬送される。よって、搬送異常時に第1帯状部材を切断しても、第1帯状部材を搬送できる。第2乾燥部も第1乾燥部と同様に構成することができる。
【0012】
(4)本発明の一態様(1)〜(3)では、前記装着部が配置される装着ユニットと、前記第1塗布部が配置される第1塗布ユニットと、前記第1乾燥部が配置される第1乾燥ユニットと、前記移し換え部が配置される移し換えユニットと、前記第2塗布部が配置される第2塗布ユニットと、前記第2乾燥部が配置される第2乾燥ユニットと、前記回収部が配置される回収ユニットと、を含む複数のユニットを、その順番で配置して構成することができる。こうすると、ユニット単位で運搬することで運搬スペースが省スペースとなる。また、現場で隣り合うユニット間を第1帯状部材または第2帯状部材で連結することが可能となり、組み立て性も向上する。
【0013】
(5)本発明の一態様(4)では、前記第1送り移動部は、前記複数のユニットのうち、前記第1帯状部材の第1送り移動方向の上流と下流とに隣接配置される各2つのユニットの一方に、昇降移動される第1テンションローラーを含み、前記第2送り移動部は、前記複数のユニットのうち、前記第2帯状部材の第2送り移動方向の上流と下流とに隣接配置される各2つのユニットの一方に、昇降移動される第2テンションローラーを含むことができる。こうすると、隣接する2つのユニットで複数の電子部品の非同期的な送りまたは非同期的な停止により生ずる、第1帯状部材及び第2帯状部材の撓みまたは緊張を、第1または第2テンションローラーの昇降移動により解消することができる。こうすると、例えば、第1塗布部では間欠送り、第1乾燥部では連続送りが可能となる。第1塗布部と第1乾燥部との間に設けられる第1テンションローラーの昇降移動により、第1帯状部材を撓ませずに蓄えることができるからである。
【0014】
(6)本発明の一態様(1)〜(5)では、前記第1乾燥部及び前記第2乾燥部の少なくとも一方は、前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の少なくとも一方を、複数のローラーにより送り方向を変換させて蛇行して搬送する蛇行搬送路を含むことができる。こうすると、乾燥時間を確保しながら比較的狭いスペースで乾燥することができ、装置が小型化される。
【0015】
(7)本発明の一態様(1)〜(6)では、前記第1塗布部及び前記第2塗布部の少なくとも一方は、第1定盤に設けられた平坦面に形成されているペーストのディップ層を、前記複数の電子部品に向けて相対的に移動させることができる。これにより、従来の治具を用いた信頼性の高いディップ塗布を、治具を用いることなく、第1,第2帯状部材を用いて実施することができる。
【0016】
(8)本発明の一態様(7)では、前記第1塗布部及び前記第2塗布部の少なくとも一方は、第2定盤に設けられた平坦面を、前記複数の電子部品に向けて相対的に移動させることによって、前記複数の電子部品に形成された前記ペーストと接触させて、前記ペーストを平坦化することができる。これにより、電子部品に塗布されたペーストを平坦化するブロット工程を実施することができる。
【0017】
(9)本発明の一態様(1)〜(8)では、
前記移し換え部は、
前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の対向面間に前記複数の電子部品を配置させて、前記第2帯状部材の前記対向面とは異なる面を吸着する吸着部と、
前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の少なくとも一方を他方に向けて移動させて、前記複数の電子部品を前記第2帯状部材に接合させる移動部と、
前記第2帯状部材に接合された前記複数の電子部品から、前記第1送り移動部により送り移動される前記第1帯状部材を剥離させるように前記第1帯状部材を案内する剥離案内部と、
を含むことができる。こうして、第1帯状部材で搬送された複数の電子部品は、一旦、第1及び第2帯状部材の双方に接合された後に、第1帯状部材が剥離されることで、第1帯状部材から第2帯状部材に引き渡される。
【0018】
(10)本発明の一態様(9)では、前記剥離案内部は、前記第1帯状部材の送り方向を鋭角的に変更する送り方向変換部材を含むことができる。このように、第1帯状部材の送り方向を鋭角的に変更することで、複数の電子部品から第1帯状部材を剥離することが可能となる。
【0019】
(11)本発明の一態様(9)または(10)では、前記第2帯状部材の接合力は、前記第1帯状部材の接合力よりも大きくすることができる。こうすると、移し換え部において、複数の電子部品を第1帯状部材から第2帯状部材に移し換え易くなる。
【0020】
(12)本発明の一態様(1)〜(11)では、前記装着部にて前記第1帯状部材に同時に装着される前記複数の電子部品は1バッチ分の電子部品であり、前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材には、前記1バッチ分の電子部品の単位で異なるバッチIDが付されていても良い。こうすると、第1帯状部材または第2帯状部材に接合されている電子部品をバッチ単位で管理することが可能となる。
【0021】
(13)本発明の一態様(12)では、前記第1帯部材及び/又は前記第2帯状部材に接合された前記1バッチ分の電子部品の少なくとも一つを撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された電子部品が属するバッチのバッチIDを読み取る第1ID読取部と、前記移し換え部に配置され、前記1バッチ分の電子部品が移し換えられる前記第1帯状部材と前記第2帯状部材の各々のバッチIDを読み取る第2ID読取部と、を有することができる。こうすると、撮像部での撮像結果に基づいて良品/不良品と判別される1バッチ分の電子部品を、第1ID読取部及び第2ID読取部にて読み取られるバッチIDにより管理することができる。
【0022】
(14)本発明の一態様(13)では、前記回収部は、前記第2帯状部材に付された前記バッチIDを読み取る第3ID読取部と、前記撮像部での撮像結果に基づいて良品/不良品と判別される前記1バッチ分の電子部品を、前記第3ID読取部で読み取られる前記バッチIDに基づいて良否判定して、前記第2帯状部材から離脱される前記1バッチ分の電子部品を、良品/不良品に分別して回収する部品回収部と、を有することができる。こうすると、撮像部での撮像結果に基づいて良品/不良品と判別される1バッチ分の電子部品毎に、良品/不良品に分別して回収することができる。
【0023】
(15)本発明の他の態様は、
帯状部材を送り移動する送り移動部と、
停止された前記帯状部材に複数の電子部品の各々の一端部を接合して、前記複数の電子部品を前記帯状部材に装着する装着部と、
定盤に形成されているペーストのディップ層を、停止された前記帯状部材に装着されている前記複数の電子部品に相対的に移動させて、前記複数の電子部品の各々の他端部に前記ペーストを塗布する塗布部と、
前記送り移動部により前記帯状部材を送り移動しながら、前記複数の電子部品の各々の前記他端部に塗布されたペースト材を乾燥する乾燥部と、を有するペースト塗布装置に関する。
【0024】
本発明の他の態様によれば、複数の電子部品は、送り移動部により送り移動される帯状部材に接合されて搬送されるので、ゴム板等の治具を用いる必要がなく、生産性が向上する。送り移動部により送り移動される帯状部材は、装着部により複数の電子部品の一端部が接合され、複数の電子部品を直接搬送する。塗布部は、帯状部材に接合されている電子部品の他端部にペーストを塗布する。乾燥部は、電子部品の他端部に塗布されたペーストを乾燥する。こうして、複数の電子部品の片方の端部にペーストを塗布し、そのペーストを乾燥させることができる。複数の電子部品のもう片方の端部にペーストを塗布するには、ペーストが塗布されている端部を帯状部材に接合して、複数の電子部品を帯状部材により再度搬送すればよい。
【0025】
(16)本発明のさらに他の態様は、
平坦面を有する回転体と、
前記回転体を間欠的に回転させる回転駆動部と、
前記平坦面に、前記ディップ層を形成するディップ層形成部と、
前記平坦面に形成されている前記ディップ層を、帯状部材に接合されている前記複数の電子部品に向けて前記回転体を相対的に移動させることによって、前記複数の電子部品と接触させる移動部と、
前記複数の電子部品と接触された前記ディップ層が形成されている前記平坦面から、前記ディップ層を除去する除去部と、
を有するペースト塗布装置に関する。
【0026】
本発明のさらに他の態様に係るペースト塗布装置によれば、回転駆動部と移動部とにより移動される平坦面に順次形成されるディップ層を、帯状部材に接合されて間欠的に搬送される多数バッチ処理分の電子部品に順次接触させることができる。
【0027】
(17)本発明のさらに他の態様は、
複数の電子部品を、前記複数の電子部品の各々の一端部と接合されて、前記複数の電子部品を支持する第1帯状部材から、前記複数の電子部品の各々の他端部と接合される第2帯状部材に移し換える電子部品の移し換え装置であって、
前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の対向面間に前記複数の電子部品を配置させて、前記第2帯状部材の前記対向面とは異なる面を吸着する吸着部と、
前記第1帯状部材及び前記第2帯状部材の少なくとも一方を他方に向けて移動させて、前記複数の電子部品を前記第2帯状部材に接合させる移動部と、
前記第2帯状部材に接合された前記複数の電子部品から前記第1帯状部材を剥離させるように、前記第1帯状部材を送り移動案内する剥離案内部と、
を含む電子部品の移し換え装置に関する。
【0028】
本発明のさらに他の態様に係る電子部品の移し換え装置によれば、第1帯状部材で搬送された複数の電子部品は、一旦、第1及び第2帯状部材の双方に接合された後に、第1帯状部材が剥離されることで、第1帯状部材から第2帯状部材に引き渡される。
【0029】
(18)本発明のさらに他の態様は、
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、前記第1面及び前記第2面のいずれか一方に複数の電子部品が接合される帯状部材を送り移動する帯状部材の送り移動装置であって、
前記帯状部材の幅方向の両端部で前記帯状部材の前記第1面と当接する一対の第1無端ベルトと、
前記帯状部材の幅方向の両端部で前記帯状部材の前記第2面と当接する一対の第2無端ベルトと、
前記一対の第1無端ベルトに転接する少なくとも一つの第1駆動ローラーと、
前記一対の第2無端ベルトに転接する少なくとも一つの第2駆動ローラーと、
を有し、
前記一対の第1無端ベルト及び前記一対の第2無端ベルトにより前記帯状部材の前記両端部を挟んで、前記帯状部材を送り移動する帯状部材の送り移動装置に関する。本発明のさらに他の態様に係る帯状部材の送り移動装置によれば、搬送異常時に帯状部材を切断しても、帯状部材を搬送できる。
【0030】
(19)本発明のさらに他の態様(18)では、
前記一対の第1無端ベルトは、前記第1駆動ローラーとの凹凸係合により搬送案内され、前記一対の第2無端ベルトは、前記第2駆動ローラーとの凹凸係合により搬送案内されてもよい。こうすると、第1,第2駆動ローラーは、一対の第1,第2無端ベルトを案内しながら脱落させずに搬送することができる。
【0031】
(20)本発明のさらに他の態様(18)または(19)では、
前記帯状部材の前記幅方向の中心領域にて、前記第1面に接触するガイドローラーをさらに有し、
前記帯状部材の前記第1面は、前記中心領域を前記複数の電子部品の非接合領域とすることができる。こうすると、帯状部材の中心領域が撓むことを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の開示において、提示された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態や実施例を提供する。もちろんこれらは単なる例であり、限定的であることを意図するものではない。さらに、本開示では、様々な例において参照番号および/または文字を反復している場合がある。このように反復するのは、簡潔明瞭にするためであり、それ自体が様々な実施形態および/または説明されている構成との間に関係があることを必要とするものではない。さらに、第1の要素が第2の要素に「接続されている」または「連結されている」と記述するとき、そのような記述は、第1の要素と第2の要素とが互いに直接的に接続または連結されている実施形態を含むとともに、第1の要素と第2の要素とが、その間に介在する1以上の他の要素を有して互いに間接的に接続または連結されている実施形態も含む。また、第1の要素が第2の要素に対して「移動する」と記述するとき、そのような記述は、第1の要素及び第2の要素の少なくとも一方が他方に対して移動する相対的な移動の実施形態を含む。
【0034】
1.電子部品
図1は本発明の実施形態に係る製造方法により製造される電子部品1を示し、
図2は電子部品1に形成された導電層4Aの断面を示している。ここで、本発明が適用される電子部品1の大きさに特に制約はないが、ダウンサイジングに従い超小型化された電子部品1に好適である。超小型の電子部品1としては、
図1に示す例えば矩形(正方形または長方形)断面の一辺の最大長さをL1とし、矩形断面と直交する方向の長さをL2としたとき、L1=500μm以下でかつL2=1000μm以下である。好ましくはL1=300μm以下でかつL2=600μm以下、さらに好ましくはL1=200μm以下でかつL2=400μm以下、さらに好ましくはL1=125μm以下でかつL2=250μm以下である。なお、ここでいう矩形とは、二辺が交わるコーナーが厳密に90°であるものの他、コーナーが湾曲又は面取りされた略矩形も含むものとする。なお、本発明は矩形断面以外の電子部品1にも適用できることは言うまでもない。
【0035】
図2において、電子部品1は、一端部2aと他端部2bとを含む端部2に、導電性ペースト層から成る電極4Aが形成される。電子部品1の端部2は、端面2Aと、側面2Bと、端面2A及び側面2Bを結ぶ角部2Cとを含む。端面2Aに形成された電極4Aの実質的に均一な厚さT1と、側面2Bに形成された電極4Aの実質的に均一な厚さT2とは、実質的にT1=T2とすることができる。加えて、角部2Cに形成された電極4Aの厚さT3は、T3≧T1またはT3≧T2もしくはT3<T1またはT3<T2とすることができる。また、側面2Bに形成される電極4Aの端面2Aからの電極長さをL3とする。電極4Aの寸法(T1〜T3及びL3)の均一性を有することが好ましい。
【0036】
2.第1実施形態
図3は、ペースト塗布装置を示す概略図である。
図3において、ペースト塗布装置10は、第1装置10Aと第2装置10Bとを含む。第1装置10Aは、一端部2aが接合支持された電子部品1の他端部2bに導電性ペーストを塗布し乾燥する装置である。第2装置10Bは、他端部2bが接合支持された電子部品1の一端部2aに導電性ペーストを塗布し乾燥する装置である。つまり、ペースト塗布装置10は電子部品1の両端部2a,2bに導電性ペーストを塗布・乾燥することができる。
【0037】
ペースト塗布装置10は、例えばロール・ツー・ロール方式で第1帯状部材20を例えば間欠的に送り移動する第1送り移動部30と、例えばロール・ツー・ロール方式で第2帯状部材40を例えば間欠的に送り移動する第2送り移動部50と、を有する。ペースト塗布装置10は、第1ローラー31、第2ローラー32、第3ローラー51及び第4ローラー52を含むことができる。第1ローラー31には、電子部品1が接合される前の第1帯状部材20が巻き取られている。第2ローラー32には、一旦接合された電子部品1が離脱された後の第1帯状部材20が巻き取られている。第1送り移動部30は、第1ローラー31から第2ローラー32に向けて第1帯状部材20を送り移動及び/又は案内移動する複数の駆動又は従動ローラーを含む。第3ローラー51には、電子部品1が接合される前の第2帯状部材40が巻き取られている。第4ローラー52には、塗布・乾燥処理が終了した複数の電子部品1が装着されている第2帯状部材40が巻き取られている。第2送り移動部50は、第3ローラー51から第4ローラー52に向けて第2帯状部材40を送り移動及び/又は案内移動する複数の駆動又は従動ローラーを含む。第2,第4ローラー32,52は駆動ローラーとすることができる。第2,第4ローラー32,52以外の駆動ローラーには、第1,第2帯状部材20,40を駆動力して第1,第2帯状部材20,40にテンションを付与するテンションローラーを含むことができる。なお、第1〜第4ローラー31,32,51,52に巻き取られている第1又は第2帯状部材20,40を第1〜第4ロール21,22,41,42と称する。本実施形態では、第1帯状部材20は、第1,第2ロール21,22間でロール・ツー・ロール方式により搬送される。同様に、第2帯状部材40は、第3,第4ロール41,42間でロール・ツー・ロール方式により搬送される。
【0038】
ここで、第1,第2帯状部材20,40は、
図4に示すように、片面20A,40Aが接着または粘着等により電子部品1の端部2a,2bを接合可能な接合面となっている。第1,第2帯状部材20,40は、接合面20A,40Aに重ねられた台紙(剥離紙)を有していても有していなくても良い。台紙を有する場合には、第1,第2帯状部材20,40の送り移動中に台紙が剥がされる。なお、第1,第2帯状部材20,40と転接するローラーは、電子部品1と干渉しないように、電子部品1が接合されていない片面(非接合面)20B,40Bと接触するローラー33,53(
図1)か、あるいは
図4に示すように第1,第2帯状部材20,40の接合面20A,40Aまたは非接合面20B,40Bのいずれにおいても、幅方向の両端部と接触するローラー34,54である。接合面20A,40Aと接触するローラーは、接合面20A,40Aの接着剤または粘着剤に接合されない、または接合し難いローラー面を有することができる。あるいは、第1,第2帯状部材20,40のうちローラーが接触する領域には接着剤または粘着剤を形成しなくても良い。
【0039】
ペースト塗布装置10の第1装置10Aは、第1送り移動部30により送り移動される第1帯状部材20の移動経路に沿って、装着部100、第1塗布部200、第1乾燥部300及び移し換え部400を有する。ペースト塗布装置10の第2装置10Bは、第2送り移動部50により送り移動される第2帯状部材40の移動経路に沿って、移し換え部400、第2塗布部500、第2乾燥部600及び回収部700を有する。
【0040】
ここで、本実施形態では、ペースト塗布装置10は、装着ユニット11Aと、第1塗布ユニット11Bと、乾燥ユニット11Cと、移し換え/回収ユニット11Dと、第2塗布ユニット11Eとを、その順番でユニット間連結して構成できる。こうすると、ユニット毎に分解して運搬して、現場で図示しない連結手段によってユニット間連結することができる。この場合、装着ユニット11Aには装着部100が配置され、第1塗布ユニット11Bには第1塗布部200が配置され、第2塗布ユニット11Eには第2塗布部500が配置される。乾燥ユニット11Cには、第1乾燥部300及び第2乾燥部600が配置される。第1乾燥部300及び第2乾燥部600を共通の乾燥室内に配置することができる。それにより、乾燥のための熱源を第1乾燥部300及び第2乾燥部600で共用することができる。移し換え/回収ユニット11Dには、移し換え部400及び回収部700を有する。回収部700を第2乾燥部600の隣に配置することにより、第2乾燥部600で乾燥された電子部品1を最短で回収することができる。
【0041】
2.1.装着部
装着部100は、間欠停止された第1帯状部材20に複数の電子部品1の各々の一端部2aを接合して、複数の電子部品1を第1帯状部材20に立設して装着する。装着部100は、
図3に示すように、特許文献2に示された治具と同様に多数の孔が形成された例えばゴム製の治具101を有する。治具101は昇降可能である。装着部100は、第1帯状部材20を挟んで治具101と対向する基台例えば真空吸着部102を有することができる。真空吸着部102は、第1帯状部材20の走行路のわずかに下方の位置に例えば固定される。第1ロール21より送り出された第1帯状部材20は停止され、真空吸着部102に吸着される。その後、治具101を下降させる(広義には、第1帯状部材20と真空吸着部102との相対移動)。それにより、治具101より突出した電子部品1の一端部2aが第1帯状部材20に接合される。その後、治具101が上昇され、真空吸着部102での吸着は解除される。こうして、複数の電子部品1は、第1帯状部材20に立設して装着される。なお、治具101に複数の電子部品1を配置するために、もう一つの整列用治具(図示せず)を用いても良い。整列用治具には開口部がテーパー状の孔が設けられ、非整列状態の電子部品1が振動その他の手法により整列用治具の孔に配置される。この整列用治具を反転させ、複数の電子部品1を同時に治具101に移し換えることができる。なお、
図3とは異なり、上向き突となるように電子部品1を整列支持した治具101を、第1帯状部材20の下方より上昇させて、第1帯状部材20に複数の電子部品1を装着させても良い。装着部100では、
図3に示すように、第1帯状部材20がローラーにより反転されて、電子部品1を垂下して支持するようにして第1帯状部材20が送り移動される。
【0042】
この装着動作は、第1帯状部材20が間欠停止されるたびに実施される。一回の停止時に、例えば数百〜数万個の1バッチ分の電子部品1が、第1帯状部材20に装着される。
図3には複数列の電子部品1が示されているが、各列には複数行の電子部品1が配列されている。よって、複数列複数行の電子部品1により1バッチ分の電子部品1が形成される。第1帯状部材20の間欠停止毎に装着動作が繰り返され、複数バッチ分の電子部品1が第1帯状部材20により送り移動される。
【0043】
2.2.第1塗布部
第1塗布部200は、間欠停止された第1帯状部材20に装着されている複数の電子部品1の各々の端部2bにペーストを塗布する。第1塗布部200は、平坦面に形成されるペーストのディップ層に、第1帯状部材20に支持された複数の電子部品1の端部2bを浸漬させる。このために、第1塗布部200は、
図5に示すように、平坦面211を有する回転体210と、平坦面211にペーストによるディップ層を形成するディップ層形成部220と、を有する。回転体210は、例えばその四面に平坦面211を有し、回転駆動部例えばモーター230により例えば回転角90°で間欠的に回転させることができる。
【0044】
第1塗布部200は、平坦面211に形成されているディップ層に、第1帯状部材20に支持された複数の電子部品1を浸漬させる。このために、第1塗布部200は、
図1に示すように回転体210を昇降させる第1移動部例えばエアーシリンダー240を有する。なお、第1移動部は、第1帯状部材20と回転体210とを相対的に移動させるものであればよい。ここで、説明の便宜上、回転体210の四面の平坦面を
図6に示すように211A〜211Dとする。
図6に示すように、ディップ層形成部220は平坦面211Aにディップ層を形成する。平坦面211Aの90°回転後の平坦面211B上に形成されているディップ層は、回転体210が上昇後に下降されることで、複数の電子部品1の端部2bにペースト層を形成する。平坦面211Bの90°回転後の平坦面211C上に残存されているディップ層は、ペースト除去部であるブレード250により掻き落とされて除去される。ペースト除去は、平坦面211Cの位置ではなく、平坦面211Cの90°回転後の平坦面210Dの位置で実施しても良い。このように、ディップ層形成部220により平坦面211に形成されるディップ層を、回転駆動部230と第1移動部240とにより移動させることで、多数バッチ処理分の電子部品1にペースト層を順次形成することができる。
【0045】
なお、回転体210を逆回転させても良い。例えば、ディップ層が除去された平坦面211Cを90°逆回転させてもよい。平坦面211Cを上昇させて、複数の電子部品1の端部2bに形成されているペースト層と接触させて平坦化させるブロット工程を実施しても良い。この際、電子部品1のペースト層と平坦面211Cとを接触させたま、電子部品1と平坦面211Cとを相対的に水平移動させても良い。
【0046】
次に、ディップ層形成部220について、
図7も参照して説明する。ディップ層形成部220は、
図7に示すように、例えばL字状の空洞の下端に開口221Bを備えたペースト収容部221を有する。ペーストは、図示しないペースト供給部から、
図5に示す供給孔221Aを介して供給される。ペースト収容部221内のペースト量を検出する残量センサーを設け、残量センサーの検出結果に基づいて自動的にペーストをペースト収容部221に供給しても良い。
【0047】
ペースト収容部221の開口221Bに、供給ローラー222が設けられる。供給ローラー222は、回転駆動部であるモーター223により、
図7において例えば反時計回りに回転される。この場合、ペースト収容部221の開口221Bと供給ローラー222との間であって、供給ローラー222の下側に設けられるペースト供給側の隙間を、δ1とする。供給ローラー222が回転されると、供給ローラー222が外部に露出している表面には、ほぼ厚さδ1のペースト層が形成される。この供給ローラー222に形成されるペースト層が、回転体210の平坦面211に転写されてディップ層となる。一方、ペースト収容部221の開口221Bと供給ローラー222との間であって、供給ローラー222の上側に設けられるペースト供給側の隙間を、δ2とする。δ1とδ2との関係は、δ1<δ2とすることが好ましい。隙間δ2の上方には、下向き傾斜面を備えたブレード224が配置される。ブレード224は、
図6に示す回転体210の平坦面211Aに形成されたディップ層のうち過剰なペーストを掻き取って隙間δ2に案内する。
図6に示す回転体210の平坦面211Aに形成されたディップ層以外のペーストは、隙間δ2を介してペースト収容部221に回収される。
【0048】
ディップ層形成部220は、
図6に示すように、矢印A方向に往復水平移動すると共に、矢印Bに往復垂直移動する。ディップ層形成部220は、先ず、水平移動して、供給ローラー222に形成されたペースト層を、
図6に示す回転体210の平坦面211Aに接触させる。その後、供給ローラー222を回転移動させながら、ディップ層形成部220を垂直下方に向けて移動さる。それにより、供給ローラー222に形成されたペースト層を
図6に示す回転体210の平坦面211Aに転写することができる。
【0049】
2.3.第1乾燥部
第1乾燥部300は、
図3に示すように、例えば乾燥ユニット11Cに配置される乾燥室310を有する。乾燥室310は、図示しない加熱源により、ペーストを乾燥させる温度例えば130℃に加熱される。本実施形態では、第1,第2乾燥部300,600で乾燥室310を共用している。第1乾燥部300は乾燥室310の例えば上部に配置され、第2乾燥部600は乾燥室310の例えば下部に配置される。それにより、ペースト塗布装置10が小型化される。第1乾燥部300は、
図3に示すように、複数のローラーにより第1帯状部材20の送り方向を変換させて蛇行して間欠搬送する蛇行搬送路320を含むことができる。こうすると、乾燥時間を確保しながら比較的狭いスペースで乾燥することができ、乾燥室310が小型化される。第1乾燥部300は、例えば130℃で電子部品1に形成されたペースト層を例えば10〜30分間に亘って乾燥させる。
【0050】
2.4.移し換え部
移し換え部400では、
図8に示すように、第1帯状部材20及び第2帯状部材40は、接合面20A,40Aが対向するようにして走行する。このとき、第1帯状部材20に接合されている複数の電子部品1は、第1帯状部材20及び第2帯状部材40の対向面20A,40A間に位置される。本実施形態では、移し換え部400における第1帯状部材20の第1送り移動方向M1と、第2帯状部材40の第2送り移動方向M2とは、例えば互いに逆向きである。移し換え部400は、第1帯状部材20及び第2帯状部材40の対向面20A,40Aとは異なる各面20B,40Bをそれぞれ吸着する第1吸着部410及び第2吸着部420を含む。第1吸着部410及び第2吸着部420は相対的に移動可能であり、本実施形態ではエアーシリンダー等により構成される図示しない第2移動部により第2吸着部420が昇降可能である。第2移動部により第2吸着部420を下降させることで、電子部品1の端部2bが第2帯状部材40の接合面40Aと接合される。このとき、第1帯状部材20は第1吸着部410により吸着されていることが好ましい。また、第2帯状部材40と接合される電子部品1の端部2bにはペースト層が形成されているが、このペースト層は既に乾燥されているので接合動作に支障はない。
【0051】
第2吸着部420は、好ましくは第3吸着部430及び第4吸着部440を含むことができる。第3吸着部430は、第2送り移動方向M2で、第2帯状部材40に装着される1バッチ分の複数の電子部品1の上流及び下流にて、第2帯状部材40を吸着する。本実施形態では、第3吸着部430は、
図9に示すように、平面視において四角枠で形成される。このため、第3吸着部430は、1バッチ分の複数の電子部品1の装着領域の全周にて第2帯状部材40を吸着することができる。第4吸着部440は、四角枠状の第3吸着部430により形成される開口431内に配置される。第4吸着部440は、
図9に示すように、1バッチ分の複数の電子部品1の装着領域の裏面にて第2帯状部材40を吸着することができる。なお、図示しない第2移動部は、第3吸着部430及び第4吸着部440の双方を昇降可能としても良く、あるいは第4吸着部440を昇降可能としても良い。第3吸着部430により第2帯状部材40を吸着固定した状態で、第4吸着部440により第2帯状部材40を第1帯状部材20に向けて押圧することができる。それにより、複数の電子部品1を第2帯状部材40に接合することができる。第4吸着部440は、その下降位置において、複数の電子部品1の装着領域の裏面の位置にて第2帯状部材40を吸着することができる。
【0052】
移し換え部400は、第2帯状部材40に接合された1バッチ分の複数の電子部品1から、第1帯状部材20を剥離させるように第1帯状部材20を移動案内する剥離案内部450を有することができる。こうして、第1帯状部材20で搬送された複数の電子部品1は、一旦、第1帯状部材20及び第2帯状部材40の双方に接合された後に、第1帯状部材20が剥離されることで、第1帯状部材20から第2帯状部材40に引き渡される。
【0053】
剥離案内部450による動作の一例を
図8及び
図10を参照して説明する。
図10に示すように、剥離案内部450は、第1吸着部410の第1送り移動方向M1での下流側に固定され、第1帯状部材20の送り方向を、角度θを鋭角として急変させる送り方向変換部材を含むことができる。このように、第1帯状部材20の送り方向を鋭角的に変更することで、複数の電子部品1から第1帯状部材20を剥離することが可能となる。電子部品1が除去された第1帯状部材20は、第2ローラー32に巻き取られて第2ロール22の一部となる。
【0054】
剥離案内部450は、
図10に示す各列の複数の電子部品1を第1帯状部材20から順次剥離させる。このために、剥離案内部450は、
図10に示すようにまず第1列目の電子部品1と対応する位置に設定され、その後、
図8に鎖線で示すように第2列目以降の電子部品1と対応する位置に設定される。このように、各列の電子部品1と剥離案内部450とを相対移動させる。本実施形態では、第1吸着部410及び移動ローラー460と共に剥離案内部450を第1送り移動方向M1とは逆方向に移動させている。このとき、第1帯状部材20は、剥離案内部450の移動と同期がとられて連続的にまたは間欠的に送り移動される。第1帯状部材20を送り移動するときには、第1吸着部410により吸着動作は不要である。ただし、第1吸着部410は、第1帯状部材20の送り動作に支障がない範囲で吸引動作を実施しても良い。一方、第2帯状部材40は送り移動されず、第2吸着部420(第3吸着部430及び第4吸着部440)により第2帯状部材40が吸着されることが好ましい。最終列の電子部品1から第1帯状部材20が剥離されたら、第1吸着部410と共に剥離案内部450を初期位置に復帰させることで、剥離動作が完了する。
【0055】
1バッチ分の電子部品1を第2帯状部材40により確実に接合させるために、移し換え部400は
図11に示す押圧部材であるローラー460を有することができる。ローラー460は、四角枠状の第3吸着部430により形成される開口431内に配置される。このために、第4吸着部440は、開口431から退避移動可能である。ローラー460は、1バッチ分の電子部品1が接合される接合面40Aの裏面40Bの位置にて第2帯状部材40を押圧する。ローラー460は水平方向に往復移動させることができる。こうすると、1バッチ分の電子部品1と第2帯状部材40との密着性を高めることができる。その後、
図8に示すようにして、第4吸着部440を開口431に配置することができる。
【0056】
2.5.第2塗布部
第2塗布部500には、移し換え部400から第2帯状部材40が供給される。第2塗布部500は、第2帯状部材40に支持された1バッチ分の電子部品1の端部2aにペーストを塗布する。このペースト塗布のための構成及び動作は第1塗布部200と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、第2塗布部500に設けられたローラー55,56等により、第2帯状部材40は送り移動方向が変換されて、第2塗布ユニット11E及び移し換え/回収ユニット11Dの下部空間を経由して、乾燥ユニット11Cに送り移動される。
【0057】
2.6.第2乾燥部
第2乾燥部600は、
図3に示すように、複数のローラーにより第2帯状部材40の送り方向を変換させて蛇行して間欠搬送する蛇行搬送路610を含むことができる。こうして、複数バッチ分の電子部品1の端部2aに塗布されたペーストを乾燥させることができる。
【0058】
2.7.回収部
回収部700は、
図3に示すように、移し換え/回収ユニット11Dの移し換え部400の例えば下方に第4ローラー52を配置することで構成される。この第4ローラー52は、両端部2a,2bにペースト層が形成された電子部品1を装着した第2帯状部材40が巻き取られ、第4ロール42として回収される。これとは異なり、第4ローラー52に第2帯状部材40を巻き取って回収する前に、後述する通り、第2帯状部材40から電子部品1を離脱させても良い。
【0059】
3.変形例
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
【0060】
3.1.電子部品の一端部へのペースト塗布装置
上記実施形態では、ペースト塗布装置10は電子部品1の両端部2a,2bに導電性ペーストを塗布し乾燥するために、第1装置10Aと第2装置10Bとを含んだ両面電極形成装置であった。これに限らず、電子部品1の両端部2a,2bのいずれか一方に導電性ペーストを塗布し乾燥する、第1装置10A及び第2装置10Bの一方のみで構成される片面電極形成装置であっても良い。この場合、片面電極形成装置は、例えば第1装置10Aに含まれる装着部100と、第1塗布部200と、第1乾燥部300と、移し換え部400に代えて設けられる回収部と、を含んで構成できる。回収部は、第2ローラー32を有すればよい。この片面塗布装置では、電子部品1の端部2aに導電性ペーストを塗布・乾燥した後、回収部で回収された第2ロール22を、装着部100で第1ロール21として再装着すればよい。それにより、電子部品1の端部2bにも導電性ペーストを塗布し乾燥することができる。
【0061】
3.2.帯状部材のベルト搬送機構
帯状部材の送り駆動装置は、駆動ローラー、従動ローラー又はテンションローラーの組み合わせに限らない。
図12〜
図14は、第1,第2乾燥部300,600の少なくとも一方、例えば
図3の第1乾燥部300に設けることができるベルト搬送機構330を示す。このベルト搬送機構330は、
図3の蛇行搬送路320に採用される。
【0062】
ベルト搬送機構330は、
図12に示すように、一対の第1無端ベルト331Aと、一対の第2無端ベルト331Bとを含む。一対の第1無端ベルト331Aは、少なくとも一つの第1駆動ローラー332Aと、複数の従動ローラー333Aとに掛け渡される。一対の第2無端ベルト331Bも、少なくとも一つの第2駆動ローラー332Bと、複数の従動ローラー333Bとに掛け渡される。
【0063】
一対の第1無端ベルト331Aは、
図13に示すように、第1帯状部材20の幅方向の両端部で第1帯状部材20の接合面(第1面)20Aと当接する。一対の第2無端ベルト331Bは、第1帯状部材20の幅方向の両端部で第1帯状部材20の非接合面(第2面)20Bと当接する。そして、一対の第1無端ベルト331A及び一対の第2無端ベルト331Bにより第1帯状部材20の両端部を挟んで、第1帯状部材20を送り移動する。第1,第2駆動ローラー332A,332Bは、第1送り移動部30中の他の駆動ローラーと同期して駆動される。
【0064】
ここで、特に蛇行搬送路320で搬送異常が生じた時、第1帯状部材20を切断して異常対応したい場合がある。ベルト搬送機構330によれば、第1帯状部材20の幅方向の両端部を挟んで第1帯状部材20が搬送されるので、切断の有無に拘わらず第1帯状部材20を搬送できる。第2乾燥部600の蛇行搬送路610にも同様にしてベルト搬送機構を配置することができる。
【0065】
一対の第1無端ベルト331Aは、前記第1駆動ローラー332Aとの凹凸係合により搬送案内され、一対の第2無端ベルト331Bは、前記第2駆動ローラー332Bとの凹凸係合により搬送案内されてもよい。例えば、
図13に示すように、一対の第1無端ベルト331Aは、第1帯状部材20の第1面20Aと当接する面の反対面より突出する第1案内リブ331A1を有することができる。この場合、第1駆動ローラー332Aは、第1案内リブ331A1が入り込む第1周溝332A1を有する。同様に、一対の第2無端ベルト331Bは、第1帯状部材20の第2面20Bと当接する面の反対面より突出する第2案内リブ331B1を有することができる。この場合、第2駆動ローラー332Bは、第2案内リブ331B1が入り込む第2周溝332B1を有する。こうすると、一対の第1無端ベルト331Aおよび/または一対の第2無端ベルト331Bを、第1駆動ローラー332Aの第1周溝332A1および/または第2駆動ローラー332Bの第2周溝332B1により、正規の搬送パスから逸脱しないように搬送案内することができる。第1案内リブ331A1及び第2案内リブ331B1は、ベルト面上で連続形成しても良いし、不連続で形成しても良い。ベルトを凹構造とし、ローラーを凸構造としても良い。凹凸構造による搬送案内従動ローラーにも設けても良い。第2乾燥部600に設けられるベルト搬送機構も同様に構成することができる。
【0066】
図14に示すように、ベルト搬送機構330は、第1帯状部材20の幅方向の中心領域にて、第1面20A及び第2面20Bの少なくとも一方に接触するガイドローラー334をさらに有することができる。ガイドローラー334が第1面20Aと転接する場合、第1帯状部材20は、ガイドローラー334と接触する幅方向の中心領域は、電子部品1の非接合領域とされる。例えば、
図14に示すハッチング領域が、電子部品1の接合領域とされる。こうすると、第1帯状部材20は、幅方向の両端部と中央部とで支えられ、撓みを抑制できる。このためには、ガイドローラー334は、第1帯状部材20の下向き面と当接させることが好ましい。第2乾燥部600に設けられるベルト搬送機構も同様に構成することができる。
【0067】
3.3.回収部に配置される電子部品離脱装置
図15は、
図3に示す回収部700に配置することができる電子部品離脱装置710を示す。部品離脱装置710は、送り移動される第2帯状部材40の接合面40Aに接合されている複数の電子部品1を第2帯状部材40から離脱させる。部品離脱装置710は、
図3において第2帯状部材40を巻き取る第4ローラー52よりも、第2帯状部材40の送り方向の上流に配置される。
【0068】
部品離脱装置710は、純水711を第2帯状部材40の接合面40Aに供給する供給部712と、第2帯状部材40の送り移動方向で供給部712よりも下流に配置され、第2帯状部材40から複数の電子部品1を離脱させる離脱部715と、を有する。
【0069】
供給部712は、純水711を収容する収容部713と、回転ブラシ714と、を含むことができる。回転ブラシ714は、回転体714Aと回転体714Aの周面に形成されたブラシ714Bとを含む。この場合、回転ブラシ714の回転軌跡は、収容部713の純水711と接触する下部回転軌跡領域と、接合面40Aと接触する上部回転軌跡領域と、を含む。なお、供給部712は、接合面40Aに向けて純水を噴射するノズル等であっても良い。また、離脱部715は、
図14に示すように、回転体176Aの周面に例えばゴム板等のスクレーパー176Bを備えた回転スクレーパー716等で構成することができる。電子部品1は、回転スクレーパー726により接合面40Aから掻き取られる。離脱部715は、第2帯状部材40の送り方向と交差して設けられ、送り移動される電子部品1と干渉して電子部品1を下方に落下させる棒状または板状等の干渉部材であっても良い。
【0070】
第2帯状部材40の接合面40Aの接着面又は粘着機能は、接合面40Aが水と接触することにより損なわれる。よって、離脱部715の上流側の供給部712において、電子部品1が接合されている接合面40Aに水を供給している。供給される水を純水とすることで、電子部品1の機能は乾燥により純水が除去されれば損なわれない。離脱部715では、電子部品1に外力を付与することで接合面40Aから電子部品1を離脱させる。その付与される外力は小さくて済むので、電子部品1が破損することもない。
【0071】
4.第2実施形態
図16は、本発明の第2実施形態に係るペースト塗布装置1000を示している。
図17〜
図19は、ペースト塗布装置1000に設けられる各部を示している。ペースト塗布装置1000は、装着部1100、第1塗布部1200、第1乾燥部1300、移し換え部1400、第2塗布部1500、第2乾燥部1600及び回収部1700を含む。
図16に示す各部1100〜1700は、
図3に示す各部100〜700と同一の機能を有する。以降、
図16〜
図19に示す部材のうち、
図3に示す部材度同一機能を有する部材については
図3と同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。ペースト塗布装置1000は、
図16に示すように、各部1100〜1700毎に複数のユニット1000A〜1000Gにユニット化されていても良い。各ユニット1000A〜1000Gは、少なくとも第1帯状部材20又は第2帯状部材40により連結される。ペースト塗布装置1000は、7つのユニット1000A〜1000Gに限らず、
図3の5つのユニット11A〜11Eと同様に5つのユニットにユニット化されても良い。
【0072】
図16においで、第1装着部1100から移し換え部1400に第1帯状部材20を送り移動する第1送り移動部30A(
図16では図示せず、
図17及び
図18参照)と、移し換え部1400から回収部1700に第2帯状部材40を送り移動する第2送り移動部50A(
図16では図示せず、
図18及び
図19参照)とが設けられている。ここで、
図16では、第1送り移動部30Aによる第1帯状部材20の余剰長さ調整機能と、第2送り移動部による第2帯状部材40の余剰長さ調整機能との理解を容易にするために、ユニット1000A〜1000Gのうち隣り合う各2つのユニット間に、昇降移動可能なテンションローラー1001〜1006を示している。テンションローラー1001〜1006は、隣り合う2つのユニットの一方に、図示しない昇降機構により昇降可能に設けられる。テンションローラー1001〜1006の位置は、隣り合う各2つのユニット間の位置に限定されない。なお、第1帯状部材20の余剰長さ調整機能を実施するものを第1テンションローラー1001〜1003と称し、第2帯状部材40の余剰長さ調整機能を実施するものを第2テンションローラー1004〜1006と称する。隣接する2つのユニットで複数の電子部品1の非同期的な送りまたは非同期的な停止により生ずる、第1帯状部材20または第2帯状部材40の撓みまたは緊張を、テンションローラー1001〜1006のうち対応する一つの昇降移動により解消することができる。
図16では、テンションローラー1001〜1006の一つが上昇すると、隣接するユニット間での第1帯状部材20または第2帯状部材40の余剰長さが短くなってもテンションを付与し続けられる。同様に、テンションローラー1001〜1006の一つが下降すると、隣接するユニット間での第1帯状部材20または第2帯状部材40の余剰長さが長くなってもテンションを付与し続けられる。こうすると、例えば、第1塗布部1200では間欠送り、第1乾燥部1300では連続送りが可能となる。第1塗布部1200と第1乾燥部1300との間に設けられるテンションローラー1002の昇降移動により、第1帯状部材20を撓ませずに蓄えることができるからである。
【0073】
ペースト塗布装置1000は、
図17〜
図19に示すように、例えば第1実施形態と同様にロール・ツー・ロール方式で第1帯状部材20を送り移動する第1送り移動部30Aと、例えばロール・ツー・ロール方式で第2帯状部材40を送り移動する第2送り移動部50Aと、を有する。ペースト塗布装置1000は、
図17〜
図19に示すように、第1ローラー31、第2ローラー32、第3ローラー51及び第4ローラー52を含むことができる。第1〜第4ローラー31,32,51,52に巻き取られている第1又は第2帯状部材20,40を第1〜第4ロール21,22,41,42と称する。
【0074】
4.1.装着部
図17に示す装着部1100には、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、第1ローラー31に加え、ローラー1101〜1106、1112〜1114が設けられる。このうち、例えばローラー1101、1104、1113が駆動ローラーである。ローラー1101が間欠的に駆動されて、第1ロール21から第1帯状部材20が順次送り移動される。ローラー1104は例えば正逆回転可能であり、第1帯状部材20が直線搬送路1120上で停止した後に、ローラー1104が逆回転、ローラー1113が正回転されることで、直線搬送路1120上にある第1帯状部材20にテンションが付与される。第1帯状部材20の直線搬送路1120の下方には、1バッチ分の電子部品1を上向きで保持する治具101が昇降可能に配置される。第1帯状部材20の直線搬送路1120の上方には、均しローラー1111が設けられる。均しローラー1111は、回転しながら水平移動して、1バッチ分の電子部品1と第1帯状部材20との接合を促進させる。均しローラー1111に代えて、
図3の真空吸着部102を設けても良い。ローラー1103は昇降可能なテンションローラーである。治具101と均しローラー1111とによる装着動作中に第1帯状部材20を停止させている間に、ローラー1101によって第1ロール21から引き出される第1帯状部材20にたわみが生じないように、テンションローラー1103の昇降位置が調整される。1バッチ分の電子部品1が装着された第1帯状部材20は、ローラー1104、1113の間欠駆動により前方に送り移動される。
【0075】
第1帯状部材20は、繰り返し再利用される。そのために、再利用される第1帯状部材20をクリーニングするクリーニングローラー1107を設けることができる。クリーニングローラー1107は、例えばエアーシリンダー1108により進退駆動される。前進されて第1帯状部材20と接触するクリーニングローラー1107には、エアーシリンダー1108によりエアクッションが付与される。再利用される第1帯状部材20の接合力をチェックするために、第1帯状部材20に接合される接合部1109が設けられる。接合部1109は例えばエアーシリンダー1110により進退駆動され、後退駆動時に第1帯状部材20から引き離す力をチェックすることで、第1帯状部材20の接合力が判定される。第1帯状部材20の接合力不足が判定されると、警告し、装置の稼働が停止される。
【0076】
4.2.第1塗布部
図17に示す第1塗布部1200には、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、ローラー1201〜1206が設けられる。このうち、例えばローラー1201、1205が駆動ローラーであり、間欠駆動される。また、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、ローラー1113、1201の間には、昇降移動可能な第1テンションローラー1001が設けられる。テンションローラー1001は、装着部1100と第1塗布部1200とで非同期的な第1帯状部材20の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第1帯状部材20にテンションを付与する。
【0077】
ローラー1201は例えば正逆回転可能であり、第1帯状部材20が直線搬送路1210上で停止した後に、ローラー1201が逆回転、ローラー1205が正回転されることで、直線搬送路1210上にある第1帯状部材20にテンションが付与される。第1帯状部材20の直線搬送路1210の下方には、第1帯状部材20の送り移動方向の上流側に第1定盤1220が、その下流側に第2定盤1240が、それぞれ昇降可能に配置される。第1帯状部材20を挟んで第1定盤1220の上方には第1吸着部1230が、第1帯状部材20を挟んで第2定盤1240の上方には第2吸着部1250が、それぞれ設けられる。第1定盤1220の平坦面には導電性ペーストのディップ層5が形成され。第1定盤1220の上昇により、1バッチ分の電子部品1に導電性ペースト層が塗布される。第1帯状部材20の間欠搬送後に、1バッチ分の電子部品1に導電性ペースト層が塗布された導電性ペースト層は、上昇される第2定盤1240の平坦面と接触される。それにより、電子部品1に塗布されていた導電性ペースト層の膜厚及び平坦性が調整される。
【0078】
4.3.第1乾燥部
図18に示す第1乾燥部1300には、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、ローラー1301〜1309が設けられる。このうち、例えばローラー1308が駆動ローラーであり、例えば連続駆動される。また、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、ローラー1206、1301の間には、昇降移動可能な第1テンションローラー1002が設けられる。第1テンションローラー1002は、第1塗布部1200と第1乾燥部1300とで非同期的な第1帯状部材20の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第1帯状部材20にテンションを付与する。
【0079】
第1乾燥部1300では、ローラー1301〜1309により冗長な搬送路が形成され、例えば4つの直線搬送路に加熱部例えば赤外線ヒーター1310が配置される。赤外線ヒーター1310の背面には反射板1311が配置され、電子部品1に形成された導電性ペースト層の加熱効率を高めている。たとえばローラー1308が連続駆動されることで、第1帯状部材20は第1乾燥部1300内を連続的に送り移動される。こうして、連続搬送することにより、間欠搬送する場合よりも加熱むらを少なくすることができる。また、第1乾燥部1300では連続搬送され、その上流の第1塗布部1200では間欠搬送される第1帯状部材20は、第1テンションローラー1002の昇降位置を調整することで、たわみが生ずることなくテンションが付与され続ける。
【0080】
4.4.移し換え部
図18に示す移し換え部1400には、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、第2ローラー32に加えて、ローラー1401〜1309が設けられる。このうち、例えばローラー32、1402が駆動ローラーであり、例えば間欠駆動される。また、第1帯状部材20の第1送り移動部30Aとして、ローラー1309、1401の間には、昇降可能な第1テンションローラー1003が設けられる。第1テンションローラー1003は、第1乾燥部1300と移し換え部1400とで非同期的な第1帯状部材20の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第1帯状部材20にテンションを付与する。
【0081】
図18に示す移し換え部1400には、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、第3ローラー51に加えて、ローラー1410〜1417が設けられる。このうち、例えば1410、1414、1417が駆動ローラーであり、例えば間欠駆動される。
【0082】
図18に示すように、第2帯状部材40の直線搬送路1420の下方には吸着部1409が設けられる。ローラー32、ローラー1405〜1407及びエアーシリンダー1408は、昇降部1430として一体的に、直線搬送路1420に対して昇降可能である。
図18は、昇降部1430が上昇した位置にある。昇降部1430が下降すると、第1帯状部材20に接合されている1バッチ分の電子部品1の端部が、吸着部1409に真空吸着されている第2帯状部材40と接触する。その後、第2帯状部材40に接合された1バッチ分の電子部品1から、第1帯状部材20を鋭角的に剥離させるように第1帯状部材20を案内する剥離案内ローラー1406(剥離案内部または送り方向変換部材)が、
図8、
図10及び
図11の剥離案内部450と同様にして水平移動される。それにより、
図8、
図10及び
図11の剥離案内部450の動作と同様にして、1バッチ分の電子部品1を第1帯状部材20から第2帯状部材40に移し換えることができる。この場合、第1帯状部材20の接合力よりも第2帯状部材40の接合力を高くしておくと、より移し換えし易くなる。なお、エアーシリンダー1408は、剥離案内ローラー1406にエアクッション力を付与している。
【0083】
4.5.第2塗布部
図19に示す第2塗布部1500は、
図17に示す第1塗布部1200と同一の構成とすることができる。第2塗布部1500には、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、ローラー1501〜1506が設けられる。このうち、例えばローラー1501、1505が駆動ローラーであり、間欠駆動される。また、第2帯状部材40の第1送り移動部30Aとして、ローラー1419、1501の間には、昇降移動可能な第2テンションローラー1004が設けられる。第2テンションローラー1004は、移し換え部1400と第2塗布部1500とで非同期的な第2帯状部材40の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第2帯状部材40にテンションを付与する。
【0084】
第2状部材4の直線搬送路1510の下方には、第2帯状部材40の送り移動方向の上流側に第1定盤1520が、その下流側に第2定盤1540が、それぞれ昇降可能に配置される。第2帯状部材40を挟んで第1定盤1520の上方には第1吸着部1530が、第2帯状部材40を挟んで第2定盤1540の上方には第2吸着部1550が、それぞれ設けられる。第1定盤1520の平坦面には導電性ペーストのディップ層5が形成され。第1定盤1520の上昇により、1バッチ分の電子部品1に導電性ペースト層が塗布される。第2帯状部材40の間欠搬送後に、1バッチ分の電子部品1に導電性ペースト層が塗布された導電性ペースト層は、上昇される第2定盤1540の平坦面と接触される。それにより、電子部品1に塗布されていた導電性ペースト層の膜厚及び平坦性が調整される。
【0085】
4.6.第2乾燥部
図19に示す第2乾燥部1600は、
図18に示す第1乾燥部1300と同一の構成とすることができる。第2乾燥部1600には、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、ローラー1601〜1609が設けられる。このうち、例えばローラー1608が駆動ローラーであり、例えば連続駆動される。また、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、ローラー1506、1601の間には、昇降移動可能な第2テンションローラー1005が設けられる。第2テンションローラー1005は、第2塗布部1500と第2乾燥部1600とで非同期的な第2帯状部材40の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第2帯状部材40にテンションを付与する。
【0086】
第2乾燥部1600では、ローラー1601〜1609により冗長な搬送路が形成され、例えば4つの直線搬送路に加熱部例えば赤外線ヒーター1610が配置される。赤外線ヒーター1610の背面には反射板1611が配置され、電子部品1に形成された導電性ペースト層の加熱効率を高めている。たとえばローラー1608が連続駆動されることで、第2帯状部材40は第2乾燥部1600内を連続的に送り移動される。また、第2乾燥部1600では連続搬送され、その上流の第2塗布部1500では間欠搬送される第2帯状部材40は、第2テンションローラー1005の昇降位置を調整することで、たわみが生ずることなくテンションが付与され続ける。
【0087】
4.7.回収部
図19に示す回収部1700には、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、第4ローラー52に加えて、ローラー1701〜1703が設けられる。このうち、例えばローラー52、1701が駆動ローラーであり、例えば間欠駆動される。また、第2帯状部材40の第2送り移動部50Aとして、ローラー1609、1701の間には、昇降移動可能な第2テンションローラー1006が設けられる。第2テンションローラー1006は、第2乾燥部1600と回収部1700とで非同期的な第2帯状部材40の送り移動または停止動作があったときに、昇降により第2帯状部材40にテンションを付与する。
【0088】
回収部1700には、部品回収部として、不良品回収部1721と良品回収部1731とを設けることができる。不良品回収部1721は、不良品掻き取り部1720と一体で、昇降移動及び水平移動される。電子部品1が不良品であるか否かは、
図20に示す制御系ブロックの不良ID判定部1800で判定される。本実施形態では、例えば少なくとも一つの電子部品1の両端部の少なくとも一方に塗布される導電性ペースト層4Aの状態により判別される。このために、
図20に示すように、例えば第1塗布部1200及び第2塗布部1500に、カメラなどの撮像部1801、1802を配置することができる。
図20に示す撮像部1801、1802では、例えば
図2に示す導電性ペースト層4Aの寸法T1+L3の長さLを撮像する。不良ID判定部1800は、撮像された寸法Lが、規定範囲内であれば良品、規定範囲外であれば不良品と判別できる。また、第1帯状部材20及び第2帯状部材40には、1バッチ分の電子部品1の接合エリア毎にバッチID(例えばバーコード)が付されている。
図20に示す第1ID読取部1803、1804は、撮像部1801、1802で撮像される1バッチ分の電子部品1毎に、第1帯状部材20及び第2帯状部材40に付されたバッチIDを読み取る。また、第1帯状部材20のバッチIDが、第2帯状部材40のどのバッチIDに対応するかについては、例えば移し換え部1400にて対応する第1、第2帯状部材20、40の2つのバッチIDを、
図20に示す第2ID読取部1805により読み取る。
【0089】
従って、第1塗布部1200及び第2塗布部1500の少なくとも一方で塗布不良が生じたか否かは、回収部1700において第2帯状部材40のバッチIDを、
図20に示す第3ID読取部1806で読み取ることで認識できる。不良であると判定された1バッチ分の電子部品1は、不良品掻き取り部1720によって掻き取られて、不良品回収部1721に回収される。残りの良品である電子部品1は、良品掻き取り部1730によって掻き取られて、良品回収部1731に回収される。電子部品1が掻き取られた第2帯状部材40は、第4ローラー52により第4ロール42として回収される。
【0090】
上述された第2実施形態において、
図1〜
図15に示す第1実施形態の部材に置き換えても良い。例えば、第1、第2塗布部1200、1500の少なくとも一方では、第1、第2定盤に代えて
図5〜
図7に示す回転体210を用いても良い。また、第1、第2乾燥部1300、1600の少なくとも一方では、
図12〜
図14に示すベルト搬送機構330を採用することができる。