特許第6908650号(P6908650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6908650光変換樹脂組成物および光変換積層基材、これを用いた画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6908650
(24)【登録日】2021年7月5日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】光変換樹脂組成物および光変換積層基材、これを用いた画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20210715BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210715BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20210715BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20210715BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20210715BHJP
   C08G 65/30 20060101ALI20210715BHJP
   C08G 63/56 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   G02B5/20
   G09F9/30 349Z
   G09F9/00 324
   G09F9/00 336F
   C08L67/02
   C08L71/02
   C08G65/30
   C08G63/56
【請求項の数】10
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2019-50678(P2019-50678)
(22)【出願日】2019年3月19日
(65)【公開番号】特開2019-168685(P2019-168685A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年3月19日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0031795
(32)【優先日】2018年3月20日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0106278
(32)【優先日】2018年9月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンジュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】トクキ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンジュン・ワン
【審査官】 小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−131613(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0035688(KR,A)
【文献】 特開2016−194552(JP,A)
【文献】 特開2017−062458(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0040551(KR,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2018−0025248(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G02B 5/20 − 5/28
C08G 63/56
C08G 65/30
C08L 67/02
C08L 71/02
G09F 9/00
G09F 9/30
DB名 CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に配置されるポリエチレングリコール系リガンドを含む非カドミウム系量子ドットと;
バインダー樹脂と;を含み、
前記ポリエチレングリコール系リガンドは、下記の化学式1−3で表される化合物を含み、
前記バインダー樹脂は、カルド系バインダー樹脂を含み、
前記カルド系バインダー樹脂は、下記の化学式2、3、6、および7のうち少なくとも一つの反復単位を含むことを特徴とする光変換樹脂組成物:
[化学式1−3]
(前記化学式1−3で、
炭素数1〜20の直鎖のアルキル基または炭素数3〜20の分岐鎖のアルキル基であり、
oは、0〜5の整数であり、
pは、0〜1の整数であり、
qは、1〜50の整数である)。
[化学式2]
[化学式3]
(前記化学式2および3で、
XおよびX′は、それぞれ独立して、
Yは、酸無水物残基であり、
Zは、酸二無水物残基であり、
R4、R4′、R5、R5′、R6、R6′、R7、R7′、R8、R8′、R9およびR9′は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
R10、R10′、R11およびR11′は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基または炭素数3〜6の分岐鎖のアルキレン基であり、前記アルキレン基は、エステル結合、炭素数6〜14のシクロアルキレン基および炭素数6〜14のアリレン基のうち少なくとも一つで中断され得、
R12、R12′、R13、R13′、R14、R14′、R15およびR15′は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐鎖のアルキル基であり、
rおよびsは、それぞれ、0≦m≦30、0≦n≦30を満たす整数であり、
ただし、rおよびsは、同時に0ではない。)
[化学式6]
[化学式7]
(前記化学式6および7で、
R16およびR17は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子であり、
Ar1は、それぞれ独立して、C6〜C15アリール基であり、
Y′は、酸無水物残基であり、
Z′は、酸二無水物残基であり、
aおよびbは、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、
cおよびdは、それぞれ独立して、0〜30の整数であり、
ただし、cおよびdは、同時に0ではない。)
【請求項2】
前記量子ドットは、2種以上の量子ドットを含むことを特徴とする請求項1に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項3】
前記量子ドットは、発光中心波長が互いに50nm以上異なる2種以上の量子ドットを含むことを特徴とする請求項2に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項4】
前記量子ドットは、発光中心波長が互いに70nm以上異なる2種以上の量子ドットを含むことを特徴とする請求項3に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項5】
前記量子ドットは、発光中心波長の範囲が510nm〜540nmである緑色量子ドットおよび発光中心波長の範囲が610nm〜630nmである赤色量子ドットよりなる群から選ばれる2種以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリエチレングリコール系リガンドは、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、コハク酸モノ−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチル]エステル、マロン酸モノ−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチル]エステル、ペンタンジオン酸モノ−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}エステル、{2−[2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、マロン酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−イソブトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、ヘキサンジオン酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、2−オキソ−ヘキサンジオン酸6−(2−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)エステル、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸、カルボキシ−EG6−ウンデカンチオールおよび(2−カルボキシメトキシ−エトキシ)−酢酸よりなる群から選ばれる1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項7】
前記光変換樹脂組成物は、散乱粒子、熱硬化性化合物、硬化促進剤および溶剤よりなる群から選ばれる一つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光変換樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜のいずれかに記載の光変換樹脂組成物の硬化物を含む光変換積層基材。
【請求項9】
前記光変換積層基材の素材が、ガラスであることを特徴とする請求項に記載の光変換積層基材。
【請求項10】
請求項に記載の光変換積層基材を含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変換樹脂組成物および光変換積層基材、これを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子(Light Emitting Diode、LED)をバックライト ユニット(Back Light Unit、BLU)に使用するLCD(Liquid Crystal Display)テレビにおいてLED BLUは、光を実際に発する部分であって、LCDテレビにおいて最も重要な部分の一つである。
【0003】
白色のLED BLUを形成する方法としては、通常、赤色(Red、R)、緑色(Green、G)および青色(Blue、B)LEDチップを組み合わせて白色のLED BLUを形成するか、または、青色LEDチップと広い半値幅の発光波長を有する黄色(Yellow、Y)蛍光体の組合せを用いて白色を具現している。
【0004】
しかしながら、赤色、緑色、青色のLEDチップを組み合わせる場合には、LEDチップの個数および複雑な工程によって製造費用が高いという問題があり、青色LEDチップに黄色蛍光体を組み合わせる場合には、緑色および赤色の波長が区分されないため、色純度が劣り、これに伴う色再現性の低下の問題が発生している。
【0005】
これに伴う色再現性の低下の問題があるので、最近には、青色のLEDチップを使用したバックライトに量子ドットが含まれた光学フィルムを適用して、画像表示装置の色再現性および輝度を向上しようとする。しかしながら、コーティング組成物の製造において極性が非常に低い化合物のリガンドを使用してトルエン、ヘキサン、クロロホルムのような溶剤の使用が不可避なので、作業者が人体に有害な溶剤に露出した環境で作業を実施しなければならないという不都合がある。また、前記光学フィルムの場合、量子ドットが含まれた発光層以外にバリアー層、基材層など構造が複雑になり、これに伴う量子ドットの発光輝度の低下が発生する。
【0006】
また、光学フィルムの形態に加工するために低い工程温度で行うに伴って、長期信頼性に問題があるので、これに対する改善が要求されている。
【0007】
特許文献1は、量子ドットと;TiOコア部と、前記コア部の表面のうち少なくとも一部を覆うSiOを含むシェル部とを含むコアシェル構造の散乱粒子と;硬化性樹脂と;を含む量子ドット組成物であって、前記散乱粒子は、前記量子ドット組成物の固形分の総重量を基準として5重量%以上50重量%以下である量子ドット組成物を提供している。
【0008】
特許文献2は、高分子樹脂に複数の非カドミウム系量子ドットが分散し、一面または両面がパターン化した高分子レジン層と;前記高分子レジン層の一面に形成された第1バリアーフィルムと;前記高分子レジン層の他の一面に形成された第2バリアーフィルムと;を含み、前記高分子レジン層の下部面は、プリズムパターン化またはレンズパターン化したものであり、前記高分子レジン層の下部面がプリズムパターン化である場合、前記プリズムパターンのピッチは20〜70μmであり、頂角は95〜120°であり、前記パターンの断面は三角形であり、前記高分子レジン層の下部面がレンズパターン化である場合、前記レンズパターンのピッチは20〜70μmであり、ピッチ対高さの比率は4:1〜10:1であり、前記パターンの断面は半円形である光学シートを提供している。
【0009】
また、前記光学シートの場合、構造が複雑になり、これに伴い、量子ドットの発光輝度の低下および焼成温度が低いため、長期信頼性が劣る問題点が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許登録第10−1718592号公報
【特許文献2】韓国特許登録第10−1690624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述のような問題を解決するためのものであって、その目的は、新しいリガンドを導入した量子ドットを含むことによって、優れた分散性と光学特性を向上させることができる光変換樹脂組成物および光変換積層基材、これを用いた画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明による光変換樹脂組成物は、表面に配置されるポリエチレングリコール系リガンドを含む非カドミウム系量子ドットと;バインダー樹脂と;を含み、前記ポリエチレングリコール系リガンドは、下記の化学式1−Aで表される化合物を含むことを特徴とする:
【0013】
[化学式1−A]
【0014】
(前記化学式1−Aで、
R′は、化学式1−1で表され、
【0015】
[化学式1−1]
【0016】
前記化学式1−1で、
R1は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
R2は、化学式1−2で表され、
【0017】
[化学式1−2]
【0018】
前記化学式1−2で、
Aは、酸素原子または硫黄原子であり、
R3は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
炭素数1〜20の直鎖アルキル基または炭素数3〜20の分岐鎖アルキル基であり、
kは、1〜100の整数であり、
lは、0〜1の整数であり、
mは、0〜10の整数である)。
【発明の効果】
【0019】
本発明による光変換樹脂組成物は、新しいリガンドを導入した量子ドットを含むことによって、分散性および光学特性に優れているという効果がある。
【0020】
前記光変換樹脂組成物で製造された光変換積層基材およびこれを用いた画像表示装置は、光学特性に優れているという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0022】
本発明で任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に当接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0023】
本発明で任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0024】
<光変換樹脂組成物>
本発明の光変換樹脂組成物は、表面に配置されるポリエチレングリコール系リガンドを含む非カドミウム系量子ドットと;バインダー樹脂と;を含み、前記ポリエチレングリコール系リガンドは、下記の化学式1−Aで表される化合物を含む:
【0025】
[化学式1−A]
【0026】
(前記化学式1−Aで、
R′は、化学式1−1で表され、
【0027】
[化学式1−1]
【0028】
前記化学式1−1で、
R1は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
R2は、化学式1−2で表され、
【0029】
[化学式1−2]
【0030】
前記化学式1−2で、
Aは、酸素原子または硫黄原子であり、
R3は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
炭素数1〜20の直鎖アルキル基または炭素数3〜20の分岐鎖アルキル基であり、
kは、1〜100の整数であり、
lは、0〜1の整数であり、
mは、0〜10の整数である)。
【0031】
非カドミウム系量子ドット
本発明による光変換樹脂組成物は、表面に配置されるポリエチレングリコール系リガンドを含む非カドミウム系量子ドットを含む。
【0032】
本発明の光変換樹脂組成物に含まれる量子ドットは、ナノサイズの半導体物質である。原子が分子を構成し、分子は、クラスターという小さい分子の集合体を構成してナノ粒子を形成するが、このようなナノ粒子が特に半導体の特性を帯びているとき、これを量子ドットという。このような量子ドットは、外部からエネルギーを受けて励起状態になると、自体的にエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する特性を有している。要するに、本発明の光変換樹脂組成物は、このような量子ドットを含むことによって、入射した青色光源を介して緑色光および赤色光への光変換が可能である。
【0033】
前記非カドミウム系量子ドットは、光による刺激で発光できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、III−V族半導体化合物、IV−VI族半導体化合物、およびIV族元素またはこれを含む化合物から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0034】
前記III−V族半導体化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0035】
前記IV−VI族半導体化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0036】
前記IV族元素またはこれを含む化合物は、Si、Ge、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる元素化合物;およびSiC、SiGe、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物よりなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0037】
前記非カドミウム系量子ドットは、均質な(homogeneous)単一構造;コア−シェル(core−shell)構造、グラジエント(gradient)構造等のような二重構造;またはこれらの混合構造であってもよい。例えば前記コア−シェルの二重構造において、それぞれのコアとシェルを構成する物質は、前記に言及された互いに異なる半導体化合物からなり得る。より具体的には、前記コアは、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる二元素化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる三元素化合物;およびGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる四元素化合物よりなる群から選ばれる1種以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記シェルは、ZnSe、ZnSおよびZnTeから選ばれる1種以上の物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
例えば、コア−シェル構造の量子ドットは、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/GaP/ZnS、InP/ZnSe/ZnS、InP/ZnSeTe/ZnSおよびInP/MnSe/ZnS等が挙げられる。
【0039】
前記非カドミウム系量子ドットは、湿式化学工程(wet chemical process)、有機金属化学蒸着工程(MOCVD、metal organic chemical vapor deposition)または分子線エピタキシー工程(MBE、molecular beam epitaxy)により合成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明のさらに他の実施形態において、前記量子ドットは、2種以上の量子ドットを含むことができる。前記量子ドットが2種以上の量子ドットを含む場合、さらに優れた色再現性を有するディスプレイを提供することができるという利点があるので好ましい。
【0041】
前記非カドミウム系量子ドットは、入射した青色光源を用いて、緑色光および赤色光への光変換のために、発光中心波長が互いに異なる、具体的に50nm以上異なる2種またはそれ以上の量子ドットを含むことができる。好ましくは、前記非カドミウム系量子ドットは、発光中心波長が互いに70nm以上異なる2種以上の量子ドットを含むことができる。
【0042】
前記2種以上の非カドミウム系量子ドットの発光中心波長の差異が前記範囲である場合、広い色再現性により優れた画質のディスプレイを提供できるという利点がある。
【0043】
前記非カドミウム系量子ドットにおいて、前記量子ドットは、発光中心波長の範囲が510nm〜540nmである緑色量子ドットおよび発光中心波長の範囲が610nm〜630nmである赤色量子ドットを使用することが、優れた色再現性の具現に効果的である。好ましくは、前記量子ドットは、発光中心波長の範囲が前記範囲内である前記緑色量子ドットおよび前記赤色量子ドットを含むことができ、この場合、それぞれの前記発光波長を満たす量子ドットを適用することによって、青色光源の青色透過光、緑色発光、赤色発光により形成される白色光源のカラーフィルターの使用が可能であるので、広い色再現性を有するディスプレイ装置を提供できるという利点がある。
【0044】
前記非カドミウム系量子ドットは、表面に配置されるポリエチレングリコール系リガンドを含む。この際、前記ポリエチレングリコール系リガンドは、化学的結合により量子ドットの表面に配置され、下記の化学式1−Aで表される化合物を含む。
【0045】
[化学式1−A]
【0046】
(前記化学式1−Aで、
R′は、化学式1−1で表され、
【0047】
[化学式1−1]
【0048】
前記化学式1−1で、
R1は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
R2は、化学式1−2で表され、
【0049】
[化学式1−2]
【0050】
前記化学式1−2で、
Aは、酸素原子または硫黄原子であり、
R3は、直接連結基または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
炭素数1〜20の直鎖アルキル基または炭素数3〜20の分岐鎖アルキル基であり、
kは、1〜100の整数であり、
lは、0〜1の整数であり、
mは、0〜10の整数である)。
【0051】
本発明において、前記アルキル基は、直鎖または分岐鎖であってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3、3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2、2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1、1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル等があるが、これらに限定されない。
【0052】
本発明において、前記アルキレン基は、2価であることを除いて、アルキル基に関する説明を適用することができる。
【0053】
本発明において、前記*は、連結基を意味する。
【0054】
前記化学式1−Aで表される化合物は、下記化学式1−3で表され得る。
【0055】
[化学式1−3]
【0056】
(前記化学式1−3で、
炭素数1〜20の直鎖のアルキル基または炭素数3〜20の分岐鎖のアルキル基であり、
oは、0〜5の整数であり、
pは、0〜1の整数であり、
qは、1〜50の整数である)。
【0057】
オレイン酸(oleic acid)やオレイルアミン(oleylamine)のようなリガンドを含む量子ドットの場合、ヘキサン(n−hexane)とクロロホルムのような高揮発性の非極性溶剤によく分散するが、通常、レジストの製造またはディスプレイ素子の製作時に使用されるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)のようなプロピレングリコール系溶剤には分散性が非常に脆弱であるという問題がある。しかしながら、本発明による量子ドットは、ポリエチレングリコール系リガンドを用いるので、PGMEAのような溶剤によく分散するので、作業性が容易になり、また、作業者の健康をさらに保護できるという利点があり、前記化学式1−Aで表される化合物として前記化学式1−3で表される化合物を用いる場合、特に前述した利点が最大化されるので好ましい。
【0058】
前記ポリエチレングリコール系リガンドの具体例としては、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸(WAKO社製)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(WAKO社製)、スクシン酸モノ−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチル]エステル、マロン酸モノ−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エチル]エステル、ペンタンジオン酸モノ−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}エステル、{2−[2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−エトキシ]−エトキシ}−酢酸、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、マロン酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−イソブトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、ヘキサンジオン酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、2−オキソ−ヘキサンジオン酸6−(2−{2−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)エステル、コハク酸モノ−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−{2−[2−(2−メトキシ−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−エトキシ)−エチル]エステル、O−(スクシニル)−O′−メチルポリエチレングリコール2′000(Aldrich社製)、(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸((2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸(WAKO社製)、{2−[2−(カルボキシメトキシ)エトキシ]エトキシ}酢酸(WAKO社製)、2−[2−(ベンジルオキシ)エトキシ]酢酸、(2−カルボキシメトキシ−エトキシ)−酢酸(WAKO社製)、(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸((2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸(WAKO社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
前記非カドミウム系量子ドットは、ポリエチレングリコール系リガンドを含むことによって、トルエン、ヘキサン、クロロホルムのような揮発性が大きい溶剤でなく、カラーフィルターの量産ラインで使用しているプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような溶剤を使用しても、良好な量子ドットの分散特性を付与することができる。前記ポリエチレングリコール系リガンドの含量は、量子ドット基準対比5%〜150%であり、より好ましくは10%〜100%である。前記ポリエチレングリコール系リガンドの含量が前記範囲未満の場合には、量子ドットの分散特性が不良であり、前記範囲を超過する場合には、量子ドットの分散特性に優れているが、塗膜の硬化特性が低下し得る。
【0060】
前記非カドミウム系量子ドットは、光変換樹脂組成物の固形分100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部で含まれ得る。前記量子ドットが前記範囲内に含まれる場合、発光効率に優れており、コーティング層の信頼性に優れているという利点がある。前記量子ドットが前記範囲未満で含まれる場合、緑色光および赤色光の光変換効率が不十分であり、前記範囲を超過する場合、相対的に青色光の放出が低下して、色再現性が劣る問題が発生し得る。
【0061】
バインダー樹脂
本発明による光変換樹脂組成物は、バインダー樹脂を含み、前記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂またはアルカリ可溶性樹脂を含むことができる。具体的に、前記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂またはアルカリ可溶性樹脂としてカルド系バインダー樹脂を含むことができる。
【0062】
前記カルド系バインダー樹脂は、光や熱の作用による反応性を有し、量子ドットの分散性を向上させる作用をする。本発明の光変換樹脂組成物に含有されるカルド系バインダー樹脂は、量子ドットに対する結合剤樹脂として作用し、光変換コーティング層の支持体として使用が可能な樹脂であれば、制限されない。
【0063】
前記カルド系バインダー樹脂は、下記化学式2〜化学式7のうち少なくとも一つの反復単位を含むことができる。
【0064】
[化学式2]
【0065】
[化学式3]
【0066】
[化学式4]
【0067】
[化学式5]
【0068】
前記化学式2〜5で、
XおよびX′は、それぞれ独立して、単一結合、−CO−、−SO−、−C(CF−、−Si(CH−、−CH−、−C(CH−、−O−、
Yは、酸無水物残基であり、
Zは、酸二無水物残基であり、
R4、R4′、R5、R5′、R6、R6′、R7、R7′、R8、R8′、R9およびR9′は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、
R10、R10′、R11およびR11′は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基または炭素数3〜6の分岐鎖のアルキレン基であり、前記アルキレン基は、エステル結合、炭素数6〜14のシクロアルキレン基および炭素数6〜14のアリレン基のうち少なくとも一つで中断され得、
R12、R12′、R13、R13′、R14、R14′、R15およびR15′は、
それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6の直鎖のアルキル基または炭素数3〜6の分岐鎖のアルキル基であり、
rおよびsは、それぞれ、0≦m≦30、0≦n≦30を満たす整数であり、
ただし、rおよびsは、同時に0ではない。
【0069】
[化学式6]
【0070】
[化学式7]
【0071】
前記化学式6および7で、
Pは、それぞれ独立して、
R16およびR17は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、ニトロ基またはハロゲン原子であり、
Ar1は、それぞれ独立して、C6〜C15アリール基であり、
Y′は、酸無水物残基であり、
Z′は、酸二無水物残基であり、
A′は、O、S、N、SiまたはSeであり、
aおよびbは、それぞれ独立して、1〜6の整数であり、
cおよびdは、それぞれ独立して、0〜30の整数であり、
ただし、cおよびdは、同時に0ではない。
【0072】
前記バインダー樹脂は、前記光変換樹脂組成物の全体100重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部で含まれ得る。前記バインダー樹脂が前記範囲内に含まれる場合、塗膜の減少が防止されて、膜質が良好になるので好ましい。前記バインダー樹脂が前記範囲未満または超過して含まれる場合、架橋反応が十分に行われないため、塗膜の硬化度が低下して、膜強度が低下し得、そのため、ディスプレイの信頼性の不足によって生産収率が低下し、品質に致命的なことがある。
【0073】
散乱粒子
本発明による光変換樹脂組成物は、散乱粒子を含むことができる。
前記散乱粒子は、通常の無機材料を使用することができ、好ましくは平均粒径が50〜1,000nmの金属酸化物を含むことができる。
【0074】
具体的に前記金属酸化物は、Al、SiO、ZnO、ZrO、BaTiO、TiO、Ta、Ti、ITO、IZO、ATO、ZnO−Al、Nb、SnO、MgOおよびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1種が可能である。必要な場合、アクリレート等の不飽和結合を有する化合物で表面処理された材質も使用可能である。
【0075】
ただし、本発明による光変換樹脂組成物が散乱粒子を含む場合、前記散乱粒子を通じて量子ドットから放出された光の経路を増加させて、光変換コーティング層での全体的な光効率を高めることができるので好ましい。
【0076】
前記散乱粒子は、50〜1,000nmの平均粒径を有し得、好ましくは100〜500nmの範囲であるものを使用する。この際、粒子サイズが小さすぎると、量子ドットから放出された光の十分な散乱効果を期待することができず、これとは反対に、大きすぎる場合には、組成物内に沈んだり、均一な品質の自発光層の表面が得られないので、前記範囲内で適切に調節して使用する。
【0077】
前記散乱粒子は、前記光変換樹脂組成物の全体固形分100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部で含むことができる。前記散乱粒子が前記範囲内に含まれる場合には、発光強度の増加効果が最大化され得るので好ましく、前記範囲未満で含まれる場合には、得ようとする発光強度の確保が多少困難になり得、前記範囲を超過する場合には、青色照射光の透過度が低下して、発光効率に問題が発生し得る。
【0078】
熱硬化性化合物
本発明による光変換樹脂組成物は、熱硬化性化合物を含むことができる。
前記熱硬化性化合物の平均分子量は、20,000以下であることが好ましく、特に1,000〜20,000であることがより好ましい。前記熱硬化性化合物の平均分子量が上記した条件を満たす場合には、残膜率および耐熱性に優れているようになる。
【0079】
前記熱硬化性化合物は、光変換樹脂組成物100重量%に対して10〜80重量%のエポキシ化合物から構成されることが好ましい。前記熱硬化性化合物の含量が前記範囲未満の場合には、塗膜強度の不足による信頼性が低下し得る。
【0080】
上記した条件を満たす熱硬化性化合物としては、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物を含むことができ、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン等が挙げられる。市販の商品としては、JER 157S65、157S70(商品名;JER社製品)等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0081】
本発明による熱硬化性化合物は、前記ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物以外のエポキシ樹脂をさらに含むことができる。前記ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂とさらに含んで共に使用することができるエポキシ樹脂の好ましい例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレンエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、三官能型エポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロメタンジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキサール型エポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等を使用することができる。これらのエポキシ樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて前記ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂にさらに含まれて使用することができる。
【0082】
上記したエポキシ樹脂としては、下記のような市販品を用いることができる。より具体的には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてYDF−175S(東都化成社製品)等、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてYDB−715(東都化成社製品)等、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としてEPICLON EXA1514(大日本インキ化学工業社製品)等、ヒドロキノン型エポキシ樹脂としてYDC−1312(東都化成社製品)等、ナフタレン型エポキシ樹脂としてEPICLON EXA4032(大日本インキ化学工業社製品)等、ビフェニル型エポキシ樹脂としてエピコートYX4000H(JER社製品)等、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としてJER 157S65または157S70(JER社製品)等、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてEPPN−201(日本化薬社製品)、JER152 154(JER社製品)等、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としてEOCN−102S、103S、104Sまたは1020(日本化薬社製品)、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としてエピコート1032H60(JER社製品)等、三官能型エポキシ樹脂としてVG3101M80(三井化学社製品)等、テトラフェノールエタン型エポキシ樹脂でソ エピコート10315(JER社製品)等、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてST−3000(東都化成社製品)等、グリシジルエステル型エポキシ樹脂としてエピコート190P(JER社製品)等、グリシジルアミン型エポキシ樹脂としてYH−434(東都化成社製品)等、グリオキサール型エポキシ樹脂としてYDG−414(東都化成社製品)等、脂環式多官能エポキシ樹脂としてエポリードGT−401(ダイセル化学社製品)等が挙げられる。前記エポキシ樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0083】
前記熱硬化性化合物は、光変換樹脂組成物の固形分100重量%に対して10〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70重量%の範囲で含まれ得る。前記熱硬化性化合物が前記範囲以内に含まれる場合には、残膜率および平坦性が良好である。
【0084】
硬化促進剤
本発明による光変換樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことができる。
前記硬化促進剤は、例えばカルボン酸化合物、チオール基を有する有機硫黄化合物、酸発生剤よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
前記カルボン酸化合物は、芳香族ヘテロ酢酸類であることが好ましく、具体的にフェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
前記チオール基を有する有機硫黄化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチラート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
前記酸発生剤の具体例としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類やニトロベンジルトシラート類、ベンゾイントシラート類等が挙げられる。
【0088】
前記硬化促進剤は、前記光変換樹脂組成物の固形分100重量部を基準として前記バインダー樹脂と前記熱硬化性化合物の100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部で含まれ得る。前記硬化促進剤の含量が前記範囲を満たす場合、これを含む光変換樹脂組成物が高感度化して、塗膜の硬化時間が短縮されるので、生産性が向上し、高い信頼性を具現することができるという利点があり、これを用いて形成された塗膜の強度と前記塗膜部の表面平滑性が良好になり得るという利点がある。反対に、前記硬化促進剤の含量が前記範囲未満で含まれる場合には、硬化度の低下が克服されないため、後工程中にシワが発生し得、前記範囲を超過する場合には、光変換樹脂組成物の発光特性が低下して、輝度が不十分になるという問題点がある。
【0089】
溶剤
本発明による光変換樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。
本発明の光変換樹脂組成物に含有される溶剤は、通常、1種〜2種以上を含むことができ、特に沸点が100〜180℃の溶剤が、全体溶剤に対して50%以上含まれる場合、流れ特性が優秀になって、コーティングムラおよび乾燥異物が発生しないので、コーティング異物がない良好な光変換積層基材を提供することができる。
【0090】
具体例としては、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類およびアミド類等よりなる群から選ばれる1種以上を含むことができ、具体的に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メシチレン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンおよび3−エトキシプロピオン酸エチル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メトキシブチルアセテート、エチレングリコールおよびγ−ブチロラクトン等よりなる群から選ばれる1種〜2種以上であってもよい。
【0091】
前記沸点が100℃未満の溶剤が、全体溶剤の50%以上である場合、乾燥速度が速いため、真空乾燥(Vacuum Dry)工程時に塗膜の表面にムラが発生して、不良を引き起こすことができるが、沸点が180℃を超過する溶剤が、全体溶剤の50%以上である場合、真空乾燥工程時に所要時間(Tact−time)が長くなる問題を引き起こすことができる。したがって、全体溶剤の50%以上の溶剤は、沸点が100〜180℃の溶剤を使用することが適切である。
【0092】
前記溶剤は、前記光変換樹脂組成物100重量%に対して50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%で含まれ得る。前記溶剤が前記範囲内に含まれる場合、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターとも言う場合がある)、インクジェット等の塗布装置で塗布したとき、塗布性が良好になり得る。
【0093】
<光変換積層基材>
本発明による光変換積層基材は、光変換樹脂組成物の硬化物を含む。前記光変換積層基材は、ガラス基材にコーティングできる光変換樹脂組成物を含むことによって、人体有害物質に該当しない溶剤を使用することができるので、作業者の安全と製品生産性を向上させることができる。
【0094】
前記光変換積層基材は、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)または高分子基板であってもよく、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(PES)またはポリカーボネート(PC)等であってもよい。
【0095】
前記光変換積層基材は、前記光変換樹脂組成物を塗布し、熱硬化して形成することができる。
【0096】
<画像表示装置>
本発明による画像表示装置は、前述した光変換積層基材を含む。前記画像表示装置は、具体的に、液晶ディスプレイ(液晶表示装置;LCD)、有機ELディスプレイ(有機EL表示装置)、液晶プロジェクター、ゲーム機用表示装置、携帯電話等の携帯端末用表示装置、デジタルカメラ用表示装置、カー・ナビゲーション用表示装置等の表示装置等が挙げられ、特にカラー表示装置が適している。
【0097】
前記画像表示装置は、前記光変換積層基材を具備したことを除いて、本発明の技術分野において当業者に知られている構成をさらに含むことができ、すなわち、本発明は、本発明の光変換積層基材を適用できる画像表示装置を含む。
【0098】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を取って詳細に説明する。しかしながら、本明細書による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本明細書の範囲が以下で詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下で含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
【0099】
散乱粒子分散液の製造
製造例1:散乱粒子分散液S1の製造
散乱粒子として粒径30nmであるTiO(ハンツマン社製、TTO−55(C))70.0重量部、分散剤としてDISPERBYK−2001(BYK社製造)4.0重量部、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート26重量部をビーズミルにより12時間混合/分散して、散乱粒子分散液S1を製造した。
【0100】
製造例2:散乱粒子分散液S2の製造
散乱粒子として粒径210nmであるTiO(石原社製、CR−63)70.0重量部、分散剤としてDISPERBYK−2001(BYK社製造)4.0重量部、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート26重量部をビーズミルにより12時間混合/分散して、散乱粒子分散液S2を製造した。
【0101】
製造例3:散乱粒子分散液S3の製造
散乱粒子として粒径500nmであるTiO(デュポン社製、R−960)70.0重量部、分散剤としてDISPERBYK−2001(BYK社製造)4.0重量部、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート26重量部をビーズミルにより12時間混合/分散して、散乱粒子分散液S3を製造した。
【0102】
合成例1:緑色量子ドットの合成(Q−1)
インジウムアセテート0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸0.6mmol(0.15g)および1−オクタデセン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換した。280℃に加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMSP)0.2mmol(58μL)およびトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を迅速に注入し、0.5分間反応させた。
【0103】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
【0104】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。
【0105】
得られたナノ量子ドットの発光スペクトルの最大発光ピークは、515nmであり、量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.50gの(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0106】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、516nmであった。
【0107】
合成例2:緑色量子ドットの合成(Q−2)
合成例1で合成されたクロロホルムに分散した量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.5gのO−(スクシニル)−O′−メチルポリエチレングリコール2′000(Aldrich社製)を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0108】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、515nmであった。
【0109】
合成例3:緑色量子ドットの合成(Q−3)
インジウムアセテート0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸0.6mmol(0.15g)および1−オクタデセン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換した。280℃に加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMSP)0.2mmol(58μL)およびトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を迅速に注入し、1分間反応させた。
【0110】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
【0111】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。
【0112】
得られたナノ量子ドットの発光スペクトルの最大発光ピークは、526nmであり、量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.50gの(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0113】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、526nmであった。
【0114】
合成例4:緑色量子ドットの合成(Q−4)
合成例3で合成されたクロロホルムに分散した量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.5gのO−(スクシニル)−O′−メチルポリエチレングリコール2′000(Aldrich社製)を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0115】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、525nmであった。
【0116】
合成例5:緑色量子ドットの合成(Q−5)
インジウムアセテート0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸0.6mmol(0.15g)および1−オクタデセン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換した。280℃に加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMSP)0.2mmol(58μL)およびトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を迅速に注入し、1.5分間反応させた。
【0117】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
【0118】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。
【0119】
得られたナノ量子ドットの発光スペクトルの最大発光ピークは、526nmであり、量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.50gの(2−ブトキシ−エトキシ)−酢酸を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0120】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、536nmであった。
【0121】
合成例6:緑色量子ドットの合成(Q−6)
合成例5で合成されたクロロホルムに分散した量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.65gのカルボキシ−EG6−ウンデカンチオール(Aldrich社製)を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0122】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分は、25%に調整した。最大発光波長は、534nmであった。
【0123】
合成例7:赤色量子ドットの合成(Q−7)
インジウムアセテート0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸0.6mmol(0.15g)および1−オクタデセン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換した。280℃に加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMSP)0.2mmol(58μL)およびトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を迅速に注入し、5分間反応後、反応溶液を常温に迅速に冷却した。吸収最大波長560〜590nmを示した。
【0124】
亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応後に、常温に下げて、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
【0125】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。
【0126】
得られたナノ量子ドットの発光スペクトルの最大発光ピークは、628nmであり、合成された量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.65gの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ] 酢酸(WAKO社製)を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0127】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、上澄み液を捨て、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して、80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分を25%に調整した。最大発光波長は、628nmであった。
【0128】
合成例8:赤色量子ドットの合成(Q−8)
インジウムアセテート0.4mmol(0.058g)、パルミチン酸0.6mmol(0.15g)および1−オクタデセン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換した。280℃に加熱した後、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン(TMSP)0.2mmol(58μL)およびトリオクチルホスフィン1.0mLの混合溶液を迅速に注入し、4.5分間反応後、反応溶液を常温に迅速に冷却した。吸収最大波長550〜585nmを示した。
【0129】
亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中のセレニウム(Se/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応後に、常温に下げて、InP/ZnSeコア−シェルを形成させた。
【0130】
次に、亜鉛アセテート2.4mmol(0.448g)、オレイン酸4.8mmolおよびトリオクチルアミン20mLを反応器に入れ、真空下に120℃に加熱した。1時間後、反応器内の雰囲気を窒素に転換し、反応器を280℃に昇温させた。先立って合成したInPコア溶液2mLを入れ、次に、トリオクチルホスフィン中の硫黄(S/TOP)4.8mmolを入れた後、最終混合物を2時間反応させた。常温に迅速に冷却した反応溶液にエタノールを入れ、遠心分離して得た沈殿を減圧濾過後、減圧乾燥して、InP/ZnSe/ZnSコア−シェル構造の量子ドットを収得した後、クロロホルムに分散させた。
【0131】
得られたナノ量子ドットの発光スペクトルの最大発光ピークは、616nmであり、合成された量子ドット溶液5mLを遠心分離チューブに入れ、エタノール20mLを入れて沈殿させた。遠心分離を通じて上澄み液を捨て、沈殿物に2mLのクロロホルムを入れて量子ドットを分散させた後、0.65gの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ] 酢酸(WAKO社製)を入れ、窒素雰囲気下で60℃に加熱しつつ、1時間反応させた。
【0132】
次に、反応物に25mLのn−ヘキサンを入れて量子ドットを沈殿させた後、遠心分離を実施して、上澄み液を捨て、沈殿物を分離した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4mLを投入して80℃に加熱しつつ、分散させた。PGMEAで固形分を25%に調整した。最大発光波長は、616nmであった。
【0133】
合成例9:カルド系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂(E−1)
(1)反応器にビスフェノールエポキシ化合物である9,9′−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(Hear chem社製)138g、2−カルボキシエチルアクリレート54g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(大井化金社製)1.4g、トリフェニルホスフィン(Aldrich社製)1g、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(Daicel Chemical社製)128g、およびヒドロキノン0.5gを入れて120℃に昇温後、12時間維持して、下記化学式8で表される化合物を合成した。
【0134】
(2)反応器に下記化学式8で表される化合物60g、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(Mitsubishi Gas社製)11g、テトラヒドロフタル無水物(Aldrich社製)3g、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(Daicel Chemical社製)20g、およびN,N′−テトラメチルアンモニウムクロリド0.1gを入れて120℃に昇温後、2時間維持して、下記化学式9で表される化合物を合成した。得られた下記化学式9で表される樹脂の重量平均分子量は、5,400g/molであった。
【0135】
[化学式8]
【0136】
[化学式9]
【0137】
合成例10:カルド系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂(E−2)
(1)下記化学式10の化合物を合成するために、3000mLの三口丸底フラスコに4,4”−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノール364.4gとt−ブチルアンモニウムブロミド0.4159gを混合し、エピクロロヒドリン2359gを入れ、90℃に加熱して反応させた。液体クロマトグラフィーで分析して、4,4”−(9H−キサンテン−9,9−ジイル)ジフェノールが完全に消耗すると、30℃に冷却して、50%NaOH水溶液(3当量)をゆっくり添加した。液体クロマトグラフィーで分析して、エピクロロヒドリンが完全に消耗したら、ジクロロメタンで抽出した後、3回水洗した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ジクロロメタンを減圧蒸留し、ジクロロメタンとメタノールの混合比50:50を使用して再結晶化した。
【0138】
このように合成されたエポキシ化合物1当量とt−ブチルアンモニウムブロミド0.004当量、2,6−ジイソブチルフェノール0.001当量、アクリル酸2.2当量を混合した後、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート24.89gを入れて混合した。この反応溶液に空気を25mL/minで吹き込みながら、温度を95℃に加熱溶解した。反応溶液が白濁した状態で温度を120℃まで加熱して完全に溶解させた。溶液が透明になり、粘度が高くなると、酸価を測定して、酸価が1.0mgKOH/g未満になるまで撹拌した。酸価が目標(0.8)に達するまで11時間が必要であった。反応の終結後、反応器の温度を室温に下げて、無色透明な化合物を得た。
【0139】
[化学式10]
【0140】
(2)前記化学式10の化合物307.0gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを添加して溶解した後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物78gおよび臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温させて、110℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合して、90℃で6時間反応させて、カルド系バインダー樹脂で重合した。無水物の消失は、IRスペクトルにより確認した。
【0141】
合成例11:カルド系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂(E−3)
(1)三口フラスコに還流冷却器と温度計を設置した後、9,9−ビスフェノールフルオレン42.5gを入れ、2−(クロロメチル)オキシラン220mLを定量した後、注入した。テトラブチルアンモニウムブロミド100mgを入れた後、撹拌を開始つつ、温度を90℃に昇温した。未反応物の含量が0.3%未満であることを確認した後、減圧蒸留した。
【0142】
温度を30℃に下げた後、ジクロロメタンを注入し、NaOHを徐々に投入した。生成物が96%以上であることを高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)方法で確認した後、5%HClを滴下して反応を終結した。反応物は、抽出して層分離した後、有機層を水洗し、中性になるように洗浄した。有機層は、MgSOで乾燥した後、回転蒸発器で減圧蒸留して濃縮した。濃縮した生成物にジクロロメタンを入れ、40℃まで温度を上げながら、撹拌しつつ、メタノールを投入した後、溶液温度を低減し、撹拌した。生成された固体を濾過した後、常温で真空乾燥して、白色固体粉末52.7g(収率94%)を得た。これに対する構造は、H NMRで確認した。
【0143】
[反応式1]
【0144】
H NMR in CDCl3:7.75(2H),7.35−7.254(6H),7.08(4H),6.74(4H),4.13(2H),3.89(2H),3.30(2H),2.87(2H),2.71(2H)。
【0145】
(2)3,3′−(((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(1−フェニルチオ)プロパン−2−オール)の合成
三口フラスコに還流冷却器と温度計を設置した後、1段階の反応物(1000g)、チオフェノール524g、エタノール617gを入れて撹拌した。反応溶液にトリエチルアミン328gをゆっくり滴加した。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)方法で出発物質が消失したことを確認した後、反応を終了した。反応の完了後、エタノールを減圧蒸留して除去した。有機物をジクロロメタンに溶かした後、水で洗浄した後、ジクロロメタンを減圧蒸留を通じて除去した。濃縮された有機物は、エチルアセテートに溶かした後、エーテル溶媒を滴加し、30分間撹拌した。化合物を減圧蒸留して淡黄色油945g(収率64%)を得、その構造は、H NMRで確認した。
【0146】
[反応式2]
【0147】
H NMR in CDCl3:7.82(2H),7.38−6.72(20H),6.51(4H),4.00(2H),3.97(2H),3.89(2H),3.20(2H),3.01(2H),2.64(2H)。
【0148】
(3)バインダー樹脂の合成
三口フラスコに還流冷却器と温度計を設置した後、50%PGMEA溶媒に溶けている2段階で合成した3,3′−(((9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(1−フェニルチオ)プロパン−2−オール)モノマー200gを入れ、115℃まで昇温させた。115℃で3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物31.1gを滴下した後、6時間115℃を維持しつつ、撹拌させた。無水フタル酸7.35gを入れ、2時間さらに撹拌した後、反応を終了した。冷却後、重量平均分子量が3,500g/molであるバインダー樹脂を得た。
【0149】
実施例1〜29および比較例1〜4:光変換樹脂組成物の製造
下記表1〜3の成分および含量を使用して実施例および比較例による光変換樹脂組成物を製造した。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】
【表3】
【0153】
実験例
前記実施例および比較例で製造された光変換樹脂組成物を利用して下記のように光変換コーティング層を製造し、この際の膜厚、輝度、色再現性、耐熱性およびヘーズを下記のような方法で測定し、その結果は、下記表4に示した。
【0154】
(1)光変換コーティング層の製造
実施例および比較例で製造された光変換樹脂組成物を用いてコーティング膜を製造した。すなわち、前記それぞれの光変換樹脂組成物をスピンコート法で5cm×5cmのガラス基板の上に塗布した後、加熱板の上に載置し、100℃の温度で10分間維持して薄膜を形成させた後、180℃の加熱オーブンで30分間加熱して、光変換コーティング層を製造した。前記で製造された光変換樹脂膜の厚さは、量子ドットの含量によって厚さ2〜20μmに製作した。
【0155】
(2)膜厚さ
前記(1)で製造されたコーティング膜を膜厚測定機(Dektak 6M、Vecco社製)を利用してスピンコートした後、100℃でベーク(bake)した後、200℃でベークして、膜厚を測定した。この際、光変換コーティング層の厚さは、量子ドットの含量によって2μm〜20μmであり、各厚さでコーティング層の形成可否を評価し、その評価結果は、下記表4に記載した。
【0156】
(3)輝度
前記(1)で製造されたコーティング膜を青色光源(XLamp XR−E LED、Royal blue 450、Cree社製)の上部に位置させた後、輝度測定機(CAS140CT Spectrometer、Instrument systems社製)を用いて、青色光の照射時に測定輝度を測定し、その評価結果は、下記表4に記載した。
【0157】
(4)色再現性
前記(1)で製造されたコーティング膜を青色光源(XLamp XR−E LED、Royal blue 450、Cree社)の上部に位置させ、その上に赤色、緑板、青色がパターンされたカラーフィルター基板(UN65、三星電子社製のTV Color filterを使用)を位置させた後、色度測定器(OSP−200、Olympus社製)を用いて、赤色、緑板、青色の色座標を測定して、この際に表現される色再現領域をNTSC色領域対比面積比を計算し、その評価結果は、下記表4に記載した。
【0158】
(5)耐熱性
前記(1)で製造されたコーティング膜を(3)輝度測定と同じ方法で測定し、測定した基板を230℃ホットプレートに30分間追加熱処理した後、さらに、輝度測定方法で輝度を測定する。その後、熱処理前に、輝度対比熱処理後の輝度変化を計算した。この際、耐熱性の評価は、輝度測定機(CAS140CT Spectrometer、Instrument systems社製)を利用し、230℃で30分間ベークした後、輝度維持率を評価した。耐熱性が優れるほど、耐熱性は高い数値を示し、その評価結果は、下記表4に記載した。
【0159】
(6)ヘーズ
前記光変換樹脂組成物の製造において散乱粒子を投入前の液状試料をヘーズ測定機(haze meter)(HZ−1、Suga社製)を用いてヘーズを測定し、その評価結果は、下記表4に示した。
【0160】
【表4】
【0161】
前記表4を参照すると、比較例と同様に、オレイルアミンがリガンドである量子ドットの場合には、液状分散性が不良であるので、量子ドットの量子効率が低下する問題によって輝度の低下が観察された。
【0162】
しかしながら、本発明の実施例のように、新しいリガンドが結合している量子ドットを含有する光変換樹脂組成物の場合、クロロホルムが含まれていないとしても、量子ドットの分散特性が非常に優れているので、発光特性が向上して、優れた輝度と共に、色再現性が非常に優れており、耐熱性およびヘーズの評価においても優れていることが分かる。