(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地盤を走行する本体と前記本体に設けられた建設用作業部材とを備える建設機械の周囲の撮像画像を撮像する複数のカメラを、前記建設機械の周囲を撮像し得るように少なくとも前記本体の前後の各部位及び前記本体の左右の各部位に位置させて前記カメラ毎に着脱可能に取り付ける複数のカメラ着脱機構と、
前記複数のカメラで撮像された前記建設機械の周囲の撮像画像を合成して前記建設機械を中心とした建設機械全周の俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ユニットと前記俯瞰画像を遠隔操縦センターに送信すると共に前記遠隔操縦センターからの建設機械操縦指令信号を受信する送受信ユニットと前記俯瞰画像生成ユニットから前記送受信ユニットに前記俯瞰画像を伝送する画像伝送ユニットと前記各カメラに電力を供給すると共に前記俯瞰画像生成ユニットと前記画像伝送ユニット及び前記送受信ユニットに電力を供給する電源ユニットとを収容するラックを、前記本体に着脱可能に取り付けるラック着脱機構とを備え、
前記複数のカメラ着脱機構は、前記カメラを前記本体の前部に設けられた操作室のフロントガラスに着脱可能に取り付ける前方カメラ着脱機構を含んで構成され、
前記前方カメラ着脱機構は、
前記カメラを支持すると共に前記フロントガラスの外面に配置される外側マグネットユニットと、
前記フロントガラスを挟んで前記外側マグネットユニットと相対向し前記フロントガラスの内面に配置され前記外側マグネットユニットとの磁力線による磁気回路を形成することで前記フロントガラスに吸着され、かつ前記外側マグネットユニットとの磁力線による磁気回路を解放することで前記フロントガラスから離脱可能な内側マグネットユニットとを備え、
前記外側マグネットユニットは、
一対の半円筒状の外側磁性ブロックの間に非磁性の外側板材を介して円筒状に接合してなり軸方向の一端が前記フロントガラスの外面との接触面となる外側ベース部材と、
前記外側ベース部材の軸方向の他端において前記外側ベース部材内に前記外側ベース部材と同軸上で回転可能に嵌合され周方向の半部がS極、残りの半部がN極を構成する外側マグネットとを備え、
前記内側マグネットユニットは、
一対の半円筒状の内側磁性ブロックの間に非磁性の内側板材を介して円筒状に接合してなり軸方向の一端が前記フロントガラスの内面との接触面となる内側ベース部材と、
前記内側ベース部材の軸方向の他端において前記内側ベース部材内に前記内側ベース部材と同軸上で回転可能に嵌合され周方向の半部がS極、残りの半部がN極を構成する内側マグネットとを備え、
前記磁気回路の形成と解放は、前記外側マグネットと前記内側マグネットを回転させることでなされる、
ことを特徴とする建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造。
前記ラック着脱機構は、前記ラックを構成する複数の支柱の下端にそれぞれ設けられ前記本体の磁性体部分との磁力線による磁気回路を形成することで前記磁性体部分に吸着され、かつ前記磁性体部分との磁力線による磁気回路を解放することで前記本体から離脱可能な複数のマグネットユニットを備えることを特徴とする請求項1記載の建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造。
前記ラック着脱機構は、前記ラックを構成する複数の支柱の下端にそれぞれ設けられ前記本体の上面に載置される複数の設置パットと、前記ラックと前記本体間の複数箇所に緊張状態に架け渡すことにより前記設置パットを前記本体の上面に押圧して前記ラックを前記本体に着脱可能に取り付ける複数の緊締バンドとを備えることを特徴とする請求項1記載の建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造。
前記ラック着脱機構は、前記俯瞰画像生成ユニットと前記送受信ユニット及び電源ユニットを該各ユニット毎に収納し支持する開閉蓋付きボックスを備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態)
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る建設機械用俯瞰画像生成装置が搭載される建設機械について説明する。
本実施の形態では、緊急災害復旧工事などの危険な工事場所で使用される建設機械が遠隔制御により無人運転されるバックホウである場合について説明する。
この場合、操作者は工事場所より、充分離れた安全な場所からバックホウを遠隔操作することが可能になる。
【0012】
まず、バックホウの構成について説明する。
図1、
図2及び
図3に示すように、バックホウ10は、下部走行体12と、上部旋回体14と、ブーム16と、アーム18と、バケット20を含んで構成される。
なお、本明細書において左右方向はバックホウ10の後方から前方を見た状態で規定するものとする。
【0013】
下部走行体12は、クローラ1202の回転により地盤G上を走行する。
上部旋回体14は、下部走行体12の上部に旋回軸を中心に水平旋回可能に設けられている。
したがって、本実施の形態では、下部走行体12および上部旋回体14が、地盤Gを走行する本体10Aを構成している。
上部旋回体14には操作室1402が設けられ、操作室1402には、下部走行体12の走行、上部旋回体14の旋回、ブーム16の揺動、アーム18の揺動、バケット20の揺動などを操作するための何れも不図示の操作レバーや操作ペダルなどの複数の操作装置が設置されている。
【0014】
ブーム16は、その基端が水平方向に延在する支軸を介して上部旋回体14に揺動可能に支持されている。
アーム18は、その基端が水平方向に延在する支軸を介してブーム16の先端に揺動可能に支持されている。
バケット20は、その基端が水平方向に延在する支軸を介してアーム18の先端に揺動可能に支持されている。
上部旋回体14とブーム16との間には、ブーム16を揺動させるブームシリンダ1602が設けられている。
ブーム16とアーム18との間には、アーム18を揺動させるアームシリンダ1802が設けられている。
アーム18とバケット20との間には、バケット20を揺動させるバケットシリンダ2002が設けられている。
これらブームシリンダ1602、アームシリンダ1802、バケットシリンダ2002は油圧シリンダである。
したがって、ブームシリンダ1602が伸縮することにより上部旋回体14に対してブーム16が揺動される。
また、アームシリンダ1802が伸縮することによりブーム16に対してアーム18が揺動される。
また、バケットシリンダ2002が伸縮することによりアーム18に対してバケット20が揺動される。
本実施の形態では、ブーム16と、アーム18と、バケット20とが、建設用作業部材10Bを構成している。
【0015】
建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造は、
図1〜
図3に示すように、バックホウ10の周囲の撮像画像を撮像する複数のカメラ42、44、46、48をバックホウ10の本体10Aにカメラ毎に着脱可能に取り付ける複数のカメラ着脱機構52、54、56,58と、
図4、
図13に示すように、複数のカメラ42、44、46、48で撮像されたバックホウ10の周囲の撮像画像を合成してバックホウ10を中心とする俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ユニット62と送受信ユニット64と画像伝送ユニット66と電源ユニット68を収容するラック72を、本体10Aに着脱可能に取り付けるラック着脱機構70とを備えている。
【0016】
建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造について説明する前に、建設機械の俯瞰画像を生成する建設機械用俯瞰画像生成装置について説明する。
建設機械用俯瞰画像生成装置は、
図1〜
図4に示すように、魚眼レンズ付きの複数の俯瞰画像用カメラ42、44、46、48と、バックホウ10の操作室1402内を撮像する操作室内撮像用カメラ50と、俯瞰画像生成ユニット62と、送受信ユニット64と、画像伝送ユニット66と、電源ユニット68とを含んで構成されている。
複数の俯瞰画像用カメラのうち、カメラ42はバックホウ10の前方を撮像するもので、この前方カメラ42は、
図1〜
図3に示すように、バックホウ10の操作室1402のフロントガラス1404の外面に位置して、前方カメラ着脱機構52によりフロントガラス1404に着脱可能に取り付けられている。
カメラ44はバックホウ10の後方を撮像するもので、この後方カメラ44は、
図1〜
図3に示すように、上部旋回体14の後部に位置して後方カメラ着脱機構54により着脱可能に取り付けられている。
カメラ46はバックホウ10の左方を撮像するもので、この左方カメラ46は、
図1〜
図3に示すように、上部旋回体14の左側部に位置して左方カメラ着脱機構56により着脱可能に取り付けられている。
カメラ48はバックホウ10の右方を撮像するもので、この右方カメラ48は、
図2及び
図3に示すように、上部旋回体14の右側部に位置して右方カメラ着脱機構58により着脱可能に取り付けられている。
【0017】
俯瞰画像生成ユニット62は、各カメラ42、44、46、48で撮像されたバックホウ10の周囲の撮像画像を合成してバックホウ10を中心とするバックホウ10を含む周囲複数メートルの範囲にわたる俯瞰画像を生成するもので、
図4に示すように、別々の通信ケーブル4202、4402、4602、4802を介してそれぞれカメラ42、44、46、48に接続されている。
送受信ユニット64は、俯瞰画像生成ユニット62で生成された俯瞰画像及び操作室内撮像用カメラ50で撮像された操作室内画像を、図示省略の遠隔操縦センターに送信すると共に遠隔操縦センターからの建設機械操縦指令信号を受信するものであり、通信ケーブル6402を介して画像伝送ユニット66に接続され、さらに、通信ケーブル6404を介し送受信用アンテナ6406に接続されている。
画像伝送ユニット66は、俯瞰画像生成ユニット62で生成された俯瞰画像及び操作室内撮像用カメラ50で撮像された操作室内画像を送受信ユニット64に伝送するものであり、伝送ケーブル6604を介して俯瞰画像生成ユニット62に接続され、通信ケーブル6606を介して操作室内撮像用カメラ50に接続されている。
電源ユニット68は、各カメラ42、44、46、48に給電ケーブル(不図示)を介して電力を供給し、操作室内撮像用カメラ50に給電ケーブル6802を介して電力を供給すると共に、俯瞰画像生成ユニット62と送受信ユニット64及び画像伝送ユニット66に給電ケーブル6804、6806、6808を介して電力を供給するものである。
【0018】
俯瞰画像生成ユニット62、送受信ユニット64、画像伝送ユニット66及び電源ユニット68は、
図4に概略的に表した開閉蓋付きボックス74、75、76、77内に別々に収納し支持され、
図13に示すようにラック72に収容され支持されている。
なお、ラック72を本体10Aに着脱可能に取り付けるラック着脱機構70の詳細については後述する。
【0019】
次に、前方カメラ42の前方カメラ着脱機構52の一実施の形態について説明する。
前方カメラ着脱機構52は、
図5〜
図9に示すように、支持板5202と、複数(例えば3個)の外側マグネットユニット5204と、雲台5206と、カメラ収納ボックス5208と、複数(例えば3個)の内側マグネットユニット5210とを含んで構成されている。
支持板5202は、複数の外側マグネットユニット5204を支持するもので、バックホウ10の操作室1402のフロントガラス1404の外面に対向して配置される。支持板5202のフロントガラス1404と相対向する面には、3個の外側マグネットユニット5204が三角形の各頂点に位置するようにして固定されている。
雲台5206は、カメラ収納ボックス5208を含む前方カメラ42を、その撮影方向が任意に調節できるように支持するものであり、この雲台5206は、支持板5202の外側マグネットユニット5204の固定側と反対の面に雲台ベース5212を介して取り付けられている。また、雲台5206は、前方カメラ42の撮影方向を任意に調節するために、軸5214を中心にしてヨーイング(水平旋回方向)可能に、かつ軸5216を中心にしてピッチング(前後傾斜方向)可能に構成されている。
カメラ収納ボックス5208は、前方カメラ42を撮像可能な状態及び取り付け取り外し可能に収納し支持するもので、雲台5206の上端にカメラベース5218を介して取り付けられている。また、カメラ収納ボックス5208は、防水性及び防塵性を有するとともに、蝶番5220により開閉可能に取り付けられた開閉蓋5208Aを備えており、この開閉蓋5208Aは、フック5222によりロックできるように構成されている。
【0020】
外側マグネットユニット5204は、フロントガラス1404の外面に当接するように配置されるもので、
図10に示すように、一対の半円筒状の磁性ブロック5204Aと5204Bとの間に非磁性の板材5204Cを介して円筒状に接合してなるベース部材5204Dと、ベース部材5204Dのフロントガラス1404との接触面と反対側のベース部材5204D内に回転可能に嵌合されたマグネット5204Eと、マグネット5204Eに外周に突設した着脱用レバー5204Fとを備えている。
内側マグネットユニット5210は、フロントガラス1404の内面に各外側マグネットユニット5204のそれぞれに相対向して当接するように配置されるもので、一対の半円筒状の磁性ブロック5210Aと5210Bとの間に非磁性の板材5210Cを介して円筒状に接合してなるベース部材5210Dと、ベース部材5210Dのフロントガラス1404との接触面と反対側のベース部材5210D内に回転可能に嵌合されたマグネット5210Eと、マグネット5210Eに外周に突設した着脱用レバー5210Fとを備えている。
【0021】
次に、前方カメラ着脱機構52を用いて前方カメラ42をフロントガラス1404に取り付ける場合について説明する。
まず、外側マグネットユニット5204のベース部材5204Dをフロントガラス1404の外面に押し当て、さらに、内側マグネットユニット5210のベース部材5210Dをフロントガラス1404の内面にベース部材5204Dに相対向させて押し当てる。この状態で、外側マグネットユニット5204の着脱用レバー5204F及び内側マグネットユニット5210の着脱用レバー5210Fをそれぞれ操作することにより、それぞれのマグネット5204E及びマグネット5210Eを回転させ、マグネット5204EのN極とマグネット5210EのS極とを互いに対向させる。これにより、マグネット5204EのN極から出た磁力線は、
図10の矢印に示すように磁性ブロック5204B、フロントガラス1404、磁性ブロック5210Bを通してマグネット5210EのS極に入り、さらに、マグネット5210EのN極から出た磁力線は、
図10の矢印に示すように磁性ブロック5210D、フロントガラス1404、磁性ブロック5204Aを通してマグネット5204EのS極に入り、磁気回路が形成される。これにより、内外のマグネットユニットが互いに強力に吸着し合うことで前方カメラ42を含む前方カメラ着脱機構52がフロントガラス1404に固定される。
一方、N極同士及びS極同士が互いに対向するようにマグネット5204E及びマグネット5210Eを回転させることにより、マグネット5204EのN極及びS極が非磁性の板材5204Cに相対向され、かつマグネット5210EのN極及びS極が非磁性の板材5210Cに相対向された場合には、
図10の矢印に示す磁力線は生じることがなく、前方カメラ42を含む前方カメラ着脱機構52をフロントガラス1404に吸着するのに必要な磁気回路は形成されない。その結果、前方カメラ42を含む前方カメラ着脱機構52をフロントガラス1404から容易に離脱することが可能になる。
【0022】
上記のように俯瞰画像生成用の画像を撮像する前方カメラ42を前方カメラ着脱機構52によりフロントガラス1404に取り付ける方式によれば、外側マグネットユニット5204と内側マグネットユニット5210を利用して前方カメラ42をフロントガラス1404に直接着脱可能に取り付けることができため、操作室1402のフロント前面に前方カメラ専用の取り付け機構を前もって設ける必要がなくなり、前方カメラ42をフロントガラス1404に自由に取り付けたり、取り外したりすることができる。これに伴い、バックホウ等の汎用重機を含む一般の建設機械または既存の建設機械を、機種を問わず俯瞰画像生成装置付きの建設機械として使用することができ、しかも、その取り付け、取り外しは、実際の作業現場で自由かつ容易に行うこともできる。
また、開閉蓋付きのカメラ収納ボックス5208は防水性及び防塵性を有するため、これに収容された前方カメラ42を風雨や不用意な外力等の外部悪環境から保護することができる。しかも、前方カメラ42は開閉蓋付きカメラ収納ボックス5208に着脱可能に収納されているため、前方カメラ42の修理や交換する場合でも現場で直に実施でき、現場作業の進行に影響を与えることがない。
【0023】
次に、後方カメラ44の後方カメラ着脱機構54について説明する。
後方カメラ着脱機構54は、
図8及び
図9に示す前方カメラ着脱機構52から内側マグネットユニット5210を省略したものと同様の要素から構成されている。このため、後方カメラ着脱機構54の構成説明は省略する。ただし、後方カメラ着脱機構54により後方カメラ44を上部旋回体14に対して着脱する場合は、前方カメラ着脱機構52に付された構成要素の符号を用いて説明する。
【0024】
後方カメラ44を後方カメラ着脱機構54により上部旋回体14の後部に取り付ける場合は、後方カメラ着脱機構54を構成する複数のマグネットユニット5204を上部旋回体14の磁性体からなる後部の最適箇所に位置決めし、
図11及び
図12に示すように、マグネットユニット5204の磁性ブロック5204Aと5204Bと非磁性板材5204Cからなるベース部材5204Dを、その下面が上部旋回体14の後部の磁性体14Aの上面に直接載置する。この状態で、マグネットユニット5204の着脱用レバー5204Fを操作することにより、マグネット5204Eを回転させ、マグネット5204EのN極およびS極を、
図12に示すように磁性ブロック5204A及び5204Bに正対させる。これに伴い、マグネット5204EのN極から出た磁力線は、
図11の矢印に示すように磁性ブロック5204A、磁性体14A、磁性ブロック5204Bを通してマグネット5204EのS極に入り、磁気回路が形成される。これにより、複数のマグネットユニットが磁性体14Aに強力に吸着されるため、後方カメラ44を含む後方カメラ着脱機構54を上部旋回体14の後部に強固に固定することが可能になる。
一方、マグネット5204EのN極及びS極が90度離れた位置にある非磁性板材5204Cと相対向するようにマグネット5204Eを回転させると、マグネット5204EのN極から出た磁力線は磁性ブロック5204Aと5204Bを通り、S極に入る。その結果、マグネット5204Eによる磁性体14Aに対する吸着力は激減するため、後方カメラ44を含む後方カメラ着脱機構54を上部旋回体14の後部から容易に取り外すことが可能になる。
【0025】
次に、左方カメラ46の左方カメラ着脱機構56及び右方カメラ48の右方カメラ着脱機構58について説明する。
左方カメラ着脱機構56及び右方カメラ着脱機構58は、
図8及び
図9に示す前方カメラ着脱機構52から内側マグネットユニット5210を省略したものと同様の要素から構成されている。このため、左方カメラ着脱機構56及び右方カメラ着脱機構58の構成説明は省略する。また、左方カメラ着脱機構56により左方カメラ46を上部旋回体14の左側部に着脱する場合、及び右方カメラ着脱機構58により右方カメラ48を上部旋回体14の右側部に着脱する場合の操作は、左方カメラ46及び右方カメラ48の上部旋回体14への取り付け箇所が異なるものの、これらのカメラをそれぞれのカメラ着脱機構56、58を用いてバックホウ10の上部旋回体14に着脱する操作方式は上述した後方カメラ44を後方カメラ着脱機構54により上部旋回体14の後部に着脱する場合の操作と同様であるため、その操作説明は省略する。
【0026】
上記のように俯瞰画像生成用の画像を撮像する後方カメラ44は後方カメラ着脱機構54を構成するマグネットユニットにより上部旋回体14に直接着脱可能に取り付けられ、左方カメラ46は右方カメラ着脱機構56を構成するマグネットユニットにより上部旋回体14に直接着脱可能に取り付けられ、右方カメラ48は右方カメラ着脱機構58を構成するマグネットユニットにより上部旋回体14に直接着脱可能に取り付けられる方式になっているため、上部旋回体14の後部及び左右側部に後方用、左方用及び右方用のカメラ専用の取り付け機構を前もって設ける必要がなくなり、後方カメラ44及び左右の各カメラを上部旋回体14に自由に取り付けたり、取り外したりすることができる。これにより、バックホウ等の汎用重機を含む一般の建設機械または既存の建設機械を、機種を問わず俯瞰画像生成装置付きの建設機械として使用することができ、しかも、その取り付け、取り外しは、実際の作業現場で自由かつ容易に行うこともできる。
また、後方カメラ44及び左右のカメラ46、48はそれぞれの開閉蓋付きカメラ収納ボックスに着脱可能に収納されているため、後方カメラ44及び左右のカメラ46、48を風雨や不用意な外力等の外部悪環境から保護することができることに加え、これらカメラの修理や交換する場合でも現場で直に実施でき、現場作業の進行に影響を与えることがない。
【0027】
次に、ラック着脱機構70について説明する。
ラック着脱機構70は、
図4及び
図13に示すように、ラック72と、複数のマグネットユニット73と、俯瞰画像生成ユニット62を着脱可能に収容し支持する開閉蓋7402付きのボックス74と、送受信ユニット64を着脱可能に収容し支持する開閉蓋7502付きのボックス75と、画像伝送ユニット66を着脱可能に収容し支持する開閉蓋7602付きのボックス76と、電源ユニット68を着脱可能に収容し支持する開閉蓋7702付きのボックス77とを備えている。
【0028】
ラック72は、俯瞰画像生成ユニット62用の開閉蓋付きボックス74、送受信ユニット64用の開閉蓋付きボックス75、画像伝送ユニット66用の開閉蓋付きボックス76及び電源ユニット68用の開閉蓋付きボックス77のそれぞれを着脱可能に支持するものであり、
図13に示すように、上下方向に一定の間隔をおいて平行に配置された複数段、例えば2段の矩形状の棚枠7202と、各棚枠7202の四隅箇所を含む周囲複数個所、例えば周囲6箇所に鉛直に配置され各棚枠7202を支持する複数、例えば6本の支柱7204とを含んで構成されている。
複数のマグネットユニット73は、ラック72をバックホウ10の上部旋回体14の磁性体部分14Bに着脱可能に取り付けるためのものであり、各支柱7204の下端に取着されている。
俯瞰画像生成ユニット62用の開閉蓋付きボックス74と送受信ユニット64用の開閉蓋付きボックス75は、ラック72の上段の棚枠7202上に着脱可能に設置されている。また、画像伝送ユニット66用の開閉蓋付きボックス76と電源ユニット68用の開閉蓋付きボックス77は、ラック72の下段の棚枠7202上に着脱可能に設置されている。
【0029】
開閉蓋付きボックス74の側壁には、各カメラ42、44、46、48との通信ケーブル4202、4402、4602、4802が接続される端子7404と、画像伝送ユニット66との通信ケーブル6604が接続される端子7406と、電源ユニット68との給電ケーブル6804が接続される端子7408等が設けられている。
開閉蓋付きボックス75の側壁には、画像伝送ユニット66との通信ケーブル6402が接続される端子7504と、送受信用アンテナ6406との通信ケーブル6404が接続される端子7506と、電源ユニット68との給電ケーブル6806が接続される端子7508等が設けられている。
開閉蓋付きボックス76の側壁には、俯瞰画像生成ユニット62との通信ケーブル6604が接続される端子7604と、送受信ユニット64との通信ケーブル6402が接続される端子7606と、操作室内撮像用カメラ50との通信ケーブル6606が接続される端子7608と、電源ユニット68との給電ケーブル6808が接続される端子7610等が設けられている。
開閉蓋付きボックス77の側壁には、各カメラ42、44、46、48との給電ケーブル及び操作室内撮像用カメラ50との給電ケーブル6802が接続される端子7704と、俯瞰画像生成ユニット62との給電ケーブル6804が接続される端子7706と、送受信ユニット64との給電ケーブル6806が接続される端子7708と、画像伝送ユニット66との給電ケーブル6808が接続される端子7710等が設けられている。
【0030】
マグネットユニット73は、
図14に示すように、一対の半円筒状の磁性ブロック7302と7304との間に非磁性の板材7306を介して円筒状に接合してなるベース部材7308と、ベース部材7308の上部旋回体14の磁性体部分14Bとの接触面と反対側のベース部材7308内に回転可能に嵌合されたマグネット7310と、マグネット7310に外周に突設した着脱用レバー7312と、マグネット7310の上端部を覆うカバー部材7314と、カバー部材7314の上端面に設けられマグネットユニット73を支柱7204の下端に結合する結合部材7316とを備えている。
【0031】
上記のように構成されたラック着脱機構70において、ラック72をマグネットユニット73により上部旋回体14上に取り付ける場合は、各マグネットユニット73が上部旋回体14の磁性体部分14Bに位置するようにしてラック72を上部旋回体14上に載置し、ベース部材7308の下面を磁性体部分14Bに当接させる。この状態で、マグネットユニット73の着脱用レバー7312を操作することにより、マグネット7310を回転させ、マグネット7310のN極およびS極を、
図14に示すように磁性ブロック7302及び7304に正対させる。これにより、マグネット7310のN極から出た磁力線は、
図14の矢印に示すように磁性ブロック7302、磁性体部分14B、磁性ブロック7304を通してマグネット7310のS極に入り、磁気回路が形成される。これに伴い、各マグネットユニット73が磁性体部分14Bに強力に吸着されるため、俯瞰画像生成ユニット62と送受信ユニット64と画像伝送ユニット66及び電源ユニット68を収容したラック72を上部旋回体14上に強固に固定することが可能になる。
一方、マグネット7310のN極及びS極が90度離れた位置にある非磁性板材7306と相対向するようにマグネット7310を回転させると(
図12参照)、マグネット7310のN極から出た磁力線は磁性ブロック7302及び7304を通り、S極に入る。その結果、マグネット7310による磁性体部分14Bに対する吸着力は激減するため、ラック72を上部旋回体14上から容易に取り外すことが可能になる。
【0032】
上記のようなラック着脱機構70によれば、ラック72は複数のマグネットユニット73により上部旋回体14上に着脱可能に取り付けられる構成になっているため、上部旋回体14にラック専用の取り付け機構を前もって設ける必要がなくなり、特別な専用の加工を何等施すことなく、ラック72を上部旋回体14に自由に取り付けたり、取り外したりすることができる。これに伴い、上部旋回体14の後部及び左右側部に後方用、左方用及び右方用のカメラ専用の取り付け機構を設ける必要がなくなり、ラック72を上部旋回体に取り付けるのみで、バックホウ等の汎用重機を含む一般の建設機械または既存の建設機械を、機種を問わず俯瞰画像生成装置付きの建設機械として使用することができ、しかも、その取り付け、取り外しは、実際の作業現場で自由かつ容易に行うこともできる。
また、俯瞰画像生成ユニット用の開閉蓋付きボックス74、送受信ユニット用の開閉蓋付きボックス75、画像伝送ユニット用の開閉蓋付きボックス76、電源ユニット用の開閉蓋付きボックス77はラック72に着脱可能に設置できる構成になっているため、これら開閉蓋付きボックスの交換や取り外しを任意に行うことができる。
さらに、俯瞰画像生成ユニット用の開閉蓋付きボックス74、送受信ユニット用の開閉蓋付きボックス75、画像伝送ユニット用の開閉蓋付きボックス76及び電源ユニット用の開閉蓋付きボックス77は防水性及び防塵性を有するため、それぞれの開閉蓋付きボックスに収容された俯瞰画像生成ユニット62、送受信ユニット64、画像伝送ユニット66及び電源ユニット68を風雨や不用意な外力等の外部悪環境から保護することができる。しかも、俯瞰画像生成ユニット62、送受信ユニット64、画像伝送ユニット66及び電源ユニット68はそれぞれの開閉蓋付きボックスに着脱可能に収納されているため、これら各ユニットの修理や交換の場合でも現場で直に実施でき、現場作業の進行に影響は与えることがない。
【0033】
次に、前方カメラ42をバックホウ10の操作室1402の前面に取り付けた場合の前方カメラ着脱機構の他の実施例について
図15〜
図17を参照して説明する。
この実施の形態における前方カメラ着脱機構80は、
図15〜
図17に示すように、支持架台82(特許請求の範囲に記載した磁性体に相当する)と、カメラユニット84とを備えている。
支持架台82は、前方カメラ42を含むカメラユニット84をバックホウ10の操作室1402の前面に着脱可能に支持するものである。
【0034】
支持架台82は、
図15〜
図17に示すように、磁性体からなるバー部材8202と、複数の第1マグネットベース8204と、複数の固定用ボルト8206と、カメラユニット支持板8208と、複数の第2マグネットベース8210とを備えている。
バー部材8202は、前方カメラ42を含むカメラユニット84をバックホウ10の操作室1402の前面部に支持するためのもので、フロントガラス1404の横幅方向に沿い延在する長さを有しており、このバー部材8202には、複数の長穴8202Aがバー部材8202の長さ方向に沿って一定の間隔で形成されている。
このようなバー部材8202は、バックホウ10の操作室1402を構成する磁性体からなる枠体1410のフロントガラス1404の下方に位置する前面箇所に、フロントガラス1404の横幅方向に沿って配置される。さらに、バー部材8202は、その両端に位置する長穴8202Aにそれぞれ挿通された固定ボルト8206を枠体1410の前面箇所に突設した結合部材8212のねじ穴に螺合して締め付けることにより枠体1410に固定される。この場合、バー部材8202とこれに対向する結合部材8212の先端面との間にスペーサ8214を介在することにより、バー部材8202の枠体1410への固定を、より確実にすることが可能になる。
また、枠体1410に固定されたバー部材8202の中央部よりバー部材8202の固定端に片寄らせて第1マグネットベース8204が取り付けられている。この第1マグネットベース8204は枠体1410に吸着されている。これにより、両持ち状態のバー部材8202が振幅運動するのを防止し、同時にカメラユニット84のブレを防止できるようになっている。
【0035】
カメラユニット支持板8208は、カメラユニット84を着脱可能に支持するものであり、カメラユニット支持板8208の長尺方向の中間部前面には、カメラユニット支持板8208の前面から水平かつ直角に突出する、磁性体からなるカメラユニット載置板8208Aが設けられている。
【0036】
このような構造のカメラユニット支持板8208は、カメラユニット載置板8208Aがフロントガラス1404の前方に突出するようにして、その上端部をバー部材8202の中央部分にボルト8216により固定することによりバー部材8202から垂下状態に取り付けられている。また、カメラユニット支持板8208の垂下端部には複数の第2マグネットベース8210が取り付けられている。この第2マグネットベース8210は、これに対向する上部旋回体14の磁性体からなる前面部14Cに吸着することにより、片持ち状態のカメラユニット支持板8208が振幅運動するのを防止し、同時にカメラユニット84のブレを防止できるように構成されている。
なお、バー部材8202の固定ボルト8206を結合部材8212から抜き取った後、第1マグネットベース8204の吸着力に抗して第1マグネットベース8204を枠体1410から引き剥がすことにより、カメラユニット84を含めた支持架台82を枠体1410から取り外すことができるように構成されている。
【0037】
次に、カメラユニット84について説明する。
カメラユニット84は、前方カメラ42と、支持板8402と、複数(例えば2個)のマグネットユニット8404と、磁石を有する1個の設置パット8406と、雲台8408と、カメラ収納ボックス8410とを含んで構成されている。
【0038】
支持板8402は、マグネットユニット8404と設置パット8406を支持するものであり、支持架台82のカメラユニット載置板8208Aの上面に対向して配置されている。支持板8402のカメラユニット載置板8208Aと対向する下面には、2個のマグネットユニット8404と設置パット8406が三角形の各頂点に位置するようにして固定されている。
雲台8408は、カメラ収納ボックス8410を含む前方カメラ42を、その撮影方向が任意に調節できるように支持するものであり、この雲台8408は、支持板8402のマグネットユニット固定側と反対の上面に取り付けられている。また、雲台8408は、前方カメラ42の撮影方向を任意に調節するために、ヨーイング(水平旋回方向)可能に、かつピッチング(前後傾斜方向)可能に構成されている。
カメラ収納ボックス8410は、前方カメラ42を撮像可能な状態及び取り付け取り外し可能に収納し支持するもので、雲台8408の上端にカメラベース8412を介して取り付けられている。また、カメラ収納ボックス8410は、防水性及び防塵性を有するとともに、蝶番8410Cにより開閉可能に取り付けられた開閉蓋8410Aを備えており、この開閉蓋8410Aは、フック8410Bによりロックできるように構成されている。
【0039】
次に、カメラユニット84を支持架台82に取り付ける場合について説明する。
まず、カメラユニット84のマグネットユニット8404及び設置パット8406の下端がカメラユニット載置板8408Aの上面に当接されるようにしてカメラユニット84をカメラユニット載置板8408A上に載置する。この状態でマグネットユニット8404の着脱用レバー8404Aを操作し、マグネットユニット8404の磁力線がカメラユニット載置板8408Aを通ることにより,
図11に示す場合と同様な磁気回路を形成する。これにより、マグネットユニット8404はカメラユニット載置板8408Aに吸着し、設置パット8406の磁石がカメラユニット載置板8408Aに吸着することで前方カメラ42を含むカメラユニット84がカメラユニット載置板8408Aに固定される。
一方、着脱用レバー8404Aを、
図12で説明した場合と同様に操作することにより、磁力線がカメラユニット載置板8408Aを通ることによる磁気回路を解放する。その結果、前方カメラ42を含むカメラユニット84をカメラユニット載置板8408Aから容易に離脱することが可能になる。
【0040】
上記のような他の実施の形態に示す前方カメラ着脱機構80によれば、操作室1402の枠体1410に設けた単純な構造の円筒状の結合部材8212及び固定ボルト8206と第1、第2マグネットベース8204、8210を利用してカメラユニット支持架台82を操作室1402の枠体1410及び上部旋回体14に支持する方式であるため、枠体1410に対しては単純な構造の結合部材8212を付加するだけ済み、低コスト化を実現できるとともに、結合部材8212を枠体1410に予め設けておくだけで、カメラユニット支持架台82をバックホウ等の一般の建設機械または既存の建設機械に取り付けることが可能になり、その取り付け、取り外しは、実際の作業現場で自由かつ容易に行うこともできる。
また、カメラユニット84はマグネットユニット8404を利用して支持架台82に着脱可能に取り付けられる方式になっているため、上記前方カメラ着脱機構52に示す場合と同様な効果が得られる。
【0041】
次に、ラック着脱機構の他の実施例について
図18及び
図19を参照して説明する。
ラック着脱機構90は、
図18及び
図19に示すように、ラック92と、複数の設置パット94と、2種類の緊締バンド96及び98と、それぞれ
図13に示す場合と同様に構成された俯瞰画像生成ユニット62を着脱可能に収容し支持する開閉蓋付きのボックス74と、送受信ユニット64を着脱可能に収容し支持する開閉蓋付きのボックス75と、画像伝送ユニット66を着脱可能に収容し支持する開閉蓋付きのボックス76と、電源ユニット68を着脱可能に収容し支持する開閉蓋付きのボックス77とを備えている。
【0042】
ラック92は、開閉蓋付きボックス74、75、76及び77のそれぞれを着脱可能に支持するもので、
図18及び
図19に示すように、上下方向に一定の間隔をおいて平行に配置された複数段、例えば上下2段の矩形状の棚枠9202と、各棚枠9202の四隅箇所を含む周囲複数個所、例えば周囲6箇所に鉛直に配置され各棚枠9202を支持する複数、例えば6本の支柱9204とを含んで構成されている。
複数の設置パット94は、ラック92をバックホウ10の上部旋回体14の上面14Cに密接状態に当接させるためのもので、各支柱9204の下端に取着されている。
2種類の緊締バンド96及び98は、設置パット94を介して上部旋回体14の上面14C上に載置されたラック92を上部旋回体14に着脱可能に取り付けるためのものである。
【0043】
2種類の緊締バンドのうち、一方の緊締バンド96は、上部旋回体14の外周囲を左右方向に横断する方向と、上部旋回体14の外周囲を前後方向に横断する方向とにそれぞれ巻き掛けられるとともに、これら緊締バンド96の巻き掛け両端をラック92、具体的には上段の棚枠9202が支持される支柱9204への取り付け箇所で各支柱9204間を連結する横部材9206に係脱可能に係合し、緊締バンド96の途中に設けた締付具9602を操作することにより緊締バンド96を締め付けてラック92を上部旋回体14に固定する。
さらに、2種類の緊締バンドのうち、他方の緊締バンド98は、ラック92の横部材9206と上部旋回体14の上面14Cに着脱可能に取り付けられたアイボルト9802との間に架け渡され、緊締バンド98の途中に設けた締付具9804を操作することにより緊締バンド98を締め付けてラック92を上部旋回体14に固定する。
また、上述のように上部旋回体14に固定されたラック92を上部旋回体14から取り外す場合は、緊締バンド96を締付具9602により緩めて緊締バンド96の両端をラックの横部材9206から外す。さらに、緊締バンド98を締付具9804により緩めて緊締バンド98の一端をラックの横部材9206から外す。これにより、ラック92を上部旋回体14から取り外すことができる。
【0044】
上記のような他の実施例に示すラック着脱機構90によれば、
図13の実施の形態に示すラック着脱機構70と同様な効果が得られる。
【0045】
なお、建設機械用俯瞰画像生成装置の取り付け構造を構成するカメラ着脱機構及びラック着脱機構は、上述したカメラ着脱機構52、80及びラック着脱機構70、90に示す構造のものに限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的構成要件を逸脱しない範囲において種々に変更できることは勿論である。