(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
学習済みの畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks、CNN)モデル、及び複数の写真から構成される識別パッケージを格納するデータベースと、プロセッサとを少なくとも有するバックエンドサーバに用いられるセルフチェックアウトシステムのバックエンド商品の登録方法であって、
画像取得ユニットは、登録しようとする商品に対応する商品番号が記録された商品写真を撮影するステップ(a)と、
前記プロセッサは、デフォルトパラメータに基づいて前記商品写真を変形処理して、複数のシミュレーション写真を生成するステップ(b)と、
前記プロセッサは、前記ニューラルネットワークモデルにより、前記商品写真及び前記複数のシミュレーション写真と前記データベース内の前記複数の写真とをそれぞれ対比し、対比結果に基づいて認識率を生成する自己認証プログラムを実行するステップ(c)と、
前記プロセッサが、前記認識率が閾値を満たすと判定した場合、前記商品写真を前記識別パッケージに追加して、前記商品の登録プログラムを完了するステップ(d)と、
前記プロセッサが、前記認識率が前記閾値を満たさないと判定した場合、前記商品写真を再撮影する指示メッセージを発行するステップ(e)と、
を含む、セルフチェックアウトシステムのバックエンド商品の登録方法。
前記ステップ(a11)において、顕著性モデル(Saliency Model)及び深度分割アルゴリズム(Depth Segmentation Algorithm)により前記前景分離プログラムを実行する、請求項2に記載のセルフチェックアウトシステムのバックエンド商品の登録方法。
前記デフォルトパラメータは、前記商品のサイズ、配置位置、回転角度、光と影の状態、陰影位置、反射効果、及び商品特徴のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセルフチェックアウトシステムのバックエンド商品の登録方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、
図1は、本発明の撮影の概略図の第1の具体例であり、
図2は、本発明の登録システムのブロック図の第1の具体例である。本発明は、セルフチェックアウトシステムのバックエンド商品の登録方法(以下、本明細書では単に登録方法と称する)を開示し、上記登録方法は、主にセルフチェックアウトシステムのバックエンドの登録システム1に用いられる。
【0013】
図1及び
図2に示すように、上記登録システム1は、バックエンドサーバ2と、画像取得ユニット3と、表示ユニット4とを主に含む。一実施形態では、バックエンドサーバ2は、画像取得ユニット3及び表示ユニット4と同じ場所に配置され、ケーブルを介して画像取得ユニット3及び表示ユニット4と電気的に接続される。
【0014】
他の実施形態では、バックエンドサーバ2は、様々な無線伝送方式で画像取得ユニット3及び表示ユニット4に無線接続することができる。例えば、バックエンドサーバ2は、システム開発者に提供されるクラウドサーバであってもよく、画像取得ユニット3及び表示ユニット4は、ユーザ(例えば、商品の供給メーカ)のオフィス内に配置されてもよい。これにより、ユーザは、バックエンドサーバ2を遠隔接続することで、本発明の登録方法を使用することができる。
【0015】
図2に示すように、バックエンドサーバ2は、プロセッサ21と、プロセッサ21に電気的に接続されたデータベース22とを少なくとも有している。データベース22には、学習済みの畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks、CNN)モデル221と、複数の写真からなる識別パッケージ222とが格納されている。本発明では、プロセッサ21は、主に、CNNモデル221と識別パッケージ222とによって、商品の登録プログラム(詳細は後述する)を実行する。
【0016】
上記CNNモデル221の原理及び学習方法は、当技術分野において一般的な技術的手段であり、ここでは説明を省略する。
【0017】
図3Aは、本発明の第1の商品登録の概略図である。
図3Aは、登録システム1が表示ユニット4上に表示可能な第1の登録ページ41を示す。
図3Aに示すように、上記第1の登録ページ41では、ユーザは、現在登録されている全ての商品の商品情報を明確に見ることができる。一実施形態では、上記商品情報は、少なくとも、商品番号(ID)、バーコード、商品名、価格、及び格納された写真数等を含むが、これらに限定されない。ユーザは、第1の登録ページ41上の商品追加ボタンをトリガーすると、登録しようとする商品の関連情報を追加することで、商品の登録プログラムを行うことができる。
【0018】
具体的には、1つの商品の登録プログラムを完了するには、1枚以上の商品写真を撮影しなければならず、商品写真の内容及び数は、CNNモデル221が十分に認識できる程度(例えば、
図3Aの実施形態では、ポテトチップスの写真数が5枚、パンの写真数が8枚、飲料の写真数が3枚)である必要がある。商品が登録されると、これらの商品写真が識別パッケージ111に追加されている。言い換えれば、本発明の識別パッケージ222は、複数の登録された商品の商品写真から構成されており、登録された商品の数が多いほど、識別パッケージ222内の写真の数も多くなり、両者は正比例の関係にある。
【0019】
一実施形態では、プロセッサ21は、CNNモデル221により、識別パッケージ222内の写真を圧縮処理して、複数の識別可能なベクトル値(vector)を生成する。言い換えれば、識別パッケージ222には、複数の写真及び/又は圧縮処理された複数のベクトル値が格納されていてもよいが、これらに限定されない。
【0020】
図1に示すように、ユーザは、新しい商品5を登録しようとする場合、画像取得ユニット3によって商品5の商品写真を撮影することができる。プロセッサ21は、この商品写真を上記識別パッケージ222内の複数の写真と対比し、対比結果の認識率(Confident rate)により、この商品5の登録プログラムを完了することができるかどうか、又はユーザが商品5の他の写真を撮影する必要があるかどうかを判定することができる。本発明において、上記認識率とは、商品5の商品写真が識別パッケージ222から認識され得る確率を意味する。
【0021】
なお、一実施形態では、プロセッサ21は、CNNモデル221により、画像取得ユニット3によって撮影された商品写真を圧縮処理して、対応するベクトル値を生成する。そして、プロセッサ21は、主に、この商品5に対応するベクトル値と、識別パッケージ222に格納されている複数のベクトル値とを対比して、上記認識率を得る。ただし、上述の実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0022】
続いて、
図3Bを併せて参照する。
図3Bは、本発明の第2の商品登録の概略図である。ユーザが商品5の写真を撮影する場合、プロセッサ21は、表示ユニット4により、第2の登録ページ42を表示し、画像取得ユニット3の取得範囲内においての商品5の推奨配置位置421を、第2の登録ページ42上に表示することができる。この実施形態では、ユーザは、撮影した写真が登録システム1の要件をさらに満たすために、上記推奨配置位置421に商品5を配置して画像取得ユニット3によって商品5の写真を撮影することができる。
【0023】
一実施形態では、上記画像取得ユニット3の取得範囲は、現在商品5を積載するためのトレイ50のサイズに設定してもよいが、これに限定されない。
【0024】
一実施形態では、プロセッサ21はまた、様々なパラメータ(例えば、商品の形状、商品のカテゴリ、認識の難易度等)に基づいて必要な商品写真の数を設定してもよい。プロセッサ21は、ユーザが商品写真を1枚撮影すると、現在の商品写真の数が所定数(例えば5枚)を満たすか否かを判定することができる。商品写真の数がまだ所定数に達していない場合、プロセッサ21は、商品写真の数が所定数を満たすまで設定に従って上記第2の登録ページ42上に次の推奨配置位置421を表示して、前の商品写真と差異性を有する次の商品写真を撮影するようにユーザを誘導することができる。
【0025】
続いて、
図3Cを併せて参照する。
図3Cは、本発明の第3の商品登録の概略図である。ユーザが新しい商品5の登録プログラムを行う場合、登録システム1は、表示ユニット4上に第3の登録ページ43を表示することができる。
図3Cに示すように、ユーザは、第3の登録ページ43の左半分の欄に商品5の商品番号(ID)、バーコード、商品名、価格等の商品情報を入力し、第3の登録ページ43の右半分の欄に上記商品5の商品写真6をインポートすることができる。
【0026】
ユーザは、商品5の商品写真6をインポートした後、第3の登録ページ43上の次へボタンをトリガーして、登録システム1を商品写真6に対して自己認証プログラムを実行させることができる。上記自己認証プログラムが成功した後、登録システム1は、商品写真6をデータベース22の識別パッケージ222に追加して、識別パッケージ222を更新し、新しい商品5の登録プログラムを完了することができる。
【0027】
具体的には、上述した自己認証プログラムは、主として、既存の識別パッケージ222に新たな商品写真6が加わった後に、識別パッケージ222が安定状態のままであるか否かを確認するとともに、CNNモデル221が識別パッケージ222に基づいて各商品の識別動作を行う際に、閾値よりも高い認識率を依然として得られるか否かを確認するためのものである(詳細は後述する)。
【0028】
続いて、
図4を参照する。
図4は、本発明の商品登録のフローチャートの第1の具体例であり、主に、本発明の登録方法の具体的な実行ステップを示す。
【0029】
図4に示すように、1つの商品に対して登録プログラムを行うには、まず、ユーザは、登録しようとする商品5を1つの撮影位置(例えば、
図1に示すトレイ50上)に置き、登録システム1の画像取得ユニット3により商品5の商品写真6を少なくとも1枚撮影する(ステップS10)。具体的には、ステップS10において、バックエンドサーバ2のプロセッサ21は、画像取得ユニット3の取得範囲内においての商品5の推奨配置位置421を表示ユニット4上に表示して、商品5を上記推奨配置位置421に配置するようにユーザを誘導することで、画像取得ユニット3による商品写真6の撮影を容易にすることができる。
【0030】
なお、上記商品写真6には、上述した第3の登録ページ43の設定によって、対応する商品5の商品番号(ID)、商品名、バーコード、価格等の商品情報が記録されているが、これらに限定されない。
【0031】
本発明では、プロセッサ21は、商品の形状、商品のカテゴリ、認識の難易度等のパラメータに応じて、必要な商品写真の所定数を設定することができる。ステップS10の後、プロセッサ21は、現在撮影された商品写真6の数が所定数を満たすか否かを判定する(ステップS12)。商品写真6の数が所定数を満たさない場合、プロセッサ21は、ステップS10に戻り、次の商品写真6を撮影するようにユーザを要求する。
【0032】
本実施形態では、商品写真6の数を増やす目的は、商品5の異なる様子を予測することであるため、プロセッサ21は、異なる商品写真6同士に内容の差異があることを確実にする必要がある。例えば、プロセッサ21は、ステップS10に戻った後、画像取得ユニット3の取得範囲内においての商品5の次の推奨配置位置421を、表示ユニット4によって表示することで、内容の異なる商品写真6を撮影するようにユーザを誘導することができる。
【0033】
ユーザが商品5の商品写真6を複数撮影して、商品写真6の数が上記所定数を満たした後、プロセッサ21は、複数の商品写真6を用いて、後続のステップS14の変形処理及びステップS16の自己認証プログラムを同時に実行することにより、ステップS20で得られた認識率を向上させることができる。
【0034】
別の実施形態では、上記商品写真の所定数は1枚である。この実施形態では、ステップS12は必ずしも存在しなくてもよい。理解を容易にするために、以下では、商品写真を1枚のみ撮影する例を挙げて説明する。
【0035】
次に、バックエンドサーバ2は、撮影された商品写真6を取得し、データベース22に予め格納されたデフォルトパラメータ223に基づいて、商品写真6を変形処理して複数のシミュレーション写真を生成する(ステップS14)。一実施形態では、上記デフォルトパラメータ223は、上記商品5のサイズ、配置位置、回転角度、光と影の状態、陰影位置、反射効果、及び商品特徴等のうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0036】
図5A〜
図5Eを同時に参照する。
図5Aは、本発明の商品写真の概略図であり、
図5B〜
図5Eは、それぞれ本発明のシミュレーション写真の概略図の第1の具体例〜第4の具体例である。
【0037】
図5Aは、ユーザが上述のステップS10で撮影した商品写真6を示している(
図5Aではパンを例にしている)。上述のステップS14では、プロセッサ21は、デフォルトパラメータ223に基づいて商品写真6を変形処理して、
図5B〜
図5Eに示すような複数のシミュレーション写真61〜64を自動的に生成する。
【0038】
第1の実施形態では、プロセッサ21は、パンの商品特徴(例えば、ゴマ粒)の数、分布や位置を変更することにより、
図5Bに示すようなシミュレーション写真61を生成する。第2の実施形態では、プロセッサ21は、パンの回転角度を変更することにより、
図5Cに示すようなシミュレーション写真62を生成する。第3の実施形態では、プロセッサ21は、パンの陰影位置を変更することにより、
図5Dに示すようなシミュレーション写真63を生成する。第4の実施形態では、プロセッサ21は、パンの反射効果を変更することにより、
図5Eに示すようなシミュレーション写真64を生成する。
【0039】
上記実施形態は本発明の具体例に過ぎない。識別精度を高めるために、プロセッサ21は、異なるパラメータに応じて1枚の商品写真6に対して500〜1000枚程度のシミュレーション写真61〜64を生成してもよいが、本発明は上述の数に限定されない。
【0040】
本発明の1つの技術的特徴は、ユーザが画像取得ユニット3により撮影した商品写真6に加えて、プロセッサ21が複数のシミュレーション写真61〜64を同時に自動的に生成して上記自己認証プログラムを実行することである。より具体的には、本発明は、自動生成されたシミュレーション写真61〜64により、従来の手動で商品5を撮影した大量の商品写真6をシミュレーションする。
【0041】
上述の技術的特徴により、ユーザは、ごく少数の商品写真6を撮影するだけで、新しい商品5を識別パッケージ222内に閾値よりも高い認識率を持たせることができ、新しい商品5の登録プログラムを完了することができる(好ましい場合には、商品写真6を1枚のみ撮影するだけで、商品5の登録プログラムを完了することができる)。これにより、商品の登録コストを効果的に節約するとともに、登録に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0042】
図4に戻り、ステップS14の後、プロセッサ21は、CNNモデル221により、商品写真6及び複数のシミュレーション写真61〜64をそれぞれデータベース22内の識別パッケージ222と対比するために、上記自己認証プログラムを実行する(ステップS16)。一実施形態では、CNNモデル221は、商品写真6及び複数のシミュレーション写真61〜64をそれぞれ識別パッケージ222に記録された複数の写真と対比する。他の実施形態では、CNNモデル221は、商品写真6及び複数のシミュレーション写真61〜64をそれぞれ識別可能なベクトル値に圧縮し、これらのベクトル値をそれぞれ識別パッケージ222内の複数のベクトル値と対比する。
【0043】
例えば、識別パッケージ222の中に2000枚の写真が保存されており、プロセッサ21が商品写真6に対して500枚のシミュレーション写真61〜64を生成した場合、本発明では、プロセッサ21は、この501枚の写真6,61〜64をそれぞれ識別パッケージ222内の2000枚の写真と逐一対比する。対比処理では、プロセッサ21は、対比が完了したか否かを継続して判定し(ステップS18)、対比が完了するまではステップS16を継続して実行し、対比が完了すると、対比結果に基づいて認識率を生成する(ステップS20)。
【0044】
本実施形態では、上述の認識率とは、上記商品写真6及びシミュレーション写真61〜64が、データベース22の既存の識別パッケージ222において正常に認識された確率を意味する。具体的には、上記認識率が高いことは、商品写真6が識別パッケージ222内の他の写真(即ち、他の商品)と混同しにくいことを意味する。逆に、認識率が低いことは、商品写真6が識別パッケージ222内の他の写真(即ち、他の商品)と混同しやすいことを意味する。
【0045】
次に、プロセッサ21は、上記認識率が予め設定された閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS22)。認識率が閾値(例えば、95%)よりも大きい場合、商品写真6が識別パッケージ222内の他の写真と混同しないことを示し、識別パッケージ222に商品写真6が追加されても、識別パッケージ222の認識率は安定したままである。したがって、プロセッサ21は、識別パッケージ222の内容を更新するために、識別パッケージ222に商品写真6を追加することができる(ステップS24)。
【0046】
逆に、認識率が閾値より大きくない場合、現在取得されている商品写真6が識別パッケージ222内の他の写真と混同する可能性があることを示し、商品写真6が識別パッケージ222に追加されると、識別パッケージ222のパフォーマンス(即ち、認識精度)に影響を及ぼす可能性がある。この場合、プロセッサ21は、上記商品写真6が使用不可であると判定し、撮影した商品写真6を削除するとともに、表示ユニット4により、ユーザに商品写真6の再撮影を要求する指示メッセージを発行する(ステップS26)。
【0047】
なお、商品写真6又はシミュレーション写真61〜64のいずれかが正常に認識されない場合、プロセッサ21は、CNNモデル221に認識問題が生じていると判定することができる。このとき、プロセッサ21は、バックエンドサーバ2の担当者にエラー報告を行い、認識できない商品写真6及び/又はシミュレーション写真61〜64を提出することができる。これにより、担当者は、CNNモデル221を微調整(fine tune)するために、商品写真6及びシミュレーション写真61〜64によってCNNモデル221をさらに学習させることができる。
【0048】
上述したように、本発明では、新しい商品5の1枚以上の商品写真6が識別パッケージ222に追加されて、識別パッケージ222の認識率に影響を及ぼさない(即ち、認識率が閾値よりも大きい)場合に、商品5の登録プログラムを許可して完了する(ステップS28)。また、本発明では、識別パッケージ222に商品写真6を追加する前の自己認証プログラムが、自動的に生成された複数のシミュレーション写真61〜64によって実現されるので、ユーザが大量の商品写真6を自ら撮影するのに要する時間及び人件費を効果的に省くことができる。
【0049】
上述したように、本発明の画像取得ユニット3は、主に、取得範囲全体を撮影するものであるため、撮影した写真には、前景(例えば、1つ以上の商品5)と背景(例えば、トレイ51)の画像が同時に含まれる。CNNモデル221による対比に使用可能な商品写真6を取得するには、プロセッサ21は、まず、画像取得ユニット3によって撮影された写真に対して前景分離プログラムを実行して、商品5の具体的な画像を取得した後、この具体的な画像を上述の商品写真6とする場合がある。
【0050】
一実施形態では、プロセッサ21は、主に、顕著性モデル(Saliency Model)及び深度分割アルゴリズム(Depth Segmentation Algorithm)によって前景分離プログラムを実行することができる。上述の顕著性モデル及び深度分割アルゴリズムは、当技術分野において一般的な技術的手段であり、ここでは説明を省略する。
【0051】
続いて、
図6及び
図7を参照する。
図6は、本発明の前景分離のフローチャートの第1の具体例であり、
図7は、本発明の画像処理の概略図の第1の具体例である。
図6を参照しながら、本発明のプロセッサ21が商品5の具体的な画像をどのように取得するかをさらに説明する。
【0052】
本実施形態では、プロセッサ21が画像取得ユニット3によって撮影された商品写真6を取得した後、まず、商品写真6において1つのオブジェクト(即ち、商品5)の輪郭を識別し(ステップS40)、この輪郭に基づいて商品5のマスク71を生成することで、商品5を位置決めする(ステップS42)。マスク71の生成により、プロセッサ21は、商品写真6内においての商品5の位置を取得することができる。
【0053】
具体的には、
図7に示すように、マスク71は、商品写真6における商品5の輪郭に沿って生成されて、商品写真6全体における商品5の輪郭の位置を記述するためのものである。上述のアルゴリズムは、マスク71の位置を得るとともに、マスク71内の画像を取得して商品5の具体的な画像を生成することができる(ステップS44)。
【0054】
本実施形態では、プロセッサ21は、ステップS44で生成された具体的な画像により上記商品写真6を更新する。上述の
図4のステップS14及びステップS16において、プロセッサ21は、更新された商品写真6に基づいて、複数のシミュレーション写真61〜64を生成して識別パッケージ222と対比する。これにより、プロセッサ21は、より正確な対比結果を得ることができる。
【0055】
一実施形態では、プロセッサ21は、さらに、上記マスク71に基づいて、商品5を完全にカバー可能なマーク枠72を生成して表示する(ステップS46)。上記マーク枠72は、多角形(例えば、矩形、三角形や菱形等)の枠であってもよい。ユーザは、マーク枠72の生成と表示により、表示ユニット4上で商品写真6から商品5の位置を迅速かつ明確に確認し、後続の処理動作をより効率的に行うことができる。
【0056】
上述したように、メーカは、新しい商品5を登録する場合、主として、商品5の商品情報及び商品写真6をバックエンドサーバ2にアップロードし、最終的に商品写真6を識別パッケージ222に追加して、商品5の登録プログラムを完了する。一方、店舗が商品5を陳列した後、フロントエンドのセルフチェックアウトシステム(
図8に示すセルフチェックアウトシステム1)は、ネットワークによってバックエンドサーバ2に接続され、バックエンドサーバ2内のCNNモデル221及び識別パッケージ222により、セルフチェックアウトプログラムに必要な識別動作を実現することができる。
【0057】
別の実施形態では、ユーザは、CNNモデル221及び識別パッケージ222を、セルフチェックアウトシステム1に予めインポートすることもできる。これにより、セルフチェックアウトシステム1は、ネットワークによってバックエンドサーバ2に接続される必要がなく、セルフチェックアウトプログラムを自ら実現することができる。なお、新しい商品5が登録され、バックエンドサーバ2が識別パッケージ222を更新した後、ユーザは、セルフチェックアウトシステム1が新しい登録された商品5を支援できるように、更新された識別パッケージ222に基づいてセルフチェックアウトシステム1を更新しなければならない。
【0058】
続いて、
図8及び
図9を参照する。
図8は、本発明のセルフチェックアウトシステムの概略図の第1の具体例であり、
図9は、本発明のセルフチェックアウトのフローチャートの第1の具体例である。
【0059】
図8及び
図9に示すように、消費者は、店舗内でセルフチェックアウトシステム8を介して購入商品84を購入する場合、主にセルフチェックアウトシステム8に搭載されたカメラ81の下方に購入商品84を置き、カメラ81により購入商品84の認識対象画像85を取得することができる(ステップS50)。次に、セルフチェックアウトシステム8は、取得した認識対象画像85に対して前景分離プログラムを実行する(ステップS52)。
【0060】
本実施形態では、セルフチェックアウトシステム8は、主に、上述の
図6に近い方法で、認識対象画像85に対して前景分離プログラムを行う。具体的には、セルフチェックアウトシステム8は、まず、認識対象画像85において購入商品84の輪郭を識別し、次いで、輪郭に基づいて購入商品84のマスク(例えば、
図7に示すマスク71)を生成して、購入商品84を位置決めする。また、セルフチェックアウトシステム8は、マスク内の画像をさらに取得することで、購入商品84に完全に焦点を合わせた購入商品画像を生成する。最後に、セルフチェックアウトシステム8は、上記購入商品画像に基づいて認識対象画像85を更新することにより、後続の識別動作が購入商品84に焦点を合わせることができ、その結果、認識精度を向上させる。
【0061】
なお、カメラ81によって撮影された認識対象画像85に複数の購入商品84が同時に含まれている場合には、セルフチェックアウトシステム8は、ステップS52において、それぞれの購入商品84に対して上記マスクを生成して、購入商品84ごとに位置決めを行い、更新後に複数の認識対象画像85を生成する。これにより、セルフチェックアウトシステム8は、カメラ81により複数の購入商品84を同時に認識することで、セルフチェックアウトプログラムの進行を速めることができる。
【0062】
図8に示すように、セルフチェックアウトシステム8は、更新された認識対象画像85をスクリーン82上に表示して消費者に見せることができる。また、セルフチェックアウトシステム8は、前景分離プログラムを実行する際に、上記マスクに基づいて購入商品84を完全にカバー可能なマーク枠72を生成し、認識対象画像85及びマーク枠72をスクリーン82上に同時に表示することもできる。これにより、消費者は、購入商品84をより迅速かつ明確に見ることができる。
【0063】
図9に戻り、ステップS52の後、セルフチェックアウトシステム8は、CNNモデル221により、認識対象画像85をデータベース22内の識別パッケージ222と対比して、対比結果を生成する(ステップS54)。一実施形態では、セルフチェックアウトシステム8は、CNNモデル221により、認識対象画像85を識別パッケージ222内の複数の写真と直接対比する。他の実施形態では、セルフチェックアウトシステム8は、CNNモデル221により、認識対象画像85を識別可能なベクトル値に圧縮し、このベクトル値を識別パッケージ222内の複数のベクトル値と対比する。
【0064】
上述した
図3Cに示すように、識別パッケージ222に追加された各商品写真6には、少なくとも対応する商品5の商品番号(ID)が記録されている。ステップS54の後、セルフチェックアウトシステム8は、対比結果を取得することができる。この対比結果には、上記認識対象画像85に最も近い、識別パッケージ222内の写真が1枚以上記録されている。従って、ステップS54の後、セルフチェックアウトシステム8は、対比結果に基づいて識別された合致する写真に対応する商品番号を取得することにより(ステップS56)、上記購入商品84の識別動作を完了することができる。
【0065】
ステップS56の後、セルフチェックアウトシステム8は、商品番号に基づいて購入商品84のバーコード、商品名及び価格等の商品情報を取得し(ステップS58)、商品情報をフロントエンドの販売時点情報管理(Point of Sale、POS)レジスタ83に転送して、POSレジスタ83によりスクリーン82上に商品情報を表示して消費者に確認させるとともに、POSレジスタ83によりチェックアウト動作を実行する(ステップS60)。このようにして、消費者はセルフチェックアウト作業を完了することができ、かなり便利である。
【0066】
別の実施形態では、セルフチェックアウトシステム8は、ステップS56の後に購入商品84に対応する商品番号を取得し、POSレジスタ83によって読み取り可能なデータフォーマットで商品番号をPOSレジスタ83に直接送信することにより、従来のPOSレジスタ83がバーコードスキャナ(Barcode Scanner)から商品番号及びコードを直接取得する技術的手段をシミュレーションすることができる。本実施形態では、POSレジスタ83は、商品番号及びコードを受信した後、さらに商品番号及びコードに基づいて内部データベースを検索し、購入商品84の商品名、価格等の商品情報を取得して表示することができる。
【0067】
上述の実施形態によれば、店舗は、従来のPOSレジスタ83のソフトウェアとハードウェアのアーキテクチャを変更する必要がなく、コストを効果的に低減することができる。また、セルフチェックアウトシステム8が商品写真6の対比結果から購入商品84の商品情報を取得してPOSレジスタ83に送信する処理方式は、従来の店舗がバーコードスキャナで購入商品84の商品情報を取得してPOSレジスタ83に送信する処理方式をシミュレーションすることができ、その結果、POSレジスタ83は、バーコードを有しない商品(例えばパン)に対するチェックアウト動作が可能となり、利便性が向上する。
【0068】
以上のように、本発明では、1枚の商品写真に基づいて大量のシミュレーション写真を自動的に生成することにより、ユーザは、少量の商品写真を撮影するだけで、1つの商品に高い認識率を持たせて商品の登録プログラムを正常に完成することができる。このようにすれば、商品の登録に要する時間及び人件費を効果的に節約することができる。
【0069】
以上の説明は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではないので、本発明の内容を適用した等価な変形例であれば、いずれも本発明の範囲に含まれる。