(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態に係る導電性部材の固定構造は、不図示であるが、例えば、電池パックにおいて、複数の電池の極柱側に配置されるフレーム5に対して、複数の電池間を電気的に接続する導電性部材としてのバスバ7の固定に用いられる。
【0027】
このバスバ7には、一対の貫通孔19,19が設けられ、この一対の貫通孔19,19に隣り合う電池の正極と負極の極柱を挿通させ、電池の極柱にナットを締結することにより、バスバ7を介して隣り合う電池が電気的に接続される。
【0028】
このようなバスバ7による隣り合う電池の電気的接続をフレーム5の複数箇所で行うことにより、電池パックにおいて、複数の電池が電気的に接続される。
【0029】
一方、本発明の実施の形態に係る導電性部材の固定構造の他例としては、上記のような電池パックにおいて、複数の電池の極柱側に配置されるフレーム5に対して、電池の電圧を検出する導電性部材としての検出端子205の固定に用いられる。
【0030】
この検出端子205には、端子貫通孔223が設けられ、この端子貫通孔223に電池の極柱を挿通させ、電池の極柱にナットを締結することにより、検出端子205が電池に電気的に接続される。
【0031】
このような検出端子205と電池との電気的接続をフレーム5の複数箇所で行うことにより、電池パックにおいて、複数の電池の電圧を検出することができる。
【0032】
以下、
図1〜
図12を用いてこのような電池パックに適用される本発明の実施の形態に係る導電性部材の固定構造について説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1〜
図3を用いて第1実施形態について説明する。
【0034】
本実施の形態に導電性部材の固定構造1は、配置部3を有するフレーム5と、配置部3に配置される平板状の導電性部材としてのバスバ7とを備えている。
【0035】
そして、フレーム5には、配置部3から複数の突起部9が突設され、バスバ7には、突起部9を挿入可能な複数の穴部11が設けられ、突起部9には、突起部9が穴部11に挿入された状態で、バスバ7から離間し穴部11の縁部に係合可能な係合部13が設けられている。
【0036】
また、突起部9は、フレーム5に撓み可能に設けられ、係合部13は、突起部9の先端側に一体に設けられ突起部9の復元方向に向けて突設された爪部15を有する。
【0037】
図1〜
図3に示すように、フレーム5は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、複数の電池を収容可能に筐体状に形成されている。
【0038】
このフレーム5には、電池の極柱側に配置される配置部3が設けられている。なお、配置部3は、フレーム5において、収容される複数の電池に合わせて複数箇所設けられている。
【0039】
配置部3は、平面状に形成され、隣り合う電池の極柱に合わせて、極柱を挿通可能なように貫通された挿通部17,17が設けられている。
【0040】
この配置部3には、挿通部17,17に隣り合う電池の極柱が挿通され、上面にバスバ7が配置される。
【0041】
バスバ7は、導電性材料からなり、平板状に形成され、長さ方向の両側に電池の極柱を挿通可能なように板厚方向に貫通して一対の貫通孔19,19が円形状に設けられている。
【0042】
このバスバ7は、フレーム5の配置部3に配置されることにより、一対の貫通孔19,19に隣り合う電池の極柱がそれぞれ挿通され、極柱にナットが締結されて隣り合う電池を電気的に接続する。
【0043】
このようなフレーム5の配置部3に配置されるバスバ7とフレーム5とには、それぞれ突起部9と、穴部11とが設けられ、突起部9には、係合部13が設けられている。
【0044】
突起部9は、フレーム5の配置部3において、挿通部17,17の間に位置する部分から上方に向けて複数(ここでは2つ)突設されている。
【0045】
この突起部9は、バスバ7の長さ方向に向けて撓み可能にフレーム5に設けられ、バスバ7の穴部11に挿入される。
【0046】
穴部11は、バスバ7において、一対の貫通孔19,19の間で突起部9と対応する部分に突起部9を挿入可能なように板厚方向に貫通して複数(ここでは2つ)長方形状に設けられている。
【0047】
この穴部11には、バスバ7をフレーム5の配置部3に配置させる際に、突起部9が挿入される。
【0048】
この穴部11と突起部9とは、複数設けられているので、フレーム5の配置部3にバスバ7が配置された状態で、バスバ7の回り止めと、バスバ7の平面方向への移動を規制することができる。
【0049】
このような穴部11は、内径が突起部9の外径より大きく設定されており、突起部9が挿通された状態で、突起部9との間にクリアランスが形成される。
【0050】
このように突起部9と穴部11との間にクリアランスを設定することにより、バスバ7を平面方向に僅かに移動可能とすることができ、バスバ7の平面方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0051】
このような穴部11には、突起部9が挿入された状態で、縁部に係合部13が対向して配置される。
【0052】
係合部13は、突起部9の自由端側である先端側に突起部9と一体に設けられ、突起部9の復元方向に向けて突設された爪部15を有する。
【0053】
この爪部15は、突起部9が穴部11に挿入された状態で、バスバ7の上面から離間して穴部11の縁部に係合可能に対向して配置される。
【0054】
このように係合部13を配置させることにより、フレーム5の配置部3からのバスバ7の抜け止めを行うことができる。
【0055】
加えて、係合部13と穴部11の縁部との間には、クリアランスが設定されているので、例えば、フレーム5に収容される電池の高さが高くなっても、係合部13と穴部11とを係合可能とすることができるなど、バスバ7の平面と交差する方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0056】
このような導電性部材の固定構造1におけるフレーム5に対するバスバ7の組付けは、バスバ7の穴部11とフレーム5の突起部9との位置を合わせ、突起部9を穴部11に挿入する。
【0057】
このとき、穴部11の縁部に係合部13の爪部15が当接し、突起部9が撓んで突起部9が穴部11に挿入される。
【0058】
そして、バスバ7をフレーム5の配置部3に配置させると、突起部9が復元して穴部11の縁部に係合し、係合部13の爪部15が穴部11の縁部に対向して配置され、バスバ7の組付けが完了する。
【0059】
このような導電性部材の固定構造1では、フレーム5に、配置部3から突起部9が突設され、バスバ7に、突起部9を挿入可能な穴部11が設けられているので、フレーム5とバスバ7とのサイズに依存することなく、複数の穴部11に複数の突起部9を挿入することで、バスバ7の回り止めを行いつつ、バスバ7をフレーム5の配置部3に配置させることができる。
【0060】
加えて、穴部11は、突起部9を挿入可能であるので、穴部11の内周と突起部9の外周との間にクリアランスを設定することにより、バスバ7の平面方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0061】
また、突起部9には、突起部9が穴部11に挿入された状態で、バスバ7から離間し穴部11の縁部に係合可能な係合部13が設けられているので、バスバ7の抜け止めを行いつつ、バスバ7の平面と交差する方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0062】
従って、このような導電性部材の固定構造1では、フレーム5の突起部9をバスバ7の穴部11に挿入することによって、フレーム5とバスバ7のサイズに依存することなく、バスバ7をフレーム5に固定することができる。
【0063】
また、係合部13は、突起部9の先端側に一体に設けられ突起部9の復元方向に向けて突設された爪部15を有するので、フレーム5の突起部9に対してバスバ7の穴部11を挿入することによって、バスバ7をフレーム5に固定することができ、組付性を向上することができる。
【0064】
(第2実施形態)
図4,
図5を用いて第2実施形態について説明する。
【0065】
本実施の形態に係る導電性部材の固定構造101は、係合部103が、突起部105と別体で設けられ突起部105に固定部107を介して固定されている。
【0066】
また、係合部103は、穴部109の内径より大きな外径に形成された鍔部111を有する。
【0067】
なお、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、同様の構成であるので得られる作用・効果は同様である。
【0068】
図4,
図5に示すように、突起部105は、フレーム5の配置部3において、挿通部17,17(
図1参照)の間に位置する部分から上方に向けて複数(ここでは2つ)円筒状に突設されている。
【0069】
この突起部105は、フレーム5に撓み不能に設けられ、フレーム5側が小径でフレーム5から離れた部分が大径に形成され、バスバ7の穴部109に挿入される。
【0070】
穴部109は、バスバ7において、一対の貫通孔19,19の間で突起部105と対応する部分に突起部105を挿入可能なように板厚方向に貫通して複数(ここでは2つ)円形状に設けられている。
【0071】
この穴部109には、バスバ7をフレーム5の配置部3に配置させる際に、突起部105が挿入される。
【0072】
この穴部109と突起部105とは、複数設けられているので、フレーム5の配置部3にバスバ7が配置された状態で、バスバ7の回り止めと、バスバ7の平面方向への移動を規制することができる。
【0073】
このような穴部109は、内径が突起部105の外径より大きく設定されており、突起部105が挿通された状態で、突起部105との間にクリアランスが形成される。
【0074】
このように突起部105と穴部109との間にクリアランスを設定することにより、バスバ7を平面方向に僅かに移動可能とすることができ、バスバ7の平面方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0075】
このような穴部109には、突起部105が挿入された状態で、縁部に係合部103が対向して配置される。
【0076】
係合部103は、突起部105と別体で形成され、突起部105の大径部に係合可能な固定部107を介して固定され、穴部109の内径より大きな外径に形成された鍔部111を有する。
【0077】
この鍔部111は、突起部105が穴部109に挿入された状態で、突起部105の先端側に固定部107を介して組付けられ、突起部105に固定された状態で、バスバ7の上面から離間して穴部109の縁部に係合可能に対向して配置される。
【0078】
このように係合部103を配置させることにより、フレーム5の配置部3からのバスバ7の抜け止めを行うことができる。
【0079】
加えて、係合部103と穴部109の縁部との間には、クリアランスが設定されているので、バスバ7の平面と交差する方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0080】
さらに、鍔部111は、穴部109の内径より大きな外径を有するので、穴部109の縁部の広い範囲に鍔部111を対向して配置させることができ、バスバ7をより安定してフレーム5に保持させることができる。
【0081】
このような導電性部材の固定構造101におけるフレーム5に対するバスバ7の組付けは、バスバ7の穴部109とフレーム5の突起部105との位置を合わせ、突起部105を穴部109に挿入する。
【0082】
そして、穴部109に挿入された突起部105の先端に対して、固定部107を介して鍔部111を突起部105に固定することで、係合部103の鍔部111が穴部109の縁部に対向して配置され、バスバ7の組付けが完了する。
【0083】
このような導電性部材の固定構造101では、係合部103が、突起部105と別体で設けられ突起部105に固定部107を介して固定されているので、係合部103を独立して穴部109に合わせて容易に設計変更することができ、係合部103の設計の自由度を向上することができる。
【0084】
また、係合部103は、穴部109の内径より大きな外径に形成された鍔部111を有するので、穴部109の縁部の広い範囲に鍔部111を配置させることができ、バスバ7をフレーム5に安定して保持することができる。
【0085】
(第3実施形態)
図6〜
図9を用いて第3実施形態について説明する。
【0086】
本実施の形態に係る導電性部材の固定構造201は、フレーム5に、干渉部203が設けられ、導電性部材としての検出端子205に、一面側が配置部3に配置される正規配置状態で干渉部203を収容可能な収容凹部207と、他面側が配置部3に配置される非正規配置状態で干渉部203と当接可能な当接部209とが設けられている。
【0087】
なお、他の実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して構成及び機能説明は他の実施形態を参照するものとし省略するが、同様の構成であるので得られる作用・効果は同様である。
【0088】
図6〜
図9に示すように、フレーム5には、配置部3を区画する区画壁211に配置部3を臨むように開口され、区画壁211と連続する一部材で区画壁211から配置部3の外方に向けて凹状に延設された一対の壁部213,213を有する配索経路215が設けられている。
【0089】
この配索経路215には、検出端子205の電線接続部217側が配置され、検出端子205に接続された電線(不図示)がフレーム5の外部に引き出される。
【0090】
検出端子205は、導電性材料からなり、平板状に形成され、電線接続部217と、端子部219と、連結部221とを備えている。
【0091】
電線接続部217は、一対の圧着片を有し、電池の電圧を検出する検出器に接続された電線の端末部に、一対の圧着片が電線の芯線部に圧着されることにより電線に電気的に接続される。
【0092】
この電線接続部217は、電線の端末部に接続された状態で、端子部219をフレーム5の配置部3に配置することにより、配索経路215に配置され、電線がフレーム5の外部に引き出される。
【0093】
端子部219は、電線接続部217と連続する一部材で円形状に形成され、中央部に電池の極柱を挿通可能なように板厚方向に貫通して端子貫通孔223が円形状に設けられている。
【0094】
この端子部219は、フレーム5の配置部3に配置されることにより、端子貫通孔223に電池の極柱が挿通され、極柱にナットが締結されて検出端子205を電池に電気的に接続する。
【0095】
連結部221は、電線接続部217と端子部219との間に配置され、電線接続部217と端子部219とを連結するように電線接続部217及び端子部219と連続する一部材で長方形状に形成されている。
【0096】
この連結部221は、端子部219をフレーム5の配置部3に配置することにより、配索経路215に配置され、幅方向の両側に、それぞれ配索経路215の一対の壁部213,213が当接可能に配置された状態となる。
【0097】
このように連結部221の幅方向の両側に一対の壁部213,213を当接可能に配置することにより、端子部219が配置部3に配置された状態で、検出端子205の回り止めを行うことができる。
【0098】
このように連結部221で検出端子205の回り止めを行うことにより、端子部219にフレーム5に係合する回り止め構造を設ける必要がなく、フレーム5のサイズに依存せずに、端子部219のサイズを電池の容量に合わせて最小限に小型化することができる。
【0099】
このようなフレーム5と検出端子205とには、それぞれ突起部225と、穴部227とが設けられ、突起部225には、係合部229が設けられている。
【0100】
突起部225は、フレーム5の配索経路215において、配置部3側に配置され、一対の壁部213,213間に位置する底壁から上方に向けて一対突設されている。
【0101】
この一対の突起部225,225は、一対の壁部213,213間でフレーム5に撓み可能に設けられ、検出端子205の穴部227に挿入される。
【0102】
穴部227は、検出端子205において、一対の壁部213,213間に配置される連結部221に一対の突起部225,225を挿入可能なように板厚方向に貫通して円形状に設けられている。
【0103】
この穴部227には、検出端子205の連結部221をフレーム5の配索経路215に配置させる際に、一対の突起部225,225が挿入される。
【0104】
このような穴部227は、内径が一対の突起部225,225の外径より大きく設定されており、一対の突起部225,225が挿通された状態で、一対の突起部225,225との間にクリアランスが形成される。
【0105】
このように一対の突起部225,225と穴部227との間にクリアランスを設定することにより、検出端子205を平面方向に僅かに移動可能とすることができ、検出端子205の平面方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0106】
このような穴部227には、一対の突起部225,225が挿入された状態で、縁部に係合部229が対向して配置される。
【0107】
係合部229は、一対の突起部225,225の自由端側である先端側にそれぞれ一対の突起部225,225と一体に設けられ、一対の突起部225,225の復元方向に向けて突設された爪部231を有する。
【0108】
この爪部231は、一対の突起部225,225が穴部227に挿入された状態で、検出端子205の上面から離間して穴部227の縁部に係合可能に対向して配置される。
【0109】
このように係合部229を配置させることにより、フレーム5の配置部3からの検出端子205の抜け止めを行うことができる。
【0110】
加えて、係合部229と穴部227の縁部との間には、クリアランスが設定されているので、例えば、フレーム5に収容される電池の高さが高くなっても、係合部229と穴部227とを係合可能とすることができるなど、検出端子205の平面と交差する方向の製造公差や組付交差を吸収することができる。
【0111】
このような突起部225及び係合部229と穴部227とをフレーム5の配索経路215側に設けることにより、フレーム5のサイズに依存せずに、端子部219のサイズを電池の容量に合わせて最小限に小型化しつつ、フレーム5の配置部3からの検出端子205の抜け止めを行うことができる。
【0112】
ここで、平板状の検出端子205は、一面側(ここでは裏面側)が配置部3に配置される正規配置状態と、他面側(ここでは表面側)が配置部3に配置される非正規配置状態とを有する。
【0113】
このような検出端子205は、フレーム5の配置部3に対して、誤って裏表を逆にして配置される恐れがある。
【0114】
そこで、フレーム5と検出端子205とには、誤組付けを防止するために、それぞれ干渉部203と、収容凹部207と、当接部209とが設けられている。
【0115】
干渉部203は、フレーム5の配索経路215に配置され、一対の壁部213,213のうち一方の壁部213から配索経路215の内部に向けて張り出された突起となっている。
【0116】
収容凹部207は、検出端子205の連結部221の幅方向の一側面に配置され、連結部221の一側面を中央部側に向けて凹ませることにより、連結部221が配索経路215に配置された状態で、干渉部203を収容可能に設けられている。
【0117】
当接部209は、検出端子205の連結部221の幅方向の他側面に配置され、連結部221が配索経路215に配置された状態で、干渉部203と当接可能に設けられている。
【0118】
このような干渉部203と収容凹部207と当接部209とは、検出端子205の一面側が配置部3に配置される正規配置状態であるとき、干渉部203が収容凹部207内に収容され、検出端子205をフレーム5に配置することができる。
【0119】
一方、検出端子205の他面側が配置部3に配置される非正規配置状態であるときには、干渉部203が当接部209と当接し、検出端子205をフレーム5に配置することができない。
【0120】
このようにフレーム5に干渉部203を設け、検出端子205に収容凹部207と当接部209とを設けることにより、干渉部203との非干渉、或いは干渉によって、検出端子205の配置状態を検出することができ、フレーム5に対する検出端子205の誤組付けを防止することができる。
【0121】
このような導電性部材の固定構造201におけるフレーム5に対する検出端子205の組付けは、検出端子205の穴部227とフレーム5の突起部225との位置を合わせ、突起部225を穴部227に挿入する。
【0122】
このとき、検出端子205が正規配置状態であれば、干渉部203が収容凹部207に収容され、検出端子205が非正規配置状態であれば、干渉部203が当接部209に当接される。
【0123】
次に、検出端子205が正規配置状態となっている場合には、穴部227の縁部に係合部229の爪部231が当接し、突起部225が撓んで突起部225が穴部227に挿入される。
【0124】
そして、検出端子205をフレーム5の配置部3に配置させると、突起部225が復元して穴部227の縁部に係合し、係合部229の爪部231が穴部227の縁部に対向して配置され、検出端子205の組付けが完了する。
【0125】
このような導電性部材の固定構造201では、検出端子205に、一面側が配置部3に配置される正規配置状態で干渉部203を収容可能な収容凹部207と、他面側が配置部3に配置される非正規配置状態で干渉部203と当接可能な当接部209とが設けられているので、フレーム5に対する検出端子205の誤組付けを防止することができる。
【0126】
(第4実施形態)
図10〜
図12を用いて第4実施形態について説明する。
【0127】
本実施の形態に係る導電性部材の固定構造301は、穴部303が、導電性部材としての検出端子205の一面側が配置部3に配置される正規配置状態で突起部305を挿通可能とし、検出端子205の他面側が配置部3に配置される非正規配置状態で突起部305を挿通不能とする形状に形成されている。
【0128】
なお、他の実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して構成及び機能説明は他の実施形態を参照するものとし省略するが、同様の構成であるので得られる作用・効果は同様である。
【0129】
図10〜
図12に示すように、フレーム5の配索経路215に設けられた突起部305は、一対設けられ、この一対の突起部305,305は、一対の壁部213,213に対して斜めに傾斜されている。
【0130】
この突起部305は、先端側に係合部229としての爪部231が設けられ、検出端子205がフレーム5に対して正規に配置された状態で、検出端子205の穴部303に挿入される。
【0131】
検出端子205の連結部221に設けられた穴部303の中央部には、連結部221の幅方向の側面に対して斜めに傾斜された渡部307が設けられている。
【0132】
この渡部307は、穴部303を半円状の一対の穴部303,303とさせ、検出端子205の一面側(ここでは裏面側)が配置部3に配置される正規配置状態で、一対の突起部305,305を一対の穴部303,303に挿通可能とし、検出端子205の他面側(ここでは表面側)が配置部3に配置される非正規配置状態で、一対の突起部305,305を一対の穴部303,303に挿通不能とさせる。
【0133】
このように穴部303に渡部307を設けることにより、検出端子205の正規配置状態では、一対の突起部305,305を一対の穴部303,303に挿通させることができ、検出端子205をフレーム5に配置することができる。
【0134】
一方、検出端子205の非正規配置状態では、一対の突起部305,305を一対の穴部303,303に挿通させることができず、検出端子205をフレーム5に配置することができない。
【0135】
このように検出端子205の配置状態に合わせて、突起部305の挿通の可否となるように穴部303の形状を設定することにより、突起部305を穴部303に挿通させるときに、検出端子205の配置状態を検出することができ、フレーム5に対する検出端子205の誤組付けを防止することができる。
【0136】
なお、本実施の形態においては、フレーム5に干渉部203が設けられ、検出端子205に収容凹部207と当接部209とが設けられているが、穴部303への突起部305の挿通の可否によって検出端子205の配置状態を検出することができるので、干渉部203と収容凹部207と当接部209とを設けなくともよい。
【0137】
このような導電性部材の固定構造301におけるフレーム5に対する検出端子205の組付けは、検出端子205の穴部303とフレーム5の突起部305との位置を合わせ、突起部305を穴部303に挿入する。
【0138】
このとき、検出端子205が正規配置状態であれば、突起部305を穴部303に挿入することができ、検出端子205が非正規配置状態であれば、突起部305を穴部303に挿入することができない。
【0139】
次に、検出端子205が正規配置状態となっている場合には、穴部303の縁部に係合部229の爪部231が当接し、突起部305が撓んで突起部305が穴部303に挿入される。
【0140】
そして、検出端子205をフレーム5の配置部3に配置させると、突起部305が復元して穴部303の縁部に係合し、係合部229の爪部231が穴部303の縁部に対向して配置され、検出端子205の組付けが完了する。
【0141】
このような導電性部材の固定構造301では、穴部303が、検出端子205の一面側が配置部3に配置される正規配置状態で突起部305を挿通可能とし、検出端子205の他面側が配置部3に配置される非正規配置状態で突起部305を挿通不能とする形状に形成されているので、穴部303に、フレーム5に対する検出端子205の固定機能に合わせて、フレーム5に対する検出端子205の誤組付防止機能をもたせることができる。
【0142】
なお、本発明の実施の形態に係る導電性部材の固定構造では、導電性部材をバスバ、或いは検出端子としているが、これに限らず、フレームに固定される導電性部材であれば、導電性部材はどのようなものであってもよい。
【0143】
また、第1,第2実施形態に係る導電性部材の固定構造では、突起部と穴部とがそれぞれ2つ設けられているが、これに限らず、突起部と穴部とを3つ以上設けてもよい。
【0144】
また、第1,第2実施形態に係る導電性部材の固定構造においても、第3,第4実施形態に係る導電性部材の固定構造のように、フレームに干渉部を設け、バスバに収容凹部と当接部とを設ける、バスバの穴部の形状をバスバの配置状態に合わせて設定してもよい。
【0145】
さらに、第3,第4実施形態に係る導電性部材の固定構造では、突起部と穴部とが1つとなっているが、これに限らず、突起部と穴部とを2つ以上設けてもよい。
【0146】
また、第3,第4実施形態に係る導電性部材の固定構造では、係合部が爪部を有しているが、これに限らず、係合部が突起部と別体で形成された、例えば、鍔部などを有してもよい。
【0147】
さらに、第3実施形態に係る導電性部材の固定構造では、干渉部がフレームの配索経路に設けられ、収容凹部と当接部とが検出端子の連結部に設けられているが、これに限らず、干渉部をフレームのどの部分に設けてもよく、この干渉部と対応するように検出端子に収容凹部と当接部とを設ければよい。
【0148】
この場合には、フレームのサイズに依存せずに、検出端子の端子部を小型化することができるように、例えば、検出端子の連結部の中央部、検出端子の端子部の端子貫通孔の周囲などに設けることが好ましい。
【0149】
加えて、干渉部と収容凹部との形状は、例えば、干渉部を柱状とし、収容凹部を柱状の干渉部を挿通可能とする孔部とするなど、干渉部を収容できる形状であれば、干渉部と収容凹部との形状はどのような形状であってもよい。
【0150】
また、第4実施形態に係る導電性部材の固定構造では、穴部が渡部によって一対の半円状に形成されているが、これに限らず、検出端子の正規配置状態で、穴部に突起部を挿通することができ、検出端子の非正規配置状態で、穴部に突起部を挿通することができない形状であれば、穴部の形状はどのような形状であってもよい。