(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶媒(C)以外の成分が、レジスト基材(A)/ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)/任意成分(D)を、前記溶媒(C)以外の成分基準の質量%で、1〜99/99〜1/0〜98含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
前記アモルファス膜の、23℃におけるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.38質量%)を含むアルカリ水溶液に対する溶解速度が5Å/sec以下である請求項10に記載の感放射線性組成物。
g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線を照射した後の前記アモルファス膜の、23℃におけるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.38質量%)を含むアルカリ水溶液に対する溶解速度が10Å/sec以上である請求項11記載の感放射線性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《感放射線性組成物》
本発明は、レジスト基材(A)、ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)及び溶媒(C)を含有する感放射線性組成物であって、該組成物中の溶媒が20〜99質量%の範囲、溶媒以外の成分が1〜80質量%であり、該レジスト基材が下記の式(1)で表される化合物である感放射線性組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
[レジスト基材(A)]
本実施形態に用いるレジスト基材(A)は、下記式(1)で表される。
【0013】
前記式(1)中、R
1は炭素数1〜30の2n価の基であり、このR
1を介して各々の芳香環が結合している。R
1はヨウ素等のハロゲン原子を含んでいてもよい。前記2n価の基とは、n=1のときには、炭素数1〜30のアルキレン基、n=2のときには、炭素数1〜30のアルカンテトライル基、n=3のときには、炭素数2〜30のアルカンヘキサイル基、n=4のときには、炭素数3〜30のアルカンオクタイル基のことを示す。該2n価の基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有するもの等が挙げられる。ここで、脂環式炭化水素基については、有橋脂環式炭化水素基も含まれる。また、該2n価の基は、二重結合、ヘテロ原子又は炭素数6〜30を含む芳香族基を有していてもよい。
さらに、前記芳香族基はシアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、チオール基又は水酸基を有していてもよい。
【0014】
R
2〜R
5は、各々独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、ハロゲン原子、チオール基及び水酸基からなる群より選択される基である。但し、R
4の少なくとも一つ及び/又はR
5の少なくとも一つは水酸基及びチオール基から選ばれる1種以上である。
m
2及びm
3は、各々独立して0〜8の整数であり、m
4及びm
5は、各々独立して0〜9の整数である。但し、m
4及びm
5は、同時に0となることはない。
nは、1〜4の整数である。
p
2〜p
5は各々独立して0〜2の整数である。例えばp
2が0の場合、対応する芳香環はベンゼン環となり、p
2が1の場合には対応する芳香環がナフタレン環となる。更に、p
2が3の場合には対応する芳香環がアントラセン等の三員環の芳香環となる。
尚、式(1)中、炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数2〜10のアルケニル基は、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基又はアルケニル基を含む。
また炭素数1〜30のアルコキシ基とは、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基又は脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基およびそれらの二以上の組み合わせからなる基より選ばれる基と、酸素原子とから構成される基である。ここで、前記脂環式炭化水素基については、有橋脂環式炭化水素基も含まれる。また、該アルコキシ基は、二重結合、ヘテロ原子、ハロゲン原子を有していてもよい。
【0015】
前記式(1)で表される化合物は、架橋のし易さ、更なる有機溶媒への溶解性及び塗膜の欠陥低減の観点から、R
1〜R
5から選ばれる少なくとも一つがヨウ素原子を含む基であることが好ましい。なお、本明細書において「R
1〜R
5から選ばれる少なくとも一つ」とは、「R
1〜R
5から選ばれる少なくとも1個の基」であることを意味し、「R
1〜R
5から選ばれる少なくとも1種の基」を意味するものではない。
【0016】
ここで、ヨウ素原子を含む基とは、R
1については、特に限定されないが、例えば、ヨウ素原子で置換された炭素数1〜30の直鎖状炭化水素基、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜30の分岐状炭化水素基、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、ヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基又はヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基を有する基等が挙げられる。耐熱性の点から、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜30の分岐状炭化水素基、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、又はヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基又はヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基を有する基が好ましく、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、ヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基又はヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基を有する基がより好ましく、ヨウ素原子で置換された炭素数6〜30の芳香族基を有する基がさらに好ましい。
【0017】
また、ヨウ素原子を含む基とは、R
2〜R
5については、特に限定されないが、例えば、ヨウ素原子、ヨウ素原子で置換された炭素数1〜6の直鎖状脂肪族アルキル基、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜6の分岐状脂肪族アルキル基、ヨウ素原子で置換された炭素数3〜6の環状脂肪族アルキル基又はヨウ素原子で置換された炭素数6のアリール基等が挙げられる。安全溶媒に対する溶解性等の点から、前記ヨウ素原子を含む基は、ヨウ素原子、ヨウ素原子で置換された炭素数1〜6の直鎖状脂肪族アルキル基又はヨウ素原子で置換された炭素数3〜6の分岐状脂肪族アルキル基が好ましく、ヨウ素原子又はヨウ素原子で置換された炭素数1〜6の直鎖状脂肪族アルキル基がより好ましく、ヨウ素原子がさらに好ましい。
【0018】
前記式(1)で表される化合物は、比較的に低分子量ながらも、その構造の剛直さにより高い耐熱性を有するので、高温ベーク条件でも使用可能である。また、比較的に低分子量で低粘度であることから、段差を有する基板(特に、微細なスペースやホールパターン等)であっても、その段差の隅々まで均一に充填させることが容易である。
【0019】
前記式(1)で表される化合物は、架橋のし易さ、更なる有機溶媒への溶解性および塗膜の欠陥低減の観点から、R
2の少なくとも一つ及び/又はR
3の少なくとも1つが水酸基及びチオール基から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0020】
また、前記式(1)で表される化合物は、原料の供給性の観点から、下記式(1a)で表される化合物であることがより好ましい。
【0022】
前記式(1a)中、R
1〜R
5及びnは、前記式(1)で説明したものと同義である。即ち、R
4の少なくとも一つ及び/又はR
5の少なくとも一つは水酸基及びチオール基から選ばれる1種以上である。
m
2’及びm
3’は各々独立して0〜4の整数であり、m
4’及びm
5’は各々独立して0〜5の整数である。但し、m
4’及びm
5’は同時に0となることはない。
【0023】
前記式(1a)で表される化合物は、有機溶媒への溶解性の観点から、下記式(1b)で表される化合物であることがさらに好ましい。
【0025】
前記式(1b)中、R
1は、前記式(1)で説明したものと同義である。R
6及びR
7は、各々独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、ハロゲン原子又はチオール基である。炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基は、直線状、分岐状若しくは環状のアルケニル基又はアルケニル基を含む。但し、R
1、R
6及びR
7から選ばれる少なくとも一つはヨウ素原子を含む基である。なお、本明細書において「R
1、R
6及びR
7から選ばれる少なくとも一つ」とは、「R
1、R
6及びR
7から選ばれる少なくとも1個の基」であることを意味し、「R
1、R
6及びR
7から選ばれる少なくとも1種の基」を意味するものではない。m
6及びm
7は、各々独立して0〜7の整数である。
【0026】
前記式(1b)で表される化合物は、さらなる有機溶媒への溶解性の観点から、下記式(1c)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0028】
前記式(1c)中、R
12は、品質安定化の観点から、各々独立して、水素原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、チオール基又は水酸基である。但し、R
12の少なくとも一つはヨウ素原子を含む基である。
【0029】
前記式(1c)で表される化合物は、架橋のし易さ、更なる有機溶媒への溶解性および塗膜の欠陥低減の観点から、下記式(1d)で表される化合物であることが特に好ましい。
【化10】
【0030】
前記式(1d)中、R
13は、各々独立して、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、チオール基又は水酸基である。m
8は0〜4の整数である。
【0031】
以下に、前記式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、ここで列挙した限りではない。
【0038】
前記化合物中、R
2〜R
5、m
2〜m
5は、前記式(1)で説明したものと同義である。但し、m
4及びm
5は、同時に0となることはない。
【0043】
前記化合物中、R
2〜R
5は、前記式(1)で説明したものと同義である。
m
2’及びm
3’は各々独立して0〜4の整数であり、m
4’及びm
5’は各々独立して0〜5の整数である。但し、m
4’及びm
5’は同時に0となることはない。
【0047】
前記化合物中、R
2〜R
5、m
2〜m
5は、前記式(1)で説明したものと同義である。但し、m
4及びm
5は、同時に0となることはない。
【0050】
前記化合物中、R
2〜R
5は、前記式(1)で説明したものと同義である。
m
2’及びm
3’は各々独立して0〜4の整数であり、m
4’及びm
5’は各々独立して0〜5の整数である。但し、m
4’及びm
5’は同時に0となることはない。
【0062】
本実施形態において使用される式(1)で表される化合物は、公知の手法を応用して適宜合成することができ、その合成手法は特に限定されない。例えば、常圧下、ビフェノール類、ビチオフェノール類、ビナフトール類、ビチオナフトール類又はビアントラセンオール類からなる群より選ばれる1種以上の化合物(A1)と、アルデヒド類及びケトン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物(A2)とを酸触媒下にて重縮合反応させることによって、得ることができる。また、必要に応じて、加圧下で行うこともできる。
【0063】
化合物(A1)における前記ビフェノール類としては、例えば、ビフェノール、メチルビフェノール、メトキシビナフトール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、ビフェノールを用いることが原料の安定供給性の点でより好ましい。
【0064】
化合物(A1)における前記ビチオフェノール類としては、例えば、ビチオフェノール、メチルビチオフェノール、メトキシビチオフェノール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、ビチオフェノールを用いることが原料の安定供給性の点でより好ましい。
【0065】
化合物(A1)における前記ビナフトール類としては、例えば、ビナフトール、メチルビナフトール、メトキシビナフトール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、ビナフトールを用いることが、炭素原子濃度を上げ、耐熱性を向上させる点でより好ましい。
【0066】
化合物(A1)における前記ビチオナフトール類としては、例えば、ビチオナフトール、メチルビチオナフトール、メトキシビチオナフトール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、ビチオナフトールを用いることが、炭素原子濃度を上げ、耐熱性を向上させる点でより好ましい。
【0067】
化合物(A1)における前記ビアントラセンオール類としては、例えば、ビアントラセンオール、メチルビアントラセンオール、メトキシビアントラセンオール等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、ビアントラセンオールを用いることが、炭素原子濃度を上げ、耐熱性を向上させる点でより好ましい。
【0068】
化合物(A2)における前記アルデヒド類は、特に限定されないが、好適な化合物としては、例えば、1〜4個のホルミル基及びヨウ素原子を含む基を有する炭素数が2〜59の化合物であり、芳香族アルデヒド化合物と脂肪族アルデヒド化合物とから選択できる。前記芳香族アルデヒド化合物は、炭素数7〜24のアルデヒド化合物が好ましく、例えば、ヨードベンズアルデヒド、メチルヨードベンズアルデヒド、ジメチルヨードベンズアルデヒド、エチルヨードベンズアルデヒド、プロピルヨードベンズアルデヒド、ブチルヨードベンズアルデヒド、エチルメチルヨードベンズアルデヒド、イソプロピルメチルヨードベンズアルデヒド、ジエチルヨードベンズアルデヒド、メトキシヨードベンズアルデヒド、ヨードナフトアルデヒド、ヨードアントラアルデヒド、シクロプロピルヨードベンズアルデヒド、シクロブチルヨードベンズアルデヒド、シクロペンチルヨードベンズアルデヒド、シクロヘキシルヨードベンズアルデヒド、フェニルヨードベンズアルデヒド、ナフチルヨードベンズアルデヒド、アダマンチルヨードベンズアルデヒド、ノルボルニルヨードベンズアルデヒド、ラクチルヨードベンズアルデヒド、イソプロピルヨードベンズアルデヒド、ノルマルヨードベンズアルデヒド、ブロモヨードベンズアルデヒド、ジメチルアミノヨードベンズアルデヒド、ヒドロキシヨードベンズアルデヒド、ジヒドロキシヨードベンズアルデヒド、トリヒドロキシヨードベンズアルデヒド等が挙げられ、ヨードベンズアルデヒド、メチルヨードベンズアルデヒド、ジメチルヨードベンズアルデヒド、エチルヨードベンズアルデヒドがより好ましく、ヨードベンズアルデヒドがさらに好ましい。前記芳香族アルデヒド化合物は本発明の効果を損ねない範囲で炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、シアノ基、水酸基、ハロゲン等を有していてもよい。芳香族アルデヒド化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0069】
前記脂肪族アルデヒド化合物としては炭素数3〜24の化合物が好ましく、例えば、ヨードプロパナール、ヨードイソプロパナール、ヨードブタナール、ヨードイソブタナール、ヨード−t−ブタナール、ヨードペンタナール、ヨードイソペンタナール、ヨードネオペンタナール、ヨードヘキサナール、ヨードイソヘキサナール、ヨードオクタナール、ヨードデカナール、ヨードドデカナール、ヨードウンデセナール、ヨードシクロプロパンカルボキシアルデヒド、ヨードシクロブタンカルボキシアルデヒド、ヨードシクロヘキサンカルボキシアルデヒド等が挙げられ、ヨードイソブタナール、ヨード−t−ブタナール、ヨードペンタナール、ヨードイソペンタナール、ヨードネオペンタナール、ヨードヘキサナール、ヨードイソヘキサナール、ヨードオクタナール、ヨードデカナール、ヨードドデカナール、ヨードウンデセナール、ヨードシクロプロパンカルボキシアルデヒド、ヨードシクロブタンカルボキシアルデヒド、ヨードシクロヘキサンカルボキシアルデヒドがより好ましく、ヨードオクタナール、ヨードデカナール、ヨードドデカナール、ヨードシクロヘキサンカルボキシアルデヒドがさらに好ましい。前記脂肪族アルデヒド化合物は本発明の効果を損ねない範囲で炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、シアノ基、水酸基、ハロゲン等を有していてもよい。脂肪族アルデヒド化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0070】
化合物(A1)と化合物(A2)との反応に用いる酸触媒については、公知のものから適宜選択して用いることができ、特に限定されない。このような酸触媒としては、無機酸や有機酸が広く知られており、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、フッ酸等の無機酸や、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、蟻酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸、或いはケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸又はリンモリブデン酸等の固体酸等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらのなかでも、製造上の観点から、有機酸および固体酸が好ましく、入手の容易さや取り扱い易さ等の製造上の観点から、塩酸又は硫酸を用いることが好ましい。なお、酸触媒については、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、酸触媒の使用量は、使用する原料及び使用する触媒の種類、さらには反応条件などに応じて適宜設定でき、特に限定されないが、反応原料100質量部に対して、0.01〜100質量部であることが好ましい。
【0071】
化合物(A1)と化合物(A2)との反応の際には、反応溶媒を用いてもよい。反応溶媒としては、用いるアルデヒド類又はケトン類と、ビフェノール類、ビチオフェノール類、ビナフトール類、ビチオナフトール類又はビアントラセンジオールとの反応が進行するものであれば、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。前記反応溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、4−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又はこれらの混合溶媒等が例示される。なお、溶媒は、1種を単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
また、これらの反応溶媒の使用量は、使用する原料及び使用する触媒の種類、さらには反応条件などに応じて適宜設定でき、特に限定されないが、反応原料100質量部に対して0〜2000質量部の範囲であることが好ましい。さらに、化合物(A1)と化合物(A2)との反応における反応温度は、反応原料の反応性に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常10〜200℃の範囲である。本実施形態の式(1)で表される化合物を得るためには、反応温度は高い方が好ましく、具体的には60〜200℃の範囲が好ましい。
【0073】
なお、反応方法は、公知の手法を適宜選択して用いることができ、特に限定されないが、ビフェノール類、ビチオフェノール類、ビナフトール類、ビチオナフトール類又はビアントラセンジオールと、アルデヒド類又はケトン類と、触媒とを一括で仕込む方法や、ビフェノール類、ビチオフェノール類、ビナフトール類、ビチオナフトール類又はビアントラセンジオールやアルデヒド類を触媒存在下で滴下していく方法がある。重縮合反応終了後、得られた化合物の単離は、常法にしたがって行うことができ、特に限定されない。例えば、系内に存在する未反応原料や触媒等を除去するために、反応釜の温度を130〜230℃ にまで上昇させ、1〜50mmHg程度で揮発分を除去する等の一般的手法を採ることにより、目的物である化合物を得ることができる。
【0074】
化合物(A1)と化合物(A2)との好ましい反応条件としては、アルデヒド類又はケトン類1モルに対し、ビフェノール類、ビチオフェノール類、ビナフトール類、ビチオナフトール類又はビアントラセンジオールを1.0モル〜過剰量、及び酸触媒を0.001〜1モル使用し、常圧で、50〜150℃で20分間〜100時間程度反応させることにより進行する。
【0075】
反応終了後、公知の方法により目的物を単離することができる。例えば、反応液を濃縮し、純水を加えて反応生成物を析出させ、室温まで冷却した後、濾過を行って分離させ、得られた固形物を濾過し、乾燥させた後、カラムクロマトにより、副生成物と分離精製し、溶媒留去、濾過、乾燥を行って目的物である前記式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0076】
得られるレジスト基材(A)の半導体安全溶媒に対する溶解性が向上する観点から、レジスト基材(A)は、前記化合物(A1)又は前記化合物(A2)の少なくとも一つを2種以上用いることがより好ましい。
【0077】
レジスト基材(A)の純度を向上させるために、また残存金属量を低減するために、必要に応じて上述より得られた化合物を精製してもよい。また酸触媒及び助触媒が残存すると、一般に、感放射線性組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、又は塩基性触媒が残存すると、一般に、感放射線性組成物の感度が低下する傾向にあるので、その低減を目的として前記精製を行ってもよい。
【0078】
前記精製は、レジスト基材(A)が変性しない限り公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、水で洗浄する方法、酸性水溶液で洗浄する方法、塩基性水溶液で洗浄する方法、イオン交換樹脂で処理する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理する方法などが挙げられる。これら精製方法は2種以上を組み合わせて行うことがより好ましい。
【0079】
前記酸性水溶液、塩基性水溶液、イオン交換樹脂及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、除去すべき金属、酸性化合物及び塩基性化合物の量や種類、精製するレジスト基材の種類などに応じて、最適なものを適宜選択することが可能である。例えば、酸性水溶液として、濃度が0.01〜10mol/Lの塩酸、硝酸、酢酸水溶液、塩基性水溶液として、濃度が0.01〜10mol/Lのアンモニア水溶液、イオン交換樹脂として、カチオン交換樹脂、例えばオルガノ製「Amberlyst 15J−HG Dry」などが挙げられる。
【0080】
精製後に乾燥を行ってもよい。乾燥は公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、環状化合物が変性しない条件で真空乾燥、熱風乾燥する方法などが挙げられる。
【0081】
レジスト基材(A)を含む本実施形態の感放射線性組成物は、スピンコートによってアモルファス膜を形成することができる。また一般的な半導体製造プロセスに適用することができる。
【0082】
本実施形態におけるレジスト基材(A)は、後述するジアゾナフトキノン光活性化合物(B)と併用し、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線を照射することにより、現像液に易溶な化合物となるポジ型レジスト用基材として有用である。g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線により、レジスト基材の性質は大きくは変化しないが、現像液に難溶なジアゾナフトキノン光活性化合物(B)が易溶な化合物に変化することで、現像工程によってレジストパターンを作り得る。本実施形態におけるレジスト基材は低分子量化合物であることから、得られたレジストパターンのラフネスは非常に小さい。また、好ましい態様であるヨウ素原子を含む基を有するレジスト基材を適用した場合は、電子線、極端紫外線(EUV)、X線などの放射線に対する吸収能を増加させ、その結果、本発明のレジスト基材を用いた感放射線性組成物の感度を高めることが可能となり、非常に好ましい。
【0083】
本実施形態におけるレジスト基材(A)のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上、特に好ましくは150℃以上である。前記ガラス転移温度が上述の範囲内であることにより、半導体リソグラフィープロセスにおいて、パターン形状を維持しうる耐熱性を有し、高解像度などの性能が向上する。
【0084】
本実施形態におけるレジスト基材(A)のガラス転移温度の示差走査熱量分析により求めた結晶化発熱量は20J/g未満であるのが好ましい。また、(結晶化温度)−(ガラス転移温度)は好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは130℃以上である。結晶化発熱量が20J/g未満、又は(結晶化温度)−(ガラス転移温度)が前記範囲内であると、感放射線性組成物をスピンコートすることにより、アモルファス膜を形成しやすく、かつレジストに必要な成膜性が長期に渡り保持でき、解像性を向上することができる。
【0085】
本実施形態において、前記結晶化発熱量、結晶化温度及びガラス転移温度は、島津製作所製「DSC/TA−50WS」を用いた示差走査熱量分析により求めることができる。前記結晶化発熱量は、例えば、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(50mL/min)昇温速度20℃/minで融点以上まで昇温する。急冷後、再び窒素ガス気流中(30mL/min)昇温速度20℃/minで融点以上まで昇温する。さらに急冷後、再び窒素ガス気流中(30mL/min)昇温速度20℃/minで400℃まで昇温する。ステップ状に変化したベースラインの段差の中点(比熱が半分に変化したところ)の温度をガラス転移温度(Tg)、その後に現れる発熱ピークの温度を結晶化温度とする。発熱ピークとベースラインに囲まれた領域の面積から発熱量を求め、結晶化発熱量とすることができる。
【0086】
本実施形態におけるレジスト基材(A)は、常圧下、100℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは140℃以下、特に好ましくは150℃以下において、昇華性が低いことが好ましい。“昇華性が低い”とは、熱重量分析において、所定温度で10分間保持した際の重量減少が10%、好ましくは5%、より好ましくは3%、さらに好ましくは1%、特に好ましくは0.1%以下であることを示す。レジスト基材(A)の昇華性が低いことによって、露光時のアウトガスによる露光装置の汚染を防止することができる。また低ラフネスで良好なパターン形状を得ることができる。
【0087】
本実施形態におけるレジスト基材は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン(CHN)、シクロペンタノン(CPN)、2−ヘプタノン、アニソール、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル及び乳酸エチルから選ばれ、かつ、化合物に対して最も高い溶解能を示す溶媒に、23℃で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは、PGMEA、PGME、CHNから選ばれ、かつ、化合物に対して最も高い溶解能を示す溶媒に、23℃で、20質量%以上、特に好ましくはPGMEAに対して、23℃で、20質量%以上溶解する。本実施形態におけるレジスト基材は、前記条件を満たしていることによって、実生産における半導体製造工程での使用が容易となる。
【0088】
[ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)]
本実施形態におけるジアゾナフトキノン光活性化合物(B)は、ポリマー性及び非ポリマー性ジアゾナフトキノン光活性化合物を含む、ジアゾナフトキノン物質であり、一般にポジ型レジスト組成物において、感光性成分として用いられているものであれば特に制限なく、1種又は2種以上任意に選択して用いることができる。
本実施形態におけるジアゾナフトキノン光活性化合物(B)としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これら酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する低分子化合物又は高分子化合物と、を反応させることによって得られた化合物を好適に用いることができる。
前記ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドなどの酸クロライドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどが好ましいものとして挙げられる。
前記“酸クロライドと縮合可能な官能基”としては、水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。水酸基を含む酸クロライドと縮合可能な化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。
【0089】
[溶媒(C)]
本実施形態の感放射線性組成物は、前記レジスト基材(A)、前記ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)とともに、溶媒(C)を含む。該溶媒は、通常は、使用時に各成分を溶媒に溶解して均一溶液とし、その後、必要に応じて、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製される。
【0090】
本実施形態に用いる溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルプロピオン酸ブチル、3−メトキシ−3−メチル酪酸ブチル、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン(CHN)等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ラクトン等のラクトン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を使用することができる。
【0091】
[感放射線性組成物]
本実施形態の感放射線性組成物は、前記レジスト基材(A)、前記ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)及び前記溶媒(C)を含み、該組成物中の溶媒(C)の含有量が20〜99質量%であり、溶媒(C)以外の成分の含有量が1〜80質量%である。溶媒(C)以外の成分の含有量は、レジストパターンの解像性の観点から、好ましくは、1〜50質量%であり、より好ましくは2〜40質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%である。なお、溶媒(C)と、溶媒(C)以外の成分と、の合計を100質量%とする。
【0092】
また、レジスト基材(A)は、溶媒(C)以外の成分の全質量(レジスト基材(A)、ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)及びその他の成分など任意に使用される成分(D)の総和、以下同様。)の1〜99質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましく、10〜90質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。レジスト基材(A)が前記配合割合であると、高感度でラフネスの小さなパターンを得ることができる。
【0093】
ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)は、溶媒以外の成分の全質量の1〜99質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましく、10〜90質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)が前記配合割合であると、高感度でラフネスの小さなパターンを得ることができる。
【0094】
本実施形態の感放射線性組成物は、スピンコートによりアモルファス膜を形成することができる。本実施形態の感放射線性組成物をスピンコートして形成したアモルファス膜の23℃における現像液に対する溶解速度は、5Å/sec以下が好ましく、0.05〜5Å/secがより好ましく、0.0005〜5Å/secがさらに好ましい。5Å/sec以下であると現像液に不溶で、レジストとすることができる。また、0.0005Å/sec以上の溶解速度を有すると、解像性が向上する場合もある。これは、化合物の露光前後の溶解性の変化により、現像液に溶解する露光部と、現像液に溶解しない未露光部との界面のコントラストが大きくなるからと推測される。またラフネスの低減、欠陥(ディフェクト)の低減効果がある。
【0095】
本実施形態の感放射線性組成物をスピンコートして形成したアモルファス膜のg線、h線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極端紫外線、電子線又はX線等の放射線により露光した部分の23℃における現像液に対する溶解速度、又は、前記アモルファス膜の20〜500℃で加熱した後の部分の23℃における現像液に対する溶解速度は、10Å/sec以上が好ましく、10〜10000Å/secがより好ましく、100〜1000Å/secがさらに好ましい。10Å/sec以上であると、現像液に溶解し、レジストとすることができる。また、10000Å/sec以下の溶解速度を有すると、解像性が向上する場合もある。これは、化合物のミクロの表面部位が溶解し、ラフネスを低減するからと推測される。また、ディフェクトの低減効果がある。
【0096】
[その他の任意成分(D)]
本実施形態の感放射線性組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、その他の成分(D)として、酸発生剤、酸架橋剤、酸拡散制御剤、溶解促進剤、溶解制御剤、増感剤、界面活性剤及び有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体等の各種添加剤を1種又は2種以上添加することができる。
【0097】
(1)酸発生剤
本実施形態の感放射線性組成物は、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線及びイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤を一種以上含んでもよい。酸発生剤の使用量は、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜40質量%がより好ましく、0〜30質量%がさらに好ましく、0〜25質量%が特に好ましい。酸発生剤を前記範囲内で使用することにより、高感度でかつ低エッジラフネスのパターンプロファイルが得られる。本実施形態では、系内に酸が発生すれば、酸の発生方法は限定されない。g線、i線などの紫外線の代わりにエキシマレーザーを使用すれば、より微細加工が可能であるし、また高エネルギー線として電子線、極端紫外線、X線、イオンビームを使用すれば更に微細加工が可能である。
【0098】
前記酸発生剤としては、下記式(7−1)〜(7−8)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0099】
【化37】
(式(7−1)中、R
13は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子であり;X
-は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基若しくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン又はハロゲン化物イオンである。)
【0100】
前記式(7−1)で示される化合物は、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルトリルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート及びシクロ(1,3−パーフルオロプロパンジスルホン)イミデートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0101】
【化38】
(式(7−2)中、R
14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を表す。X
-は前記と同様である。)
【0102】
前記式(7−2)で示される化合物は、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム p−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムへキサフルオロベンゼンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム p−トルエンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート及びジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0103】
【化39】
(式(7−3)中、Qはアルキレン基、アリーレン基又はアルコキシレン基であり、R
15はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基又はハロゲン置換アリール基である。)
【0104】
前記式(7−3)で示される化合物は、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド及びN−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0105】
【化40】
(式(7−4)中、R
16は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。)
【0106】
前記式(7−4)で示される化合物は、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォン及びジ(4−トルフルオロメチルフェニル)ジスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0107】
【化41】
(式(7−5)中、R
17は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分岐若しくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基又は任意に置換されたアラルキル基である。)
【0108】
前記式(7−5)で示される化合物は、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル及びα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0110】
式(7−6)中、R
18は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、1以上の塩素原子及び1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。前記ハロゲン化アルキル基の炭素原子数は1〜5が好ましい。
【0113】
式(7−7)及び(7−8)中、R
19及びR
20はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜3のアルコキシル基、又はフェニル基、トルイル基、ナフチル基等アリール基、好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基である。L
19及びL
20はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基である。1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基及び1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦p+q≦5である。J
19は単結合、炭素原子数1〜4のポリメチレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、下記式(7−7−1)で表わされる基、カルボニル基、エステル基、アミド基又はエーテル基であり、Y
19は水素原子、アルキル基又はアリール基であり、X
20は、それぞれ独立に下記式(7−8−1)で示される基である。
【0115】
【化46】
(式(7−8−1)中、Z
22はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、R
22はアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシル基であり、rは0〜3の整数である。)
【0116】
その他の酸発生剤として、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルアゾメチルスルホニル)デカンなどのビススルホニルジアゾメタン類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
【0117】
前記酸発生剤のうち、芳香環を有する酸発生剤が好ましく、式(7−1)又は(7−2)で示され酸発生剤がより好ましい。式(7−1)又は(7−2)のX
−が、アリール基若しくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオンを有する酸発生剤がさらに好ましく、アリール基を有するスルホン酸イオンを有する酸発生剤が特に好ましく、ジフェニルトリメチルフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウム ノナフルオロメタンスルホナートが特に好ましい。該酸発生剤を用いることで、LERを低減することができる。
前記酸発生剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
【0118】
(2)酸架橋剤
本実施形態の感放射線性組成物は、酸架橋剤を一種以上含んでもよい。酸架橋剤とは、酸発生剤から発生した酸の存在下で、式(1)で表されるレジスト基材を分子内又は分子間架橋し得る化合物である。このような酸架橋剤としては、例えば、式(1)のレジスト基材を架橋し得る1種以上の基(以下、「架橋性基」という。)を有する化合物を挙げることができる。
【0119】
このような架橋性基の具体例としては、例えば(i)ヒドロキシ(C1−C6アルキル基)、C1−C6アルコキシ(C1−C6アルキル基)、アセトキシ(C1−C6アルキル基)等のヒドロキシアルキル基又はそれらから誘導される基;(ii)ホルミル基、カルボキシ(C1−C6アルキル基)等のカルボニル基又はそれらから誘導される基;(iii)ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基等の含窒素基含有基;(iv)グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基等のグリシジル基含有基;(v)ベンジルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基等の、C1−C6アリルオキシ(C1−C6アルキル基)、C1−C6アラルキルオキシ(C1−C6アルキル基)等の芳香族基から誘導される基;(vi)ビニル基、イソプロペニル基等の重合性多重結合含有基等を挙げることができる。本発明の酸架橋剤の架橋性基としては、ヒドロキシアルキル基、及びアルコキシアルキル基等が好ましく、特にアルコキシメチル基が好ましい。
【0120】
前記架橋性基を有する酸架橋剤としては、例えば(i)メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有ウレア化合物、メチロール基含有グリコールウリル化合物、メチロール基含有フェノール化合物等のメチロール基含有化合物;(ii)アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有ウレア化合物、アルコキシアルキル基含有グリコールウリル化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物等のアルコキシアルキル基含有化合物;(iii)カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有ウレア化合物、カルボキシメチル基含有グリコールウリル化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等のカルボキシメチル基含有化合物;(iv)ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物等のエポキシ化合物等を挙げることができる。
【0121】
酸架橋剤としては、さらに、フェノール性水酸基を有する化合物、ならびにアルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に前記架橋性基を導入し、架橋性を付与した化合物及び樹脂を使用することができる。その場合の架橋性基の導入率は、フェノール性水酸基を有する化合物、及びアルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して、通常、5〜100モル%、好ましくは10〜60モル%、さらに好ましくは15〜40モル%に調節される。前記範囲であると、架橋反応が十分起こり、残膜率の低下、パターンの膨潤現象や蛇行等が避けられるので好ましい。
【0122】
本実施形態の感放射線性組成物において酸架橋剤は、アルコキシアルキル化ウレア化合物若しくはその樹脂、又はアルコキシアルキル化グリコールウリル化合物若しくはその樹脂が好ましい。特に好ましい酸架橋剤としては、下記式(8−1)〜(8−3)で示される化合物及びアルコキシメチル化メラミン化合物を挙げることができる(酸架橋剤)。
【0123】
【化47】
(前記式(8−1)〜(8−3)中、R
7はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアシル基を表し;R
8〜R
11はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシル基を示し;X
2は、単結合、メチレン基又は酸素原子を示す。)
【0124】
R
7が表すアルキル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。R
7が表すアシル基は、炭素数2〜6が好ましく、炭素数2〜4がより好ましく、例えばアセチル基、プロピオニル基が挙げられる。R
8〜R
11が表すアルキル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。R
8〜R
11が表すアルコキシル基は、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。X
2は単結合又はメチレン基であるのが好ましい。R
7〜R
11、X
2は、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。複数個のR
7、R
8〜R
11は、各々同一でも異なっていてもよい。
【0125】
式(8−1)で表される化合物として具体的には、例えば、以下に示される化合物等を挙げることができる。
【0127】
式(8−2)で表される化合物として具体的には、例えば、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(イソプロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。この中で、特に、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。
【0128】
式(8−3)で表される化合物として具体的には、例えば、以下に示される化合物等を挙げることができる。
【化49】
【0129】
アルコキシメチル化メラミン化合物として具体的には、例えば、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(イソプロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。この中で特に、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましい。
前記酸架橋剤は、例えば尿素化合物又はグリコールウリル化合物、及びホルマリンを縮合反応させてメチロール基を導入した後、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化し、次いで反応液を冷却して析出する化合物又はその樹脂を回収することで得られる。また前記酸架橋剤は、CYMEL(商品名、三井サイアナミッド製)、ニカラック(三和ケミカル(株)製)のような市販品としても入手することができる。
【0130】
また、他の特に好ましい酸架橋剤として、分子内にベンゼン環を1〜6有し、ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基を分子内全体に2以上有し、該ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基が前記いずれかのベンゼン環に結合しているフェノール誘導体を挙げることができる。好ましくは、分子量が1500以下、分子内にベンゼン環を1〜6有し、ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基を合わせて2以上有し、該ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシアルキル基が前記ベンゼン環のいずれか一、又は複数のベンゼン環に結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。
【0131】
ベンゼン環に結合するヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、及び2−ヒドロキシ−1−プロピル基などの炭素数1〜6のものが好ましい。ベンゼン環に結合するアルコキシアルキル基としては、炭素数2〜6のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエチル基又は2−メトキシ−1−プロピル基が好ましい。
【0132】
これらのフェノール誘導体のうち、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0139】
前記式中、L
1〜L
8は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(前記式においてL
1〜L
8が水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号公報、特開平7−64285号公報等に記載されている方法にて合成することができる。
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
【0140】
このようにして合成されたヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。酸架橋剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0141】
また、他の特に好ましい酸架橋剤として、少なくとも一つのα−ヒドロキシイソプロピル基を有する化合物を挙げることができる。α−ヒドロキシイソプロピル基を有する限り、その構造に特に限定はない。また、前記α−ヒドロキシイソプロピル基中のヒドロキシル基の水素原子を1種以上の酸解離性基(R−COO−基、R−SO
2−基等、Rは、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1−分岐アルキル基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる置換基を表す)で置換されていてもよい。前記α−ヒドロキシイソプロピル基を有する化合物としては、例えば、少なくとも1つのα−ヒドロキシイソプロピル基を含有する置換又は非置換の芳香族系化合物、ジフェニル化合物、ナフタレン化合物、フラン化合物等の1種又は2種以上が挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式(9−1)で表される化合物(以下、「ベンゼン系化合物(1)」という。)、下記一般式(9−2)で表される化合物(以下、「ジフェニル系化合物(2)」という。)、下記一般式(9−3)で表される化合物(以下、「ナフタレン系化合物(3」という。)、及び下記一般式(9−4)で表される化合物(以下、「フラン系化合物(4)」という。)等が挙げられる。
【0143】
前記一般式(9−1)〜(9−4)中、各A
2は独立にα−ヒドロキシイソプロピル基又は水素原子を示し、かつ少なくとも1のA
2がα−ヒドロキシイソプロピル基である。また、一般式(9−1)中、R
51は水素原子、ヒドロキシル基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキルカルボニル基又は炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。更に、一般式(9−2)中、R
52は単結合、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、−O−、−CO−又は−COO−を示す。また、一般式(9−4)中、R
53及びR
54は、相互に独立に水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。
【0144】
前記ベンゼン系化合物(1)として具体的には、例えば、α−ヒドロキシイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,2,4−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン等のα−ヒドロキシイソプロピルベンゼン類;3−α−ヒドロキシイソプロピルフェノール、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェノール、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェノール、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェノール等のα−ヒドロキシイソプロピルフェノール類;3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・メチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・メチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・エチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−プロピルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・イソプロピルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−ブチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・t−ブチルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル・n−ペンチルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・メチルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・エチルケトン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル・メチルケトン等のα−ヒドロキシイソプロピルフェニル・アルキルケトン類;3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸メチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸メチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸エチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−プロピル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸イソプロピル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−ブチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸t−ブチル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸n−ペンチル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸メチル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸エチル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸メチル等の4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸アルキル類等が挙げられる。
【0145】
また、前記ジフェニル系化合物(2)として具体的には、例えば、3−α−ヒドロキシイソプロピルビフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピルビフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,3’,4,6,−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,4,4’,6,−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル等のα−ヒドロキシイソプロピルビフェニル類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルエタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルプロパン、2−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−2−フェニルプロパン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−3−フェニルプロパン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−4−フェニルブタン、1−(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)−5−フェニルペンタン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルメタン、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、1,2−ビス(4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)エタン、1,2−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−α−ヒドロキシプロピルフェニル)プロパン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,3’,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルメタン等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルアルカン類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,3’,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルエーテル等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルエーテル類;3−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン、4−α−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、4,4’−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,4’,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,3’,4,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,4,4’,6−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、3,3’,5,5’−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,3’,4,5’,6−ペンタキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン、2,2’,4,4’,6,6’−ヘキサキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ジフェニルケトン等のα−ヒドロキシイソプロピルジフェニルケトン類;3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル、安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸フェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸フェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸4−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、3−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、4−α−ヒドロキシイソプロピル安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、3,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル、2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)安息香酸2,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)フェニル等のα−ヒドロキシイソプロピル安息香酸フェニル類等が挙げられる。
【0146】
更に、前記ナフタレン系化合物(3)として具体的には、例えば、1−(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2−(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,5−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,6−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,7−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2,6−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、2,7−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,5−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,7−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4,6−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,4,7−トリス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン、1,3,5,7−テトラキス(α−ヒドロキシイソプロピル)ナフタレン等が挙げられる。
【0147】
また、前記フラン系化合物(4)として具体的には、例えば、3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−メチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−メチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−エチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−プロピル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−イソプロピル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−ブチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−t−ブチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2−n−ペンチル−4−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジメチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジエチル−3−(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジメチル−3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン、2,5−ジエチル−3,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)フラン等を挙げることができる。
【0148】
前記酸架橋剤としては、遊離のα−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する化合物が好ましく、α−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する前記ベンゼン系化合物(1)、α−ヒドロキシイソプロピル基を2以上有する前記ジフェニル系化合物(2)、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有する前記ナフタレン系化合物(3)が更に好ましく、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有するα−ヒドロキシイソプロピルビフェニル類、α−ヒドロキシイソプロピル基を2個以上有するナフタレン系化合物(3)が特に好ましい。
【0149】
前記酸架橋剤は、通常、1,3−ジアセチルベンゼン等のアセチル基含有化合物に、CH
3MgBr等のグリニヤール試薬を反応させてメチル化した後、加水分解する方法や、1,3−ジイソプロピルベンゼン等のイソプロピル基含有化合物を酸素等で酸化して過酸化物を生成させた後、還元する方法により得ることができる。
【0150】
本実施形態において酸架橋剤の使用量は、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜40質量%がより好ましく、0〜30質量%がさらに好ましく、0〜20質量%が特に好ましい。前記酸架橋剤の配合割合が0質量%を超えると、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性の抑制効果を向上させ、残膜率が低下したり、パターンの膨潤や蛇行が生じたりするのを抑制することができる傾向にあるので好ましく、一方、49質量%以下とすると、レジストとしての耐熱性の低下を抑制できる傾向にあることから好ましい。
【0151】
また、前記酸架橋剤中の少なくとも1種の化合物の配合割合も特に限定はなく、レジストパターンを形成する際に使用される基板の種類等によって種々の範囲とすることができる。
【0152】
全酸架橋剤成分において、前記アルコキシメチル化メラミン化合物及び/又は(9−1)〜(9−3)で示される化合物が50〜99質量%、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは70〜98質量%、更に好ましくは80〜97質量%であることが好ましい。アルコキシメチル化メラミン化合物及び/又は(9−1)〜(9−3)で示される化合物を全酸架橋剤成分の50質量%以上とすることにより、解像度を向上させることができるので好ましく、99質量%以下とすることにより、パターン断面形状として矩形状の断面形状とし易いので好ましい。
【0153】
(3)酸拡散制御剤
本実施形態においては、放射線照射により酸発生剤から生じた酸のレジスト膜中における拡散を制御して、未露光領域での好ましくない化学反応を阻止する作用等を有する酸拡散制御剤を感放射線性組成物に配合してもよい。この様な酸拡散制御剤を使用することにより、感放射線性組成物の貯蔵安定性が向上する。また解像度が向上するとともに、放射線照射前の引き置き時間、放射線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。このような酸拡散制御剤としては、窒素原子含有塩基性化合物、塩基性スルホニウム化合物、塩基性ヨードニウム化合物等の放射線分解性塩基性化合物が挙げられる。酸拡散制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
【0154】
前記酸拡散制御剤としては、例えば、含窒素有機化合物や、露光により分解する塩基性化合物等が挙げられる。前記含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
【0156】
一般式(10)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及び含窒素複素環式化合物等を挙げることができる。尚、酸拡散制御剤(E)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0157】
前記一般式(10)中、R
61、R
62及びR
63は相互に独立に水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、前記アルキル基、アリール基又はアラルキル基は、非置換でもよく、ヒドロキシル基等で置換されていてもよい。ここで、前記直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15、好ましくは1〜10のものが挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。また、前記アリール基としては、炭素数6〜12のものが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が挙げられる。更に、前記アラルキル基としては、炭素数7〜19、好ましくは7〜13のものが挙げられ、具体的には、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0158】
前記含窒素化合物(I)として具体的には、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、メチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチル、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、ジメチル−n−ドデシルアミン、ジ−n−ドデシルメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類等を挙げることができる。
【0159】
前記含窒素化合物(II)として具体的には、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
【0160】
前記含窒素化合物(III)として具体的には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0161】
前記アミド基含有化合物として具体的には、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0162】
前記ウレア化合物として具体的には、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
【0163】
前記含窒素複素環式化合物として具体的には、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;及び、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0164】
また、前記放射線分解性塩基性化合物としては、例えば、下記一般式(11−1)で表されるスルホニウム化合物、及び下記一般式(11−2)で表されるヨードニウム化合物等を挙げることができる。
【0167】
前記一般式(11−1)及び(11−2)中、R
71、R
72、R
73、R
74及びR
75は相互に独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を示す。Z
−はHO
−、R−COO
−(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜11のアリール基若しくは炭素数7〜12のアルカリール基を示す。)又は下記一般式(11−3)で表されるアニオンを示す。
【0169】
前記放射線分解性塩基性化合物として具体的には、例えば、トリフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルスルホニウムアセテート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムアセテート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムサリチレート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムハイドロオキサイド、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムアセテート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムサリチレート等が挙げられる。
【0170】
前記酸拡散制御剤の配合量は、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、0〜5質量%がさらに好ましく、0〜3質量%が特に好ましい。前記酸拡散制御剤の配合量が前記範囲内であると、解像度の低下、パターン形状、寸法忠実度等の劣化を防止することができる傾向にある。さらに、電子線照射から放射線照射後加熱までの引き置き時間が長くなっても、パターン上層部の形状が劣化することがない。また、配合量が10質量%以下であると、感度、未露光部の現像性等の低下を防ぐことができる傾向にある。また、この様な酸拡散制御剤を使用することにより、感放射線性組成物の貯蔵安定性が向上し、また解像度が向上するとともに、放射線照射前の引き置き時間、放射線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
【0171】
(4)溶解促進剤
低分子量溶解促進剤は、式(1)で表されるレジスト基材の現像液に対する溶解性が低すぎる場合に、その溶解性を高めて、現像時のレジスト基材の溶解速度を適度に増大させる作用を有する成分であり、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。前記溶解促進剤としては、例えば、低分子量のフェノール性化合物を挙げることができ、例えば、ビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等を挙げることができる。これらの溶解促進剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。溶解促進剤の配合量は、使用する環状化合物の種類に応じて適宜調節されるが、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0172】
(5)溶解制御剤
溶解制御剤は、式(1)で表されるレジスト基材が現像液に対する溶解性が高すぎる場合に、その溶解性を制御して現像時の溶解速度を適度に減少させる作用を有する成分である。このような溶解制御剤としては、レジスト被膜の焼成、放射線照射、現像等の工程において化学変化しないものが好ましい。
【0173】
溶解制御剤としては、例えば、フェナントレン、アントラセン、アセナフテン等の芳香族炭化水素類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルナフチルケトン等のケトン類;メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン等のスルホン類等を挙げることができる。これらの溶解制御剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。
溶解制御剤の配合量は、使用する化合物の種類に応じて適宜調節されるが、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0174】
(6)増感剤
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ビアセチル類、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの増感剤は、単独で又は2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、使用する化合物の種類に応じて適宜調節されるが、溶媒以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0175】
(7)界面活性剤
界面活性剤は、本実施形態の感放射線性組成物の塗布性やストリエーション、レジストの現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでもよい。好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、感放射線性組成物の製造に用いる溶媒との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等が挙げられるが、特に限定はされない。市販品としては、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等を挙げることができる。界面活性剤の配合量は、使用する環状化合物の種類に応じて適宜調節されるが、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0176】
(8)有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体
感度劣化防止又はレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を含有させることができる。なお、酸拡散制御剤と併用することも出来るし、単独で用いてもよい。有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸又はそれらのエステルなどの誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルなどの誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体は、単独で又は2種以上を使用することができる。有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体の配合量は、使用する環状化合物の種類に応じて適宜調節されるが、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜49質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましく、0〜1質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0177】
(9)前記溶解制御剤、増感剤、界面活性剤、及び有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体以外のその他の添加剤
更に、本実施形態の感放射線性組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、前記溶解制御剤、増感剤、及び界面活性剤以外の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、染料、顔料、及び接着助剤等が挙げられる。例えば、染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を挙げることができる。
【0178】
前記任意成分(D)の合計量は、溶媒(C)以外の成分の全質量の0〜98質量%であり、0〜49質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、0〜5質量%がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。
【0179】
本実施形態の感放射線性組成物の配合(レジスト基材(A)/ジアゾナフトキノン光活性化合物(B)/任意成分(D))は、溶媒以外の全成分基準の質量%で、1〜99/99〜1/0〜98であり、好ましくは5〜95/95〜5/0〜49が好ましく、10〜90/90〜10/0〜10がより好ましく、20〜80/80〜20/0〜5がさらに好ましく、25〜75/75〜25/0が特に好ましい。各成分の配合割合は、その総和が100質量%になるように各範囲から選ばれる。前記配合にすると、ラフネスに加え、感度、解像度等の性能に優れる。
【0180】
本実施形態の感放射線組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、任意成分(D)として樹脂を含むことができる。樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール類、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸樹脂、及びアクリル酸、ビニルアルコール、又はビニルフェノールを単量体単位として含む重合体あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。樹脂の配合量は、使用する式(1)で表される化合物の種類に応じて適宜調節されるが、該化合物100質量部当たり、30質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下、特に好ましくは0質量部である。
【0181】
[レジストパターンの形成方法]
本発明は、前記本実施形態の感放射線性組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法に関する。本実施形態のレジストパターンは多層プロセスにおける上層レジストとして形成することもできる。
【0182】
レジストパターンを形成するには、まず、従来公知の基板上に前記本実施形態の感放射線性組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト膜を形成する(基板上にレジスト膜を形成する工程)。例えば、本実施形態の感放射線性組成物をスピンコートによってアモルファス膜を形成することができる。従来公知の基板とは、特に限定されず、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェハー、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が挙げられる。また必要に応じて、前述基板上に無機系及び/又は有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。ヘキサメチレンジシラザン等による表面処理を行ってもよい。
【0183】
次いで、必要に応じ、塗布した基板を加熱する。加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。加熱することによって、レジストの基板に対する密着性が向上する場合があり好ましい。次いで、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線(EUV)、X線、及びイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する(レジスト膜を露光する工程)。露光条件等は、感放射線性組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光における高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後に加熱するのが好ましい。加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。
【0184】
次いで、露光されたレジスト膜を現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する(前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程)。前記現像液としては、使用する式(1)のレジスト基材に対して溶解度パラメーター(SP値)の近い溶剤を選択することが好ましく、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、炭化水素系溶剤又はアルカリ水溶液を用いることができる。
【0185】
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
【0186】
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
【0187】
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
【0188】
エーテル系溶剤としては、例えば、前記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0189】
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
【0190】
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0191】
前記の溶剤は、複数混合してもよいし、性能を有する範囲内で、前記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が70質量%未満であり、50質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることがさらに好ましく、実質的に水分を含有しないことが特に好ましい。すなわち、現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、30質量%以上100質量%以下であり、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
【0192】
アルカリ水溶液としては、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
【0193】
特に、現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液が、レジストパターンの解像性やラフネス等のレジスト性能を改善するため好ましい。
【0194】
現像液の蒸気圧は、20℃において、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
【0195】
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0196】
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0197】
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
【0198】
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0199】
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。パターンの現像を行なう時間には特に制限はないが、好ましくは10秒間〜90秒間である。
【0200】
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
【0201】
現像の後には、有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
【0202】
現像後のリンス工程に用いるリンス液としては、形成したレジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液又は水を使用することができる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。より好ましくは、現像の後に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。更により好ましくは、現像の後に、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。更により好ましくは、現像の後に、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。特に好ましくは、現像の後に、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。パターンのリンスを行なう時間には特に制限はないが、好ましくは10秒間〜90秒間である。
【0203】
ここで、現像後のリンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
【0204】
前記各成分は、複数混合してもよいし、前記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
【0205】
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、より良好な現像特性を得ることができる。
【0206】
現像後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃において0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性がより向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤がより抑制され、ウェハ面内の寸法均一性がより良化する。
【0207】
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0208】
リンス工程においては、現像を行ったウェハを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
【0209】
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングの方法はプラズマガスを使用するドライエッチング及びアルカリ溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液等によるウェットエッチングなど公知の方法で行うことが出来る。
【0210】
レジストパターンを形成した後、めっきを行うことも出来る。前記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
【0211】
エッチング後の残存レジストパターンは有機溶剤で剥離することが出来る。前記有機溶剤として、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート),PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル),EL(乳酸エチル)等が挙げられる。前記剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
【0212】
本実施形態で得られる配線基板は、レジストパターン形成後、金属を真空中で蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶かす方法、すなわちリフトオフ法により形成することもできる。
【実施例】
【0213】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定はされない。以下の製造例において、化合物の構造は
1H−NMR測定で確認した。
【0214】
(炭素濃度及び酸素濃度)
有機元素分析により炭素濃度及び酸素濃度(質量%)を測定した。
装置:CHNコーダーMT−6(ヤナコ分析工業(株)製)
(分子量)
LC−MS分析により、Water社製「Acquity UPLC/MALDI−Synapt HDMS」を用いて測定した。
(熱減量温度)
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR6000DSC装置」を使用し、試料約5mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30mL/min)気流中昇温速度10℃/minで500℃まで昇温した。その際、10%熱減量温度を測定した。
(溶解性)
23℃にて、化合物の1−メトキシ−2−プロパノール(PGME)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解量を測定し、その結果を以下の基準で評価した。
評価A:20質量%以上
評価B:10質量%以上20質量%未満
評価C:10質量%未満
【0215】
(製造例1)BiF−I−1の合成
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えた内容積200mLの容器を準備した。この容器に、4,4’−ビフェノール(東京化成(株)製試薬)30g(161mmol)と、4−ヨードベンズアルデヒド(東京化(株)製試薬)15g(65mmol)と、4−ブチロラクトン100mLとを仕込み、p−トルエンスルホン酸(関東化学(株)製試薬)3.9g(21mmol)を加えて、反応液を調製した。この反応液を90℃で3時間撹拌して反応を行った。次に、反応液を濃縮し、ヘプタン50gを加えて反応生成物を析出させ、室温まで冷却した後、濾過を行って分離した。濾過により得られた固形物を乾燥させた後、カラムクロマトによる分離精製を行うことにより、下記式で表される目的化合物(BiF−I−1)4.2gを得た。
なお、400MHz−
1H−NMRにより以下のピークが見出され、下記式の化学構造を有することを確認した。
1H−NMR:(d−DMSO、内部標準TMS)
δ(ppm)9.4(4H,O−H)、6.8〜7.8(22H,Ph−H)、6.2(1H,C−H)
【0216】
【化61】
【0217】
有機元素分析の結果、得られた化合物(BiF−I―1)の炭素濃度は82.9%、酸素濃度は11.8%であった。
得られた化合物について、前記方法により分子量を測定した結果、516であった。
熱重量測定(TG)の結果、得られた化合物(BiF−I−1)の10%熱減量温度は400℃以上であった。そのため、高い耐熱性を有し、高温ベークへの適用が可能であるものと評価された。
PGME及びPGMEAへの溶解性を評価した結果、30質量%以上(評価A)であり、化合物(BiF−I−1)は優れた溶解性を有するものと評価された。そのため、化合物(BiF−I−1)は溶液状態で高い保存安定性を有し、半導体微細加工プロセスで広く用いられるエッジビートリンス液(PGME/PGMEA混合液)にも十分に適用できるものと評価された。
【0218】
(製造例2)BiF−I−2の合成
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えた内容積200mLの容器を準備した。この容器に、4,4−ビフェノール(東京化成(株)製試薬)30g(161mmol)と、5−ヨードバニリン(東京化成(株)製試薬)15g(54mmol)と、4−ブチロラクトン100mLとを仕込み、p−トルエンスルホン酸(関東化学(株)製試薬)3.9g(21mmol)を加えて、反応液を調製した。この反応液を90℃で3時間撹拌して反応を行った。次に、反応液を濃縮し、ヘプタン50gを加えて反応生成物を析出させ、室温まで冷却した後、濾過を行って分離した。濾過により得られた固形物を乾燥させた後、カラムクロマトによる分離精製を行うことにより、下記式で表される目的化合物(BiF−I−2)5.1gを得た。
なお、400MHz−
1H−NMRにより以下のピークが見出され、下記式の化学構造を有することを確認した。
1H−NMR:(d−DMSO、内部標準TMS)
δ(ppm)9.4(5H,O−H)、6.8〜7.8(16H,Ph−H)、6.2(1H,C−H)、3.7(3H,O−CH
3)
【0219】
【化62】
【0220】
有機元素分析の結果、得られた化合物(BiF−I―2)の炭素濃度は82.9%、酸素濃度は11.8%であった。
得られた化合物について、前記方法により分子量を測定した結果、516であった。
熱重量測定(TG)の結果、得られた化合物(BiF−I−2)の10%熱減量温度は400℃以上であった。そのため、高い耐熱性を有し、高温ベークへの適用が可能であるものと評価された。
PGME及びPGMEAへの溶解性を評価した結果、30質量%以上(評価A)であり、化合物(BiF−I−2)は優れた溶解性を有するものと評価された。そのため、化合物(BiF−I−2)は溶液状態で高い保存安定性を有し、半導体微細加工プロセスで広く用いられるエッジビートリンス液(PGME/PGMEA混合液)にも十分に適用できるものと評価された。
【0221】
(製造例3)BiF−I−3の合成
攪拌機、冷却管及びビュレットを備えた内容積200mLの容器を準備した。この容器に、4,4’−ビフェノール(東京化成社製試薬)30g(161mmol)と、3−ヨードベンズアルデヒド(東京化成社製試薬)15g(65mmol)と、4−ブチロラクトン100mLとを仕込み、p−トルエンスルホン酸(関東化学社製試薬)3.9g(21mmol)を加えて、反応液を調製した。この反応液を90℃で3時間撹拌して反応を行った。次に、反応液を濃縮し、ヘプタン50gを加えて反応生成物を析出させ、室温まで冷却した後、濾過を行って分離した。濾過により得られた固形物を乾燥させた後、カラムクロマトによる分離精製を行うことにより、下記式で表される目的化合物(BiF−I−3)4.2gを得た。
得られた化合物について、上述の方法により分子量を測定した結果、586であった。
なお、400MHz−1H−NMRにより以下のピークが見出され、下記式の化学構造を有することを確認した。
1H−NMR:(d−DMSO、内部標準TMS)
δ(ppm)9.4(4H,O−H)、6.5〜7.8(18H,Ph−H)、6.4(1H,C−H)
【0222】
また、熱重量測定(TG)の結果、得られた化合物(BiF−I−3)の10%熱減量温度は、300℃以上であった。そのため、高い耐熱性を有し、高温ベークへの適用が可能であるものと評価された。
PGME及びPGMEAへの溶解性を評価した結果、30質量%以上(評価A)であり、化合物(BiF−I−3)は優れた溶解性を有するものと評価された。そのため、化合物(BiF−I−3)は、溶液状態で高い保存安定性を有し、半導体微細加工プロセスで広く用いられるエッジビートリンス液(PGME/PGMEA混合液)にも十分に適用できるものと評価された。
【0223】
【化63】
【0224】
(製造例4)樹脂(BiFR−I−1)の合成
ジムロート冷却管、温度計及び攪拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積1Lの四つ口フラスコを準備した。この四つ口フラスコに、窒素気流中、実施例1で得られたBiF−I−1を41.0g(70mmol、三菱ガス化学(株)製)、40質量%ホルマリン水溶液21.0g(ホルムアルデヒドとして280mmol、三菱ガス化学(株)製)及び98質量%硫酸(関東化学(株)製)0.97mLを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら7時間反応させた。その後、希釈溶媒としてオルソキシレン(和光純薬工業(株)製試薬特級)180.0gを反応液に加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに、中和及び水洗を行い、オルソキシレンを減圧下で留去することにより、褐色固体の樹脂(BiFR−I−1)52.2gを得た。
【0225】
得られた樹脂(BiFR−I−1)は、Mn:1685、Mw:3120、Mw/Mn:1.85であった。
また、熱重量測定(TG)の結果、得られた樹脂(BiFR−I−1)の10%熱減量温度は300℃以上であった。そのため、高温ベークへの適用が可能であるものと評価された。
PGME及びPGMEAへの溶解性を評価した結果、10質量%以上(評価A)であり、樹脂(BiFR−I−1)は優れた溶解性を有するものと評価された。
【0226】
(製造例5)樹脂(BiFR−I−2)の合成
ジムロート冷却管、温度計及び攪拌翼を備えた、底抜きが可能な内容積1Lの四つ口フラスコを準備した。この四つ口フラスコに、窒素気流中、実施例1で得られたBiF−I−1を41.0g(70mmol、三菱ガス化学(株)製)、4−ビフェニルアルデヒド50.9g(280mmol、三菱ガス化学(株)製)、アニソール(関東化学(株)製)100mL及びシュウ酸二水和物(関東化学(株)製)10mLを仕込み、常圧下、100℃で還流させながら7時間反応させた。その後、希釈溶媒としてオルソキシレン(和光純薬工業(株)製試薬特級)180.0gを反応液に加え、静置後、下相の水相を除去した。さらに、中和及び水洗を行い、有機相の溶媒および未反応の4−ビフェニルアルデヒドを減圧下で留去することにより、褐色固体の樹脂(BiFR−I−2)68.2gを得た。
【0227】
得られた樹脂(BiFR−I−2)は、Mn:2080、Mw:3650、Mw/Mn:1.75であった。
また、熱重量測定(TG)の結果、得られた樹脂(BiFR−I−2)の10%熱減量温度は300℃以上であった。そのため、高温ベークへの適用が可能であるものと評価された。
PGME及びPGMEAへの溶解性を評価した結果、10質量%以上(評価A)であり、樹脂(BiFR−I−2)は優れた溶解性を有するものと評価された。
【0228】
[実施例及び比較例]
(1)レジスト性能の評価
下記表1に記載の成分を調合し、均一溶液としたのち、孔径0.1μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、感放射線性組成物を調製し、各々について評価を行った。
【0229】
【表1】
【0230】
表1中、比較例1におけるレジスト基材として、つぎのものを用いた。
PHS−1:ポリヒドロキシスチレン Mw=8000(シグマ−アルドリッチ社)
表1中、光活性化合物(B)として、つぎのものを用いた。
P−1:下記化学構造式(G)のナフトキノンジアジド系感光剤(4NT−300,東洋合成工業(株))
P−2:下記化学構造式(G−1)のナフトキノンジアジド系感光剤(TS−200、(株)三宝化学研究所)
P−3:下記化学構造式(G−2)のナフトキノンジアジド系感光剤(TKE1−510、(株)三宝化学研究所)
P−4:下記化学構造式(G−3)のナフトキノンジアジド系感光剤(PQ−614、(株)三宝化学研究所)
【0231】
【化64】
【0232】
【化65】
【0233】
【化66】
【0234】
【化67】
【0235】
溶媒として、次のものを用いた。
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株))
【0236】
感放射線性組成物を清浄なシリコンウェハー上に回転塗布した後、110℃のオーブン中で露光前ベーク(PB)して、厚さ200nmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜に対して、紫外線露光装置(ミカサ製マスクアライナMA−10)を用いて紫外線を露光した。紫外線ランプは超高圧水銀ランプ(相対強度比はg線:h線:i線:j線=100:80:90:60)を使用した。照射後に、110℃で90秒間加熱し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38質量%アルカリ現像液に60秒間浸漬して現像を行った。その後、超純水で30秒間洗浄し、乾燥して、5μmのポジ型のレジストパターンを形成した。
得られたラインアンドスペースを走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジー製S−4800)により観察した。ラインエッジラフネスはパターンの凹凸が50nm未満を良好とした。
【0237】
上述の方法で得られる紫外線照射前のレジスト膜および紫外線照射後のレジスト膜において、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38質量%アルカリ現像液に60秒間浸漬して現像を行った。その後、超純水で30秒間洗浄し、乾燥して、膜厚を自動エリプソメーター(ファイブラボ株式会社製MARY−102)により測定した。紫外線照射前は5Å/sec以下、紫外線照射後は10Å/sec以上を良好とした。
【0238】
実施例1〜8におけるレジストは、解像度5μmの良好なレジストパターンを得ることができた。またそのパターンのラフネスも小さく良好であった。
また、レジスト膜の23℃における現像液に対する溶解速度は、紫外線照射前は5Å/sec以下、紫外線照射後は10Å/sec以上と良好であった。
【0239】
比較例1におけるレジストは、解像度5μmの良好なレジストパターンを得ることができた。しかしそのパターンのラフネスは大きく不良であった。
【0240】
前記のように、本実施例における感放射線性組成物は、比較例における組成物に比べて、ラフネスが小さく、かつ良好な形状のレジストパターンを形成することができる。上述した本発明の要件を満たす限り、実施例に記載したもの以外の組成物も同様の効果を示す。
【0241】
2015年3月30日に出願された日本国特許出願2015−069988号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
また、明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。