(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。なお、以下の実施形態において、前後左右については、遊技者側から見た方向を示す。例えば、「右側」、「左側」、「手前側」、「奥側」、「表側」、「裏側」は、いずれも遊技者側から見た方向をいう。また、各図面の寸法等については、実際の寸法等と異なることがある。
【0022】
図1は、遊技機における前面扉を開いた状態を示す斜視図、
図2は、筐体内における基板等及びハーネスの配置を説明する図である。
図1に示すように、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aは、手前側が開放され、右側板、左側板、上側板、下側板、及び奥側板に囲まれて形成されている。前面扉1bは、筐体1aに対して回動することによって、筐体1aの手前側の開口を開閉することができる。
【0023】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、リールユニット2及びホッパーユニット4が設けられている。リールユニット2は、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0024】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータによって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0025】
ホッパーユニット4は、ホッパータンクを備えている。ホッパータンクは、スロットマシン1内に投入されたメダルを貯留しているホッパータンクの側方には、オーバーフロータンク5が設けられており、オーバーフロータンク5には、ホッパータンクから溢れたメダルが貯留される。
【0026】
筐体1aの内部には、
図2にも示すように、電源ユニット11、電源分岐基板12、遊技制御基板13、演出制御基板14、操作部基板15、サブ中継基板16、及びドア下中継基板17が設けられている。電源ユニット11は、筐体1aの左下側に載置されており、電源分岐基板12は、筐体1aにおける左側板に固定されて取り付けられている。電源ユニット11は、スロットマシン1の外部から電力の供給を受け入れる。電源分岐基板12は、電源ユニット11によって供給を受けた電力を各基板に振り分ける。電源分岐基板12は、リールユニット2の側方に設けられている。このため、電源分岐基板12は、筐体1a内において視認しにくい位置に配置されている。
【0027】
遊技制御基板13は、筐体1aの奥面の上方に取り付けられている。遊技制御基板ケース31の下辺は、リールユニット2の上辺とほぼ同じ高さ位置となるように配置されている。リールユニット2の上方には空間が形成されている。このため、前面扉1bを開放した状態において、リールユニット2と筐体1aの上板との間の空間に手を差し入れることにより店員等が、遊技制御基板ケース31(
図4(B)参照)や遊技制御基板ケース31に封入された遊技制御基板13に対して手で作業を行うことができるようになっている。遊技制御基板13は、メイン制御部や乱数発生回路などが設けられており、主に遊技の制御を行う。
【0028】
演出制御基板14は、前面扉1bにおける透視窓3の上方に固定されて取り付けられている。演出制御基板14は、遊技制御基板13からの信号等に基づいて、図示しない液晶表示装置に表示する画像の制御、ランプの点灯・点滅制御、スピーカから発する音声の制御等の演出に関する制御を主に行う。
【0029】
操作部基板15は、前面扉1bにおける透視窓3の下方に固定されて取り付けられている。操作部基板15は、スロットマシン1におけるMAXベットボタン、精算ボタン、メダルセレクター、リセットセンサ、ドアセンサ、ストップボタン(いずれも不図示)等から供給される各種信号に基づく制御を主に行う。
【0030】
サブ中継基板16は、前面扉1bにおける演出制御基板14が取り付けられた位置の右側(前面扉1bを閉じた状態では左側)に固定されて取り付けられている。サブ中継基板16は、主に演出制御基板14とランプやスピーカなどの各種演出デバイスとの間の信号を中継する基板である。ドア下中継基板17は、ランプやスピーカなどの各種デバイスの制御を行う基板である。なお、以下の説明においても前面扉1bが開いた状態での左右位置を説明し、前面扉1bの開閉状態によって左右が逆転することがある。
【0031】
電源ユニット11と電源分岐基板12とは、第1ハーネス21で接続されている。電源分岐基板12と遊技制御基板13とは、第2ハーネス22で接続されている。電源分岐基板12と演出制御基板14とは、第3ハーネスで接続されている。遊技制御基板13と演出制御基板14とは第4ハーネスで接続されている。遊技制御基板13と操作部基板15とは、第5ハーネス25で接続されている。演出制御基板14とサブ中継基板16とは、第6ハーネス26で接続されている。サブ中継基板16とドア下中継基板17とは、第7ハーネス27で接続されている。
【0032】
図3は、第1ハーネスの斜視図である。
図3に示すように、第1ハーネス21は、複数の配線21Aを備えている。複数の配線21Aは、被覆部材21Xによって覆われている。配線21Aの一端側には、第1一端側コネクタ21Bが取り付けられており、配線21Aの他端側には、第1他端側コネクタ21Cが取り付けられている。第1一端側コネクタ21B及び第1他端側コネクタ21Cは、いずれもオスコネクタである。電源ユニット11の被接続部には、第1他端側コネクタ21Cが接続される。
【0033】
第1一端側コネクタ21Bの一側面には、一端側係止爪21Dが設けられており、一端側係止爪21Dは、一端側板バネ21Eの先端に取り付けられている。一端側板バネ21Eには、一端側押込部21Fが設けられており、一端側押込部21Fを押圧することにより、一端側板バネ21Eが撓む。第1他端側コネクタ21Cには、第1一端側コネクタ21Bと同様の他端側係止爪21G、他端側板バネ21H、及び他端側押込部21Iが設けられている。複数の配線21Aは、横方向に広げて全体的に平板状に並べられており、並べられた複数の配線21Aの幅は、一端側押込部21F及び他端側押込部21Iの幅よりも広くされている。
【0034】
同様に、第2ハーネス22〜第7ハーネス27は、それぞれ配線、第2一端側コネクタ〜第7一端側コネクタ、及び第2他端側コネクタ〜第7他端側コネクタを備えている。第2一端側コネクタ〜第7一端側コネクタ及び第2他端側コネクタ〜第7他端側コネクタには、第1ハーネス21と同様の係止爪、板バネ、及び押込部が設けられている。
【0035】
また、筐体1aの内部には、液晶ユニット、ドア上部ユニット、十字・チャンスボタンユニット、下部パネルユニット、及びスピーカなどが設けられている。リールユニットやこれらの各種ユニットには、各種の基板が設けられており、これらの各種基板には、遊技制御基板13、演出制御基板14、サブ中継基板16、及びドア下中継基板17等がハーネスを介して適宜接続されている。
【0036】
図2に示すように、演出制御基板14には、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bが設けられている。左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、いずれも正面視した形状が略L字形状をなしており、一端部が前面扉1bの裏面側に固定され、他端が解放されている。このうちの右第1案内部材51Bを
図5(A)に示す。
図5(A)は、右第1案内部材51Bで第4ハーネス24の配線24Aを案内する状態の斜視図である。
図5(A)に示すように、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、前面扉1bに略平行に配置された1本のロッドと、このロッドを前面扉1bに固定して支持する支持体とを備えている。左第1案内部材51Aのロッドに第3ハーネス23の配線23Aが引っ掛けられていることにより、左第1案内部材51Aは、第3ハーネス23を上方に案内する。右第1案内部材51Bのロッドに第4ハーネス24の配線24Aが引っ掛けられていることにより、右第1案内部材51Bは、第4ハーネス24の配線24Aを上方に案内する。
【0037】
前面扉1bにおけるドア下中継基板17の右側には、第2案内部材52が設けられている。
図5(B)は、第2案内部材52で第5ハーネス25の配線25Aを案内する状態の斜視図である。
図5(B)に示すように、第2案内部材52は、長手方向に直交する方向に切った断面が略L字形状をなしており、一端部が前面扉1bの裏面側に固定され、他端が解放されている。前面扉1bに略平行に配置された1枚の正面形状が長方形状の板材と、この板材の長辺を前面扉1bに固定して支持する支持体とを備えている。第2案内部材52の板材の下面に第5ハーネス25の配線25Aが引き回されることにより、第2案内部材52は、第5ハーネス25の配線25Aを下方に案内する。
【0038】
筐体1aにおける左側板には、第3案内部材53が設けられている。
図5(C)は、第3案内部材53で第5ハーネス25の配線25Aを案内する状態の斜視図である。
図5(C)に示すように、第3案内部材53は、正面視した形状がリング形状をなしており、両端が筐体1aの左側板に固定されている。第3案内部材53は、筐体1aの左側板に略平行に上下方向を向いて配置された1本のロッドと、このロッドの上端及び下端を筐体1aの左側板にそれぞれ固定して支持する2本の支持体とを備えている。第3案内部材53と筐体1aによって囲まれた開口に、第2ハーネス22、第4ハーネス24、及び第5ハーネス25の配線22A,24A,25Aを通すことにより、第3案内部材53は、第2ハーネス22、第4ハーネス24、及び第5ハーネス25を案内する。
【0039】
電源ユニット11は、略直方体状をなしており、前後方向及び上下方向に延びるように、いわば立てて載置されている。電源ユニット11の奥面には、第1ハーネス21が接続される図示しない被接続部が設けられている。また、電源ユニット11には、外部から電力の供給を受けるための電源プラグが接続されている。
【0040】
図4(A)は、電源分岐基板の斜視図である。
図4(A)に示すように、電源分岐基板12の下側には、第1一端側被接続部12Aが設けられ、電源分岐基板12の上側には、第2一端側被接続部12B及び第3一端側被接続部12Cが設けられている。第1一端側被接続部12A、第2一端側被接続部12B、及び第3一端側被接続部12Cは、いずれもメスコネクタである。
【0041】
第1一端側被接続部12Aは、第1ハーネス21の第1一端側コネクタ21Bが嵌まり込む大きさの開口が形成されており、この開口の奥方に図示しない突起部が設けられている。第1ハーネス21の第1一端側コネクタ21Bを第1一端側被接続部12Aの奥方に差し込むと、突起部に一端側係止爪21Dが当接し、一端側板バネ21Eが撓んで一端側係止爪21Dが突起部から逃げる。さらに第1一端側コネクタ21Bを奥方に進入させ、一端側係止爪21Dが突起部を乗り越えると、一端側板バネ21Eの撓みが解消される。その結果、一端側係止爪21Dが突起部に対して係止される。こうして、一端側係止爪21Dと第1一端側被接続部12Aの突起部とからなる係止手段は、配線21Aと第1一端側被接続部12Aとの接続を係止する。第1一端側コネクタ21Bを第1一端側被接続部12Aから引き抜こうとしたときに、一端側係止爪21Dが突起部に引っかかり、第1一端側コネクタ21Bの引き抜きを防止する。
【0042】
こうして、第1ハーネス21の第1一端側コネクタ21Bは、第1一端側被接続部12Aに対して係止される。このとき、第1一端側コネクタ21Bの一端側押込部21Fは、第1一端側コネクタ21Bの上方に配置されている。この状態で一端側押込部21Fを押し込むと、一端側板バネ21Eの撓み、一端側係止爪21Dと突起部の係止状態が解放され、配線21Aと第1一端側被接続部12Aとの接続の係止が解除される。この状態で第1一端側コネクタ21Bを引き抜くことにより、第1一端側コネクタ21Bが第1一端側被接続部12Aから外方に引きに抜かれる。一端側押込部21Fは、一端側係止爪21Dと第1一端側被接続部12Aの突起部とからなる係止手段による係止を解除するために操作される解除操作部となる。
【0043】
また、第2一端側コネクタ22Bの一端側押込部22Fは、第2一端側コネクタ22Bの下方に配置されている。第3一端側コネクタ23Bの一端側押込部23Fは、第3一端側コネクタ23Bの下方に配置されている。また、第1ハーネス21の第1一端側コネクタ21Bと同様にして、第2ハーネス22の第2一端側コネクタ22Bは、第2一端側被接続部12Bに係止され、第3ハーネス23の第3一端側コネクタ23Bは、第3一端側被接続部12Cに係止される。
【0044】
さらに、電源分岐基板12には、第1ハーネス21の配線21Aを筐体1aの右側板に誘導する誘導部材40が設けられている。第1ハーネス21の配線21Aは、第1一端側コネクタ21Bから上方に向けて延び、第1一端側コネクタ21Bのやや上方で下方に向けて折り返される。折り返された配線21Aは、誘導部材40によって筐体1aの右側板側に誘導される。誘導部材40の誘導によって、配線21Aは、第1一端側コネクタ21Bの一端側押込部21Fの操作を阻害する位置である一端側押込部21Fを正面から覆う位置に案内される。
【0045】
第2ハーネス22の配線22Aは、第2一端側コネクタ22Bから下方に向けて延び、第2一端側コネクタ22Bのやや下方で上方に向けて折り返される。折り返された配線22Aは、一端側押込部22Fを正面から覆う位置に配置されている。同様に、第3ハーネス23の配線23Aは、第3一端側コネクタ23Bから下方に向けて延び、第3一端側コネクタ23Bのやや下方で上方に向けて折り返される。折り返された配線23Aは、一端側押込部23Fを正面から覆う位置に配置されている。こうして、配線22A、23Aは、それぞれ一端側押込部22F,23Fの操作を阻害する位置に配置されている。
【0046】
なお、電源分岐基板12は、電源分岐基板ケースに封入されていてもよい。この場合、電源分岐基板ケースは、筐体1aに固定されるベース部と、ベース部を覆う蓋部とを備えており、ベース部に電源分岐基板12が収容され、ベース部が蓋部で閉じられるようにしてもよい。蓋部は、透明であり、電源分岐基板12を電源分岐基板ケースの外側から視認可能とされているようにしてもよい。
【0047】
第1一端側被接続部12Aが設けられた位置のベース部と蓋部との接続部分には、下方に向けた開口が形成されていてもよい。この場合、開口を第1ハーネス21が通過する。第2一端側被接続部12B及び第3一端側被接続部12Cが設けられた位置のベース部と蓋部との接続部分には、上方に向けた開口が形成されているようにしてもよい。この場合、開口を第2ハーネス22及び第3ハーネス23が通過する。第1ハーネス21〜第3ハーネスと電源分岐基板12との接続作業は、電源分岐基板ケースのベース部から蓋部を取り外した状態で行われるようにしてもよい。
【0048】
また、第1ハーネス21の配線21Aは、第1一端側コネクタ21Bから上方に延びた後、単に折り返されて下方を向いているが、折り返し部分に案内部材を設けて、配線21Aを電源ユニット11側(第1他端側コネクタ21C側)に向けて案内し、一端側押込部21Fの操作を阻害する位置に案内するようにしてもよい。第2ハーネス22及び第3ハーネス23の配線22A,23Aは、第2一端側コネクタ22B及び第3一端側コネクタ23Bからそれぞれ下方に延びた後、単に折り返されて上方を向いているが、折り返し部分に案内部材を設けて、配線22A,23Aを遊技制御基板13及び演出制御基板14側(第2他端側コネクタ22C側及び第3他端側コネクタ23C)に向けて案内し、第2一端側コネクタ22B及び第3一端側コネクタ23Bにそれぞれ設けられた一端側押込部22F,23Fの操作を阻害する位置に案内するようにしてもよい。
【0049】
図4(B)は、遊技制御基板の斜視図である。
図4(B)に示すように、遊技制御基板13は、略直方体状をなす遊技制御基板ケース31に封入されている。遊技制御基板ケース31は、筐体1aに固定されるベース部31Aと、ベース部31Aを覆う蓋部31Bと、を備えている。蓋部31Bは、透明であり、遊技制御基板13を遊技制御基板ケース31の外側から視認可能とされている。
【0050】
遊技制御基板13の左下部には、第5一端側被接続部13A、第2他端側被接続部13B、及び第4一端側被接続部13Cが設けられている。遊技制御基板ケース31における蓋部31Bの右下部には、凹部31Cが形成されており、第5一端側被接続部13A、第2他端側被接続部13B、及び第4一端側被接続部13Cは、蓋部31Bにおける凹部31Cから遊技制御基板ケース31の外側に露出している。
【0051】
また、遊技制御基板13を封入する遊技制御基板ケース31には、かしめが設けられている。かしめが設けられていることにより、遊技制御基板13が遊技制御基板ケース31に完全に封入された状態となり、遊技制御基板13に対する不正を防止するようになっている。
【0052】
図2に示すように、第5一端側被接続部13Aには、第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bが接続される。第2他端側被接続部13B及び第4一端側被接続部13Cには、第2ハーネス22の第2他端側コネクタ22C及び第4ハーネス24の第4一端側コネクタ24Bがそれぞれ接続される。第5一端側コネクタ25B、第2他端側コネクタ22C、及び第4一端側コネクタ24Bには、それぞれ押込部が設けられている。これらの押込部は、いずれも第5一端側コネクタ25B、第2他端側コネクタ22C、及び第4一端側コネクタ24Bの同じ側(上側)に配置されている。第5一端側被接続部13A、第2他端側被接続部13B及び第4一端側被接続部13Cは、いずれもメスコネクタであり、第5一端側コネクタ25B、第4一端側コネクタ24B、及び第2一端側コネクタ22Bは、いずれもオスコネクタである。
【0053】
演出制御基板14は、遊技制御基板13と同様に、基板ケースに封入されている。このケースは、前面扉1bに固定されるベース部と、ベース部を覆う蓋部と、を備えている。蓋部は透明であり、基板ケースの外側から演出制御基板14を認可能とされている。蓋部の右方には、凹部が形成されており、演出制御基板14の右方の凹部には、第3他端側被接続部14A、第4他端側被接続部14B、及び第6一端側被接続部14Cが凹部から演出制御基板ケースの外側に露出した状態で設けられている。左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、基板ケースの外側に設けられている。左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、基板ケースの内側に設けられていてもよい。
【0054】
第3他端側被接続部14Aには第3ハーネス23の第3他端側コネクタ23Cが接続され、第4他端側被接続部14Bには第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cが接続され、第6一端側被接続部14Cには第6ハーネス26の第6一端側コネクタ26Bが接続される。第3他端側被接続部14A、第4他端側被接続部14B、及び第6一端側被接続部14Cは、いずれもメスコネクタであり、第3他端側コネクタ23C、第4他端側コネクタ24C、及び第6一端側コネクタ26Bは、いずれもオスコネクタである。
【0055】
操作部基板15の右側の端部には、第5他端側被接続部15Aが設けられている。第5他端側被接続部15Aには、第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cが接続されている。操作部基板15は、図示しない操作部基板ケースに封入されている。操作部基板ケースは、前面扉1bに固定されるベース部と、ベース部を覆う蓋部とを備えており、ベース部に操作部基板15が収容され、ベース部が蓋部で閉じられる。蓋部は、透明であり、操作部基板15を操作部基板ケースの外側から視認可能とされている。第5他端側被接続部15Aはメスコネクタであり、第5他端側コネクタ25Cはオスコネクタである。
【0056】
サブ中継基板16の右側端部には、第6他端側被接続部16Aが設けられている。第6他端側被接続部16Aには、第6ハーネス26の第6他端側コネクタ26Cが接続されている。第6他端側被接続部16Aはメスコネクタであり、第6他端側コネクタ26Cはオスコネクタである。
【0057】
ドア下中継基板17の右端部には、第7他端側被接続部17Aが設けられている。第7他端側被接続部17Aには、第7ハーネス27の第7他端側コネクタ27Cが接続されている。第7他端側被接続部17Aはメスコネクタであり、第7他端側コネクタ27Cはオスコネクタである。
【0058】
次に、第1ハーネス21〜第7ハーネス27を流れる電流や信号等について説明する。
図2に示すように、第1ハーネス21は、電源ユニット11と電源分岐基板12とを接続しており、電源ユニット11に供給された電源電流が電源分岐基板12に移動する際に流れる。第2ハーネス22は、電源分岐基板12と遊技制御基板13とを接続しており、電源分岐基板12に移動した電流の一部が遊技制御基板13に移動する際に流れる。第3ハーネス23は、電源分岐基板12と演出制御基板14とを接続しており、電源分岐基板12に移動した電流の一部が遊技制御基板13に移動する際に流れる。
【0059】
第4ハーネス24は、遊技制御基板13と演出制御基板14とを接続しており、遊技制御基板13から演出制御基板14に供給される遊技の進行に関する遊技信号が流れる。第5ハーネス25は、遊技制御基板13と操作部基板15とを接続しており、操作部基板15から遊技制御基板13に供給される操作関連信号が流れる。第6ハーネス26は、演出制御基板14とサブ中継基板16とを接続しており、演出制御基板14からサブ中継基板16に供給される演出に関する演出制御信号が流れる。第7ハーネス27は、サブ中継基板16とドア下中継基板17とを接続しており、サブ中継基板16からドア下中継基板17に供給される演出に関する演出制御信号が流れる。
【0060】
次に、第1ハーネス21〜第7ハーネス27の一部は、配線がコネクタの押込部の操作を阻害するように配置されている。以下、その例について説明する。
図5(A)に示すように、第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cは、演出制御基板14の第4他端側被接続部14Bに接続されている。配線24Aは、第4ハーネス24の一端における第4一端側コネクタ24Bと遊技制御基板13の第4一端側被接続部13Cとの接続箇所から、上方を向いて設けられている。また、第4ハーネス24の第4一端側コネクタ24Bが接続される遊技制御基板13の第4一端側被接続部13C(
図2参照)は、遊技制御基板
14の第4
他端側被接続部
14Cよりも低い位置に配置されている。また、第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cに設けられた他端側押込部24Iは、第4他端側コネクタ24Cの上方に配置されている。第4
一端側コネクタ24
Bは、第4
他端側コネクタ24
Cと遊技制御基板
14との第4
他端側被接続部
14Cとの接続箇所に対し、他端側押込部24Iが配置される方向と異なる方向に設けられる所定位置に接続されている。また、第4ハーネス24の配線24Aは、第4他端側コネクタ24Cの他端側押込部24Iの操作を阻害する位置である他端側押込部24Iを正面(奥側)から覆う位置に案内される。なお、ここでの「奥側」は、前面扉1bを閉じた状態での方向をいう。右第1案内部材51Bは、第4ハーネス24における配線24Aの第4他端側コネクタ24C側を上方に案内し、その先(第4一端側コネクタ24B側)を遊技制御基板13の第4一端側被接続部13Cがある下方に折り返して案内している。
【0061】
このように、演出制御基板14における第4他端側コネクタ24Cが接続される第4他端側被接続部14Bの上方において、第4ハーネス24の配線24Aを案内することにより、配線24Aを第4他端側コネクタ24Cに設けられた他端側押込部24Iの操作を阻害する位置に案内することができる。このため、例えば、スロットマシン1の外側から不正を企図する者(以下「不正企図者」という)が手や器具などを挿入し、第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cを引き抜こうとしても、配線24Aによって他端側押込部24Iの操作を阻害することができる。したがって、不正企図者による不正を防止することができる。
【0062】
また、不正を防止することを目的として、他端側押込部24Iの操作を阻害するために、右第1案内部材51Bによって配線24Aを上方(他端側押込部24Iの操作を阻害する位置)に案内したのみであるので、簡素な構成で不正を防止することができる。また、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、正面視した形状がL字形状(略L字形状)であり、ロッドの一側に支持体が設けられる一方、他側は開放されている。このため、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bの開口から第3ハーネス23及び第4ハーネス24の配線23A,24Aをロッドに沿ってスライドさせることができるので、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bに第3ハーネス23及び第4ハーネス24を容易に引っ掛けることができる。なお、左第1案内部材51A及び右第1案内部材51Bは、その一方または両方が基板ケースの内側に設けられていてもよい。
【0063】
また、第4ハーネス24は、遊技制御基板13から演出制御基板14に対して、遊技の進行に関する遊技信号が配線24Aを流れるハーネスである。このため、例えば第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cが第4他端側被接続部14Bから引き抜かれた場合、第4他端側コネクタ24Cが外部の不正な機器に接続され、第4他端側コネクタ24Cに向けて送信される遊技の進行に関する遊技信号が不正に入手されてスロットマシン1の性能など(例えば設定値に関する情報等)が盗まれる懸念がある。この点、第4ハーネス24の演出制御基板14から引き抜きが防止されるので、スロットマシン1の性能が盗まれるなどの事態を抑制することができる。
【0064】
図5(B)に示すように、第5ハーネス25は、第5他端側コネクタ25Cが操作部基板15の第5他端側被接続部15Aに接続されている。配線25Aは、第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cと操作部基板15の第5他端側被接続部15Aとの接続箇所から、下方を向いて設けられている。また、第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bが接続される遊技制御基板13の第5一端側被接続部13Aは、操作部基板15の第5他端側被接続部15Aの手前側であり、遊技制御基板13の第5一端側被接続部13Aよりも高い位置に配置されている。また、第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cに設けられた他端側押込部25Iは、第5他端側コネクタ25Cの下方に配置されている。このため、第5ハーネス25の配線25Aは、第5他端側コネクタ25Cの他端側押込部25Iの操作を阻害する位置である他端側押込部25Iを正面(下側)から覆う位置に案内される。第2案内部材52は、第5ハーネス25における配線25Aの第5他端側コネクタ25C側を下方に案内し、その先(第5一端側コネクタ25B側)を遊技制御基板13の第5一端側被接続部13A(
図2参照)がある上方に折り返して案内している。また、第5ハーネス25における他端側押込部25Iは、操作部基板15の端側を向いて配置されている。このため、第5ハーネス25を操作部基板15から正規に取り外す際に、他端側押込部25Iの操作性を高めることができる。
【0065】
このように、操作部基板15における第5他端側コネクタ25Cが接続される第5他端側被接続部15Aの下方において、第5ハーネス25の配線25Aを案内することにより、配線25Aを第5他端側コネクタ25Cに設けられた他端側押込部25Iの操作を阻害する位置に案内することができる。このため、例えば、スロットマシン1の外側から不正企図者が手や器具などを挿入し、第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cを引き抜こうとしても、配線25Aによって他端側押込部25Iの操作を阻害することができる。したがって、不正企図者による不正を防止することができる。
【0066】
また、不正を防止することを目的として、他端側押込部25Iの操作を阻害するために、第2案内部材52によって配線25Aを下方(他端側押込部25Iの操作を阻害する位置)に案内したのみであるので、簡素な構成で不正を防止することができる。また、第2案内部材52は、断面L字形状(略L字形状)であり、下側は開口している。このため、第2案内部材52の下側の開口から第5ハーネス25の配線25Aを板材の下面まで邪魔がない状態で移動させることができるので、第2案内部材52の板材の下面に第5ハーネス25を容易に沿わせることができる。
【0067】
また、第5ハーネス25は、操作部基板15から遊技制御基板13に供給される操作関連信号が配線25Aを流れるハーネスである。このため、例えば第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cが操作部基板15の第5他端側被接続部15Aから引き抜かれた場合、外部の不正な機器に第5他端側コネクタ25Cが接続され、第5他端側コネクタ25Cから送信される操作部信号に代えて、不正な信号を遊技制御基板13に送信することができることになり、スロットマシン1から不正にメダルが抜き取られ(メダルの払出が強要され)たり、不正のクレジット数を増加させられるなどの懸念がある。この点、第5ハーネス25の操作部基板15から引き抜きが防止されるので、スロットマシン1から不正にメダルが抜き取られるなどの事態を抑制することができる。
【0068】
図5(C)に示すように、第5ハーネス25は、第5一端側コネクタ25Bが遊技制御基板13の第5一端側被接続部13Aに接続されている。配線25Aは、第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bと遊技制御基板13の第5一端側被接続部13Aとの接続箇所から、上方を向いて設けられている。また、第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cが接続される操作部基板15の第5他端側被接続部15A(
図2参照)は、操作部基板15の第5他端側被接続部15Aよりも高い位置に配置されている。また、第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bに設けられた一端側押込部25Fは、第5一端側コネクタ25Bの上方に配置されている。このため、第5ハーネス25の配線25Aは、第5一端側コネクタ25Bの一端側押込部25Fの操作を阻害する位置である一端側押込部25Fを正面(手前側)から覆う位置に案内される。第3案内部材53は、第5ハーネス25における配線25Aの第5一端側コネクタ25B側を上方に案内し、その先(第5他端側コネクタ25C側)を操作部基板15の第5他端側被接続部15Aがある下方に折り返して案内している。
【0069】
このように、遊技制御基板13における第5一端側コネクタ25Bが接続される第5一端側被接続部13Aの上方において、第5ハーネス25の配線25Aを案内することにより、配線25Aを第5一端側コネクタ25Bに設けられた一端側押込部25Fの操作を阻害する位置に案内することができる。このため、例えば、スロットマシン1の外側から不正企図者が手や器具などを挿入し、第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bを引き抜こうとしても、配線25Aによって一端側押込部25Fの操作を阻害することができる。したがって、不正企図者による不正を防止することができる。
【0070】
また、不正を防止することを目的として、一端側押込部25Fの操作を阻害するために、第3案内部材53によって配線25Aを上方(一端側押込部25Fの操作を阻害する位置)に案内したのみであるので、簡素な構成で不正を防止することができる。また、第3案内部材53は、正面視してリング形状(略リング形状)であり、中央が大きく開口している。このため、第3案内部材53の中央に第5ハーネス25の配線25Aを容易に通すことができる。
【0071】
また、例えば第5ハーネス25の第5一端側コネクタ25Bが遊技制御基板13の第5一端側被接続部13Aから引き抜かれた場合、第5一端側被接続部13Aに対して、他の不正なハーネスなどが接続され、不正な信号を遊技制御基板13に送信することができることになり、スロットマシン1から不正にメダルが抜き取られ(メダルの払出が強要され)たり、不正のクレジット数を増加させられるなどの懸念がある。この点、第5ハーネス25の遊技制御基板13から引き抜きが防止されるので、スロットマシン1から不正にメダルが抜き取られるなどの事態を抑制することができる。
【0072】
上記の構成を有するスロットマシン1においては、ハーネスにおける配線は、コネクタと非操作部の接続箇所から押込部の操作を阻害する位置に案内されている。このため、不正企図者がコネクタの押込部を不正に操作しようとしても、ハーネスの配線が不正な操作の邪魔となるので、押込部の不正な操作を阻害することができる。したがって、不正な操作を防止することができる。また、配線は単に押込部を阻害する位置に案内されているのみであるので、簡素な構成で不正な操作を防止することができる。
【0073】
上記の実施形態において、各案内部において配線を案内するにあたり、ハーネスの接続先となる基板等とコネクタに設けられた押込部のと関係において、ハーネスの接続先となる基板は、押込部が設けられた側とは異なる側に配置されている。例えば、
図5(A)に示すように、演出制御基板14に接続される第4ハーネス24の第4他端側コネクタ24Cに他端側押込部24Iが上側を向いて設けられているのに対して、
図2に示すように、第4ハーネス24の第4一端側コネクタ24Bが接続される遊技制御基板13は、第4他端側コネクタ24Cの下方に位置している。このため、単純に演出制御基板14と遊技制御基板13を第4ハーネス24で接続しようとすると、第4ハーネス24は、演出制御基板14から遊技制御基板13に向けて、下降する形で取り付けられることになり、他端側押込部24Iは配線24Aに隠されることはないようになる。この点、右第1案内部材51Bによって、第4他端側被接続部14Bに接続された配線24Aを一旦他端側押込部24I側の他端側押込部24Iの操作を阻害する位置に案内している。したがって、簡素な構成で不正な操作を防止することができる。
【0074】
また、上記のスロットマシン1では、ハーネスの配線を案内する案内部材を設けている。この案内部材を用いてハーネス(配線)を案内するので、ハーネス(配線)を容易に案内することができる。したがって、例えばスロットマシン1を製造し、または遊技店に設置する際に、ハーネスの引き回しなどを容易に行うことができる。
【0075】
また、上記のスロットマシン1において、ハーネスにおける配線の幅、例えば、第1ハーネス21における複数の配線21Aが並べられたときの幅は、押込部、例えば、一端側押込部21F及び他端側押込部21Iの幅よりも広くされている。このため、押込部の操作を阻害する位置に配線を配置したときに、配線によって押込部を広い範囲、例えば全体的に隠すことができる。したがって、押込部の操作をより強く阻害することができるので、より好適に不正を防止することができる。
【0076】
また、上記のスロットマシン1において、ハーネスのコネクタに取り付けられた押込部、例えば第5ハーネス25の第5他端側コネクタ25Cに設けられた他端側押込部25Iは、基板の端側、例えば、操作部基板15の端側を向いて配置されている。このため、ハーネスを基板から正規に取り外す際に、押込部の操作性を高めることができる。
【0077】
また、上記のスロットマシン1において、基板等に接続された複数のハーネスにおける各押込部材、例えば、遊技制御基板13に接続された第5一端側コネクタ25B、第2他端側コネクタ22C、及び第4一端側コネクタ24Bに設けられた押込部は、いずれも同じ側(上側)に配置されている。このため、これらの押込部を隠す第5ハーネス25、第2ハーネス22、第4ハーネス24の配線25A,22A,24Aが同じ方向を向いているので、各押込部の操作をより強く阻害することができるので、より好適に不正を防止することができる。
【0078】
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図6は、ハーネスと基板との接続態様の他の例を示す斜視図である。
図6に示すように、この実施形態に係るスロットマシンでは、第1基板60と第2基板70がハーネス80で接続されている。第1基板60には、第1被接続部61が設けられ、第2基板70には、第2被接続部71が設けられている。第1基板60及び第2基板70は、例えば筐体における一面に縦方向に並んで取り付けられ、第2基板70は、第1基板60の上方に配置されている。
【0079】
ハーネス80は、配線81と、一端側コネクタ82と、他端側コネクタ83と備えている。ハーネス80は、複数の配線81を備えており、複数の配線81は、平板状に並んで配置されている。一端側コネクタ82は、第1基板60における第1被接続部61に接続され、他端側コネクタ83は、第2基板70における第2被接続部71に接続されている。また、一端側コネクタ82には、上記の実施形態と同様の一端側押込部84が設けられ、その他、係止部及び板バネが設けられている。同様に、他端側コネクタ83には、上記の実施形態と同様の他端側押込部85が設けられ、その他、係止部及び板バネが設けられている一端側押込部84は、一端側コネクタ82の下側に設けられ、他端側コネクタ83が接続される第2基板70とは異なる側に設けられている。他端側押込部85は、他端側コネクタ83の上側に設けられており、一端側コネクタ82が接続される第1基板60とは異なる側に設けられている。
【0080】
さらに、第1基板60には、ハーネス80の一端側コネクタ82と第1基板60の第1被接続部との接続箇所から配線81をを上方に案内する案内溝62が複数設けられている。案内溝62は、第1基板60における筐体側の面に設けられている。案内溝62は、配線81の形状に合わせた断面形状で設けられている。このため、複数に配線81は、それぞれ案内溝62に嵌まり込み、第1基板60と筐体の一面との間を通って第2基板70の方向に案内される。
【0081】
ハーネス80の配線81は、案内溝62に案内され、一端側コネクタ82から下方に向けて延び、一端側コネクタ82のやや下方で上方に向けて折り返される。折り返された配線81は、一端側係止爪を正面から覆う位置に配置される。こうして、配線81は、一端側コネクタ82の一端側押込部84の操作を阻害する位置に配置されている。
【0082】
上記の構成を有するこの実施形態のスロットマシンでは、上記の実施形態と同様の作用効果を奏する。例えば、不正企図者がコネクタの押込部を不正に操作しようとしても、ハーネスの配線が不正な操作の邪魔となり、押込部の不正な操作を阻害することができるので、不正な操作を防止することができるという効果を奏する。
【0083】
また、この実施形態のスロットマシンでは、第1基板60と筐体の一面との間、いわば第1基板60の裏側を通して配線81を第2基板70側に案内している。例えば、第1基板60の表側を通して第2基板70側に配線81を案内する場合、一端側コネクタ82から延びる配線81を上方に案内することになり、押込部の操作を阻害する位置に配置されることなく、第2基板70側に案内される。この実施形態のスロットマシンでは一端側コネクタ82から延びる配線81を第1基板60の裏側に案内することにより、押込部の操作を阻害する位置に配線81を案内することができる。したがって、押込部の操作を阻害する位置に配線81を容易に配置することができる。
【0084】
また、配線81は、案内溝62によって第2基板側に案内されている。このため、押込部の操作を阻害する位置に配線81をより容易に配置することができる。さらに、複数の配線81は、それぞれ案内溝62は、嵌まり込んで第2基板70の方向に案内されている。このため、配線81の揺れなどを抑えた状態で配線81を案内することができる。
【0085】
なお、この実施形態においても、上記のスロットマシン1における左第1案内部材51A、右第1案内部材51B、第2案内部材52、及び第3案内部材と同様の案内部材を設けて配線81を第2基板側に案内するようにしてもよい。また、配線81を案内するにあたって、案内溝62を設けないようにしてもよいし、案内溝として配線が嵌まり込まないほど幅広の案内溝を設けるようにしてもよい。
【0086】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0087】
上記の実施形態では、左右第1案内部材51A,51Bの正面視した形状が略L字形状、第2案内部材52の断面形状が略L字形状、第3案内部材53の正面視した形状がリング形状であるが、その他の形状でもよい。例えば、板材を基板(基板ケース)や筐体などに固定したものでもよいし、かぎ状(フック状)のものでもよいし、コ字形状でもよい。また、左右第1案内部材51A,51B、第2案内部材52、第3案内部材53の形状を適宜入れ替えるようにしてもよい。
【0088】
上記の第1ハーネス21〜第7ハーネス27は、いずれもスロットマシン1の内部の基板やユニット同士を接続しているが、スロットマシン1内における他の部材、例えばセンサやソレノイド、液晶表示装置や可動役物など同士やこれらと基板などとを接続するものでもよい。また、ハーネスは、スロットマシン1の外部の装置、例えばホールに設けられるホールコンピュータなどに接続されるものでもよい。
【0089】
上記の第1ハーネス21〜第7ハーネス27では、両端にコネクタが設けられ、それぞれのコネクタに係止部や押込部などが設けられているが、一方のコネクタには係止部や押込部が設けられていなくてもよい。また、第1ハーネス21〜第7ハーネス27には、配線を複数本設けられているが、単数でもよい。また、複数の配線を設ける場合に、各配線の太さや色などは異なるものであってもよい。また、第1ハーネス21〜第7ハーネス27では、配線の幅が押込部の幅よりも広くされているが、配線部の幅と同等あるいは配線部の幅よりも狭くてもよい。
【0090】
上記の第1ハーネス21〜第7ハーネス27において、配線に流れる対象は電源電流または各種信号であるが、他の対象物が配線を流れるようにしてもよい。また、第1ハーネス21〜第7ハーネス27に設けられているコネクタは、いずれもオスコネクタであるが、メスコネクタであってもよく、この場合、基板等に設けられている被接続部は、オスコネクタであればよい。あるいは、コネクタと被接続部は、突起を凹部に差し込むオスメス方式のコネクタ以外のコネクタでもよい。
【0091】
また、コネクタに設けられる操作解除部は、係止爪を押し込む押込み部であるが、店員等の操作によって係止が解除されるものであれば、他の形式の操作解除部でもよい。例えば、係止爪を引き抜くために摘む摘みであってもよいし、電気式スイッチによって係止状態が形成される係止部材のスイッチであってもよい。
【0092】
また、左右第1案内部材51A,51B、第2案内部材52、第3案内部材53は、筐体1a内で露出した状態で設けられているが、カバー(ケース)に収容されていてもよい。この場合、案内部材は、基板を封入する基板ケースに基板とともに収容されていてもよいし、案内部材を収容する収容ケースに収容されていてもよい。このように、案内部材がカバー(ケース)に収容されていることにより、不正企図者による不正の防止に寄与することができる。
【0093】
また、上記の実施形態では、遊技制御基板13と演出制御基板14を接続する第4ハーネス24の演出制御基板14側、及び遊技制御基板13と操作部基板15を接続する第5ハーネス25の遊技制御基板13側及び操作部基板15側に案内部材を設けているが、他のハーネスの端部側に案内部材を設け、これらのハーネスのコネクタに設けられた押込部の操作を阻害するようにしてもよい。
【0094】
例えば、第1ハーネス21のコネクタが電源ユニット11または電源分岐基板12から引き抜かれると、各基板に対する給電が停止し、給電が停止している間に、遊技制御基板13や演出制御基板14等の基板を正規の基板から非正規の基板に不正に交換しやすくなる。この点、第1ハーネス21のコネクタに設けられた押込部の操作を阻害する位置に第1ハーネス21の配線21Aが案内されることにより、第1ハーネス21が引き抜かれて各基板への給電が停止する事態を防止することができ、基板の不正な交換などを抑制することができる。
【0095】
また、第2ハーネス22のコネクタが電源分岐基板12または遊技制御基板13から引き抜かれた場合には、遊技制御基板13に対する給電の停止の原因となり、遊技制御基板13の不正な交換を行いやすくなるが、第2ハーネス22のコネクタに設けられた押込部の操作を阻害する位置に第2ハーネス22の配線22Aが案内されることにより、第2ハーネス22が引き抜かれて遊技制御基板13への給電が停止する事態を防止することができ、遊技制御基板13の不正な交換などを抑制することができる。
【0096】
第3ハーネス23のコネクタが電源分岐基板12または演出制御基板14から引き抜かれた場合には、演出制御基板14に対する給電の停止の原因となり、演出制御基板14の不正な交換を行いやすくなるが、第3ハーネス23のコネクタに設けられた押込部の操作を阻害する位置に第3ハーネス23の配線23Aが案内されることにより、第3ハーネス23が引き抜かれて演出制御基板14への給電が停止する事態を防止することができ、演出制御基板14の不正な交換などを抑制することができる。
【0097】
また、操作解除部の操作を阻害する位置は、不正企図者が押込部に対して押込操作を行う際に、不正企図者と操作解除部の間に介在する位置であれば、どの位置でもよい。具体的には、操作解除部に近い前側の位置でもよいし、操作解除部から少し離れてはいるが、操作解除部の周囲の位置であればよい。また、不正企図者の位置と操作解除部の位置との関係で操作解除部の操作を阻害する位置を規定してもよい。例えば、不正企図者が前面扉1bを開放した正面側から不正企図を行う場合には、スロットマシン1の前面側と操作解除部とをつなぐ線上のいずれの位置もが操作解除部の操作を阻害する位置となる。また、不正企図者は、スロットマシン1の前面のほか、例えば、メダルの投入口や払出口、前面扉1bをわずかに開いた前面扉1bと筐体1aの間の隙間、筐体1aの裏側(スロットマシン1の裏側)、筐体1aに設けられたねじ穴などから不正企図を行うことが考えられる。これらの位置と操作解除部の位置関係、例えば、これらの位置の操作解除部の間を操作解除部の操作を阻害する位置と考えてもよい。
【0098】
[パチンコ遊技機、雀球、アレパチなどの遊技機について]
上記の各基板及び電源ユニット、さらにはこれらを接続するハーネスは、パチンコ遊技機、雀球、アレパチなどの遊技機に適用してもよい。雀球、アレパチなどの遊技機とは、所定数、例えば16個の遊技球を打ち出し、入球した領域(麻雀牌を模した記号や番号が付された領域)によって、払い出される遊技球数が決められる遊技機である。このようなパチンコ遊技機、雀球、アレパチなどの遊技機において、上記の各基板及び電源ユニット、さらにはこれらを接続するハーネスが設けられることにより、簡易な構成で不正を防止することができる。
【0099】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(11)本発明の遊技機は、遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン1等)であって、
配線(例えば、配線24A等)と、
前記配線の一端(例えば、第4一端側コネクタ24B等)が接続される被接続部(例えば、演出制御基板14の第4他端側被接続部14B等)と、
前記配線と前記被接続部の接続を係止する係止手段(例えば、他端側係止爪及び第4他端側被接続部14Bに設けられた突起等)と、
前記係止手段による係止を解除するために操作される解除操作部(例えば、他端側押込部24I等)と、を備え、
前記配線の他端(例えば、第4一端側コネクタ24B等)は、前記配線の一端と前記被接続部との接続箇所(例えば、第4一端側コネクタ24Bと第4他端側被接続部14Bとの接続箇所等)に対し、前記操作解除部が配置される方向と異なる方向に設けられる所定位置(例えば、演出制御基板14の第4他端側被接続部14Bから見て、他端側押込部24Iが配置された側と異なる方向に設けられた遊技制御基板13の第4一端側被接続部13C等)に接続されており、
前記配線は、前記接続箇所から前記解除操作部の操作を阻害する位置に案内されている(例えば、第4一端側コネクタ24Bと第4他端側被接続部14Bとの接続箇所から他端側押込部24I側に向けて案内されている等)ことを特徴とする。
【0100】
このような構成によれば、簡素な構成で不正を防止できる。
【0101】
(12)上記(11)に記載の遊技機において、前記配線を前記接続箇所から前記解除操作部側に案内する案内部(例えば、左第1案内部材51A、右第1案内部材51B、第2案内部材52、第3案内部材53等)が設けられていてもよい。
【0102】
このような構成によれば、簡素な構成で不正を防止できる。
【0103】
(13)上記(11)または(12)の遊技機において、前記配線は、電源電流(例えば、第1ハーネス21を流れる電源電流等)及び遊技進行に用いる信号(例えば、第4ハーネス24を流れる遊技の進行に関する遊技信号、第5ハーネス25を流れる操作関連信号等)の少なくとものいずれか一方を伝達するようにしてもよい。
【0104】
このような構成によれば、簡素な構成で不正を防止できる。
【0105】
(14)上記(11)〜(13)のいずれかの遊技機において、前記係止手段は、カバー(例えば、遊技制御基板13を封入する遊技基板ケース、演出制御基板14を封入する基板ケース、左第1案内部材51A、右第1案内部材51B、第2案内部材52、第3案内部材53を収容するカバー等)によって覆われているようにしてもよい。
【0106】
このような構成によれば、解除操作がしにくくなり、不正を防止できる。
【0107】
(15)上記(11)〜(14)のいずれかの遊技機において、前記配線の幅は、前記操作解除部の幅よりも広くされている(例えば、横方向に広げて全体的に平板状に並べられた複数の配線21Aの幅は、一端側押込部21F及び他端側押込部21Iの幅よりも広くされている等)ようにしてもよい。
【0108】
このような構成によれば、解除操作部が全体的に配線に隠されるので、不正を好適に防止できる。
【0109】
(16)上記(11)〜(15)のいずれかの遊技機において、前記解除操作部は、前記配線が接続された基板の端側を向いて配置されている(例えば、第5ハーネス25における他端側押込部25Iは、操作部基板15の端側を向いて配置されている等)ようにしてもよい。
【0110】
このような構成によれば、操作性を高めることができる。
【0111】
(17)上記(11)〜(16)のいずれかの遊技機において、前記被接続部が複数設けられた基板を備え、
前記被接続部に接続される複数の配線のそれぞれにおける複数の解除操作部は、いずれも同じ側に配置されている(例えば、遊技制御基板13に接続された第5一端側コネクタ25B、第2他端側コネクタ22C、及び第4一端側コネクタ24Bに設けられた一端側押込部は、いずれも同じ側(上側)に配置されている等)ようにしてもよい。
【0112】
このような構成によれば、簡素な構成で不正を防止できる。