特許第6909890号(P6909890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6909890電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909890
(24)【登録日】2021年7月7日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 47/02 20060101AFI20210715BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20210715BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20210715BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   F25B47/02 570E
   F25B47/02 550Z
   B60H1/32 624H
   B60H1/22 671
   B60H1/22 651A
   F25B1/00 331G
【請求項の数】13
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2020-38744(P2020-38744)
(22)【出願日】2020年3月6日
(65)【公開番号】特開2020-183858(P2020-183858A)
(43)【公開日】2020年11月12日
【審査請求日】2020年3月6日
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053989
(32)【優先日】2019年5月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】インホ チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジュソン リ
(72)【発明者】
【氏名】キュンファン キム
【審査官】 関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−148427(JP,A)
【文献】 特開2001−010334(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0227973(US,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02973482(FR,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第03064945(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 47/02
B60H 1/22
B60H 1/32
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法であって、
電気自動車用ヒートポンプシステムは、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器及び複数の膨張弁に冷媒が循環する冷媒ラインと、パワートレインモジュール及びバッテリーに冷却水を循環させる冷却水ラインと、前記冷却水ラインと前記冷媒ラインが熱交換されるように備えられるパワートレインチラー及びバッテリークーラーと、前記冷媒ライン及び前記冷却水ラインに設置される複数の感知センサーと、を備えてなり、
前記パワートレインモジュール又は前記バッテリーを循環する冷却水の温度と前記冷却水の粘性力が急変する時点で規定される冷却水の基準温度を比較して廃熱回収条件を判断するステップと、
以前の運行において、除霜モードでの運転中電気自動車の始動のオフによる除霜モードを中断するか否かを判断する、運転を中断するか否かを判断するステップと、
暖房モードの連続運転時間を感知するステップと、
室外温度を感知するステップと、
前記連続運転時間と前記室外温度に基づいて、室外熱交換器の着霜の発生有無を判断する第1インデックス及び第2インデックスを測定するステップと、
前記測定された第1インデックスと第2インデックスが、それぞれの基礎条件を充足するのか否かを判断するステップと、
前記第1インデックス及び前記第2インデックスのうち前記基礎条件を充足した少なくともいずれか一つのインデックスの維持時間が持続時間条件を充足するのか否かを判断するステップと、
前記インデックスの維持時間が前記持続時間条件を充足する場合、着霜が発生したと判断し、除霜モード運転を行うステップと、を含んでなり、
前記第1インデックスは、圧縮機に吸込まれる冷媒の温度で規定される圧縮機入口温度であり、
前記第2インデックスは、室外熱交換器を通過した冷媒の圧力で規定される室外熱交換器出口圧力であり、
前記運転を中断するか否かを判断するステップで、前記運転の中断がある場合、前記連続運転時間を感知するステップを省略し、
前記第1インデックスと前記第2インデックスを測定するステップで、前記室外温度のみに基づいて前記第1インデックスと前記第2インデックスを測定する、電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項2】
前記廃熱回収条件を充足する場合、前記室外熱交換器の着霜の発生有無を判断しない、請求項1に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項3】
前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より高い場合、電気自動車の電装部品から発生する熱を冷媒蒸発の熱源として利用する廃熱回収モードで運転され、
前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より低い場合、外気を冷媒蒸発の熱源として利用する一般暖房モードで運転される、請求項1又は2に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項4】
前記第1インデックスの基礎条件は、
暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件、及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を含んでなる、請求項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項5】
前記暖房モードの最小連続運転時間条件は、
初期起動のオーバーシュートを回避する第1運転時間と、
前記第1運転時間経過後到達し、前記室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を補正する第2運転時間とを含んでなる、請求項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項6】
前記第2インデックスの基礎条件は、
暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記室外熱交換器の出口圧力条件を含んでなる、請求項の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項7】
前記室外熱交換器の出口圧力条件は、
前記測定された第2インデックスが70kPaより高い圧力であるか否かにより規定される、請求項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項8】
前記除霜モード運転を行うステップは、
冷媒の凝縮温度に基づいて規定される除霜終了条件を充足すると、暖房モードに復帰する暖房運転転換ステップを含んでなる、請求項の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項9】
前記暖房運転転換ステップは、
圧縮機をオフ(OFF)させるステップと、
室外温度に基づいて規定されるフレッシュフォギング条件を充足するか否かを判断するステップと、
前記フレッシュフォギング条件を充足する場合、前記圧縮機のオフ状態を維持する駆動遅延時間を決定するステップと、
前記駆動遅延時間が経過すると圧縮機を作動(ON)するステップとを含んでなる、請求項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項10】
前記第2インデックスは、室外熱交換器の出口圧力の変化量で規定され、
前記室外熱交換器の出口圧力の変化量は、
前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力に対する平均値(Pcavg)と、予め設定された運転時間が経過した後感知される前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力(Pc)の差で定義される、請求項1〜の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の制御方法を実行する電気自動車用ヒートポンプシステムであって、
前記室外熱交換器に送風を提供する室外ファンと、
前記冷却水ラインに設置され、前記パワートレインモジュール又は前記バッテリーを循環する冷却水の温度を感知する冷却水温度センサーと、
前記圧縮機の吸入側に設置され、前記第1インデックスを測定する圧縮機入口センサーと、
前記室外熱交換器の一側に設置され、前記第2インデックスを測定する室外熱交換センサーと、を更に備えてなる、電気自動車用ヒートポンプシステム。
【請求項12】
前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、
前記冷却水ラインと前記冷媒ラインが熱交換されるように備えられたパワートレインチラーを更に備えてなる、請求項11に記載の電気自動車用ヒートポンプシステム。
【請求項13】
前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、
以前の運行記録が貯蔵されるメモリーを更に備えてなり、
前記メモリーに貯蔵された情報に基づいて、前記運転を中断するか否かを判断する、請求項11又は12に記載の電気自動車用ヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連技術〕
本発明は、韓国特許出願第10−2019−0053989号(出願日:2019年5月8日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
〔本発明〕
本発明は、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、自動車の駆動エネルギーを化石燃料の燃焼からではなく、電気エネルギーから得る自動車と定義することができる。
【0003】
一般的に、前記電気自動車には、バッテリー、駆動モータ、減速機、インバータ、コンバータ、オンボードチャージャー等が含まれる。そして、前記電気自動車は、電気エネルギーを前記バッテリーから前記駆動モータに供給して駆動力を発生させることができる。従って、前記電気自動車は、前記バッテリーの消耗電力を低減するほど1回充電当たりの走行距離を増加させることができる。
【0004】
前記電気自動車は、電気エネルギーの効率的な使用と室内(または、客室)を冷房または暖房するためにヒートポンプシステムを含むことができる。このような電気自動車用ヒートポンプシステムは、圧縮機、流路切替弁、室外熱交換器、室内熱交換器及び膨張弁を含むことができる。
【0005】
冷房モードにおいて、前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、圧縮機で圧縮された高圧の気相冷媒が室外熱交換器を通じて凝縮された後、膨張弁を経て室内熱交換器で蒸発される。従って、前記室内は冷房される。
【0006】
暖房モードにおいて、前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、圧縮機で圧縮された高圧の気相冷媒が室内熱交換器を通過しながら室内ファンの送風力によって外気と熱交換される。ここで、熱交換された冷媒は凝縮され、外気は熱を吸収するので、温度が上昇することができる。
【0007】
前記温度が上昇した外気は、室内ファンの送風によって室内に吐出される。従って、前記室内は暖房される。一方、凝縮された冷媒は、膨張弁を経て室外熱交換器で蒸発された後、圧縮機に回収される。
【0008】
一方、暖房モードにおいて、室外熱交換器の管内を流動する冷媒の蒸発温度が0℃以下に維持されると、前記室外熱交換器の表面に存在する湿り空気の凝縮水に霜が発生して表面に付着する現象が発生することがある。このような現象を着霜(frost sticking)と定義する。
【0009】
前記着霜が進行すると、熱交換を妨害するので暖房性能が低下し、前記着霜が持続的に維持されると、室内の熱的快適感が落ち、湿り圧縮などによる圧縮機の信頼性に問題が発生する可能性がある。これを防止するために、従来の電気自動車用ヒートポンプシステムは、除霜モードで運転(作動:実行:以下同じ)することができる。従って、前記着霜発生の有無判断は、前記除霜モードを実行するために大変重要である。
しかし、従来の電気自動車用ヒートポンプシステムには、以下のような問題がある。
【0010】
第一、電気自動車用ヒートポンプシステムにおいて、効果的で信頼性が高い着霜判断のファクターを提供できない問題がある。結局、着霜を正確に判断できず、効率的な除霜モードを実行できない問題がある。
【0011】
第二、除霜モードにおいては、室内熱交換器が蒸発器として作動して冷媒の暖房サイクルが冷房サイクルに転換されるが、除霜モードが頻繁に突入して除霜エネルギーを増加させるので、バッテリーの消耗電力を増加させる問題がある。
【0012】
第三、精密で正確な着霜判断のファクターが提供されないと、不完全な除霜(defrosting)により室外熱交換器の表面に残った結氷や溜まっている凝縮水によって、暖房サイクル転換時に着霜が促進され、暖房性能の下落が深化する問題がある。
【0013】
第四、ヒートポンプに運転時間に対する考慮なしに、温度と圧力を設定値と比較して除霜モードの突入を判断するので、着霜以外の原因によって除霜モードが突入する問題がある。即ち、暖房と除霜サイクルが非効率的に実行される問題がある。
【0014】
第五、非効率的な除霜モードによって、バッテリーの消耗電力が相対的に高くなり、エネルギー消費が多くなる問題がある。
【0015】
第六、始動のオン/オフ(ON/OFF)が頻繁な電気自動車の運転特性を考慮できず除霜モードを実行する問題がある。これによれば、除霜中断による考慮なしに既設定されたロジックに応じて除霜モードを判断することになり、除霜効率が著しく落ちる問題がある。
【0016】
第七、除霜完了後再び暖房モードに転換される過程で、室内の相対湿度が急激に上昇して室内の窓ガラスに露ができる現象(「フレッシュフォギング」)に対する防止方法が全くない問題がある。結局、運転者の視野を妨害し、走行安全に悪影響を及ぼす問題がある。
【0017】
第八、ヒートポンプシステムの構成が複雑な問題がある。これによれば、部品数とサイズが増加し、電気自動車の制約的な設置空間に適用し難い問題がある。
【0018】
第九、ヒートポンプシステムの多様な運転モードまたは要求される負荷に応じて、電気自動車の周囲環境を適切かつ柔軟に活用する方案が不足する問題がある。これによれば、冷房または暖房モードにおいて、適切な過冷度確保を通じたサイクルの性能向上を期待できず、結局、バッテリーの過度な電力消耗が発生する問題がある。
これに関した先行技術文献情報は、以下のようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】KR1020130014535A
【特許文献2】KR1020150098167A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記した問題を解決できる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0021】
特に、本発明は、精密で正確な着霜判断のファクターを利用して除霜の効率を向上させる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、始動のオン/オフが頻繁な電気自動車の特性を考慮して、着霜の有無を判断して熱交換器の除霜を実行できる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は、除霜モードにおいて冷媒と霜の間の熱交換を向上させることができる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、除霜モードと暖房モードの転換過程で、電気自動車の走行中の安全性を向上させることができる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、室内空気調和のための多様な運転モードを単一補助熱交換器を利用して具現できる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、電気自動車の狭い設置空間に適合するようにアキュムレータと過冷却熱交換器の機能を統合して、コンパクトな構造を有する補助熱交換器が備えられる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、室内搭乗者の温熱快適感を向上させるとともに、バッテリーの消耗電力を低減させることができる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、パワートレイン、オンボードチャージャー(On Board Charger)、バッテリーなど電気自動車の冷却水サイクルで発生する廃熱を冷媒サイクルに活用できる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0029】
また、本発明は、1回充電当たりの走行距離を増加させることができる、電気自動車用ヒートポンプシステム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
〔本発明の一の態様〕
本発明の一の態様は以下の通りである。
〔1〕 電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法であって、
冷却水の温度と前記冷却水の粘性力が急変する時点で規定される冷却水の基準温度を比較して廃熱回収条件を判断するステップと、
直前の電気自動車運行時の除霜モードを中断するか否かを判断する、運転を中断するか否かを判断するステップと、
暖房モードの連続運転時間を感知するステップと、
室外温度を感知するステップと、
前記連続運転時間と前記室外温度に基づいて、室外熱交換器の着霜の発生有無を判断する第1インデックス及び第2インデックスを測定するステップと、を含んでなる、電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔2〕 前記廃熱回収条件を充足する場合、前記室外熱交換器の着霜の発生有無を判断しない、〔1〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔3〕 前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より高い場合、電気自動車の電装部品から発生する熱を冷媒蒸発の熱源として利用する廃熱回収モードで運転され、
前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より低い場合、外気を冷媒蒸発の熱源として利用する一般暖房モードで運転される、〔1〕又は〔2〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔4〕 前記運転を中断するのか否かの判断ステップは、
前記運転の中断がある場合、前記連続運転時間を感知するステップを省略する、〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔5〕 前記測定された第1インデックス及び第2インデックスが、それぞれの基礎条件を充足するか否かを判断するステップと、
前記第1インデックス及び前記第2インデックスのうち前記基礎条件を充足した少なくとも何れか一つのインデックスの維持時間が持続時間条件を充足するか否かを判断するステップと、
前記インデックスの維持時間が前記持続時間条件を充足する場合、着霜が発生したと判断し、除霜モード運転を行うステップとをさらに含んでなる、〔1〕〜〔4〕の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔6〕 前記第1インデックスは、圧縮機に吸込まれる冷媒の温度で規定される圧縮機入口温度を含んでなり、
前記第1インデックスの基礎条件は、
暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件、及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を含んでなる、〔5〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔7〕 前記暖房モードの最小連続運転時間条件は、
初期起動のオーバーシュートを回避する第1運転時間と、
前記第1運転時間経過後到達し、前記室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を補正する第2運転時間とを含んでなる、〔6〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔8〕 前記第2インデックスは、室外熱交換器を通過した冷媒の圧力で規定される室外熱交換器の出口圧力を含んでなり、
前記第2インデックスの基礎条件は、
暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記室外熱交換器の出口圧力条件を含んでなる、〔5〕〜〔7〕の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔9〕 前記室外熱交換器の出口圧力条件は、
前記測定された第2インデックスが70kPaより高い圧力であるか否かにより規定される、〔8〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔10〕 前記除霜モード運転を行うステップは、
冷媒の凝縮温度に基づいて規定される除霜終了条件を充足すると、暖房モードに復帰する暖房運転転換ステップを含んでなる、〔5〕〜〔9〕の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔11〕 前記暖房運転転換ステップは、
圧縮機をオフ(OFF)させるステップと、
室外温度に基づいて規定されるフレッシュフォギング条件を充足するか否かを判断するステップと、
前記フレッシュフォギング条件を充足する場合、前記圧縮機のオフ状態を維持する駆動遅延時間を決定するステップと、
前記駆動遅延時間が経過すると圧縮機を作動(ON)するステップとを含んでなる、〔10〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔12〕 前記第2インデックスは、室外熱交換器の出口圧力の変化量で規定され、
前記室外熱交換器の出口圧力の変化量は、
前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力に対する平均値(Pcavg)と、予め設定された運転時間が経過した後感知される前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力(Pc)の差で定義される、〔1〕〜〔11〕の何れか一項に記載の電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法。
〔13〕 〔1〕〜〔12〕の何れか一項に記載の制御方法を実行する電気自動車用ヒートポンプシステムであって、
パワートレインモジュール及びバッテリーに冷却水が循環する冷却水ラインと、
圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器、室内膨張弁、及び室外膨張弁に冷媒が循環する冷媒ラインと、
前記室外熱交換器に送風を提供する室外ファンと、
前記冷却水ラインに設置され、前記パワートレインモジュール又は前記バッテリーを循環する冷却水の温度を感知する冷却水温度センサーと、
前記圧縮機の吸入側に設置され、前記第1インデックスを測定する圧縮機入口センサーと、
前記室外熱交換器の一側に設置され、前記第2インデックスを測定する室外熱交換センサーとを備えてなる、電気自動車用ヒートポンプシステム。
〔14〕 前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、
前記冷却水ラインと前記冷媒ラインが熱交換されるように備えられたパワートレインチラーをさらに備えてなる、〔13〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステム。
〔15〕 前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、
以前の運行記録が貯蔵されるメモリーをさらに備えてなり、
前記メモリーに貯蔵された情報に基づいて、前記運転を中断するか否かを判断する、〔13〕又は〔14〕に記載の電気自動車用ヒートポンプシステム。
【0031】
上記した目的を達成するために、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムは、暖房モードにおいて室外熱交換器の着霜の発生有無を判断する前に、室外熱交換器ではなくパワートレインチラーまたはバッテリークーラーを蒸発器として使用する廃熱回収モードの条件を充足(満足:以下同じ)するのかを判断することができる。
【0032】
また、除霜モードで運転中の電気自動車の始動オフ(OFF)による運行中断記録がある場合、着霜の発生有無を判断するための条件から暖房モード運転時間を除外する特徴がある。
【0033】
また、着霜の有無を判断するために、暖房モードの連続運転時間、室外温度、圧縮機入口温度、室外熱交換器の出口圧力及び持続時間を判断のファクターとして使用する特徴がある。
【0034】
また、前記室外熱交換器の出口圧力は、予め設定された時間ごとに測定される。そして、前記予め設定された時間ごとに測定された前記室外熱交換器の出口圧力が予め設定された回数だけ生成された場合、平均圧力を計算することができる。
【0035】
また、前記計算された平均圧力と予め設定された暖房モードの連続運転時間が経過した後測定された室外熱交換器の出口圧力に基づいて、室外熱交換器の出口圧力の変化量を算出することができる。そして、前記算出された室外熱交換器の出口圧力の変化量は、着霜発生を判断する判断のファクターとして使用することができる。これによれば、直接的、即刻的かつ正確に着霜発生を判断することができる。
【0036】
また、除霜モードが実行される場合、室外ファンをオフ(OFF)させる特徴がある。これによれば、熱損失を誘発する対流熱伝達を防止することができる。
【0037】
また、除霜モード終了後暖房モードに転換するとき、圧縮機の起動に駆動遅延時間を適用してフレッシュフォギングを防止するように制御することができる。
【0038】
また、除霜モードにおいて、前記室外熱交換器を通過する冷媒の凝縮温度及び予め設定された除霜モードの最大運転時間に基づいて除霜モードの終了を判断する特徴がある。
【0039】
具体的に、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムは、パワートレインモジュール及びバッテリーに冷却水が循環する冷却水ラインと、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器、前記室内熱交換器に流入する冷媒を膨張させる室内膨張弁及び前記室外熱交換器に流入する冷媒を膨張させる室外膨張弁に冷媒が循環する冷媒ラインとを含むことができる。
【0040】
また、前記室外熱交換器に送風を提供する室外ファン、前記冷却水ラインに設置され、前記パワートレインモジュールまたは前記バッテリーを循環する冷却水の温度を感知する冷却水温度センサー、前記室外熱交換器の一側に設置され、前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力で規定される室外熱交換器の出口圧力を感知する室外熱交換センサー及び前記圧縮機の吸入側に設置され、前記圧縮機に流入する冷媒の温度で規定される圧縮機入口温度を感知する圧縮機入口センサーをさらに含むことができる。
【0041】
また、前記冷却水温度センサー、前記室外熱交換センサー及び前記圧縮機入口センサーから感知された情報に基づいて、除霜モードで運転するための着霜の発生有無を判断する制御部をさらに含むことができる。
【0042】
また、前記制御部は、前記圧縮機入口温度と前記室外熱交換器の出口圧力を判断のファクターとして着霜の発生有無を判断することができる。
【0043】
また、ユーザ設定温度を入力する室内コントローラ、室外温度を感知する室外温度センサー及び室内温度を感知する室内温度センサーをさらに含むことができる。
また、電気自動車の内部に入射する日射量を測定する日射量感知センサー及び在室人員を感知する人体感知センサーをさらに含むことができる。
【0044】
また、前記制御部は、前記ユーザ設定温度、前記室外温度、前記室内温度、前記日射量及び前記在室人員に基づいて室内に吐出される空気の温度で規定される目標温度を計算することができる。
【0045】
また、前記制御部は、前記計算された目標温度と前記室外温度に基づいて前記ユーザ設定温度に室内温度を到達させるための運転モードを決定することができる。
【0046】
また、前記パワートレインモジュールを循環する冷却水ラインと前記室外膨張弁が設置された冷媒ラインが熱交換されるように備えられるパワートレインチラーをさらに含むことができる。
【0047】
また、前記制御部は、前記冷却水の温度が前記冷却水の粘性力が急変する時点で規定される冷却水の基準温度より高い場合、前記室外膨張弁を閉鎖し、前記パワートレインチラーが蒸発器として作動する廃熱回収モードで運転を制御することができる。
【0048】
また、前記制御部は、前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より低い場合、前記室外熱交換器が蒸発器として作動する暖房モードで運転を制御することができる。
【0049】
また、前記電気自動車用ヒートポンプシステムは、以前の運行記録が貯蔵されるメモリー及び前記暖房モード及び前記除霜モードの運転時間を感知するタイマーをさらに含むことができる。
【0050】
また、前記制御部は、前記メモリーから直前の運行終了時点で除霜モードを実行するか否かを判断することができる。
【0051】
また、前記制御部は、前記直前の運行終了時点で除霜モードが実行された場合、前記タイマーから感知された暖房モード運転時間情報を省略する特徴がある。
【0052】
別の観点で、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの制御方法は、冷却水の温度が前記冷却水の粘性力が急変する時点で規定される冷却水の基準温度を比較して廃熱回収条件を判断するステップと、以前の運行で除霜モードで運転中の電気自動車の始動オフによる前記運転を中断するのか否かを判断するステップと、暖房モードの連続運転時間を感知するステップと、室外温度を感知するステップと、前記連続運転時間と前記室外温度に基づいて、室外熱交換器の着霜の発生有無を判断する第1インデックスと第2インデックスを測定するステップとを含むことができる。
また、前記廃熱回収条件を充足すると、前記室外熱交換器の着霜の発生有無を判断しないことを特徴とする。
【0053】
また、前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より高いと、電気自動車の電装部品から発生する熱を冷媒蒸発の熱源として利用する廃熱回収モードで運転される。
【0054】
また、前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より低いと、外気を冷媒蒸発の熱源として利用する一般暖房モードで運転される。
【0055】
また、前記運転を中断するのか否かを判断するステップは、前記運転の中断がある場合、前記連続運転時間を感知するステップを省略することができる。即ち、着霜の発生有無を判断する過程で感知された連続運転時間と予め設定された運転時間を比較して判断する過程を省略することができる。
【0056】
また、前記測定された第1インデックスと第2インデックスが、それぞれの基礎条件を充足するのかを判断するステップと、前記第1インデックス及び前記第2インデックスのうち前記基礎条件を充足した少なくともいずれか一つのインデックスの維持時間が持続時間条件を充足するのかを判断するステップと、前記インデックスの維持時間が前記持続時間条件を充足する場合、着霜が発生したと判断し、除霜モード運転を行うステップとを含むことができる。
【0057】
また、前記第1インデックスは、圧縮機に吸込まれる冷媒の温度で規定される圧縮機入口温度を含むことができる。
【0058】
また、前記第1インデックスの基礎条件は、暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を含むことができる。
【0059】
また、前記暖房モードの最小連続運転時間条件は、初期起動のオーバーシュートを回避する第1運転時間と、前記第1運転時間経過後到達し、前記室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記圧縮機入口温度の条件を補正する第2運転時間とを含むことができる。
【0060】
また、前記第2インデックスは、室外熱交換器を通過した冷媒の圧力で規定される室外熱交換器の出口圧力を含むことができる。
【0061】
また、前記第2インデックスの基礎条件は、暖房モードの最小連続運転時間条件、室外温度条件及び前記室外温度条件に対応する前記室外熱交換器の出口圧力条件を含むことができる。
【0062】
また、前記室外熱交換器の出口圧力条件は、前記測定された第2インデックスが70kPaより高い圧力であるのかで規定することができる。
【0063】
また、前記第2インデックスは、室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)で規定されてもよい。
【0064】
また、前記室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)は、前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力に対する平均値(Pcavg)と、予め設定された運転時間が経過した後感知される前記室外熱交換器を通過した冷媒の圧力(Pc)の差で定義される。
【0065】
また、前記除霜モード運転を行うステップは、圧縮機の回転数を段階的に上昇させるように制御するステップと、冷媒の流動方向を切替えるように四方弁を制御し、室外膨張弁を閉鎖し、室内膨張弁の開度を段階的に制御する第1弁制御ステップと、前記室外熱交換器の一側に位置する室外ファンをオフさせるステップとを含むことができる。
【0066】
また、前記室外熱交換器を通過した冷媒の凝縮温度を測定するステップと、前記測定された凝縮温度が除霜終了条件を充足するのかを判断するステップと、前記除霜終了条件が充足されると暖房運転に切替えるステップとをさらに含むことができる。
【0067】
また、前記除霜終了条件は、前記凝縮温度が予め設定された温度より高い温度を充足するのかによって規定される。
【0068】
また、前記除霜モード運転を行うステップは、冷媒の凝縮温度に基づいて規定される除霜終了条件を充足すると、暖房モードで再運転するように暖房運転転換ステップを含むことができる。
【0069】
また、前記暖房運転転換ステップは、圧縮機をオフ(OFF)させるステップと、室外温度に基づいて規定されるフレッシュフォギング条件を充足するのかを判断するステップと、前記フレッシュフォギング条件を充足すると、前記圧縮機のオフ状態を維持する駆動遅延時間を決定するステップと、前記駆動遅延時間が経過すると圧縮機を作動(ON)するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば、除霜効率の向上及び暖房性能を向上させることができる。
【0071】
また、着霜の有無判断が正確となり、除霜モード突入時点の正確性が向上するので、バッテリーの消耗電力を低減し、エネルギーを節約(saving)することができる。
【0072】
また、電気自動車の以前の運行で除霜モードが稼動中に始動がオフ(OFF)された場合発生する不完全な除霜状態が、再び始動がオン(ON)された場合に暖房性能に影響を及ぼすことを防止することができる。従って、暖房性能及び除霜効率が向上する。結局、電気自動車用ヒートポンプシステムの信頼性を向上させることができる。
【0073】
また、除霜モードに突入するための着霜判断のファクターを多様に考慮するので、多様な環境で発生し得る霜の成長条件を認識して除霜モードを実行することができる。結局、着霜判断と除霜モード突入の正確性が向上する。
【0074】
また、除霜モードにおいて、室外ファン制御を通じて冷媒と霜の間の熱伝達効果を向上させることができる。これによれば、除霜時間がはやくなり熱損失を低減させることができる長所がある。
【0075】
また、除霜モードから暖房モードに切替える時発生し得るフレッシュフォギング現象を防止できるので、除霜モード及び暖房モードが実行される過程で運転者の視野を妨害する危険を低減し、安全な走行を提供することができる。
【0076】
また、電気自動車用ヒートポンプシステムの多様な運転モード、即ち冷房、バッテリー冷却、暖房、除霜、除湿、廃熱回収モードにおいて、共通的に単一補助熱交換器を活用できるので、ヒートポンプシステムの構成が単純となり、小型化となる。
【0077】
また、バッテリーの消耗電力を最小化して1回充電当たりの走行距離を増加させ、室内搭乗者の快適感を向上させることができる。
【0078】
また、HFC(Hydrofluorocarbon)に対する国際的な規制により、二酸化炭素(CO2)のように地球温暖化係数(GWP)が非常に低い代替冷媒が自動車に適用される場合、本発明の実施例に係る補助熱交換器が適用されたヒートポンプシステムは、高温環境で圧力が過剰に高くなる前記代替冷媒の短所を補完できるので、未来型電気自動車のヒートポンプシステムとして適合する長所がある。
【0079】
また、補助熱交換器によって凝縮器の出口側で冷媒の過冷却度がさらに増加するので、蒸発器の入口側でフラッシュガス(flash gas)をさらに減少させることができる長所がある。
【0080】
また、電気自動車の多様な運転モードを共通配管、補助配管及び流動配管によって単純に具現できるので、製造コストを低減でき、経済性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの概略図。
図2】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの構成を示す図面。
図3】本発明の実施例に係る補助熱交換器の構成を示す図面。
図4】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの制御構成を示すブロック図。
図5】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの暖房モードにおいて、作動流体の流れを示す図面。
図6】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの除霜モードにおいて、作動流体の流れを示す図面。
図7】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの運転モードを判断するための制御方法を示すフローチャート。
図8】本発明の実施例に係る暖房モードから除霜モードに突入するための制御方法を示すフローチャート。
図9図8の第2インデックス(△Pc)測定を示す時間別の室外熱交換器の冷媒圧力のグラフ。
図10】本発明の実施例に係る第1インデックスの基礎条件を充足するのか否かを判断するための制御方法を示すフローチャート。
図11】本発明の実施例に係る第2インデックスの基礎条件を充足するのか否かを判断するための制御方法を示すフローチャート。
図12】本発明の実施例に係る除霜モードの制御方法を示すフローチャート。
図13図12の暖房運転転換ステップを詳しく見せるフローチャート。
図14】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの着霜による暖房能力変化を示す実験グラフ。
図15】本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの着霜による蒸発器の出口圧力(Pevapout)の変化を示す実験グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0082】
次に、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。
【0083】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の好ましい実施形態を例として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に記載されており、また、他の実施形態を利用することができること、ならびに本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、論理構造的、機械的、電気的、および化学的変更を行うことができることを理解されたい。当業者が本発明を実施することを可能にするために必要ではない詳細を回避するために、説明は、当業者に知られている特定の情報を省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0084】
また、実施形態の説明では、本発明の構成要素を説明するときに、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を本明細書で使用する場合がある。これらの各用語は、対応する構成要素の本質、順序、またはシーケンスを定義するために使用されるのではなく、対応する構成要素を他の構成要素と区別するためにのみ使用される。
【0085】
図1は本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの概略図であり、図2は本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの構成を示す図面であり、図3は本発明の実施例に係る補助熱交換器の構成を示す図面であり、図4は本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの制御構成を示すブロック図である。
【0086】
以下では、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステム1は、説明の便宜を図って「ヒートポンプ1」と称する。
【0087】
図1図4を参照すると、本発明の実施例に係るヒートポンプ1は、1次流体である冷媒が循環する冷媒ラインと2次流体である冷却水が循環する冷却水ラインを含むことができる。即ち、前記冷媒及び前記冷却水は、前記ヒートポンプ1の作動流体であると理解することができる。
【0088】
前記冷媒は、冷凍サイクルを形成して室内(または、客室)に冷暖房を提供することができる。そして、前記冷却水は、電気自動車の電装部品のうち放熱が必要な部品に提供される。
【0089】
即ち、前記冷却水は、パワートレインモジュール10及びバッテリー20から発生する熱を排出させる放熱機能をすることができる。一例として、前記冷却水は、電気自動車に備えられる貯蔵タンク(図示されない)に貯蔵される。そして、前記冷却水は、前記貯蔵タンクから放熱が必要な各構成に提供され、前記貯蔵タンクに再回収される。
【0090】
一方、前記パワートレインモジュール10を冷却させるためにパワートレインモジュール10に提供される冷却水を第1冷却水、前記バッテリー20を冷却させるために前記バッテリー20に提供される冷却水を第2冷却水と称することができる。
【0091】
前記パワートレインモジュール10は、電気自動車の駆動力を発生させる駆動モータ、前記駆動モータと連結される減速機及びインバータを含むことができる。
【0092】
前記ヒートポンプ1は、前記パワートレインモジュール10を冷やすための冷却水が循環するパワートレインライン11、前記パワートレインライン11を流動する冷却水と冷媒が熱交換するパワートレインチラー15、前記パワートレインチラー15と前記パワートレインモジュール10の間で冷却水が循環するように延長されるチラーライン12、前記チラーライン12に冷却水が提供されるように作動するパワートレインポンプ13及び室外側に設置される室外熱交換モジュール40を含むことができる。
【0093】
前記パワートレインライン11は、前記パワートレインモジュール10に冷却水が通過するように備えられてもよい。即ち、前記パワートレインライン11は、前記パワートレインモジュール10に冷却水が循環するように前記パワートレインモジュール10の冷却水入口と冷却水出口を形成する配管であると理解することができる。
【0094】
即ち、前記パワートレインライン11は、前記パワートレインモジュール10に冷却水が循環するようにガイドすることができる。
【0095】
前記パワートレインチラー15は、後述する廃熱膨張弁161を通過して膨張した冷媒を前記パワートレインモジュール10を通過した高温の冷却水と熱交換させることができる。
【0096】
前記チラーライン12は、前記パワートレインモジュール10を貫通するパワートレインライン11の両側に連結される。
【0097】
具体的に、前記パワートレインチラー15の冷却水入口には、前記パワートレインモジュール10の出口に位置するパワートレインライン11と連結されるチラーライン12が結合される。前記パワートレインチラー15の冷却水出口には、前記パワートレインモジュール10の入口に位置するパワートレインライン11と連結されるチラーライン12が結合される。
【0098】
従って、前記パワートレインモジュール10を通過して熱を吸収した冷却水は、前記チラーライン12を通じて前記パワートレインチラー15を通過しながら熱を放出することができる。
【0099】
そして、前記パワートレインチラー15を通過する冷媒は、前記冷却水の熱を吸収することができる。即ち、前記冷媒は、前記パワートレインモジュール10から発生する廃熱を熱源として使用することができる。後述する第1廃熱回収及び第2廃熱回収暖房モードでは、前記廃熱を熱源として冷媒の蒸発が行われる。
【0100】
前記チラーライン12は、前記パワートレインライン11から延長されるように形成することができる。即ち、前記チラーライン12と前記パワートレインライン11は、一体の配管で形成される。従って、前記パワートレインライン11は、前記チラーライン12を含むことができる。
【0101】
即ち、前記パワートレインライン11には、前記パワートレインモジュール10と前記パワートレインチラー15が設置されて冷却水を循環させることができる。
【0102】
前記パワートレインポンプ13は、前記チラーライン12に設置される。一例として、前記パワートレインポンプ13は、前記パワートレインモジュール10の出口側と前記パワートレインチラー15の入口側を連結するチラーライン12に設置することができる。
【0103】
前記パワートレインポンプ13は、前記パワートレインモジュール10を通過した冷却水が前記チラーライン12に流入するように作動することができる。一例として、前記パワートレインポンプ13がオン(ON)状態で作動すると、貯蔵タンクから提供される冷却水が前記パワートレインライン11及び前記チラーライン12を循環することができる。
【0104】
前記室外熱交換モジュール40は、冷却水の熱を放出させるラジエーター41、外気と冷媒が熱交換する室外熱交換器45及び送風を提供する室外ファン46を含むことができる。
【0105】
前記ラジエーター41には、前記パワートレインライン11を流動する冷却水が通過することができる。即ち、前記パワートレインライン11を流動する冷却水は、前記ラジエーター41と前記パワートレインチラー15を通過することができる。
【0106】
具体的に、前記ヒートポンプ1は、前記ラジエーター41と前記パワートレインモジュール10の間を冷却水が循環するように延長されるラジエーターライン17、前記ラジエーターライン17に冷却水が提供されるように作動するラジエーターポンプ16及び冷却水の流動を制限できるパワートレインバルブ19をさらに含むことができる。
【0107】
前記ラジエーターライン18は、前記パワートレインライン11の一地点で分岐し、前記ラジエーター41を通過した後前記パワートレインライン11の他地点に連結される。
【0108】
即ち、前記パワートレインライン11は、前記チラーライン12と前記ラジエーターライン18に分岐される分岐点を形成することができ、前記チラーライン12と前記ラジエーターライン18が合岐される合岐点を形成することができる。そして、前記分岐点は、前記パワートレインモジュール10の出口側に位置することができ、前記合岐点は、前記パワートレインモジュール10の入口側に位置することができる。
【0109】
また、前記パワートレインバルブ19は、前記合岐点に設置することができる。一例として、前記パワートレインバルブ19は、三方弁を含むことができる。従って、前記パワートレインバルブ19には、前記パワートレインライン11、前記チラーライン12及び前記ラジエーターライン17が連結される。
【0110】
前記パワートレインバルブ19は、前記チラーライン12または前記ラジエーターライン17を流動する冷却水が前記パワートレインライン11に回収されるように開閉動作を行うことができる。
【0111】
前記ラジエーターポンプ16は、前記ラジエーターライン17に設置することができる。一例として、前記ラジエーターポンプ16は、前記パワートレインモジュール10の出口側と前記ラジエーター41の入口側を連結するラジエーターライン17に設置することができる。
【0112】
前記ラジエーターポンプ16は、前記パワートレインモジュール10を通過した冷却水が前記ラジエーターライン17に流入するように作動することができる。一例として、前記ラジエーターポンプ16がオン(ON)状態で作動すると、貯蔵タンクから提供される冷却水が前記パワートレインライン11及び前記ラジエーターライン17を循環することができる。
【0113】
冷却水の流動の観点で、前記ラジエーター41はラジエーターライン17に設置することができる。即ち、冷却水は、前記ラジエーターライン17に沿って前記ラジエーター41を通過することができる。
【0114】
前記ラジエーター41は、電気自動車の前部に位置することができる。従って、電気自動車が走行する時には、冷たい空気が前記ラジエーター41に入りながら、前記パワートレインモジュール11で発生する熱を吸収した冷却水を冷却させることができる。
【0115】
前記室外ファン46は、前記ラジエーター41の後方に位置することができる。従って、前記室外ファン46は、前記ラジエーター41の後方に熱い空気が停滞することを防止するように作動することができる。
【0116】
前記室外熱交換器45は、前記室外ファン46の前方に位置することができる。そして、前記室外熱交換器45は、前記ラジエーター41の前方または後方に位置することができる。
【0117】
即ち、前記室外熱交換器45は、前記ラジエーター41と一緒に前記電気自動車の前の部分に位置して外気と冷媒の熱交換を行うことができる。
【0118】
一方、前記室外熱交換モジュールは、CRFM(Condenser Radiator Fan Module)と称することもできる。
【0119】
前記ヒートポンプ1は、前記バッテリー20を冷やすための冷却水が循環するバッテリーライン28、前記バッテリーライン28を流動する冷却水と冷媒が熱交換するバッテリークーラー25及び前記バッテリーライン28に冷却水が提供されるように作動するバッテリーポンプ21をさらに含むことができる。
【0120】
前記バッテリーライン28は、前記バッテリークーラー25と前記バッテリー20の間を冷却水が循環するように延長される。
【0121】
前記バッテリーポンプ21は、前記バッテリーライン28に設置される。
【0122】
前記バッテリーポンプ21は、冷却水が前記バッテリーライン28を循環して前記バッテリー20の放熱を行うように作動することができる。一例として、前記バッテリーポンプ21がオン(ON)状態で作動すると、貯蔵タンク(図示されない)に貯蔵された冷却水は、前記バッテリーライン28に提供される。そして、前記冷却水は、前記バッテリー20と前記バッテリークーラー25を通過しながら前記バッテリーライン28を循環することができる。
【0123】
前記バッテリークーラー25は、後述するバッテリー膨張弁156を通過した冷媒を前記バッテリー20を通過した高温の冷却水と熱交換させることができる。
【0124】
前記バッテリーライン28は、前記バッテリー20の出口側が前記バッテリークーラー25の冷却水入口と連結されるように延長され、前記バッテリークーラー25の冷却水出口が前記バッテリー20の入口側に連結されるように延長される。
【0125】
従って、前記バッテリー20を通過して熱を吸収した冷却水は、前記バッテリーライン28を通じて前記バッテリークーラー25を通過しながら冷媒と熱交換されて冷却される。
【0126】
そして、前記バッテリークーラー25を通過する冷媒は、前記冷却水の熱を吸収することができる。即ち、前記冷媒は、前記バッテリー20から発生する廃熱を熱源として使用することができる。
【0127】
従って、図示されていないが、後述する第1廃熱回収及び第2廃熱回収暖房モードでは、上述したパワートレインチラー15だけではなく、前記バッテリークーラー25を通じても前記廃熱を熱源とする冷媒の蒸発が行われる。
【0128】
前記ヒートポンプ1は、室内側に設置される室内熱交換モジュール30をさらに含むことができる。
【0129】
前記室内熱交換モジュール30は、室内ダクト31、前記室内ダクト31の内部に位置する室内熱交換器35及び室内ファン36を含むことができる。
【0130】
前記室内ファン36は、送風を提供することができる。従って、前記室内ファン26は、電気自動車の室内に空気を吐出または室内の空気を吸込むことができる。
【0131】
また、前記室内ファン36は、前記室内熱交換器35を通過する冷媒を空気と熱交換することができるように送風を提供することができる。
【0132】
前記ヒートポンプ1は、ユーザ入力部を提供する室内コントローラ39をさらに含むことができる。
【0133】
前記室内コントローラ39は、前記室内熱交換モジュール30と電気的に連結される。一例として、前記室内コントローラ39は、前記室内熱交換器モジュール30に備えられる制御装置(図示されない)と連結される。
【0134】
そして、ユーザは、前記室内コントローラ39を操作することで、多様な前記ヒートポンプ1の運転モードを入力することができる。
【0135】
一例として、前記ヒートポンプ1の運転モードのうちユーザが選択できる運転モードは、冷房、暖房、除湿及び換気のいずれか一つであってもよい。そして、前記制御装置は、室内温度、室外温度、冷却水温度、冷媒温度、冷媒圧力などに基づいて最適な熱効率を具現できる具体的な運転モードを作動させることができる。
【0136】
ここで、前記具体的な運転モードは、一般暖房、単独熱源廃熱回収(第1廃熱回収)、二重熱源廃熱回収(第2廃熱回収)、除湿暖房、除霜暖房及びバッテリー冷却を含むことができる。
【0137】
一方、前記ヒートポンプ1は、冷媒を圧縮する圧縮機100、冷媒の流動方向を切替える四方弁110及び冷媒の間の熱交換が行われる補助熱交換器200をさらに含むことができる。
【0138】
前記圧縮機100は、低温、低圧の冷媒を吸込んで高温、高圧の冷媒に圧縮することができる。
【0139】
前記圧縮機100の吐出口には、高温、高圧に圧縮された気相冷媒が吐出される。そして、前記圧縮機100の吸込口には、低温、低圧の気相冷媒が吸込まれる。
【0140】
前記圧縮機100の吐出口は、吐出配管103と結合することができる。そして、前記吐出配管103は、前記四方弁110に延長される。
【0141】
前記補助熱交換器200は、凝縮器を通過した凝縮冷媒と蒸発器を通過した蒸発冷媒の間の熱交換をガイドすることができる。前記蒸発冷媒は、相対的に低温、低圧の冷媒であり、前記凝縮冷媒は、相対的に高温、高圧の冷媒である。
【0142】
これによれば、前記凝縮冷媒は過冷却される。即ち、前記補助熱交換器200は過冷却機能をすることができる。
【0143】
また、前記補助熱交換器200は、蒸発冷媒が流入して気相冷媒と液相冷媒に分離し、前記気相冷媒を前記圧縮機100に流入させるアキュムレータ機能をすることができる。そして、相対的に温度が低い前記蒸発冷媒のうち液相冷媒は、前記凝縮冷媒と熱交換を通じてさらに蒸発される。従って、前記圧縮機100に吸込まれる気相冷媒の量は、相対的に増加することができる。
【0144】
電気自動車に備えられるヒートポンプシステムは、室内熱交換器の伝熱面積が相対的に小さい。従って、前記補助熱交換器200は、一種の液相冷媒のバッファー空間(Receiver tank)の機能として活用することもできる。
【0145】
一方、前記補助熱交換器200は、「アキュムレータ一体型内部熱交換器」と称することもできる。前記補助熱交換器200に対する具体的な構成は、後述するようにする。
【0146】
前記圧縮機100の吸込口は、吸込配管103と結合することができる。前記吸込配管103は、前記気相冷媒が前記圧縮機100に流入するように前記補助熱交換器200に延長される。
【0147】
前記四方弁110は、前記吐出配管103から流入する冷媒を運転モードに応じて凝縮器として作動する前記室外熱交換器45または前記室内熱交換器35に選択的に流動するようにガイドすることができる。
【0148】
具体的に、前記四方弁110には、前記室外熱交換器45の一側に延長される室外連結配管113及び前記室内熱交換器35の一側に延長される室内連結配管138がそれぞれ結合される。
【0149】
また、前記四方弁110は、冷媒を前記補助熱交換器200に流入するようにガイドすることができる。具体的に、前記四方弁110には、前記補助熱交換器200に延長されるアキュム配管170が結合される。
【0150】
そして、前記アキュム配管170には、後述するクーラー回収配管157が結合されるクーラー合岐点158及び後述するチラー回収配管163が結合されるチラー合岐点165を含むことができる。
【0151】
即ち、前記クーラー合岐点158と前記チラー合岐点165は、蒸発冷媒が前記補助熱交換器200に流動するために前記アキュム配管170と合岐される地点であると理解することができる。
【0152】
前記クーラー合岐点158は、前記バッテリークーラー25を通過しながら蒸発された冷媒が前記アキュム配管170を通じて前記補助熱交換器200に流入するようにガイドすることができる。
【0153】
前記チラー合岐点165は、前記パワートレインチラー15を通過しながら蒸発された冷媒が前記アキュム配管170を通じて前記補助熱交換器200に流入するようにガイドすることができる。
【0154】
前記ヒートポンプ1は、前記室外熱交換器45の他側から延長される室外配管115及び前記室内熱交換器35の他側から延長される室内配管130を含むことができる。
【0155】
前記室外熱交換器45は、両側に前記室外連結配管113と前記室外配管115が結合されて冷媒をガイドすることができる。即ち、前記室外配管115と前記室外連結配管113は、前記室外熱交換器45の冷媒出口と冷媒入口にそれぞれ結合することができる。一例として、前記室外熱交換器45が凝縮器として作動する場合、前記室外連結配管113は、前記室外熱交換器45で圧縮された冷媒を流入させ、前記室外配管115には、前記室外熱交換器45で凝縮された冷媒が吐出される。
【0156】
前記室内熱交換器35は、両側に前記室内連結配管138と前記室内配管130が結合されて冷媒をガイドすることができる。即ち、前記室内配管130と前記室内連結配管138は、前記室内熱交換器35の冷媒出口と冷媒入口にそれぞれ結合することができる。一例として、前記室内熱交換器35が凝縮器として作動する場合、前記室内連結配管138は、前記室内熱交換器35で圧縮された冷媒を流入させ、前記室内配管130には、前記室内熱交換器35で凝縮された冷媒が吐出される。
【0157】
前記ヒートポンプ1は、前記室外配管115から分岐し、前記室内配管130に延長される流動配管120をさらに含むことができる。
【0158】
具体的に、前記流動配管120は、前記室外配管115の一地点に形成される室外分岐点116から前記室内配管130の一地点に形成される室内分岐点131まで延長される。
【0159】
前記室外分岐点116は、前記室外配管115の冷媒が分岐される地点であると理解することができる。前記室内分岐点131は、前記室内配管130の冷媒が分岐される地点であると理解することができる。
【0160】
即ち、前記室内配管130は、前記室内熱交換器35と連結される流動配管120から分岐し、前記補助熱交換器200と連結される第2補助配管142まで延長される。
【0161】
前記流動配管120は、凝縮冷媒が合岐される流動分岐点123を含むことができる。
【0162】
前記流動分岐点123は、運転モードに応じて凝縮器として作動する室外熱交換器45または室内熱交換器35を通過した冷媒が前記補助熱交換器200に流入するようにガイドすることができる。一例として、前記流動分岐点123は、前記補助熱交換器200に延長される補助配管141が結合される。
【0163】
前記ヒートポンプ1は、前記流動配管120の冷媒流動を調節する第1流動弁125及び第2流動弁127をさらに含むことができる。
【0164】
前記第1流動弁125及び前記第2流動弁127は、前記流動配管120に設置される。
【0165】
前記第1流動弁125は、前記室外分岐点116と前記流動分岐点123の間に設置することができる。そして、前記第1流動弁125は、前記室外分岐点116と前記流動分岐点123の間を流動する冷媒を制御することができる。
【0166】
前記第2流動弁127は、前記流動分岐点123と前記室内分岐点131の間に設置することができる。前記第2流動弁127は、前記流動分岐点123と前記室内分岐点131の間を流動する冷媒を制御することができる。
【0167】
前記第1流動弁125及び前記第2流動弁127は、前記流動配管120を流動する冷媒が前記流動分岐点123で補助配管141を通じて補助熱交換器200に流動するように作動することができる。
【0168】
即ち、前記第1流動弁125及び前記第2流動弁127は、前記流動配管120で冷媒の流動方向を制御することができる。
【0169】
一方、前記第1流動弁125と前記第2流動弁127は、総称して「流動弁」と称することができる。
【0170】
前記流動弁125、127は、逆止弁、電磁弁、電子弁などを含むことができる。
【0171】
説明と理解の便宜を図り、本発明の実施例では、前記流動弁125、127が冷媒の流動を一方向のみに許容する逆止弁として備えられたものを基準に説明するようにする。
【0172】
前記第1流動弁125と第2流動弁127は、互いに許容する冷媒の流動方向が反対となるように設置される。
【0173】
具体的に、前記第1流動弁125は、前記室外分岐点116から前記流動分岐点123に向かう冷媒の流動を許容する。しかし、前記流動分岐点123から前記室外分岐点116に向かう冷媒の流動は遮断する。
【0174】
また、前記第2流動弁127は、前記室内分岐点131から前記流動分岐点123に向かう冷媒の流動を許容する。しかし、前記流動分岐点123から前記室内分岐点131に向かう冷媒の流動は遮断する。
【0175】
これによれば、運転モードに応じて凝縮器として作動する室外熱交換器45または室内熱交換器35に関係なく、凝縮冷媒は第1補助配管141に流入して前記補助熱交換器200を通過しながら過冷却される。
【0176】
前記ヒートポンプ1は、前記流動配管120の一地点で分岐し、前記補助熱交換器200に延長される第1補助配管141及び前記補助熱交換器200から膨張弁161、118、156、135に向かって延長される第2補助配管142をさらに含むことができる。
【0177】
そして、前記第1補助配管141を通じて前記補助熱交換器200に流入した冷媒は、前記補助熱交換器200で熱交換された後前記第2補助配管142を通じて前記補助熱交換器200から排出される。
【0178】
即ち、前記第1補助配管141と前記第2補助配管142は連結される。一例として、前記第1補助配管141及び前記第2補助配管142は、前記補助熱交換器200の内部で、後述する流入管241、螺旋管245及び排出管242によって一体の配管を形成することができる。
【0179】
前記第1補助配管141は、前記流動分岐点123から前記補助熱交換器200に延長される。従って、前記第1補助配管141は、凝縮器を通過した凝縮冷媒を前記補助熱交換器200に流入するようにガイドすることができる。
【0180】
上述したように、前記凝縮冷媒は、前記補助熱交換器200で蒸発冷媒と熱交換して過冷却される。そして、前記過冷却冷媒は、前記第2補助配管142を通じて前記補助熱交換器200から吐出される。即ち、前記第2補助配管142は、前記補助熱交換器200を通過した前記第1補助配管141の冷媒をガイドすることができる。
【0181】
前記第2補助配管142は、前記補助熱交換器200から後述する共通配管150まで延長される。
【0182】
また、前記第2補助配管142は、前記室内配管130が結合される補助分岐点145を含むことができる。
【0183】
前記補助分岐点145は、前記第2補助配管142を流動する冷媒が前記室内配管130に分岐される分岐点であると理解することができる。即ち、前記室内配管130は、前記第2補助配管142から分岐し、前記室内熱交換器35に延長される。
【0184】
前記ヒートポンプ1は、前記第2補助配管142と前記室外配管115の間を連結する共通配管150をさらに含むことができる。
【0185】
前記共通配管150の一側端部は第1連結点151と定義し、前記共通配管150の他側端部は第2連結点152と定義する。
【0186】
前記第1連結点151には、前記室外配管115が結合される。即ち、前記室外配管115の一側端部は、前記室外熱交換器45に結合され、前記室外配管115の他側端部は、前記共通配管150と結合される。ここで、前記室外分岐点116は、前記室外熱交換器45と前記共通配管150の間に位置することができる。
【0187】
また、前記第1連結点151にはチラー配管160が結合される。即ち、前記第1連結点151は冷媒が分岐される分岐点であると理解することができる。
【0188】
即ち、前記共通配管150は、前記第1連結点151で前記室外配管115と前記チラー配管160とに分岐される。
【0189】
さらに、前記チラー配管160は、前記室外配管115から分岐し、前記パワートレインチラー15に延長される。
【0190】
前記第2連結点152には、前記第2補助配管142が結合される。即ち、前記第2補助配管142の一側端部は、前記補助熱交換器200に結合され、前記第2補助配管142の他側端部は、前記共通配管150と結合される。
【0191】
ここで、前記補助分岐点145は、前記室内熱交換器35と前記共通配管150の間に位置することができる。
【0192】
また、前記第2連結点152にはクーラー配管155が結合される。即ち、前記第2連結点152は冷媒が分岐される分岐点であると理解することができる。即ち、前記共通配管150は、前記第2連結点152で前記第2補助配管142と前記クーラー配管155とに分岐される。
【0193】
前記ヒートポンプ1は、室外配管115に設置される室外膨張弁118及び室内配管130に設置される室内膨張弁135をさらに含むことができる。
【0194】
前記室外膨張弁118及び前記室内膨張弁135は、電子膨張弁(EEV)を含むことができる。
【0195】
そして、前記室外膨張弁118及び前記室内膨張弁135は、開度調節を通じて冷媒の圧力と流量を調節することができる。
【0196】
前記室外膨張弁118は、前記室外分岐点116と前記第1連結点151の間に位置することができる。これによれば、暖房モードにおいて、前記共通配管150を流動する冷媒は、前記室外配管115に流入して前記室外膨張弁118で膨張される。
【0197】
前記室内膨張弁135は、前記補助分岐点145と室内分岐点131の間に位置することができる。これによれば、冷房モードにおいて、前記第2補助配管142を流動する冷媒は、前記室内配管130に流入して前記室内膨張弁135によって膨張される。
【0198】
前記ヒートポンプ1は、前記バッテリークーラー25で冷媒と冷却水の熱交換のために冷媒をガイドするクーラー配管155及びクーラー回収配管157をさらに含むことができる。
【0199】
前記クーラー配管155は、前記共通配管150から分岐し、前記バッテリークーラー25に延長される。具体的に、前記クーラー配管155は、第2連結点152から前記バッテリークーラー25の一側に形成される冷媒入口まで延長される。
【0200】
即ち、前記共通配管150は、前記第2連結点152で前記第2補助配管142と前記クーラー配管155とに分岐される。
【0201】
前記クーラー回収配管157は、前記バッテリークーラー25から前記アキュム配管170まで延長される。具体的に、前記クーラー回収配管157は、前記バッテリークーラー25の他側に形成される冷媒出口から前記クーラー合岐点158まで延長される。
【0202】
即ち、前記クーラー配管155と前記クーラー回収配管157は、前記バッテリークーラー25で前記バッテリーライン28を循環する冷却水と熱交換する冷媒をガイドすることができる。一例として。暖房モードにおいて、前記クーラー配管155を流動する冷媒は、前記クーラー配管155を通じて前記バッテリークーラー25の冷媒入口に流入して前記バッテリークーラー25の冷却水入口に流入した冷却水の熱を吸収することができる。これによれば、前記バッテリークーラー25を通過する冷媒は蒸発される。
【0203】
そして、前記冷却水の熱を吸収した冷媒は、前記バッテリークーラー25の冷媒出口を通じて前記クーラー回収配管157に排出される。そして、前記クーラー回収配管157の冷媒は、前記クーラー合岐点158から前記アキュム配管170に流動して補助熱交換器200の内部に流入することができる。
【0204】
前記ヒートポンプ1は、前記クーラー配管155に設置されるクーラー膨張弁156をさらに含むことができる。
【0205】
前記クーラー膨張弁156は、電子膨張弁(EEV)を含むことができる。
【0206】
前記クーラー膨張弁156は、開度調節を通じて前記クーラー配管155を流動する冷媒の圧力と流量を調節することができる。一例として、暖房モードにおいて、前記クーラー膨張弁156が閉鎖(Full Closed)された場合、前記第2補助配管142を流動する冷媒は、前記第2連結点152で前記共通配管150と前記クーラー配管155とに分岐せず、前記共通配管150に全部流入する。
【0207】
前記ヒートポンプ1は、冷媒をガイドするチラー配管160とチラー回収配管163、前記チラー配管160に設置される廃熱膨張弁161及び前記チラー回収配管163に設置されるチラーバルブ164をさらに含むことができる。
【0208】
前記チラー配管160は、前記共通配管150から分岐し、前記パワートレインチラー15に延長される。具体的に、前記チラー配管160は、前記第1連結点151から前記パワートレインチラー15の一側に形成される冷媒入口まで延長される。
【0209】
即ち、前記共通配管150は、前記第1連結点151で前記チラー配管160と前記室外配管115とに分岐される。即ち、前記共通配管150は、一側端部でチラー配管160と室外配管115が結合され、他側端部でクーラー配管155と第2補助配管142が結合される。
【0210】
前記チラー回収配管163は、前記パワートレインチラー15から前記アキュム配管170まで延長される。具体的に、前記チラー回収配管163は、前記パワートレインチラー15の他側に形成される冷媒出口から前記チラー合岐点165まで延長される。
【0211】
即ち、前記チラー配管160と前記チラー回収配管163は、前記パワートレインチラー15で前記チラーライン12を循環する冷却水と熱交換する冷媒をガイドすることができる。
【0212】
一例として。暖房モードにおいて、前記共通配管150を流動する冷媒は、前記チラー配管160を通じて前記パワートレインチラー15の冷媒入口に流入して前記前記パワートレインチラー15の冷却水入口に流入した冷却水の熱を吸収することができる。これによれば、前記パワートレインチラー15を通過する冷媒は蒸発される。
【0213】
そして、前記冷却水の熱を吸収した冷媒は、前記パワートレインチラー15の冷媒出口を通じて前記チラー回収配管163に排出される。
【0214】
そして、前記チラー回収配管163の冷媒は、前記チラー合岐点165から前記アキュム配管170に流動して補助熱交換器200の内部に流入することができる。
【0215】
前記廃熱膨張弁161は、前記第1連結点151と前記パワートレインチラー15の冷媒入口の間に位置することができる。
【0216】
前記廃熱膨張弁161は、電子膨張弁(EEV)を含むことができる。
【0217】
前記廃熱膨張弁161は、開度調節を通じて前記チラー配管160を流動する冷媒の圧力と流量を調節することができる。
【0218】
前記チラーバルブ164は、前記チラー合岐点165と前記パワートレインチラー15の冷媒出口の間に位置することができる。
【0219】
前記チラーバルブ164は、電磁弁(Solenoid valve)を含むことができる。
【0220】
前記チラーバルブ164は、冷媒の逆流を防止し、前記パワートレインチラー15を保護するために、前記チラー回収配管163に設置される。そして、前記チラーバルブ164は、オンオフ(On/OFF)動作を通じて前記チラー回収配管163の冷媒流動を制限することができる。
【0221】
一方、前記ヒートポンプ1は、除湿または除霜モードにおいて室内に連続的な暖房を提供するための客室ヒーター60をさらに含むことができる。
【0222】
前記客室ヒーター60は、暖房運転中除湿または除霜モードで運転される場合、室内暖房を維持するために作動することができる。
【0223】
具体的に、前記客室ヒーター60は、発熱できるヒーター63、前記ヒーター63の熱を吸収するための冷却水が循環するヒーターライン68、前記ヒーターライン68に冷却水を流入させるヒーターポンプ61及び前記ヒーター63を通過した冷却水によって熱せられるヒーターコア65を含むことができる。
【0224】
前記ヒーターポンプ61は、前記ヒーターライン68に設置することができる。そして、前記ヒーターポンプ61は、前記ヒーター63の放熱のために冷却水の流動をガイドすることができる。一例として、前記貯蔵タンク(図示されない)に貯蔵された冷却水が前記ヒーターライン68に流入するように作動することができる。
【0225】
前記ヒーター63は、電気ヒーターを含むことができる。前記ヒーター63を通過する過程で、冷却水は、前記ヒーター63の発熱によって熱を吸収して温度が高くなる。
【0226】
前記ヒーターコア65は、前記ヒーターライン68に設置することができる。一例として、前記ヒーターコア65は、熱伝導性が高い金属材質の板で形成することができる。
【0227】
前記ヒーター63を通過した冷却水は、前記ヒーターコア65を通過しながら前記ヒーターコア65を熱することができる。このとき、送風をして温度が高まった前記ヒーターコア65には風が通過することができる。一例として、前記送風は、前記室内ファン36の作動によって発生させることができる。
【0228】
そして、前記ヒーターコア65を通過した暖かい風は、室内に吐出される。従って、前記室内には、室内熱交換器35が蒸発器の機能をする除湿または除霜モードにおいても連続的な暖房が提供される。
【0229】
一方、前記ヒートポンプ1は冷媒と冷却水のサイクルを制御するための制御部300をさらに含むことができる。
【0230】
前記制御部300は、前記圧縮機100、室外膨張弁118、室内膨張弁135、四方弁110、客室ヒーター60、室外ファン46等のように、冷媒と冷却水のサイクルを形成する各構成を制御することができる。
【0231】
前記ヒートポンプ1は、貯蔵装置であるメモリー310を含むことができる。
【0232】
前記メモリー310には、前記制御部300によって電気自動車の以前の運行記録が貯蔵される。
【0233】
一例として、前記制御部300は、前記電気自動車の始動がオフ(OFF)された場合、前記オフ(OFF)時点で前記ヒートポンプ1の運転モードと前記運転モードの実行情報を前記メモリー310に貯蔵することができる。
【0234】
そして、前記制御部300は、以後再び前記電気自動車の始動がオン(ON)される場合、前記メモリー310から以前の運行記録が提供され、現時点の運転モード制御に利用することができる。
【0235】
また、前記メモリー310には電気自動車の多様な運転モードを制御するための条件情報が予め貯蔵される。
【0236】
具体的に、前記メモリー310には、廃熱回収モードで運転するための条件情報、着霜の有無を判断するためのインデックス別の基礎条件情報、前記基礎条件を充足したインデックス別の持続時間条件、運転時間に関する情報及びフレッシュフォギング判断のための条件情報が予め貯蔵される。
【0237】
また、前記メモリー310には室内に吐出される空気の目標温度に関する情報が予め貯蔵される。前記目標温度は感知された室外温度、入力されたユーザ設定温度、感知された室内温度などを変数として決定される。従って、前記メモリー310には、前記変数に対する目標温度情報がテーブル化されて予め貯蔵される。
【0238】
また、前記メモリー310には室外温度に応じた飽和圧力情報、露点情報が予め貯蔵される。
【0239】
また、前記メモリー310には抽出された目標温度と室外温度を変数として決定される運転モードに関する情報がテーブル化されて予め貯蔵される。
【0240】
前記ヒートポンプ1は、実行される運転モードの運転時間を測定できるタイマー320をさらに含むことができる。
【0241】
前記タイマー320は、前記ヒートポンプ1が実行する運転モードの運転時間を測定して前記制御部300に提供することができる。そして、前記制御部300は提供された運転時間を前記メモリー310に貯蔵することができる。
【0242】
一例として、前記タイマー320は暖房モードまたは除霜モードが実行される運転時間を測定することができる。そして、前記制御部300は、前記タイマー320から暖房モードまたは除霜モードの運転時間をリアルタイムで感知することができる。
【0243】
また、前記制御部300は、前記暖房モードまたは除霜モードが終了すると、総運転時間を前記メモリー310に貯蔵することができる。
【0244】
前記ヒートポンプ1は、冷媒が循環する冷媒ライン及び冷却水が循環する冷却水ラインに設置される多数の感知センサーPT、CTをさらに含むことができる。
【0245】
前記多数の感知センサーPT、CTは、冷媒または冷却水の状態を感知することができる。一例として、前記多数の感知センサーは、冷媒の圧力と温度を感知する冷媒感知センサーPT及び冷却水の温度を感知する冷却水感知センサーCTを含むことができる。
【0246】
前記多数の感知センサーPT、CTは、前記冷却水と前記冷媒の状態に対する感知情報を制御部300に提供することができる。そして、前記制御部300は、前記多数の感知センサーPT、CTから提供される感知情報に基づいて運転モードを決定し、決定された運転モードを実行するようにそれぞれのヒートポンプ1構成を制御することができる。
【0247】
前記冷却水感知センサーCTは、電気自動車の電装部品を放熱するために循環する冷却水ラインに設置される。そして、前記冷却水感知センサーCTは多数個備えられてもよい。
【0248】
前記冷媒感知センサーPTは、前記室外熱交換器370の一側に設置される室外熱交換センサー370を含むことができる。
【0249】
前記室外熱交換センサー370は、前記室外熱交換器45を通過した冷媒の温度と圧力を感知することができる。一例として、前記室外熱交換センサー370は、前記室外連結配管113に設置される。
【0250】
従って、前記暖房モードにおいて前記制御部300は、前記室外熱交換センサー370の感知情報を利用して室外熱交換器45の出口における冷媒圧力を測定することができる。
【0251】
前記室外熱交換器45の出口における冷媒圧力は、「室外熱交換器の出口圧力」と称することができる。
【0252】
そして、前記室外熱交換器の出口圧力は、後述する着霜の有無を判断するための判断のファクターとして使用される。
【0253】
また、前記冷媒感知センサーPTは、圧縮機100の吸入側に設置される圧縮機入口センサー360をさらに含むことができる。
【0254】
前記圧縮機入口センサー360は、前記圧縮機100に吸込まれる冷媒の温度と圧力を感知することができる。一例として、前記圧縮機入口センサー360は、前記吸込配管105に設置される。
【0255】
従って、前記暖房モードにおいて前記制御部300は、前記圧縮機入口センサー360の感知情報を利用して圧縮機100に吸込まれる冷媒温度を測定することができる。
【0256】
前記圧縮機100に吸込まれる冷媒温度は「圧縮機入口温度」と称することができる。
【0257】
そして、前記圧縮機入口温度は、後述する着霜の有無を判断するための判断のファクターとして使用される。
【0258】
前記冷却水感知センサーCTは、パワートレインモジュール10を循環する冷却水の温度を感知する冷却水温度センサー350を含むことができる。
【0259】
前記冷却水温度センサー350は、前記パワートレインライン19に設置することができる。具体的に、前記冷却水温度センサー350は、前記パワートレインモジュール10を通過した冷却水の温度を感知するようにパワートレインライン11に設置される。一例として、前記冷却水温度センサー350は、前記パワートレインバルブ19の反対側に位置することができる。
【0260】
即ち、前記冷却水温度センサー350は、前記パワートレインモジュール10の冷却水出口に設置されて冷却水の温度を感知することができる。
【0261】
前記制御部300は、前記冷却水温度センサー350の感知情報を利用して廃熱回収モードに突入するのか否かを判断することができる。即ち、前記制御部300は、前記冷却水温度センサー350の感知情報に基づいて一般暖房モードまたは廃熱回収モードで運転されるように制御することができる。
【0262】
また、前記制御部300は、前記冷却水の温度に応じて前記パワートレインポンプ13と前記ラジエーターポンプ16の選択的な作動を制御することができる。
【0263】
もちろん、前記冷却水感知センサーCTは、バッテリー20を循環する冷却水の温度を感知するためにバッテリーライン28に設置される冷却水温度センサーをさらに含むことができる。
【0264】
また、前記ヒートポンプ1は、室外温度を感知する室外温度センサー330、電気自動車の室内温度を感知する室内温度センサー340、電気自動車の内部に入射する日射量を測定する日射量感知センサー(図示されない)及び在室人員を感知する人体感知センサー(図示されない)をさらに含むことができる。
【0265】
前記室外温度センサー330は、電気自動車の室外(または外気)温度を感知するために備えられてもよい。そして、前記室内温度センサー340は、電気自動車の室内(または、客室)温度を感知するために備えられてもよい。一例として、前記室内温度センサー340は、前記室内に設置される。
【0266】
そして、前記室外温度センサー330と前記室内温度センサー340は、感知情報を制御部300に提供することができる。同様に、前記日射量感知センサー及び前記人体感知センサーも、感知情報を前記制御部300に提供することができる。
【0267】
また、前記ヒートポンプ1は、熱を発生させる電気自動車の電装部品の温度を感知するための温度センサー(図示されない)をさらに含むことができる。一例として、前記ヒートポンプ1は、前記パワートレインモジュール10と前記バッテリー20の温度を感知できる温度センサーをさらに含むことができる。
【0268】
一方、前記ヒートポンプ1は、サージタンク50をさらに含むことができる。
【0269】
前記サージタンク50は、駆動モータの放熱のために所定の体積を有するように形成することができる。そして、前記サージタンク50には空気が満たされる。従って、前記サージタンク50は、前記パワートレインモジュール10で発生する廃熱を回収する暖房モードで活用される。
以下図3を参照して、前記補助熱交換器200に対して説明する。
【0270】
前記補助熱交換器200は、外観を形成するケース210、前記吸込配管105が結合される吐出管205、前記アキュム配管170が結合される吸込管207、前記第1補助配管141が結合される流入管241、前記第2補助配管142が結合される排出管242及び前記ケース内部で前記流入管241と排出管242を連結する螺旋管245を含むことができる。
前記ケース210は、導入された冷媒が相分離できる内部空間を形成することができる。一例として、前記ケース210は、円筒形状を含むことができる。
【0271】
前記吸込管207は、前記ケース210の上面を貫通して前記内部空間の下側に延長される。一例として、前記吸込管207は、前記ケース210の中心軸線に沿って延長される。
【0272】
前記吸込管207の上端は、前記アキュム配管170と結合することができる。
【0273】
前記吸込管207の下端は、前記ケース210の下面より上方に離隔して位置することができる。従って、前記アキュム配管170を通じて前記吸込管207に流入する冷媒は、前記ケース210の下面に吐出されて前記内部空間に満たされる。
【0274】
前記吸込管207から前記内部空間に排出された冷媒は、前記内部空間で液相冷媒と気相冷媒に分離される。そして、前記気相冷媒は、前記吐出管205に流入して前記吸込配管105を通じて圧縮機100に回収される。
【0275】
前記吐出管205は、前記ケース210の上面を貫通して前記内部空間に延長される。
【0276】
前記吐出管205の上端は、前記吸込配管105と結合することができる。
【0277】
前記吐出管205の下端は、前記内部空間の上側に位置することができる。一例として、前記吐出管205の下端は、前記螺旋管245の上端より上方に位置することができる。
【0278】
また、前記吐出管205の下端は、一側方向にラウンド状に延長され、前記内部空間に満たされた気相冷媒が流入するように開口を形成することができる。従って、前記吐出管205に流入した気相冷媒は、前記吸込配管105に流動することができる。
【0279】
前記補助熱交換器200は、凝縮冷媒を過冷却するための冷媒の間の熱交換を行うことができる。
【0280】
前記流入管241は、前記ケースの上面を貫通して前記内部空間の下側まで延長される。一例として、前記流入管241は、前記吸込管207の延長方向に沿って下方に長く延長される。
【0281】
前記流入管241の上端は、前記第1補助配管141と結合することができる。
【0282】
前記流入管241の下端は、前記螺旋管245が結合することができる。
【0283】
前記螺旋管245は、前記内部空間の下側から前記流入管241及び/または前記吸込管207を外側で多数回取囲むように上方に延長される。一例として、前記螺旋管245は、ヘリカル(helical)形状を有するように上方に延長される。
【0284】
これによれば、前記螺旋管245を流動する凝縮冷媒は、前記吸込管207から前記内部空間に排出された蒸発冷媒と熱交換をすることができる。従って、相対的に温度が高い凝縮冷媒は、相対的に温度が低い蒸発冷媒と熱交換されて過冷却される。
【0285】
また、前記蒸発冷媒は、相対的に温度が高い凝縮冷媒と熱交換されて残存する液相冷媒を気相冷媒として蒸発させることができる。これによれば、前記圧縮機100に回収される気相冷媒の量を増加させることができる。
【0286】
前記螺旋管245は、前記内部空間に位置することができる。そして、前記螺旋管245の上端は、前記排出管242に結合することができる。
【0287】
前記排出管242は、前記螺旋管245から前記ケース210の上面を貫通して上方に延長される。そして、前記排出管242の上端は、前記第2補助配管142と結合することができる。
【0288】
一方、前記補助熱交換器200によれば、凝縮冷媒の過冷却度を増加させて、蒸発器以外の箇所で蒸発した冷媒ガスと規定されるフラッシュガス(flash gas)を減少させることができる。
【0289】
前記フラッシュガスは、蒸発器に供給される冷媒流量の損失及び潜熱量減少により性能低下を誘発させるガスである。従って、前記補助熱交換器200は、前記凝縮冷媒の過冷度を相対的により多く確保して膨張弁118、135、156、161、118に提供できるので、前記フラッシュガスを減少させることができる。
【0290】
また、前記凝縮冷媒の過冷却度の増加は、蒸発器の入口側冷媒の液相比率をより増加させることができる。これによれば、蒸発過程で吸込熱量が上昇する長所がある。
【0291】
前記ヒートポンプ1に設置される多数の感知センサーPT、CTは、作動流体の感知情報を制御部300に提供し、前記制御部300は、前記感知情報に基づいて適正過冷度を維持できるように制御することができる。
【0292】
以下では、本発明の実施例に係るヒートポンプ1の運転モードに応じて作動流体の流れ及びサイクルを説明するようにする。ここで、前記作動流体は、1次流体と規定される冷媒及び2次流体と規定される冷却水を含む。
【0293】
説明と理解の便宜を図り、図5及び図6において、上述した多数のポンプ13、16、21、61と多数の弁118、135、156、161、164は、彩色の有無によって作動(ON)または未作動(OFF)を表すように表示される。即ち、図面に彩色されたポンプまたは弁は未作動(OFF)状態を意味し、図面に彩色されていないポンプまたは弁は作動(ON)状態を意味する。
【0294】
図5は、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの暖房モードにおいて、作動流体の流れを示す図面である。
【0295】
図5を参照して説明する暖房モードは、「一般暖房モード」と称することができる。
【0296】
図5を参照すると、前記暖房モードにおいて、前記廃熱膨張弁161、前記クーラー膨張弁156、前記室内膨張弁135は、完全に閉鎖(Full Close)される。そして、前記チラーバルブ164も閉鎖される。
【0297】
前記室外膨張弁118は開放される。そして、前記室外膨張弁118は、開度調節を通じて通過する冷媒を膨張させることができる。
【0298】
一方、一般的に、電気自動車の暖房モードは、室外温度が低い季節、天気などで運転される。従って、前記暖房モードにおいて前記パワートレインポンプ13、前記ラジエーターポンプ16及び前記バッテリーポンプ21は未作動(OFF)となる。
【0299】
また、前記客室ヒーター60は、前記室内熱交換器35が凝縮器として作動する暖房モードにおいて作動しなくてもよい。即ち、前記客室ヒーター60は、前記室内熱交換器35が蒸発器として作動する暖房モード(除霜モード、除湿モードなど)で作動することができる。従って、前記ヒーターポンプ61は未作動(OFF)となる。
【0300】
前記圧縮機100から吐出される高温、高圧の圧縮冷媒は、前記四方弁110を経て前記室内連結配管138に流入することができる。そして、前記室内連結配管138の圧縮冷媒は、室内熱交換器35を通過しながら凝縮される。
【0301】
前記室内熱交換器35を通過した凝縮冷媒は、前記室内膨張弁135が閉鎖された状態であるので、前記室内分岐点131を経て前記流動配管120に流入することができる。
【0302】
そして、前記流動配管120に流入した凝縮冷媒は、前記第2流動弁127を通過して前記第1補助配管141に流入することができる。ここで、前記第1流動弁125は、前記流動配管120の凝縮冷媒が前記室外分岐点116に流動しないように冷媒の流動方向を制限することができる。
【0303】
前記第1補助配管141に流入した凝縮冷媒は、前記補助熱交換器200を通過しながら過冷却され、前記過冷却された冷媒は、前記第2補助配管142に流入する。
【0304】
そして、前記室内膨張弁135が閉鎖された状態であるので、前記第2補助配管142の過冷却された冷媒は、前記共通配管150に流入することができる。
【0305】
前記共通配管150に流入した冷媒は、前記廃熱膨張弁161と前記クーラー膨張弁156が閉鎖された状態であるので、前記室外配管115に流入することができる。
【0306】
前記室外配管115に流入した冷媒は、前記室外膨張弁118を通過しながら膨張する。そして、前記膨張した冷媒は、前記室外熱交換器45に流入して蒸発される。
【0307】
前記室外熱交換器45で蒸発された冷媒は、前記四方弁110を経て前記アキュム配管170に流入することができる。そして、前記アキュム配管170の蒸発冷媒は、前記補助熱交換器200を通過して上述した凝縮冷媒と熱交換される。以後、前記補助熱交換器200で液相と分離した気相状態の蒸発冷媒が前記吸込配管105に流入することができる。
【0308】
そして、前記吸込配管105に流入した冷媒は、前記圧縮機100に回収される。
【0309】
図6は、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの除霜モードにおいて、作動流体の流れを示す図面である。具体的に、図6は、室内に暖房を提供する除霜モード(以下、除霜暖房モード)を基準に冷却水及び冷媒の流れを示す図面である。
【0310】
図6を参照すると、除霜暖房モードにおいて前記室外熱交換器45は凝縮器として作動し、前記室内熱交換器35は蒸発器として作動することができる。
以下、前記除霜モードにおいて冷媒サイクルを説明する。
【0311】
暖房モードにおいて、室外熱交換器45の管内を流動する冷媒の蒸発温度が0℃以下に維持されると、前記室外熱交換器45の表面に存在する湿り空気の凝縮水に霜が発生して表面に付着する着霜が発生する可能性がある。
【0312】
従って、前記圧縮機100から吐出された高温、高圧の圧縮冷媒は、前記四方弁110を経て前記室外熱交換器45に流入することができる。
【0313】
前記室外熱交換器45は、電気自動車の走行及び/または室外ファン46によって外気と前記圧縮冷媒を熱交換させることができる。
【0314】
即ち、前記室外熱交換器45は、高温の圧縮冷媒が流動することになり、前記高温の圧縮冷媒は、前記室外熱交換器45に付着した霜を溶かすことができる。即ち、前記高温の圧縮冷媒と霜は熱交換をすることができる。
【0315】
従って、前記室外熱交換器45の表面に付着した霜は溶け流れて除霜が実行される。
【0316】
また、前記室外熱交換器45を通過した冷媒は凝縮される。そして、前記凝縮冷媒は室外配管115に流入することができる。
【0317】
一方、前記室外ファン46の作動によって送風される空気は、前記室外熱交換器45を通過する圧縮冷媒の対流熱伝達を発生させることができる。ところが、前記対流熱伝達は熱損失を誘発するので、室外熱交換器45の表面を通じた霜と圧縮冷媒間の熱伝達率を減少させることができる。即ち、前記室外ファン46の作動(ON)は、前記霜が水に変化する過程で熱損失を誘発して除霜性能を減少させることができる。
【0318】
従って、前記除霜モードにおいて、前記室外ファン46はオフ(OFF)となる。一例として、前記制御部300は、前記除霜モードに突入するとき、前記室外ファン46をオフ(OFF)させ、前記霜と前記高温の圧縮冷媒間の熱伝達効率を最大化させることができる。
【0319】
これによれば、前記室外ファン46の作動によって熱損失を誘発する対流熱伝達を防止することができる。従って、除霜エネルギーの損失を低減させることができる。
【0320】
一方、前記室外熱交換器45を通過した凝縮冷媒は、前記流動配管120に流入することができる。そして、前記流動配管120に流入した凝縮冷媒は、前記第1流動弁125を通過して前記第1補助配管141に流入する。このとき、前記第2流動弁127は、前記凝縮冷媒が室内分岐点131に向かって流動できないように冷媒の流動方向を制限することができる。
【0321】
前記第1補助配管141に流入した凝縮冷媒は、前記補助熱交換器200で蒸発冷媒と熱交換されて過冷却される。
【0322】
具体的に、前記第1補助配管141の凝縮冷媒は、流入管241、螺旋管245及び排出管242を順に流動しながら、前記ケース210の内部空間に満たされる気相及び/または液相状態の蒸発冷媒と熱交換することができる。従って、前記凝縮冷媒は熱交換によって過冷却される。
【0323】
そして、前記過冷却された冷媒は、前記排出管242を通じて前記第2補助配管142に流動し、前記室内配管130に流入することができる。
【0324】
前記室内配管130に流入した過冷却された冷媒は、前記室内膨張弁135を通過しながら膨張する。そして、前記膨張した冷媒は、前記室内熱交換器35に流入することができる。
【0325】
前記膨張した冷媒は、前記室内熱交換器25で前記室内ファン36によって空気と熱交換されて蒸発される。そして、前記蒸発された冷媒は、前記室内連結配管138を通じて排出される。前記室内連結配管138の蒸発冷媒は、前記四方弁110を経て前記アキュム配管170に流入する。そして、前記アキュム配管170に流入した蒸発冷媒は、前記補助熱交換器200で前記凝縮冷媒と熱交換することができる。
【0326】
具体的に、前記アキュム配管170を通じて前記吸込管207に流入する蒸発冷媒は、前記ケース210の内部空間に排出される。従って、前記ケース210の内部空間は液相及び気相状態の蒸発冷媒で満たされる。
【0327】
このとき、前記蒸発冷媒は、前記螺旋管245を通過する凝縮冷媒の熱を吸収することができる。従って、液相状態の蒸発冷媒は気相で蒸発される。そして、気相状態の蒸発冷媒は、前記吐出管205に流入する。
【0328】
そして、前記吐出管205に流入した蒸発冷媒は、前記吸込配管105を通じて圧縮機100の吸込側に回収されてサイクルを形成することができる。
【0329】
一方、前記除霜モードにおいて、前記室内熱交換器35は蒸発器として作動するので、室内ダクト31の周辺空気を冷却させることができる。具体的に、前記室内熱交換器35は蒸発器として作動するので、冷媒が周囲空気から熱を吸収することができる。
【0330】
前記室内ファン36の作動によって、前記室内ダクト31に流入した相対的に高温の室内空気は、前記室内熱交換器35を流動する冷媒に熱を放出して冷却される。
【0331】
従って、室内に暖房提供を維持できるように、前記ヒーターアクチュエータ60は作動(ON)する。これによれば、前記除霜モードにおいても室内に暖房を連続的に提供することができる。即ち、前記除霜暖房モードが実行される。
【0332】
前記ヒーターアクチュエータ60が作動すると、前記ヒーターポンプ61が作動(ON)し、冷却水は前記ヒーターライン68を循環することができる。そして、前記冷却水は、前記ヒーター63を通過しながら熱を吸収することができる。
【0333】
前記ヒーター63を通過した冷却水は、高温状態で前記ヒーターコア63を通過することができる。従って、前記ヒーターコア63は、前記ヒーター63による熱を冷却水から伝達されて熱される。
【0334】
前記室内ファン36が発生させる送風は、前記室内ダクト31に流入した空気を前記ヒーターコア63に通過させることができる。従って、前記室内熱交換器35により冷却された温度は、前記ヒーターコア63を通過しながら温度が再び高くなる。
【0335】
前記ヒーターコア63を通過した空気は再び室内に吐出される。これによれば、前記室内には、室内熱交換器35が蒸発器として作動しても暖房が継続的に提供される。
【0336】
上述したように、前記除霜暖房モードにおいて、前記室外膨張弁151、廃熱膨張弁161及び前記クーラー膨張弁156は、完全に閉鎖(Full Close)される。そして、前記チラーバルブ164も閉鎖される。
【0337】
また、前記室内膨張弁135は開放される。そして、前記室内膨張弁135は、開度調節を通じて通過する冷媒を膨張させることができる。従って、前記第2補助配管142の過冷却された冷媒は、前記室内配管130に流入して前記室内膨張弁135によって膨張される。
【0338】
一方、前記ヒートポンプ1は、上述した暖房モードにおいてバッテリー20の電力消耗を低減するために、パワートレインモジュール10及び/またはバッテリー20を循環する冷却水を冷媒蒸発の熱源として利用する廃熱回収モードで作動することができる。
【0339】
前記廃熱回収モードにおいて、前記室内膨張弁135は完全に閉鎖(Full Close)される。そして、前記廃熱膨張弁161及び前記チラーバルブ164は開放される。また、前記パワートレインポンプ13は作動(ON)する。そして、前記ヒーターポンプ61は未作動(OFF)となる。
【0340】
前記廃熱回収モードにおいて、前記圧縮機100から吐出された圧縮冷媒は、前記四方弁110を経て前記室内熱交換器35に流入することができる。そして、前記圧縮冷媒は、前記室内熱交換器35を通過しながら凝縮される。
【0341】
前記室内熱交換器35を通過した凝縮冷媒は、前記室内膨張弁135が閉鎖された状態であるので、前記流動配管120に沿って前記第1補助配管141に流入することができる。
【0342】
そして、前記第1補助配管141に流入した凝縮冷媒は、前記補助熱交換器200を通過しながら過冷却され、前記過冷却された冷媒は、前記第2補助配管142を通じて前記共通配管150に流入することができる。
【0343】
前記共通配管150に流入した冷媒は、前記室外膨張弁118及び前記クーラー膨張弁156が閉鎖された状態である場合、前記チラー配管160に流入することができる。そして、前記チラー配管160に流入した冷媒は、前記廃熱膨張弁161を通過しながら膨張する。
【0344】
前記膨張した冷媒は、前記パワートレインチラー15に流入して前記パワートレインモジュール10の熱を吸収した高温の冷却水と熱交換される。
【0345】
即ち、前記膨張した冷媒は、前記パワートレインチラー15を通過しながら蒸発される。ここで、前記パワートレインチラー15は蒸発器として作動することができる。
【0346】
前記パワートレインチラー15を通過した蒸発冷媒は、前記チラーバルブ164が開放状態であるので、前記チラー回収配管163を通じて前記アキュム配管170に流入することができる。
【0347】
そして、前記アキュム配管170に流入した蒸発冷媒は、前記補助熱交換器200を通過しながら前記凝縮冷媒と熱交換される。そして、前記補助熱交換器200で気相状態に分離された蒸発冷媒は、前記吸込配管105に流入して前記圧縮機100に回収される。
図7は、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの運転モードを判断するための制御方法を示すフローチャートである。
【0348】
図7を参照すると、本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステム1の制御方法は、ヒートポンプオン(ON)ステップ(S1)を含むことができる。
【0349】
前記ヒートポンプオン(ON)ステップは、室内コントローラ39によるユーザのヒートポンプ作動命令が入力されるステップであると理解することができる。
【0350】
ユーザは、室内の空調環境を快適にするように室内コントローラ39を操作することができる。一例として、前記室内コントローラ39には、室内の空調環境に対する現状を自動で判断して最適な運転モードを提供できるオート(Auto)入力ボタンが備えられてもよい。もちろん、前記室内コントローラ39には、ユーザが所望する運転モードと室内の空調環境を直接入力できるマニュアル(Manual)入力ボタンが備えられてもよい。
【0351】
そして、前記ヒートポンプ1は、ユーザ設定温度の入力を受けることができる(S2)。
【0352】
前記ユーザ設定温度は、前記室内コントローラ39を利用してユーザが直接所望の温度に設定することができる。
【0353】
ユーザが前記ユーザ設定温度を入力すると、前記ヒートポンプ1は、室内及び室外環境と、電気自動車部品の状態を感知して、最適な運転モードで室内空調を行うことができる。
【0354】
即ち、前記ヒートポンプ1は、前記ユーザ設定温度、室外(外気)温度、室内温度、日射量及び室内人員を感知して、前記感知情報に基づいて室内に吐出される空気の目標温度を計算することができる(S3)。
【0355】
具体的に、前記制御部300は、前記室外温度センサー330から室外温度を感知し、前記室内温度センサー340から室内温度感知し、前記日射量感知センサーによって日射量を感知し、前記人体感知センサーによって室内人員を感知することができる。
【0356】
そして、制御部300は、前記感知された室外温度、室内温度、日射量、室内人員に基づいて前記メモリー310に予め貯蔵されたテーブルを通じて目標温度を計算することができる。
【0357】
即ち、前記室内に吐出される空気の温度で規定される目標温度は、室外温度、室内温度、日射量及び室内人員を変数として決定することができる。一例として、前記ユーザ設定温度が23℃であり、室外温度が0℃である場合、前記室内に吐出される空気の目標温度は43℃と計算される。
【0358】
また、前記ヒートポンプ1は、前記計算された目標温度に基づいて運転モードを判断することができる(S4)。
【0359】
具体的に、前記ヒートポンプ1は、前記計算された目標温度、室外温度、飽和圧力及び露点に基づいて前記ヒートポンプ1の多様な運転モードのうちユーザ設定温度に室内温度を到達させるための最適な運転モードを判断することができる。
【0360】
一例として。前記計算された目標温度が43℃であり、前記室外温度が0℃であれば、前記ヒートポンプは暖房モード(S10)と判断することができる。
【0361】
前記ヒートポンプ1は、前記運転モードを判断するステップを通じて換気モード(S5)、冷房モード(S6)及び暖房モード(S10)のいずれか一つの運転モードを決定することができる。
【0362】
そして、前記制御部300は、前記決定された運転モードで冷媒と冷却水のサイクルが作動するようにそれぞれの構成を制御することができる。
【0363】
一方、前記ヒートポンプ1は、前記S2〜S4ステップとは独立的にパワートレインモジュール10の温度を感知して放熱の必要があるのか否かを判断することができる。
【0364】
同様に、前記ヒートポンプ1は、前記S2〜S4ステップとは独立的にバッテリー20の温度を感知して放熱の必要があるのか否かを判断することができる。
【0365】
そして、前記パワートレインモジュール10に放熱が必要な場合、前記ヒートポンプ1は、室外温度、冷却水温度及び前記S4ステップで決定される運転モードに基づいて、パワートレインポンプ13またはラジエーターポンプ16が作動するように制御することができる。
【0366】
一例として、前記ヒートポンプ1は、後述する暖房モード(S10)のうち廃熱回収モードで作動する場合に、前記パワートレインポンプ13が作動するように制御することができる。前記パワートレインポンプ13が作動(ON)する場合、前記廃熱膨張弁161は開放されて冷媒を前記パワートレインチラー15に流入させることができる。
【0367】
図8は本発明の実施例に係る暖房モードから除霜モードに突入するための制御方法を示すフローチャートであり、図9図8の第2インデックス(△Pc)測定を示す時間別の室外熱交換器の冷媒圧力のグラフである。
【0368】
図8を参照すると、前記ヒートポンプ1は、暖房モード(S10)に運転モードが決定されると、廃熱回収条件を充足するのかを判断することができる(S100)。
【0369】
前記廃熱回収モードは、電気自動車の電装部品から発生する熱を冷媒の蒸発熱源として利用するモードと規定することができる。
【0370】
具体的に、前記廃熱回収条件は、電装部品の放熱を行う冷却水の温度が冷却水の基準温度より高いのかで設定される。前記廃熱回収条件は、前記メモリー310に予め貯蔵される。
【0371】
前記冷却水の基準温度は、冷却水の粘性力が急変する区間が始まる温度で規定される。一例として、前記冷却水の基準温度は10℃に決定される。
【0372】
一例として、前記パワートレインチラー15で冷却水が正常に冷媒と熱交換するように、前記制御部300は、前記冷却水温度センサー350から感知された冷却水の温度が冷却水の基準温度(10℃)より高いのかを判断することができる。
【0373】
前記ヒートポンプ1は、前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より高い場合、上述した廃熱回収モードで運転することができる(S105)。
【0374】
具体的に、前記制御部300は、室内の暖房を前記廃熱回収モードで提供するように各構成を制御することができる。
【0375】
一例として、前記制御部300は、前記室内膨張弁135を完全に閉鎖(Full Close)するように制御し、前記廃熱膨張弁161及び前記チラーバルブ164を開放するように制御することができる。
【0376】
また、前記制御部300は、前記パワートレインポンプ13を作動(ON)させることができる。このとき、前記ヒーターポンプ61は未作動(OFF)となる。
【0377】
もちろん、前記制御部300は、バッテリー20の放熱が必要な場合、前記クーラー膨張弁156の開度を調節することで前記パワートレインチラー15の機能を前記バッテリークーラー25が同様に行うようにすることができる。
【0378】
これによれば、前記パワートレインモジュール10またはバッテリー20の廃熱を吸収した冷却水を冷媒を蒸発させるための熱源として使用することができる。
【0379】
従って、前記室外熱交換器45で外気を冷媒を蒸発させるための熱源として使用することより蒸発温度を高めることができる。結局、前記ヒートポンプ1の暖房性能を改善することができる。
【0380】
また、前記廃熱回収モードによれば、電気自動車の電装部品で発生する廃熱を活用することでバッテリーの消耗電力を最小化でき、搭乗者の温熱快適感を向上させることができる。
【0381】
前記ヒートポンプ1は、前記廃熱回収モードにおいて、前記室外熱交換器45を使用しなくてもよい。この場合、前記廃熱回収モードにおいて上述した着霜は発生しない。従って、前記ヒートポンプ1は、着霜の有無を判断する前に前記廃熱回収条件を充足するのかを判断することができる。
【0382】
一方、前記ヒートポンプ1は、前記冷却水の温度が前記冷却水の基準温度より低い場合、上述した一般暖房モードで運転することができる(S110)。
【0383】
そして、前記一般暖房モードが実行されると、前記室外熱交換器45は熱交換を通じて冷媒を蒸発させるので、上述した着霜が発生する可能性がある。
【0384】
前記一般暖房モードで運転を始めると、前記ヒートポンプ1は、直前の電気自動車の運行で、除霜モードで運転中始動をオフ(OFF)したのか否かを判断することができる(S120)。
【0385】
具体的に、前記制御部300は、前記メモリー310から以前の運行記録が提供され、運行終了時点で除霜モードで作動したのかを判断することができる。即ち、前記制御部300は、除霜モードで運転中の始動オフによる運転中断記録の有無を判断することができる。一例として、前記制御部300は、除霜モードで運転される途中に電気自動車の始動がオフ(OFF)された記録が前記メモリー310に存在するのかを判断することができる。
【0386】
前記ヒートポンプ1は、直前の運行記録から除霜モードで運転される途中始動がオフ(OFF)されたのではない場合、暖房モード運転時間を感知することができる(S130)。
【0387】
前記暖房モード運転時間は、上述した暖房モードで運転される連続運転時間と規定することができる。
【0388】
具体的に、前記制御部300は、前記タイマー320から前記一般暖房モードで運転される経過時間が提供される。
【0389】
そして、前記ヒートポンプ1は、室外温度を感知することができる(S140)。
【0390】
具体的に、前記制御部300は、室外温度センサー330から感知された室外温度が提供される。
【0391】
一方、直前の運行で除霜が行われる途中に始動がオフ(OFF)された場合、前記室外熱交換器45の除霜は不完全に終了したと理解することができる。従って、以後再び電気自動車の始動がオン(ON)すると、前記室外熱交換器45の表面には依然と霜が付いているので、直ちに着霜が発生したと判断することができないと暖房性能の急激な下落を防止することができない。
【0392】
即ち、前記ヒートポンプ1は、後述する着霜の有無を判断するための判断のファクター(以下、「インデックス」)の基礎条件のうち、前記一般暖房モードで運転される経過時間(以下、「運転時間」)に対する判断を省略することができる。
【0393】
従って、前記ヒートポンプ1は、電気自動車の運行特性を考慮して直前の運行終了時点で除霜モードが作動した場合、S130ステップを省略して直ちに室外温度を感知(S140)することができる。
【0394】
具体的に、前記制御部300は、前記メモリー310から以前の運行記録情報が提供され、除霜モードで運転中に電気自動車の運行が終了したと判断されると、前記暖房モードの運転時間測定(S130)を省略して前記室外温度を感知(S140)することができる。
【0395】
これによれば、上述した不完全除霜状態で再び始動がオン(ON)しても、不必要な運転時間条件を判断する必要なく、直ちに着霜の有無を判断することができるので、除霜モードに早く突入できる長所がある。
【0396】
一方、前記室外温度を感知した後、前記ヒートポンプ1は、着霜の有無を判断するファクターとして規定された第1インデックス及び第2インデックスを測定することができる(S150)。
【0397】
ここで、前記第1インデックスは、前記圧縮機入口温度で定義する。そして、前記第2インデックスは、前記室外熱交換器の出口圧力の変化量で定義する。
【0398】
前記制御部300は、前記圧縮機入口センサー360の感知情報に基づいて前記第1インデックスを測定することができる。即ち、前記制御部300は、前記圧縮機入口センサー360から前記圧縮機100に吸込まれる冷媒の温度を測定することができる。
【0399】
そして、前記制御部300は、前記室外熱交換センサー370の感知情報に基づいて前記第2インデックスを測定することができる。
【0400】
図9を参照して、前記第2インデックスの測定に対して詳しく説明する。図9は、時間別の前記室外熱交換器の出口圧力を示すグラフである。
【0401】
前記制御部300は、前記室外熱交換センサー370から前記室外熱交換器45を通過した冷媒の圧力、即ち前記室外熱交換器の出口圧力を測定することができる。
【0402】
ここで、前記制御部300は、暖房モードで運転が始まる時点から第1時間(Time1)が経過した後に前記室外熱交換器の出口圧力を測定することができる。一例として、前記第1時間(Time1)は、10分〜15分に設定することができる。
【0403】
前記第1時間(Time1)は、前記暖房モードで運転を始める初期起動時間であると理解することができる。
【0404】
前記初期起動で、即ち、前記第1時間(Time1)が経過する前には、前記室外熱交換器の出口圧力(Pc)がオーバーシュート(Overshoot)することがある。
【0405】
即ち、前記第1時間(Time1)までは、前記出口圧力(Pc)が一定でなく不安定であるので、前記制御部300は、前記第1時間(Time1)が経過してから前記室外熱交換器の出口圧力を測定することができる。
【0406】
前記第1時間(Time1)が経過すると、前記制御部300は、予め設定された時間間隔で、予め設定された測定時間ごとに測定された前記室外熱交換器の出口圧力の平均値(Pcavg)を計算することができる。
【0407】
一例として、前記予め設定された時間間隔は5分に設定される。即ち、前記制御部300は、前記第1時間(Time1)から5分が経過した第2時間(Time2)まで、前記予め設定された測定時間ごとに測定された室外熱交換器の出口圧力の平均値(Pcavg)を計算することができる。
【0408】
また、前記予め設定された測定時間は1分に設定することができる。即ち、前記制御部300は、1分ごとに測定された室外熱交換器の出口圧力が5回生成される時平均値(Pcavg)を計算することができる。
【0409】
そして、前記制御部300は、所定の運転時間の間前記室外熱交換器の出口圧力が5回生成される度に計算された平均値(Pcavg)を更新することができる。前記所定の運転時間は、安定した室外熱交換器の出口圧力の平均値(Pcavg)を確保する時間である。
【0410】
前記所定の運転時間は、前記室外熱交換器45が正常的に冷媒の蒸発を行って室外熱交換器の出口圧力(Pc)がほとんど一定レベルを維持する時間であると理解することができる。即ち、前記所定の運転時間の間記録される平均値は偏差が相対的に小さい。一例として、前記所定の運転時間は20分に設定することができる。
【0411】
そして、前記制御部300は、前記所定の運転時間が経過すると、平均値(Pavg)の更新を中断することができる。
【0412】
また、前記制御部300は、前記更新された平均値(Pcavg)をメモリー310に貯蔵することができる。
【0413】
前記室外熱交換器45の表面で着霜が成長(または進行)することにともない、蒸発冷媒の圧力と過熱度が減少することがある。従って、除霜モードで運転するための着霜判断時点は、室外熱交換器の出口圧力の平均が急激に減少する時点と設定することができる。
【0414】
従って、前記第2インデックスは、室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)で定義する。
【0415】
前記室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)は、以下の数式1で表すことができる。
ΔPc=Pcavg−Pc 〔数式1〕
【0416】
即ち、前記室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)は、前記平均値(Pcavg)と感知される室外熱交換器の出口圧力(Pc)の差で定義することができる。
【0417】
ここで、前記感知される室外熱交換器の出口圧力(Pc)は、後述する第4運転時間経過後感知される室外熱交換器の出口圧力(Pc)で規定される。
【0418】
前記第4運転時間は、前記室外熱交換器の出口圧力(Pc)をインデックスとして、着霜が発生し得る暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。
【0419】
一方、前記制御部300は、前記第1インデックスの測定と前記第2インデックスの測定を独立的に行うことができる。即ち、前記制御部300は、前記第1インデックスに対する着霜の有無判断と前記第2インデックスに対する着霜の有無判断を並列的に行うことができる。
【0420】
前記着霜の有無判断は、室外熱交換器45の表面に霜が付着する現象(「着霜」)の発生の有無を判断するものと理解することができる。
【0421】
従って、前記第1インデックス及び前記第2インデックスのうち少なくともいずれか一つのインデックスに対して着霜が発生したと判断されると、除霜モードに突入することができる。
【0422】
前記ヒートポンプ1は、測定されたインデックス別の基礎条件を充足するのかを判断することができる(S160)。
【0423】
即ち、前記制御部300は、前記測定された第1インデックスと第2インデックスが、それぞれ規定される基礎条件を充足するのかを判断することができる。
【0424】
具体的に、前記制御部300は、測定された第1インデックスに対する基礎条件を充足するのか否か判断することができる。また、前記制御部300は、測定された第2インデックスに対する基礎条件を充足するのか否かを判断することができる。
【0425】
前記基礎条件は、着霜が発生し得るインデックス別の暖房モードの最小連続運転時間(第1〜第4運転時間)、室外温度条件及び前記室外温度条件に対応するインデックス別の設計(温度または圧力)条件で規定される。
【0426】
前記インデックス別の基礎条件を充足するのか否かを判断するステップ(S160)に対する詳細な説明は、図10図11を参照して後述するようにする。
【0427】
前記ヒートポンプ1は、前記インデックス別の基礎条件を充足したと判断されると、持続時間条件を充足するのかを判断することができる(S170)。
【0428】
即ち、前記制御部300は、前記測定された第1インデックス及び前記測定された第2インデックスのうち少なくともいずれか一つのインデックスが前記基礎条件を充足すると、前記基礎条件を充足したインデックスの持続時間が前記持続時間条件を充足するのかを判断することができる。
【0429】
前記持続時間条件は、インデックス別に異なるように設定されて前記メモリー310に予め貯蔵される。
【0430】
前記持続時間条件は、前記第1インデックス及び/または前記第2インデックスが基礎条件を充足することを前提として設定される。
【0431】
即ち、前記持続時間条件は、前記基礎条件を充足したインデックスが着霜を起こす時間で規定される。具体的に、前記第1インデックスに対する持続時間条件は3分に設定される。そして、前記第2インデックスに対する持続時間条件は5分に設定される。
【0432】
前記ヒートポンプ1は、前記持続時間条件を充足すると、着霜が発生したと判断することができる(S180)。
【0433】
具体的に、前記制御部300は、前記測定された第1インデックス(圧縮機入口温度)が基礎条件を充足し、前記持続時間条件(例えば、3分)を充足すると、着霜が発生したと判断することができる。
【0434】
また、前記制御部300は、前記測定された第2インデックス(室外熱交換器の出口圧力の変化量)が基礎条件を充足し、前記持続時間条件(例えば、5分)を充足すると、着霜が発生したと判断することができる。
【0435】
前記ヒートポンプ1は、着霜が発生したと判断すると、上述した除霜モードで運転を始めることができる(S200)。
【0436】
即ち、前記制御部300は、前記第1インデックス及び前記第2インデックスのうち少なくともいずれか一つのインデックスに対して着霜が発生したと判断された場合、多数の弁ポジションを除霜モードに合わせて制御することができる。
【0437】
具体的に、前記制御部200は、冷媒流動方向が転換されるように四方弁110を制御し、前記室外膨張弁151、廃熱膨張弁161、前記クーラー膨張弁156及び前記チラーバルブ164が閉鎖されるように制御して、前記室内膨張弁135を開放するように制御することができる。
【0438】
これによれば、前記室外熱交換器45に高温の圧縮冷媒が流動しながら除霜を行うことができる。
【0439】
図10は、本発明の実施例に係る第1インデックスの基礎条件を充足するのか否かを判断するための制御方法を示すフローチャートである。
【0440】
図10を参照すると、前記インデックス別の基礎条件を充足するのか否かを判断するステップ(S160)は、第1インデックスに対する基礎条件を充足するのか否かを判断するステップを含むことができる。ここで、前記第1インデックスは、前記S150ステップで測定された圧縮機入口温度であると理解することができる。
【0441】
前記暖房モードにおいて、着霜が成長(または進行)することにともない、前記室外熱交換器45を通過した冷媒の温度は落ちることになる。即ち、圧縮機100の入口で、冷媒の温度も着霜が成長することにともない落ちることになる(図15参考)。
【0442】
従って、前記圧縮機入口温度は、着霜の有無を精密に判断できる判断のファクターとして利用することができる。
【0443】
前記S160ステップで、前記ヒートポンプ1は、暖房モードで運転する初期起動時間である第1運転時間が経過したか否かを判断することができる(S1611)。
【0444】
前記第1運転時間は、オーバーシュート(Overshoot)を回避するために暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。
【0445】
ここで、前記最小連続運転時間の最小は、保守的な範囲を意味するものとして、当該時間の経過が着霜発生の条件となることを意味する。
【0446】
即ち、前記第1運転時間が経過すると、前記室外熱交換器45では、特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度で着霜が発生する可能性がある。
【0447】
従って、前記第1運転時間が経過すると、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を判断基準(「第1判断基準」)として着霜の有無(または「着霜発生の有無」という)を判断することができる。
【0448】
即ち、前記第1運転時間は、特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度で着霜が発生する暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。一例として、前記第1運転時間は10分〜15分に設定することができる。
【0449】
前記メモリー310には、前記第1運転時間に対する情報が予め貯蔵される。
【0450】
前記S130ステップで、上述したように、前記制御部300は、前記タイマー320によって暖房モードで運転する時間を感知することができる。
【0451】
そして、前記制御部300は、前記タイマー320の感知情報に基づいて前記第1運転時間が経過したのかを判断することができる。
【0452】
前記ヒートポンプ1は、前記第1運転時間が経過したと判断されると、第2運転時間が経過したか否かを判断することができる(S1612)。
【0453】
前記第2運転時間は、着霜が発生する前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を補正する暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。
【0454】
即ち、前記第2運転時間は、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を補正する基準運転時間であると理解することができる。
【0455】
前記ヒートポンプ1は、運転時間によって室外熱交換器45表面の霜(氷)の密度が変わる。従って、本発明の実施例では、前記運転時間を考慮して第1運転時間、第2運転時間及び第3運転時間を定義する。
【0456】
そして、前記制御部300は、それぞれの運転時間で室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度で規定される判断基準を、感知された圧縮機入口温度と比較して着霜の発生有無を判断することができる。
【0457】
前記第2運転時間は、前記第1運転時間より長い最小連続運転時間を有することができる。一例として、前記第2運転時間は30分に設定することができる。
【0458】
そして、前記第2運転時間が経過すると、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を補正した判断基準(「第2判断基準」)が適用される。
【0459】
前記メモリー310には、前記第2運転時間に対する情報が予め貯蔵される。
【0460】
前記制御部300は、前記タイマー320の感知情報に基づいて前記第2運転時間が経過したのかを判断することができる。
【0461】
前記ヒートポンプ1は、前記第2運転時間が経過していないと判断されると、前記S150ステップで測定された第1インデックスが予め設定された第1判断基準を充足するのかを判断することができる(S1614)。
【0462】
即ち、前記制御部300は、暖房モードの連続運転時間が前記第1運転時間と前記第2運転時間の間であると判断された場合、前記測定された第1インデックスがメモリー310に予め貯蔵された第1判断基準を充足するのかを判断することができる。
【0463】
前記第1判断基準は、室外温度に応じて対応する圧縮機入口温度の範囲と規定される。
【0464】
具体的に、前記第1判断基準は、室外温度が0℃以上である時圧縮機入口温度が−20℃以下、室外温度が−10℃〜0℃の間である時圧縮機入口温度が−25℃〜−20℃、室外温度が−15℃〜−10℃の間である時圧縮機入口温度が−35℃〜−25℃及び室外温度が−15℃未満である時圧縮機入口温度が−35℃以下であると定義することができる。
【0465】
一例として、S140ステップで感知された室外温度が0℃である場合、前記制御部300は、前記暖房モードの連続運転時間が前記第1運転時間と前記第2運転時間の間である時、前記測定された第1インデックスが−20℃以下を充足するのかを判断することができる。そして、前記制御部300は、前記測定された第1インデックスが−20℃以下であれば、前記基礎条件を充足(S1618)したと判断することができる。
【0466】
一方、前記ヒートポンプ1は、前記第2運転時間が経過したと判断されると、第3運転時間が経過したか否かを判断することができる(S1613)。
【0467】
前記第3運転時間は、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を補正した判断基準(「第2判断基準」)をより広い範囲に補正する暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。一例として、前記第3運転時間は180分に設定することができる。
【0468】
前記第3運転時間は、前記第2運転時間より長い連続運転時間を有することができる。従って、前記第3運転時間は、除霜モードに緊急突入できる時間であると理解することができる。
【0469】
そして、前記第3運転時間は、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を一番広い範囲に補正する基準運転時間であると理解することができる。
【0470】
即ち、前記第3運転時間が経過すると、後述する第2判断基準より広い範囲を有する室外温度及びこれに対応する圧縮機入口温度で着霜が発生する可能性がある。
【0471】
前記メモリー310には、前記第3運転時間に対する情報が予め貯蔵される。
【0472】
前記制御部300は、前記タイマー320の感知情報に基づいて前記第3運転時間が経過したのかを判断することができる。
【0473】
前記ヒートポンプ1は、前記第3運転時間が経過していないと判断されると、前記S150ステップで測定された第1インデックスが予め設定された第2判断基準を充足するのかを判断することができる(S1615)。
【0474】
即ち、前記制御部300は、暖房モードの連続運転時間が前記第2運転時間と前記第3運転時間の間であると判断された場合、前記測定された第1インデックスがメモリー310に予め貯蔵された第2判断基準を充足するのかを判断することができる。
【0475】
前記第2判断基準は、室外温度に応じて対応する圧縮機入口温度の範囲と規定される。
【0476】
具体的に、前記第2判断基準は、室外温度が0℃以上である時圧縮機入口温度が−15℃以下、室外温度が−10℃〜0℃の間である時圧縮機入口温度が−23℃〜−15℃及び室外温度が−20℃〜−10℃の間である時圧縮機入口温度が−27℃〜−23℃であると定義することができる。
【0477】
一例として、S140ステップで感知された室外温度が0℃である場合、前記制御部300は、前記暖房モードの連続運転時間が前記第2運転時間と前記第3運転時間の間である時、前記測定された第1インデックスが−15℃以下を充足するのかを判断することができる。そして、前記制御部300は、前記測定された第1インデックスが−15℃以下であれば、前記基礎条件を充足(S1618)したと判断することができる。
【0478】
一方、前記ヒートポンプ1は、前記第3運転時間が経過したと判断されると、前記S140ステップで感知された室外温度が予め設定された最低基準温度と予め設定された最高基準温度の間であるのかを判断することができる(S1616)。
【0479】
一例として、前記最低基準温度は−40℃に設定される。そして、前記最高基準温度は25℃に設定される。
【0480】
即ち、前記制御部300は、前記S140ステップで感知された室外温度が前記最低基準温度以上及び前記最高基準温度以下の範囲に属するのかを判断することができる。
【0481】
前記メモリー310には、前記最低基準温度及び前記最高基準温度に対する情報が予め貯蔵される。
【0482】
そして、前記感知された室外温度が前記最低基準温度と前記最高基準温度の間の値を有すると判断されると、前記ヒートポンプ1は、前記測定された第1インデックスが予め設定された設計温度以下であるのかを判断することができる(S1617)。
【0483】
前記設計温度は−4℃に設定される。そして、前記メモリー310には、前記設計温度に対する情報が予め貯蔵される。
【0484】
前記ヒートポンプ1は、前記測定された第1インデックスが前記設計温度以下であれば、基礎条件を充足したと判断することができる(S1618)。
【0485】
具体的に、暖房モードの連続運転時間が第3運転時間を経過し、前記感知された室外温度が前記最低基準温度と前記最高基準温度の間の値を有する場合、前記制御部300は、前記測定された第1インデックスが前記設計温度以下を充足すると、基礎条件を充足したと判断することができる、(S1618)。
【0486】
図11は、本発明の実施例に係る第2インデックスの基礎条件を充足するのか否かを判断するための制御方法を示すフローチャートである。
【0487】
図11を参照すると、前記インデックス別の基礎条件を充足するのか否かを判断するステップ(S160)は、第2インデックスに対する基礎条件を充足するのか否かを判断するステップを含むことができる。ここで、前記第2インデックスは、前記S150ステップで測定された室外熱交換器の出口圧力の変化量であると理解することができる。
【0488】
前記暖房モードにおいて、着霜が成長(または進行)することにともない、前記室外熱交換器45を通過した冷媒の圧力は落ちることになる。即ち、室外熱交換センサー370で感知される冷媒の圧力は、着霜が成長することにともなって落ちることになる(図9及び図15参考)。
【0489】
従って、前記室外熱交換器の出口圧力の変化量(△Pc)は、着霜の有無を精密に判断できる判断のファクターとして利用することができる。
【0490】
前記S160ステップで、前記ヒートポンプ1は第4運転時間が経過したか否かを判断することができる(S1641)。
【0491】
前記第4運転時間は、前記室外熱交換器の出口圧力(Pc)をインデックスとして、着霜が発生し得る暖房モードの最小連続運転時間と規定することができる。一例として、前記第4運転時間は40分に設定することができる。
【0492】
前記第4運転時間が経過すると、前記室外熱交換器45では、特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度で着霜が発生する可能性がある。
【0493】
従って、前記第4運転時間が経過すると、前記特定の室外温度とこれに対応する圧縮機入口温度を基準として着霜の発生有無を判断することができる。
【0494】
前記メモリー310には、前記第4運転時間に対する情報が予め貯蔵される。
【0495】
前記S130ステップで、上述したように、前記制御部300は、前記タイマー320によって暖房モードで運転する時間を感知することができる。
【0496】
そして、前記制御部300は、前記タイマー320の感知情報に基づいて前記第4運転時間が経過したのかを判断することができる。
【0497】
前記ヒートポンプ1は、前記第4運転時間が経過したと判断されると、S140ステップで感知された室外温度が予め設定された最低基準温度と予め設定された最高基準温度の間であるのかを判断することができる(S1642)。
【0498】
前記最低基準温度及び前記最高基準温度は、上述した第1インデックスの最低基準温度及び最高基準温度と同一に設定することができる。一例として、前記最低基準温度は−40℃に設定される。そして、前記最高基準温度は25℃に設定される。
【0499】
即ち、前記制御部300は、前記S140ステップで感知された室外温度が前記最低基準温度以上及び前記最高基準温度以下の範囲に属するのかを判断することができる。
【0500】
そして、前記感知された室外温度が前記最低基準温度と前記最高基準温度の間の値を有すると判断されると、前記ヒートポンプ1は、前記測定された第2インデックス(△Pc)が予め設定された設計圧力を超えるのかを判断することができる(S1643)。
【0501】
前記設計圧力は70kPaに設定される。前記設計圧力に対する説明は、図14及び図15を参照して後述するようにする。
【0502】
前記メモリー310には、前記設計圧力に対する情報が予め貯蔵される。
【0503】
そして、前記ヒートポンプ1は、前記測定された第2インデックス(△Pc)が前記設計圧力を超えたと判断されると、基礎条件を充足したと判断することができる(S1644)。
【0504】
図12は、本発明の実施例に係る除霜モードの制御方法を示すフローチャートである。図12を参照して、本発明の実施例に係る除霜モードを終了するための制御方法を説明する。
【0505】
前記除霜モードに突入(S200)すると、前記ヒートポンプ1は、前記圧縮機100の回転数を制御することができる(S210)。
【0506】
具体的に、前記制御部300は、前記圧縮機100の回転数が段階的に上昇するように制御することができる。
【0507】
一例として、前記制御部300は、前記除霜モード突入時点から5秒経過後3600RPMに回転数を上昇させて1分間運転することができる。そして、前記制御部300は、前記1分後目標回転数まで上昇させて定時制御を行うことができる。
【0508】
また、前記ヒートポンプ1は、多数の弁ポジションを除霜モードに合わせる第1弁制御を行うことができる(S220)。
【0509】
具体的に、前記制御部300は、暖房モードにおいて多数の弁ポジションを除霜モードに合わされるように制御することができる。一例として、前記制御部200は、冷媒流動方向が転換されるように四方弁110を制御し、前記室外膨張弁151、廃熱膨張弁161、前記クーラー膨張弁156及び前記チラーバルブ164が閉鎖されるように制御して、前記室内膨張弁135を開放するように制御することができる。
【0510】
ここで、前記制御部300は、前記室内膨張弁135の開度を段階的に開放されるように制御することができる。
【0511】
また、前記ヒートポンプ1は、室内の暖房を維持させるために客室ヒーター60を作動(ON)させることができる(S230)。
【0512】
具体的に、前記制御部300は、前記客室ヒーター60が作動するように前記ヒーターポンプ61を作動させ、冷却水が前記ヒーター63を循環するように制御することができる。
また、前記ヒートポンプ1は、霜と圧縮冷媒間の熱伝達効果を最大化するために室外ファン46をオフ(OFF)させることができる。
【0513】
上述したように、前記室外ファン46の作動による対流熱伝達を回避するために、前記制御部300は、前記室外ファン46がオフ(OFF)されるように制御することができる。
【0514】
上記したS210〜S240ステップによれば、前記室外熱交換器45の表面に付着した霜が除去される除霜が実行される。
【0515】
そして、前記ヒートポンプ1は、冷媒の凝縮温度を測定して除霜終了条件を充足するのかを判断することができる(S260)。
具体的に、前記冷媒感知センサーPTは、前記室外配管115に設置される凝縮温度センサー(図示されない)をさらに含むことができる。
【0516】
前記凝縮温度センサーは、前記室外熱交換センサー370と反対側に設置される。そして、前記凝縮温度センサーは、除霜モードにおいて前記室外熱交換器45を通過する冷媒の温度を感知して前記制御部300に提供することができる。
【0517】
即ち、前記制御部300は、前記凝縮温度センサーから提供される感知情報に基づいて前記冷媒の凝縮温度を測定することができる。
【0518】
前記除霜終了条件は、前記凝縮温度を基準として設定される。そして、前記メモリー310には、前記除霜終了条件が予め貯蔵される。
【0519】
一例として、前記除霜終了条件は、凝縮温度が40℃を超える場合充足すると規定することができる。即ち、前記制御部300は、前記測定された凝縮温度が40℃を超えると判断されると、除霜モードを直ちに終了するように制御することができる。
【0520】
別の例として、前記除霜終了条件は、凝縮温度が15℃を超える場合充足すると規定することができる。ただし、この場合、前記除霜モードを30秒間維持した後除霜モードを終了するように規定することができる。即ち、前記制御部300は、前記測定された凝縮温度が15℃を超えると判断されると、除霜モードを30秒間さらに維持した後終了するように制御することができる。前記除霜終了条件で凝縮温度を下げると、前記除霜モード維持時間は増加することができる。
【0521】
そして、前記ヒートポンプ1は、前記測定された凝縮温度が前記除霜終了条件を充足したと判断すると、前記除霜モードを終了し、前記暖房モードで運転するための暖房運転転換ステップ(S300)を実行することができる。
【0522】
即ち、前記制御部300は、前記除霜終了条件を充足すると、前記除霜モードを終了し、前記暖房モードに転換されるように弁ポジションを制御することができる。
【0523】
一方、前記ヒートポンプ1は、前記測定された凝縮温度が前記除霜終了条件を充足できないと判断されると、予め設定された最大除霜モード運転時間が経過したか否かを判断することができる(S270)。
【0524】
前記最大除霜モード運転時間は、性能係数(COP)が急激に落ちる時点を基準として設定することができる。一例として、前記最大除霜モード運転時間は7分に設定される。前記メモリー310には、前記最大除霜モード運転時間に対する情報が予め貯蔵される。
【0525】
従って、前記最大除霜モード運転時間を超える運転は、前記ヒートポンプ1の性能に悪影響を与えるので、前記ヒートポンプ1は、最大除霜モード運転時間が経過したと判断されると、除霜モードを終了することができる。
【0526】
即ち、前記制御部300は、前記最大除霜モード運転時間が経過したと判断されると、除霜モードを終了し、暖房運転転換ステップ(S300)を実行することができる。
【0527】
図13は、図12の暖房運転転換ステップ(S300)を詳しく見せるフローチャートである。図13を参照して、フレッシュフォギング(fresh fogging)を防止するための制御方法を説明する。
【0528】
上述したように、除湿モードから暖房モードに急激に転換するとき霜が溶けて発生した凝縮水が急激に蒸発して、室内の前面窓ガラスに曇りを発生させるフレッシュフォギング(fresh fogging)現象が起きることがある。従って、前記フレッシュフォギングは、運転者の視野を妨害して安全性を落とす問題がある。
【0529】
これを防止するために、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、圧縮機100をオフ(OFF)させるステップを含むことができる(S310)。
【0530】
具体的に、前記制御部300は、暖房モードに切替えるために圧縮機100の起動を初期化するように前記圧縮機100をオフさせることができる。
【0531】
そして、前記圧縮機100のオフは、後述する駆動遅延時間に応じて維持される。即ち、前記圧縮機100の作動は、駆動遅延時間だけ遅延(delay)される。
【0532】
また、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、第2弁制御ステップをさらに含むことができる(S320)。
【0533】
具体的に、前記制御部300は、暖房モードの初期起動のために前記室外膨張弁118の閉鎖を維持し、室内膨張弁135の開度を段階的に減少させる第2弁制御を行うことができる。
【0534】
前記第2弁制御は、前記室内膨張弁135が完全に閉鎖されるとき、室外膨張弁118を開放させることができる。
【0535】
これによれば、前記除霜モードから前記暖房モードへの急激な弁ポジション転換を防止することができる。
【0536】
また、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、客室ヒーターオフ(OFF)ステップをさらに含むことができる(S330)。
【0537】
具体的に、前記制御部300は、除霜モードにおいて室内暖房を維持するために作動させた客室ヒーター60をオフ(OFF)させることができる。これによれば、不必要な電力消耗を防止することができる。
【0538】
また、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、室外ファンオン(ON)ステップをさらに含むことができる(S340)。
【0539】
具体的に、前記制御部300は、効果的な除霜のためにオフ(OFF)させた室外ファン46を再作動(ON)させることができる。
【0540】
また、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、フレッシュフォギング条件判断ステップをさらに含むことができる(S350)。
【0541】
前記メモリー310には、前記フレッシュフォギング条件が予め貯蔵される。
【0542】
前記フレッシュフォギング条件は、前記室外温度センサー330から感知された室外温度に基づいて判断することができる。一例として、前記フレッシュフォギング条件は、5℃を基準温度条件に設定することができる。
【0543】
そして、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、前記フレッシュフォギング条件に応じて圧縮機の駆動遅延時間を決定する駆動遅延時間決定ステップをさらに含むことができる(S360)。
前記メモリー310には、フレッシュフォギング条件に応じた駆動遅延時間が予め貯蔵される。
【0544】
具体的に、前記制御部300は、前記感知された室外温度が5℃より高い場合、前記駆動遅延時間を10分に決定することができる。従って、前記制御部300は、前記圧縮機100のオフ(OFF)状態を10分間維持することができる。
【0545】
また、前記制御部300は、前記感知された室外温度が5℃より低い場合、前記駆動遅延時間を1分に決定することができる。従って、前記制御部300は、前記圧縮機100のオフ(OFF)状態を1分間維持することができる。
【0546】
前記駆動遅延時間によれば、除霜モードから暖房モードに切替える時間を遅延させることができるので、前記フレッシュフォギングを防止することができる。
【0547】
そして、前記暖房運転転換ステップ(S300)は、前記決定された駆動遅延時間が経過したか否かを判断するステップをさらに含むことができる(S370)。
【0548】
前記制御部300は、前記タイマー320を通じて伝達される時間感知情報を利用して前記決定された駆動遅延時間が経過したか否かを判断することができる。
【0549】
そして、前記制御部300は、前記決定された駆動遅延時間が経過したと判断されると、前記暖房モードで運転を始めることができる(S380)。
【0550】
即ち、前記制御部300は、暖房モードに合わせて全ての弁ポジションを制御して、前記駆動遅延時間が経過すると、前記圧縮機100を起動(ON)させて暖房モードで運転を始めることができる。一例として、前記制御部300は、前記決定された駆動時間が経過すると、上述したS10ステップに復帰することができる。
【0551】
従って、前記ヒートポンプ1の運転が急激に除霜モードから暖房モードに転換されないので、前記フレッシュフォギングを防止し、電気自動車の安全性を向上させることができる。
【0552】
図14は本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの着霜による暖房能力変化を示す実験グラフであり、図15は本発明の実施例に係る電気自動車用ヒートポンプシステムの着霜による蒸発器の出口圧力(Pevapout)の変化を示す実験グラフである。
【0553】
図14を参照すると、前記ヒートポンプ1は、暖房モードで運転を始めた直後から暖房能力(Heating Capa.)が持続的に上昇し、最高点となる約1200(sec)から着霜発生と着霜成長によって減少し始める。
前記図14において、点線は、暖房モードで運転される圧縮機100の動力(Comp.power)を示す。
【0554】
図14及び図15を参照すると、前記暖房能力(Heating Capa.)が最高点である時の約1200(sec)において、室外熱交換センサー370によって感知される蒸発器の出口圧力(Pevapout)は約188kPaと一定に維持した後、前記暖房能力の減少とともに減少することを確認することができる。
【0555】
そして、前記暖房能力の減少の傾きが緩和される時点(約2700sec)から前記蒸発器の出口圧力(Pevapout)は約114kPaと一定に維持されることを確認することができる。
【0556】
前記減少の傾きが緩和される時点は、前記着霜成長が最大値に進行された場合であると理解することができる。
【0557】
従って、図11で上述した第2インデックスの設計圧力は、前記暖房能力が最高点である時の蒸発器の出口圧力(Pevapout)と、前記暖房能力の減少の傾きの緩和時点の蒸発器の出口圧力(Pevapout)の差である60〜80kPaに設定される。即ち、前記第2インデックスの設計圧力は、好ましくは70kPaに設定することができる。
【0558】
従って、前記第2インデックスが設計圧力より高い場合、着霜発生の可能性が非常に高いものとして、着霜判断に対する信頼性を向上させることができる。
【0559】
また、図15を参照すると、前記着霜の影響で蒸発器の出口圧力(Pevapout)の変化に応じて、圧縮機100の吸込温度(Ts)と吸込圧力(PS)も類似するグラフ傾向を有することが分かる。
【0560】
従って、圧縮機100の吐出温度(Td)を一定範囲内に維持するために、圧縮機100の仕事は、前記着霜が発生した場合により増加することになり、電力消耗が増加することになる。結局、正確な着霜判断及び除霜モード運転は電力消耗を最小化し、バッテリー20の1回充電当りの電気自動車の走行距離を向上させることができる。
【0561】
一方、図14及び図15は、室外温度を−5℃〜2℃に設定した実験条件を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15