特許第6909081号(P6909081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909081
(24)【登録日】2021年7月6日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210715BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-136794(P2017-136794)
(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2019-17531(P2019-17531A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2019年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】平田 征也
【審査官】 堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−236812(JP,A)
【文献】 特開2016−195697(JP,A)
【文献】 特開2004−105345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機であって、
矩形状の表示領域を有する表示手段を用いた演出を実行可能な演出実行手段と、
前記表示手段から離れた位置に設けられ、消灯した状態から点灯した状態に変化することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される旨の示唆を行うことが可能な示唆手段とを備え、
前記演出実行手段は、特定タイミングにおいて前記表示領域に表示された特定オブジェクトを移動させる特定演出を実行可能であり、
前記示唆手段は、前記表示領域の一辺から該一辺と交差する方向に向かって離れた特定位置に設けられ、前記特定タイミングよりも後の特別タイミングにおいて示唆を行うことが可能な特定示唆手段を少なくとも含み、
前記特定演出は、前記特定オブジェクトを前記一辺に対向する他辺から前記一辺に向けて移動させる第1特定演出と、前記特定オブジェクトを前記辺から前記辺に向けて移動させる第2特定演出とを少なくとも含み、
前記特別タイミングにおいて前記特定示唆手段による示唆が行われるときのほうが前記特別タイミングにおいて前記特定示唆手段による示唆が行われないときよりも前記特定タイミングにおいて前記第1特定演出が実行され易い、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたことに基づいて、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンや、遊技球等の遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、該遊技領域に設けられている入賞口等の始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機等がある。
【0003】
このような遊技機の一例として、画像表示装置の上方に設けられた枠可動体が待機位置から動作位置に移動するときに、画像表示装置において枠可動体に対応するオブジェクト画像を上方に移動させる視線誘導表示を行うことで遊技者の視線を枠可動体に誘導するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−022009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、遊技者の視線を誘導するために専用の表示(視線誘導表示)が必要となる問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線を誘導できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技を行う遊技機であって、
矩形状の表示領域を有する表示手段を用いた演出を実行可能な演出実行手段と、
前記表示手段から離れた位置に設けられ、消灯した状態から点灯した状態に変化することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される旨の示唆を行うことが可能な示唆手段とを備え、
前記演出実行手段は、特定タイミングにおいて前記表示領域に表示された特定オブジェクトを移動させる特定演出を実行可能であり、
前記示唆手段は、前記表示領域の一辺から該一辺と交差する方向に向かって離れた特定位置に設けられ、前記特定タイミングよりも後の特別タイミングにおいて示唆を行うことが可能な特定示唆手段を少なくとも含み、
前記特定演出は、前記特定オブジェクトを前記一辺に対向する他辺から前記一辺に向けて移動させる第1特定演出と、前記特定オブジェクトを前記辺から前記辺に向けて移動させる第2特定演出とを少なくとも含み、
前記特別タイミングにおいて前記特定示唆手段による示唆が行われるときのほうが前記特別タイミングにおいて前記特定示唆手段による示唆が行われないときよりも前記特定タイミングにおいて前記第1特定演出が実行され易い。
(1)上記目的を達成するため、本発明の他の遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)であって、
表示手段(例えば、液晶表示器51)を用いた演出(例えば、キャラ移動演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップS108、S109の処理)と、
前記表示手段から離れた位置(例えば、上方位置、左方位置、右方位置)に設けられ、報知を行うことが可能な報知手段(例えば、プレミアムチャンスランプ81、大チャンスランプ82、チャンスランプ83)とを備え、
前記演出実行手段は、特定タイミング(例えば、第1タイミング)において前記表示手段に表示された特定オブジェクト(例えば、特定キャラ画像511)を移動させる特定演出を実行可能であり(例えば、サブ制御部91がステップS101、S108、S109の処理を実行し)、
前記報知手段は、前記表示手段から特定方向(例えば、左方向)に向かって離れた特定位置(例えば、左方位置)に設けられ、前記特定タイミングよりも後の特別タイミング(例えば、第2タイミング)において報知を行うことが可能な特定報知手段(例えば、大チャンスランプ82)を少なくとも含み、
前記特定演出は、前記特定オブジェクトを前記特定方向に向けて移動させる第1特定演出(例えば、演出パターンAのキャラ移動演出)と、前記特定オブジェクトを前記特定方向とは異なる方向(例えば、上方向、右方向)に向けて移動させる第2特定演出(例えば、演出パターンB、Cのキャラ移動演出)とを少なくとも含み、
前記特別タイミングにおいて前記特定報知手段による報知が行われるときには、前記特別タイミングにおいて前記特定報知手段による報知が行われないときよりも前記特定タイミングにおいて前記第1特定演出が実行され易い(例えば、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときには、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82とは異なるチャンスランプ81、83を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときやチャンス演出を実行しないことが決定しているときよりも第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され易い)。
【0008】
このような構成によれば、特別タイミングにおいて特定報知手段による報知が行われるときに特定タイミングにおいて第1特定演出とは異なる特定演出が実行される可能性があるため、遊技者の視線を表示手段から特定方向に向かって離れた特定位置に設けられた特定報知手段に誘導するための専用の演出が設けられていない。そして、特別タイミングにおいて特定報知手段による報知が行われるときに特別タイミングにおいて特定報知手段による報知が行われないときよりも特定タイミングにおいて第1特定演出が実行され難い遊技機よりも好適に遊技者の視線を特定報知手段に誘導できる。この結果、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線を特定報知手段に誘導できる。
【0009】
(2)上記(1)の遊技機において、
前記特定報知手段は、遊技者にとって有利となる可能性が高い旨の報知を行うことが可能であってもよい(例えば、大チャンスランプ82は、遊技者にとって有利となる期待度の高さが2番目に高い旨の報知を行ってもよい)。
【0010】
このような構成によれば、特定報知手段によって遊技者にとって有利となる可能性が高い旨の報知が行われない遊技機よりも特定報知手段による報知に遊技者が注目し、期待するようになるため、遊技の興趣が向上する。
【0011】
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記報知手段は、前記表示手段から所定方向(例えば、右方向)に向かって離れた所定位置(例えば、右方位置)に設けられ、前記特別タイミングにおいて報知を行うことが可能な所定報知手段(例えば、チャンスランプ83)を少なくとも含み、
前記第2特定演出は、前記特定オブジェクトを前記所定方向に向けて移動させる演出であり(例えば、演出パターンBのキャラ移動演出が特定キャラ画像511の表示を右方向に移動させる演出であり)、
前記特定演出の実行後に前記所定報知手段による報知が行われるときには、前記特定演出の実行後に前記所定報知手段による報知が行われないときよりも前記特定タイミングにおいて前記特定演出として前記第2特定演出が実行され易くてもよい(例えば、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときには、第2タイミングにおいてチャンスランプ83とは異なるチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときやチャンス演出を実行しないことが決定しているときよりも第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が実行され易くてもよい)。
【0012】
このような構成によれば、特定演出の実行後に所定報知手段による報知が行われるときに特定タイミングにおいて第2特定演出とは異なる特定演出が実行される可能性があるため、遊技者の視線を表示手段から所定方向に向かって離れた所定位置に設けられた所定報知手段に誘導するための専用の演出が設けられていない。そして、特定演出の実行後に所定報知手段による報知が行われるときに特定演出の実行後に所定報知手段による報知が行われないときよりも特定タイミングにおいて第2特定演出が実行され難い遊技機よりも好適に遊技者の視線を所定報知手段に誘導できる。この結果、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線を所定報知手段に誘導できる。
【0013】
(4)上記(3)の遊技機において、
前記特定報知手段によって報知される事象と前記所定報知手段によって報知される事象とが異なってもよい(例えば、大チャンスランプ82は、遊技者にとって有利となる期待度の高さが2番目に高い旨の報知を行う一方、チャンスランプ83は、遊技者にとって有利となる期待度の高さが最も低い旨の報知を行ってもよい)。
【0014】
このような構成によれば、特定報知手段によって報知される事象と所定報知手段によって報知される事象とが同一の遊技機よりも遊技者が何れの報知手段に視線が誘導されるかに注目するようになるため、遊技の興趣が向上する。
【0015】
(5)上記(3)または(4)の遊技機において、
前記第2特定演出の演出態様には、特別演出態様(例えば、特別演出パターン)を含む複数種類の演出態様が含まれ(例えば、演出パターンBのキャラ移動演出には特別演出パターンがあり)、
前記第2特定演出の実行後に前記特定報知手段による報知が行われるときには前記第2特定演出の実行後に前記特定報知手段による報知が行われないときよりも前記特定タイミングにおいて前記第2特定演出が前記特別演出態様で実行され易くてもよい(例えば、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときには、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行することが決定しているときやチャンス演出を実行しないことが決定しているときよりも第1タイミングにおいて特別演出パターンで演出パターンBのキャラ移動演出が実行され易くてもよい)。
【0016】
このような構成によれば、第2特定演出の演出態様に特別演出態様を含む複数種類の演出態様が含まれない遊技機や、第2特定演出の実行後に特定報知手段による報知が行われるときに第2特定演出の実行後に特定報知手段による報知が行われないときよりも特定タイミングにおいて第2特定演出が特別演出態様で実行され難い遊技機よりも第2特定演出の演出態様に遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
【0017】
(6)上記(1)〜(5)の遊技機において、
前記特定タイミングにおいて前記第1特定演出が実行され、前記特別タイミングにおいて前記特定報知手段による報知が行われるときには、前記特定タイミングから前記特別タイミングまでの間に前記第2特定演出が実行されなくてもよい(例えば、第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されるときには、第1タイミングから第2タイミングまでの間に演出パターンB、Cのキャラ移動演出が実行されなくてもよい)。
【0018】
このような構成によれば、特定タイミングにおいて第1特定演出が実行され且つ特別タイミングにおいて特定報知手段による報知が行われるときに特定タイミングから特別タイミングまでの間に第2特定演出が実行される遊技機よりも特定方向とは異なる方向に遊技者の視線が誘導されることを低減できる。
【0019】
(7)上記(1)〜(6)の遊技機において、
有利状態であることを報知する有利報知(例えば、チャンス演出)を実行する有利報知実行手段(例えば、サブ制御部91が実行するステップS110〜S112の処理)と、
遊技の進行が不能となる特定状態(例えば、エラー状態)であることを報知する特定報知(例えば、特定状態報知用LEDの点灯)を実行する特定報知実行手段(例えば、特定状態報知用LEDを点灯する処理)とを備え、
前記有利報知実行手段による前記有利報知の実行中に前記特定状態に移行したときに、前記特定報知実行手段は前記特定報知を実行するとともに、前記有利報知実行手段は該有利報知を継続してもよい(例えば、チャンス演出の実行中に特定状態に移行して特定状態報知用LEDが点灯されたときにサブ制御部91がチャンス演出において点灯したチャンスランプ81〜83の点灯を継続してもよい)。
【0020】
このような構成によれば、有利報知の実行中に特定状態に移行したとしても、該特定状態であること、および有利状態であることを遊技者に認識させることができる。したがって、遊技の進行が不能となる特定状態に移行したときに、該特定状態に移行したときの遊技機の状態を遊技者に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る遊技機の構成を示す図である。
図2】実施形態1のサブ制御部が実行する演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。
図3】キャラ移動演出の一例を示す図である。
図4】(A)演出パターン選択テーブルの一例を示す図、(B)特別抽選テーブルの一例を示す図である。
図5】(A)第1タイミングに演出パターンAのキャラ移動演出を実行したときの説明図、(B)第2タイミングに大チャンスランプを点灯するチャンス演出を実行したときの説明図である。
図6】(A)第1タイミングに演出パターンBのキャラ移動演出を実行したときの説明図、(B)第2タイミングにチャンスランプを点灯するチャンス演出を実行したときの説明図である。
図7】(A)第1タイミングに演出パターンCのキャラ移動演出を実行したときの説明図、(B)第2タイミングにプレミアムチャンスランプを点灯するチャンス演出を実行したときの説明図である。
図8】(A)第1タイミングに特別演出パターンで演出パターンBのキャラ移動演出を実行したときの説明図、(B)第2タイミングに大チャンスランプを点灯するチャンス演出を実行したときの説明図である。
図9】特定状態に移行したときのタイミングチャートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る遊技機1は、図示しない遊技制御基板によって遊技が制御され、図示しない演出制御基板によって演出が制御され、図示しない電源基板によって駆動電源が生成されて各部品に供給される。図1に示すように、演出制御基板は、サブ制御部91を備える。また、演出制御基板には、表示手段の一例としての液晶表示器51と、報知手段の一例としてのプレミアムチャンスランプ81、大チャンスランプ82、チャンスランプ83とが接続されており、これらの演出装置51、81〜83がサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0024】
液晶表示器51は、画像を表示する演出(例えば、後述するキャラ移動演出)を実行するために用いられる。また、各チャンスランプ81〜83は、照明光を点灯する演出(例えば、後述するチャンス演出)を実行するために用いられ、点灯によって遊技者にとって有利となる期待度が高い旨を報知している。本実施形態では、遊技者にとって有利となる期待度は、プレミアムチャンスランプ81の点灯が最も高く、大チャンスランプ82の点灯が2番目に高く、チャンスランプ83の点灯が最も低くなるように予め設定されている。
【0025】
本実施形態では、液晶表示器51と及び各チャンスランプ81〜83は、遊技機1の図示しない前面扉に設けられている。液晶表示器51は、前面扉の中央部に設けられている。また、プレミアムチャンスランプ81は、液晶表示器51から上方に離れた位置(上方位置)に設けられており、大チャンスランプ82は、液晶表示器51から左方に離れた位置(左方位置)に設けられており、チャンスランプ83は、液晶表示器51から右方に離れた位置(右方位置)に設けられている。
【0026】
次に、本実施形態のサブ制御部91が実行する演出実行処理について図2図4を用いて説明する。本実施形態のサブ制御部91は、遊技中の第1タイミング(特定タイミング)において液晶表示器51が用いられるキャラ移動演出を実行した後、第2タイミング(特別タイミング)において各チャンスランプ81〜83が用いられるチャンス演出を実行可能となっている。ここで、キャラ移動演出とは、図3に示すように、液晶表示器51に表示された特定オブジェクトの一例としての特定キャラ画像511の表示を表示領域内で移動させる演出である。また、チャンス演出とは、各チャンスランプ81〜83の何れか一のチャンスランプを点灯させる演出である。本実施形態のサブ制御部91は、チャンス演出を実行したときには、遊技者にとって有利となる期待度が高い状態が終了するまでチャンスランプ81〜83の点灯を継続させる。なお、本実施形態のサブ制御部91は、演出実行中に遊技の進行が不能となる事象が発生したときには全ての演出の実行を強制終了する。
【0027】
なお、第1タイミング及び第2タイミングは、キャラ移動演出やチャンス演出を実行可能なタイミングであればよい。例えば、遊技機1がパチンコ遊技機である場合において、リーチ演出の開始時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該リーチ演出の開始前の任意のタイミングを第1タイミングとし、当該リーチ演出の開始時を第2のタイミングとしてもよい。また、リーチ演出の終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、リーチ演出の開始時を第1タイミングとし、当該リーチ演出の終了時を第2タイミングとしてもよい。また、1回または複数回の特定図柄の変動表示(所謂特図ゲーム)に亘って実行される連続演出の開始時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出の開始前の任意のタイミングを第1タイミングとし、当該連続演出の開始時を第2タイミングとしてもよい。また、連続演出の終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出の開始時を第1タイミングとし、当該連続演出の終了時を第2タイミングとしてもよい。
すなわち、第1タイミングから第2タイミングまでの期間は、1ゲーム以内の特図ゲームの期間であってもよく、複数ゲームに亘る特図ゲームの期間であってもよい。
【0028】
また、例えば、遊技機1がスロットマシンである場合において、スタートスイッチ操作時(所謂レバーオン時)を第1タイミングとし、リールの第3停止操作時を第2タイミングとしてもよい。1ゲーム間または複数ゲーム間に亘って実行される連続演出の開始時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出の開始前の任意のタイミングを第1タイミングとし、当該連続演出の開始時を第2タイミングとしてもよい。また、連続演出の終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出の開始時を第1タイミングとし、当該連続演出の終了時を第2タイミングとしてもよい。
すなわち、第1タイミングから第2タイミングまでの期間は、1ゲーム以内の期間であってもよく、複数ゲームに亘る期間であってもよい。
【0029】
また、チャンス演出については、遊技者にとって有利となる期待度が、プレミアムチャンスランプ81の点灯が最も高く、第チャンスランプ82の点灯が2番目に高く、チャンスランプ83の点灯が最も低くなればよい。例えば、遊技機1がパチンコ遊技機である場合において、リーチ演出の開始時や終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該リーチ演出において大当り当選や小当り当選する当選率の高さに応じて点灯するチャンスランプ81〜83を決定してもよい。また、連続演出の開始時や終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出で示唆される事象(例えば、スーパーリーチ演出の実行、プレミアム演出の実行等)の当選率の高さに応じて点灯するチャンスランプ81〜83を決定してもよい。
【0030】
また、例えば、遊技機1がスロットマシンである場合において、リールの第3停止操作時にチャンス演出を実行する構成であれば、ボーナスやAT(アシストタイム)やATゲーム数の当選率の高さに応じて点灯するチャンスランプ81〜83を決定してもよい。また、連続演出の開始時や終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出で示唆される事象(例えば、チャンスゾーンやATゲーム数の上乗せ特化ゾーンへの移行、AT当選やATゲーム数の上乗せ当選、プレミアム演出の実行等)の当選率の高さや当該事象における期待度(例えば、ボーナスやATの当選率の高さや、チャンスゾーンやATゲーム数の上乗せ特化ゾーンの期間の長さ)に応じて点灯するチャンスランプ81〜83を決定してもよい。
【0031】
図2に示すように、演出実行処理では、サブ制御部91は、第1タイミングになったか否かを判定する(ステップS101)。サブ制御部91は、第1タイミングになっていない場合(ステップS101;N)、第1タイミングになるまでステップS101の処理を繰り返し、第1タイミングになった場合(ステップS101;Y)、実行する演出としてキャラ移動演出が選択されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0032】
本実施形態では、複数種類の演出パターンのキャラ移動演出を実行することが可能となっている。具体的には、特定キャラ画像511の表示を液晶表示器51の表示領域の右端部から左方向に移動させる演出パターンA(特定キャラを左方に走らせる演出パターン、図3(A)参照)、特定キャラ画像511の表示を液晶表示器51の表示領域の左端部から右方向に移動させる演出パターンB(特定キャラを右方に走らせる演出パターン、図3(B)参照)、特定キャラ画像511の表示を液晶表示器51の表示領域の下端部から上方向に移動させる演出パターンC(特定キャラを上方にジャンプさせる演出パターン、図3(C)参照)の何れかの演出パターンのキャラ移動演出を実行することが可能となっている。なお、このように制御するために、本実施形態のサブ制御部91は、第1タイミングよりも前にキャラ移動演出を実行するか否かを決定する必要がある。
【0033】
図2に戻り、サブ制御部91は、キャラ移動演出が選択されていない場合(ステップS102;N)、すなわち、キャラ移動演出とは異なる演出が選択されている場合、選択された演出を実行し(ステップS103)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、キャラ移動演出が選択されている場合(ステップS102;Y)、図4(A)に示す演出パターン選択テーブルを用いて演出パターンを選択し(ステップS104)、演出パターンBが選択されたか否かを判定する(ステップS105)。
【0034】
ここで、演出パターン選択テーブルとは、キャラ移動演出の演出パターンを選択するためのテーブルである。本実施形態の演出パターン選択テーブルは、図4(A)に示すように、チャンス演出としてプレミアムチャンスランプ81が点灯することが決定している場合には、演出パターンA及び演出パターンBの選択率がそれぞれ10%、演出パターンCの選択率が80%となるように予め設定されている。また、チャンス演出として大チャンスランプ82が点灯することが決定している場合には、演出パターンB及び演出パターンCの選択率がそれぞれ10%、演出パターンAの選択率が80%となるように予め設定されている。また、チャンス演出としてチャンスランプ83が点灯することが決定している場合には、演出パターンA及び演出パターンCの選択率がそれぞれ10%、演出パターンBの選択率が80%となるように予め設定されている。また、チャンス演出が実行されず各チャンスランプ81〜83が点灯しないことが決定している場合には、演出パターンA〜演出パターンCの選択率がそれぞれ5%となるように予め設定されている。
【0035】
なお、このように制御するために、本実施形態のサブ制御部91は、第1タイミングよりも前にチャンス演出を実行するか否かを決定したり、チャンス演出において何れのチャンスランプ81〜83を点灯させるかを決定したりする必要がある。なお、本実施形態では、第1タイミングとなった後にキャラ移動演出の演出パターンを選択しているが、第1タイミングとなる前に演出パターンを選択してもよく、例えば、キャラ移動演出を実行する決定がなされたときに演出パターンを選択してもよい。
【0036】
図2に戻り、サブ制御部91は、演出パターンBが選択された場合(ステップS105;Y)、図4(B)に示す特別抽選テーブルを用いて特別演出パターンの抽選を行い(ステップS106)、特別演出パターンの抽選に当選したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、特別演出パターンとは、図3(B)に示す演出パターンBのキャラ移動演出において実行可能な特別な演出パターンである。具体的には、特定キャラ画像511を液晶表示器51の表示領域の左端部から右方向に高速で移動させる演出パターン(特定キャラを右方に猛ダッシュで走らせる演出パターン、図3(D)参照)である。
【0037】
また、特別抽選テーブルとは、演出パターンBのキャラ移動演出を特別演出パターンで実行するか否かを決定するためのテーブルである。本実施形態の特別抽選テーブルは、図4(B)に示すように、チャンス演出としてプレミアムチャンスランプ81が点灯することが決定している場合には、特別演出パターンの当選率(決定率)が95%となるように予め設定されている。また、チャンス演出として大チャンスランプ82が点灯することが決定している場合には、特別演出パターンの当選率が80%となるように予め設定されている。また、チャンス演出としてチャンスランプ83が点灯することが決定している場合には、特別演出パターンの当選率が20%となるように予め設定されている。また、チャンス演出が実行されず各チャンスランプ81〜83が点灯しないことが決定している場合には、特別演出パターンの当選率が5%となるように予め設定されている。
【0038】
図2に戻り、サブ制御部91は、特別演出パターンの抽選に当選した場合(ステップS107;Y)、特別演出パターンで演出パターンBのキャラ移動演出(特別演出態様の第2特定演出)を実行し(ステップS108)、第2タイミングになったか否かを判定する(ステップS110)。一方、サブ制御部91は、特別演出パターンの抽選に当選しなかった場合(ステップS107;N)、または、演出パターンBが選択されなかった場合(ステップS105;Y)、特別演出パターンではない通常演出パターンで選択された演出パターンのキャラ移動演出を実行し(ステップS109)、第2タイミングになったか否かを判定する(ステップS110)。
【0039】
サブ制御部91は、第2タイミングになっていない場合(ステップS101;N)、第2タイミングになるまでステップS110の処理を繰り返し、第2タイミングになった場合(ステップS110;Y)、実行する演出としてチャンス演出が選択されているか否かを判定する(ステップS111)。サブ制御部91は、チャンス演出が選択されている場合(ステップS111;Y)、選択されたチャンスランプを点灯するチャンス演出を実行し、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、チャンス演出が選択されていない場合(ステップS111;N)、チャンス演出を実行せずに処理を終了する。
【0040】
次に、キャラ移動演出及びチャンス演出の実行例について、図5図8を用いて説明する。サブ制御部91は、実行する演出としてキャラ移動演出及びチャンス演出とが予め選択されている場合、第1タイミングにキャラ移動演出を実行した後、第2タイミングにチャンス演出を実行する。このとき、サブ制御部91は、チャンス演出において点灯するチャンスランプ81〜83の種類に基づいて、キャラ移動演出の演出パターンの選択率が予め設定されている。具体的には、大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出を実行するときには、演出パターンAが選択され易くなっており、チャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行するときには、演出パターンBが選択され易くなっており、プレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出を実行するときには、演出パターンCが選択され易くなっている。
【0041】
よって、サブ制御部91は、図5(A)に示すように、第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出を実行した後には、図5(B)に示すように、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出を実行し易くなっている。また、サブ制御部91は、図6(A)に示すように、第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出を実行した後には、図6(B)に示すように、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行し易くなっている。また、サブ制御部91は、図7(A)に示すように、第1タイミングにおいて演出パターンCのキャラ移動演出を実行した後には、図7(B)に示すように、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行し易くなっている。
【0042】
なお、サブ制御部91は、キャラ移動演出の演出パターンとして演出パターンBが選択された場合、特別演出パターンで演出パターンBのキャラ移動演出を実行する否かの抽選を行っている。このとき、サブ制御部91は、チャンス演出において点灯するチャンスランプ81〜83の種類に基づいて、特別演出パターンの当選率が予め設定されている。具体的には、プレミアムチャンスランプ81の点灯の当選率が最も高く、大チャンスランプ82の点灯の当選率が2番目に高く、チャンスランプ83の点灯の当選率が3番目に高く、全チャンスランプ81〜83の点灯なしの当選率が最も低くなっている。よって、サブ制御部91は、図8(A)に示すように、第1タイミングにおいて特別演出パターンの演出パターンBのキャラ移動演出を実行した後には、第2タイミングにおいてチャンスランプ83とは異なるチャンスランプ(例えば、図8(B)に示す大チャンスランプ82、プレミアムチャンスランプ81)を点灯するチャンス演出を実行し易くなっている。
【0043】
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、第2タイミングにおいてチャンスランプ83とは異なるチャンスランプを点灯するチャンス演出を実行するときだけでなく、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行するときや、全チャンスランプ81〜83を点灯せずチャンス演出を実行しないときにも、第1タイミングにおいて特別演出パターンの演出パターンBのキャラ移動演出を実行可能となるように特別抽選テーブルを設定したが、これに限定されず、例えば、チャンス演出としてチャンスランプ83が点灯することが決定している場合や、チャンス演出が実行されず各チャンスランプ81〜83が点灯しないことが決定している場合には、特別演出パターンの当選率が0%となるように予め設定して第1タイミングにおいて特別演出パターンの演出パターンBのキャラ移動演出を実行しないようにしてもよい。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1によれば、各チャンスランプ81〜83は液晶表示器51から離れた位置に設けられている。また、サブ制御部91は、第1タイミングにおいて液晶表示器51に表示された特定キャラ画像511を移動させるキャラ移動演出を実行可能であるとともに、第1タイミングよりも後の第2タイミングにおいて各チャンスランプ81〜83の何れかを点灯するチャンス演出を実行することが可能である。なお、キャラ移動演出の演出パターンには、特定キャラ画像511の表示を左方に移動させる演出パターンAと、特定キャラ画像511の表示を右方に移動させる演出パターンBと、特定キャラ画像511の表示を上方に移動させる演出パターンCとが含まれており、特定キャラ画像511の表示を各チャンスランプ81〜83が設けられた方向に移動させることが可能となっている。そして、サブ制御部91は、第2タイミングにおいて液晶表示器51から特定の方向に離れた位置に設けられたチャンスランプ81〜83を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、当該チャンスランプ81〜83を点灯するチャンス演出を実行しないときよりも第1タイミングにおいて実行されるキャラ移動演出の演出パターンとして当該特定の方向に特定キャラ画像511が移動する演出パターンを選択し易くなっている。すなわち、チャンス演出で点灯するチャンスランプ81〜83が設けられた方向に特定キャラ画像511の表示が移動してから当該チャンスランプ81〜83が点灯し易くなっている。
【0045】
例えば、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、80%の割合で演出パターンAのキャラ移動演出が実行される一方、20%の割合で演出パターンAとは異なる演出パターンB、Cのキャラ移動演出が実行される。このようにすることで、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングにおいて演出パターンAとは異なる演出パターンB、Cのキャラ移動演出が実行される可能性があるため、本実施形態では、遊技者の視線を液晶表示器51から左方向に離れた位置に設けられた大チャンスランプ82に誘導するための専用の演出が設けられていないことになる。
【0046】
一方、第2タイミングにおいて他のチャンスランプ81、83を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、それぞれ10%の割合で演出パターンAのキャラ移動演出が実行され、チャンス演出を実行しない決定がなされているときには、5%の割合で演出パターンAのキャラ移動演出が実行されるようになっている。すなわち、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され易くなっている。このようにすることで、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され難い遊技機よりも好適に遊技者の視線を大チャンスランプ82に誘導できる。
これらの結果、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線を大チャンスランプ82に誘導できる。
【0047】
また、例えば、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、80%の割合で演出パターンBのキャラ移動演出が実行される一方、20%の割合で演出パターンBとは異なる演出パターンA、Cのキャラ移動演出が実行される。このようにすることで、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングにおいて演出パターンBとは異なる演出パターンA、Cのキャラ移動演出が実行される可能性があるため、本実施形態では、遊技者の視線を液晶表示器51から右方向に離れた位置に設けられたチャンスランプ83に誘導するための専用の演出が設けられていないことになる。
【0048】
一方、第2タイミングにおいて他のチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、それぞれ10%の割合で演出パターンBのキャラ移動演出が実行され、チャンス演出を実行しない決定がなされているときには、5%の割合で演出パターンBのキャラ移動演出が実行されるようになっている。すなわち、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が実行され易くなっている。このようにすることで、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が実行され難い遊技機よりも好適に遊技者の視線をチャンスランプ83に誘導できる。
これらの結果、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線をチャンスランプ83に誘導できる。
【0049】
また、例えば、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、80%の割合で演出パターンCのキャラ移動演出が実行される一方、20%の割合で演出パターンCとは異なる演出パターンA、Bのキャラ移動演出が実行される。このようにすることで、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングにおいて演出パターンCとは異なる演出パターンA、Bのキャラ移動演出が実行される可能性があるため、本実施形態では、遊技者の視線を液晶表示器51から上方向に離れた位置に設けられたプレミアムチャンスランプ81に誘導するための専用の演出が設けられていないことになる。
【0050】
一方、第2タイミングにおいて他のチャンスランプ82、83を点灯するチャンス演出を実行する決定がなされているときには、それぞれ10%の割合で演出パターンCのキャラ移動演出が実行され、チャンス演出を実行しない決定がなされているときには、5%の割合で演出パターンCのキャラ移動演出が実行されるようになっている。すなわち、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンCのキャラ移動演出が実行され易くなっている。このようにすることで、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンCのキャラ移動演出が実行され難い遊技機よりも好適に遊技者の視線をプレミアムチャンスランプ81に誘導できる。
これらの結果、専用の演出を設けなくても好適に遊技者の視線をプレミアムチャンスランプ81に誘導できる。
【0051】
なお、本実施形態では、3種類のチャンスランプ81〜83を設けているが、チャンスランプの種類は1種類又は2種類であってもよく、4種類以上であってもよい。例えば、各チャンスランプ81〜83のうちの何れか1つ又は2つを省略してもよく、液晶表示器51から下方に離れた位置(下方位置)にスペシャルチャンスランプを新たに設けてもよい。
また、本実施形態では、キャラ移動演出について3種類の演出パターンを設けているが、キャラ移動演出の種類は少なくとも2種類あればよく、4種類以上あってもよい。例えば、演出パターンA〜Cのうちの何れか1つを省略してもよく、特定キャラ画像511の表示を液晶表示器51の表示領域の上端部から下方向に移動させる演出パターンD(特定キャラを下方に穴を掘りながら移動せる演出パターン)を新たに設けてもよい。
【0052】
特に、本実施形態の遊技機1によれば、第1タイミングから第2タイミングまでの間には選択された1種類の演出パターンのキャラ移動演出のみが実行される。
【0053】
例えば、第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいて大チャンスランプ82を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第1タイミングと第2タイミングとの間に演出パターンAとは異なる演出パターンB、Cのキャラ移動演出が実行されないようになっている。このようにすることで、第1タイミングにおいて演出パターンAのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいて大チャンスランプを点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングから第2タイミングまでの間に演出パターンAとは異なる演出パターンB、Cのキャラ移動演出が実行される遊技機よりも大チャンスランプ82が設けられた左方向とは異なる方向に遊技者の視線が誘導されることを低減できる。
【0054】
また、例えば、第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいてチャンスランプ83を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第1タイミングと第2タイミングとの間に演出パターンAとは異なる演出パターンA、Cのキャラ移動演出が実行されないようになっている。このようにすることで、第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいてチャンスランプを点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングから第2タイミングまでの間に演出パターンBとは異なる演出パターンA、Cのキャラ移動演出が実行される遊技機よりもチャンスランプ83が設けられた左方向とは異なる方向に遊技者の視線が誘導されることを低減できる。
【0055】
また、例えば、第1タイミングにおいて演出パターンCのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプ81を点灯するチャンス演出が実行されるときに、第1タイミングと第2タイミングとの間に演出パターンCとは異なる演出パターンA、Bのキャラ移動演出が実行されないようになっている。このようにすることで、第1タイミングにおいて演出パターンCのキャラ移動演出が実行され且つ第2タイミングにおいてプレミアムチャンスランプを点灯するチャンス演出が実行されるときに第1タイミングから第2タイミングまでの間に演出パターンCとは異なる演出パターンA、Bのキャラ移動演出が実行される遊技機よりもプレミアムチャンスランプ81が設けられた左方向とは異なる方向に遊技者の視線が誘導されることを低減できる。
【0056】
なお、本実施形態のように、第1タイミングから第2タイミングまでの間には選択された1種類の演出パターンのキャラ移動演出のみが実行されようにして遊技者の視線が誘導したい方向とは異なる方向に誘導されることを低減することが好ましいが、第1タイミングから第2タイミングまでの間に複数種類の演出パターンのキャラ移動演出が複数回実行されてもよい。この場合であっても、遊技者の視線するために、例えば、遊技者の視線を誘導したい方向に誘導する演出パターンのキャラ移動演出が最も実行され易くなっている必要がある。
【0057】
また、本実施形態の遊技機1によれば、各チャンスランプ81〜83は、点灯によって遊技者にとって有利となる期待度が高い旨を報知している。
このようにすることで、チャンスランプによって遊技者にとって有利となる期待度が高い旨の報知が行われない遊技機よりも各チャンスランプ81〜83による報知に遊技者が注目し、期待するようになるため、遊技の興趣が向上する。
【0058】
特に、本実施形態の遊技機1によれば、遊技者にとって有利となる期待度は、プレミアムチャンスランプ81の点灯が最も高く、大チャンスランプ82の点灯が2番目に高く、チャンスランプ83の点灯が最も低くなるように予め設定されている。
このようにすることで、各チャンスランプによって報知される期待度の高さが同一の遊技機よりも遊技者が何れのチャンスランプ81〜83に視線が誘導されるかに注目するようになるため、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態のように、各チャンスランプ81〜83によって報知される事象が異なっていることが好ましいが、各チャンスランプ81〜83によって報知される事象が同一であってもよい。例えば、各チャンスランプによって報知される期待度の高さが同一であってもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、チャンス演出における各チャンスランプ81〜83の点灯によって遊技者にとって有利となる期待度が高い旨を報知しているが、チャンス演出によって報知する内容についてはこれに限定されず、例えば、各チャンスランプ81〜83に替えて新たに設けた各当選ランプの点灯によって抽選結果が当選であった旨の報知であってもよい。この場合、各当選ランプのうちの何れの当選ランプが点灯したかによって当選時の有利度の高さが報知可能であってもよい。例えば、遊技機1がパチンコ遊技機である場合において、リーチ演出の終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当選ランプの点灯によって当該リーチ演出において大当り当選や小当り当選した旨を報知してもよく、大当り当選や小当り当選や確変大当り当選等の種類に応じて点灯する当選ランプの種類を決定してもよい。また、連続演出の終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出の実行後に発生する事象(当選した事象、例えば、スーパーリーチ演出の実行、プレミアム演出の実行等)の有利度の高さに応じて点灯する当選ランプを決定してもよい。
【0060】
また、例えば、遊技機1がスロットマシンである場合において、リールの第3停止操作時にチャンス演出を実行する構成であれば、当選ランプの点灯によってボーナスやATの当選やATゲーム数の上乗せ当選を報知してもよく、当選した事象(ボーナス、AT、ATゲーム数の当選、レア役の当選)の有利度の高さ(BB、RBの何れであるか、当選したATゲーム数、レア役の種類)に応じて点灯する当選ランプを決定してもよい。また、連続演出の開始時や終了時にチャンス演出を実行する構成であれば、当該連続演出で示唆される事象(例えば、チャンスゾーンやATゲーム数の上乗せ特化ゾーンへの移行、AT当選やATゲーム数の上乗せ当選、プレミアム演出の実行等)の有利度の高さに応じて点灯する当選ランプを決定してもよい。
【0061】
また、本実施形態の遊技機1によれば、演出パターンBのキャラ移動演出の演出態様には、特別演出パターンが含まれており、サブ制御部91は、演出パターンBのキャラ移動演出の実行後にチャンスランプ83と異なるチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行するときには演出パターンBのキャラ移動演出の実行後にチャンスランプ83と異なるチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行しないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が特別演出パターンで実行され易くなっている。
このようにすることで、各チャンスランプ81〜83の期待度の高さを認識している遊技者は、特別演出パターンで演出パターンBのキャラ移動演出が実行されればチャンスランプ83よりも期待度の高いチャンスランプ81、82が点灯するチャンス演出が実行されることに期待感を抱くようになり、演出パターンBのキャラ移動演出に特別演出パターンを含む複数種類の演出態様が含まれない遊技機や、演出パターンBのキャラ移動演出の実行後にチャンスランプ83と異なるチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行するときに演出パターンBのキャラ移動演出の実行後にチャンスランプ83と異なるチャンスランプ81、82を点灯するチャンス演出を実行しないときよりも第1タイミングにおいて演出パターンBのキャラ移動演出が特別演出パターンで実行され難い遊技機よりも演出パターンBのキャラ移動演出の演出態様に遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
【0062】
なお、本実施形態では、演出パターンBについてのみ特別演出パターンを設けているが、これに限定されず、演出パターンA、Cにも特別演出パターンを設けてもよい。
また、本実施形態のように、遊技者に対してチャンスランプ83よりも期待度の高いチャンスランプ81、82が点灯するチャンス演出が実行されることに期待感を抱かせるために、演出パターンBのキャラ移動演出に特別演出パターンを設けることが好ましいが、演出パターンBのキャラ移動演出に特別演出パターンを設けなくてもよい。
【0063】
[実施形態2]
上記実施形態1では、サブ制御部91は、演出実行中に遊技の進行が不能となる事象が発生したときには全ての演出の実行を強制終了しているが、エラー等が発生しても全ての演出の実行を強制終了しなくてもよい。以下、チャンス演出を実行した後にエラー等が発生してもチャンスランプ81〜83の点灯を継続する実施形態2について説明する。
なお、本実施形態では、上記実施形態1と同様の構成及び処理となる部分についてはその詳細な説明を省略し、主として上記実施形態1とは異なる部分について説明する。
【0064】
[特定状態について]
まず、本実施形態における特定状態について説明する。特定状態とは、例えば、エラーが検出されている状態(エラー状態)である。エラーが発生した場合には、なお、このように制御するために、本実施形態の遊技機1は、エラーを検出することが可能となっている。なお、本実施形態におけるエラーは、例えば、遊技機内の装置の故障に基づくエラー、遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラー、遊技者の不正行為に基づくエラーなどを含む。
【0065】
遊技機内の装置の故障に基づくエラーとは、たとえば、該遊技機が備える可動体(役物)が適切に動作しないことにより検出されるエラーである。遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラーとは、たとえば、払出される遊技媒体が貯蔵されている図示しない貯蔵タンク内の遊技媒体が不足することにより検出されるエラーである。遊技媒体とは、例えば、スロットマシンでは、メダルであり、パチンコ遊技機では、パチンコ玉である。また、スロットマシンでは、該貯蔵タンクはホッパーとも呼ばれ、遊技機内の遊技媒体の増減に基づくエラーは、ホッパーエラーとも呼ばれる。
また、遊技者の不正行為に基づくエラーとは、例えば、遊技媒体不正払出エラーである。遊技媒体不正払出エラーは、遊技媒体が貯蔵されている貯蔵部に対して不正操作を行なうことにより不正に遊技媒体を払出させることにより検出されるエラーである。このように、エラー状態とは、エラーが検出されている状態である。
なお、本実施形態の遊技機1は、特定状態に移行した旨を報知するために、図示しない特定状態報知用LEDを備える。
【0066】
[特定状態に移行したときのタイミングチャート]
次に、図9を用いて、特定状態に移行したときのタイミングチャートを説明する。図9(A)は、特定状態に移行されたことを示す図である。ONは、特定状態に移行されたことを示し、OFFは、特定状態に移行されていないことを示す。図9(B)は、特定状態に移行されたことを報知する特定状態報知処理、すなわち、特定状態報知用LEDの点灯及び消灯を示す図である。ONは、特定状態報知用LEDが点灯したことを示し、OFFは、特定状態報知用LEDが消灯していることを示す。図9(C)は、チャンスランプ81〜83の点灯及び消灯を示す図である。ONは、何れかのチャンスランプ81〜83の点灯を示し、OFFは、全てのチャンスランプ81〜83が消灯していることを示す。
【0067】
図9(B)に示すように、特定状態に移行されたタイミングT1で、特定状態報知用LEDを点灯する。また、図9(C)に示すように、該タイミングT1では、何れかのチャンスランプ81〜83が点灯していたときには当該チャンスランプ81〜83の点灯は維持される。また、図9(A)に示すように、タイミングT2で電断が発生し(電力供給が停止し)、タイミングT3で電断が復旧した(電力供給が再開された)とする。図9(B)に示すように、電断が発生したタイミングT2では、特定状態報知用LEDは消灯し、電断が復旧したタイミングT3では、特定状態報知用LEDが再点灯する。図9(C)に示すように、電断が発生したタイミングT2では、チャンスランプ81〜83は消灯し、電断が復旧したタイミングT3では、チャンスランプ81〜83は再点灯する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1によれば、チャンス演出の実行中には、何れかのチャンスランプ81〜83が点灯する。図9(B)、図9(C)に示すように、遊技者にとって有利となる期待度が高い状態であるとき、つまり、何れかのチャンスランプ81〜83が点灯しているときに、特定状態に移行されたときには、特定状態報知用LEDを点灯するとともに、当該チャンスランプ81〜83が点灯は継続する。したがって、何れかのチャンスランプ81〜83が点灯中に特定状態に移行したとしても、特定状態に移行したことを店員および遊技者などに認識させることができるとともに、遊技者にとって有利となる期待度が高い状態であることを遊技者に認識させることができる。
【0069】
また、本実施形態の遊技機1によれば、特定状態は、遊技機において異常(エラー)が発生したときに移行される状態(エラー状態)を含む。また、該エラー状態は、遊技を進行させない状態である。したがって、遊技機において異常が発生したときに、特定状態に移行することから、遊技を進行させないようにすることができる。
なお、本実施形態では、特定状態としてエラー状態を例示したが、特定状態についてはこれに限定されず、例えば、遊技店の店員が遊技機1の設定値を確認している設定確認状態も含まれてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 遊技機、51 液晶表示器、81 プレミアムチャンスランプ、82 大チャンスランプ、83 チャンスランプ、91 サブ制御部、511 特定キャラ画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9