(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ダイボンディング側の第1面、前記第1面の反対側の第2面、および前記第1面および前記第2面に交差する方向に延びる端面を有する半導体層、前記第1面に形成され、前記端面よりも内側に離れた位置に周縁を有する第1電極、および前記第2面に形成された第2電極を有する半導体チップと、
前記半導体チップがダイボンディングされる導電性基板と、
前記導電性基板上で前記半導体チップを支持する、前記第1電極よりも小さな平面面積を有する導電性スペーサと、
前記半導体チップおよび前記導電性スペーサを少なくとも封止する樹脂パッケージとを含み、
前記半導体チップは、前記第1面側の前記半導体層の表面部に、前記第1電極に電気的に接続された第1導電型の第1不純物領域と、前記第1電極よりも外側で露出する第2導電型の第2不純物領域とを有し、
前記第2不純物領域は、前記第1電極と前記第2電極との間に逆方向電圧が印加されたときに、前記第2電極と同電位となる部分を有しており、
前記半導体チップの前記導電性スペーサよりも外側の部分と前記導電性基板との間の空間に前記樹脂パッケージの一部が入り込んでいる半導体装置であって、
前記半導体装置の耐圧をVB1(V)とし、前記樹脂パッケージの単位長さ当たりの耐圧をVB2(V/mm)とし、前記導電性スペーサの周面と前記第2不純物領域の周面との距離をLとしたとき、前記距離LがVB1/VB2を超える大きさである、半導体装置。
ダイボンディング側の第1面、前記第1面の反対側の第2面、および前記第1面および前記第2面に交差する方向に延びる端面を有する半導体層、前記第1面に形成され、前記端面よりも内側に離れた位置に周縁を有する第1電極、および前記第2面に形成された第2電極を有する半導体チップと、
前記半導体チップがダイボンディングされる導電性基板と、
前記導電性基板の一部を選択的に突出させて形成された中空の導電性スペーサであって、前記第1電極よりも小さな平面面積を有する導電性スペーサと、
前記半導体チップおよび前記導電性スペーサを少なくとも封止する樹脂パッケージとを含み、
前記半導体チップは、前記第1面側の前記半導体層の表面部に、前記第1電極に電気的に接続された第1導電型の第1不純物領域と、前記第1電極よりも外側で露出する第2導電型の第2不純物領域とを有し、
前記第2不純物領域は、前記第1電極と前記第2電極との間に逆方向電圧が印加されたときに、前記第2電極と同電位となる部分を有しており、
前記半導体チップの前記導電性スペーサよりも外側の部分と前記導電性基板との間の空間に前記樹脂パッケージの一部が入り込んでいる半導体装置であって、
前記半導体装置の耐圧をVB1(V)とし、前記樹脂パッケージの単位長さ当たりの耐圧をVB2(V/mm)とし、前記導電性スペーサの周面と前記第2不純物領域の周面との距離をLとしたとき、前記距離LがVB1/VB2を超える大きさである、半導体装置。
前記導電性スペーサと前記半導体チップの前記第1電極との間に設けられた接合材であって、前記導電性スペーサからはみ出し部が前記第1電極の内側に収まっている接合材を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
少なくとも前記第1電極の周縁部に接するように形成され、前記第1電極の周縁から前記半導体層の端面までを覆う保護絶縁膜をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記半導体チップは、前記半導体層の表面部に複数のトランジスタ形成された活性領域と、前記活性領域を囲むように保護素子が形成された外周領域とを有している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図1および
図2は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の平面図および底面図である。
【0033】
半導体装置1は、その表面3側にソース電極18およびゲートパッド47を有し、裏面4側にドレイン電極24を有している。
【0034】
ソース電極18は、表面3のほぼ全域において略四角形状に形成され、半導体装置1の端面5よりも内側に離れた位置に周縁48を有している。周縁48には後述の記載でも説明するが、ガードリング等の表面終端構造が設けられている。これにより、半導体装置1の表面3には、ソース電極18の周囲に半導体領域49が露出している。この実施形態では、ソース電極18を取り囲む半導体領域49が露出している。ゲートパッド47は、ソース電極18の一つの角部において、ソース電極18から間隔を空けて設けられている。
【0035】
ドレイン電極24は、後述の記載でも説明するが、表面3のほぼ全域において略四角形状に形成され、半導体装置1の端面5よりも内側に離れた位置に周縁25を有している。これにより、半導体装置1の裏面4には、ドレイン電極24の周囲に半導体領域26が露出している。この実施形態では、ドレイン電極24を取り囲む半導体領域26が露出している。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な断面図である。
【0037】
半導体装置1は、n
−型のSiCからなる半導体層2を含む。半導体層2は、表面3およびその反対側の裏面4と、表面3に交差する方向に延びる(
図3では垂直方向に延びる)端面5とを有している。表面3がSiCのSi面であり、裏面4がSiCのC面であってもよい。
【0038】
半導体層2は、10μm〜100μmの厚さを有している。また、半導体層2は、全体的に略一様な不純物濃度を有しており、たとえば、1×10
14cm
−3〜1×10
17cm
−3の不純物濃度を有している。ここで、略一様な不純物濃度を有しているとは、半導体層2が、その裏面部(たとえば、裏面4から厚さ方向に一定の距離までの領域)に比較的高い不純物濃度のn型部分(たとえば、n
+型部分)を有していないことをいう。
【0039】
半導体装置1は、その周縁部(端面5付近の部分)に設定された外周領域6と、当該外周領域6に取り囲まれた活性領域7とを含む。
【0040】
活性領域7において半導体層2の表面部には、MISトランジスタ構造8が形成されている。MISトランジスタ構造8は、p型ボディ領域9と、n
+型ソース領域10と、ゲート絶縁膜11と、ゲート電極12と、p
+型ボディコンタクト領域13とを含む。
【0041】
より具体的には、複数のp型ボディ領域9が半導体層2の表面部に形成されている。各p型ボディ領域9は、活性領域7において電流が流れる最小単位(単位セル)を形成している。n
+型ソース領域10は、各p型ボディ領域9の内方領域に、半導体層2の表面3に露出するように形成されている。p型ボディ領域9において、n
+型ソース領域10の外側の領域(n
+型ソース領域10を取り囲む領域)はチャネル領域14を定義している。ゲート電極12は、隣り合う単位セルに跨っており、ゲート絶縁膜11を介してチャネル領域14に対向している。p
+型ボディコンタクト領域13は、n
+型ソース領域10を貫通してp型ボディ領域9と電気的に接続されている。
【0042】
MISトランジスタ構造8の各部について説明を加える。p型ボディ領域9の不純物濃度は、たとえば、1×10
16cm
−3〜1×10
19cm
−3であり、n
+型ソース領域10の不純物濃度は、たとえば、1×10
19cm
−3〜1×10
21cm
−3であり、p
+型ボディコンタクト領域13の不純物濃度は、たとえば、1×10
19cm
−3〜1×10
21cm
−3である。ゲート絶縁膜11は、たとえば、酸化シリコン(SiO
2)からなり、その厚さは20nm〜100nmである。ゲート電極12は、たとえば、ポリシリコンからなる。
【0043】
半導体層2においてMISトランジスタ構造8に対して裏面4側のn
−型の領域は、n
−型ドリフト領域15となっており、半導体層2の裏面4に露出している。
【0044】
半導体層2上には、活性領域7および外周領域6の両方に跨る層間絶縁膜16が形成されている。層間絶縁膜16は、たとえば、酸化シリコン(SiO
2)からなり、その厚さは0.5μm〜3.0μmである。層間絶縁膜16には、各単位セルのn
+型ソース領域10およびp
+型ボディコンタクト領域13を露出させるコンタクトホール17が形成されている。
【0045】
層間絶縁膜16上には、ソース電極18が形成されている。ソース電極18は、各コンタクトホール17に入り込み、n
+型ソース領域10およびp
+型ボディコンタクト領域13にオーミック接触している。ソース電極18は、活性領域7から外周領域6に延び、外周領域6において層間絶縁膜16に乗り上がったオーバーラップ部19を有している。
【0046】
外周領域6において半導体層2の表面部には、表面終端構造20が形成されている。表面終端構造20は、ソース電極18の周縁部(半導体層2との接合部の周縁部)に重なる部分を少なくとも一つ含む複数の部分からなっていてもよい。
図3では、最も内側のリサーフ層21(RESURF:Reduced Surface Field)と、リサーフ層21を取り囲む複数のガードリング層22とを含む。リサーフ層21は、層間絶縁膜16の開口23の内外に跨って形成され、開口23内部でソース電極18の周縁部に接触している。複数のガードリング層22は、互いに間隔を空けて形成されている。また、表面終端構造20は、p型の不純物領域からなっていてもよい。
【0047】
半導体層2の裏面4には、ドレイン電極24が形成されている。ドレイン電極24は、複数の単位セルの共通の電極である。ドレイン電極24は、半導体層2とショットキー接合を形成可能な金属(たとえば、Ti/Alの積層構造等)からなる。具体的には、ドレイン電極24における半導体層2と接触する層(たとえばTi層)が、半導体層2とショットキー接合を形成できればよい。
【0048】
また、ドレイン電極24は、半導体層2の端面5よりも内側に離れた位置に周縁25を有するように形成されている。これにより、半導体層2の裏面4には、ドレイン電極24の周囲に半導体領域26が露出している。この実施形態では、ドレイン電極24を取り囲む半導体領域26が露出している(
図17〜
図22参照)。ドレイン電極24の周縁部は、半導体層2を挟んでソース電極18の周縁部に対向している。より具体的には、ドレイン電極24は、活性領域7から外周領域6に延び、外周領域6において表面終端構造20(この実施形態ではリサーフ層21)の直下に配置された周縁部を有している。また、ドレイン電極24は、
図3に示すように、ソース電極18と同じ大きさで形成されていてもよい。
【0049】
外周領域6において半導体層2の裏面部には、裏面終端構造27が形成されている。裏面終端構造27は、ドレイン電極24の周縁25よりも内側の内側周縁28と、ドレイン電極24の周縁25よりも外側であって半導体層2の端面5よりも内側に離れた位置の外側周縁29とを有している。この実施形態では、裏面終端構造27の形成範囲は、表面終端構造20とほぼ同じである。したがって、裏面終端構造27の外側周縁29は、平面視において、最も外側のガードリング層22の外側周縁30と一致していてもよい。
【0050】
裏面終端構造27は、n
−型ドリフト領域15よりも高い抵抗を有する高抵抗領域であってもよいし、p型の不純物領域であってもよい。高抵抗領域の場合、裏面終端構造27は、1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3の結晶欠陥濃度を有していてもよい。一方、p型の不純物領域の場合、裏面終端構造27は、1×10
16cm
−3〜1×10
19cm
−3の不純物濃度を有していてもよい。
【0051】
次に、
図4A〜
図4Hを参照して、半導体装置1の製造方法について説明する。
【0052】
図4A〜
図4Hは、
図3の半導体装置1の製造工程を工程順に示す図である。なお、
図4A〜
図4Hでは、半導体装置1の製造方法の要点のみを説明するため、半導体装置1の構成を
図3の構成よりも省略して示している。
【0053】
半導体装置1を製造するには、
図4Aに示すように、まず、n
+型SiC(たとえば、不純物濃度が1×10
18cm
−3〜1×10
20cm
−3)からなるベース基板31(ウエハ)上に、エピタキシャル成長によって、ベース基板31よりも低濃度の半導体層2が形成される。ベース基板31の厚さは、たとえば、250μm〜450μmであってもよい。次に、公知の半導体製造技術によって、半導体層2の表面部に前述のMISトランジスタ構造8が形成される。その後、層間絶縁膜16(図示せず)およびソース電極18が形成される
次に、
図4Bに示すように、ベース基板31が除去されることによって、半導体層2の裏面4全体が露出する。この工程は、たとえば、裏面4側からの研削によってベース基板31をほぼ完全に除去した後、研磨(たとえばCMP)によって仕上げてもよい。研磨工程では、研削後に露出している半導体層2をさらに薄化させてもよい。具体的には、350μm厚さのベース基板31を裏面研削によって除去し、その後、50μm厚さの半導体層2を40μm厚さになるまで研磨してもよい。最終的に研磨工程を施すことによって、露出する半導体層2の裏面4の表面状態を滑らかにすることができるので、ドレイン電極24を良好にショットキー接合させることができる。
【0054】
次に、
図4Cに示すように、半導体層2の裏面4に選択的に開口32を有するレジスト膜33が形成され、当該レジスト膜33を介して、半導体層2の裏面4にp型不純物(たとえばアルミニウム(Al))イオンが注入される。このとき、レジスト膜33のパターンを形成するときのアライメント(裏面アライメント)は、半導体層2を透過して見える表面3側のパターンを基準に行ってもよい。たとえば、半導体層2を透過して見えるソース電極18を基準に、当該ソース電極18に重なるようにレジスト膜33に開口32を形成すればよい。その後、レーザアニールを行うことによって、p型不純物が活性化されて裏面終端構造27が形成される。
【0055】
なお、裏面終端構造27を高抵抗領域として形成する場合には、レジスト膜33の形成後、ホウ素イオン(B)、p型不純物イオン、プロトンまたは電子線を照射した後、レーザアニールまたは500℃以下の熱処理によって、裏面終端構造27を、半導体層2よりも高い抵抗を有する高抵抗領域に変質させればよい。レーザアニールや500℃以下の熱処理を採用することによって、半導体層2の表面3側に既に形成されているMISトランジスタ構造8を保護することができる。たとえば、ソース電極18が溶融することを防止することができる。
【0056】
次に、
図4Dに示すように、レジスト膜33が除去される。
【0057】
次に、
図4Eに示すように、たとえばスパッタ法によって、金属膜34(たとえば、Ti/Al)が半導体層2の裏面4全体に形成される。
【0058】
次に、
図4Fに示すように、金属膜34上に、ドレイン電極24を形成すべき領域を選択的に覆うレジスト膜35が形成される。
【0059】
次に、
図4Gに示すように、レジスト膜35を介したエッチングによって、金属膜34が選択的に除去される。これにより、ドレイン電極24が形成される。レジスト膜35のパターンを形成するときのアライメントを、ソース電極18を基準とすることによって、
図3で示したように、ドレイン電極24とソース電極18と同じ大きさで形成することができる。ドレイン電極24の形成後、レジスト膜35が除去される。
【0060】
次に、
図4Hに示すように、ドレイン電極24の周縁25から離れた位置に設定されたダイシングライン36に沿って半導体層2が切断される。これにより、個片化された半導体装置1が得られる。
【0061】
以上の方法によれば、特許文献1に開示されたようなエッチングによるトレンチ形成とは異なり、ベース基板31を除去することによって半導体層2におけるショットキー接合面(裏面4)を簡単に露出させることができる。そして、このショットキー接合面に対してドレイン電極24を所望の大きさで形成することによってショットキー接合面積を設定できる。たとえば、
図4E〜
図4Gに示したように、半導体層2の裏面4全体に金属膜34を形成し、当該金属膜34をパターニングすることによって所望の大きさのドレイン電極24を簡単に得ることができる。
【0062】
次に、本実施形態に係る半導体装置1の効果について説明する。
【0063】
図5A〜
図5Cは、逆方向リーク特性の効果を示すために使用した半導体装置A,B,Cの模式的な断面図である。
【0064】
まず、
図5A〜
図5Cのうち、
図5Cの半導体装置Cは、前述の
図3で示した半導体装置1と同じ構成を有する半導体装置である。一方、
図5Aの半導体装置Aは、半導体層2の裏面4にn
+型SiCからなるベース基板31が残っており、ドレイン電極24が当該ベース基板31にオーミック接触している。
図5Bの半導体装置Bは、ベース基板31がなく半導体層2の裏面4全体が露出しており、当該半導体層2にドレイン電極24がショットキー接合を形成している点で
図5Cの半導体装置Cと共通しているが、ドレイン電極24が半導体層2の端面5に達するまで形成されており、また、裏面終端構造27を有していない。なお、
図5B、
図5Cにおいて38は逆方向電圧印加時の空乏層を表している。
【0065】
そして、これらの半導体装置A,B,Cの逆方向リーク特性を示したのが
図6である。
【0066】
図6によると、
図5Aおよび
図5Bの構成では、ソース−ドレイン間に逆方向電圧が印加されたときに、逆方向リーク電流が流れている。
図5Aの構成では、MISトランジスタ構造8のボディダイオードを介して裏面オーミック(ドレイン電極24)に電流が流れていると考えられる。
【0067】
また、
図5Bの構成では、ドレイン電極24のショットキー障壁によってボディダイオード電流が阻止されているが、半導体層2の端面5の欠陥領域37(ダイシング時の欠陥)で電子・正孔対が生成し、ショットキー界面(裏面4)から端面5にまで延びる空乏層38の電界によってドリフトして電流が流れていると考えられる。
【0068】
これに対し、
図5Cの構成では、逆方向電圧が−3kV程度までリーク電流がほとんど流れず、−3kV印加されたときにパンチスルーしていることが分かる。これは、ドレイン電極24のショットキー障壁によってボディダイオード電流が阻止されると共に、ドレイン電極24の周縁部に重なるように裏面終端構造27が形成されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層38が半導体層2の端面5(チップ端面5)にまで達することが防止されているためである。これにより、ダイシングによって半導体層2の端面5に欠陥領域37が存在していても、当該欠陥領域37において電子・正孔対の生成によるリーク電流が流れることを防止することができる。したがって、
図5Cの半導体装置Cでは、少なくとも3kV程度の逆方向耐圧を発現できている。
【0069】
図5Cの半導体装置Cに関して、さらに、順方向特性を測定した。測定サンプルとしての半導体装置Cは、40μm厚さの半導体層2(チップサイズ1.6mm□)を有し、その活性領域7の面積は、1.3mm
2であった。
図7は、
図5Cの半導体装置Cの順方向Id−Vd特性を示すグラフである。
図8は、
図5Cの半導体装置Cの順方向ショットキー特性を示すグラフである。
【0070】
図7によると、ゲート電圧Vgsを0.5V、10V、15Vおよび20Vと段階的に上げていくに従ってドレイン電流が良好に流れていることが確認できた。また、
図8によると、ドレイン電極24と半導体層2とのショットキー界面では、理想因子が1.04であり、良好な順方向ショットキー特性を示していることが分かった。
【0071】
以上の結果から、
図5Cの半導体装置Cの耐圧特性を纏めると、
図9のようになる。つまり、本実施形態に係る半導体装置1の構成を採用することによって、
図9に示すように、逆方向(ドレイン−ソース電圧負側)および順方向(ドレイン−ソース電圧正側)の両方とも3kV程度までパンチスルーせず、3kV以上の耐圧を達成することができた。
【0072】
このように、本実施形態に係る半導体装置1は3kV以上の双方向耐圧を達成できるので、
図10に示すように、これらを2つ並列に接続することによって双方向スイッチ39として良好に使用することができる。具体的には、
図10に示す耐圧時の状態において、上側のトランジスタ1A(左→右)および下側のトランジスタ1B(右→左)に逆方向電圧が印加され、下側のトランジスタ1B(左→右)および上側のトランジスタ1A(右→左)に順方向電圧が印加されることになるが、双方向共に十分な耐圧特性によりトランジスタの両端が導通することを防止することができる。
【0073】
さらに、通電時には、導通損失を上側または下側のトランジスタ1A,1Bの単一の素子で計算できるので、オン損失を低く抑えることもできる。しかも、双方向スイッチ39のトランジスタ1A,1BをMISFETの構成とすることによって、IGBTを使用する場合に比べて、高速・低消費電力な双方向スイッチを実現することもできる。
【0074】
次に、本実施形態に係る半導体装置1の変形例を、図を参照しながら説明する。
<裏面終端構造27のバリエーション>
図11および
図12は、
図3の裏面終端構造27の他の形態を示す図である。
【0075】
図11に示すように、裏面終端構造27は、ドレイン電極24の周縁部に重なる部分を少なくとも一つ含む複数の部分からなっていてもよい。
図11では、最も内側のリサーフ層40(RESURF:Reduced Surface Field)と、リサーフ層40を取り囲む複数のガードリング層41とを含む。リサーフ層40は、ドレイン電極24の内外に跨って形成され、ドレイン電極24の周縁部に接触している。複数のガードリング層41は、互いに間隔を空けて形成されている。リサーフ層40およびガードリング層41は、それぞれ、表面終端構造20のリサーフ層21およびガードリング層22と一対一で向かい合っていてもよい。
【0076】
また、
図12に示すように、裏面終端構造27は、前述した高抵抗領域である場合、ドレイン電極24の周縁部から半導体層2の端面5に達するように形成されていてもよい。つまり、裏面終端構造27の外側周縁29が、半導体層2の端面5に一致していてもよい。
<パンチスルーを防ぐ構造>
図13および
図14は、フィールドストップ層42,43を備える半導体装置1の模式的な断面図である。
【0077】
フィールドストップ層42,43を形成することによって、ソース−ドレイン間に電圧が印加されたときに、低電圧側から延びる空乏層が高電圧側の導電パターン(たとえば、MISトランジスタ構造8)にまで達することを防止することができる。これにより、パンチスルー現象によるリーク電流を防止することができる。
【0078】
当該フィールドストップ層42,43は、半導体層2の表面3側および裏面4側の少なくとも一方に形成され、n
−型ドリフト領域15よりも高い不純物濃度を有するn型のフィールドストップ層であればよい。
図13および
図14では、表面側フィールドストップ層42および裏面側フィールドストップ層43の両方が示されている。
【0079】
フィールドストップ層42,43は、たとえば、
図13に示すように、半導体層2の表面3または裏面4から離れた深さ位置に配置されていてもよい。
【0080】
具体的には、表面側フィールドストップ層42は、p型ボディ領域9から裏面4側に離れたMISトランジスタ構造8の下方に配置されていてもよい。
【0081】
一方、裏面側フィールドストップ層43は、裏面終端構造27から表面3側に離れた上方に配置されていてもよい。
【0082】
また、フィールドストップ層42,43は、
図14に示すように、半導体層2の表面3または裏面4に達するように形成されていてもよい。
【0083】
具体的には、表面側フィールドストップ層42は、p型ボディ領域9および表面終端構造20に接するように、表面3から一定の深さ位置までの領域の全体に形成されていてもよい。この場合、表面側フィールドストップ層42の深さは、p型ボディ領域9よりも深くてもよいし(
図14の実線A)、p型ボディ領域9の途中に設定されていてもよい(
図14の破線A´)。つまり、後者の場合には、p型ボディ領域9が、表面側フィールドストップ層42から裏面4側に選択的に露出している。
【0084】
一方、裏面側フィールドストップ層43は、裏面終端構造27に接するように、裏面4から一定の深さ位置までの領域の全体に形成されていてもよい。この場合、裏面側フィールドストップ層43の深さは、裏面終端構造27よりも深くてもよいし(
図14の実線B)、裏面終端構造27の途中に設定されていてもよい(
図14の破線B´)。つまり、後者の場合には、裏面終端構造27が、裏面側フィールドストップ層43から表面3側に選択的に露出している。
【0085】
また、フィールドストップ層42,43の不純物濃度は、半導体層2の深さ方向に一様なプロファイルを有していてもよいし、所定の深さ位置にピークを持つプロファイルを有していてもよい。不純物濃度にピークがある場合、当該ピークの濃度がn
−型ドリフト領域15の濃度よりも高ければよい。
【0086】
なお、
図13および
図14のフィールドストップ層42,43は、適宜組み合わせてもよい。たとえば、表面側フィールドストップ層42が半導体層2の表面3から離れた位置に配置されている一方、裏面側フィールドストップ層43は、半導体層2の裏面4に達するように形成されていてもよい。
<裏面ショットキーリークの低減>
図15および
図16は、ショットキー界面に形成された電界緩和領域44を説明するための図である。
図15および
図16は、
図3の破線で囲まれた領域Aの拡大図に相当する。
【0087】
すなわち、半導体装置1は、裏面終端構造27よりも内側の領域において半導体層2の裏面部に形成され、ドレイン電極24に接している電界緩和領域44を含んでいてもよい。
【0088】
電界緩和領域44を形成することによって、n
−型ドリフト領域15とドレイン電極24との間のショットキー界面の電界を緩和することができる。これにより、ドレイン電極24として比較的仕事関数の小さな金属を使用しても逆方向リーク電流を低減できるので、当該金属を使用することによって、低いオン抵抗を確保することができる。より詳しく言えば、低いオン抵抗を犠牲にして逆方向リーク電流の低減を図ることも可能だが、この構成では、電界緩和領域44によって逆方向リーク電流を低減できるので、電界緩和領域44がない場合に使用する金属よりも低い仕事関数の金属を使用して低オン抵抗化を図ることができる。
【0089】
そして、電界緩和領域44は、前述の裏面終端構造27と同様に、n
−型ドリフト領域15よりも高い抵抗を有する高抵抗領域であってもよいし、p型の不純物領域であってもよい。高抵抗領域の場合、裏面終端構造27は、1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3の結晶欠陥濃度を有していてもよい。一方、p型の不純物領域の場合、裏面終端構造27は、1×10
16cm
−3〜1×10
19cm
−3の不純物濃度を有していてもよい。電界緩和領域44と裏面終端構造27を同じ構成にすることによって、これらを同一の工程(たとえば
図4Cの工程)で一緒に形成することができる。
【0090】
また、
図15に示すように、半導体層2の裏面4が、裏面終端構造27よりも内側の領域において略一様な平坦部45を有している場合、電界緩和領域44は、当該平坦部45に形成されていてもよい。
【0091】
図16に示すように、半導体層2の裏面4が、裏面終端構造27よりも内側の領域において選択的にトレンチ46を有している場合、電界緩和領域44は、当該トレンチ46の内面に沿ってn
−型ドリフト領域15内に形成されていてもよい。この場合、ドレイン電極24は、トレンチ46に埋め込まれ、トレンチ46内で電界緩和領域44に接続されていてもよい。
<裏面終端構造27および電界緩和領域44の平面パターン>
図17〜
図19は、裏面終端構造27の平面パターンのバリエーションを説明するための図である。
図20〜
図22は、裏面終端構造27と電界緩和領域44との組み合わせパターンの一例を示す図である。
【0092】
まず、
図17に示すように、裏面終端構造27は、活性領域7を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0093】
また、
図11のような複数の層から裏面終端構造27が構成される場合、裏面終端構造27は、
図18に示すように、リサーフ層40およびガードリング層41が同心円状に広がる環状であってもよい。
【0094】
また、
図19に示すように、裏面終端構造27は、前述した高抵抗領域である場合、ドレイン電極24の周縁部から半導体層2の端面5に達する環状であってもよい。この構成は、
図12に示した構成に相当する。
【0095】
そして、上記示した裏面終端構造27の各平面パターンに対して、様々なパターンの電界緩和領域44を組み合わせることができる。
図20〜
図22では、一例として、
図17の裏面終端構造27との組み合わせを示す。
【0096】
たとえば、
図20に示すように、電界緩和領域44は、平面視において、裏面終端構造27で取り囲まれた活性領域7内に離散的に配置されていてもよい。
図20では、裏面終端構造27から離れた領域で行列状に配列されている。
【0097】
また、
図21に示すように、電界緩和領域44は、平面視において、裏面終端構造27で取り囲まれた活性領域7内にストライプ状に配置されていてもよい。ストライプ状の電界緩和領域44は、
図21に示すように両端部が裏面終端構造27に接続されていてもよいし、少なくとも一方の端部が裏面終端構造27から離れていてもよい。また、ストライプ方向は、
図21に示すように半導体層2の端面5に平行である必要はなく、たとえば、半導体層2の端面5に交差する方向(矢印Dの方向)に延びていてもよい。
【0098】
また、
図22に示すように、電界緩和領域44は、平面視において、裏面終端構造27で取り囲まれた活性領域7内に格子状に配置されていてもよい。格子状の電界緩和領域44は、
図22に示すように各端部が裏面終端構造27に接続されていてもよいし、少なくとも一つの端部が裏面終端構造27から離れていてもよい。
【0099】
図20〜
図22で示した電界緩和領域44のパターンは、もちろん、
図18および
図19に示した裏面終端構造27のパターンに組み合わせることもできる。
【0100】
図25および
図26は、半導体装置1を金属基板50に実装したときに生じうる短絡の不具合を説明するための図である。なお、金属基板50は、後述するドレイン端子77のアイランド部80(
図38、
図39)のように、実装時に半導体装置1を支持する部材を含んでいてもよい。
【0101】
図10に示したように半導体装置1を双方向スイッチ39として使用して一方のトランジスタに順方向電圧を印加したとき、他方のトランジスタには逆方向電圧が印加される。たとえば、
図10の左上の「通電時・左→右」の場合、トランジスタ1Bに順方向電圧が印加される一方、トランジスタ1Aには逆方向電圧が印加される。つまり、
図25に示すように、トランジスタ1A(
図25の半導体装置1)のソース電極18とドレイン電極24との間に、ソース側が正となる高電圧(たとえば1000V)が印加される。
【0102】
このとき、
図5Cで示したように、半導体装置1の構成であれば、空乏層38が半導体層2の端面5(チップ端面5)にまで達することが防止される。しかし、その結果、
図25に示すように、空乏層38の端部とチップ端面5との間の領域に、半導体層2を介して表面側と同電位(たとえば1000V)となる電位分布が発生する。
【0103】
そのため、
図26に示すように、ドレイン電極24側をボンディング側として、半田等の接合材51によって半導体装置1を金属基板50に実装すると、接合材51を介して半導体層2と金属基板50とが短絡するおそれがある。
【0104】
そこで、
図27の半導体装置52は、ドレイン電極24の周縁部に接するように形成され、ドレイン電極24の周縁25から半導体層2の端面5までの半導体領域26を覆う保護絶縁膜53を有している。
【0105】
保護絶縁膜53は、この実施形態では、半導体層2の裏面4から順に積層された第1膜54および第2膜55が積層された構造を有している。
【0106】
第1膜54は、ドレイン電極24の周縁部と半導体層2との間に挟まれて配置されており、第2膜55は、ドレイン電極24の周縁部に乗り上がったオーバーラップ部56を有している。オーバーラップ部56は、
図27に示すように、その内側周縁57が第1膜54の内側周縁58よりも内側に配置されていてもよく、さらに、内側周縁57が裏面終端構造27の内側周縁28よりも内側に配置されていてもよい。
【0107】
保護絶縁膜53は、各種絶縁材料で構成することができる。使用可能な材料としては、たとえば、SiO
2、SiN、ポリイミド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、SiO
2またはSiNを第1膜54に使用し、ポリイミドを第2膜55に使用する。SiO
2およびSiNをドレイン電極24等の金属膜上に形成したときの製膜性は、ポリイミド等の樹脂膜に比べて良好でないので、これらを第1膜54として使用することで、保護絶縁膜53の接着性を向上することができる。
【0108】
また、保護絶縁膜53は、半導体層2の裏面4を基準にして下記式(1)を満たす厚さtを有していてもよい。この厚さtは、保護絶縁膜53におけるチップ端面5からドレイン電極24の周縁25までの部分(半導体領域26上の部分)の厚さである。
図27のように保護絶縁膜53が第1膜54および第2膜55の積層膜である場合には、第1膜54および第2膜55の厚さの和であってよい。
【0109】
t>V/(3MV/cm)・・・(1)
(式(1)中、Vは、ソース電極18とドレイン電極24との間に逆方向に印加される電圧を示している。)
たとえば、保護絶縁膜53がSiO
2である場合、ソース−ドレイン間の印加電圧Vと保護絶縁膜53の厚さtとの関係は次の通りであってもよい。
【0110】
印加電圧V=650V:厚さt>2.2μm
印加電圧V=1200V:厚さt>4.0μm
印加電圧V=1700V:厚さt>5.7μm
印加電圧V=3000V:厚さt>10.0μm
そして、この半導体装置52によれば、金属基板50へのボンディング側のドレイン電極24の周縁25から半導体層2の端面5までの半導体領域26が保護絶縁膜53で覆われている。これにより、ドレイン電極24を金属基板50に接合して実装したときに、半導体層2の半導体領域26と、接合材51および金属基板50との接触を防止できるので、半導体層2と金属基板50との間の短絡を防止することができる。
【0111】
次に、
図28A〜
図28Fを参照して、半導体装置52の製造方法について説明する。
【0112】
図28A〜
図28Fは、
図27の半導体装置52の製造工程を工程順に示す図である。なお、
図28A〜
図28Fでは、半導体装置52の製造方法の要点のみを説明するため、半導体装置52の構成を
図27の構成よりも省略して示している。
【0113】
半導体装置52を製造するには、
図28Aに示すように、まず、n
+型SiC(たとえば、不純物濃度が1×10
18cm
−3〜1×10
20cm
−3)からなるベース基板31(ウエハ)上に、エピタキシャル成長によって、ベース基板31よりも低濃度の半導体層2が形成される。次に、公知の半導体製造技術によって、半導体層2の表面部に前述のMISトランジスタ構造8が形成される。その後、層間絶縁膜16およびソース電極18が形成される。
【0114】
次に、
図28Bに示すように、ベース基板31が除去されることによって、半導体層2の裏面4全体が露出する。
【0115】
次に、
図28Cに示すように、半導体層2の裏面4に選択的に開口を有するレジスト膜(図示せず)が形成され、当該レジスト膜を介して、半導体層2の裏面4にp型不純物(たとえばアルミニウム(Al))イオンが注入される。その後、レーザアニールを行うことによって、p型不純物が活性化されて裏面終端構造27が形成される。
【0116】
次に、
図28Dに示すように、たとえばCVD法によって、SiO
2やSiN等の絶縁膜が半導体層2の裏面4全体に形成され、選択的にエッチングされることによって、第1膜54が形成される。
【0117】
次に、
図28Eに示すように、たとえばスパッタ法によって、金属膜が半導体層2の裏面4全体に形成され、選択的にエッチングされることによって、ドレイン電極24が形成される。
【0118】
次に、
図28Fに示すように、ポリイミド等の樹脂膜が半導体層2の裏面4全体に塗布され、選択的な露光・現像でパターニングされることによって、第2膜55が形成される。これにより、第1膜54および第2膜55からなる保護絶縁膜53が形成される。
【0119】
その後は、ドレイン電極24の周縁25から離れた位置に設定されたダイシングライン(図示せず)に沿って半導体層2が切断される。これにより、個片化された半導体装置52が得られる。
<保護絶縁膜53のバリエーション>
図29および
図30は、
図27の保護絶縁膜53の他の形態を示す図である。
【0120】
保護絶縁膜53は、
図29に示すように、前述の第1膜54の単層膜であってもよいし、
図30に示すように、前述の第2膜55の単層膜であってもよい。
図30の場合、保護絶縁膜53(第2膜55)は、ドレイン電極24の周縁25から半導体層2の端面5までの半導体領域26に接するように形成される。
<素子構造のバリエーション>
図31〜
図34は、
図27の半導体装置52の素子構造のバリエーションを説明するための図である。
図31〜
図34において、
図27の構成要素と同一の要素については共通の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0121】
半導体装置52は、
図27では素子構造として半導体層2の表面部にMISトランジスタ構造8を有していたが、たとえば
図31に示すように、半導体層2の表面部にIGBT構造59を有していてもよい。IGBT構造59は、MISトランジスタ構造8と異なる構成として、p型ボディ領域9に代えてp型ベース領域60と、n
+型ソース領域10に代えてn
+型エミッタ領域61と、p
+型ボディコンタクト領域13に代えてp
+型ベースコンタクト領域62と、ソース電極18に代えてエミッタ電極63と、ドレイン電極24に代えてコレクタ電極64とを含んでいてもよい。
【0122】
半導体層2の裏面部には、p型コレクタ領域65が形成されている。コレクタ電極64は、p型コレクタ領域65にオーミック接触している。また、裏面終端構造27は、一部がp型コレクタ領域65に重なるように形成されている。
【0123】
また、半導体装置52は、たとえば
図32に示すように、半導体層2の表面部にJFET構造66を有していてもよい。JFET構造66は、MISトランジスタ構造8と異なる構成として、ゲート絶縁膜11に代えてp型ゲート領域67を含んでいる。
【0124】
また、半導体装置52は、たとえば
図33に示すように、MISトランジスタ構造8が半導体層2の表面3側および裏面4側の両方の表面部に形成されたMIS型双方向スイッチとして構成されていてもよい。この場合、ドレイン電極24が、裏面4側のMISトランジスタ構造8のソース電極として機能する。つまり、表面3側および裏面4側の一方のMISトランジスタ構造8に順方向電圧が印加されているとき、他方のMISトランジスタ構造8には逆方向電圧が印加されることとなる。このようなMIS型双方向スイッチは、たとえば、表面側にMISトランジスタ構造8が形成された半導体ウエハの裏面同士を貼り合わせることによって作製することができる。
【0125】
さらに、半導体装置52は、たとえば
図34に示すように、JFET構造66が半導体層2の表面3側および裏面4側の両方の表面部に形成されたJFET型双方向スイッチとして構成されていてもよい。また、半導体装置52は、図示しないトレンチゲート型のMISトランジスタ構造やIGBTであってもよい。
<半導体層と金属基板との間の短絡を防止できる他の実施形態>
図27〜
図34では、半導体層と金属基板との間の短絡を防止できる実施形態の一例を示したが、当該効果は他の実施形態で発現することもできる。
【0126】
つまり、
図35に示すように、裏メタル68(たとえば、
図27のドレイン電極24)の外側に、半導体層2の一部が半導体領域26として露出している構成では、表メタル69と裏メタル68との間に、表側が正となる高電圧(たとえば1000V)が印加されると、空乏層38の端部とチップ端面5との間の領域に、半導体層2を介して表面側と同電位(たとえば1000V)となる電位分布が発生する。
【0127】
そのため、
図36に示すように、裏メタル68側をボンディング側として、半田等の接合材51によって半導体装置を金属基板50に実装すると、接合材51を介して半導体層2と金属基板50とが短絡するおそれがある。また、
図37に示すように、たとえ接合材51を薄くして半導体層2と金属基板50との接触を防止しても、半導体層2と、金属基板50または接合材51との距離が短く、これらの間で放電を生じるおそれがある。そのため、上記のような保護絶縁膜53を形成していないと、トランジスタを逆阻止デバイスとして使用するときの耐圧が高いとは言えない。
【0128】
そこで、この種の不具合を解決する他の形態として、たとえば
図38および
図39に示す形態を提案できる。
【0129】
図38は、本発明の他の実施形態に係る半導体パッケージ71の模式的な斜視図である。
図39は、
図38の半導体パッケージ71の部分的な断面図である。
図38および
図39において、
図1〜
図37の構成要素と同一の要素については共通の参照符号を付し、その説明を省略する。また、
図38では、明瞭化のため、樹脂パッケージ75の内部を透視して示している。
【0130】
本発明の半導体装置の一例としての半導体パッケージ71は、半導体チップ72と、基板端子73と、スペーサ74と、樹脂パッケージ75とを含む。
【0131】
半導体チップ72は、
図1〜
図3に示した半導体装置1と同じ構成であってよい。つまり、半導体チップ72は、ボンディング側の表面(半導体チップ72ではドレイン側の裏面4)に、裏面終端構造27等の不純物領域パターン76を有している。なお、半導体チップ72の素子構造としては、MISトランジスタ構造8に限らず、IGBT構造59(
図31)、JFET構造66(
図32)、両面がMISトランジスタ構造(
図33)、両面がJFET構造66(
図34)であってもよい。
【0132】
基板端子73は、たとえばCu等の金属材料からなる板(金属基板)であり、ドレイン端子77と、ソース端子78と、ゲート端子79とを含む。
【0133】
ドレイン端子77は、平面視四角形状のアイランド部80と、アイランド部80の一辺から延びる直線状の端子部81とを含む。ソース端子78およびゲート端子79は、ドレイン端子77の端子部81に平行な直線状に形成されており、中央のドレイン端子77(端子部81)を幅方向両側から挟むように、それぞれ、紙面右側および紙面左側に配置されている。
【0134】
アイランド部80は、半導体チップ72を支持するためのものであり、半導体チップ72よりも大きな面積を有している。これにより、アイランド部80は、半導体チップ72の実装状態(
図38および
図39の状態)において、半導体チップ72よりも外側の部分であって半導体チップ72を取り囲む外周部88を有している。
【0135】
スペーサ74は、たとえばCu等の金属材料(Cu、Cuを含む合金、または表面をCuでめっきした金属等)からなり、アイランド部80上にアイランド部80と一体的に設けられている。アイランド部80とスペーサ74との一体構造は、たとえば、金属基板を準備し、当該金属基板をスペーサ74の形状に合わせてエッチングしたり加工したりすることで作製できる。
【0136】
スペーサ74は、この実施形態ではアイランド部80の表面に対して垂直な側面(周面83)を有する直方体形状に形成されており、半導体チップ72の裏面メタル(ドレイン電極24)よりも小さな平面面積を有している。スペーサ74は、その全体が半導体チップ72の内方領域に収まるように、半導体チップ72とアイランド部80との間に配置されている。そして、半導体チップ72は、スペーサ74の頂面に設けられた接合材82(半田、銀ペースト等)によって、スペーサ74に接合されている。これにより、半導体チップ72は、ドレイン電極24よりも小さな平面面積の柱状のスペーサ74を介し、スペーサ74の周面83よりも外側の半導体領域26が浮いた状態で、アイランド部80に支持されている。したがって、半導体チップ72の半導体領域26とアイランド部80との間には、スペーサ74の高さとほぼ同等の高さHを有する空間84が形成されており、この空間84には樹脂パッケージ75の材料が入り込んでいる。
【0137】
ここで、スペーサ74のサイズ(幅および高さ)は、半導体チップ72に要求される耐圧を考慮して設計することが好ましい。
図38および
図39の半導体チップ72に高い逆方向電圧を印加すると、アイランド部80、スペーサ74、接合材82およびドレイン電極24は全て同電位の0Vとなる。このとき、半導体領域26は高電位(たとえば1000V)となることから、半導体領域26から垂直方向および水平方向の耐圧を考慮しなければならない。垂直方向に関しては、高電位となる半導体領域26とアイランド部80との距離(空間84の高さH)であり、水平方向に関しては、当該半導体領域26と接合材82との距離Lである。
【0138】
たとえば、1000Vの逆方向耐圧が要求される半導体チップ72において、樹脂パッケージ75の樹脂材料(たとえば、エポキシ樹脂等)の耐圧が1mm当たり10kV〜30kVである場合には、高さHおよび距離Lが100μmを超える大きさとなるようにスペーサ74のサイズを設計すればよい。
【0139】
半導体チップ72のドレイン電極24は、スペーサ74を介してアイランド部80に電気的に接続される。一方、半導体チップ72のソース電極18およびゲートパッド47は、それぞれ、ボンディングワイヤ85,86を介して、ソース端子78およびゲート端子79に電気的に接続される。
【0140】
樹脂パッケージ75は、ドレイン端子77の端子部81、ソース端子78およびゲート端子79のそれぞれの一部が露出するように、半導体チップ72等を封止している。
【0141】
以上のように、この半導体パッケージ71では、逆方向電圧印加時にボンディング側の半導体領域26に高い電位分布(たとえば1000V)が発生しても、スペーサ74があることで、当該電位分布とアイランド部80との絶縁距離を稼ぐことができる。その結果、半導体層2とアイランド部80との間の放電を防止することができる。
【0142】
また、スペーサ74が半導体チップ72の裏面メタル(ドレイン電極24)よりも小さな平面面積を有している。したがって、半導体チップ72とスペーサ74との接合の際、接合材82をスペーサ74の頂面の面積に適した量で準備しておけば、接合後に、余分な接合材82が水平方向に広がり過ぎて半導体層2に接触することを防止することができる。その結果、接合材82を介して半導体層2とスペーサ74とが短絡することを防止することもできる。
【0143】
なお、スペーサ74は、上記のようにアイランド部80と一体的な直方体形状に限らず、他の形状であってもよい。
【0144】
たとえば、
図40に示すように、直方体形状のスペーサ74がアイランド部80とは独立して形成され、半田等の接合材87を介してアイランド部80に接合されていてもよい。この場合、スペーサ74とアイランド部80とを異なる材料で作製できる利点があるが、接合材87に使用される半田の熱抵抗が低くないため、効率よく熱を逃がすという観点から見れば、スペーサ74とアイランド部80とを一体的に構成する方が良い。
【0145】
また、
図41に示すように、スペーサ74の周面83は、アイランド部80の表面に対して傾斜した面であってよい。たとえば、スペーサ74は、その頂部に向かって径が狭まるようにテーパ状の周面83を有していてもよい。
【0146】
また、
図42に示すように、スペーサ74の周面83は、スペーサ74の内方へ凹む凹面であってもよい。このような凹状の周面83は、たとえば等方性のウエットエッチングでスペーサ74を作製することによって形成することができる。
【0147】
また、スペーサ74は、アイランド部80と半導体層2との距離を稼ぐことができるものであれば、
図38〜
図42に示したようにアイランド部80上に柱状(ブロック状)に形成されていなくてもよい。たとえば、スペーサ74は、
図43に示すように、アイランド部80の一部を選択的に突出させて形成された中空の凸部であってもよい。このような中空のスペーサ74は、たとえばドレイン端子77を構成する金属基板をプレス加工等することによって形成することができる。
【0148】
また、半導体チップ72は、
図39では、
図1と同様にボンディング側の反対側(
図39では半導体層2の表面3側)にも不純物領域パターン(MISトランジスタ構造8、表面終端構造20等)が形成されていた。しかし、たとえば
図44に示すダイオードのフリップチップボンディング形態のように、ボンディング側の反対側には当該不純物領域パターンが形成されていなくてもよい。一例としては、半導体層2のボンディング側にp
+型アノード領域89のパターンが形成されている一方、ボンディング側の反対側はその全体がn
+型カソード領域90であってもよい。この場合、n
+型カソード領域90に接するカソード電極91が半導体層2の表面3の全面に形成され、p
+型アノード領域89に接するアノード電極92が半導体層2の裏面4の一部に選択的に形成されていてもよい。
【0149】
さらに、
図45に示すように、半導体チップ72においても、
図27等で示した保護絶縁膜53によって半導体領域26が覆われていてもよい。これにより、半導体チップ72の逆方向耐圧を一層高めることができる。
【0150】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前述した形態の他の形態で実施することもできる。
【0151】
たとえば、前述の実施形態では、半導体層2がSiCからなる場合のみを示したが、半導体層2の材料は、GaN等のワイドバンドギャップ型と称される他の材料であってもよいし、半導体層2がSiであってもよい。また、本発明の実施形態の半導体装置を電源装置の双方向スイッチとして用いれば、耐圧の信頼性を向上させたオン損失の小さな電源装置を容易に得られるようになる。
【0152】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0153】
なお、前記「発明が解決しようとする課題」として、以下の課題を提起できる。
【0154】
たとえば、特許文献1の構成では、n型SiC層の裏面にショットキー接合を形成するために、エッチングによってp
+型SiC基板にトレンチを形成しなければならない。エッチングによってトレンチの深さを細かく制御することは難しく、トレンチがn型SiC層にまで届かなかったり、n型SiCをオーバーエッチングしたりするおそれがある。また、エッチングが基板の厚さ方向だけでなく横方向にも進行するため、基板の平面方向に関しても、設計通りの幅を有するトレンチを形成することが困難である。
【0155】
そこで、本発明の第2の目的は、ドリフト領域とドレイン電極とのショットキー接合によって良好な逆方向耐圧を発現でき、かつ、当該ショットキー接合を精度良く形成することができるSiC半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0156】
本発明の第3の目的は、逆方向電圧印加時に形成される電位障壁によって第1電極と第2電極との間に良好な逆方向耐圧を発現でき、さらに、第1電極を金属基板に接合して実装したときに、半導体層と金属基板との間の短絡を防止できる半導体装置を提供することである。
【0157】
上記第2および第3の目的を達するため、前述の実施形態からは、下記の特徴を抽出できる。
【0158】
たとえば、表面および当該表面に交差する方向に延びる端面を有する半導体層と、前記半導体層の表面部に形成された第2導電型のボディ領域と、前記ボディ領域の表面部に形成された第1導電型のソース領域と、前記半導体層の裏面に露出するように形成され、前記ボディ領域によって前記ソース領域から分離されている第1導電型のドリフト領域と、絶縁膜を挟んで前記ボディ領域に対向するゲート電極と、前記半導体層の裏面において前記ドリフト領域にショットキー接合され、前記半導体層の端面よりも内側に離れた位置に周縁を有するドレイン電極と、前記半導体層の裏面部に形成され、前記ドレイン電極の周縁部に重なるように配置されている裏面終端構造とを含む、半導体装置である。
【0159】
この半導体装置は、たとえば、下記の半導体装置の製造方法によって得ることができる。当該半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体層を含む半導体ウエハにおいて、当該半導体層の表面部にトランジスタ構造を形成する工程と、前記半導体層の裏面の周辺部に、前記トランジスタに逆方向耐圧を向上させるための裏面終端構造を選択的に形成する工程と、前記半導体層の裏面に、その周縁部が前記裏面終端構造に少なくとも一部が重なるように裏面電極を選択的に形成して、前記半導体層に前記裏面電極をショットキー接合させる工程と、前記裏面電極の周縁から離れた位置に設定されたダイシングラインに沿って前記半導体層を切断する工程とを含む。
【0160】
この方法によれば、半導体層におけるショットキー接合面(裏面)に対して裏面電極を所望の大きさで形成することによってショットキー接合面積を設定できる。たとえば、半導体層の裏面全体に電極膜を形成し、当該電極膜をパターニングすることによって所望の大きさの裏面電極を簡単に得ることができる。
【0161】
そして、得られた半導体装置では、たとえばソース−ドレイン間に逆方向電圧が印加されたときに、ボディ領域とドリフト領域とのpn接合によるボディダイオードを介して半導体層の内部を厚さ方向に流れる電流を、当該ショットキー接合のショットキー障壁によって阻止することができる。さらに、ドレイン電極(裏面電極)の周縁部に重なるように裏面終端構造が形成されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層が半導体層の端面(チップ端面)にまで達することを防止することができる。これにより、ダイシングによって半導体層の端面に欠陥領域が存在していても、当該欠陥領域において電子・正孔対の生成によるリーク電流が流れることを防止することもできる。これらの結果、前記半導体装置は、良好な逆方向耐圧を確保できるので、双方向スイッチ用の逆阻止MISFETとして良好に使用することができる。
【0162】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造は、前記ドリフト領域よりも高い抵抗を有する第1高抵抗領域を含んでいてもよい。この場合、前記半導体層がSiCであって、前記第1高抵抗領域は、1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3の結晶欠陥濃度を有していてもよい。
【0163】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造は、第2導電型の第1不純物領域を含んでいてもよい。この場合、前記半導体層がSiCであって、前記第1不純物領域は、1×10
16cm
−3〜1×10
19cm
−3の不純物濃度を有していてもよい。
【0164】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造は、前記ドレイン電極の周縁よりも内側の内側周縁と、前記ドレイン電極の周縁よりも外側であって前記半導体層の端面よりも内側に離れた位置の外側周縁とを有していてもよい。
【0165】
前記半導体装置では、前記外側周縁の前記半導体層の端面からの距離は、前記裏面終端構造に生じる空乏層が前記半導体層の端面に達しない距離であってもよい。
【0166】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造の外側周縁は、前記裏面終端構造に生じる空乏層が広がる範囲よりも前記ドレイン電極よりの位置に配置されていてもよい。
【0167】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造は、前記ドレイン電極の周縁部に重なる部分を少なくとも一つ含む複数の部分からなっていてもよい。
【0168】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造は、前記ドリフト領域よりも高い抵抗を有する高抵抗領域であって、前記半導体層の端面に達するように形成されていてもよい。
【0169】
前記半導体装置は、前記半導体層の表面側および裏面側の少なくとも一方に形成され、前記ドリフト領域よりも高い不純物濃度を有する第1導電型のフィールドストップ層を含んでいてもよい。この場合、前記フィールドストップ層は、前記半導体層の表面または裏面から離れた深さ位置に配置されていてもよいし、前記半導体層の表面または裏面に達するように形成されていてもよい。
【0170】
この構成によれば、ソース−ドレイン間に電圧が印加されたときに、低電圧側から延びる空乏層が高電圧側の導電パターン(たとえば、MISトランジスタ構造)にまで達することを防止することができる。これにより、パンチスルー現象によるリーク電流を防止することができる。
【0171】
前記半導体装置は、前記裏面終端構造よりも内側の領域において前記半導体層の裏面部に形成され、前記ドレイン電極に接している電界緩和領域を含んでいてもよい。
【0172】
この構成によれば、ドリフト領域とドレイン電極との間のショットキー界面の電界を緩和することができる。これにより、ドレイン電極として比較的仕事関数の小さな金属を使用しても逆方向リーク電流を低減できるので、当該金属を使用することによって、低いオン抵抗を確保することができる。
【0173】
前記半導体装置では、前記電界緩和領域は、前記ドリフト領域よりも高い抵抗を有する第2高抵抗領域を含んでいてもよい。この場合、前記第2高抵抗領域は、1×10
14cm
−3〜1×10
21cm
−3の結晶欠陥濃度を有していてもよい。
【0174】
前記半導体装置では、前記電界緩和領域は、第2導電型の第2不純物領域を含んでいてもよい。この場合、前記第2不純物領域は、1×10
16cm
−3〜1×10
19cm
−3の不純物濃度を有していてもよい。
【0175】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造よりも内側の領域において前記半導体層の裏面は略一様な平坦部を有しており、前記電界緩和領域は、当該平坦部に形成されていてもよい。
【0176】
前記半導体装置では、前記裏面終端構造よりも内側の領域において前記半導体層の裏面には選択的にトレンチが形成されており、前記電界緩和領域は、当該トレンチの内面に沿って前記ドリフト領域内に形成されていてもよい。
【0177】
前記半導体装置では、前記電界緩和領域は、平面視において離散的に配置されていてもよいし、平面視においてストライプ状に配置されていてもよいし、平面視において格子状に配置されていてもよい。
【0178】
前記半導体装置は、前記半導体層の表面側に形成され、前記ソース領域に接続されたソース電極と、前記ソース電極の周縁部に、少なくとも一部が前記ソース電極に重なるように配置された表面終端構造とをさらに含んでいてもよい。
【0179】
また、前記半導体装置の製造方法では、前記裏面終端構造を形成する工程は、前記半導体層の裏面に第2不純物イオン、プロトンまたは電子線を照射した後、レーザアニールまたは500℃以下の熱処理によって、前記裏面終端構造を、前記半導体層よりも高い抵抗を有する高抵抗領域に変質させる工程を含み、前記裏面終端構造の一端は前記切断された面と面一になっていてもよい。
【0180】
前記半導体装置の製造方法では、前記裏面終端構造を形成する工程は、前記半導体層の裏面に第2不純物イオンを注入した後、レーザアニールによって前記裏面終端構造を活性化させ、前記裏面終端構造を第2導電型の第1不純物領域に変質させる工程を含み、前記裏面終端構造の一端は前記半導体装置に逆方向の電圧を印加した時に生じる空乏層よりも前記裏面電極側の長さになっていてもよい。
【0181】
前記半導体装置の製造方法は、前記裏面電極の周縁と一部がオーバーラップする保護絶縁層を形成する工程をさらに含んでいてもよい。
【0182】
また、他の形態に係る半導体装置は、ダイボンディング側の第1面、前記第1面の反対側の第2面、および前記第1面および前記第2面に交差する方向に延びる端面を有し、活性領域および前記活性領域を取り囲む外周領域が形成された半導体層と、前記半導体層の第1面に形成され、前記半導体層の端面よりも内側に離れた位置に周縁を有する第1電極と、前記半導体層の第1面側の表面部に形成され、前記第1電極の周縁部に重なるように配置されている第1終端構造と、前記半導体層の第2面に形成され、前記半導体層の端面よりも内側に離れた位置に周縁を有する第2電極と、少なくとも前記第1電極の周縁部に接するように形成され、前記第1電極の周縁から前記半導体層の端面までの前記半導体層の半導体表面を覆う保護絶縁膜とを含み、前記第1電極と前記第2電極との間に逆方向電圧が印加されたときに、前記第1面および前記第2面の一方に形成される電位障壁によって前記第1電極と前記第2電極との間に逆方向に流れる電流を低減する。
【0183】
この構成によれば、第1電極−第2電極間に逆方向電圧が印加されたときに、半導体層の内部を厚さ方向に流れる電流を、第1面および第2面の一方に形成される電位障壁によって阻止することができる。さらに、半導体層の第1面および第2面の両面に終端構造が形成されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層が半導体層の端面(チップ端面)にまで達することを防止することができる。これにより、ダイシングによって半導体層の端面に欠陥領域が存在していても、当該欠陥領域において電子・正孔対の生成によるリーク電流が流れることを防止することもできる。これらの結果、前記半導体装置は、良好な逆方向耐圧を確保できるので、双方向スイッチ用の逆阻止デバイスとして良好に使用することができる。
【0184】
さらに、ボンディング側の第1電極の周縁から半導体層の端面までの半導体層の半導体表面が保護絶縁膜で覆われている。これにより、第1電極を金属基板に接合して実装したときに、半導体層の半導体表面と金属基板との接触を防止できるので、半導体層と金属基板との間の短絡を防止することができる。
【0185】
前記他の形態に係る半導体装置は、前記半導体層の第2面側の表面部に形成され、前記第2電極の周縁部に重なるように配置されている第2終端構造をさらに含んでいてもよい。
【0186】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記第1電極の周縁部と、前記保護絶縁膜の一部とはオーバーラップしていてもよい。
【0187】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記保護絶縁膜は、前記第1電極の周縁部と前記半導体層に挟まれた第1膜と、前記第1膜上に形成され、前記第1電極の周縁部にオーバーラップしている第2膜とを含む積層構造を有していてもよい。
【0188】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記第1膜はSiO
2またはSiNからなり、前記第2膜はポリイミドからなっていてもよい。
【0189】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記保護絶縁膜は、前記半導体表面を基準にして下記式(1)を満たす厚さtを有していてもよい。
【0190】
t>V/(3MV/cm)・・・(1)
(式(1)中、Vは、前記第1電極と前記第2電極との間に印加される電圧を示している。)
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層の第2面側の表面部に形成されたMISFET構造を含み、前記第1電極は、前記半導体層の第1面において前記半導体層にショットキー接合されていてもよい。
【0191】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層の第2面側の表面部に形成されたIGBT構造を含んでいてもよい。
【0192】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層の第2面側の表面部に形成されたJFET構造を含み、前記第1電極は、前記半導体層の第1面において前記半導体層にショットキー接合されていてもよい。
【0193】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層の第1面側および第2面側の両方の表面部に形成されたMISFET構造を含んでいてもよい。
【0194】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層の第1面側および第2面側の両方の表面部に形成されたJFET構造を含んでいてもよい。
【0195】
前記他の形態に係る半導体装置では、前記半導体層は、Si、SiC、GaNのいずれかからなっていてもよい。
【0196】
本出願は、2015年12月11日に日本国特許庁に提出された特願2015−242486号、2016年6月10日に日本国特許庁に提出された特願2016−116466号、および2016年6月22日に日本国特許庁に提出された特願2016−123817号に対応しており、これらの出願の全開示はここに引用により組み込まれるものとする。