(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909910
(24)【登録日】2021年7月7日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】セラミックヒータ
(51)【国際特許分類】
H05B 3/74 20060101AFI20210715BHJP
H05B 3/14 20060101ALI20210715BHJP
H05B 3/10 20060101ALI20210715BHJP
H05B 3/02 20060101ALI20210715BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
H05B3/74
H05B3/14 B
H05B3/10 A
H05B3/02 B
H01L21/02 Z
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-128159(P2020-128159)
(22)【出願日】2020年7月29日
(62)【分割の表示】特願2020-514637(P2020-514637)の分割
【原出願日】2019年12月4日
(65)【公開番号】特開2020-194784(P2020-194784A)
(43)【公開日】2020年12月3日
【審査請求日】2020年7月29日
(31)【優先権主張番号】特願2018-238226(P2018-238226)
(32)【優先日】2018年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋大
(72)【発明者】
【氏名】松下 諒平
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/039453(WO,A1)
【文献】
特開2010−040422(JP,A)
【文献】
特開2004−296532(JP,A)
【文献】
特開2012−160368(JP,A)
【文献】
特開2005−056759(JP,A)
【文献】
特開2017−191910(JP,A)
【文献】
特開2003−224044(JP,A)
【文献】
特開2013−012413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02−3/18
H05B 3/40−3/82
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ載置面を有する円盤状のセラミックプレートと、
小径部と大径部とを有し、前記セラミックプレートのうち前記ウエハ載置面とは反対側の裏面に前記大径部の端面が接合された筒状シャフトと、
前記セラミックプレートの内周部に埋設された内周側抵抗発熱体と、
前記セラミックプレートの外周部に埋設された外周側抵抗発熱体と、
前記内周側抵抗発熱体の一対の端子及び前記外周側抵抗発熱体の一対の端子を含む付帯部品と、
前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記小径部の内側領域の起点から前記セラミックプレートの外周部の所定の終端位置に至る長穴と、
を備え、
前記筒状シャフトの内部空間は、前記小径部の内径と同じ径の円筒空間と、前記円筒空間の外側に前記大径部によって囲まれた環状の拡張空間とを有し、
前記長穴の入口部分は、長溝であり、
前記長溝は、前記起点から前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記拡張空間内の拡張領域に至るように設けられ、
前記付帯部品は、前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記小径部の内側領域であって前記長溝以外の位置に設けられている、
セラミックヒータ。
【請求項2】
前記長溝は、前記セラミックプレートの半径方向に沿って設けられている、
請求項1に記載のセラミックヒータ。
【請求項3】
前記長溝は、前記セラミックプレートの半径方向から外れた方向に沿って設けられている、
請求項1に記載のセラミックヒータ。
【請求項4】
前記長穴は、熱電対を挿入する熱電対挿入用長穴である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項5】
前記長溝は、前記ウエハ載置面に対して垂直方向から水平方向に転換する湾曲部を備えた熱電対ガイドの前記湾曲部を配置するために用いられる、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項6】
請求項5に記載のセラミックヒータであって、
前記長溝に配置された前記熱電対ガイドを備える、
セラミックヒータ。
【請求項7】
請求項6に記載のセラミックヒータであって、
前記熱電対ガイド及び前記長穴に挿入された熱電対を備える、
セラミックヒータ。
【請求項8】
前記セラミックプレートを前記裏面からみたときに前記熱電対の測温部が前記外周側抵抗発熱体の幅の中に収まるように配置されている、
請求項7に記載のセラミックヒータ。
【請求項9】
前記長穴は、断面略四角形の穴であり、前記穴の天井面と側面との境界部は、曲率半径が0.5mm以上のR面である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項10】
前記長穴は、前記起点から前記終端位置までの途中にテーパ部を有し、前記起点から前記テーパ部の一端までは幅広部であり、前記テーパ部の他端から前記終端位置までは幅狭部である、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項11】
前記長穴の天井面は、前記起点から前記終端位置までの途中に傾斜状の段差を有し、前記天井面のうち前記起点から前記段差までの深さは前記段差から前記終端位置までの深さよりも深い、
請求項1〜10のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項12】
前記外周側熱電対の測温部は凸状曲面であり、前記長穴の終端面のうち前記外周側熱電対の測温部が接触する部分は凹状曲面である、
請求項1〜11のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項13】
前記長溝と前記付帯部品との間隔は、2mm以上である、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【請求項14】
前記長穴の前記起点側の壁は、前記セラミックプレートの前記裏面から前記長穴の奥に向かって湾曲している、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックヒータとしては、ウエハ載置面を有する円盤状のセラミックプレートの内周側と外周側にそれぞれ独立に抵抗発熱体を埋め込んだ2ゾーンヒータと呼ばれるものが知られている。例えば特許文献1には、
図19に示すシャフト付きセラミックヒータ410が開示されている。このシャフト付きセラミックヒータ410は、セラミックプレート420の外周側の温度を外周側熱電対450で測定する。熱電対ガイド432は、筒状部材であり、ストレートシャフト440の内部で下方から上方にまっすぐ延びたあと円弧状に曲げられて90°方向転換している。この熱電対ガイド432は、セラミックプレート420の裏面のうちストレートシャフト440に囲まれた領域に設けられたスリット426aに取り付けられている。スリット426aは、熱電対通路426の入口部分をなす。外周側熱電対450は、熱電対ガイド432の筒内に挿入されて熱電対通路426の終端位置に達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/039453号パンフレット(
図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セラミックヒータ410では、ストレートシャフト440を用いているため、セラミックプレート420の裏面のうちストレートシャフト440に囲まれた領域に占めるスリット426aの面積割合が大きかった。そのため、2ゾーンヒータの4つの端子を配置する領域がスリット426aによって制限されるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、多ゾーンヒータにおいて、端子などの配置の自由度を高めることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセラミックヒータは、
ウエハ載置面を有する円盤状のセラミックプレートと、
小径部と大径部とを有し、前記セラミックプレートのうち前記ウエハ載置面とは反対側の裏面に前記大径部の端面が接合された筒状シャフトと、
前記セラミックプレートの内周部に埋設された内周側抵抗発熱体と、
前記セラミックプレートの外周部に埋設された外周側抵抗発熱体と、
前記内周側抵抗発熱体の一対の端子及び前記外周側抵抗発熱体の一対の端子を含む付帯部品と、
前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記小径部の内側領域の起点から前記セラミックプレートの外周部の所定の終端位置に至る長穴と、
を備え、
前記筒状シャフトの内部空間は、前記小径部の内径と同じ径の円筒空間と、前記円筒空間の外側に前記大径部によって囲まれた環状の拡張空間とを有し、
前記長穴の入口部分は、長溝であり、
前記長溝は、前記起点から前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記拡張空間内の拡張領域に至るように設けられ、
前記付帯部品は、前記セラミックプレートの前記裏面のうち前記小径部の内側領域であって前記長溝以外の位置に設けられている、
ものである。
【0007】
このセラミックヒータでは、筒状シャフトの内部空間は、小径部の内径と同じ径の円筒空間と、その円筒空間の外側に大径部によって囲まれた環状の拡張空間とを有している。長穴は、セラミックプレートの裏面のうち小径部の内側領域の起点からセラミックプレートの外周部に延びている。長穴の入口部分は、長溝である。長溝は、長穴の起点から拡張領域に至るように設けられている。付帯部品は、セラミックプレートの裏面のうち小径部の内側領域であって長溝以外の位置に設けられている。セラミックプレートの裏面のうち小径部の内側領域に占める長溝の割合は、長溝が拡張領域に入り込むように設けられているため、長溝が拡張領域に入り込んでいない場合(つまり拡張領域がない場合)に比べて、小さくなる。そのため、端子などの付帯部品を配置可能な領域は、拡張領域のない場合に比べて広くなる。したがって、多ゾーンヒータにおいて、端子などの配置の自由度を高めることができる。
【0008】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長溝は、前記セラミックプレートの半径方向に沿って設けられていてもよい。こうすれば、同じ長さの長溝を備えた長穴を設ける場合、長穴の長さが最短になる。そのため、長穴によるウエハの均熱性への影響を小さくすることができる。
【0009】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長溝は、前記セラミックプレートの半径方向から外れた方向に沿って設けられていてもよい。こうすれば、セラミックプレートの裏面のうち小径部の内側領域の中央を長溝が通ることがないため、端子の配置の自由度をより高めることができる。
【0010】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長穴は、熱電対を挿入する熱電対挿入用長穴であってもよい。こうすれば、長穴を利用して熱電対を挿入することができる。
【0011】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長溝は、前記ウエハ載置面に対して垂直方向から水平方向に転換する湾曲部を備えた熱電対ガイドの前記湾曲部を配置するために用いられるものとしてもよい。こうすれば、垂直方向から水平方向へ湾曲した筒状の熱電対ガイドを備えた多ゾーンヒータにおいて、端子などの配置の自由度を高めることができる。
【0012】
なお、「垂直」とは、完全に垂直な場合のほか、実質的に垂直な場合(例えば公差の範囲に入る場合など)も含む。「水平」も同様である。
【0013】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記拡張空間は、前記熱電対ガイドの前記湾曲部を旋回可能な大きさの空間であってもよい。こうすれば、熱電対ガイドの湾曲部を拡張空間内で旋回させながら長溝に配置することができる。したがって、垂直方向から水平方向へ湾曲した筒状の熱電対ガイドを容易にセットすることができる。
【0014】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長溝の長さは、前記熱電対ガイドの前記湾曲部のうち前記長溝に配置される先端部分の長さ以上となるように定められていてもよい。こうすれば、熱電対ガイドをより容易にセットすることができる。
【0015】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記熱電対ガイドの前記湾曲部の外径は前記垂直部の外径よりも小さくてもよい。こうすれば、長溝の幅を小さくすることができる。
【0016】
本発明のセラミックヒータは、前記長溝に配置された前記熱電対ガイドを備えていてもよく、更に、前記熱電対ガイド及び前記長穴に挿入された熱電対を備えていてもよい。前記熱電対を備えている場合、前記セラミックプレートを前記裏面からみたときに前記熱電対の測温部が前記外周側抵抗発熱体の幅の中に収まるように配置されていてもよい。こうすれば、外周側抵抗発熱体の温度変化をレスポンスよく外周側熱電対の測温部で検出することができる。
【0017】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長穴は、断面略四角形の穴であり、前記穴の天井面と側面との境界部は、曲率半径が0.5mm以上のR面(湾曲面)であってもよい。こうすれば、天井面と側面との境界部を起点としてセラミックプレートにクラックが発生するのを抑えることができる。
【0018】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長穴は、前記起点から前記終端位置までの途中にテーパ部を有し、前記起点から前記テーパ部の一端までは幅広部であり、前記テーパ部の他端から前記終端位置までは幅狭部であってもよい。こうすれば、外周側熱電対はテーパ部に誘導されて長穴にスムーズに挿入することができる。また、熱電対ガイドを利用して外周側熱電対を長穴に挿入する場合、熱電対ガイドがテーパ部と当接するようにすれば、テーパ部が熱電対ガイドを一時的に固定する役割を果たすため、外周側熱電対を挿入しやすい。
【0019】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長穴の天井面は、前記起点から前記終端位置までの途中に傾斜面を有し、前記天井面のうち前記起点から前記傾斜面までの深さは前記傾斜面から前記終端位置までの深さよりも深くなっていてもよい。こうすれば、熱電対ガイドを利用して外周側熱電対を長穴にスムーズに挿入することができる。なお、前記天井面と前記終端位置の立壁との境界は傾斜面になっていてもよい。
【0020】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記外周側熱電対の測温部は凸状曲面であり、前記長穴の終端面のうち前記外周側熱電対の測温部が接触する部分は凹状曲面であってもよい。こうすれば、外周側熱電対の測温部が所望の測定点である長穴の終端面と面接触するか又はそれに近い状態で接触するため、測温精度が向上する。
【0021】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長溝と前記付帯部品との間隔は、2mm以上であってもよい。こうすれば、長溝と付帯部品との間が狭すぎてセラミックプレートにクラックが入ってしまうのを防止することができる。
【0022】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記長穴の入口部分の壁は、前記長穴の奥に向かって湾曲していてもよい。こうすれば、熱電対ガイドを用いなくても、入口部分の湾曲した壁を利用して外周側熱電対をスムーズに長穴に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図9】外周側熱電対50の測温部50aの位置の一例を示す説明図。
【
図11】上側プレートP1の裏面を上向きにしたときの斜視図。
【
図12】別例の長穴26が設けられた上側プレートP1の裏面図。
【
図15】長穴26に挿入された外周側熱電対50の測温部50aの別例の平面図。
【
図16】長穴26に挿入された外周側熱電対50の測温部50aの別例の平面図。
【
図17】長溝26aと付帯部品との間隔Gを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1はセラミックヒータ10の斜視図、
図2は
図1のA−A断面図、
図3は
図1のB−B断面図、
図4は熱電対ガイド32の正面図、
図5は
図3の中央部分の拡大図である。
【0025】
セラミックヒータ10は、エッチングやCVDなどの処理が施されるウエハWを加熱するために用いられるものであり、図示しない真空チャンバ内に設置される。このセラミックヒータ10は、ウエハ載置面20aを有する円盤状のセラミックプレート20と、セラミックプレート20のウエハ載置面20aとは反対側の面(裏面)20bに接合された筒状シャフト40とを備えている。
【0026】
セラミックプレート20は、窒化アルミニウムやアルミナなどに代表されるセラミック材料からなる円盤状のプレートである。セラミックプレート20の直径は特に限定されるものではないが、例えば300mm程度である。セラミックプレート20は、セラミックプレート20と同心円状の仮想境界20c(
図3参照)によって小円形の内周側ゾーンZ1と円環状の外周側ゾーンZ2とに分けられている。セラミックプレート20の内周側ゾーンZ1には内周側抵抗発熱体22が埋設され、外周側ゾーンZ2には外周側抵抗発熱体24が埋設されている。両抵抗発熱体22,24は、例えばモリブデン、タングステン又は炭化タングステンを主成分とするコイルで構成されている。セラミックプレート20は、
図2に示すように、上側プレートP1とその上側プレートP1よりも薄い下側プレートP2とを面接合することにより作製されている。
【0027】
筒状シャフト40は、セラミックプレート20と同じく窒化アルミニウム、アルミナなどのセラミックスで形成されている。筒状シャフト40は、小径部40aと大径部40bとを備えている。小径部40aは、筒状シャフト40の下端から所定の高さまでの部分であり、内径d1の筒状部である。大径部40bは、筒状シャフト40の所定の高さから拡径されたあと筒状シャフト40の上端までの部分であり、内径d2(>d1)の筒状部である。筒状シャフト40は、上端(大径部40bの端面)がセラミックプレート20に拡散接合されている。筒状シャフト40の内部空間41は、小径部40aの内径と同じ径の円筒空間41aと、その円筒空間41aの外側に大径部40bによって囲まれた環状の拡張空間41bとを有している。拡張空間41bは、後述する熱電対ガイド32の湾曲部34の先端を旋回しながら入れ込むことが可能な空間となっている。
【0028】
内周側抵抗発熱体22は、
図3に示すように、一対の端子22a,22bの一方から端を発し、一筆書きの要領で複数の折り返し部で折り返されつつ内周側ゾーンZ1のほぼ全域に配線されたあと、一対の端子22a,22bの他方に至るように形成されている。一対の端子22a,22bは、シャフト内領域20d(セラミックプレート20の裏面20bのうち小径部40aの内側領域)に設けられている。一対の端子22a,22bには、それぞれ金属製(例えばNi製)の給電棒42a,42bが接合されている。
【0029】
外周側抵抗発熱体24は、
図3に示すように、一対の端子24a,24bの一方から端を発し、一筆書きの要領で複数の折り返し部で折り返されつつ外周側ゾーンZ2のほぼ全域に配線されたあと一対の端子24a,24bの他方に至るように形成されている。一対の端子24a,24bは、セラミックプレート20の裏面20bのシャフト内領域20dに設けられている。一対の端子24a,24bには、それぞれ金属製(例えばNi製)の給電棒44a,44bが接合されている。
【0030】
セラミックプレート20の内部には、
図2に示すように、外周側熱電対50を挿入するための長穴26がウエハ載置面20aと平行に設けられている。長穴26は、セラミックプレート20の裏面20bのうちシャフト内領域20dの起点26sからセラミックプレート20の外周部の所定の終端位置26eに至っている。長穴26の横幅は、
図3に示すように、終端位置26eの手前から終端位置26eに向かって徐々に細くなっている。この長穴26は、
図3及び
図5に示すように、セラミックプレート20の半径方向から外れた方向に沿って設けられている。長穴26のうち、起点26sから拡張領域20f(裏面20bのうち拡張空間41b内の領域)に至る入口部分は、熱電対ガイド32の湾曲部34の先端を嵌め込むための長溝26aになっている。長溝26aは、筒状シャフト40の内部空間41に開口している。本実施形態では、長溝26aは、起点26sから拡張領域20fの外周縁まで延びている。端子22a,22b,24a,24bは、シャフト内領域20dであって長溝26a以外の位置に設けられている。
【0031】
熱電対ガイド32は、
図4に示すように、ガイド穴32aを備えた金属製(例えばステンレス製)の筒状部材である。熱電対ガイド32は、ウエハ載置面20aに対して垂直方向に延びる垂直部33と、垂直方向から水平方向に転換する湾曲部34とを備えている。垂直部33の外径は湾曲部34の外径より大きいが、垂直部33の内径は湾曲部34の内径と同じである。このように湾曲部34の外径を小さくすることにより、湾曲部34を挿入する長溝26aの幅を小さくすることができる。但し、垂直部33の外径と湾曲部34の外径を同じにしてもよい。湾曲部34の曲率半径Rは特に限定するものではないが、例えば30mm程度である。熱電対ガイド32のガイド穴32aには、外周側熱電対50が挿通されている。湾曲部34の先端は、長溝26a内に単に嵌め込まれているだけでもよいし、長溝26a内に接合又は接着されていてもよい。
【0032】
筒状シャフト40の内部には、
図2に示すように、内周側抵抗発熱体22の一対の端子22a,22bのそれぞれに接続される給電棒42a,42bや外周側抵抗発熱体24の一対の端子24a,24bのそれぞれに接続される給電棒44a,44bが配置されている。筒状シャフト40の内部には、セラミックプレート20の中央付近の温度を測定するための内周側熱電対48やセラミックプレート20の外周付近の温度を測定するための外周側熱電対50も配置されている。内周側熱電対48は、セラミックプレート20の裏面20bに設けられた凹部49に差し込まれ、先端の測温部48aがセラミックプレート20に接触している。凹部49は、各端子22a,22b,24a,24bや長溝26aと干渉しない位置に設けられている。外周側熱電対50は、シース熱電対であり、熱電対ガイド32のガイド穴32a及び長穴26を通過し、先端の測温部50aが長穴26の終端位置26eに達している。
【0033】
熱電対ガイド32は、セラミックヒータ10の製造工程の終盤で取り付けられる。このときの様子を
図6及び
図7に示す。
図6及び
図7に示すように、セラミックプレート20の裏面20bに露出している端子22a,22b,24a,24bのそれぞれに給電棒42a,42b,44a,44bを接合し、セラミックプレート20の裏面20bに筒状シャフト40を接合した後、熱電対ガイド32を取り付ける。本実施形態では、熱電対ガイド32の湾曲部34の向きを長穴26の入口部分である長溝26aの向きに合わせたあと、熱電対ガイド32を筒状シャフト40の小径部40aに入れようとしても、長穴26およびその延長線がシャフト内領域20dに現れる距離は湾曲部34の先端から垂直部33までの水平距離より短く、湾曲部34が小径部40aに引っかかるため、そのままでは熱電対ガイド32を小径部40aに入れることはできない。そのため、まず、熱電対ガイド32の湾曲部34を小径部40aや給電棒42a,42b,44a,44bに干渉しない姿勢(
図6及び
図7の一点鎖線の熱電対ガイド32参照)にした後、湾曲部34をセラミックプレート20の裏面20bに近づける。そして、湾曲部34の先端が大径部40bの内部空間に達したあと、熱電対ガイド32を旋回させて湾曲部34の先端が拡張空間41bに入るようにしながら湾曲部34の先端を長溝26aに嵌め込む(
図6及び
図7の実線の熱電対ガイド32参照)。その後、熱電対ガイド32のガイド穴32aに外周側熱電対50を挿通して測温部50aを長穴26の終端位置26eに到達させる。
【0034】
次に、セラミックヒータ10の使用例について説明する。まず、図示しない真空チャンバ内にセラミックヒータ10を設置し、そのセラミックヒータ10のウエハ載置面20aにウエハWを載置する。そして、内周側熱電対48によって検出された温度が予め定められた内周側目標温度となるように内周側抵抗発熱体22に供給する電力を調整すると共に、外周側熱電対50によって検出された温度が予め定められた外周側目標温度となるように外周側抵抗発熱体24に供給する電力を調整する。これにより、ウエハWの温度が所望の温度になるように制御される。そして、真空チャンバ内を真空雰囲気もしくは減圧雰囲気になるように設定し、真空チャンバ内にプラズマを発生させ、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。
【0035】
以上説明した本実施形態のセラミックヒータ10では、シャフト内領域20d(セラミックプレート20の裏面20bのうち小径部40aの内側領域)に占める長溝26aの割合は、長溝26aが拡張領域20fに入り込むように設けられているため、長溝26aと同じ長さの長溝を拡張領域がないストレートシャフト内に設ける場合に比べて、小さくなる。そのため、端子22a,22b,24a,24bや凹部49などの付帯部品を配置可能な領域は、拡張領域のない場合に比べて広くなる。したがって、垂直方向から水平方向へ湾曲した筒状の熱電対ガイド32を備えた多ゾーンヒータにおいて、端子などの配置の自由度を高めることができる。
【0036】
また、筒状シャフト40は大径部40bを有しているため、大径部40bを有していないストレートシャフトに比べて、シャフト上端からシャフト下端までの熱伝導距離が長くなり、シャフト下端の温度を低くすることができる。シャフト下端はOリングを介して図示しないチャンバに固定されるため、シャフト下端の温度が低いほどOリングの耐久性が向上する。
【0037】
また、長溝26aはセラミックプレート20の半径方向から外れた方向に沿って設けられているため、シャフト内領域20dの中央を長溝26aが通ることがない。したがって、端子の配置の自由度をより高めることができる。また、拡張領域20fに占める長溝26aの距離を長くでき、シャフト内領域20dに占める長溝26aの距離を短くすることができる。
【0038】
更に、拡張空間41bは熱電対ガイド32の湾曲部34を旋回可能な大きさの空間である。そのため、熱電対ガイド32の湾曲部34を拡張空間41b内で旋回させながら長溝に配置することができる。したがって、熱電対ガイド32を容易にセットすることができる。
【0039】
更にまた、長穴26の入口部分である長溝26aの長さは、熱電対ガイド32の湾曲部34のうち長溝26aに配置される先端部分の長さ以上となるように定められている。そのため、熱電対ガイド32をより容易にセットすることができる。
【0040】
そして、熱電対ガイド32の湾曲部34の外径を垂直部33の外径よりも小さくしたため、長溝26aの幅を小さくすることができる。
【0041】
そしてまた、熱電対ガイド32の湾曲部34の曲率半径Rを比較的大きくすることができるため、熱電対ガイド32に挿入された外周側熱電対50をスムーズに方向転換することができる。
【0042】
そして更に、長穴26の横幅は終端位置26eの手前から終端位置26eに向かって徐々に細くなっているため、外周側熱電対50の測温部50aを所望の測定点(セラミックプレート20のうち終端位置26eの近傍の点)に配置しやすい。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0044】
例えば、上述した実施形態において、熱電対ガイド32は、
図8に示すように、湾曲部34の出口に繋がりウエハ載置面20aに対して水平方向に延びる水平部35を備えていてもよい。こうすれば、よりスムーズに外周側熱電対50を長穴26に誘導することができる。また、このような水平部35を有する熱電対ガイド32は、長溝26aに配置される部分が長くなる。そのため、それに合わせて長溝26aの長さを設定することが好ましい。
【0045】
上述した実施形態において、長穴26内の外周側熱電対50の測温部50aは、
図9に示すように、裏面20bからみたときに外周側抵抗発熱体24の幅(つまりコイルの幅w)の中に収まるように配置してもよい。外周側抵抗発熱体24がコイル状ではなくリボン状(細長い平板状)の場合には、そのリボンの幅の中に収まるように配置してもよい。こうすれば、外周側抵抗発熱体24の温度変化をレスポンスよく外周側熱電対50の測温部50aで検出することができる。
【0046】
上述した実施形態では、長溝26aを含む長穴26を、セラミックプレート20の半径方向から外れた方向に沿って設けたが、
図10の実線で示すように、セラミックプレート20の半径方向に沿って設けてもよい。
図10の1点鎖線は上述した実施形態の長穴26であり、実線の長穴26は1点鎖線の長穴26と同じ終端位置26eで同じ長さLの長溝26aを備えたものである。実線の長穴26の長さは、1点鎖線の長穴26よりも
図10の点線部分の長さだけ短くなる(最短になる)。長穴26は空洞であるため長いほどウエハWの均熱性への影響が大きくなるが、
図10の実線の長穴26を採用すれば、長穴26によるウエハWの均熱性への影響を小さくすることができる。
【0047】
上述した実施形態では、両抵抗発熱体22,24をコイル形状としたが、特にコイル形状に限定されるものではなく、例えば印刷パターンであってもよいし、リボン形状やメッシュ形状などであってもよい。
【0048】
上述した実施形態において、セラミックプレート20に抵抗発熱体22,24に加えて静電電極やRF電極を内蔵してもよい。静電電極が内蔵される場合には、セラミックプレート20のシャフト内領域20dに静電電極の端子(付帯部品の一つ)が設けられる。静電電極の端子はシャフト内領域20dで長溝26a以外の位置に設けられる。RF電極が内蔵される場合には、セラミックプレート20のシャフト内領域20dにRF電極の端子(付帯部品の一つ)が設けられる。RF電極の端子はシャフト内領域20dで長溝26a以外の位置に設けられる。
【0049】
上述した実施形態では、熱電対ガイド32の上下方向の長さを筒状シャフト40の高さとほぼ同じにしたが、筒状シャフト40の高さより短くしてもよいし長くしてもよい。
【0050】
上述した実施形態において、内周側ゾーンZ1を複数の内周側小ゾーンに分けて内周側小ゾーンごとに抵抗発熱体を一筆書きの要領で引き回してもよい。また、外周側ゾーンZ2を複数の外周側小ゾーンに分けて外周側小ゾーンごとに抵抗発熱体を一筆書きの要領で引き回してもよい。端子の数は小ゾーンの数に応じて増加するが、上述した実施形態では長溝26aが拡張領域20fに入り込むように設けられているため、端子などを配置可能な領域が広くなる。そのため、端子の数が多くなっても対応し得る。
【0051】
上述した実施形態では、凹部49の位置は長溝26aの位置を決めた後に決めてもよいし、長溝26aの位置を決める前に決めてもよい。後者の場合、凹部49を付帯部品の一つとみなし、長溝26aは凹部49を通らないように定めることになる。
【0052】
上述した実施形態では、セラミックプレート20の端子22a,22b,24a,24bのそれぞれに給電棒42a,42b,44a,44bを接合し、セラミックプレート20の裏面20bに筒状シャフト40を接合した後、熱電対ガイド32を取り付けたが、取付手順はこれに限定されない。例えば、セラミックプレート20の裏面20bに筒状シャフト40を接合し、熱電対ガイド32を取り付けた後、端子22a,22b,24a,24bのそれぞれに給電棒42a,42b,44a,44bを接合してもよい。
【0053】
上述した実施形態の長穴26を、
図11に示す形状にしてもよい。
図11は、上側プレートP1から下側プレートP2を取り外し、その上側プレートP1の裏面を上向きにしたときの斜視図である。長穴26は、断面略四角形の穴であり、長穴26の底面と側面との境界部26bは、R面となっている。R面の曲率半径は0.5mm以上(例えば1mm)であることが好ましい。こうすれば、長穴26の底面(
図2では天井面)と側面との境界部26bを起点としてセラミックプレート20にクラックが発生するのを抑えることができる。具体的には、上側プレートP1と下側プレートP2とを加熱加圧条件(例えば1600℃以上の温度で7.0kg/cm
2以上の圧力という条件)で接合する際に境界部26bを起点としてセラミックプレート20にクラックが発生するのを抑えることができる。ちなみに、クラックは境界部26bの曲率半径を0.1mm、0.3mmとしたときには発生したが、0.5mm、0.7mm、0.9mmとしたときには発生しなかった。
【0054】
上述した実施形態では、熱電対ガイド32を長溝26a及び長穴26に取り付けたが、外周側熱電対50を長穴26に挿入するときには熱電対ガイド32を長溝26a及び長穴26に配置し、外周側熱電対50を長穴26に挿入したあとは熱電対ガイド32を除去してもよい。あるいは、熱電対ガイド32を用いることなく、外周側熱電対50を長穴26に挿入してもよい。
【0055】
上述した実施形態において、長穴26を、断面が略四角形で起点26sから終端位置26eまで一定の横幅の穴としてもよい。この長穴26の終端面(終端位置26eにおける立壁)と長穴26の長手方向に延びる側面との境界部は、エッジが立たないようにC面又はR面になっていることが好ましい。このときの長穴26及び長溝26aの横幅は9mm以下とするのが好ましい。横幅が9mm以下であれば、外周側熱電対50を挿入する際に外周側熱電対50が歪曲しにくく、所望の測定点(セラミックプレート20のうち終端位置26eの近傍の点)に外周側熱電対50の測温部50aを配置しやすいからである。長穴26及び長溝26aに熱電対ガイド32の湾曲部34を挿入する場合には、長穴26及び長溝26aの横幅は湾曲部34の外径よりも大きければよいが、幅方向のクリアランス(長穴26及び長溝26aの横幅から湾曲部34の外径を引いた値)が大きすぎると熱のロスによって測温精度が低下することから、幅方向のクリアランスを2mm以下にするのが好ましい。同様に深さ方向のクリアランスも2mm以下にするのが好ましい。また、熱電対ガイド32を用いることなく外周側熱電対50をそのまま挿入する場合には、長穴26及び長溝26aの横幅は外周側熱電対50の外径よりも大きければよいが、先ほどと同様の理由で幅方向のクリアランス(長穴26及び長溝26aの横幅から外周側熱電対50の外径を引いた値)を2mm以下にするのが好ましい。同様に深さ方向のクリアランスも2mm以下にするのが好ましい。
【0056】
上述した実施形態において、長穴26として、
図12〜
図14に示す別例の長穴26を採用してもよい。
図12は別例の長穴26が設けられた上側プレートP1の裏面図、
図13は
図12のC−C断面図、
図14は
図12のD−D断面図である。この長穴26は、平面視したときに、起点26sから終端位置26eまでの途中にテーパ部261を有し、起点26sからテーパ部261の一端までを幅広部262とし、テーパ部261の他端から終端位置26eまでを幅狭部263としたものである。幅広部262の幅W及び幅狭部263の幅wは9mm以下が好ましい。幅W,wが9mm以下であれば、外周側熱電対50を挿入する際に外周側熱電対50が歪曲しにくく、所望の測定点Mに測温部50aを配置しやすいからである。長穴26に熱電対ガイド32の湾曲部34を配置する場合には、幅広部262の幅Wは湾曲部34の外径Dよりも大きければよく、幅狭部263の幅wは外周側熱電対50の外径dよりも大きければよいが、先ほどと同様の理由でそれぞれの幅方向のクリアランス(幅広部262の幅Wから湾曲部34の外径Dを引いた値及び幅狭部263の幅wから外周側熱電対50の外径dを引いた値)を2mm以下にするのが好ましい。同様に深さ方向のクリアランスも2mm以下にするのが好ましい。このとき、湾曲部34がテーパ部261と当接するようにすれば、テーパ部261が熱電対ガイド32を一時的に固定する役割を果たすため、外周側熱電対50を幅狭部263に一層挿入しやすくなる。テーパ部261の勾配θは2°以上5°以下とするのが好ましく、3°以上4°以下(例えば3.4°)とするのがより好ましい。長穴26の底面26p(
図2では天井面)は、
図14に示すように、起点26sから終端位置26eまでの途中に傾斜状の段差26qを備えている。底面26pのうち起点26sから段差26qまでの深さは段差26qから終端位置26eまでの深さよりも深い。底面26pと終端位置26eの立壁との境界は、傾斜面26rになっている。熱電対ガイド32の湾曲部34は、底面26pのうち起点26sから段差26qまでの部分に配置され、外周側熱電対50は、底面26pのうち段差26qから終端位置26eまでの部分を沿うように挿入される。そのため、熱電対ガイド32を利用して外周側熱電対50を長穴26にスムーズに挿入することができる。また、傾斜面26rの存在により、測温部50aと底面26pとの隙間が小さくなるため、測温部50aの測温精度が向上する。なお、長穴26の底面26pを平坦面としてもよい。熱電対ガイド32を用いることなく長穴26に外周側熱電対50をそのまま挿入する場合には、幅広部262の幅W及び幅狭部263の幅wはいずれも外周側熱電対50の外径dよりも大きければよいが、先ほどと同様の理由でそれぞれの幅方向のクリアランス(幅広部262の幅Wから外周側熱電対50の外径dを引いた値及び幅狭部263の幅wから外周側熱電対50の外径dを引いた値)を2mm以下にするのが好ましい。同様に深さ方向のクリアランスも2mm以下にするのが好ましい。
【0057】
上述した実施形態において、外周側熱電対50の外径dは0.5mm以上2mm以下とするのが好ましい。外径dが0.5mm未満では、外周側熱電対50を長穴26に挿入するときに曲がってしまい、終端位置26eまで挿入するのが困難になる。外径dが2mmを超えると、外周側熱電対50の柔軟性がなくなるため外周側熱電対50を終端位置26eまで挿入するのが困難になる。
【0058】
上述した実施形態において、
図15及び
図16に示すように、外周側熱電対50の測温部50aを凸状曲面とし、長穴26の終端面(終端位置26eにおける立壁)のうち測温部50aが接触する部分を凹状曲面としてもよい。こうすれば、外周側熱電対50の測温部50aが所望の測定点Mである長穴26の終端面と面接触するか又はそれに近い状態で接触するため、測温精度が向上する。
【0059】
上述した実施形態において、
図17に示すように、長溝26aと付帯部品(端子22a,22b,24a,24bや凹部49)との間隔Gは、2mm以上とするのが好ましい。こうすれば、長溝26aと付帯部品との間が狭すぎてセラミックプレート20にクラックが入ってしまうのを防止することができる。
【0060】
上述した実施形態において、
図18に示すように、長穴26及び長溝26aの起点26s側の立壁を、セラミックプレート20の裏面20bから長穴26の奥に向かって湾曲させてもよい。こうすれば、熱電対ガイド32を用いなくても、起点26sにおける湾曲した立壁を利用して外周側熱電対50をスムーズに長穴26に挿入することができる。
【0061】
本出願は、2018年12月20日に出願された日本国特許出願第2018−238226号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、例えばウエハに処理を施すのに用いられる半導体製造装置用部材として利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10,410 セラミックヒータ、20,420 セラミックプレート、20a ウエハ載置面、20b 裏面、20c 仮想境界、20d シャフト内領域、20f 拡張領域、22 内周側抵抗発熱体、22a,22b 端子、24 外周側抵抗発熱体、24a,24b 端子、26 長穴、26a 長溝、26b 境界部、26e 終端位置、26p 底面、26q 段差、26r 傾斜面、26s 起点、32,432 熱電対ガイド、32a ガイド穴、33 垂直部、34 湾曲部、35 水平部、40 筒状シャフト、40a 小径部、40b 大径部、41 内部空間、41a 円筒空間、41b 拡張空間、42a,42b,44a,44b 給電棒、48 内周側熱電対、48a 測温部、49 凹部、50 外周側熱電対、50a 測温部、261 テーパ部、262 幅広部、263 幅狭部、450 外周側熱電対、426 熱電対通路、426a スリット、440 ストレートシャフト、G 間隔、P1 上側プレート、P2 下側プレート、W ウエハ、Z1 内周側ゾーン、Z2 外周側ゾーン。