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特許6908817情報処理装置と、その処理方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6908817
(24)【登録日】2021年7月6日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】情報処理装置と、その処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20210715BHJP
   A61G 10/00 20060101ALI20210715BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20210715BHJP
   G08B 25/00 20060101ALN20210715BHJP
   G08B 25/04 20060101ALN20210715BHJP
【FI】
   G16H40/20
   A61G10/00 Z
   A61G12/00 B
   !G08B25/00 510M
   !G08B25/04 F
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-169699(P2016-169699)
(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公開番号】特開2018-36872(P2018-36872A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−128976(JP,A)
【文献】 特表2013−539087(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/033756(WO,A1)
【文献】 特開2015−141531(JP,A)
【文献】 特開2008−176766(JP,A)
【文献】 特表2016−517590(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0127365(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00−15/12
A61G 99/00
G06Q 10/00−99/00
G08B 23/00−31/00
G16H 10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と通信可能な、ディスペンサの使用を管理する情報処理装置であって、
前記ディスペンサが使用された日時を含むディスペンサ使用ログを取得するログ取得手段と、
前記撮像装置で撮像された画像に含まれる人物を特定する特徴情報に基づき、人物画像を取得する画像取得手段と、
前記人物画像の日時に基づき、該人物画像に対応するディスペンサ使用ログがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に従って、ディスペンサ使用ログがないと判定された前記人物画像を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ログ取得手段は、前記ディスペンサと通信して日時を含むディスペンサ使用ログを取得し、
前記記憶手段は、前記ディスペンサと通信して取得したディスペンサ使用ログの日時と、前記撮像装置から取得した人物画像の日時とに基づいて、人物画像を記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、更に、
前記撮像装置の識別情報である部屋番号の入力を受付ける受付手段と、
前記記憶手段に記憶される人物画像のうち、前記受付手段で受付けた部屋番号により識別される撮像装置で撮像された人物画像を検索する検索手段と
前記検索手段によって検索された結果を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記検索手段によって検索された人物画像と、当該人物画像を撮像した撮像装置に係る部屋番号と、当該人物画像が撮像された日時と、を対応づけて表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、複数の前記ディスペンサと複数の前記撮像装置と通信可能であって、前記ディスペンサの設置場所を特定するディスペンサ特定情報を含むディスペンサ使用ログと、前記撮像装置で撮像している場所を特定する撮像特定情報とを記憶し、
前記判定手段は、前記撮像装置の撮像特定情報と前記ディスペンサのディスペンサ特定情報とが対応する前記ディスペンサ使用ログであって、前記画像に対応するディスペンサ使用ログがあるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段で記憶されている人物画像は前記ディスペンサを使用していない人物の画像であって、該人物画像を含む人物情報一覧生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した人物情報一覧を送信する送信手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮像装置から取得した画像に対応する人物画像に基づく人物の入室ログと、前記ディスペンサを使用していない人物の情報とに従って該人物のディスペンサの使用情報を送信する使用情報送信手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
撮像装置と通信可能な、ディスペンサの使用を管理する情報処理装置における処理方法であって、
前記ディスペンサが使用された日時を含むディスペンサ使用ログを取得するログ取得ステップと、
前記撮像装置で撮像された画像に含まれる人物を特定する特徴情報に基づき、人物画像を取得する画像取得ステップと、
前記人物画像の日時に基づき、該人物画像に対応するディスペンサ使用ログがあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に従って、ディスペンサ使用ログがないと判定された前記人物画像を記憶する記憶ステップと、
を実行することを特徴とする処理方法。
【請求項9】
撮像装置と通信可能な、ディスペンサの使用を管理する情報処理装置を、
前記ディスペンサが使用された日時を含むディスペンサ使用ログを取得するログ取得手段と、
前記撮像装置で撮像された画像に含まれる人物を特定する特徴情報に基づき、人物画像を取得する画像取得手段と、
前記人物画像の日時に基づき、該人物画像に対応するディスペンサ使用ログがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に従って、ディスペンサ使用ログがないと判定された前記人物画像を記憶する記憶手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項10】
撮像装置とディスペンサと情報処理装置とが通信可能な情報処理システムであって、
前記ディスペンサは、該ディスペンサが使用された日時を含むディスペンサ使用ログを送信する送信手段を有し、
前記撮像装置は、該撮像装置が撮像した日時を含む画像を送信する画像送信手段を有し、
前記情報処理装置は、
前記送信手段により送信されるディスペンサ使用ログを取得するログ取得手段と、
前記画像送信手段で送信された画像に含まれる人物を特定する特徴情報に基づき、人物画像を取得する画像取得手段と、
前記人物画像の日時に基づき、該人物画像に対応するディスペンサ使用ログがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に従って、ディスペンサ使用ログがないと判定された前記人物画像を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、院内感染の防止を支援する情報処理装置、その処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、病院等の医療機関における院内感染を防止するために、消毒剤等を出すディスペンサによる手指衛生の徹底が実施されている。
特許文献1には、部屋(医療関連室)に入室した者が保持するRFIDタグ等を用いて、入室動作情報を取得する仕組みが公開されている。また、特許文献2には、ディスペンサの使用を手指衛生イベントの発生として、サーバへ通知する仕組みが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−153049号公報
【特許文献2】特表2013−539087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、RFIDタグを読み取るリーダを病院の各部屋の入口に設置する必要があり、医療器具を多く扱う病院にとっては、医療器具の動作への影響、さらに設置場所、設置費用等を考慮すると、導入しづらい構成である。また、特許文献1と2を組み合せて、ディスペンサの使用を検知し、手指衛生を行った者を特定することができたとしても、院内感染の原因となりうる手指衛生を行わなかった(ディスペンサ未使用)者を特定することはできないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ディスペンサの使用ログと人物を特定する特徴情報に基づく人物画像を用いて、衛生管理を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
撮像装置と通信可能な、ディスペンサの使用を管理する情報処理装置であって、前記ディスペンサが使用された日時を含むディスペンサ使用ログを取得するログ取得手段と、前記撮像装置で撮像された日時を含む画像に含まれる人物を特定する特徴情報に基づき、人物画像を取得する画像取得手段と、前記ログ取得手段で取得した日時を含むディスペンサ使用ログとに従って、前記画像取得手段で取得した人物画像を管理する管理手段と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ディスペンサの使用ログと人物を特定する特徴情報に基づく人物画像を用いて、衛生管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のシステム構成図の一例を示す図
図2】サーバ102のハードウエア構成の一例を示す図
図3】サーバ102の機能構成の一例を示すブロック図
図4】ディスペンサ使用検知処理のフローチャートの一例を示す図
図5】ディスペンサ未使用者特定処理のフローチャートの一例を示す図
図6】ディスペンサ未使用者検索処理のフローチャートの一例を示す図
図7】ディスペンサ未使用傾向者検索処理のフローチャートの一例を示す図
図8】ディスペンサ未使用者検索画面の一例を示す図
図9】ディスペンサ未使用傾向者一覧画面の一例を示す図
図10】サーバ102で管理されているテーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システム100の構成の一例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に情報処理システム100は、ディスペンサ101、サーバ102、監視カメラ104、検索端末105が、ネットワーク103により通信可能に接続された構成をとる。
【0011】
ディスペンサ101は、部屋の入口等に設置されているディスペンサであり、その部屋に入る者が手指衛生のために使用する。ディスペンサ101は、使用者による押下受付やセンサによる検出により、容器内に蓄える消毒剤、ハンドソープ、ローション等を噴出する。その際、ディスペンサ101が使用されたことを、ネットワーク103を介してサーバ102に通知する。また、ディスペンサ101にはディスペンサの個体を識別する識別情報が割り当てられており、本実施形態においては、ディスペンサの識別情報としてディスペンサ101が設置されている部屋番号が割り当てられているとする。
【0012】
なお、本実施形態においては、部屋番号をディスペンサの識別情報としたが、これに限定するものではなく、部屋番号をディスペンサの識別情報とせず、部屋番号とディスペンサの識別情報とを対応付けるテーブルをサーバ102にて管理するとしてもよい。
【0013】
監視カメラ104は、各部屋に設置されているカメラであり、部屋および部屋に居る人物の様子を撮像する。また、監視カメラ104には監視カメラの個体を識別する識別情報が割り当てられており、本実施形態においては、監視カメラの識別情報として監視カメラ104が設置されている部屋番号が割り当てられているとする。
【0014】
なお、本実施形態においては、部屋番号を監視カメラの識別情報としたが、これに限定するものではなく、部屋番号を監視カメラの識別情報とせず、部屋番号と監視カメラの識別情報とを対応付けるテーブルをサーバ102にて管理するとしてもよい。
サーバ102は、ディスペンサ101からの使用通知、監視カメラ104からの撮像画像を受信し、記憶装置に記憶し管理する。
検索端末105は、サーバ102にて管理されているディスペンサ101の使用情報、撮像画像から情報を取得し表示する。
以上で、図1の説明を終了する。
【0015】
以下、図2を用いて、図1に示したサーバ102に適用可能なハードウエア構成の一例について説明する。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ212には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
【0016】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ212からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0017】
また、205は入力コントローラで、タッチセンサ210からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ211等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、ディスプレイ211と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じてサーバ102のユーザが使用するものである。
【0018】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ212へのアクセスを制御する。
【0019】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク103を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0020】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ211上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ211上のタッチセンサ210におけるユーザのタッチ操作指示を受付けることを可能とする。
【0021】
本発明を実現するための後述する各種プログラムや各種テーブルは、外部メモリ212に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされ、CPU201によって実行されるものである。
以上で、図2の説明を終了する。
【0022】
図3は、サーバ102の機能構成の一例を示すブロック図の一例である。
サーバ102は、以下の機能部を備える。
【0023】
ユーザ情報管理部301は、ユーザを特定するための当該ユーザの特徴画像を含む、ユーザ情報を管理する機能部である。
ディスペンサ使用管理部302は、建物内の部屋または部屋の近傍に設置されたディスペンサから送信された当該ディスペンサが使用された部屋の識別情報と使用日時とを管理する機能部である。
【0024】
撮像画像管理部303は、建物内の部屋に設置されたカメラから送信された撮像画像、撮像日時および撮像された部屋の識別情報を管理する機能部である。
【0025】
入室者特定部304は、ユーザ情報管理部301により管理されているユーザ情報に含まれる画像を用いて、撮像画像管理部303により受信した撮像画像に含まれる人物の画像から、当該撮像画像を撮像したカメラが設置されている部屋に入室した者を特定する機能部である。
【0026】
ディスペンサ未使用者管理部305は、撮像画像管理部303により受信した撮像画像の撮像日時より前の所定時間内に、ディスペンサ使用管理部302により当該撮像画像の撮像された部屋の識別情報と対応付けてディスペンサの使用日時が管理されていない場合、入室者特定部304により当該撮像画像に含まれる人物の画像から特定された者をディスペンサ未使用者として管理する機能部である。
ディスペンサ未使用者出力部306は、ディスペンサ未使用者管理部305により管理されているディスペンサ未使用者の情報を出力する機能部である。
【0027】
部屋識別情報入力受付部307は、部屋の識別情報の入力を受け付ける機能部である。
ディスペンサ未使用者情報取得部308は、部屋識別情報入力受付部307により入力を受け付けた部屋の識別情報と対応付けられてディスペンサ未使用者管理部305により管理されているディスペンサ未使用者の情報を取得する機能部である。
ディスペンサ未使用者出力部306は、ディスペンサ未使用者情報取得部308により取得されたディスペンサ未使用者の情報を出力する機能部である。
【0028】
ディスペンサ未使用者出力部306は、ディスペンサ未使用者管理部305により管理されているディスペンサ未使用者の情報を、ディスペンサ未使用者管理部305に管理されている数の多い順に出力する機能部である。
【0029】
ディスペンサ未使用者管理部305は、撮像画像管理部303により受信した撮像画像に含まれる人物の画像をディスペンサ未使用者の画像として管理する機能部である。
ディスペンサ未使用者出力部306は、ディスペンサ未使用者管理部305により管理されているディスペンサ未使用者の画像を出力する機能部である。
以上で、図3の説明を終了する。
【0030】
図10は、サーバ102で管理されているテーブルの一例を示す図である。
ディスペンサ使用ログテーブル1010は、ディスペンサ101が使用されたことを記憶するテーブルであり、「ディスペンサ使用日時」「(ディスペンサの設置されている)部屋番号」のカラムを持つ。すなわち、ディスペンサ使用ログテーブル1010は、建物内の部屋または部屋の近傍に設置されたディスペンサから送信された当該ディスペンサが使用された部屋の識別情報と使用日時とを管理する手段の一例である。
【0031】
ディスペンサ未使用者テーブル1020は、ディスペンサ101を使用せずに入室したユーザを記憶するテーブルであり、ディスペンサ使用ログテーブル1010と入室ログテーブル1040を照らし合わせ、部屋へ入室したにも関わらず、その部屋のディスペンサが使用されていない時に、レコードを登録する。「撮像日時」「部屋番号」「ユーザID」「撮像画像ファイルパス」のカラムを持つ。
【0032】
すなわち、ディスペンサ未使用者テーブル1020は、建物内の部屋に設置されたカメラから送信された撮像画像を管理する手段の一例である。また、ディスペンサ未使用者テーブル1020は、受信した撮像画像に含まれる人物の画像をディスペンサ未使用者の画像として管理する手段の一例である。
【0033】
ユーザマスタ1030は、病院職員および来訪者の情報を記憶するテーブルであり、「ユーザID」「ユーザ名」「顔画像」「顔画像特徴量」のカラムを持つ。なお、「顔画像特徴量」は、「顔画像」が登録されることにより、「顔画像」の特徴量を算出して登録する。また、来訪者については、来訪受付時に氏名・顔画像を登録することで、見舞い・付添いなどの一時的な来院者であっても、院内感染防止、感染経路の推定に役立てることができる。すなわち、ユーザマスタ1030は、ユーザを特定するための当該ユーザの特徴画像を含む、ユーザ情報を管理する手段の一例である。
【0034】
入室ログテーブル1040は、入室の検知を記録するテーブルであり、「撮像日時」「部屋番号」「(入室したと特定されたユーザの)ユーザID」のカラムを持つ。すなわち、入室ログテーブル1040は、建物内の部屋に設置されたカメラが入室者を撮像した撮像日時および撮像された部屋の識別情報を管理する手段の一例である。
以上で、図10の説明を終了する。
【0035】
以下において、各フローチャートの処理について説明する。なお、以下の各ステップは、すべて各端末のCPU201が行うものとする。
図4は、ディスペンサ101が使用されたことを検知する処理のフローチャートの一例を示す図である。
ステップS401において、部屋の入口等に設置されているディスペンサ101は、ディスペンサが使用されたことを検知する。
ステップS402において、ディスペンサ101は、ディスペンサ101の識別情報として事前に割り当てられている部屋番号と、使用日時をサーバ102に送信する。
ステップS403において、サーバ102は、部屋番号と使用日時を受信する。
ステップS404において、サーバ102は、受信した部屋番号と使用日時をディスペンサ使用ログテーブル1010(図10)に登録する。
以上で、図4の説明を終了する。
【0036】
図5は、ディスペンサ未使用者特定処理のフローチャートの一例を示す図である。具体的には、監視カメラ104が入室者を撮像した画像をサーバ102に送信し、ディスペンサ未使用者と特定できた入室者の画像をサーバ102のディスペンサ未使用者テーブル1020に登録する処理である。
ステップS501において、監視カメラ104は、部屋入口を監視し入室者を検知する。
【0037】
ステップS502において、監視カメラ104は、検知した入室者の顔を撮像する。なお、入室者を検知する技術および入室者の顔を認識して撮像する技術については、既知の技術であるため、説明は省略する。
【0038】
ステップS503において、監視カメラ104は、監視カメラ104の識別情報として事前に割り当てられている部屋番号と撮像日時と撮像した入室者の顔画像をサーバ102に送信する。
ステップS504において、サーバ102は、部屋番号と撮像日時と撮像した入室者の顔画像を受信する。
【0039】
ステップS505において、サーバ102は、撮像日時より前の所定時間内にディスペンサ使用ログの有無を判定し、有る場合はステップS507に進み、場合はステップS506に進む。具体的には、ステップS504にて受信した部屋番号を用いてディスペンサ使用ログテーブル1010(図10)を検索し、ステップS504にて受信した撮像日時より前の所定時間(例えば10秒)内にディスペンサ使用ログレコードが存在するか否かを判定する。
【0040】
例えば、ステップS504にて受信した部屋番号=201、撮像日時=2016/5/1 14:00:10の場合(図10のレコード1041)、部屋番号=201を用いてディスペンサ使用ログテーブル1010を検索し、撮像日時から10秒前までの間(2016/5/1 14:00:00〜14:00:10)にディスペンサ使用ログレコードが存在するか否かを判定する。この場合、図10のレコード1011が存在するため、ディスペンサ使用ログが有ると判定する。
ステップS506において、サーバ102は、ディスペンサ使用フラグにFALSEを設定する。
ステップS507において、サーバ102は、受信した顔画像から特徴量を抽出する。
【0041】
ステップS508において、サーバ102は、抽出した特徴量とユーザマスタ1030(図10)に事前に登録されている病院職員を含むユーザの顔画像の特徴量とを比較し、一致した場合は受信した顔画像の人物を特定する。なお、特徴量の抽出および比較処理は、既知の技術であるため、説明を省略する。すなわち、ステップS508は、管理されているユーザ情報に含まれる画像を用いて、受信した撮像画像に含まれる人物の画像から、当該撮像画像を撮像したカメラが設置されている部屋に入室した者を特定する処理の一例を示すステップである。
【0042】
ステップS509において、サーバ102は、ステップS508にて受信した顔画像は、ユーザマスタ1030に登録されているユーザと特定できたか否かを判定する。特定できた場合はステップS510に進み、特定できなかった場合はステップS514に進む。
【0043】
ステップS510において、サーバ102は、受信した顔画像がユーザマスタ1030に登録されているユーザのものと特定できたため、入室ログテーブル1140に撮像日時、部屋番号およびユーザIDの値を持つ新規レコードを登録する。
【0044】
ステップS511において、サーバ102は、ディスペンサ使用フラグの値を判定し、TRUEの場合は図5のフローチャートを終了し、FALSEの場合はステップS512に進む。
ステップS512において、サーバ102は、受信した顔画像を外部メモリ212に記憶し、記憶したファイルパスを取得する。
【0045】
ステップS513において、サーバ102は、ディスペンサ未使用者テーブル1020に撮像日時、部屋番号、ユーザIDおよびステップS512にて取得した顔画像のファイルパスの値を持つ新規レコードを登録する。すなわち、ステップS513は、受信した撮像画像の撮像日時より前の所定時間内に、撮像画像の撮像された部屋の識別情報と対応付けてディスペンサの使用日時が管理されていない場合、撮像画像に含まれる人物の画像から特定された者をディスペンサ未使用者として管理する処理の一例を示すステップである。
【0046】
ステップS514において、サーバ102は、受信した顔画像がユーザマスタ1030に登録されていないと判定したため、入室ログテーブル1140に撮像日時および部屋番号の値を持つ新規レコードを登録する。
【0047】
ステップS515において、サーバ102は、ディスペンサ使用フラグの値を判定し、TRUEの場合は図5のフローチャートを終了し、FALSEの場合はステップS516に進む。
ステップS516において、サーバ102は、受信した顔画像を外部メモリ212に記憶し、記憶したファイルパスを取得する。
【0048】
ステップS517において、サーバ102は、ディスペンサ未使用者テーブル1020に撮像日時、部屋番号およびステップS516にて取得した顔画像のファイルパスの値を持つ新規レコードを登録する。すなわち、ステップS517は、受信した撮像画像の撮像日時より前の所定時間内に、撮像画像の撮像された部屋の識別情報と対応付けてディスペンサの使用日時が管理されていない場合、撮像画像に含まれる人物の画像から特定された者をディスペンサ未使用者として管理する処理の一例を示すステップである。
【0049】
以上により、ディスペンサ未使用者の顔画像を記録する仕組みを提供することができる。また、ディスペンサ未使用者が誰なのかを特定できた場合は、特定できたユーザIDを記憶し、特定できなかった場合であっても記録された顔画像から院内感染時に発生源の可能性となった人物の画像を参照することが可能になり、感染経路を推定することができるようになる。また、院内感染発生前であっても、ディスペンサ未使用者として特定できたユーザ(病院職員または来訪者)に対して注意を促すことが可能になるため、院内感染を防止することができるようになる。
以上で、図5の説明を終了する。
【0050】
図6は、ディスペンサ未使用者検索処理のフローチャートの一例を示す図である。具体的には、院内感染発生時に検索端末105からサーバ102のテーブルを検索し、ディスペンサ未使用者を検索する処理である。
ステップS601において、検索端末105は、ディスプレイ211にディスペンサ未使用者検索画面810(図8)を表示する。
【0051】
ステップS602において、検索端末105は、期間、部屋番号の入力および検索ボタンの押下を受け付ける。なお、期間、部屋番号の入力は必須ではなく、空白であってもよい。すなわち、ステップS602は、部屋の識別情報の入力を受け付ける処理の一例を示すステップである。
ステップS603において、検索端末105は、入力された期間、部屋番号をサーバ102に送信する。
ステップS604において、サーバ102は、期間、部屋番号を受信する。
【0052】
ステップS605において、サーバ102は、受信した期間、部屋番号を検索条件にして、ディスペンサ未使用者テーブル1020(図10)を検索する。すなわち、ステップS605は、入力を受け付けた部屋の識別情報と対応付けられて管理されているディスペンサ未使用者の情報を取得する処理の一例を示すステップである。
【0053】
ステップS606において、サーバ102は、検索結果を含む画面情報を生成する。また、検索結果に含まれる撮像画像ファイルパスを用いて、撮像画像を取得する。
ステップS607において、サーバ102は、生成した画面情報および撮像画像を検索端末105に送信する。
ステップS608において、検索端末105は、検索結果を含む画面情報を受信する。
【0054】
ステップS609において、検索端末105は、受信した画面情報および撮像画像を用いて、ディスペンサ未使用者検索画面820(図8)を表示する。すなわち、ステップS609は、管理されているディスペンサ未使用者の情報を出力する処理の一例を示すステップである。また、ステップS609は、管理されているディスペンサ未使用者の画像を出力する処理の一例を示すステップである。
【0055】
以上により、指定された期間および部屋番号を用いて、ディスペンサ未使用者の情報を確認することができる。また、ディスペンサ未使用者が誰なのかを特定できた場合は、特定できたユーザIDを表示し、特定できなかった場合であっても記録された顔画像から院内感染時に発生源の可能性となった人物の画像を参照することが可能になり、感染経路を推定することができるようになる。また、院内感染発生前であっても、ディスペンサ未使用者として特定できたユーザ(病院職員または来訪者)に対して注意を促すことが可能になるため、院内感染を防止することができるようになる。
以上で、図6の説明を終了する。
【0056】
図7は、ディスペンサ未使用傾向者検索処理のフローチャートの一例を示す図である。具体的には、院内感染発生を防止するために検索端末105からサーバ102のテーブルを検索し、ディスペンサ未使用傾向の高いユーザを検索する処理である。
ステップS701において、検索端末105は、ディスプレイ211にディスペンサ未使用傾向者一覧画面910(図9)を表示する。
ステップS702において、検索端末105は、期間の入力および検索ボタンの押下を受け付ける。なお、期間の入力は必須ではなく、空白であってもよい。
ステップS703において、検索端末105は、入力された期間をサーバ102に送信する。
ステップS704において、サーバ102は、期間を受信する。
【0057】
ステップS705において、サーバ102は、受信した期間を検索条件にして、ディスペンサ未使用者テーブル1020(図10)をユーザIDでグルーピングして検索する。
ステップS706において、サーバ102は、検索結果を集計・ソートし、未使用回数の多い順に並べる。または、ヒットしたユーザについて、
【0058】
そのユーザIDで入室ログテーブル1040を検索し、ディスペンサ未使用率=ディスペンサ未使用回数/入室回数を算出し、ディスペンサ未使用率の高い順にソートする。
【0059】
ステップS707において、サーバ102は、集計・ソートした検索結果から画面情報を生成する。また、検索結果に含まれる撮像画像ファイルパスを用いて、撮像画像を取得する。
ステップS708において、サーバ102は、生成した画面情報および撮像画像を検索端末105に送信する。
ステップS709において、検索端末105は、検索結果を含む画面情報を受信する。
【0060】
ステップS710において、検索端末105は、受信した画面情報および撮像画像を用いて、ディスペンサ未使用傾向者一覧画面920(図9)を表示する。すなわち、ステップS710は、管理されているディスペンサ未使用者の情報を管理されている数の多い順に出力する処理の一例を示すステップである。また、ステップS710は、管理されているディスペンサ未使用者の画像を出力する処理の一例を示すステップである。
【0061】
以上により、指定された期間を用いて、ディスペンサ未使用傾向者の情報を確認することができる。また、ディスペンサ未使用傾向者が誰なのかを特定できた場合は、特定できたユーザIDを表示し、特定できなかった場合であっても記録された顔画像から院内感染の発生源になる可能性のある人物の画像を参照することが可能になり、病院職員または来訪者に対して注意を促すことが可能になるため、院内感染を防止することができるようになる。
以上で、図7の説明を終了する。
【0062】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0063】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0064】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0065】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0066】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0067】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0068】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【0069】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
101 ディスペンサ
102 サーバ
103 ネットワーク
104 監視カメラ
105 検索端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10