(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
底面部には、底面部の正面側の辺部である第1辺部(10a)と、底面部の右側面側の辺部である第2辺部(10b)と、底面部の左側面側の辺部である第3辺部(10c)と、底面部の背面側の辺部である第4辺部(10d)における互いに相対する辺部における一方の辺部である第1対象辺部(10b)と平行に直線状の折曲げ用の第7罫線(C14)が形成され、該相対する辺部における他方の辺部である第2対象辺部(10c)と平行に直線状の折曲げ用の第8罫線(C15)が形成され、第8罫線は、第7罫線よりも第2対象辺部側に形成され、第7罫線と第1対象辺部間の長さと第8罫線と第2対象辺部間の長さは略同一に形成され、
第1辺部と第2辺部間の角部である第1角部と、第7罫線上又は第7罫線の延長線上の位置で第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部からなる辺部群における第1対象辺部と第2対象辺部以外の一対の辺部である隣接辺部群の一方である第1隣接辺部(10a)から間隔を介した位置である第5位置(U1)間に第1角部と第5位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第9罫線(C16)が形成され、
第2辺部と第4辺部間の角部である第2角部と、第7罫線上又は第7罫線の延長線上のの位置で隣接辺部群の他方である第2隣接辺部(10d)から間隔を介した位置である第6位置(U2)間に第2角部と第6位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第10罫線(C17)が形成され、
第1辺部と第3辺部間の角部である第3角部と、第8罫線上又は第8罫線の延長線上の位置で第1隣接辺部から間隔を介した位置である第7位置(U3)間に第3角部と第7位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第11罫線(C18)が形成され、
第3辺部と第4辺部間の角部である第4角部と、第8罫線上又は第8罫線の延長線上の位置で第2隣接辺部から間隔を介した位置である第8位置(U4)間に第4角部と第8位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第12罫線(C19)が形成され、
第7罫線に沿った領域を押さえることにより、第7罫線と第9罫線と第10罫線を介して底面部の第1対象辺部側が湾曲し、
第8罫線に沿った領域を押さえることにより、第8罫線と第11罫線と第12罫線を介して底面部の第2対象辺部側が湾曲することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の包装箱。
第1折込み片部の仮想展開状態では、第3折れ線の底面部側とは反対側の端部である第1端部(C62−1)は、第1折れ線の底面部側とは反対側の端部と第2折れ線の底面部側とは反対側の端部を結ぶ仮想直線(L62a)よりも底面部側にあり、第1内側片部と第1外側片部の間には、第3折れ線の第1端部を底面部側の端部とする切欠き(K62)が形成され、
第2折込み片部の仮想展開状態では、第6折れ線の底面部側とは反対側の端部である第2端部(C72−1)は、第4折れ線の底面部側とは反対側の端部と第5折れ線の底面図側とは反対側の端部を結ぶ仮想直線(L72a)よりも底面部側にあり、第2内側片部と第2外側片部の間には、第6折れ線の第2端部を底面部側の端部とする切欠き(K72)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の包装箱。
右開口部については、包装箱本体の仮想展開状態において、第1外側片部と右側面部の境界位置又は右側面部の第1外側片部側の端部領域に開口部が設けられることにより、右開口部が設けられているか、あるいは、包装箱本体の仮想展開状態において、第1外側片部と右側面部の境界位置に第1切込み(K61)が設けられ、第1切込みの両側の端部分が第2折れ線に接していて、第1外側片部が、該第1切込みに対応した辺部を有する第1突状部(64−1)を有し、包装箱の組立て状態では、右側面部の第1外側片部側の端部領域に、第1切込みに対応した辺部を有する開口部により右開口部が設けられ、
左開口部については、包装箱本体の仮想展開状態において、第2外側片部と左側面部の境界位置又は左側面部の第2外側片部側の端部領域に開口部が設けられることにより、左開口部が設けられているか、あるいは、包装箱本体の仮想展開状態において、第2外側片部と左側面部の境界位置に第2切込み(K71)が設けられ、第2切込みの両側の端部分が第5折れ線に接していて、第2外側片部が、該第2切込みに対応した辺部を有する第2突状部(74−1)を有し、包装箱の組立て状態では、左側面部の第2外側片部側の端部領域に、第2切込みに対応した辺部を有する開口部により左開口部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の包装箱。
第1外側片部には、第2折れ線と第3折れ線の接点と、第1外側片部における辺部で第3折れ線の底面部側とは反対側の端部である第1端部(C62−1)よりも上側の辺部における一方の端部から他方の端部までの途中位置である第9位置(C64−1)との間に、第2折れ線と第3折れ線の接点と第9位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第13罫線(C64)が形成され、
第2外側片部には、第5折れ線と第6折れ線の接点と、第2外側片部における辺部で第6折れ線の底面部側とは反対側の端部である第2端部(C72−1)よりも上側の辺部における一方の端部から他方の端部までの途中位置である第10位置(C74−1)との間に、第5折れ線と第6折れ線の接点と第10位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第14罫線(C74)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の包装箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、
図20に示す紙容器においては、蓋板16を閉状態で固定する際には、差し込み片17が側板12の内側に差し込まれた状態となり、そうすると、食品が収納される場合に、差し込み片17が食品に接するおそれがあり、不衛生であるとともに、差し込み片17が食品に接して汚れてしまい、蓋板16を開状態とした際に、差し込み片17の見栄えが悪く、また、差し込み片17が洋服等の外部の物に接して、差し込み片17に付着した液体等により該外部の物が汚れてしまうおそれがある。特に、側板13から連設されたフラップに比べて、差込み片17の先端が下方まで浸入するので、収納された食品に接するおそれがフラップに比べて高い。
【0008】
また、
図20に示す紙容器では、差し込み片17を側板12の内側に差し込むのみであるので、容器を閉状態でロックすることができない。
【0009】
また、
図20に示す紙容器において、蓋板16が閉状態で差し込み片17が側板12の内側に差し込まれた状態から蓋板16を開状態にする際には、一般には、差し込み片17と側板12の間に指を入れて、指で差し込み片17を引き上げることにより蓋板16を開状態にするが、差し込み片17の面が滑りやすい場合には容易に差し込み片17を引き上げることができず、開状態にする操作が面倒である。
【0010】
特に、
図20に示す紙容器において、側板12と側板13から連設されたフラップ20間の隙間を狭くすると、差し込み片17が差し込まれた状態から抜けにくくできるものの、蓋板16を開状態にするのが困難となり、一方、側板12とフラップ20間の隙間を広くすると、蓋板16を開状態するのはその分容易となるが、差し込み片17が容易に抜けてしまうので、不用意に蓋板16が開状態になってしまう。また、指が汚れている場合に、差し込み片17と側板12間に入れた指から汚れが落下してしまうおそれがあり、その点でも不衛生である。
【0011】
なお、特許文献2に記載の包装箱においては、
図20の紙容器のように片部が収納空間内に入り込むおそれがないので、上記のように不衛生となる問題は生じないが、蓋部の開閉に際して、2つの蓋部200、202を係止させたり、2つの蓋部200、202の係止を解除しなければならず、
図20のように差し込み片を差し込む構造に比べて開閉の動作が面倒であり、また、蓋部200、202が開いた状態では、蓋部が連設された一対の側面部を正面側と背面側にして蓋部200、202を開いた場合に、蓋部は背面側だけでなく、正面側にも開いた状態となるため、収納された食品が食する場合に、正面側に開いた蓋部が邪魔になってしまう。その点、
図20のように、一方の側面部から連設された蓋部が他方の側面部までカバーするタイプでは、蓋部を背面側に配置すれば正面側に蓋部が配置されないので、そのような問題はない。
【0012】
そこで、本発明は、ウォータータイト構造の包装箱で、相対する側面部における一方の側面部から連設された蓋部が他方の側面部までカバーする包装箱において、蓋部から連設された差込み片部が側面部の内側に差し込まれない構造とすることにより不衛生となることがなく、また、包装箱を閉状態でロックすることができるとともに、蓋部の開操作が容易となる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、包装箱であって、包装箱本体(5)と、蓋部(100)と、差込み片部(110)とを有し、包装箱本体が、互いに平行な一対の辺部と、該辺部と直角をなす互いに平行な一対の辺部とを有する底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部(20)と、底面部の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面部(50)と、正面部の右側面側の辺部から第1折れ線(C21)を介して連設されるとともに右側面部の正面側の辺部から第2折れ線(C31)を介して連設された第1折込み片部で、底面部における正面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第3折れ線(C62)を介して第1折れ線側の領域である第1内側片部(62)と、第3折れ線を介して第2折れ線側の領域である第1外側片部(64)とを有し、第3折れ線を介して折り返された状態で、第1内側片部が正面部の正面側の面に接着された第1折込み片部(60)と、正面部の左側面側の辺部から第4折れ線(C22)を介して連設されるとともに左側面部の正面側の辺部から第5折れ線(C41)を介して連設された第2折込み片部で、底面部における正面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第6折れ線(C72)を介して第4折れ線側の領域である第2内側片部(72)と、第6折れ線を介して第5折れ線側の領域である第2外側片部(74)とを有し、第6折れ線を介して折り返された状態で、第2内側片部が正面部の正面側の面に接着された第2折込み片部(70)と、背面部の右側面側の辺部から第7折れ線(C51)を介して連設されるとともに右側面部の背面側の辺部から第8折れ線(C32)を介して連設された第3折込み片部で、底面部における背面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第9折れ線(C82)を介して第7折れ線側の領域である第1片部(84)と、第9折れ線を介して第8折れ線側の領域である第2片部(82)とを有し、第9折れ線を介して折り返された状態で、第2片部が右側面部の右側面側の面に接着されるか、あるいは、第1片部が背面部の背面側の面に接着された第3折込み片部(80)と、背面部の左側面側の辺部から第10折れ線(C52)を介して連設されるとともに左側面部の背面側の辺部から第11折れ線(C42)を介して連設された第4折込み片部で、底面部における背面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第12折れ線(C92)を介して第10折れ線側の領域である第3片部(94)と、第12折れ線を介して第11折れ線側の領域である第4片部(92)とを有し、第12折れ線を介して折り返された状態で、第4片部が左側面部の左側面側の面に接着されるか、あるいは、第3片部が背面部の背面側の面に接着された第4折込み片部(90)と、第1外側片部と右側面部の境界位置又は右側面部の第1外側片部側の端部領域に設けられた右開口部(K60)と、第2外側片部と左側面部の境界位置又は左側面部の第2外側片部側の端部領域に設けられた左開口部(K70)と、を有し、蓋部が、背面部の底面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、差込み片部が、蓋部の背面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、右側面側に突出した右係止部(114)と、左側面側に突出した左係止部(116)とを有し、
蓋部と差込み片部間の折れ線における右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置である第1途中位置(W1)と、差込み片部の蓋部とは反対側である先端側の辺部における第1途中位置よりも左側面側の位置である第1位置(V1)との間に、第1途中位置と第1位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第1罫線(C112)が形成され、蓋部と差込み片部間の折れ線における右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置で第1途中位置よりも左側面側の位置である第2途中位置(W2)と、差込み片部の先端側の辺部における第2途中位置よりも右側面側で、第1位置よりも左側面側の位置である第2位置(V2)との間に、第2途中位置と第2位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第2罫線(C114)が形成され、第1途中位置と、差込み片部の先端側の辺部における第1途中位置から蓋部と差込み片部間の折れ線に対して略直角方向の位置である第3位置(V3)との間に、第1途中位置と第3位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第3罫線(C113)が形成され、第2途中位置と、差込み片部の先端側の辺部における第2途中位置から蓋部と差込み片部間の折れ線に対して略直角方向の位置である第4位置(V4)との間に、第2途中位置と第4位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第4罫線(C115)が形成され、蓋部の右側面側の辺部における背面部側の端部から差込み片部側の端部までの途中位置である第3途中位置(W3)と第1途中位置との間に、第3途中位置と第1途中位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第5罫線(C102)が形成され、蓋部の左側面側の辺部における背面部側の端部から差込み片部側の端部までの途中位置である第4途中位置(W4)と第2途中位置との間に、第4途中位置と第2途中位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第6罫線(C104)が形成され、第1罫線と第2罫線が、差込み片部の左右方向における中心線で蓋部と差込み片部間の折れ線と直角をなす中心線を介して左右線対称に形成され、第5罫線と第6罫線が、蓋部の左右方向における中心線で蓋部と差込み片部間の折れ線と直角をなす中心線を介して左右線対称に形成され、包装箱がシート状のブランクにより形成され、差込み片部を蓋部に対して折り曲げた状態で、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態から
差込み片部における第1罫線と第2罫線の間の領域である中央領域(112−1)を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部における第1罫線と第3罫線の間の領域である第1中間領域(112−2)が、中央領域に対して第1罫線を介して回動するとともに、差込み片部における第3罫線よりも右側面側の領域である第1端部領域(112−4)に対して第3罫線を介して回動し、差込み片部における第2罫線と第4罫線の間の領域である第2中間領域(112−3)が、中央領域に対して第2罫線を介して回動するとともに、差込み片部における第4罫線よりも左側面側の領域である第2端部領域(112−5)に対して第4罫線を介して回動し、第1中間領域が回動することにより、蓋部における蓋部と差込み片部間の折れ線と第5罫線間の領域である第1角部領域(104)が、蓋部における第1角部領域と蓋部の差込み片部間の折れ線と第6罫線間の領域である第2角部領域(106)以外の領域である蓋部本体(102)に対して回動するとともに、第1端部領域が第1途中位置を中心に、正面視で右回転することにより、右係止部が右開口部から抜けて右係止部と右開口部との係合が解除され
、第2中間領域が回動することにより、蓋部における蓋部と差込み片部間の折れ線と第6罫線間の領域である第2角部領域(106)が、蓋部本体(102)に対して回動するとともに、第2端部領域が第2途中位置を中心に、正面視で左回転することにより、左係止部が左開口部から抜けて左係止部と左開口部との係合が解除されることを特徴とする。
【0014】
第1の構成においては、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックすることができ、また、差込み片部は、正面部の内側には差し込まれないので、不衛生となることがない。
【0015】
また、
蓋部と差込み片部に第1罫線〜第6罫線が設けられているので、包装箱が閉状態でロックされた状態から
、中央領域を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、右係止部と右開口部との係合が解除されるとともに左係止部と左開口部との係合が解除されるので、
容易に蓋部の開操作を行なうことができる。
【0016】
また、第2には、上記第1の構成において、
第1外側片部は、第1内側片部の上端よりも上方に突出して形成され、第2外側片部は、第2内側片部の上端よりも上方に突出して形成されていることを特徴とする。
【0017】
第2の構成においては、
差込み片部が第1外側片部及び第2外側片部の内側の面に接しやすいので、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部の隙間と第2外側片部と第2内側片部の隙間に円滑に差し込むことができる。
【0018】
また、第3には、
包装箱であって、包装箱本体(5)と、蓋部(100)と、差込み片部(110)とを有し、包装箱本体が、互いに平行な一対の辺部と、該辺部と直角をなす互いに平行な一対の辺部とを有する底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部(20)と、底面部の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面部(50)と、正面部の右側面側の辺部から第1折れ線(C21)を介して連設されるとともに右側面部の正面側の辺部から第2折れ線(C31)を介して連設された第1折込み片部で、底面部における正面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第3折れ線(C62)を介して第1折れ線側の領域である第1内側片部(62)と、第3折れ線を介して第2折れ線側の領域である第1外側片部(64)とを有し、第3折れ線を介して折り返された状態で、第1内側片部が正面部の正面側の面に接着され、第1外側片部が、第1内側片部の上端よりも上方に突出して形成されている第1折込み片部(60)と、正面部の左側面側の辺部から第4折れ線(C22)を介して連設されるとともに左側面部の正面側の辺部から第5折れ線(C41)を介して連設された第2折込み片部で、底面部における正面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第6折れ線(C72)を介して第4折れ線側の領域である第2内側片部(72)と、第6折れ線を介して第5折れ線側の領域である第2外側片部(74)とを有し、第6折れ線を介して折り返された状態で、第2内側片部が正面部の正面側の面に接着され、第2外側片部が、第2内側片部の上端よりも上方に突出して形成されている第2折込み片部(70)と、背面部の右側面側の辺部から第7折れ線(C51)を介して連設されるとともに右側面部の背面側の辺部から第8折れ線(C32)を介して連設された第3折込み片部で、底面部における背面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第9折れ線(C82)を介して第7折れ線側の領域である第1片部(84)と、第9折れ線を介して第8折れ線側の領域である第2片部(82)とを有し、第9折れ線を介して折り返された状態で、第2片部が右側面部の右側面側の面に接着されるか、あるいは、第1片部が背面部の背面側の面に接着された第3折込み片部(80)と、背面部の左側面側の辺部から第10折れ線(C52)を介して連設されるとともに左側面部の背面側の辺部から第11折れ線(C42)を介して連設された第4折込み片部で、底面部における背面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第12折れ線(C92)を介して第10折れ線側の領域である第3片部(94)と、第12折れ線を介して第11折れ線側の領域である第4片部(92)とを有し、第12折れ線を介して折り返された状態で、第4片部が左側面部の左側面側の面に接着されるか、あるいは、第3片部が背面部の背面側の面に接着された第4折込み片部(90)と、第1外側片部と右側面部の境界位置又は右側面部の第1外側片部側の端部領域に設けられた右開口部(K60)と、第2外側片部と左側面部の境界位置又は左側面部の第2外側片部側の端部領域に設けられた左開口部(K70)と、を有し、蓋部が、背面部の底面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、差込み片部が、蓋部の背面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、右側面側に突出した右係止部(114)と、左側面側に突出した左係止部(116)とを有し、包装箱がシート状のブランクにより形成され、差込み片部を蓋部に対して折り曲げた状態で、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態から、差込み片部を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部が曲り変形して、右係止部が右開口部から抜けて右係止部と右開口部との係合が解除されるとともに、左係止部が左開口部から抜けて左係止部と左開口部との係合が解除されることを特徴とする。
【0019】
第3の構成においては、
差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックすることができ、また、差込み片部は、正面部の内側には差し込まれないので、不衛生となることがない。また、包装箱が閉状態でロックされた状態から、差込み片部を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部が曲り変形して、右係止部と右開口部との係合が解除されるとともに左係止部と左開口部との係合が解除されるので、蓋部の開操作を容易とすることができる。また、第1外側片部は、第1内側片部の上端よりも上方に突出して形成され、第2外側片部は、第2内側片部の上端よりも上方に突出して形成されているので、差込み片部が第1外側片部及び第2外側片部の内側の面に接しやすく、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部の隙間と第2外側片部と第2内側片部の隙間に円滑に差し込むことができる。
【0020】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、
第1折れ線と第4折れ線が、正面部の底面側の辺部に対して、第1折れ線と第4折れ線が正面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第1折れ線と第4折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、第7折れ線と第10折れ線が、背面部の底面側の辺部に対して、第7折れ線と第10折れ線が背面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第7折れ線と第10折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、右開口部は、右側面部と第1外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成され、左開口部は、左側面部と第2外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成されていることを特徴とする。
【0021】
第4の構成においては、
第1折れ線と第4折れ線が、正面部の底面側の辺部に対して傾斜して形成されていて、右開口部は、右側面部と第1外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成され、左開口部は、左側面部と第2外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成されているので、右係止部が右開口部に容易に入り込み、左係止部が左開口部に容易に入り込み、右係止部と右開口部を容易に係合させ、左係止部と左開口部を容易に係合させることができる。
【0022】
また、第5には、包装箱であって、包装箱本体(5)と、蓋部(100)と、差込み片部(110)とを有し、包装箱本体が、互いに平行な一対の辺部と、該辺部と直角をなす互いに平行な一対の辺部とを有する底面部(10)と、底面部の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部(20)と、底面部の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部(30)と、底面部の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部(40)と、底面部の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面部(50)と、正面部の右側面側の辺部から第1折れ線(C21)を介して連設されるとともに右側面部の正面側の辺部から第2折れ線(C31)を介して連設された第1折込み片部で、底面部における正面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第3折れ線(C62)を介して第1折れ線側の領域である第1内側片部(62)と、第3折れ線を介して第2折れ線側の領域である第1外側片部(64)とを有し、第3折れ線を介して折り返された状態で、第1内側片部が正面部の正面側の面に接着された第1折込み片部(60)と、正面部の左側面側の辺部から第4折れ線(C22)を介して連設されるとともに左側面部の正面側の辺部から第5折れ線(C41)を介して連設された第2折込み片部で、底面部にお
ける正面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第6折れ線(C72)を介して第4折れ線側の領域である第2内側片部(72)と、第6折れ線を介して第5折れ線側の領域である第2外側片部(74)とを有し、第6折れ線を介して折り返された状態で、第2内側片部が正面部の正面側の面に接着された第2折込み片部(70)と、背面部の右側面側の辺部から第7折れ線(C51)を介して連設されるとともに右側面部の背面側の辺部から第8折れ線(C32)を介して連設された第3折込み片部で、底面部における背面側の辺部と右側面側の辺部間の角部から形成された第9折れ線(C82)を介して第7折れ線側の領域である第1片部(84)と、第9折れ線を介して第8折れ線側の領域である第2片部(82)とを有し、第9折れ線を介して折り返された状態で、第2片部が右側面部の右側面側の面に接着されるか、あるいは、第1片部が背面部の背面側の面に接着された第3折込み片部(80)と、背面部の左側面側の辺部から第10折れ線(C52)を介して連設されるとともに左側面部の背面側の辺部から第11折れ線(C42)を介して連設された第4折込み片部で、底面部における背面側の辺部と左側面側の辺部間の角部から形成された第12折れ線(C92)を介して第10折れ線側の領域である第3片部(94)と、第12折れ線を介して第11折れ線側の領域である第4片部(92)とを有し、第12折れ線を介して折り返された状態で、第4片部が左側面部の左側面側の面に接着されるか、あるいは、第3片部が背面部の背面側の面に接着された第4折込み片部(90)と、第1外側片部と右側面部の境界位置又は右側面部の第1外側片部側の端部領域に設けられ、第1外側片部と右側面部間の折れ線の方向に長穴状に形成された右開口部(K60)と、第2外側片部と左側面部の境界位置又は左側面部の第2外側片部側の端部領域に設けられ、第2外側片部と左側面部間の折れ線の方向に長穴状に形成された左開口部(K70)と、を有し、第1折れ線と第4折れ線が、正面部の底面側の辺部に対して、第1折れ線と第4折れ線が正面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第1折れ線と第4折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、第7折れ線と第10折れ線が、背面部の底面側の辺部に対して、第7折れ線と第10折れ線が背面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第7折れ線と第10折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、第2折れ線と第8折れ線が、右側面部の底面側の辺部に対して、第2折れ線と第8折れ線が右側面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第2折れ線と第8折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、第5折れ線と第11折れ線が、左側面部の底面側の辺部に対して、第5折れ線と第11折れ線が左側面部の底面側の辺部に対して鈍角をなすように傾斜し、第5折れ線と第11折れ線間の長さが底面部側から底面部とは反対側にいくに従い長くなるように形成され、第1外側片部は、第1内側片部の上端よりも上方に突出して形成され、第2外側片部は、第2内側片部よりも上方に突出して形成され、蓋部が、背面部の底面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、差込み片部が、蓋部の背面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設され、右側面側に突出した右係止部(114)と、左側面側に突出した左係止部(116)とを有し、蓋部と差込み片部間の折れ線における右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置である第1途中位置(W1)と、差込み片部の蓋部とは反対側である先端側の辺部における第1途中位置よりも左側面側の位置である第1位置(V1)との間に、第1途中位置と第1位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第1罫線(C112)が形成され、蓋部と差込み片部間の折れ線におけ
る右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置で第1途中位置よりも左側面側の位置である第2途中位置(W2)と、差込み片部の先端側の辺部における第2途中位置よりも右側面側で、第1位置よりも左側面側の位置である第2位置(V2)との間に、第2途中位置と第2位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第2罫線(C114)が形成され、第1途中位置と、差込み片部の先端側の辺部における第1途中位置から蓋部と差込み片部間の折れ線に対して略直角方向の位置である第3位置(V3)との間に、第1途中位置と第3位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第3罫線(C113)が形成され、第2途中位置と、差込み片部の先端側の辺部における第2途中位置から蓋部と差込み片部間の折れ線に対して略直角方向の位置である第4位置(V4)との間に、第2途中位置と第4位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第4罫線(C115)が形成され、蓋部の右側面側の辺部における背面部側の端部から差込み片部側の端部までの途中位置である第3途中位置(W3)と第1途中位置との間に、第3途中位置と第1途中位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第5罫線(C102)が形成され、蓋部の左側面側の辺部における背面部側の端部から差込み片部側の端部までの途中位置である第4途中位置(W4)と第2途中位置との間に、第4途中位置と第2途中位置とを結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第6罫線(C104)が形成され、第1罫線と第2罫線が、差込み片部の左右方向における中心線で蓋部と差込み片部間の折れ線と直角をなす中心線を介して左右線対称に形成され、第5罫線と第6罫線が、蓋部の左右方向における中心線で蓋部と差込み片部間の折れ線と直角をなす中心線を介して左右線対称に形成され、包装箱がシート状のブランクにより形成され、差込み片部を蓋部に対して折り曲げた状態で、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックされ、包装箱が閉状態でロックされた状態から差込み片部における第1罫線と第2罫線の間の領域である中央領域(112−1)を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部における第1罫線と第3罫線の間の領域である第1中間領域(112−2)が、中央領域に対して第1罫線を介して回動するとともに、差込み片部における第3罫線よりも右側面側の領域である第1端部領域(112−4)に対して第3罫線を介して回動し
、差込み片部における第2罫線と第4罫線の間の領域である第2中間領域(112−3)が、中央領域に対して第2罫線を介して回動するとともに、差込み片部における第4罫線よりも左側面側の領域である第2端部領域(112−5)に対して第4罫線を介して回動し、第1中間領域が回動することにより、蓋部における蓋部と差込み片部間の折れ線と第5罫線間の領域である第1角部領域(104)が、蓋部における第1角部領域と蓋部の差込み片部間の折れ線と第6罫線間の領域である第2角部領域(106)以外の領域である蓋部本体(102)に対して回動するとともに、第1端部領域が第1途中位置を中心に、正面視で右回転することにより、右係止部が右開口部から抜けて右係止部と右開口部との係合が解除され、第2中間領域が回動することにより、蓋部における蓋部と差込み片部間の折れ線と第6罫線間の領域である第2角部領域(106)が、蓋部本体(102)に対して回動するとともに、第2端部領域が第2途中位置を中心に、正面視で左回転することにより、左係止部が左開口部から抜けて左係止部と左開口部との係合が解除されることを特徴とする。
【0023】
第5の構成においては、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックすることができ、また、差込み片部は、正面部の内側には差し込まれないので、不衛生となることがない。
【0024】
また、包装箱が閉状態でロックされた状態から、差込み片部を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部が曲り変形して、右係止部と右開口部との係合が解除されるとともに左係止部と左開口部との係合が解除されるので、蓋部の開操作を容易とすることができる。
【0025】
また、蓋部と差込み片部に第1罫線〜第6罫線が設けられているので、中央領域を蓋部に対して正面上側に回動させることにより容易に蓋部の開操作を行なうことができる。
【0026】
第1折れ線と第4折れ線が、正面部の底面側の辺部に対して傾斜して形成されていて、右開口部は、右側面部と第1外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成され、左開口部は、左側面部と第2外側片部間の折れ線の方向に長穴状に形成されているので、右係止部が右開口部に容易に入り込み、左係止部が左開口部に容易に入り込み、右係止部と右開口部を容易に係合させ、左係止部と左開口部を容易に係合させることができる。
【0027】
また、第1外側片部は、第1内側片部の上端よりも上方に突出して形成され、第2外側片部は、第2内側片部よりも上方に突出して形成されているので、差込み片部が第1外側片部及び第2外側片部の内側の面に接しやすく、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部の隙間と第2外側片部と第2内側片部の隙間に円滑に差し込むことができる。
【0028】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、底面部には、底面部の正面側の辺部である第1辺部(10a)と、底面部の右側面側の辺部である第2辺部(10b)と、底面部の左側面側の辺部である第3辺部(10c)と、底面部の背面側の辺部である第4辺部(10d)における互いに相対する辺部における一方の辺部である第1対象辺部(10b)と平行に直線状の折曲げ用の第7罫線(C14)が形成され、該相対する辺部における他方の辺部である第2対象辺部(10c)と平行に直線状の折曲げ用の第8罫線(C15)が形成され、第8罫線は、第7罫線よりも第2対象辺部側に形成され、第7罫線と第1対象辺部間の長さと第8罫線と第2対象辺部間の長さは略同一に形成され、第1辺部と第2辺部間の角部である第1角部と、第7罫線上又は第7罫線の延長線上の位置で第1辺部と第2辺部と第3辺部と第4辺部からなる辺部群における第1対象辺部と第2対象辺部以外の一対の辺部である隣接辺部群の一方である第1隣接辺部(10a)から間隔を介した位置である第5位置(U1)間に第1角部と第5位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第9罫線(C16)が形成され、第2辺部と第4辺部間の角部である第2角部と、第7罫線上又は第7罫線の延長線上のの位置で隣接辺部群の他方である第2隣接辺部(10d)から間隔を介した位置である第6位置(U2)間に第2角部と第6位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第10罫線(C17)が形成され、第1辺部と第3辺部間の角部である第3角部と、第8罫線上又は第8罫線の延長線上の位置で第1隣接辺部から間隔を介した位置である第7位置(U3)間に第3角部と第7位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第11罫線(C18)が形成され、第3辺部と第4辺部間の角部である第4角部と、第8罫線上又は第8罫線の延長線上の位置で第2隣接辺部から間隔を介した位置である第8位置(U4)間に第4角部と第8位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第12罫線(C19)が形成され、第7罫線に沿った領域を押さえることにより、第7罫線と第9罫線と第10罫線を介して底面部の第1対象辺部側が湾曲し、第8罫線に沿った領域を押さえることにより、第8罫線と第11罫線と第12罫線を介して底面部の第2対象辺部側が湾曲することを特徴とする。
【0029】
第6の構成においては、蓋部に親指が接し、一方の手の中指と薬指と小指で第7罫線の箇所を押え、他方の手の中指と薬指と小指で第8罫線の箇所を押えることにより、第7罫線と第9罫線と第10罫線を介して底面部の第1対象辺部側が湾曲し、第8罫線と第11罫線と第12罫線を介して底面部の第2対象辺部側が湾曲し、包装箱を持ちやすくすることができる。
【0030】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、第1折込み片部の展開状態では、第3折れ線の底面部側とは反対側の端部である第1端部(C62−1)は、第1折れ線の底面部側とは反対側の端部と第2折れ線の底面図側とは反対側の端部を結ぶ仮想直線(L62a)よりも底面部側にあり、第1内側片部と第1外側片部の間には、第3折れ線の第1端部を底面部側の端部とする切欠き(K62)が形成され、第2折込み片部の展開状態では、第6折れ線の底面部側とは反対側の端部である第2端部(C72−1)は、第4折れ線の底面部側とは反対側の端部と第5折れ線の底面図側とは反対側の端部を結ぶ仮想直線(L72a)よりも底面部側にあり、第2内側片部と第2外側片部の間には、第6折れ線の第2端部を底面部側の端部とする切欠き(K72)が形成されていることを特徴とする。
【0031】
よって、第3折れ線の上端と第6折れ線の上端の位置を低くして、差込み片部の基端から先端までの長さが長くても第1折込み片部と第2折込み片部における隙間に差し込むことができる。
【0032】
また、第8には、上記第1から第7までのいずれかの構成において、右開口部については、包装箱本体の仮想展開状態において、第1外側片部と右側面部の境界位置又は右側面部の第1外側片部側の端部領域に開口部が設けられることにより、右開口部が設けられているか、あるいは、包装箱本体の仮想展開状態において、第1外側片部と右側面部の境界位置に、第2折れ線に両側の端部分が接する第1切込み(K61)が設けられて、第1外側片部が、該第1切込みに対応した辺部を有する第1突状部(64−1)を有し、包装箱の組立て状態では、右側面部の第1外側片部側の端部領域に、第1切込みに対応した辺部を有する開口部により右開口部が設けられ、左開口部については、包装箱本体の仮想展開状態において、第2外側片部と左側面部の境界位置又は左側面部の第2外側片部側の端部領域に開口部が設けられることにより、左開口部が設けられているか、あるいは、包装箱本体の仮想展開状態において、第2外側片部と左側面部の境界位置に、第5折れ線に両側の端部分が接する第2切込み(K71)が設けられて、第2外側片部が、該第2切込みに対応した辺部を有する第2突状部(74−1)を有し、包装箱の組立て状態では、左側面部の第2外側片部側の端部領域に、第2切込みに対応した辺部を有する開口部により左開口部が設けられていることを特徴とする。
【0033】
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、第1外側片部には、第2折れ線と第3折れ線の接点と、第1外側片部における辺部で第3折れ線の底面部側とは反対側の端部である第1端部(C62−1)よりも上側の辺部における一方の端部から他方の端部までの途中位置である第9位置(C64−1)との間に、第2折れ線と第3折れ線の接点と第9位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第13罫線(C64)が形成され、第2外側片部には、第5折れ線と第6折れ線の接点と、第2外側片部における辺部で第6折れ線の底面部側とは反対側の端部である第2端部(C72−1)よりも上側の辺部における一方の端部から他方の端部までの途中位置である第10位置(C74−1)との間に、第5折れ線と第6折れ線の接点と第10位置を結ぶ方向に直線状に折曲げ用の第14罫線(C74)が形成されていることを特徴とする。
【0034】
よって、第1外側片部を第13罫線を介して外側から見て山折りとし、第2外側片部を第14罫線を介して外側から見て山折りとすることにより、第1外側片部と第1内側片部間の隙間を広くするとともに、第2外側片部と第2内側片部間の隙間を広くして、差込み片部を差し込みやすくすることができる。
【0035】
なお、上記第9の構成において、第2折れ線と第13罫線がなす角度と第3折れ線と第13罫線がなす角度とが略同一に形成され、第5折れ線と第14罫線がなす角度と第6折れ線と第14罫線がなす角度とが略同一に形成されているものとしてもよい。これにより、隙間をより広くすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明に基づく包装箱によれば、差込み片部を第1外側片部と第1内側片部間の隙間と第2外側片部と第2内側片部間の隙間に差し込み、右係止部と右開口部が係合し、左係止部と左開口部が係合することにより、包装箱が閉状態でロックすることができ、また、差込み片部は、正面部の内側には差し込まれないので、不衛生となることがない。
【0037】
また、包装箱が閉状態でロックされた状態から、差込み片部を蓋部に対して正面上側に回動させることにより、差込み片部が曲り変形して、右係止部と右開口部との係合が解除されるとともに左係止部と左開口部との係合が解除されるので、蓋部の開操作を容易とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明においては、ウォータータイト構造の包装箱で、相対する側面部における一方の側面部から連設された蓋部が他方の側面部までカバーする包装箱において、蓋部から連設された差込み片部が側面部の内側に差し込まれない構造とすることにより不衛生となることがなく、また、蓋部の開操作が容易となる包装箱を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0040】
本発明に基づく包装箱1は、
図1〜
図8に示すように構成され、包装箱1は、包装箱本体5と、包装箱本体5から連設された蓋部100と、蓋部100から連設された差込み片部110とを有している。包装箱1は、全体に1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(例えば、薄型段ボール製)のブランクであり、厚紙製のブランク等の他の紙製のブランクでもよい)により形成されている。つまり、包装箱1は、段ボール材(特に、両面段ボール材)等の紙製の包装箱である。段ボールにおける断面略波形形状の中芯の段の方向は、
図5における円内に示す方向となっていて、折れ線C11、C12、C30、C40と平行で、折れ線C10、C13、C20、C50と直角となっている(なお、段ボールにおける中芯の段の方向はこれには限られない)。
【0041】
包装箱本体5は、底面部10と、底面部10から連設された正面部20、右側面部30、左側面部40及び背面部50と、正面部20から連設されたフラップ部22と、右側面部30から連設されたフラップ部32と、左側面部40から連設されたフラップ部42と、正面部20と右側面部30間に設けられた折込み片部60と、正面部20と左側面部40間に設けられた折込み片部70と、背面部50と右側面部30間に設けられた折込み片部80と、背面部50と左側面部40間に設けられた折込み片部90とを有している。なお、
図5〜
図8は、包装箱1の内側の面を表している。
【0042】
底面部10は、方形状を呈し、左右方向に形成された互いに平行な辺部(折れ線C10に沿った辺部(第1辺部)10aと折れ線C13に沿った辺部(第4辺部)10d)と、前後方向に形成された互いに平行な辺部(折れ線C11に沿った辺部(第2辺部)10bと折れ線C12に沿った辺部(第3辺部)10c)とを有している。底面部10は全体に略正方形状を呈しているが、厳密には、左右方向の辺部の長さが、前後方向の辺部の長さよりも長く形成された長方形状に形成されている。
【0043】
この底面部10には、折れ線C14〜C19が形成されている。折れ線C14は、底面部10の折れ線C11よりも左側面側に辺部10b(第1対象辺部)(折れ線C11としてもよい)に平行に直線状に形成され、辺部10aから辺部10dまで形成され(折れ線C14は、辺部10aと接点T1で接し、辺部10dと接点T2で接している)、折れ線C15は、底面部10の折れ線C12よりも右側面側に辺部10c(第2対象辺部)(折れ線C12としてもよい)に平行に直線状に形成され、辺部10aから辺部10dまで形成され(折れ線C15は、辺部10aと接点T3で接し、辺部10dと接点T4で接している)、折れ線C14と折れ線C11間の長さL14と折れ線C15と折れ線C12間の長さL15は同一(略同一としてもよい)に形成され、長さL14、L15は、
図14のように、蓋部100を閉じた状態で、底面部10の左右両側の端部付近に中指(人差し指でもよい)から小指の指先を接する状態とし、親指を蓋部100の左右の両側の端部付近に接する状態で包装箱1を持った際に、中指から小指の指先が折れ線C14、C15に接する長さとなっている。具体的には、長さL14、L15は、折れ線C14の位置を押さえた際に、折れ線C11と折れ線C14間の領域12が右側面部30に対して蓋部100側に傾斜し、折れ線C15の位置を押さえた際に、折れ線C12と折れ線C15間の領域14が左側面部40に対して蓋部100側に傾斜して、底面部10が蓋部100側に凹むのに十分な長さを有し、より具体的には、中指の先端から第1関節までの長さよりも短い長さとなっている。
【0044】
また、折れ線C16(第9罫線)は、底面部10の正面側で右側面側の角部(辺部10aと辺部10b間の角部(第1角部))から折れ線C10、C11に対して45度(略45度としてもよい)の角度で折れ線C14まで形成されている。折れ線C16は、折れ線C14と接点U1(第5位置)で接している。また、折れ線C17(第10罫線)は、底面部10の背面側で右側面側の角部(辺部10dと辺部10b間の角部(第2角部))から折れ線C13、C11に対して45度(略45度としてもよい)の角度で折れ線C14まで形成されている。折れ線C17は、折れ線C14と接点U2(第6位置)で接している。また、折れ線C18(第11罫線)は、底面部10の正面側で左側面側の角部(辺部10aと辺部10c間の角部(第3角部))から折れ線C10、C12に対して45度(略45度としてもよい)の角度で折れ線C15まで形成されている。折れ線C18は、折れ線C15と接点U3(第7位置)で接している。また、折れ線(第12罫線)C19は、底面部10の背面側で左側面側の角部(辺部10dと辺部10c間の角部(第4角部))から折れ線C13、C12に対して45度(略45度としてもよい)の角度で折れ線C15まで形成されている。折れ線C19は、折れ線C15と接点U4(第8位置)で接している。
【0045】
折れ線C14〜C19は、折曲げ用の罫線により形成され、具体的には、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫とすることにより、折れ線C14〜C19が包装箱1の外側から見て谷折りとなりやすいようにしている。なお、折れ線C14〜C19を包装箱1の内側の面側から押圧した押罫としてもよい。
【0046】
底面部10においては、上記のように折れ線C14〜C19が形成されているので、
図13、
図14のように、包装箱1を持った際に、折れ線C14における折れ線C16と折れ線C17間の部分(つまり、接点U1と接点U2間の部分)である折れ線(第7罫線)C14−1と、折れ線C16、C17が外側から見て谷折りとなり、折れ線C15における折れ線C18と折れ線C19間の部分(つまり、接点U3と接点U4間の部分)である折れ線(第8罫線)C15−1と、折れ線C18、C19が外側から見て谷折りとなって、底面部10が凹んだ状態となり、包装箱1を持ちやすくすることができる。
【0047】
なお、接点U1は、折れ線C14(折れ線C14−1としてもよい)上の位置で辺部10aと辺部10bと辺部10cと辺部10dからなる辺部群における辺部10b、10c以外の一対の辺部である隣接辺部群の一方である辺部10a(第1隣接辺部)から間隔を介した位置にあり、接点U2は、折れ線C14(折れ線C14−1としてもよい)上の位置で隣接辺部群の他方である辺部10d(第2隣接辺部)から間隔を介した位置にあり、接点U3は、折れ線C15(折れ線C15−1としてもよい)上の位置で隣接辺部群の一方である辺部10a(第1隣接辺部)から間隔を介した位置にあり、接点U4は、折れ線C15(折れ線C15−1としてもよい)上の位置で隣接辺部群の他方である辺部10d(第2隣接辺部)から間隔を介した位置にある。
【0048】
また、正面部20は、底面部10の正面側の辺部から折れ線C10を介して連設され、底面部10から離れるに従い横方向の長さが長くなる台形形状(等脚台形形状)となっている。つまり、角度α20と角度α22は同一となっている。
【0049】
また、フラップ部22は、正面部20の底面部10とは反対側の辺部から折れ線C20を介して連設され、正面部20から離れるに従い横方向の長さが短くなる台形形状(等脚台形形状)となっており、折れ線C20に沿った辺部と該辺部から連設された辺部(折れ線C20の方向に対して傾斜した直線状の辺部)間の角度は45度(略45度としてもよい)となっている。
【0050】
また、右側面部30は、底面部10の右側面側の辺部から折れ線C11を介して連設され、底面部10から離れるに従い横方向の長さが長くなる台形形状(等脚台形形状)となっている。つまり、角度α30と角度α32は同一となっている。また、角度α30、α32は、角度α20、α22と同一となっている。
【0051】
また、フラップ部32は、右側面部30の底面部10とは反対側の辺部から折れ線C30を介して連設され、右側面部30から離れるに従い横方向の長さが短くなる略台形形状となっている。つまり、フラップ部32の正面側の直線状の辺部は、折れ線C30に沿った辺部に対して45度(略45度としてもよい)に傾斜し、フラップ部32の背面側の直線状の辺部は、折れ線C30に沿った辺部に対して直角(略直角としてもよい)をなし、該背面側の直線状の辺部とフラップ部32の先端側の直線状の辺部間には、略円弧状のアールが形成されている。
【0052】
また、左側面部40は、底面部10の左側面側の辺部から折れ線C12を介して連設され、包装箱1の展開状態において、右側面部30と前後方向の中心線を介して左右線対称に形成されている。つまり、左側面部40は、底面部10から離れるに従い横方向の長さが長くなる台形形状(等脚台形形状)となっている。つまり、角度α40と角度α42は同一であり、角度α40、α42は、角度α20、α22と同一となっている。
【0053】
また、フラップ部42は、左側面部40の底面部10とは反対側の辺部から折れ線C40を介して連設され、包装箱1の展開状態において、フラップ部32と前後方向の中心線を介して左右線対称に形成されている。つまり、フラップ部42は、左側面部40から離れるに従い横方向の長さが短くなる略台形形状となっている。つまり、フラップ部42の正面側の直線状の辺部は、折れ線C40に沿った辺部に対して45度(略45度としてもよい)に傾斜し、フラップ部42の背面側の直線状の辺部は、折れ線C40に沿った辺部に対して直角(略直角としてもよい)をなし、該背面側の直線状の辺部とフラップ部42の先端側の直線状の辺部間には、略円弧状のアールが形成されている。
【0054】
また、背面部50は、底面部10の背面側の辺部から折れ線C13を介して連設され、包装箱1の展開状態において、正面部20と左右方向の中心線を介して前後線対称に形成されている。つまり、背面部50は、底面部10から離れるに従い横方向の長さが長くなる台形形状(等脚台形形状)となっていて、角度α50と角度α52は同一であり、角度α50、α52は、角度α20、α22と同一となっている。
【0055】
また、折込み片部(第1折込み片部)60は、正面部20の右側面側の辺部から折れ線(第1折れ線)C21を介して連設された内側片部62と、右側面部30の正面側の辺部から折れ線(第2折れ線)C31を介して連設された外側片部64とを有し、内側片部62と外側片部64は、直線状の折れ線(第3折れ線)C62を介して連設されている。つまり、折込み片部60は、折れ線C62を介して、内側片部62と外側片部64に区画され、折れ線C62を介して折れ線C21側の領域が内側片部62であり、折れ線C62を介して折れ線C31側の領域が外側片部64である。折れ線C62の下端は、折れ線C21と折れ線C31の接点P1(この接点P1は、折れ線C10と折れ線C11の接点の位置にある)に位置する。つまり、折れ線C62は、底面部10における辺部10aと辺部10bの角部から形成されている。折れ線C21と折れ線C62間の角度α62と折れ線C31と折れ線C62間の角度α64は同一となっている。
【0056】
ここで、内側片部(第1内側片部)62は、折れ線C21に沿った辺部と、折れ線C21に沿った辺部の上端P2から連設された直線状の辺部62aと、辺部62aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部62bと、辺部62bの端部から連設された直線状の辺部62cと、辺部62cの端部から連設され、折れ線C62に沿った直線状の辺部とにより囲まれた形状を呈している。ここで、辺部62aは、包装箱1の展開状態において、折れ線C21に沿った辺部の上端P2と折れ線C31に沿った辺部の上端P3を結ぶ直線(仮想直線)L62a上に形成され、辺部62aの延長線は、上端P3に接する。また、辺部62bは、辺部62aの端部から折れ線C62の上端側に向けてカーブして形成されている。折れ線C62の延長線は、直線L62aと直角に交わる。なお、折れ線C21は、包装箱1の外側から見て谷折りとなるので、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0057】
また、外側片部(第1外側片部)64は、折れ線C31に沿った辺部と、折れ線C31に沿った辺部の上端P3から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部64aと、辺部64aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部64bと、辺部64bの端部から連設された直線状の辺部64cと、辺部64cの端部から連設され、折れ線C62に沿った直線状の辺部とにより囲まれた形状を呈している。ここで、折れ線C31の上端から下端までの途中位置(具体的には、上端近くの位置)には折れ線C31の方向に沿って細長の開口部K60が設けられているので、外側片部64における折れ線C31に沿った辺部は、厳密には、折れ線C31の下端から折れ線C31に沿った直線状の第1構成辺部(右第1構成辺部)と、第1構成辺部の上端から連設され、開口部K60に沿った第2構成辺部(右第2構成辺部)と、第2構成辺部の上端から連設され、折れ線C31に沿った直線状の第3構成辺部(右第3構成辺部)により形成されているといえる。また、包装箱1の展開状態において、辺部64aの上端P3の位置における接線は折れ線C30の方向であり、包装箱1の組立て状態(
図1、
図2の状態)の正面視において、辺部64aは、辺部64bに向けて左側にカーブするように形成されている。辺部64bも同様に折れ線C62の上端に向けて左側にカーブするように形成されている。なお、辺部64aの円弧状の曲率は、辺部64bの円弧状の曲率よりも大きく形成されている。
【0058】
なお、包装箱1の展開状態において、外側片部64は、上端P2と上端P3を結ぶ直線L62aよりも外側に突出して形成されており、包装箱1を組み立てた状態(すなわち、折込み片部60を二つ折りにした状態)では、正面視において、外側片部64は、内側片部62の辺部62a(つまり、内側片部62の上端)よりも上方に突出して形成され、具体的には、包装箱1の展開状態において、外側片部64の直線L62aよりも外側の領域である突出部64Aが、折込み片部60の二つ折りの状態において内側片部62よりも上方に突出する。このように、外側片部64が内側片部62よりも上方に突出しているので、差込み片部110を外側片部64と内側片部62間の隙間に差し込む際に、差込み片部110の先端が外側片部64の突出部64Aの内側の面に接した状態で差込み片部110を差し込むことになり、差込み片部110が円滑に外側片部64と内側片部62間の隙間に差し込まれる。なお、差込み片部110は、蓋部100に対して折り曲げた状態で折込み片部60の隙間に差し込まれるが、差込み片部110は、蓋部100に対して折り曲げた状態から復帰しようとするので、差込み片部110の先端は、外側片部64の内側の面に接しやすい。
【0059】
また、折込み片部60の内側片部62が正面部20に接着された状態では、二つ折りにされた折込み片部60はもとの平板状の状態に復帰しようとして、外側片部64と内側片部62間の隙間SKが広く設けられるので、その点でも、差込み片部110を外側片部64と内側片部62間の隙間に差し込みやすいといえる。
【0060】
また、外側片部64には、折れ線(第13罫線)C64が形成されており、この折れ線C64は、折れ線C31と折れ線C62の接点(この接点は、折れ線C21と折れ線C31の接点P1の位置にある)から直線状に形成され、折れ線C64の他方の端部C64−1は、辺部64a(外側片部64における折れ線C62の底面部10側とは反対側の端部である端部(第1端部)C62−1よりも上側の辺部(つまり、辺部64aと辺部64bと辺部64cからなる辺部としてもよい)(外側片部64における内側片部62の上端よりも上方に突出した部分(
図6における直線L62aよりも外側の部分)における辺部としてもよい))における一方の端部から他方の端部までの途中位置に位置する。該一方の端部は、端部C62−1と上端P3の一方であり、該他方の端部は、端部C62−1と上端P3の他方である。折れ線C64と折れ線C62間の角度α65と折れ線C64と折れ線C31間の角度α66と略同一(同一としてもよい)であるが、厳密には、角度α65が角度α66よりも大きく形成されている。折れ線C64を介して、外側片部64が外側から見てわずかに山折りに形成されて、外側片部64と内側片部62間の隙間を広くするようにしている。特に、角度α65と角度α66を略同一とすることにより、隙間を広くできる。なお、折れ線C64は、包装箱1の内側の面側から押圧した押罫により形成されており、これにより外側片部64を外側から見て山折りとしやすくしている。
【0061】
また、外側片部64と右側面部30の境界位置には、該境界位置に沿って開口部(右開口部)K60が形成され、該境界位置における上端に近い位置に開口部K60が形成されている。つまり、折れ線C31の位置(厳密には、折れ線C31の延長線上の位置)に形成され、開口部K60は、折れ線C31の方向に沿って長穴状(帯状としてもよい)を呈し、開口部K60の右側面側の辺部K60aと外側片部64側の辺部K60bとは、折れ線C31の延長線(開口部K60の位置を通る延長線)を挟んで両側に位置している。また、開口部K60の上側と下側には折れ線C31があり、折れ線C31が開口部K60よりも上側の折れ線C31−1と開口部K60よりも下側の折れ線C31−2とから構成される(折れ線C31−1と折れ線C31−2は同一直線上にある)と考えると、開口部K60は、折れ線C31−1と折れ線C31−2の間の位置にあるといえる。
【0062】
包装箱1の組立て状態においては、この折込み片部60は、折れ線C62を介して折り曲げられて二つ折り(つまり、折り返された状態)とされ、内側片部62が正面部20の外側の面に接着されている。具体的には、内側片部62の全面が正面部20の外側の面に接着されている。
【0063】
また、折込み片部(第2折込み片部)70は、正面部20の左側面側の辺部から折れ線(第4折れ線)C22を介して連設された内側片部72と、左側面部40の正面側の辺部から折れ線(第5折れ線)C41を介して連設された外側片部74とを有し、内側片部72と外側片部74は、直線状の折れ線(第6折れ線)C72を介して連設されている。つまり、折込み片部70は、折れ線C72を介して、内側片部72と外側片部74に区画され、折れ線C72を介して折れ線C22側の領域が内側片部62であり、折れ線C72を介して折れ線C41側の領域が外側片部74である。折れ線C72の下端は、折れ線C22と折れ線C41の接点Q1(この接点Q1は、折れ線C10と折れ線C12の接点の位置にある)に位置する。つまり、折れ線C72は、底面部10における辺部10aと辺部10cの角部から形成されている。折れ線C22と折れ線C72間の角度α72と折れ線C41と折れ線C72間の角度α74は同一となっている。
【0064】
折込み片部70は、包装箱1の展開状態において、折込み片部60と前後方向の中心線を介して左右線対称に形成されていて、内側片部72は、内側片部62と線対称に形成されていて、内側片部72を構成する各辺部は、内側片部62における対応する辺部と線対称に形成され、また、外側片部74は、外側片部64と線対称に形成されていて、外側片部74を構成する各辺部は、外側片部64における対応する辺部と線対称に形成されている。
【0065】
ここで、内側片部(第2内側片部)72は、折れ線C22に沿った辺部と、折れ線C22に沿った辺部の上端Q2から連設された直線状の辺部72aと、辺部72aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部72bと、辺部72bの端部から連設された直線状の辺部72cと、辺部72cの端部から連設され、折れ線C72に沿った直線状の辺部とにより囲まれた形状を呈している。ここで、辺部72aは、包装箱1の展開状態において、折れ線C22に沿った辺部の上端Q2と折れ線C41に沿った辺部の上端Q3を結ぶ直線(仮想直線)L72a上に形成され、辺部72aの延長線は、上端Q3に接する。また、辺部72bは、辺部72aの端部から折れ線C72の上端側に向けてカーブして形成されている。折れ線C72の延長線は、直線L72aと直角に交わる。なお、折れ線C22は、包装箱1の外側から見て谷折りとなるので、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0066】
また、外側片部(第2外側片部)74は、折れ線C41に沿った辺部と、折れ線C41に沿った辺部の上端Q3から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部74aと、辺部74aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の辺部74bと、辺部74bの端部から連設された直線状の辺部74cと、辺部74cの端部から連設され、折れ線C72に沿った直線状の辺部とにより囲まれた形状を呈している。ここで、折れ線C41の上端から下端までの途中位置(具体的には、上端近くの位置)には折れ線C41の方向に沿って細長の開口部K70が設けられているので、外側片部74における折れ線C41に沿った辺部は、厳密には、折れ線C41の下端から折れ線C41に沿った直線状の第1構成辺部(左第1構成辺部)と、第1構成辺部の上端から連設され、開口部K70に沿った第2構成辺部(左第2構成辺部)と、第2構成辺部の上端から連設され、折れ線C41に沿った直線状の第3構成辺部(左第3構成辺部)により形成されているといえる。また、包装箱1の展開状態において、辺部74aの上端Q3の位置における接線は折れ線C40の方向であり、包装箱1の組立て状態(
図1の状態)の正面視において、辺部74aは、辺部74bに向けて右側にカーブするように形成されている。辺部74bも同様に折れ線C72の上端に向けて右側にカーブするように形成されている。なお、辺部74aの円弧状の曲率は、辺部74bの円弧状の曲率よりも大きく形成されている。
【0067】
なお、包装箱1の展開状態において、外側片部74は、上端Q2と上端Q3を結ぶ直線L72aよりも外側に突出して形成されており、包装箱1を組み立てた状態(すなわち、折込み片部70を二つ折りにした状態)では、正面視において、外側片部74は、内側片部72の辺部72a(つまり、内側片部72の上端)よりも上方に突出して形成され、具体的には、包装箱1の展開状態において、外側片部74の直線L72aよりも外側の領域である突出部74Aが、折込み片部70の二つ折りの状態において内側片部72よりも上方に突出する。このように、外側片部74が内側片部72よりも上方に突出しているので、差込み片部110を外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込む際に、差込み片部110の先端が外側片部74の突出部74Aの内側の面に接した状態で差込み片部110を差し込むことになり、差込み片部110が円滑に外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込まれる。なお、差込み片部110は、蓋部100に対して折り曲げた状態で折込み片部70の隙間に差し込まれるが、差込み片部110は、蓋部100に対して折り曲げた状態から復帰しようとするので、差込み片部110の先端は、外側片部74の内側の面に接しやすい。
【0068】
また、折込み片部70の内側片部72が正面部20に接着された状態では、二つ折りにされた折込み片部70はもとの平板状の状態に復帰しようとして、外側片部74と内側片部72間の隙間が広く設けられるので、その点でも、差込み片部110を外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込みやすいといえる。なお、
図4は、
図3においてJの方向から視認した場合の要部斜視図(特に、折込み片部60を表した要部斜視図)であるが、Jの方向から視認した場合の要部斜視図で折込み片部70を表した要部斜視図は、
図4に対して左右対称に表れる。
【0069】
また、外側片部74には、折れ線(第14罫線)C74が形成されており、この折れ線C74は、折れ線C41と折れ線C72の接点(この接点は、折れ線C22と折れ線C41の接点Q1の位置にある)から直線状に形成され、折れ線C74の他方の端部C74−1は、辺部74a(外側片部74における折れ線C72の底面部10側とは反対側の端部である端部(第2端部)C72−1よりも上側の辺部(つまり、辺部74aと辺部74bと辺部74cからなる辺部としてもよい)(外側片部74における内側片部72の上端よりも上方に突出した部分(
図6における直線L72aよりも外側の部分)における辺部としてもよい))における一方の端部から他方の端部までの途中位置に位置する。該一方の端部は、端部C72−1と上端Q3の一方であり、該他方の端部は、端部C72−1と上端Q3の他方である。折れ線C74と折れ線C72間の角度α75と折れ線C74と折れ線C41間の角度α76と略同一(同一としてもよい)であるが、厳密には、角度α75が角度α76よりも大きく形成されている。折れ線C74を介して、外側片部74が外側から見てわずかに山折りに形成されて、外側片部74と内側片部72間の隙間を広くするようにしている。特に、角度α75と角度α76を略同一とすることにより、隙間を広くできる。なお、折れ線C74は、包装箱1の内側の面側から押圧した押罫により形成されており、これにより外側片部74を外側から見て山折りとしやすくしている。
【0070】
また、外側片部74と左側面部40の境界位置には、該境界位置に沿って開口部(左開口部)K70が形成され、該境界位置における上端に近い位置に開口部K70が形成されている。つまり、折れ線C41の位置(厳密には、折れ線C41の延長線上の位置)に形成され、開口部K70は、折れ線C41の方向に沿って長穴状(帯状としてもよい)を呈し、開口部K70の左側面側の辺部K70aと外側片部74側の辺部K70bとは、折れ線C41の延長線(開口部K70の位置を通る延長線)を挟んで両側に位置している。また、開口部K70の上側と下側には折れ線C41があり、折れ線C41が開口部K70よりも上側の折れ線C41−1と開口部K70よりも下側の折れ線C41−2とから構成される(折れ線C41−1と折れ線C41−2は同一直線上にある)と考えると、開口部K70は、折れ線C41−1と折れ線C41−2の間の位置にあるといえる。
【0071】
包装箱1の組立て状態においては、この折込み片部70は、折れ線C72を介して折り曲げられて二つ折り(つまり、折り返された状態)とされ、内側片部72が正面部20の外側の面に接着されている。具体的には、内側片部72の全面が正面部20の外側の面に接着されている。
【0072】
また、包装箱1の組立て状態において、折れ線C62の上端(厳密には、折れ線C62の上端位置に対応する正面部20における位置)から正面部20の上辺までの長さ(最短長さ)(正面部20の正面側の面に沿った長さ)L20は、差込み片部110の辺部110c−1と折れ線C100間の長さL110よりも長く形成され、折れ線C72の上端(厳密には、折れ線C72の上端位置に対応する正面部20における位置)から正面部20の上辺までの長さ(最短長さ)(正面部20の正面側の面に沿った長さ)L20は、差込み片部110の辺部110c−1と折れ線C100間の長さL110よりも長く形成されていて、差込み片部110を折込み片部60における外側片部64と内側片部62間の隙間と折込み片部70における外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込み、差込み片部110を最下端まで差し込んだ場合でも、折れ線C62、C72の上端と差込み片部110の辺部110c−1との間には、間隔L150が設けられる。
【0073】
なお、折込み片部60の展開状態において、折れ線C62の底面部10側とは反対側の端部である端部(第1端部)C62−1は、直線L62aよりも底面部10側にあり、内側片部62と外側片部64の間には、折れ線C62の底面部10側とは反対側の端部C62−1を底面部10側の端部とする切欠きK62が形成され、また、折込み片部70の展開状態において、折れ線C72の底面部10側とは反対側の端部である端部(第2端部)C72−1は、直線L72aよりも底面部10側にあり、内側片部72と外側片部74の間には、折れ線C72の底面部10側とは反対側の端部C72−1を底面部10側の端部とする切欠きK72が形成されている。このように、切欠きK62、K72が形成されていることにより、折れ線C62の上端(端部C62−1)と折れ線C72の上端(端部C72−1)の位置を低くし、長さL20を長く確保することができ、差込み片部110の基端から先端までの長さが長くても折込み片部60、70における隙間に差し込むことができる。
【0074】
また、包装箱1の組立て状態においては、開口部K60が外側片部64と右側面部30の境界位置に沿って形成され、開口部K70が外側片部74と左側面部40の境界位置に沿って形成されているので、開口部K60、K70は、下方にいくほど内側となるように形成され、開口部K60と開口部K70間の横方向の距離は、下方にいくほど短くなる。
【0075】
また、折込み片部(第3折込み片部)80は、右側面部30の背面側の辺部から折れ線(第8折れ線)C32を介して連設された内側片部82と、背面部50の右側面側の辺部から折れ線(第7折れ線)C51を介して連設された外側片部84とを有し、内側片部82と外側片部84は、直線状の折れ線(第9折れ線)C82を介して連設されている。つまり、折込み片部80は、折れ線C82を介して、内側片部82と外側片部84に区画され、折れ線C82を介して折れ線C32側の領域が内側片部82であり、折れ線C82を介して折れ線C51側の領域が外側片部84である。折れ線C82の下端は、折れ線C51と折れ線C32の接点R1(この接点R1は、折れ線C11と折れ線C13の接点の位置にある)に位置する。つまり、折れ線C82は、底面部10における辺部10dと辺部10bの角部から形成されている。折れ線C32と折れ線C82間の角度α82と折れ線C51と折れ線C82間の角度α84は同一となっている。
【0076】
ここで、内側片部(第2片部)82は、折れ線C32に沿った辺部と、折れ線C32に沿った辺部の上端R3から連設された直線状の辺部82aと、辺部82aの端部から連設され、折れ線C82に沿った辺部とにより囲まれた形状を呈している。辺部82aと折れ線C82に沿った辺部は直角をなすので、内側片部82は直角三角形である。なお、折れ線C32は、包装箱1の外側から見て谷折りとなるので、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0077】
また、外側片部(第1片部)84は、折れ線C51に沿った辺部と、折れ線C51に沿った辺部の上端R2から連設された直線状の辺部84aと、辺部84aの端部から連設され、折れ線C82に沿った辺部とにより囲まれた形状を呈している。辺部84aと折れ線C82に沿った辺部は直角をなすので、外側片部84は直角三角形である。包装箱1の展開状態において、辺部82aと辺部84aは同一直線状に形成されている。
【0078】
包装箱1の組立て状態においては、この折込み片部80は、折れ線C82を介して折り曲げられて二つ折り(つまり、折り返された状態)とされ、内側片部82が右側面部30の外側の面に接着されている。具体的には、内側片部82の全面が右側面部30の外側の面に接着されている。
【0079】
また、折込み片部(第4折込み片部)90は、左側面部40の背面側の辺部から折れ線(第11折れ線)C42を介して連設された内側片部92と、背面部50の左側面側の辺部から折れ線(第10折れ線)C52を介して連設された外側片部94とを有し、内側片部92と外側片部94は、直線状の折れ線(第12折れ線)C92を介して連設されている。つまり、折込み片部90は、折れ線C92を介して、内側片部92と外側片部94に区画され、折れ線C92を介して折れ線C42側の領域が内側片部92であり、折れ線C92を介して折れ線C52側の領域が外側片部94である。折れ線C92の下端は、折れ線C52と折れ線C42の接点S1(この接点S1は、折れ線C12と折れ線C13の接点の位置にある)に位置する。つまり、折れ線C92は、底面部10における辺部10dと辺部10cの角部から形成されている。折れ線C42と折れ線C92間の角度α92と折れ線C52と折れ線C92間の角度α94は同一となっている。
【0080】
ここで、内側片部(第4片部)92は、折れ線C42に沿った辺部と、折れ線C42に沿った辺部の上端S3から連設された直線状の辺部92aと、辺部92aの端部から連設され、折れ線C92に沿った辺部とにより囲まれた形状を呈している。辺部92aと折れ線C92に沿った辺部は直角をなすので、内側片部92は直角三角形である。折れ線C42は、包装箱1の外側から見て谷折りとなるので、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0081】
また、外側片部(第3片部)94は、折れ線C52に沿った辺部と、折れ線C52に沿った辺部の上端S2から連設された直線状の辺部94aと、辺部94aの端部から連設され、折れ線C92に沿った辺部とにより囲まれた形状を呈している。辺部94aと折れ線C92に沿った辺部は直角をなすので、外側片部94は直角三角形である。包装箱1の展開状態において、辺部92aと辺部94aは同一直線状に形成されている。
【0082】
包装箱1の組立て状態においては、この折込み片部90は、折れ線C92を介して折り曲げられて二つ折り(つまり、折り返された状態)とされ、内側片部92が左側面部40の外側の面に接着されている。具体的には、内側片部92の全面が左側面部40の外側の面に接着されている。
【0083】
包装箱1の組立て状態においては、包装箱本体5における側面(つまり、正面部20と右側面部30と左側面部40と背面部50)は、下端から上端に向けて外側に傾斜して形成され、正面部20と背面部50間の間隔は上方に行くほど長く形成され、右側面部30と左側面部40間の間隔は上方に行くほど長く形成されている。つまり、包装箱本体5における側面は、テーパ状に形成されている。
【0084】
包装箱本体5においては、折込み片部60、70、80、90が設けられていることにより、ウォータータイト構造となっている。
【0085】
また、蓋部100は、方形状を呈し、左右方向に対する直角方向形成された互いに平行な辺部100a、100bと、左右方向に形成された互いに平行な辺部(折れ線C50に沿った辺部と折れ線C100に沿った辺部)とを有している。底面部10は全体に略正方形状を呈しているが、厳密には、左右方向の辺部の長さが、前後方向の辺部の長さよりも長く形成された長方形状に形成されている。
【0086】
この蓋部100の先端側の左右の角部には、折れ線C102、C104が形成されている。折れ線(第5罫線)C102は、辺部100aにおける差込み片部110側の端部から背面部50側の端部までに途中位置(第3途中位置)である接点W3(具体的には、差込み片部110側の位置)と折れ線C100に沿った辺部における右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置(第1途中位置)である接点W1(具体的には、右側面側の位置)の間に直線状に形成され(つまり、接点W3から接点W1まで直線状に形成されている)、折れ線C102と折れ線C100とがなす角度(鋭角)は45度(約45度としてもよい)となっている。折れ線(第6罫線)C104は、辺部100bにおける差込み片部110側の端部から背面部50側の端部までに途中位置(第4途中位置)である接点W4(具体的には、差込み片部110側の位置)と折れ線C100に沿った辺部における左側面側の端部から右側面側の端部までの途中位置(第2途中位置)である接点W2(具体的には、左側面側の位置)の間に直線状に形成され(つまり、接点W4から接点W2まで直線状に形成されている)、折れ線C104と折れ線C100とがなす角度(鋭角)は45度(約45度としてもよい)となっている。つまり、折れ線C102は、蓋部100の先端側の右側面側の角部に折れ線C100及び辺部100aに対して傾斜して形成され、折れ線C104は、蓋部100の先端側の左側面側の角部に折れ線C100及び辺部100bに対して傾斜して形成されている。折れ線C102は、辺部100aと接点W3で接し、折れ線C104は、辺部100bと接点W4で接している。折れ線C102と折れ線C104は、蓋部100の左右方向における中心線(折れ線C100と直角をなす中心線)を介して左右線対称に形成されている。
【0087】
蓋部100には、折れ線C102と折れ線C104が形成されているので、蓋部100は、蓋部100における右側面側の辺部と折れ線C100に沿った辺部と折れ線C102により囲まれた三角形状の領域である角部領域(第1角部領域)104と、蓋部100における左側面側の辺部と折れ線C100に沿った辺部と折れ線C104により囲まれた三角形状の領域である角部領域(第2角部領域)106と、蓋部100における角部領域104、106以外の領域である蓋部本体102とに区画される。
【0088】
また、差込み片部110は、蓋部100の先端側(背面部50側とは反対側)の辺部から折れ線C100を介して連設され、差込み片部110は、蓋部100から連設された差込み片部本体112と、差込み片部本体112の右側面側の端部から連設された係止部114と、差込み片部本体112の左側面側の端部から連設された係止部116とを有している。
【0089】
ここで、差込み片部本体112は、折れ線C100に沿った直線状の辺部と、該辺部の右側面側の端部から連設された直線状の辺部110aと、該辺部の左側面側の端部から連設された直線状の辺部110bと、係止部114の辺部の端部(辺部110a側とは反対側の端部)と係止部116の辺部の端部(辺部110b側とは反対側の端部)間に形成された辺部110cとを有している。辺部110aと辺部110bとは、折れ線C100に沿った辺部に対して傾斜して形成され、辺部110aと辺部110b間の長さは、差込み片部110の先端側にいくほど短くなるように形成されていて、辺部110aと辺部110bとはテーパ状を呈している。辺部110aと折れ線C100間の角度α110は、折れ線C20と折れ線C21間の角度α24と略同一(同一としてもよい)であり、辺部110bと折れ線C100間の角度α112は、折れ線C20と折れ線C22間の角度α26と略同一(同一としてもよい)である。また、辺部110cは、折れ線C100と平行な辺部110c−1と、辺部110c−1の右側面側の端部から蓋部100側に折曲した直線状の辺部110c−2と、辺部110c−1の左側面側の端部から蓋部100側に折曲した直線状の辺部110c−3とを有し、辺部110c−2は係止部114の辺部に連設され、辺部110c−3は係止部116の辺部に連設されている。
【0090】
また、係止部(右係止部)114は、辺部110aから連設され、折れ線C100と平行な直線状の辺部114aと、辺部114aの端部から連設され、辺部110aの方向と平行な直線状の辺部114bと、辺部114bの端部から連設され、辺部110c−2の端部まで形成された略円弧状の(円弧状としてもよい)辺部114cとを有し、係止部114と差込み片部本体112の境界は、辺部110aの延長線(
図8では、一点鎖線で表されている)であるといえる。辺部114cは、辺部114bと辺部110c−2の角部におけるアールを形成している。
【0091】
また、係止部(左係止部)116は、辺部110bから連設され、折れ線C100と平行な直線状の辺部116aと、辺部116aの端部から連設され、辺部110bの方向と平行な直線状の辺部116bと、辺部116bの端部から連設され、辺部110c−3の端部まで形成された略円弧状の(円弧状としてもよい)辺部116cとを有し、係止部116と差込み片部本体112の境界は、辺部110bの延長線(
図8では、一点鎖線で表されている)であるといえる。辺部116cは、辺部116bと辺部110c−3の角部におけるアールを形成している。
【0092】
差込み片部110の左右方向の長さは、差込み片部110を折込み片部60における外側片部64と内側片部62間の隙間と折込み片部70における外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込むことができるとともに、差込み片部110を最下端まで差し込んだ状態では、係止部114が開口部K60から外部に突出して係止部114が開口部K60に係止するとともに、係止部116が開口部K70から外部に突出して係止部116が開口部K70に係止する。なお、差込み片部110を最下端まで差し込んだ状態では、フラップ部22が蓋部100の下面に沿って蓋部100の下面に接した状態となり、係止部114が開口部K60に係止した状態では、具体的には、係止部114の辺部114aと開口部K60の上端が係合し、係止部116が開口部K70に係止した状態では、具体的には、係止部116の辺部116aと開口部K70の上端とが係合する。
【0093】
また、差込み片部110には、折れ線C112、C113、C114、C115が設けられている。折れ線(第1罫線)C112は、折れ線C100と折れ線C102の接点W1から辺部110cまで左右方向で内側に向けて(つまり、折れ線C100に対する直角方向に対して傾斜して)直線状に形成され、折れ線(第3罫線)C113は、接点W1から折れ線C100に対して直角方向に辺部110cまで直線状に形成され、折れ線(第2罫線)C114は、折れ線C100と折れ線C104の接点W2から辺部110cまで左右方向で内側に向けて(つまり、折れ線C100に対する直角方向に対して傾斜して)直線状に形成され、折れ線(第4罫線)C115は、接点W2から折れ線C100に対して直角方向に辺部110cまで直線状に形成されている。折れ線C112と折れ線C114は、差込み片部110の左右方向における中心線(折れ線C100と直角をなす中心線)を介して左右線対称に形成されている。
【0094】
折れ線C112は、辺部110cと接点(第1位置)V1において接し、折れ線C113は、辺部110cと接点(第3位置)V3において接し、折れ線C114は、辺部110cと接点(第2位置)V2において接し、折れ線C115は、辺部110cと接点(第4位置)V4において接している。
【0095】
包装箱1の展開状態において、折れ線C112は、折れ線C102の延長線上に形成され(つまり、折れ線C112と折れ線C102とは、全体に1本の直線状の折れ線を形成している)、折れ線C114は、折れ線C104の延長線上に形成されている(つまり、折れ線C114と折れ線C104とは、全体に1本の直線状の折れ線を形成している)。
【0096】
差込み片部本体112に折れ線C112〜C115が設けられることにより、差込み片部本体112は、折れ線C112と折れ線C114間の中央領域112−1と、折れ線C112と折れ線C113間の中間領域(第1中間領域)112−2と、折れ線C114と折れ線C115間の中間領域(第2中間領域)112−3と、折れ線C113よりも右側面側の端部領域112−4(第1端部領域)と、折れ線C115よりも左側面側の端部領域(第2端部領域)112−5とに区画されている。
【0097】
なお、折れ線C112、C114の形成位置については、
図12に示すように、差込み片部110を折込み片部60、70に差し込んで係止部114、116を開口部K60、K70に係止させることにより包装箱1(蓋部100としてもよい)を閉状態でロックした際に、正面視において、折れ線C112、C114が折込み片部60、70により隠れずに折れ線C112、C114の全体を視認できる位置に折れ線C112、C114が形成され(つまり、折れ線C112の正面側に折込み片部60が存在せず、折れ線C114の正面側に折込み片部70が存在しない)、これにより、蓋部110を開ける際に、中央領域112−1を正面側に引くことにより、折れ線C112が包装箱1の外側からみて山折りとなるのに折込み片部60が邪魔となることがなく、折れ線C114が包装箱1の外側からみて山折りとなるのに折込み片部70が邪魔になることがない。
【0098】
折れ線C113、C115は、
図12に示すように、その上端部分を除いて、折込み片部60、70の背面側に位置しているが、蓋部110を開ける際に、中央領域112−1を正面側に引くことにより、折れ線C112、C114が外側から山折りとなり、折れ線C113、C115が外側から谷折りとなって、中間領域112−2が折れ線C113を回動中心として正面側に回動し、中間領域112−3が折れ線C115を回動中心として正面側に回動し、中間領域112−2が正面側に回動する際に、外側片部64を正面側に押して外側片部64と内側片部62間の隙間を広げるので、差込み片部110(特に、端部領域112−4及び係止部114)を外側片部64と内側片部62間の隙間から抜けやすくし、中間領域112−3が正面側に回動する際に、外側片部74を正面側に押して外側片部74と内側片部72間の隙間を広げるので、差込み片部110(特に、端部領域112−5及び係止部116)を外側片部74と内側片部72間の隙間から抜けやすくしている。
【0099】
なお、包装箱1を使用する前の状態(これを初期状態とする)においては、
図1〜
図3に示すように、折れ線C50と、折れ線C100と、折れ線C102と、折れ線C104と、折れ線C112〜C115を介して折曲されておらず、背面部50と蓋部100と差込み片部110は、全体に1枚の平板状を呈している。つまり、初期状態では、蓋部100は包装箱本体5に対して開いた状態となっている。
【0100】
また、包装箱1の初期状態では、
図1〜
図3に示すように、折れ線C20、C30、C40を介して折曲されておらず、正面部20とフラップ部22は全体に1枚の平板状を呈し、右側面部30とフラップ部32は全体に1枚の平板状を呈し、左側面部40とフラップ部42は全体に1枚の平板状を呈している。
【0101】
さらに、包装箱1の初期状態では、底面部10は折れ線C14〜C19を介して折曲されておらず、底面部10は全体に1枚の平板状を呈している。
【0102】
なお、折れ線C102、C104、C112、C113、C114、C115は、折曲げ用の罫線により形成され、具体的には、包装箱1の内側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0103】
包装箱1における各折れ線には折れ線に沿って罫線が形成されているが、上記のように、折れ線C14〜C19、C21、C22、C32、C42は、包装箱1の外側の面側から押圧した押罫により形成され、折れ線C14〜C19、C21、C22、C32、C42以外の折れ線は、包装箱1の内側の面側から押圧した押罫により形成されている。
【0104】
なお、包装箱1は、その展開状態において、前後方向の中心線を介して左右線対称に形成されている。
【0105】
次に、包装箱1の使用方法について説明する。包装箱1においては、包装箱本体5の側面がテーパ状に形成されていて、初期状態では、背面部50と蓋部100と差込み片部110が全体に1枚の平板状を呈するので、
図9に示すように、複数の包装箱1を重ねた状態とすることができ、包装箱1の保管や運搬に際して、省スペースを図ることができる。
【0106】
包装箱1の初期状態から包装箱1を閉状態にしてロックするには、まず、
図10に示すように、フラップ部22、32,42を内側に折り曲げる。つまり、フラップ部22を正面部20に対して内側に折り曲げ、フラップ部32を右側面部30に対して内側に折り曲げ、フラップ部42を左側面部40に対して内側に折り曲げる。
【0107】
その後、差込み片部110を折れ線C100を介して蓋部100に対して内側に折り曲げて、蓋部100を折れ線C50を介して背面部50に対して内側に折り曲げ、差込み片部110を折込み片部60における外側片部64と内側片部62間の隙間と折込み片部70における外側片部74と内側片部72間の隙間に差し込む。その際、上記のように、外側片部64、74が内側片部62、72よりも上方に突出しており、また、差込み片部110が蓋部100に対して折り曲げた状態から復帰しようとして外側片部64、74の内側の面に接しやすいので、差込み片部110を外側片部64と内側片部62間の隙間及び外側片部74と内側片部72間の隙間に円滑に差し込むことができ、また、上記のように、二つ折りにされた折込み片部60、70においては、外側片部64と内側片部62間の隙間及び外側片部74と内側片部72間の隙間が広く設けられるので、その点でも、差込み片部110を該隙間に差し込みやすい。
【0108】
この点、
図20に示す紙容器の場合には、側板12と側板13から連設されたフラップの間の隙間が狭い場合には、差し込み片17を側板12の内側に差し込みにくいという問題がある。
【0109】
そして、差込み片部110を下方に移動させていき、係止部114、116の下端が開口部K60、K70の上端位置に到達してからさらに下方に移動させると、開口部K60は外側片部64と内側片部62の境界位置に外側片部64と内側片部62間の折れ線の方向に長穴状に形成され、開口部K70は外側片部74と内側片部72の境界位置に外側片部74と内側片部72間の折れ線の方向に長穴状に形成されていて、開口部K60、K70は、下方にいくほど内側となるように形成されているので、係止部114が開口部K60内に容易に入り込むとともに、係止部116が開口部K70内に容易に入り込んでいく(つまり、係止部114、116と開口部K60、K70を容易に係合させることができる)。その後、差込み片部110を最下端まで下方へ移動させると、係止部114の上端(つまり、辺部114a)が開口部K60に入り込み、辺部114aが開口部K60の上端と係合し、係止部116の上端(つまり、辺部116a)が開口部K70に入り込み、
図11、
図12に示す状態となって、辺部116aが開口部K70の上端と係合して、包装箱1が閉状態でロックされる。
【0110】
次に、包装箱1が閉状態でロックされた状態の包装箱1を手で持つ際には、底面部10に折れ線C14〜C19が形成されているので、
図13、
図14に示すように、蓋部100に親指が接し、底面部10に中指から小指の指先が接する状態で包装箱1を持ち、その際、一方の手の中指と薬指と小指で折れ線C14の箇所を押え、他方の手の中指と薬指と小指で折れ線C15の箇所を押えることにより、折れ線C14−1、C16、C17と折れ線C15−1、C18、C19が谷折りとなって、底面部10が凹んだ状態となり(つまり、折れ線C14−1、C16、C17を介して底面部10の辺部10b(第1対象辺部)側が湾曲し、折れ線C15−1、C18、C19を介して底面部10の辺部10c(第2対象辺部)側が湾曲する)、包装箱1を持ちやすくすることができる。
【0111】
なお、折れ線C14と折れ線C15は、折れ線C10からC13まで形成されているとしたが、折れ線C14−1、C16、C17と折れ線C15−1、C18、C19が谷折りとなれば、底面部10が凹んだ状態となるので、折れ線C14における折れ線C14−1以外の部分(つまり、折れ線C14と折れ線C16の接点から折れ線C10までの部分及び折れ線C14と折れ線C17の接点から折れ線C13までの部分)を省略してもよく、また、折れ線C15における折れ線C15−1以外の部分(つまり、折れ線C15と折れ線C18の接点から折れ線C10までの部分及び折れ線C15と折れ線C19の接点から折れ線C13までの部分)を省略してもよい。
【0112】
また、係止部114と開口部K60が係合するとともに、係止部116と開口部K70が係合することにより包装箱1が閉状態でロックされるので、蓋部100が不用意に開いてしまうことがない。この点、
図20に示す紙容器の場合には、側板12と側板13から連設されたフラップの間の隙間が広い場合には、差し込み片17が容易に側板12の内側に差し込まれた状態から抜けてしまうおそれがある。
【0113】
次に、包装箱1が閉状態でロックされた状態から蓋部100を開状態にするには、中央領域112−1を正面上側に回動させることにより、係止部114と開口部K60の係合及び係止部116と開口部K70の係合を解除させ、その後、蓋部100を包装箱本体5に対して開いた状態とすることにより、蓋部100が開状態となる。
【0114】
すなわち、
図15に示すように、中央領域112−1の下端に一方の手の親指を掛止するとともに該一方の手の他の指における少なくともいずれかの指が蓋部100に接する状態で、親指を正面上側に引いて中央領域112−1を蓋部100に対して回動させる。
【0115】
すると、中間領域112−2は、中央領域112−1に対して折れ線C112を介して回動するとともに、端部領域112−4に対して折れ線C113を介して回動し、中間領域112−2がこのように回動することにより、端部領域112−4が、接点W1を中心にして正面視で右回転し、係止部114が開口部K60から抜けて、係止部114と開口部K60の係合が解除される。
【0116】
つまり、中間領域112−2が折れ線C112を中心に回動すると、折れ線C113が、接点W1を中心として、折れ線C113の下端が左側面側となるように傾こうとし(つまり、端部領域112−4が、その右側面側が下方となるように傾こうとする)、その際、蓋部100の角部領域104が折れ線C102を介して蓋部本体102に対して下方に折れ曲がるので、角部領域104が折れ曲がるとともに、端部領域112−4がその右側面側が下方となるように傾く。すると、端部領域112−4が傾くことにより、係止部114の辺部114aが傾く(辺部114aの辺部114b側が下方となるように傾く)ので、辺部114aの開口部K60の上端との係合が解除しやすくなり、係止部114が開口部K60から抜けやすくなり、その際、端部領域112−4が接点W1を中心に右回転するので、係止部114が開口部K60から抜ける。端部領域112−4が右回転する際に、角部領域104が蓋部本体102に対して折れ曲がることにより折れ線C102が上昇して接点W1も上昇するので、係止部114が開口部K60から抜けやすい。なお、辺部114aの開口部K60の上端との係合が解除しやすくなるので、係止部114と開口部K60との係合を解除した際に、係止部114の辺部114aが破損するおそれを防ぐことができる。
【0117】
係止部116についても上記と同様であり、中央領域112−1を蓋部100に対して回動させることにより、中間領域112−3は、中央領域112−1に対して折れ線C114を介して回動するとともに、端部領域112−5に対して折れ線C115を介して回動し、中間領域112−3がこのように回動することにより、端部領域112−5が、接点W2を中心にして正面視で左回転し、係止部116が開口部K70から抜けて、係止部116と開口部K70の係合が解除される。
【0118】
つまり、中間領域112−3が折れ線C114を中心に回動すると、折れ線C115が、接点W2を中心として、折れ線C115の下端が右側面側となるように傾こうとし(つまり、端部領域112−5が、その左側面側が下方となるように傾こうとする)、その際、蓋部100の角部領域106が折れ線C104を介して蓋部本体102に対して下方に折れ曲がるので、角部領域106が折れ曲がるとともに、端部領域112−5がその右側面側が下方となるように傾く。すると、端部領域112−5が傾くことにより、係止部116の辺部116aが傾く(辺部116aの辺部116b側が下方となるように傾く)ので、辺部116aの開口部K70の上端との係合が解除しやすくなり、係止部116が開口部K70から抜けやすくなり、その際、端部領域112−5が接点W2を中心に左回転するので、係止部116が開口部K70から抜ける。端部領域112−5が左回転する際に、角部領域106が蓋部本体102に対して折れ曲がることにより折れ線C104が上昇して接点W2も上昇するので、係止部116が開口部K70から抜けやすい。なお、辺部116aの開口部K70の上端との係合が解除しやすくなるので、係止部116と開口部K70との係合を解除した際に、係止部116の辺部116aが破損するおそれを防ぐことができる。
【0119】
係止部114と開口部K60の係合及び係止部116と開口部K70の係合を解除されたら、その後は、蓋部100を包装箱本体5に対して開いた状態とすることにより、
図16に示すように、蓋部100が開状態となる。
【0120】
以上のように、包装箱1によれば、包装箱1が閉状態でロックされた際には、差込み片部110は正面部20の内側には差し込まれないので、差込み片部110が被収納物に接するおそれがなく、不衛生になることがない。
【0121】
また、差込み片部110を折込み片部60、70における隙間に差し込んで、係止部114を開口部K60に係止させるとともに、係止部116を開口部K70に係止させることにより、包装箱1を閉状態でロックすることができる。
【0122】
また、蓋部100を開ける場合には、中央領域112−1を正面側に回動させるのみで蓋部100を開状態にできるので、蓋部の開操作が容易であり、また、包装箱本体5の内側に指を入れる必要がないので、衛生的である。
【0123】
なお、折込み片部80は、右側面部30に接着され、折込み片部90は、左側面部40に接着されているとして説明したが、折込み片部80を二つ折りにした状態で、外側片部(第1片部)84が背面部50に接着され、折込み片部90を二つ折りにした状態で、外側片部(第3片部)94が背面部50に接着された構成としてもよい。
【0124】
また、開口部K60は、外側片部64と右側面部30の境界位置に設けられているとしたが、右側面部30の外側片部64側の端部領域に設けられていてもよく、また、開口部K70は、外側片部74と左側面部40の境界位置に設けられているとしたが、左側面部40の外側片部74側の端部領域に設けられていてもよい。例えば、開口部K60の外側片部64側の辺部K60bが、折れ線C31の延長線上にあるようにし、開口部K70の外側片部74側の辺部K70bが、折れ線C41の延長線上にあるようにしてもよい。
【0125】
また、上記の説明では、包装箱本体5の展開状態で、外側片部64と右側面部30の境界位置に開口部K60が設けられ、外側片部74と左側面部40の境界位置に開口部K70が設けられいて、包装箱1を組み立てた状態で、係止部114が開口部K60と係合し、係止部116が開口部K70と係合するとして説明したが、
図17に示すように、包装箱本体5の展開状態で、外側片部64と右側面部30の境界位置に略コ字状の切込み(第1切込み)K61が設けられ、この切込みK61が設けられることにより、包装箱1の組立て状態において、右側面部30の外側片部64側の端部領域に開口部K60が形成されるとともに、包装箱本体5の展開状態で、外側片部74と左側面部40の境界位置に略コ字状の切込み(第2切込み)K71が設けられ、この切込みK71が設けられることにより、包装箱1の組立て状態において、左側面部40の外側片部74側の端部領域に開口部K70が形成される構成としてもよい。なお、
図17に示す構成は、上記の点以外は、
図6に示す構成と同様であり、
図17において、折れ線C31は、折れ線C31−1と折れ線C31−2とから構成され(折れ線C31−1と折れ線C31−2は同一直線上にある)、折れ線C41は、折れ線C41−1と折れ線C41−2とから構成されている(折れ線C41−1と折れ線C41−2は同一直線上にある)。
【0126】
すなわち、切込みK61は、折れ線C31−1の下端に接し、折れ線C31−1と直角(略直角としてもよい)の方向に形成された直線状の切込みK61aと、切込みK61aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の切込みK61bと、切込みK61bの端部から連設され、折れ線C31の方向と平行に形成された直線状の切込みK61cと、切込みK61cの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の切込みK61dと、切込みK61dの端部から連設され、折れ線C31−2の上端に接し、折れ線C31−2と直角(略直角としてもよい)の方向に形成された直線状の切込みK61eとを有し、切込みK61は、全体に略コ字状を呈している。切込みK61bは、切込みK61aと切込みK61c間のアールを構成し、切込みK61dは、切込みK61cと切込みK61e間のアールを構成する。折れ線C31−1は、切込みK61aの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接し、折れ線C31−2は、切込みK61eの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接している。切込みK61は、切込みK61cと直角方向をなす中心線(切込みK61cの方向における中心線)を介して線対称(略線対称としてもよい)に形成されている。切込みK61は、切込みK61aの一部(折れ線C31−1よりも外側片部64側の部分)及び切込みK61eの一部(折れ線C31−2よりも外側片部64側の部分)を除き、折れ線C31の延長線(例えば、折れ線C31−2の折れ線C31−1側への延長線)よりも右側面部30側に形成されている。これにより、外側片部64は、折れ線C31の延長線から突出した突状部64−1を有している。つまり、包装箱本体5の展開状態において、外側片部64と右側面部30の境界位置に切込みK61を形成し、切込みK61の両側の端部分(つまり、切込みK61aと切込みK61e)が折れ線C31に接し、外側片部64が、折れ線C31から突出した突状部64−1(切込みK61に対応した辺部(切込みK61に沿った辺部としてもよい)を有する突状部(第1突状部)64−1)を有している。このように、切込みK61により、包装箱1の組立て状態では、外側片部64が右側面部30に対して折曲されているので、右側面部30の外側片部64側の端部領域に開口部K60(突状部64−1に対応した開口部で、切込みK61に対応した辺部(切込みK61に沿った辺部としてもよい)を有する開口部)が形成され(
図18参照)、包装箱1を閉状態でロックした際には、係止部114と開口部K60が係合する。なお、
図17に示す構成の場合でも、包装箱1の組立て状態では、開口部K60自体は、折れ線C31の方向に長穴状を呈するといえる。
【0127】
なお、折れ線C31−1は、切込みK61aの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接しているとしたが、切込みK61aの端部(切込みK61bとは反対側の端部)が折れ線C31−1に接するようにしてもよく、また、折れ線C31−2は、切込みK61eの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接しているとしたが、切込みK61eの端部(切込みK61dとは反対側の端部)が折れ線C31−2に接するようにしてもよい。
【0128】
同様に、切込みK71は、折れ線C41−1の下端に接し、折れ線C41−1と直角(略直角としてもよい)の方向に形成された直線状の切込みK71aと、切込みK71aの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の切込みK71bと、切込みK71bの端部から連設され、折れ線C41の方向と平行に形成された直線状の切込みK71cと、切込みK71cの端部から連設された円弧状(略円弧状としてもよい)の切込みK71dと、切込みK71dの端部から連設され、折れ線C41−2の上端に接し、折れ線C41−2と直角(略直角としてもよい)の方向に形成された直線状の切込みK71eとを有し、切込みK71は、全体に略コ字状を呈している。切込みK71bは、切込みK71aと切込みK71c間のアールを構成し、切込みK71dは、切込みK71cと切込みK71e間のアールを構成する。折れ線C41−1は、切込みK71aの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接し、折れ線C41−2は、切込みK71eの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接している。切込みK71は、切込みK71cと直角方向をなす中心線(切込みK71cの方向における中心線)を介して線対称(略線対称としてもよい)に形成されている。切込みK71は、切込みK71aの一部(折れ線C41−1よりも外側片部74側の部分)及び切込みK71eの一部(折れ線C41−2よりも外側片部74側の部分)を除き、折れ線C41の延長線(例えば、折れ線C41−2の折れ線C41−1側への延長線)よりも左側面部40側に形成されている。これにより、外側片部74は、折れ線C41の延長線から突出した突状部74−1を有している。つまり、包装箱本体5の展開状態において、外側片部74と左側面部40の境界位置に切込みK71を形成し、切込みK71の両側の端部分(つまり、切込みK71aと切込みK71e)が折れ線C41に接し、外側片部74が、折れ線C41から突出した突状部74−1(切込みK71に対応した辺部(切込みK71に沿った辺部としてもよい)を有する突状部(第2突状部)74−1)を有している。このように、切込みK71により、包装箱1の組立て状態では、外側片部74が左側面部40に対して折曲されているので、左側面部40の外側片部74側の端部領域に開口部K70(突状部74−1に対応した開口部で、切込みK71に対応した辺部(切込みK71に沿った辺部としてもよい)を有する開口部)が形成され(
図19参照)、包装箱1を閉状態でロックした際には、係止部116と開口部K70が係合する。なお、
図17に示す構成の場合でも、包装箱1の組立て状態では、開口部K70自体は、折れ線C41の方向に長穴状を呈するといえる。
【0129】
なお、折れ線C41−1は、切込みK71aの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接しているとしたが、切込みK71aの端部(切込みK71bとは反対側の端部)が折れ線C41−1に接するようにしてもよく、また、折れ線C41−2は、切込みK71eの一方の端部から他方の端部までの途中位置に接しているとしたが、切込みK71eの端部(切込みK71dとは反対側の端部)が折れ線C41−2に接するようにしてもよい。
【0130】
また、蓋部100と差込み片部110には、折れ線C102、C104、C112、C113、C114、C115が設けられているとしたが、これらの折れ線が設けられていなくても、中央領域112−1に対応した領域を正面上側に回動させることにより、中間領域112−2に対応する領域が外側片部64の辺部64cに接することにより、中央領域112−1に対応した領域に対して背面側に湾曲し、すると、中間領域112−2に対応した領域が回動することにより、蓋部100の正面右側面側の角部の領域(つまり、角部領域104に対応した領域)が下方に湾曲して、差込み片部110の右側面側の端部(つまり、端部領域112−4に対応する領域)が、その右側面側が下方となるように回転し、折れ線C112、C113、C102が形成されている場合と似たように、差込み片部110及び蓋部100が曲り変形して、係止部114が開口部K60から抜けて係止部114と開口部K60の係合が解除され、また、中央領域112−1に対応した領域を正面上側に回動させることにより、中間領域112−3に対応する領域が外側片部74の辺部74cに接することにより、中央領域112−1に対応した領域に対して背面側に湾曲し、すると、中間領域112−3に対応した領域が回動することにより、蓋部100の正面左側面側の角部の領域(つまり、角部領域106に対応した領域)が下方に湾曲して、差込み片部110の左側面側の端部(つまり、端部領域112−5に対応する領域)が、その左側面側が下方となるように回転し、折れ線C114、C115、C104が形成されている場合と似たように、差込み片部110及び蓋部100が曲り変形して、係止部116が開口部K70から抜けて係止部116と開口部K70の係合が解除される。
【0131】
なお、折れ線C102を形成する罫線は、接点W3から接点W1まで形成されているとしたが、接点W3と接点W1の間に接点W3と接点W1を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく(つまり、接点W3や接点W1まで形成されていなくてもよい)、同様に、折れ線C104を形成する罫線は、接点W4から接点W2まで形成されているとしたが、接点W4と接点W2の間に接点W4と接点W2を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく(つまり、接点W4や接点W2まで形成されていなくてもよい)、同様に、折れ線C112を形成する罫線は、接点W1から接点V1まで形成されているとしたが、接点W1と接点V1の間に接点W1と接点V1を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく(つまり、接点W1や接点V1まで形成されていなくてもよい)、同様に、折れ線C113を形成する罫線は、接点W1から接点V3まで形成されているとしたが、接点W1と接点V3の間に接点W1と接点V3を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく(つまり、接点W1や接点V3まで形成されていなくてもよい)、同様に、折れ線C114を形成する罫線は、接点W2から接点V2まで形成されているとしたが、接点W2と接点V2の間に接点W2と接点V2を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく(つまり、接点W2や接点V2まで形成されていなくてもよい)、同様に、折れ線C115を形成する罫線は、接点W2から接点V4まで形成されているとしたが、接点W2と接点V4の間に接点W2と接点V4を結ぶ方向に直線状に形成されていればよい(つまり、接点W2や接点V4まで形成されていなくてもよい)。
【0132】
また、折れ線C14、C15は、辺部10aから辺部10dまで形成されているとしたが、折れ線C14は、接点U1と接点U2の間に接点U1と接点U2を結ぶ方向に直線状に形成されていればよく、折れ線C15は、接点U3と接点U4の間に接点U3と接点U4を結ぶ方向に直線状に形成されていればよい。
【0133】
また、折れ線C16は、辺部10aと辺部10b間の角部から接点U1まで形成されているとしたが、該角部と接点U1の間に該角部と接点U1を結ぶ方向に形成されていればよく(つまり、該角部や接点U1まで形成されていなくてもよく、折れ線C16の延長線が該角部や接点U1と接する)、折れ線C17は、辺部10dと辺部10b間の角部から接点U2まで形成されているとしたが、該角部と接点U2の間に該角部と接点U2を結ぶ方向に形成されていればよく(つまり、該角部や接点U2まで形成されていなくてもよく、折れ線C16の延長線が該角部や接点U2と接する)、折れ線C18は、辺部10aと辺部10c間の角部から接点U3まで形成されているとしたが、該角部と接点U3の間に該角部と接点U3を結ぶ方向に形成されていればよく(つまり、該角部や接点U3まで形成されていなくてもよく、折れ線C18の延長線が該角部や接点U3と接する)、折れ線C19は、辺部10dと辺部10c間の角部から接点U4まで形成されているとしたが、該角部と接点U4の間に該角部と接点U4を結ぶ方向に形成されていればよい(つまり、該角部や接点U4まで形成されていなくてもよく、折れ線C18の延長線が該角部や接点U4と接する)。
【0134】
また、接点U1、U2は、折れ線C14上にあるが、折れ線C14が接点U1と接点U2間の長さよりも短く形成され(つまり、折れ線C14の正面側の端部が接点U1の位置よりも背面側にあり、折れ線C14の背面側の端部が接点U2の位置よりも正面側にある)、接点U1と接点U2が、折れ線C14の延長線上に形成されるものとしてもよく、また、接点U3、U4は、折れ線C15上にあるが、折れ線C15が接点U3と接点U4間の長さよりも短く形成され(つまり、折れ線C15の正面側の端部が接点U3の位置よりも背面側にあり、折れ線C15の背面側の端部が接点U4の位置よりも正面側にある)、接点U3と接点U4が、折れ線C15の延長線上に形成されるものとしてもよい。
【0135】
つまり、接点U1は、折れ線C16又はその延長線と折れ線C14またはそ延長線が接する点であればよく、接点U2は、折れ線C17又はその延長線と折れ線C14又はその延長線が接する点であればよく、接点U3は、折れ線C18又はその延長線と折れ線C15又はその延長線が接する点であればよく、接点U4は、折れ線C19又はその延長線と折れ線C15又はその延長線が接する点であればよい。
【0136】
また、折れ線C14、C15は、辺部10b、10cと平行に形成され、辺部10aと辺部10dの間に形成されているとしたが、折れ線C14、C15を辺部10a、10dと平行に形成し、辺部10bと辺部10cの間に形成してもよい。つまり、その場合には、折れ線C14、C15の一方は、接点U1と接点U3を結ぶ方向に形成され、他方は、接点U2と接点U4を結ぶ方向に形成されることになり、
図13のように、両手で包装箱1を持つ場合には、包装箱1の右側面側又は左側面側を手前側として持つことになる。
【0137】
なお、上記の説明における各展開状態は、包装箱1の組立て状態からすると、仮想展開状態といえ、例えば、
図5、
図6に示す折込み片部60、70の展開状態や
図5に示す包装箱本体5の展開状態や
図5に示す包装箱1の展開状態は、包装箱1を組み立てた状態からすると仮想展開状態(つまり、包装箱1の組立て状態から展開したとするならば得られる状態)であるといえる。