【文献】
Ericsson,Discussion on Uu Enhancements for V2X[online], 3GPP TSG-RAN WG2#93 R2-161565,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_93/Docs/R2-161565.zip>,2016年02月06日
【文献】
Panasonic,Discussion on SPS mechanism supported in V2V[online], 3GPP TSG-RAN WG1#84 R1-160722,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160722.zip>,2016年02月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信処理は、前記車両用移動端末によってサポートされる、少なくとも速度を含む車両ダイナミクスを示す車両パラメータに関する情報を、前記無線基地局に送信するように行われ、前記車両パラメータに関する前記情報は、前記1または複数のサポートされるデータコンポーネントの前記可能性のある異なった送信周期性を決定するために前記無線基地局によって使用することができ、
前記送信処理は、前記車両用移動端末が現在経験している前記車両パラメータに関する情報を前記無線基地局に送信するように行われ、前記現在経験している前記車両パラメータに関する情報は、アクティブ化するべき、前記複数のセミパーシステント無線リソース設定の前記1または複数を選択するために、前記無線基地局によって使用することができ、現在の前記車両パラメータに関する前記情報は、1または複数のデータコンポーネントが前記車両用移動端末によって送信されるべきであるという指示情報と一緒に送信される、
請求項1または2に記載の集積回路。
前記車両パラメータの1つが所定のしきい値以上変化するとき、前記送信処理は、変化した前記車両パラメータに関する情報を前記無線基地局に送信するように行われ、前記受信処理は、前記無線基地局から返信として、あらかじめアクティブ化されたセミパーシステント無線リソース設定の代わりに他のセミパーシステント無線リソース設定をアクティブ化するためのさらなるアクティブ化コマンドを受信するように行われ、または、
前記車両パラメータの1つが所定のしきい値以上変化するとき、前記送信処理は、あらかじめアクティブ化されたセミパーシステント無線リソース設定以外のセミパーシステント無線リソース設定をアクティブ化するように前記無線基地局へ要求するように行われ、前記受信処理は、前記無線基地局から返信として、前記あらかじめアクティブ化されたセミパーシステント無線リソース設定の代わりに前記他の要求されたセミパーシステント無線リソース設定をアクティブ化するためのさらなるアクティブ化コマンドを受信するように行われ、
前記送信処理は、前記アクティブ化された他のセミパーシステント無線リソース設定によって設定されたように、前記無線リソースおよび前記送信周期性に基づいて、前記1または複数のデータコンポーネントを送信するように行われ、
前記さらなるアクティブ化コマンドは、PDCCHすなわち物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel)を介したメッセージ内で受信される、
請求項3に記載の集積回路。
前記受信エンティティは、他の、車両用移動端末または非車両用移動端末を備え、前記周期的データは、サイドリンクコネクションを介して送信され、および/または前記受信エンティティは、前記無線基地局を備え、前記周期的データは、無線接続を介して送信される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の集積回路。
前記複数のセミパーシステント無線リソース設定は、固有のメッセージサイズおよび固有の送信周期性を有するデータコンポーネント毎に1つのセミパーシステント無線リソース設定が存在するように設定される、または、
同じタイムインスタンスにおいて送信される前記データコンポーネントは、1つのメッセージとして送信され、前記複数のセミパーシステント無線リソース設定は、前記車両用移動端末によって送信されるべき前記データコンポーネントの1または複数を含む、可能性のあるメッセージ毎に、1つのセミパーシステント無線リソース設定が存在するように設定され、前記送信処理は、送信されるべき前記メッセージの前記含まれたデータコンポーネントに対応する前記アクティブ化されたセミパーシステント無線リソース設定に基づいて、前記1または複数のデータコンポーネントを含む前記メッセージを送信するように行われる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の集積回路。
【背景技術】
【0002】
<ロングタームエボリューション(LTE)>
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術をベースとする第3世代の移動通信システム(3G)は、世界中で広範な規模で配備されつつある。この技術を機能強化または発展・進化させるうえでの最初のステップとして、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High−Speed Downlink Packet Access)、および高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれるエンハンストアップリンクが導入され、極めて競争力の高い無線アクセス技術を提供している。
【0003】
ユーザからのますます増大する需要に対応し、新しい無線アクセス技術に対する競争力を確保するために、3GPPは、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)と称される新しい移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間にわたり、高速のデータおよびメディア伝送ならびに大容量の音声サポートのためのキャリアニーズを満たすように設計されている。高いビットレートを提供する能力は、LTEにおける重要な方策である。
【0004】
進化したUMTS地上無線アクセス(UTRA:UMTS Terrestrial Radio Access)およびUMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN:UMTS Terrestrial Radio Access Network)と称される、ロングタームエボリューション(LTE)に関する作業項目(WI:work item)の仕様が、リリース8(LTEリリース8)として確定された。LTEシステムは、フルIPベースの機能性を低遅延かつ低コストで提供する、パケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークの代表である。LTEでは、与えられたスペクトルを用いてフレキシブルなシステム配備を達成するために、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHzなどのスケーラブルな複数の送信帯域幅が指定されている。ダウンリンクでは、低いシンボルレートに起因してマルチパス干渉(MPI:multipath interference)に対する固有の耐性があること、サイクリックプレフィックス(CP:cyclic prefix)を使用すること、およびさまざまな送信帯域幅配列と相性が良いことから、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ベースの無線アクセスが採用された。アップリンクでは、ユーザ機器(UE:User Equipment)の送信電力が限られていることを考慮し、ピークデータレートを向上させるよりも広いエリアカバレッジを提供することが優先されることから、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single−carrier frequency division multiple access)ベースの無線アクセスが採用された。LTEリリース8/9では、多入力多出力(MIMO:multiple−input multiple−output)チャネル伝送技術を含んで多くの主要なパケット無線アクセス技術が採用され、高効率の制御シグナリング構造が達成されている。
【0005】
<LTEアーキテクチャ>
図1に、LTEアーキテクチャ全体を示している。E−UTRANは、eNodeBから構成され、ユーザ機器(UE)に向かう、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコルおよび制御プレーン(RRC)プロトコルの終端を提供している。eNodeB(eNB)は、ユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能性を含む、物理(PHY)レイヤ、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)レイヤ、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP:Packet Data Control Protocol)レイヤをホストする。eNodeB(eNB)は、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)機能性も提供する。eNodeB(eNB)は、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、交渉によるアップリンクサービス品質(QoS:Quality of Service)の実施、セル情報ブロードキャスト、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ならびにダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/復元を含む、多くの機能を実行する。eNodeBは、X2インタフェースによって相互接続されている。
【0006】
また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(進化したパケットコア:Evolved Packet Core)に、より具体的には、S1−MMEによってMME(移動管理エンティティ:Mobility Management Entity)に、およびS1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多の関係をサポートする。SGWは、eNodeB間のハンドオーバ時におけるユーザプレーンのモビリティアンカーとして、およびLTEと他の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカー(S4インタフェースを終端させ、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィックを中継する)としても機能する一方で、ユーザデータパケットをルーティングして転送する。アイドル状態のユーザ機器に対しては、SGWは、ダウンリンクデータ経路を終端させ、そのユーザ機器のためのダウンリンクデータが到着したときにページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト、例えばIPベアラサービスのパラメータ、またはネットワーク内部ルーティング情報、を管理する、および格納する。SGWは、合法傍受(lawful interception)の場合には、ユーザトラフィックの複製も行う。
【0007】
MMEは、LTEアクセスネットワークのための主要な制御ノードである。MMEは、再送信を含んで、アイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順の役割を担う。MMEは、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、最初のアタッチ時およびコアネットワーク(CN:Core Network)ノードの再配置を伴うLTE内ハンドオーバ時に、ユーザ機器のためにSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSSと対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non−Access Stratum)シグナリングは、MMEにおいて終端され、MMEは、一時的なIDを生成してユーザ機器に割り当てる役割も担う。MMEは、サービスプロバイダの公衆陸上移動網(PLMN:Public Land Mobile Network)にキャンプオンするためにユーザ機器の承認をチェックし、ユーザ機器のローミング制約を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/完全性保護のためのネットワーク内の終端点であり、セキュリティキーの管理を取り扱う。シグナリングの合法的な傍受もMMEによってサポートされる。MMEは、LTEのアクセスネットワークと2G/3Gのアクセスネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能に、SGSNからでMMEで終端するS3インタフェースも提供する。MMEは、ユーザ機器をローミングするためのホームHSSに向かうS6aインタフェースも終端させる。
【0008】
<LTEにおけるコンポーネントキャリア構造>
3GPP LTEシステムのダウンリンクコンポーネントキャリアは、時間−周波数領域において、いわゆるサブフレームにさらに分割される。3GPP LTEにおいて、各サブフレームは、
図2に示すように2つのダウンリンクスロットに分割され、第1のダウンリンクスロットは、第1のOFDMシンボル内に制御チャネル領域(PDCCH領域)を含んでいる。各サブフレームは、時間領域内において所与の数のOFDMシンボルで構成され(3GPP LTE(リリース8)では12個または14個のOFDMシンボル)、各OFDMシンボルはコンポーネントキャリアの帯域幅全体に広がる。このように、OFDMシンボルそれぞれは、それぞれのサブキャリア上で送信されるいくつかの変調シンボルで構成される。LTEでは、各スロットにいて送信される信号は、
【数1】
個のサブキャリアと
【数2】
個のOFDMシンボルのリソースグリッドによって記述される。
【数3】
は、帯域幅内のリソースブロックの数である。
【数4】
は、セルにおいて設定されているダウンリンク送信帯域幅に依存し、
【数5】
を満たし、この場合、
【数6】
および
【数7】
は、それぞれ、現在のバージョンの仕様によってサポートされている最小ダウンリンク帯域幅および最大ダウンリンク帯域幅である。
【数8】
は、1つのリソースブロック内のサブキャリアの数である。通常のサイクリックプレフィックスのサブフレーム構造の場合、
【数9】
および
【数10】
である。
【0009】
例えば3GPPロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)において使用されるような、例えばOFDMを使用する、マルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てることができるリソースの最小単位は、1つの「リソースブロック」である。物理リソースブロック(PRB:physical resource block)は、
図2に例示するように、時間領域において連続するOFDMシンボル(例えば7個のOFDMシンボル)、および周波数領域において連続するサブキャリア(例えばコンポーネントキャリアの12個のサブキャリア)として定義される。このように、3GPP LTE(リリース8)では、物理リソースブロックは、リソースエレメントから構成され、時間領域において1つのスロットおよび周波数領域において180kHzに相当する(ダウンリンクリソースグリッドに関するさらなる詳細は、http:/www.3gpp.orgで入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている、例えば、非特許文献1の現在のバージョン13.0.0の6.2節を参照)。
【0010】
1つのサブフレームは、2つのスロットで構成され、したがって、いわゆる「通常の」CP(サイクリックプレフィックス)が使用されるときにはサブフレーム内に14個のOFDMシンボルが存在し、いわゆる「拡張」CPが使用されるときにはサブフレーム内に12個のOFDMシンボルが存在する。専門用語を目的として、以下で、サブフレーム全体に広がる同じ連続するサブキャリアと同等の時間−周波数リソースは、「リソースブロックペア」または同意義の「RBペア」もしくは「PRBペア」と呼ばれる。
【0011】
「コンポーネントキャリア」という用語は、周波数領域におけるいくつかのリソースブロックの組合せのことを指す。LTEの将来のリリースでは、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されず、その代わりに、その専門用語は「セル」に変更され、ダウンリンクリソースおよびオプションでアップリンクリソースの組合せのことを指す。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との間のリンク付けは、ダウンリンクリソース上で送信されるシステム情報内で示される。
【0012】
コンポーネントキャリア構造に関する同様の想定は、以降のリリースにも適用される。
【0013】
<より広い帯域幅のサポートのためのLTE−Aにおけるキャリアアグリゲーション>
世界無線通信会議2007(WRC−07)において、IMT−Advancedの周波数スペクトルが決定された。IMT−Advancedのための全体的な周波数スペクトルは決定されたが、実際に利用可能な周波数帯域幅は、それぞれの地域や国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトルの概要の決定を受けて、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)において無線インタフェースの標準化が開始された。3GPP TSG RAN #39会合において、「Further Advancements for E−UTRA(LTE−Advanced)」に関する検討項目の記述が承認された。この検討項目は、例えば、IMT−Advancedの要求条件を満たすために、E−UTRAを進化・発展させるうえで考慮すべき技術要素をカバーしている。
【0014】
LTEシステムは20MHzしかサポートすることができないが、一方で、LTEーAdvancedシステムがサポートすることができる帯域幅は100MHzである。今日、無線スペクトルの不足がワイヤレスネットワークの開発のボトルネックになっており、結果として、LTEーAdvancedシステムのために十分広いスペクトル帯域を見つけることが困難である。その結果として、より広い無線スペクトル帯域を獲得するための方法を見つけることは急務であり、可能性のある答えは、キャリアアグリゲーション機能性である。
【0015】
キャリアアグリゲーションでは、最大100MHzのより広い送信帯域幅をサポートするために、2つ以上のコンポーネントキャリアがアグリゲーションされる。LTEシステムにおけるいくつかのセルが、LTE−Advancedシステムにおけるより広い1つのチャネルにアグリゲーションされ、このチャネルは、LTE内においてこれらのセルが異なる周波数帯域にある場合でも、100MHzに対して十分に広い。
【0016】
少なくとも、コンポーネントキャリアの帯域幅が、LTEリリース8/9のセルのサポートされる帯域幅を超えないときには、すべてのコンポーネントキャリアをLTEリリース8/9互換であるように設定することができる。ユーザ機器によってアグリゲーションされるすべてのコンポーネントキャリアが必ずしもリリース8/9互換である必要はなくてもよい。リリース8/9のユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプオンすることを回避するため、既存のメカニズム(例えばバーリング)を使用し得る。
【0017】
ユーザ機器は、自身の能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(複数のサービングセルに対応する)上で同時に受信または送信し得る。キャリアアグリゲーションのための受信能力および/または送信能力を備えた、LTE−Aリリース10のユーザ機器は、複数のサービングセル上で同時に受信する、および/または送信することができ、一方で、LTEリリース8/9のユーザ機器は、コンポーネントキャリアの構造がリリース8/9の仕様に従う限り、1つのサービングセル上でしか受信および送信を行うことができない。
【0018】
キャリアアグリゲーションは、連続するコンポーネントキャリアおよび不連続なコンポーネントキャリアの両方についてサポートされ、各コンポーネントキャリアは、(3GPP LTE(リリース8/9)のニューメロロジを使用して)周波数領域において最大110個のリソースブロックに制限される。
【0019】
同じeNodeB(基地局)に由来し、場合によってはアップリンクとダウンリンクとで異なる帯域幅の、異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲーションするように、3GPP LTE−A(リリース10)互換のユーザ機器を設定することが可能である。設定することができるダウンリンクコンポーネントキャリアの数は、UEのダウンリンクアグリゲーション能力に依存する。逆に、設定することができるアップリンクコンポーネントキャリアの数は、UEのアップリンクアグリゲーション能力に依存する。ダウンリンクコンポーネントキャリアよりも多くのアップリンクコンポーネントキャリアを備える移動端末を設定することが現在は不可能な場合がある。一般的なTDD配備では、コンポーネントキャリアの数および各コンポーネントキャリアの帯域幅は、アップリンクとダウンリンクとで同じである。同じeNodeBに由来するコンポーネントキャリアは、同じカバレッジを提供する必要はない。
【0020】
連続的にアグリゲーションされたコンポーネントキャリアの中心周波数の間隔は、300kHzの倍数であるものとする。これは、3GPP LTE(リリース8/9)の100kHzの周波数ラスタとの互換性を保つと同時に、15kHz間隔のサブキャリアの直交性を維持するためである。アグリゲーションのシナリオによっては、連続するコンポーネントキャリアの間に少数の使用されないサブキャリアを挿入することによって、n×300kHzの間隔あけを容易にすることができる。
【0021】
複数のキャリアをアグリゲーションする影響は、MACレイヤにまで及ぶのみである。アップリンクおよびダウンリンクの両方について、アグリゲーションされたコンポーネントキャリア毎に1つのHARQエンティティがMACにおいて要求される。コンポーネントキャリアあたりの最大で1つのトランスポートブロックが存在する(アップリンク用にSU−MIMOがない場合)。トランスポートブロックおよび可能性のあるそれのHARQ再送信は、同じコンポーネントキャリアにマッピングする必要がある。
【0022】
キャリアアグリゲーションが設定されているとき、移動端末はネットワークとの1つのRRC接続のみを有する。RRC接続の確立/再確立時、LTEリリース8/9と同様に、1つのセルが、セキュリティ入力(1つのECGI、1つのPCI、および1つのARFCN)および非アクセス層モビリティ情報(例えばTAI)を提供する。RRC接続の確立/再確立の後、当該のセルに対応するコンポーネントキャリアは、ダウンリンクプライマリセル(PCell:Primary Cell)と称される。接続状態では、ユーザ機器あたり常に唯一のダウンリンクPCell(DL PCell:Downlink PCell)および唯一のアップリンクPCell(UL PCell:Uplink PCell)が設定される。設定されたコンポーネントキャリアのセット内で、他のセルはセカンダリセル(SCell:Secondary Cell)と呼ばれ、SCellのキャリアは、ダウンリンクセカンダリコンポーネントキャリア(DL SCC:Downlink Secondary Component Carrier)およびアップリンクセカンダリコンポーネントキャリア(UL SCC:Uplink Secondary Component Carrier)と称される。1つのUEに対して、PCellを含んで最大5つのサービングセルを設定することができる。
【0023】
<MACレイヤ/エンティティ、RRCレイヤ、物理レイヤ>
LTEレイヤ2のユーザプレーン/制御プレーンプロトコルスタックは、4つのサブレイヤRRC、PDCP、RLCおよびMACを含んでいる。媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、LTE無線プロトコルスタックのレイヤ2アーキテクチャ内の最下位のサブレイヤであり、例えば非特許文献2の現在のバージョン13.0.0によって規定されている。下位の物理レイヤへの接続は、トランスポートチャネルを経由し、上位のRLCレイヤへの接続は論理チャネルを経由する。そのため、MACレイヤは、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間で多重化および多重分離を行い、つまり、送信側のMACレイヤは、論理チャネルを経由して受信したMAC SDUから、トランスポートブロックとして知られているMAC PDUを構築し、受信側のMACレイヤは、トランスポートチャネル経由で受信したMAC PDUからMAC SDUを復元する。
【0024】
MACレイヤは、論理チャネルを経由してRLCレイヤのためのデータ伝送サービス(参照により本明細書に組み込まれている非特許文献2の5.4節および5.3節を参照)を提供し、論理チャネルは、制御データ(例えばRRCシグナリング)を伝える制御論理チャネル、またはユーザプレーンデータを伝えるトラフィック論理チャネルのいずれかである。一方、MACレイヤからのデータは、トランスポートチャネルを経由して物理レイヤと交換され、トランスポートチャネルは、ダウンリンクまたはアップリンクに分類される。データは、それがどのようにして無線で送信されるかに応じて、トランスポートチャネルに多重化される。
【0025】
物理レイヤは、エアーインタフェースを介してのデータ情報および制御情報の実際の送信の役割を担い、すなわち、物理レイヤは、送信側のエアーインタフェースを介してMACトランスポートチャネルからのすべての情報を伝える。物理レイヤが実行する重要な機能のいくつかには、符号化および変調、リンクアダプテーション(AMC)、電力制御、セルサーチ(初期同期およびハンドオーバ目的のため)ならびにRRCレイヤのためのその他の計測(LTEシステム内およびシステム間)が含まれる。物理レイヤは、変調方式、符号化率(すなわち変調・符号化方式、MCS:modulation and coding scheme)、物理リソースブロック数などの、送信パラメータに基づいて、送信を実行する。物理レイヤの機能についての詳細情報は、参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献3の現在のバージョン13.0.0に記載されている。
【0026】
無線リソース制御(RRC)レイヤは、無線インタフェースにおけるUEとeNBとの間の通信、およびいくつかのセルにまたがって移動するUEのモビリティを制御する。RRCプロトコルは、NAS情報の伝送もサポートする。RRC_IDLE状態にあるUEについて、RRCは、ネットワークからの着信の通知をサポートする。RRC接続制御は、ページング、測定設定および測定通知、無線リソース設定、初期セキュリティアクティブ化、およびシグナリング無線ベアラ(SRB:Signalling Radio Bearer)の確立およびユーザデータを運ぶ無線ベアラ(データ無線ベアラ、DRB:Data Radio Bearer)の確立を含んで、RRC接続の確立、変更および解放に関するすべての手順をカバーする。
【0027】
無線リンク制御(RLC:radio link control)サブレイヤは、主にARQ機能性を備え、データのセグメント化および連結をサポートし、すなわちRLCレイヤはRLC SDUをMACレイヤによって示されたサイズにするためにRLC SDUのフレーミングを行う。後ろの2つによって、データレートとは無関係に、プロトコルオーバーヘッドを最小化する。RLCレイヤは、論理チャネルを介してMACレイヤに接続される。各論理チャネルは、異なったタイプのトラフィックを伝送する。RLCレイヤの上位のレイヤは、通常はPDCPレイヤであるが、RRCレイヤである場合もあり、すなわち、論理チャネルBCCH(ブロードキャスト制御チャネル:Broadcast Control Channel)、PCCH(ページング制御チャネル:Paging Control Channel)およびCCCH(共通制御チャネル:Common Control Channel)上で送信されたRRCメッセージは、セキュリティ保護を必要としないため、PDCPレイヤをバイパスして直接RLCレイヤに入る。RLCサブレイヤのメインのサービスおよび機能は、以下のことを含む。
・AM、UMまたはTMデータ伝送をサポートする、より上位のレイヤのPDUの伝送
・ARQを通じた誤り訂正
・TBのサイズに従ったセグメント化
・必要なとき(例えば、無線品質、すなわちサポートされるTBサイズが変化するとき)の再セグメント化
・同じ無線ベアラのためのSDUの連結はFFSである
・より上位のレイヤのPDUの順番どおりの配信
・重複検出
・プロトコルエラー検出およびリカバリ
・SDUの廃棄
・リセット
RLCによって提供されるARQ機能性は、後の部分でより詳細に論じる。
【0028】
<LTEのためのアップリンクアクセス方式>
アップリンク送信には、カバレッジを最大にするために、電力効率の良いユーザ機器の送信が必要である。動的帯域割当てを伴うFDMAと組み合わせたシングルキャリア送信が、進化型UTRAアップリンク送信方式として選択されてきた。シングルキャリア送信が好まれる主な理由は、マルチキャリア信号(OFDMA)と比べて低いピーク対平均電力比(PAPR:Peak−to−Average Power Ratio)、ならびに対応する改善された電力アンプの効率および改善されたカバレッジ(所与の端末ピーク電力に対する、より高いデータレート)である。各時間間隔の間、eNodeBは、ユーザデータを送信するための一意の時間/周波数リソースをユーザに割り当て、それによって、セル内直交性を確保する。アップリンクにおける直交アクセスは、セル内干渉をなくすことによってスペクトル効率を高めることを保証する。マルチパス伝搬に起因する干渉は、送信信号へのサイクリックプレフィックスの挿入による助けのもとで、基地局(eNodeB)で処理される。
【0029】
データ送信のために使用される基本的な物理リソースは、1つの時間間隔、例えばサブフレームの間、サイズBWgrantの周波数リソースで構成され、符号化された情報ビットがその周波数リソースにマッピングされる。送信時間間隔(TTI:transmission time interval)とも称されるサブフレームは、ユーザデータ送信のための最小の時間間隔であることに留意するべきである。ただし、サブフレームの連結によって、周波数リソースBWgrantを1つのTTIよりも長い期間、ユーザに割り当てることが可能である。
【0030】
<レイヤ1/レイヤ2制御シグナリング>
スケジューリング対象のユーザに、ユーザの割当て状態、トランスポートフォーマット、およびその他の送信関連情報(例えば、HARQ情報、送信電力制御(TPC:transmit power control)コマンド)を知らせるために、L1/L2制御シグナリングがデータと一緒にダウンリンクで送信される。L1/L2制御シグナリングは、ユーザ割当てがサブフレーム単位で変化することができると想定して、サブフレーム内でダウンリンクデータと多重化される。ユーザ割当てをTTI(送信時間間隔:Transmission Time Interval)ベースでも実行し得、その場合、TTI長をサブフレームの倍数とすることができることに留意するべきである。TTI長は、サービスエリア内ですべてのユーザに対して固定とし得るか、異なるユーザに対して異なるものとし得るか、またはユーザ毎に動的なものとさえし得る。一般に、L1/2制御シグナリングは、TTIあたり1回送信するのみでよい。一般性を損なうことなく、以下では、TTIが1サブフレームであると想定している。
【0031】
L1/L2制御シグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)上で送信される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)としてメッセージを伝え、ほとんどの場合、DCIは、移動端末またはUEのグループのためのリソース割当ておよびその他の制御情報を含んでいる。1つのサブフレーム内でいくつかのPDCCHを送信することができる。
【0032】
一般に、アップリンク無線リソースまたはダウンリンク無線リソースを割り当てるためにL1/L2制御シグナリング内で送信される情報(特に、LTE(−A)リリース10)は、以下の項目に分類することができる。
【0033】
−ユーザ識別情報:割り当てる対象のユーザを示す。これは、通常、CRCをユーザ識別情報でマスクすることによってチェックサムに含まれる。
−リソース割当情報:ユーザが割り当てられるリソース(例えばリソースブロック(RB:Resource Block))を示す。あるいは、この情報はリソースブロック割当て(RBA:resource block assignment)と称される。ユーザを割り当てられるRBの数は、動的なものとすることができることに留意されたい。
−キャリアインジケータ:第1のキャリア上で送信される制御チャネルが、第2のキャリアに関連するリソース、すなわち第2のキャリア上のリソースまたは第2のキャリアに関連するリソースを割り当てる場合に使用される(クロスキャリアスケジューリング:cross carrier scheduling)。
−変調・符号化方式:採用される変調方式および符号化率を決定する。
−HARQ情報:データパケットまたはその一部の再送信時に特に有用である、新規データインジケータ(NDI:new data indicator)および/または冗長バージョン(RV:redundancy version)など。
−電力制御コマンド:割当て対象の、アップリンクデータまたは制御情報送信の、送信電力を調整する。
−基準信号情報:割当てに関連して基準信号の送信または受信に使用される、適用されるサイクリックシフトおよび/または直交カバーコードインデックスなど。
−アップリンク割当てインデックスまたはダウンリンク割当てインデックス:割当ての順序を識別するために使用され、TDDシステムにおいて特に有用である。
−ホッピング情報:例えば、周波数ダイバーシチを増大させるためにリソースホッピングを適用するかどうか、およびどのようにして適用するかの指示情報。
−CSI要求:割り当てられたリソースにおいて、チャネル状態情報の送信をトリガするために使用される。
−マルチクラスタ情報:シングルクラスタ(連続したRBのセット)で送信が発生するか、それともマルチクラスタ(少なくとも2つの不連続な、連続したRBのセット)で送信が発生するかを示す、および制御するために使用されるフラグである。マルチクラスタ割当ては、3GPP LTE−(A)リリース10によって導入された。
【0034】
なお上のリストは、すべてを網羅したものではなく、また、使用されるDCI formatに応じて、リストした情報項目すべてが各PDCCH送信の中に存在している必要はないことに留意されたい。
【0035】
ダウンリンク制御情報はいくつかのフォーマットの形で発生し、これらのフォーマットは、全体のサイズ、および上述したフィールドに含まれる情報も異なる。LTEのために現在定義されている異なるDCI formatは、以下のとおりであり、非特許文献4の5.3.3.1節(現在のバージョン13.0.0がhttp:/www.3gpp.orgで入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれている)に詳しく記載されている。例えば、以下のDCI Formatは、アップリンクのためのリソースグラントを伝えるために使用することができる。
【0036】
−Format 0:DCI Format 0は、アップリンク送信モード1または2でシングルアンテナポート送信を使用する、PUSCHのためのリソースグラントの送信のために使用される。
【0037】
−Format 4:DCI format 4は、アップリンク送信モード2での閉ループ空間多重化送信を使用する、PUSCHのスケジューリングのために使用される。
【0038】
非特許文献4の現在のバージョン13.0.0は、5.4.3節でサイドリンクのための制御情報を定義しており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0039】
<セミパーシステントスケジューリング(SPS)>
ダウンリンクおよびアップリンクでは、eNodeBをスケジューリングすることによって、各送信時間間隔において、L1/L2制御チャネル(PDCCH)を介してリソースをユーザ機器に動的に割り当て、L1/L2制御チャネル(PDCCH)では、ユーザ機器はそれらの固有のC−RNTIを介してアドレス指定される。既に上述したように、PDCCHのCRCは、アドレス指定されたユーザ機器のC−RNTIでマスクされる(いわゆる動的PDCCH)。一致するC−RNTIを持つユーザ機器のみが、PDCCHに内容を正しく復号化することができ、すなわち、CRCチェックが役に立つ。この種類のPDCCHシグナリングは、動的(スケジューリング)グラントとも称される。ユーザ機器は、それが割り当てられる、可能性のある割当て(ダウンリンクおよびアップリンク)を見つけるために、各送信時間間隔において、動的グラントについてL1/L2制御チャネルをモニタする。
【0040】
また、E−UTRANは、初期HARQ送信のためのアップリンク/ダウンリンクリソースをパーシステントに割り当てることができる。要求があれば、L1/L2制御チャネルを介して再送信が明示的にシグナリングされる。再送信は動的にスケジューリングされるため、この種の動作はセミパーシステントスケジューリング(SPS)と称され、すなわち、リソースは、セミパーシステントなベースでユーザ機器に割り当てられる(セミパーシステントリソース割当て:semi−persistent resource allocation)。利点は、初期HARQ送信のためのPDCCHリソースが節約されるということである。セミパーシステントスケジューリングは、リリース10のPCellにおいて使用し得るが、SCellにおいては使用し得ない。
【0041】
セミパーシステントスケジューリングを使用してスケジューリングされ得るサービスについての一例は、ボイスオーバIP(VoIP:Voice over IP)である。トークスパートの間、コーデックにおいて、20ms毎にVoIPパケットが生成される。そのため、eNodeBは、アップリンクまたは個別にダウンリンクリソースを20ms毎にパーシステントに割り当てることができ、その結果、リソースは、ボイスオーバIPパケットの送信のために使用することができる。一般に、セミパーシステントスケジューリングは、予測可能なトラフィック挙動を伴う、すなわち固定ビットレート、パケット到着時間が周期的である、サービスに有益である。
【0042】
ユーザ機器は、初期送信のためにパーシステントにリソースを割り当てられている、サブフレーム内のPDCCHもモニタする。動的(スケジューリング)グラント、すなわち、C−RNTIでマスクされたCRCを有するPDCCHは、セミパーシステントリソース割当てをオーバーライドすることができる。割り当てられたセミパーシステントリソースをユーザ機器が有するサブフレーム内のL1/L2制御チャネル上で、ユーザ機器が自身のC−RNTIを見つけた場合、このL1/L2制御チャネル割当ては、当該の送信時間間隔のためのパーシステントリソース割当てをオーバーライドし、ユーザ機器は、動的グラントにまさに従う。ユーザ機器が動的グラントを見つけなかったときは、セミパーシステントリソース割当てに従って送信/受信を行う。
【0043】
セミパーシステントスケジューリングの設定は、RRCシグナリングによって行われる。例えば、パーシステント割当ての周期性、例えばPS_PERIODは、無線リソース制御(RRC:Radio resource Control)シグナリング内でシグナリングされる。パーシステント割当てのアクティブ化および正確なタイミングならびに物理リソースおよびトランスポートフォーマットパラメータは、PDCCHシグナリングを介して送信される。セミパーシステントスケジューリングがアクティブ化された時点で、ユーザ機器は、SPSアクティブ化PDCCHに従ってPS_PERIOD毎にセミパーシステントリソース割当てに従う。本質的に、ユーザ機器は、SPSアクティブ化PDCCHの内容を格納し、シグナリングされた周期性でPDCCHに従う。
【0044】
動的PDCCHを、セミパーシステントスケジューリングをアクティブ化するPDCCH(SPSアクティブ化PDCCHとも称される)と区別するために、個別の識別情報が導入されている。基本的に、SPSアクティブ化PDCCHのCRCは、以下においてSPS C−RNTIと称されるこの追加の識別子でマスクされる。SPS C−RNTIのサイズも16ビットであり、通常のC−RNTIと同じである。さらには、SPS C−RNTIも、ユーザ機器固有であり、すなわち、セミパーシステントスケジューリング用に設定された各ユーザ機器は、固有のSPS C−RNTIを割り当てられる。
【0045】
ユーザ機器が、対応するSPSアクティブ化PDCCHによってセミパーシステントリソース割当てがアクティブ化されたことを検知した場合、ユーザ機器は、PDCCHの内容(すなわちセミパーシステントリソース割当て)を格納して、セミパーシステントスケジューリング間隔、すなわちRRCを介してシグナリングされた周期性毎にそれを適用する。既に述べたように、動的割当て、すなわち動的PDCCH上でシグナリングされた割当ては、「1回限りの割当て」に過ぎない。SPS割当ての再送信も、SPS C−RNTIを使用してシグナリングされる。SPSアクティブ化をSPS再送信と区別するために、NDIビット(新たなデータインジケータ:new data indicator)が使用される。SPSアクティブ化は、NDIビットを0に設定することによって示される。NDIビットが1にセットされた状態のSPS PDCCHは、セミパーシステントにスケジューリングされた初期送信のための再送信を示す。
【0046】
セミパーシステントスケジューリングのアクティブ化と同様に、eNodeBは、セミパーシステントスケジューリングを非アクティブ化することもでき、SPSリソース解放とも称される。セミパーシステントスケジューリング割当て解除をどのようにしてシグナリングすることができるかにはいくつかの選択肢がある。1つの選択肢は、いくつかのPDCCHフィールドが何らかの所定の値に設定されたPDCCHシグナリング、すなわちゼロサイズのリソース割当てを示すSPS PDCCHを使用することである。別の選択肢は、MAC制御シグナリングを使用することである。
【0047】
以下では、UEによって周期的データが送信されるかどうか、およびいつSPS設定を何とかしてセットアップするのかをeNBがどのようにして知るかに関してさらなる情報が提供される。
【0048】
新たなベアラが確立されたとき、非特許文献5の専用のベアラアクティブ化手順に従って、MMEは、ベアラ設定要求(Bearer Setup Request)(EPSベアラ識別情報(EPS Bearer Identity)、EPSベアラQoS(EPS Bearer QoS)、セッション管理要求(Session Management Request)、S1−TEID)メッセージをeNodeBにシグナリングする。eNodeBは、EPSベアラQoSを無線ベアラQoS(Radio Bearer QoS)にマッピングする。次いで、eNodeBは、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)(無線ベアラQoS、セッション管理要求、EPS RB 識別情報(EPS RB Identity))メッセージをUEにシグナリングする。
【0049】
EPSベアラQoSプロファイルは、パラメータQCI、ARP、GBRおよびMBRを含む。各EPSベアラ(GBRおよび非GBR)は、以下のベアラレベルのQoSパラメータと関連付けられる。
【0050】
−QoSクラス識別子(QCI:QoS Class Identifier)
−割当・保持優先順位(ARP:Allocation and Retention Priority)
QCIは、ベアラレベルパケット転送処理(例えば、スケジューリング重み、許可しきい値、キュー管理しきい値、リンクレイヤプロトコル設定など)を制御する、ノード固有のパラメータにアクセスするための参照として使用されるスカラであり、アクセスノード(例えばeNodeB)を所有する事業者によってあらかじめ設定されている。標準化されたQCI値の、標準化された特性への1対1マッピングは、非特許文献6にあるものをベースとした以下の表に示すように、非特許文献6が取り込まれている。
【表1】
【0051】
表から明らかなように、QCI値1は「会話音声」すなわちボイスオーバIP(VoIP)に対応する。eNBが、QCI値1の「ベアラ設定要求」メッセージを受信したとき、eNBは、このベアラがVoIPのために確立され、UEがVoIPデータを送信するために周期的リソースを割り当てるためにSPS設定を適用することができる、ということが分かる。
【0052】
<LTEデバイス間(D2D)近傍サービス(ProSe)>
近傍ベースのアプリケーションおよびサービスは、新たに起こりつつある社会−技術的傾向を表している。特定された領域には、事業者およびユーザにとって関心のある商用サービスおよび治安に関連するサービスが含まれる。LTEにおける近傍サービス(ProSe)能力の導入により、3GPP業界がこの発展する市場に役立つと同時に、連帯してLTEに託されているいくつかの治安コミュニティの緊急ニーズに役立つことを可能にする。
【0053】
デバイス間(D2D)通信は、LTEリリース12によって導入された技術コンポーネントであり、セルラネットワークに対するアンダーレイとしてD2Dがスペクトル効率を高めることを可能にする。例えば、セルラネットワークがLTEである場合、データを伝えるすべての物理チャネルはD2DシグナリングのためにSC−FDMAを使用する。D2D通信では、ユーザ機器は、無線基地局を経由する代わりに、セルラリソースを使用して直接リンクを通じて互いにデータシグナルを送信する。本発明を通して、用語「D2D」、「ProSe」および「サイドリンク」は入替えが可能である。
【0054】
LTEにおけるD2D通信は、ディスカバリ(Discovery)および通信(Communication)の2つの領域に重点をおいている。
【0055】
ProSe(Proximity−based Service)直接ディスカバリ(Direct Discovery)は、ProSe対応UE(ProSe−enabled UE)によって、ProSe対応の他のUEを、PC5インタフェースを介してE−UTRA直接無線シグナルを使用してその近くに発見するために使用される手順として定義されている。
【0056】
D2D通信では、UEは、基地局(BS:base station)を経由する代わりに、セルラリソースを使用して直接リンクを通じて互いにデータシグナルを送信する。D2Dユーザは、BSの制御下にある間、すなわち、少なくともeNBのカバレッジ内にあるときは、直接通信を行う。そのため、D2Dは、セルラリソースを再利用することによってシステムパフォーマンスを改善することができる。
【0057】
D2Dは、カバレッジを提供しているセルのアップリンクLTEスペクトル(FDDの場合)またはアップリンクサブフレーム(TDDの場合、カバレッジの外以外)において動作することが想定されている。さらには、D2D送信/受信は、所与のキャリア上で全二重を使用しない。個々のUEの観点からは、所与のキャリアD2Dシグナル受信およびLTEアップリンク送信は、全二重を使用せず、すなわち、D2Dシグナル受信とLTE UL送信とは同時には不可能である。
【0058】
D2D通信では、1つの特定のUE1が送信の役割を担う(送信ユーザ機器または送信端末)とき、UE1がデータを送信し、別のUE2(受信ユーザ機器)がそれを受信する。UE1とUE2とは、その送信と受信との役割を交換することができる。UE1からの送信は、1または複数の、UE2のようなUEによって受信することができる。
【0059】
<ProSe直接通信レイヤ2リンク>
簡潔に述べると、ProSe直接1対1通信は、2つのUE間にPC5を介したセキュアなレイヤ2リンクを確立することによって実現される。各UEは、UEがレイヤ2リンク上で送信するあらゆるフレームの発信元レイヤ2 IDフィールド内、およびUEがレイヤ2リンク上で受信するあらゆるフレームの宛先レイヤ2 ID内に含まれている、ユニキャスト通信のためのレイヤ2 IDを有する。UEは、ユニキャスト通信のためのレイヤ2 IDが、少なくとも局所的に一意であることを保証する必要がある。そのため、UEは、指定されていないメカニズムを使用して、隣接するUEとのレイヤ2 ID衝突を処理することに備えるべきである(例えば、衝突が検出されたときに、ユニキャスト通信のための新たなレイヤ2 IDを自己割当てする)。ProSe直接通信1対1のためのレイヤ2リンクは、2つのUEのレイヤ2 IDの組合せによって識別される。これは、UEが、同じレイヤ2 IDを使用してProSe直接通信1対1のための複数のレイヤ2リンクに携わることができることを意味する。
【0060】
ProSe直接通信1対1は、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献7の現在のバージョンv13.0.0の7.1.2節に詳細に説明されているような、以下の手順から構成される。
・PC5を介したセキュアなレイヤ2リンクの確立。
・IPアドレス/プレフィックス割当て。
・PC5を介したレイヤ2リンクの維持。
・PC5を介したレイヤ2リンクの解放。
【0061】
図3は、PC5インタフェースを介したセキュアなレイヤ2リンクを確立する方法を示している。
【0062】
1.UE−1が、相互認証をトリガするために直接通信要求(Direct Communication Request)メッセージをUE−2に送信する。リンクイニシエータ(UE−1)は、ステップ1を実行するために、ピア(UE−2)のレイヤ2 IDを知る必要がある。一例として、リンクイニシエータは、最初にディスカバリ手順を実行することによって、または、ピアを含むProSe1対多通信に参加することによって、ピアのレイヤ2 IDを学習し得る。
【0063】
2.UE−2が、相互認証のための手順を開始する。認証手順が首尾よく完了すると、PC5を介したセキュアなレイヤ2リンクの確立が完了する。
【0064】
隔離された(非中継)1対1通信に携わるUEは、リンクローカルアドレスも使用し得る。PC5シグナリングプロトコル(Signalling Protocol)は、UEが黙示的なレイヤ2リンク解放を進めることができるように、UEがProSe通信範囲内にないときを検出するために使用されるキープアライブ機能をサポートするものとする。PC5を介したレイヤ2リンク解放は、他方のUEに送信される切断要求(Disconnect Request)メッセージを使用することによって行うことができ、他方のUEも、すべての関連するコンテキストデータを削除する。切断要求メッセージを受信した時点で、他方のUEは、切断応答(Disconnect Response)メッセージで応答し、レイヤ2リンクと関連付けられたすべてのコンテキストデータを削除する。
【0065】
<ProSe直接通信関連識別情報>
非特許文献8の現行バージョン13.2.0が、ProSe直接通信のために使用する以下の識別情報を8.3節に定義している。
・SL−RNTI:ProSe直接通信スケジューリングのために使用される固有の識別情報。
・発信元レイヤ2(Source Layer−2) ID:サイドリンクProSe直接通信におけるデータの送信者を識別する。発信元レイヤ2 IDは、24ビット長であり、受信部におけるRLC UMエンティティおよびPDCPエンティティの識別のためのProSeレイヤ2宛先IDおよびLCIDと一緒に使用される。
・宛先レイヤ2(Destination Layer−2) ID:サイドリンクProSe直接通信におけるデータのターゲットを識別する。宛先レイヤ2 IDは24ビット長であり、MACレイヤにおいて2つのビット列に分割される。
・1つのビット列は宛先レイヤ2 IDのLSB部(8ビット)であり、サイドリンク制御レイヤ1 ID(Sidelink Control Layer−1 ID)として物理レイヤに転送される。これはサイドリンク制御(Sidelink Control)において意図されたデータのターゲットを識別し、物理レイヤにおいてパケットをフィルタリングするために使用される。
・第2のビット列は宛先レイヤ2 IDのMSB部(16ビット)であり、MACヘッダ内で伝えられる。これはMACレイヤにおいてパケットをフィルタリングするために使用される。
【0066】
グループ形成のため、ならびにUE内の発信元レイヤ2 ID、宛先レイヤ2 IDおよびサイドリンク制御L1 IDを設定するためには、アクセス層シグナリングは要求されない。これらの識別情報は、より上位のレイヤによって提供されるか、またはより上位のレイヤによって提供される識別情報から得られるかのいずれかである。グループキャストおよびブロードキャストの場合、より上位のレイヤによって提供されるProSe UE IDは、発信元レイヤ2 IDとして直接使用され、より上位のレイヤによって提供されるProSeレイヤ2グループIDは、MACレイヤにおいて宛先レイヤ2 IDとして直接使用される。1対1通信の場合、より上位のレイヤは、発信元レイヤ2 IDおよび宛先レイヤ2 IDを提供する。
【0067】
<近傍サービスのための無線リソース割当て>
送信UEの観点から、近傍サービス対応UE(ProSe対応UE)は、リソース割当てのための2つのモードで動作することができる。
【0068】
モード1は、eNBによってスケジューリングされるリソース割当てのことを指し、UEがeNB(またはリリース10中継ノード)から送信リソースを要求し、eNodeB(またはリリース10中継ノード)は、次いで直接データおよび直接制御情報を送信するためにUEによって使用されるリソースをスケジューリングする(例えばスケジューリング割当て(Scheduling Assignment))。UEは、データを送信するためにRRC_CONNECTEDである必要がある。具体的には、UEはeNBにスケジューリング要求(D−SRまたはランダムアクセス(Random Access))を送信し、通常の方法でバッファ状態通知(BSR:Buffer Status Rreport)が後に続く(以下の章「D2D通信のための送信手順」も参照)。BSRに基づいて、eNBは、UEがProSe直接通信送信のためのデータを有していると判定することができ、送信のために必要とされるリソースを推定することができる。
【0069】
一方、モード2は、UE自律的リソース選択のことを指し、直接データおよび直接制御情報を送信するために、UE自体が、リソースプールからリソース(時間および周波数)を選択する(すなわちSA)。1つのリソースプールが、例えばSIB18の内容によって、すなわちフィールドcommTxPoolNormalCommonによって定義され、この特定のリソースプールは、セル内でブロードキャストされ、その後、依然としてRRC_Idle状態にあるセル内のすべてのUEにとって共通して利用可能である。実際上、eNBは、前記プール、すなわちSAメッセージおよび直接データの送信のための4つのリソースプールそれぞれ、の最大4つの異なるインスタンスを定義し得る。ただし、リリース12では、たとえ複数のリソースプールを設定されたとしても、UEは、リストに定義された第1のリソースプールを常に使用するものとする。この制約は、リリース13については削除され、すなわち、UEは、1つのSC期間内に、複数の設定されたリソースプール上で送信することができる。UEが送信のためのリソースプールをどのようにして選択するかは、以下にさらに概説する(3GPP TS 36.321(非特許文献2)でさらに規定される)。
【0070】
代替として、別のリソースプールを、eNBによって定義し、SIB18において、すなわち、例外的なケースにおいてUEによって使用することができるフィールドcommTxPoolExceptionalを使用することによって、シグナリングすることができる。
【0071】
UEがどのリソース割当てモードを使用することになるかは、eNBによって設定可能である。さらには、UEがD2Dデータ通信のためにどのリソース割当てモードを使用することになるかは、RRC状態、すなわちRRC_IDLEなのかRRC_CONNECTEDなのか、およびUEのカバレッジ状態、すなわちカバレッジ内なのかカバレッジ外なのかにも依存し得る。UEは、サービングセルを有する(すなわちUEがRRC_CONNECTEDであるか、またはRRC_IDLE状態においてセルにキャンプオンしつつある)場合、カバレッジ内と考えられる。
【0072】
リソース割当てモードに関して以下の規則がUEに適用される。
・UEがカバレッジ外である場合、UEはモード2のみを使用することができる。
・UEがカバレッジ内である場合、UEは、eNBがUEをそれに応じて設定していればモード1を使用し得る。
・UEがカバレッジ内である場合、UEは、eNBがUEをそれに応じて設定していればモード2を使用し得る。
・例外的条件が存在しないときには、UEは、eNBによってそうするように設定されている場合に限り、モード1からモード2に、またはその逆に変化し得る。UEがカバレッジ内である場合、UEは、例外的なケースの1つが発生しない限り、eNB設定によって示されたモードのみを使用するものとする。
・UEは、例えばT311またはT301が実行中である間、自身が例外的条件にあるものと見なす。
・例外的なケースが発生したとき、UEは、モード1を使用するように設定されている場合でも、一時的にモード2を使用することが許可される。
【0073】
E−UTRAセルのカバレッジエリア内にある間は、UEは、たとえ当該キャリアのリソースが例えばUICC(汎用ICカード:Universal Integrated Circuit Card)においてあらかじめ設定されている場合でも、当該セルによって割り当てられたリソースにおいてのみ、ULキャリア上でProSe直接通信送信を実行するものとする。
【0074】
RRC_IDLE状態にあるUEに対しては、eNBは次の選択肢の1つを選択し得る。
・eNBは、モード2の送信リソースプールをSIBの中で提供し得る。ProSe直接通信が承認されているUEは、RRC_IDLE状態においてProSe直接通信のためにこれらのリソースを使用する。
・eNBは、自身がD2DをサポートしているがProSe直接通信のためのリソースを提供しないことをSIBの中で示し得る。UEは、ProSe直接通信送信を実行するためにはRRC_CONNECTED状態に入る必要がある。
【0075】
RRC_CONNECTED状態にあるUEについては、以下のとおりである。
・ProSe直接通信送信を実行することが承認されている、RRC_CONNECTED状態にあるUEは、ProSe直接通信送信を実行する必要があるとき、ProSe直接通信送信をしたいということをeNBに示す。
・eNBは、RRC_CONNECTED状態にあるUEがProSe直接通信送信を承認されているかどうかを、MMEから受信したUEコンテキストを使用して確認する。
・eNBは、RRC_CONNECTED状態にあるUEを、専用シグナリングによって、そのUEがRRC_CONNECTED状態である間は制約無しで使用し得るモード2リソース割当て送信リソースプールで設定し得る。あるいは、eNBは、RRC_CONNECTED状態にあるUEを、専用シグナリングによって、そのUEが例外的なケースにおいてのみ使用して、そうでない場合はモード1に依存することが許される、モード2のリソース割当て送信リソースプールで設定し得る。
【0076】
UEがカバレッジ外のときのスケジューリング割当てのためのリソースプールは、以下のように設定することができる。
・受信のために使用されるリソースプールは、あらかじめ設定される。
・送信のために使用されるリソースプールは、あらかじめ設定される。
【0077】
UEがカバレッジ内のときのスケジューリング割当てのためのリソースプールは、以下のように設定することができる。
・受信のために使用されるリソースプールは、RRCを介して、専用シグナリングまたはブロードキャストシグナリング内で、eNBによって設定される。
・モード2リソース割当てが使用される場合、送信のために使用されるリソースプールは、RRCを介してeNBによって設定される。
・モード1リソース割当てが使用される場合、送信のために使用されるSCI(サイドリンク制御情報:Sidelink Control Information)リソースプール(スケジューリング割当て(SA)リソースプールとも称される)は、UEには知られない。
・モード1リソース割当てが使用される場合、eNBは、サイドリンク制御情報(スケジューリング割当て)送信のために使用する特定のリソースをスケジューリングする。eNBによって割り当てられた特定のリソースは、UEへ提供されているSCIの受信のためのリソースプール内にある。
【0078】
図4は、オーバーレイ(LTE)およびアンダーレイ(D2D)システムのための送信/受信リソースの使用を示している。
【0079】
基本的に、eNodeBは、UEがモード1送信を適用し得るのか、それともモード2送信を適用し得るのかを制御する。UEが、自身がD2D通信を送信(または受信)することができる、自身のリソースを知った時点で、UEは、対応するリソースを、対応する送信/受信のためのみに使用する。例えば、
図4では、D2Dサブフレームは、D2Dシグナルを受信または送信するためのみに使用される。D2DデバイスとしてのUEは、半二重モードで動作するため、いずれの時点においても、D2Dシグナルの送信または受信のいずれかを行うことができる。同様に、
図4に示す別のサブフレームは、LTE(オーバーレイ)送信および/または受信のために使用することができる。
【0080】
<D2D通信のための送信手順>
D2Dデータ通信手順は、リソース割当てモードによって異なる。上記のように、モード1について、eNBは、スケジューリング割当ておよびD2Dデータ通信のためのリソースを、UEからの対応する要求の後に明示的にスケジューリングする。具体的には、UEは、D2D通信は基本的に許可されるがモード2のリソース(すなわちリソースプール)が提供されないことを、eNBによって通知され得、これは、例えば、UEによるD2D通信関心通知(D2D Communication Interest Indication)と、対応する応答であるD2D通信応答(D2D Communication Response)を交換することによって行われ得、対応する例示的なProseCommConfigの情報エレメントはcommTxPoolNormalCommonを含まず、すなわち、送信を含む直接通信を開始したいUEは、個々の送信毎にリソース割当てをE−UTRANに要求しなければならない。このように、こうしたケースでは、UEは、個々の送信毎にリソースを要求しなければならず、以下に、このモード1リソース割当てについて、要求/許可手順の異なったステップを例示的に列挙する。
・ステップ1:UEが、PUCCHを介してeNBにSR(スケジューリング要求:Scheduling Request)を送信する。
・ステップ2:eNBが、C−RNTIによってスクランブルして、PDCCHを介して(UEがBSRを送信するための)ULリソースを許可する。
・ステップ3:UEが、PUSCHを介してバッファの状態を示すD2D BSRを送信する。
・ステップ4:eNBが、D2D−RNTIによってスクランブルして、PDCCHを介して(UEがデータを送るための)D2Dリソースを許可する。
・ステップ5:D2D送信UEが、ステップ4で受信したグラントに従って、SA/D2Dデータを送信する。
【0081】
スケジューリング割当て(SA)は、SCI(サイドリンク制御情報:Sidelink Control Information)とも称され、制御情報、例えば、対応するD2Dデータ送信のための時間−周波数リソースへのポインタ、変調および符号化方式、ならびにグループ宛先ID(Group Destination ID)を含む、コンパクトな(低ペイロードの)メッセージである。SCIは、1つの(ProSe)宛先IDのためのサイドリンクスケジューリング情報を伝送する。SA(SCI)の内容は、基本的には上記のステップ4で受信されたグラントに従う。D2DグラントおよびSAの内容は、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献4の現在のバージョン13.0.0の5.4.3節で定義されており、SCIフォーマット0を具体的に定義している(上記のSCIフォーマット0の内容を参照)。
【0082】
一方、モード2リソース割当てについては、上記のステップ1〜ステップ4は基本的に不要であり、UEは、SAおよびD2Dデータ送信のためのリソースを、eNBによって設定および提供された送信リソースプールから自律的に選択する。
【0083】
図5は、UE−1およびUE−2の2つのUEのためのスケジューリング割当ておよびD2Dデータの送信を例示的に示しており、スケジューリング割当てを送信するためのリソースは周期的であり、D2Dデータ送信のために使用されるリソースは、対応するスケジューリング割当てによって示される。
【0084】
図6は、SC期間すなわちサイドリンク制御期間、としても知られる、1つのSA/データ期間の、モード2、すなわち自律スケジューリング、のためのD2D通信タイミングを示している。
図7は、1つのSA/データ期間の、モード1、すなわちeNBによってスケジューリングされる割当て、のためのD2D通信タイミングを示している。SC期間は、スケジューリング割当ておよびそれに対応するデータの送信から構成される期間である。
図6から分かるように、UEは、SAオフセット時間の後に、モード2のためのスケジューリング割当てのための送信プールリソースSA_Mode2_Tx_poolを使用してスケジューリング割当てを送信する。SAの最初の送信の後に、例えば同じSAメッセージの3つの再送信が続く。次いで、UEは、SAリソースプールの最初のサブフレーム(SA_offsetによって与えられる)の後のいくらかの設定されたオフセット(Mode2data_offset)において、D2Dデータ送信、すなわちより詳細には、T−RPTビットマップ/パターンを開始する。MAC PDU(すなわちトランスポートブロック)の1つのD2Dデータ送信は、その1番目の初期送信といくつかの再送信とで構成される。
図6の(および
図7の)説明図については、3つの送信(すなわち、同じMAC PDUの2番目、3番目および4番目の送信)が実行されることが想定されている。モード2 T−RPTビットマップ(送信の時間リソースパターン、T−RPT:time resource pattern of transmission)は基本的に、MAC PDU送信(1番目の送信)およびその再送信(2番目、3番目および4番目の送信)のタイミングを定義する。SAパターンは基本的に、SAの初期送信およびその再送信(2番目、3番目および4番目の送信)のタイミングを定義する。
【0085】
標準において現在規定されているように、例えば、eNBによって送信されたか、またはUE自身によって選択されたかのいずれかの、1つのサイドリンクグラントについて、UEは、複数のトランスポートブロック、MAC PDUを送信することができる(サブフレーム(TTI)毎に1回のみ、すなわち順々に)が、ただし、ただ1つのProSe宛先グループに対してである。また、1つのトランスポートブロックの再送信は、次のトランスポートブロックの1番目の送信が始まる前に終了しなければならず、すなわち、複数のトランスポートブロックの送信のためにサイドリンクグラント毎にただ1つのHARQプロセスが使用される。さらには、UEは、SC期間毎にいくつかのサイドリンクグラントを有して使用することができるが、サイドリンクグラントのそれぞれについて異なるProSe宛先が選択されるべきである。このように、1つのSC期間において、UEは、1つのProSe宛先に1回のみデータを送信することができる。
【0086】
図7から明らかなように、eNBによってスケジューリングされるリソース割当てモード(モード1)については、D2Dデータ送信、すなわちより詳細には、T−RPTパターン/ビットマップは、SAリソースプールでの最後のSA送信繰り返しの後に次のULサブフレームにおいて始まる。
図6について既に説明したように、モード1 T−RPTビットマップ(送信の時間リソースパターン、T−RPT:time resource pattern of transmission)は基本的に、MAC PDU送信(1番目の送信)およびその再送信(2番目、3番目および4番目の送信)のタイミングを定義する。
【0087】
サイドリンクデータ送信手順は、参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献2のv13.0.0の5.14節に記載されている。その中に、モード2の自律的リソース選択が詳細に記載されており、単一無線リソースプールでの構成と複数無線リソースプールでの構成とを区別している。非特許文献2の前記の節から以下のステップが取られており、モード2の自律的リソース選択を想定している。
【0088】
SL−SCH(サイドリンク共有チャネル:sidelink shared channel)上で送信するためには、MACエンティティは、少なくとも1つのサイドリンクグラントを有しなければならない。サイドリンクグラントは、以下のように選択される。
【0089】
MACエンティティが、1または複数の、リソースのプールを使用して送信するように、より上位のレイヤによって設定され、現在のSC期間に送信することができるよりも多くのデータがSTCH(サイドリンクトラフィックチャネル:sidelink traffic channel)内で利用可能である場合、選択されるべき各サイドリンクグラントについてMACエンティティは、以下のとおりとする。
・より上位のレイヤによって、単一の、リソースのプールを使用するように設定される場合:
−当該のリソースのプールを使用に選択する。
・さもなければ、より上位のレイヤによって、複数の、リソースのプールを使用するように設定される場合:
−関連付けられた優先度リストが、送信されるべきMAC PDUにおけるサイドリンク論理チャネルのうちで最も優先度の高い優先度を含む、より上位のレイヤによって設定されるリソースのプールから、リソースのプールを使用に選択する。
【0090】
注記:2つ以上の、リソースのプールが、送信されるべきMAC PDUにおいて最も高い優先度のサイドリンク論理チャネルの優先度を含んだ関連付けられた優先度リストを有する場合、これらの、リソースのプールのうちのどの1つを選択するかは、UEの実施にゆだねられる。
・選択されたリソースプールから、SL−SCHおよびサイドリンクグラントのSCIのための、時間および周波数リソースをランダムに選択する。ランダム関数は、許容された選択のそれぞれを等しい確率で選択することができるものであること。
・参照により本明細書に組み込まれている非特許文献3の14.2.1節に従ってSCIの送信および最初のトランスポートブロックの送信が発生するサブフレームのセットを決定するために、選択されたサイドリンクグラントを使用する(このステップは、
図7と関連付けて説明するように、T−RPTおよびSAパターンの選択のことを指す)。
・選択されたサイドリンクグラントを、サイドリンクグラントが選択されたサブフレームの少なくとも4サブフレーム後に始まる最初の利用可能なSC期間の開始で始まるサブフレーム内で発生する、設定されたサイドリンクグラントと見なす。
・設定されたサイドリンクグラントを、対応するSC期間の最後でクリアする。
【0091】
注記:SL−SCH上での再送信は、設定されたサイドリンクグラントがクリアされてしまった後は発生することができない。
【0092】
注記:より上位のレイヤによって、1または複数の、リソースのプールを使用して送信するようにMACエンティティが設定される場合、サイドリンクプロセスの数を考慮して、1つのSC期間内にいくつのサイドリンクグラントを選択するかは、UEの実施にゆだねられる。
【0093】
MACエンティティは、各サブフレームについて以下のとおりとする。
【0094】
−MACエンティティがこのサブフレーム内で発生する設定されたサイドリンクグラントを有している場合
−設定されたサイドリンクグラントがSCIの送信に対応している場合
−物理レイヤに、設定されたサイドリンクグラントに対応するSCIを送信するように命令する。
−さもなければ、設定されたサイドリンクグラントが第1のトランスポートブロックの送信に対応している場合、
−このサブフレームのために、設定されたサイドリンクグラントおよび関連付けられたHARQ情報をサイドリンクHARQエンティティに配信する。
【0095】
注記:MACエンティティが、1つのサブフレーム内で発生する複数の設定されたグラントを有している場合、および、単一クラスタSC−FDMの制約に起因してそれらのすべてを処理することができるわけではない場合、それらのどの1つを上記の手順に従って処理するかは、UEの実施にゆだねられる。
【0096】
3GPP技術標準から取られた上記の文章は、さらに明確にすることができる。例えば、時間および周波数リソースをランダムに選択するステップは、どの特定の時間/周波数リソースが選択されるかに関してはランダムであるが、例えば、合計で選択される時間/周波数リソースの量に関してはランダムではない。リソースプールから選択されるリソースの量は、自律的に選択されるべき前記サイドリンクで送信されるべきデータの量に依存する。次いで、送信されるべきデータの量は、ProSe宛先グループを選択する、前のステップ、および、対応する、前記ProSe宛先グループ宛の送信準備ができているデータの量に依存する。サイドリンクLCP手順で後に記載するように、ProSe宛先が最初に選択される。
【0097】
さらには、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献2のv13.0.0の5.14.1.2.2節から明らかなように、サイドリンクHARQエンティティに関連付けられたサイドリンクプロセスは、それに応じて送信を生成し、および実行するように、物理レイヤに命令する役割を担う。簡潔に述べると、サイドリンクグラント、および送信すべきサイドリンクデータを決定した後、物理レイヤは、サイドリンクグラントおよび必要な送信パラメータに基づいて、サイドリンクデータが実際に送信されるように注意を払う。
【0098】
上記で論じたのは、D2D通信についての3GPP標準の現在の状態である。ただし、将来のリリースにおいてD2D通信に何らかの変更が導入されるという結果になりそうな、D2D通信のさらなる改善および拡張の方法については、進行中の議論があることに留意すべきである。本発明は、後に記載するように、これら後のリリースにも適用することができるものとする。
【0099】
<ProSeネットワークアーキテクチャおよびProSeエンティティ>
図8は、それぞれのUE AおよびB内の異なるProSeアプリケーション、ならびに、ネットワーク内のProSeアプリケーションサーバおよびProSe機能を含む、非ローミングケースについての高レベルの例示的なアーキテクチャを示している。
図8のアーキテクチャ例は、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献9のv.13.2.0の4.2章「Architectural Reference Model」から取られている。
【0100】
機能エンティティは、参照によって本明細書に組み込まれている非特許文献9の4.4節「Functional Entities」に詳細に提示および説明されている。ProSe機能は、ProSeのために要求されるネットワーク関連動作のために使用される論理機能であり、ProSeの特徴のそれぞれのために異なった役割を果たす。ProSe機能は、3GPPのEPCの一部分であり、近傍サービスに関係する、承認、認証、データ操作などのような、関連するすべてのネットワークサービスを提供する。ProSe直接ディスカバリおよび通信について、UEは、特定のProSe UE識別情報、他の設定情報、および承認をProSe機能からPC3基準点を通じて取得し得る。ネットワークには複数のProSe機能を展開することができるが、説明図を容易にするために、単一のProSe機能を提示している。ProSe機能は、ProSeの特徴に応じた異なる役割を実行する3つの主なサブ機能、すなわち、直接供給機能(DPF:Direct Provision Function)、直接ディスカバリ名管理機能(Direct Discovery Name Management Function)およびEPCレベルディスカバリ機能(EPC−level Discovery Function)から構成されている。DPFは、ProSe直接ディスカバリおよびProSe直接通信を使用するために、必要なパラメータをUEに供給するために使用される。
【0101】
前記文脈で使用される用語「UE」は、例えば以下のProSe機能性をサポートするProSe対応UEのことを指す。
・PC3基準点を通じたProSe対応UEとProSe機能との間でのProSe制御情報の交換。
・PC5基準点を通じた他のProSe対応UEのオープンProSe直接ディスカバリのための手順。
・PC5基準点を通じた1対多ProSe直接通信のための手順。
・ProSe UE−ネットワーク中継器(ProSe UE−to−Network Relay)として動作するための手順。リモートUE(Remote UE)は、PC5基準点を通じてProSe UE−ネットワーク中継器と通信する。ProSe UE−ネットワーク中継器は、レイヤ3パケット転送を使用する。
・例えば、UE−ネットワーク中継器検出およびProSe直接ディスカバリのために、PC5基準点を通じてProSe UE間での制御情報の交換。
・PC3基準点を通じて、別のProSe対応UEとProSe機能との間でのProSe制御情報の交換。ProSe UE−ネットワーク中継器のケースでは、リモートUEは、LTE−Uuインタフェースを通じてProSe機能に向けて中継されるべきPC5ユーザプレーンを通じてこの制御情報を送信する。
・パラメータ(例えば、IPアドレス、ProSeレイヤ2グループID、グループセキュリティマテリアル(Group security material)、無線リソースパラメータを含む)の設定。これらのパラメータは、UEにおいてあらかじめ設定することができるか、または、カバレッジ内にある場合には、PC3基準点を通じたシグナリングによってネットワーク内のProSe機能に提供することができる。
【0102】
ProSeアプリケーションサーバは、EPC ProSeユーザID(EPC ProSe User ID)およびProSe機能ID(ProSe Function ID)の格納、ならびにアプリケーションレイヤユーザID(Application Layer User ID)およびEPC ProSeユーザIDのマッピングをサポートする。ProSeアプリケーションサーバ(AS:Application Server)は3GPPの範囲外のエンティティである。UEにおけるProSeアプリケーションは、アプリケーションレイヤ基準点PC1を介してProSe ASと通信する。ProSe ASは、PC2基準点を介して3GPPネットワークに接続されている。
【0103】
<車両通信−V2Xサービス>
自動車業界に対する新たなLTEの特徴の有用性を考慮するための新たな検討項目が3GPPにおいて定められ、近傍サービス(ProSE)およびLTEベースのブロードキャストサービスを含んでいる。このように、ProSe機能性は、V2Xサービスのための良好な基盤を提供するものと見なされている。コネクテッドビークル技術は、安全性、モビリティ、トラフィック効率など、陸上輸送業界における最大の課題のいくつかに取り組むことを目標にしている。
【0104】
V2X通信は、車両から、車両に影響し得る任意のエンティティへ、およびその逆への情報の伝達である。この情報交換は、安全性、モビリティおよび環境のアプリケーションを改善して運転者支援車両安全、速度適応および警告、緊急応答、交通情報、ナビゲーション、交通運行、商用車運行管理および支払い手続きを含むようにするために使用することができる。
【0105】
V2XサービスのためのLTEサポートには、以下のとおり、異なった3つのタイプの使用ケースが含まれる。
・V2V(Vehicle-to-Vehicle):車両間のLTEベースの通信をカバーする。
・V2P(Vehicle-to-Pedestrian):車両と個人によって持ち運ばれるデバイス(例えば、歩行者、サイクリスト、ドライバまたは旅客によって持ち運ばれるハンドヘルド端末)との間のLTEベースの通信をカバーする。
・V2I(Vehicle-to-Infrastructure):車両と路側機との間のLTEベースの通信をカバーする。
【0106】
これらの3つのタイプのV2Xは、エンドユーザに向けてよりインテリジェントなサービスを提供するために、「協調的認識」を使用することができる。これは、車両、路側インフラ、および歩行者などのトランスポートエンティティが、それぞれの局所環境についての知識(例えば、近傍の、他の車両またはセンサ装置から受信した情報)を収集して、協調的衝突警告または自動運転などのよりインテリジェントなサービスを提供するために、その知識を処理し、および共有することができる。
【0107】
V2V通信に関しては、E−UTRANは、許可、承認および近傍性基準が満たされたとき、互いの近傍にいるUEが、E−UTRA(N)を使用してV2V関連の情報を交換することを可能にする。近傍性基準は、MNO(移動体通信事業者:Mobile Network Operator)によって設定することができる。ただし、V2VサービスをサポートしているUEは、V2XサービスをサポートするE−UTRANによってサービスされるときまたはサービスされないときに、こうした情報を交換することができる。
【0108】
V2VアプリケーションをサポートしているUEは、アプリケーションレイヤの情報(例えば、V2Vサービスの一部としてその位置、ダイナミクス、および属性)を送信する。V2Vペイロードは、異なる情報内容を収容するためにフレキシブルでなければならず、情報は、MNOによって提供された設定に従って周期的に送信することができる。
【0109】
V2Vは、主にブロードキャストベースであり、V2Vは、別個のUE間のV2V関連のアプリケーション情報の、直接の交換、および/または、V2Vの直接通信範囲が制限されていることから、別個のUE間のV2V関連のアプリケーション情報の、V2Xサービスをサポートしているインフラ、例えばRSU、アプリケーションサーバなどを介しての交換を含んでいる。
【0110】
V2I通信に関しては、V2IアプリケーションをサポートしているUEは、アプリケーションレイヤの情報を路側機に送信し、その路側機は次いでアプリケーションレイヤの情報をV2IアプリケーションをサポートしているUEのグループまたはUEに送信することができる。
【0111】
V2N(Vehicle-to-Network、eNB/CN)も導入され、一方の通信主体はUEで他方の通信主体はサービングエンティティで、両方ともV2Nアプリケーションをサポートし、LTEネットワークを介して互いに通信する。
【0112】
V2P通信に関しては、E−UTRANは、許可、承認および近傍性基準が満たされたとき、互いの近傍にいるUEが、E−UTRANを使用してV2P関連の情報を交換することを可能にする。近傍性基準は、MNOによって設定することができる。ただし、V2PサービスをサポートしているUEは、V2XサービスをサポートするE−UTRANによってサービスされないときでも、こうした情報を交換することができる。
【0113】
V2PアプリケーションをサポートしているUEは、アプリケーションレイヤの情報を送信する。こうした情報は、V2XサービスをサポートしているUEを有する車両によって(例えば、歩行者への警告)、および/またはV2XサービスをサポートしているUEを有する歩行者によって(例えば、車両への警告)ブロードキャストすることができる。
【0114】
V2Pは、別個のUE(一方は車両用で、他方は歩行者用)間のV2P関連のアプリケーション情報の、直接の交換、および/または、V2Pの直接通信範囲が制限されていることから、別個のUE間のV2P関連のアプリケーション情報の、V2Xサービスをサポートしているインフラ、例えばRSU、アプリケーションサーバなどを介しての交換を含んでいる。
【0115】
この新たな検討項目V2Xのために、3GPPは固有の用語および定義を非特許文献10の現在のバージョン13.0.0で提供しており、本願のために再利用することができる。
【0116】
路側機(RSU:Road Side Unit):V2Iアプリケーションを使用しているUEへ送信し、およびそこから受信することができるV2Iサービスをサポートしているエンティティ。RSUは、eNBまたは据付けのUEに実装することができる。
V2Iサービス:V2Xサービスの1つのタイプであり、1つの通信主体はUEで、他方の通信主体はRSUで、両方共にV2Iアプリケーションを使用する。
V2Nサービス:V2Xサービスの1つのタイプであり、一方の通信主体はUEで他方の通信主体はサービングエンティティで、両方ともV2Nアプリケーションを使用し、LTEネットワークエンティティを介して互いに通信する。
V2Pサービス:V2Xサービスの1つのタイプであり、通信の両方の通信主体は、V2Pアプリケーションを使用しているUEである。
V2Vサービス:V2Xサービスの1つのタイプであり、通信の両方の通信主体は、V2Vアプリケーションを使用しているUEである。
【0117】
V2Xサービス:3GPPトランスポートを介してV2Vアプリケーションを使用している送信または受信UEに関与する通信サービスの1つのタイプ。V2Xサービスは、通信に関与している他方の通信主体に基づいて、V2Vサービス、V2Iサービス、V2Pサービス、およびV2Nサービスにさらに分けることができる。
【0118】
V2V通信について、異なるタイプのメッセージが定義されており、また、定義される。高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)のために、2つの異なったタイプのメッセージがETSIによって既に定義されており、対応する欧州規格である非特許文献11のv1.3.1および非特許文献12のv1.2.1を参照されたい。
【0119】
・協調認識メッセージ(CAM:Cooperative Awareness Message):車両状態を反映するために車両ダイナミクスによって継続的にトリガされる。
・分散型環境通知メッセージ(DENM:Decentralized Environmental Notification Message):車両関連の安全性に関わる事象が発生したときにのみトリガされる。
【0120】
V2V標準化およびITS標準化は、どちらかといえば始まりにあり、将来他のメッセージが定義され得ることが期待される。
【0121】
CAMは、他のITS局(ITS−S:ITS Station)とステータス情報を交換するためにITS−Sによって継続的にブロードキャストされるので、イベントトリガされるDENMメッセージよりも大きな影響をトラフィック負荷に与える。この理由により、ITSのためにETSIによって定義されるCAMメッセージのトラフィック特徴は、V2Vトラフィックをより代表するものと見なされている。
【0122】
協調認識メッセージ(CAM)は、ITSネットワークにおいて、互いについての認識を生み出して維持し、道路ネットワークを使用して車両の協調動作をサポートするためにITS−S間で交換されるメッセージである。ポイントツーマルチポイント通信は、発信ITS−Sから、発信ITS−Sの直接通信範囲内に位置する受信ITS−SへCAMが送信されるように、CAMを送信するために使用されるものとする。CAM生成は、2つの連続するCAMメッセージ間の時間間隔を定義する、協調認識基本サービスによってトリガおよび管理されるものとする。現在のところ、送信間隔の上限および下限は、100ms(すなわちCAM生成レート10Hz)および1000ms(すなわちCAM生成レート1Hz)である。ETSI ITSの根底にある原理は、共有すべき新たな情報(例えば、新たな位置、新たな加速度または新たな進行方向値)が存在するときにCAMを送信することである。それに応じて、車両がゆっくり、そして一定の進行方向および速度で移動しているとき、高いCAM生成レートは真の利益はもたらさず、CAMは最小限の違いを表示するのみである。1つの車両のCAM送信頻度は、車両ダイナミクス(例えば、速度、加速度、および進行方向)の関数として1Hz〜10Hzの範囲で変化する。例えば、車両がゆっくり走行すればするほど、より少ない数のCAMがトリガおよび送信される。車両速度は、CAMトラフィック生成に対する主要な影響要因である。
【0123】
CAM生成のトリガ条件は、非特許文献11のv1.3.1の6.1.3条に現在定義されており、以下に示す。
【0124】
1) 最後のCAM生成後の経過時間が、T_GenCam_Dcc(分散渋滞制御(DCC:decentralized congestion control)のチャネル使用要件に従ってCAM生成を減らすために2つの連続するCAM生成間の最小の時間間隔を提供するパラメータ)と等しいかそれより大きく、以下のITS−Sダイナミクスに関連した条件の1つがが与えられる。
・発信ITS−Sの現在の進行方向と発信ITS−Sによって前に送信されたCAMに含まれていた進行方向との差の絶対値が4°を超える。
・発信ITS−Sの現在の位置と発信ITS−Sによって前に送信されたCAMに含まれていた位置との間の距離が4mを超える。
・発信ITS−Sの現在の速度と発信ITS−Sによって前に送信されたCAMに含まれていた速度との差の絶対値が0.5m/sを超える。
【0125】
2) 最後のCAM生成後の経過時間が、T_GenCamと等しいかそれより大きく、かつ、T_GenCam_Dccと等しいかそれより大きい。パラメータT_GenCamは、CAM生成間隔の現在有効な上限を表す。
【0126】
上記の2つの条件の1つが満たされた場合、CAMは、即座に生成されるものとする。
【0127】
CAMは、発信ITS−Sの状態情報および属性情報を含んでいる。CAMの内容は、以下でより詳細に説明するように、ITS−Sのタイプに応じて変化する。車両ITS−Sについては、ステータス情報は、時間、位置、運動状態、アクティブ化されているシステムなどを含み得、属性情報は、寸法、車両タイプ、および道路トラフィックにおける役割についてのデータを含み得る。CAMを受信すると、受信ITS−Sは、発信ITS−Sの存在、タイプ、および状態を知るようになる。受信した情報は、受信ITS−SによっていくつかのITSアプリケーションをサポートするために使用することができる。例えば、発信ITS−Sのステータスを自身のステータスと比較することによって、受信ITS−Sは、発信ITS−Sとのコリジョンのリスクを評価し、必要であればHMI(ヒューマンマシンインタフェース:Human Machine Interface)を介して運転者に知らせ得る。参照により本明細書に組み込まれている非特許文献11のv1.3.1の7条に詳細に記載されているように、CAMは、1つの共通のITS PDUヘッダと複数のコンテナから構成され、それらが一緒になってCAMを構成する。ITS PDUヘッダは、プロトコルバージョン、メッセージタイプ、および発信ITS−SのITS−S IDについての情報を含んでいる共通のヘッダである。車両ITS−Sについては、CAMは、1つの基本コンテナと1つの高頻度コンテナを含むものとし、1つの低頻度コンテナと1または複数の他の特別コンテナも含み得る。基本コンテナは、発信ITS−Sに関連する基本情報を含んでいる。高頻度コンテナは、発信ITS−Sの高度に動的な情報を含んでいる。低頻度コンテナは、発信ITS−Sの静的な情報、および高度に動的ではない情報を含んでいる。特別車両コンテナは、発信車両ITS−Sの車両役割に固有の情報を含んでいる。CAMの一般的な構成を
図9に示す。
【0128】
以下の表に、V2Vメッセージデータの異なるコンポーネントの概要およびパケットサイズを示す。
【表2】
【0129】
車両ITS−Sは、少なくとも1つの高頻度車両コンテナ、および任意に低頻度車両コンテナを含むものとするCAMを生成する。公共輸送など、道路トラフィックにおける特定の役割を持つ車両ITS−Sは、特別車両コンテナ内にステータス情報を提供するものとする。
【0130】
車両間で交換される各V2Vメッセージは、匿名性および完全性保護を含む、セキュリティ要件を満たさなければならない。異なるセキュリティ方式は、異なるセキュリティ性能およびオーバーヘッドレベルを有することができ、これはパケットサイズ(セキュリティオーバーヘッドに起因して)およびメッセージ頻度(例えば、どれくらいの頻度でセキュリティ証明書が添付されるか)に直接影響する。
【0131】
ETIS ITSおよびIEEE 1609.2は両方とも、V2X通信のために公共鍵インフラストラクチャ(PKI:public key infrastructure)ベースのセキュリティソリューションを考慮しており、非対称ベースのアプリケーションレイヤのセキュリティソリューションである。通常は、あらゆるV2Xメッセージは、匿名性および完全性保護を達成するために署名、および証明書または証明書のダイジェストのいずれかを伝える必要がある。署名、ダイジェスト、および証明書のための通常サイズは、それぞれ、64バイト、8バイト、および117バイトである。
【0132】
上記に説明したように、CAMメッセージは、異なる周期性および/または異なるメッセージサイズを有し得る。さらには、周期性は、速度、および進行方向または角度などの他の(影響の少ない)要因に応じて時間と共に変化さえし得る。概要を提供するために、可能性のある異なったメッセージコンポーネント(HF、LF、証明書)ならびに、結果としての、3つの異なった典型的な速度範囲に応じた周期性およびメッセージサイズを特定する、以下の表を提供する。
【表3】
【表4】
【表5】
【0133】
上記の表から明らかなように、コンポーネントのサイズ、したがってCAMのサイズは、同じままであるが、それらの生成/送信頻度は、異なった速度範囲に応じて変化する。上記の表について、CAM HFコンポーネントは署名およびダイジェストと一緒に送信されると想定され、結果としてほぼ122バイトのメッセージサイズになる(すなわち、ヘッダのために8バイト、基本コンテナのために18バイト、高頻度コンテナのために23バイト、署名のために64バイト、およびダイジェストのために8バイトを送信するのに十分である)。CAM LFコンポーネントは、高頻度コンポーネントにピギーバックされており、追加でほぼ60バイトのサイズがあり、その結果、結果としての、すべてのコンテナ/コンポーネントを有するCAMサイズは182バイトである。高頻度コンポーネントにピギーバックされている証明書コンポーネント(セキュリティコンポーネントとも称される)は、追加でほぼ117バイトのサイズがあり、その結果、結果としての、すべてのコンテナ/コンポーネントを有するCAMサイズは299バイト、すなわちCAM LFコンテナ/コンポーネント無しで239バイトである。
【0134】
図10は、上記で導入された3つの異なった速度範囲に応じた3つの異なったコンポーネントの発生、ならびにこのことがどのようにして、異なった全体のメッセージサイズおよび全体の周期性という結果になるかを示している。
図10において、破線の四角形は、異なったコンポーネントを含んでおり、コンポーネントは別々には送信されるのではなく1つのCAMメッセージとして送信されることを示すものとする。
【0135】
上記では、周期的な協調認識メッセージを極めて詳細に記載してきており、また、それらの異なった内容、固有の周期性およびメッセージサイズも規定している。ただし、上記の情報のいくつかは既に標準化されているが、周期性およびメッセージサイズなどのその他の情報は、まだ標準化されておらず、想定に基づいていることに留意すべきである。さらには、標準化は、将来変化し得、したがって、CAMがどのようにして生成および送信されるかについての側面も変化し得る。さらには、現在のところ、上記で論じた異なったコンポーネント(CAM HF、CAM LF、証明書)は、一緒に収まる場合には、一緒に、すなわち1つのメッセージとして送信されるが、このことは、必ずしもそうでなければならないとは限らない。将来は、これらのコンテナ/コンポーネントを互いに別々に送信もし得、そのときは、おそらくそれぞれにヘッダおよびもしかすると基本コンテナも含む。その結果として、CAMに関する上記の詳細な記載は、メッセージサイズおよび周期性は現実的であり、シミュレーション結果に基づいているが、説明目的のために考えられた一例として理解されるべきである。上記のCAMメッセージおよびその内容、周期性、ならびにメッセージサイズは、本発明の基本原理を説明するために本願を通して使用される。本発明について重要なのは、周期的な方法で異なったデータを送信することをV2V通信が車両用UEに要求することであり、(相対)速度、角度、進行方向、および場合によっては車両距離などの他の要因、などの車両ダイナミクスの関数として周期性が素早く変化し得ることが予測できる。その結果として、課題は、車両用UEが、異なった周期かつ変化する周期の、異なったメッセージサイズのいくつかの周期的パケットを送信することができるものとすることである。
【0136】
車両用UEが、CAMを送信するためにサイドリンク上に無線リソースを有するために、上記で説明したように、モード1および/またはモード2無線リソース割当てが構想される。モード1無線リソース割当てについては、eNBは、SA期間毎にSAメッセージおよびデータのためにリソースを割り当てる。ただし、トラフィックが多いとき(例えば高頻度の周期的トラフィック)は、UEからeNBへのUuリンク上のオーバーヘッドは大きい可能性がある。
【0137】
上記から明らかなように、3GPPが、サイドリンクV2V通信モード1(すなわち、eNBにスケジューリングされる無線リソース割当て)について、サイドリンクセミパーシステント無線リソース割当てがeNBおよびUEによってサポートされることに合意しているように、多くのV2Vトラフィックは周期的である。
【0138】
ただし、現在標準化されているセミパーシステント割当てのメカニズムは、改善し、V2Vトラフィックの要件および課題に適応する必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0148】
「移動局」または「移動ノード」または「ユーザ端末」または「ユーザ機器」は、通信ネットワーク内の物理エンティティである。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有し得る。機能エンティティとは、所定の一連の機能を、実施、および/または、ノードまたはネットワークの別の機能エンティティに提供する、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールのことを指す。ノードは、それを通じてノードが通信することができる、通信機器または通信媒体にノードをアタッチする、1または複数のインタフェースを有し得る。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティを、それを通じてネットワークエンティティが別の機能エンティティまたは通信相手ノードと通信し得る、通信機器または通信媒体にアタッチする論理インタフェースを有し得る。
【0149】
特許請求の範囲一式および本願において使用されている用語「無線リソース」は、時間−周波数リソースなどの物理無線リソースのことを指すものと広義に理解されるべきである。
【0150】
本願において使用されている用語「直接通信送信」は、2つのユーザ機器間の直接の、すなわち、無線基地局(例えばeNB)を介さない送信として広義に理解されるべきである。それに応じて、直接通信送信は、「直接サイドリンクコネクション」を通じて実行され、「直接サイドリンクコネクション」は、2つのユーザ機器間で直接的に確立されたコネクションを指して使用される用語である。例えば、3GPPにおいては、専門用語のD2D(Device−to−Device)通信が使用され、またはProSe通信、またはサイドリンク通信が使用されている。用語「直接サイドリンクコネクション」は、背景技術のセクションで記載したPC5インタフェースとして、広義に理解されるべきであり、3GPPの文脈において理解することができる。
【0151】
本願において使用されている用語「ProSe」またはその略されていない形である「Proximity Services」は、背景技術のセクションで例示的に説明するように、LTEシステムにおける近傍ベースの(Proximity−based)アプリケーションおよびサービスの文脈において適用される。「D2D」などの他の専門用語も、近傍サービスのためのDevice−to−Device通信を指して本文脈において使用されている。
【0152】
本願を通して使用されている用語「車両用移動端末」は、背景技術のセクションで説明するように、新たな3GPP検討項目V2X(車両用通信:vehicular communication)の文脈において理解されるべきである。それに応じて、車両用移動端末は、例えば安全性または運転者支援の目的で、車両用通信、すなわち、車両に関係する情報を他のエンティティ(車両、インフラ、歩行者など)に伝えることを実行するために、車両(例えば、乗用車、商用トラック、オートバイなど)に特に実装される移動端末として、広義に理解されるものとする。任意に、車両用移動端末は、地図情報などのナビゲーションシステム(それも自動車に実装されているという条件で)で利用可能な情報にアクセスでき得る。
【0153】
背景技術のセクションで説明したように、3GPPは、LTE支援(LTE−assisted)の車両用通信のための新たな検討項目を導入しており、それは、さまざまな車両用移動端末と他の局との間でV2Vトラフィックを交換するためのProSe手順に基づくものとしている。さらには、セミパーシステント無線リソース割当ては、eNBによって実行されるスケジューリングの量を減らすように、モード1サイドリンク割当てのためのV2Vトラフィックによってサポートされるものとする。ただし、現在のSPSメカニズムは、V2Vトラフィックおよびその特性に適合していない。例えば、Uuリンク上での(すなわちeNBとUEとの間の)通常のセミパーシステントスケジューリングのために、eNBはMME(移動管理エンティティ)からQCI情報(QoSクラス識別子)を受信する。QCI情報は、eNBとUEとの間で構成されたある特定のベアラがVoIPトラフィックを伝送するように構成されることを示し、その結果、eNBは当該ベアラ上でUEによって生成される周期的トラフィックのことを学習する。次いで、eNBは、SPS周期性を設定するためにUEにRRCシグナリングを送信することによって、UEのためにセミパーシステント無線リソース割当てを設定することができる。次いで、当該のベアラを通じてUEがVoIPデータを実際に送信する必要があり、およびVoIPトラフィックのために送信されるべきデータが存在することを示す対応するバッファ状態通知を送信するとき、eNBは、SPS設定をアクティブ化するためにPDCCHをUEに送信し、そのSPS設定の中で、PDCCHメッセージは、UEがどの無線リソースを周期的に使用することを許可されるのかも示す(このようにして、特定量の無線リソースを割り当てる)。それに応じて、UEは、VoIPトラフィックを周期的に送信するためにSPSリソースを使用する。
【0154】
ただし、eNBは、サイドリンクコネクションを通じて特定の車両によって送信されるトラフィックタイプ(例えば、周期性またはメッセージサイズ)についての知識を有しておらず、その結果、eNBは、セミパーシステント無線リソース割当てを通して割り当てるべきリソースの量も、これらのセミパーシステント無線リソースの周期性も適切に決定することができない。
【0155】
たとえ、eNBが、車両用UEによって送信されるべきトラフィックについての情報を何とかして受信したとしても、車両用UEが、異なった周期性および/または異なったメッセージサイズのV2Vトラフィックを送信しなければならないことに留意すべきであり、このことは、それ用に現在のSPSメカニズムが設計されたVoIPトラフィックタイプとは著しく異なる。さらには、V2Vトラフィックが送信されるべき周期性は、例えば、車両が走行する速度などの車両ダイナミクスに応じて、周期性が変化し得るので可変である。そのため、現在標準化されているSPSメカニズムは、これら異なったV2V使用シナリオに対処するには不十分である。
【0156】
以下の例示的な実施形態は、上記に説明した問題の1または複数を緩和するために発明家によって着想されている。
【0157】
さまざまな実施形態の特定の実施態様は、さまざまな実施形態に関係して、以下に説明するように特定の主要な特徴が追加され、3GPP標準によって与えられ、背景技術のセクションにおいて部分的に説明しているように、広い仕様で実施されるべきである。実施形態は、上記の技術背景のセクションに記載の3GPP LTE−A(リリース10/11/12/13)の通信システム(または後のリリース)などの、例えば移動通信システムにおいて有利に使用し得るが、実施形態は、この特定の例示的な通信ネットワークにおいてのそれの使用に限定されるものではないことに留意すべきである。
【0158】
説明は、本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、本開示をよりよく理解するための実施形態の単なる例として解釈されるべきである。当業者は、特許請求の範囲に明確に述べた本開示の一般的な原理は、異なったシナリオに対して、および、本明細書に明示的に記載していない方法で、適用することができるということを分かっているべきである。説明のために、いくつかの想定が行われているが、ただし、それらは以下の実施形態の範囲を制限しないものとする。
【0159】
さまざまな実施形態は、(車両用の)UEと、無線リソースを(車両用の)UEに割り当てる役割を担うeNBとの間の、改善されたセミパーシステントリソース割当て手順を主に提供する。そのため、他の機能性(すなわち、さまざまな実施形態によって変化しない機能性)は、背景技術のセクションで説明したのとまったく同じままであり得るか、またはさまざまな実施形態に対していかなる結果ももたらさずに変更され得る。これは、例えば、車両用UEが適切なセミパーシステント無線リソースを割り当てられた後、周期的データの実際の送信が車両用UEによってどのようにして実行されるかに関する他の手順を含む。
【0160】
(第1の実施形態)
以下では、上述の問題を解決するための第1の実施形態を詳細に記載する。第1の実施形態の異なった実施態様およびさまざまな変化形も説明する。
【0161】
例示的に、車両に実装され、本願の背景技術のセクションで説明したD2Dの枠組みに基づいて車両用通信を実行することができる車両用UEが想定されている。ただし、後により詳細に説明するように、本発明の根底にある原理は、車両用UEによって単に適用されるように制約されるのではなく、例えば、Uuインタフェースを介してeNBへ、またはPC5インタフェース(サイドリンクコネクション)を介して他のUEへ周期データを送信する通常の(すなわち非車両用)UEによっても実施され得る。とはいえ、以下の議論については、V2Vデータを周期的に送信する必要のある車両用UEであることが想定されている。
【0162】
周期的データが他の(車両用)UE(PC5インタフェースを介して)、それのeNB(Uuインタフェースを介して)、路側機(場合によってはPC5インタフェースを介して)、および/または、車両用UEによって送信される周期的データに関心がある他の適切な局に送信されることも可能であり得るが、車両用UEが他の(車両用)UE宛の周期的データを送信(ブロードキャスト)することがさらに想定されており、車両用UEからの送信は、ポイントツーマルチポイントであると想定することができるのでそれのエリア内のすべての受信エンティティに届く。
【0163】
車両用UEによって送信されるべき周期的データは、例えば、背景技術のセクションで詳細に説明した協調認識メッセージ(CAM)である。本発明に関係するCAMの特性は、CAMが周期的な形で送信されることである。ただし、CAMは、異なった、変化さえする送信周期性および/または異なったメッセージサイズ(すなわち、送信されるべき、そしてそれのために車両用UEが無線リソースを必要とする、データ量)が存在するという点で、セミパーシステントスケジューリングシナリオの通常のVoIP使用のシナリオとは大きく異なっている。VoIPは、セミパーシステント無線リソース割当てによって扱いやすい固定の周期性および固定のメッセージサイズを明示している。
【0164】
CAMは、こうした周期的データの単なる一例に過ぎないこと、および本発明は、車両用または非車両用の通信のために将来標準化され得る他のデータタイプにも適用し得ることに留意するべきである。特に車両用の通信については、車両用UEは、異なったおよび/または変化さえする周期性で(ステータスおよび属性)データを周期的にブロードキャストしなければならない可能性が高いため、異なった周期性に起因して、異なったタイムインスタンスで、より多くのデータまたはより少ないデータを有するメッセージを送信しなければならないことがあり得る。
【0165】
以下で詳細に説明するように、CAMメッセージはこの種の周期的データの適切な例であるため、今述べたように、本発明がそれに制限されるわけではないが、第1の実施形態およびその変化形を説明するために使用される。
【0166】
車両用UEによって周期的に、しかし異なった周期性で、ブロードキャストされる必要がある異なったCAMコンポーネント(例えば、CAM HF、CAM LF、証明書は、それに基づいて以下で本発明を説明する、CAMコンポーネントである)が存在する。以下では、特定のタイムインスタンスにおいて1つのCAMメッセージのみが車両用UEによって送信/ブロードキャストされ、ただし前記CAMメッセージは、当該のタイムインスタンスにおいて送信されるべき、異なったCAMコンポーネント(すなわち、異なった周期性を有していることにかかわらず、当該のタイムインスタンスにおいて発生するCAMコンポーネント)を含んでいることが、大部分において想定されている。言い換えれば、異なったCAMコンポーネントが車両用UEによって同時に(PC5インタフェースのSC期間)送信されるべきケースでは、異なったCAMコンポーネントが一緒にピギーバックされて単一のCAMメッセージを形成し、次いでそれが送信される。ピギーバックすることが実際に機能するために、異なったCAMコンポーネントが特定の同じタイムインスタンスにおいて実際に占拠するように、異なったCAMコンポーネントの周期性が調整される(すなわち、互いの倍数である)必要がある。このように、単一のCAMは、単一の周期性(送信されるべきCAMコンポーネントの最高送信速度によって与えられる(例えば、CAM HFコンポーネント))ではあるが、異なった内容、およびそのため異なったメッセージサイズ(すなわち、異なったタイムインスタンスにおいて異なったCAMコンポーネントが単一のCAMメッセージに含まれる)で、周期的な形で送信され、その異なったメッセージサイズも周期的に変化する(例えば
図10および関連する記載を参照)。このように、無線リソース割当てメカニズムは、異なったタイムインスタンスにおいて異なった量の無線リソースを割り当てる必要がある。
【0167】
あるいは、異なった周期性を有する異なったCAMコンポーネントは別々のCAMメッセージとして送信することも可能である。別々のCAMメッセージのそれぞれが、少なくともヘッダ、および場合によっては基本コンテナ(
図9および関連する記載を参照)も含む必要があることになり得るため、より多くの無線リソースが必要とされることを考慮すると、これは不利になり得るが、これは、第1の代替案においてCAMコンポーネントを一緒にピギーバックすることによって回避される。ただし、別々のCAMメッセージを提供することには、それぞれのCAMコンポーネントの異なった周期性を調整する必要性を回避し得る、すなわち、それぞれのCAMコンポーネントの周期性を自由に定義し得る、という利点がある。この場合、CAMメッセージは、異なる周期性および異なるメッセージサイズを有している。
【0168】
3GPP標準化は、異なったCAMコンポーネントの送信速度について、ピギーバックすることを任意とするのかそれとも必須とするのかについて、または厳密にどのようにして、異なったCAMコンポーネントが送信されるのかについて、まだ完全には合意していない。いずれの場合も、将来のリリースで変更されることになり得る。本発明の根本の原理は、これらの変更を構成するためにわずかな適合を適用しなければならないことになり得る場合でも、これらの変更のいずれにも適用することができる。
【0169】
以下では、特定のタイムインスタンスにおいて1つのCAMメッセージのみが車両用UEによって送信されること、すなわち、異なったCAMコンポーネントが単一のCAMメッセージを形成することが、主に想定される。
【0170】
さらには、要求された、CAMコンポーネントの送信周期性は、速度、進行方向、および/または角度などの車両ダイナミクスの関数として時間と共に素早く変化し得、場合によると他の要因が将来定義され得ることが予想される。
【0171】
要約すると、(車両用)UEは、他の受信エンティティ(例えば、車両用の他の局)に周期的データ(例えばCAM)を送信する。周期的データを送信するために、車両用UEは、例えば、背景技術のセクションで説明したProSeモード1無線リソース割当てに従って、例えばeNBによって割り当てられ得る無線リソースを必要とする。第1の実施形態によれば、それによって車両用UEが、待機中の周期的データを周期的に送信することができるように、eNodeBが、車両用UEにセミパーシステント無線リソースを割り当てる。
【0172】
概要をあらかじめ提供すると、第1の実施形態は準備フェーズと実行フェーズとに概念的に分割され得る。準備フェーズでは、車両用UEによってサポートされており、したがって将来車両用UEによって送信され得る、周期的データの、後の送信のために、異なったSPS設定がeNodeBによって設定される。車両用UEは、必要に応じて実行フェーズの間にアクティブ化され得るさまざまな異なったSPSを設定される。実行フェーズは、車両用UEによる、サポートされる周期的データの一部またはすべての送信が始まるときに始まるものと見なされ得る。それに応じて、前に用意されたSPS設定のうちの、特定のSPS設定がUE内でアクティブ化され、次いで、待機中の周期的データを送信するために車両用UEによって使用される。実行フェーズの間、待機中の周期的データのメッセージサイズまたは周期性のいずれかが変化し得、その結果、前に用意されたSPS設定のうちの、異なったSPS設定が、異なった周期性で、または異なったメッセージサイズで周期的データを送信することがなおもできるように、車両用UE内でアクティブ化されなければならない。
【0173】
ここで、準備フェーズをさらに詳しく説明する。eNodeBが、UEによってサポートされる周期的データのために適切なSPS設定をセットアップすることができるために、eNodeBは、将来車両用UEによって送信され得る周期的データについて知る必要がある。通常、SPS設定は、特定の量の無線リソースを、周期的な形で(すなわち周期的なタイムインスタンスにおいて)割り当て、特定の量の無線リソースは、UEが送信する必要のあるデータ量(例えばCAMメッセージのサイズ)に依存する。それに応じて、eNodeBが、車両用UEによって将来送信され得る、1または複数の、可能性のある異なった周期性および/または可能性のある異なったメッセージサイズを決定することができるように、車両用UEは、周期的データに関する情報をeNodeBに送信する。この情報を学習して、その結果、車両用UEのためにこれらのSPS設定の1または複数を後にアクティブ化することによって、車両用UEが、アクティブ化されたSPS設定によって周期的に割り当てられた無線リソースを使用して、サポートされる周期的データの1または複数を実際に送信することができるようにされるような方法で、eNodeBは、複数の異なったSPS設定を設定することができる。
【0174】
このように、複数のSPS設定をセットアップしてしまった後、将来アクティブ化され得る複数のSPS設定を車両用UEが知るように、eNodeBは、複数のSPS設定に関する対応する情報を車両用UEに提供する。このようにして、eNodeBおよび車両用UEは、サポートされる周期的データの1または複数の送信を扱う準備が整う。
【0175】
ここで、実行フェーズをさらに詳しく説明する。次に、車両用UEが、最終的に、CAMデータコンポーネントの一部またはすべてを送信したくなって、送信を実行するために(セミパーシステントに割り当てられた)無線リソースを必要とすることが想定されている。それに応じて、車両用UEは、自身がどのCAMコンポーネントを送信したいのかについてeNBに知らせ、eNBは、応答として、あらかじめ用意されたSPS設定のうちから、現在待機中のCAMコンポーネントのすべてを送信するように適切な無線リソースを車両用UEに割り当てる、1または複数のSPS設定を選択する。次いで、それに応じてeNBは、例えば、適切なアクティブ化コマンドを送信することによって、UE内の選択された1または複数のSPS設定をアクティブ化する。
【0176】
それに応じて車両用UEは、eNodeBによって命令されたとおり、特定のSPS設定をアクティブ化するので、待機中の1または複数のCAMデータコンポーネントを他の(車両用)UEに送信するために、アクティブ化されたSPS設定によってスケジューリングされた周期的無線リソースを使用することができる。
【0177】
上記に説明したように、第1の実施形態によれば、車両用UEによって送信されるべきデータの周期性および/またはメッセージサイズが変化し得る場合でも、SPSリソースを車両用UEに割り当てることが可能である。その結果として、そうでない場合はSC期間毎に動的無線リソース割当て(例えば、背景技術のセクションのProSeモード1の説明を参照)を繰り返し実行する必要のある、eNodeBとUEとの間のUuリンク上のシグナリングオーバーヘッドを軽減することが可能である。さらには、(周期的)データが送信待機中であることを示すために車両用UEによって使用されるバッファ状態通知は、UE側にやって来る周期的データがあるたびに動的リソースを割り当てることをトリガするためにUEからeNBに送信する必要がない。
【0178】
図11は、第1の実施形態の例示的な一実施態様に係る、3つの異なったCAMコンポーネント(証明書、CAM LFコンポーネント、およびCAM HFコンポーネント)の送信を可能にするために3つの異なったSPS設定がアクティブ化されることを例示的に示している。第1の実施形態のこの例示的な実施態様については、1つの特定のCAMデータコンポーネントのために1つのSPS設定が設定される。それに応じて、3つの異なったCAMコンポーネントを送信したい車両用UEは、CAM HFコンポーネントを送信するために、SPS設定1によって割り当てられた周期的無線リソースを使用することができ、CAM LFコンポーネントを送信するために、SPS設定2によって割り当てられた周期的無線リソースを使用することができ、証明書を送信するために、SPS設定3によって割り当てられた周期的無線リソースを使用することができる。
【0179】
異なったCAMコンポーネントが1つのメッセージで、それとも別々のメッセージで送信されるのかに依存して、異なったSPS設定は、より大きな結合されたCAMメッセージを送信することができるように車両用UEによって結合することができるか、または別々のCAMメッセージを送信するために互いに別々に使用され得る。
【0180】
第1の実施形態がとり得る、より具体的な実施態様を以下に示す。
【0181】
第1の実施形態の広範な実施態様では、車両用UEが、可能性のある異なった送信周期性および/または可能性のある異なったメッセージサイズで送信されるべき1または複数の異なったデータコンポーネントを含む周期的データの送信をサポートするということが、より詳細に述べてはいないが想定されている。上記に説明したように、第1の実施形態のSPS割当てメカニズムに課せられた課題は、車両用データの送信が、可能性のある異なった周期性および/または異なったメッセージサイズを伴うということである。このことを、背景技術のセクションで紹介したCAMメッセージに基づいてより詳細に説明する。
【0182】
可能性のある例示的な一シナリオによれば、車両用UEは、いくつかのCAMコンポーネント、例えばCAM HFコンポーネント、CAM LFコンポーネント、およびセキュリティ証明書の送信をサポートする。それに応じて、可能性のあるメッセージサイズは、CAMメッセージでどのCAMコンポーネントが送信されるのかによって異なる。可能性のある異なったメッセージサイズの概要は、以下の表で与えられる。
【表6】
【0183】
上記の表について、同じタイムインスタンスにおいて送信された異なったCAMコンポーネントは、CAM LFコンポーネントおよびCAMセキュリティ証明書が、最高の送信速度で送信される基本CAM HFコンポーネントにそれぞれピギーバックされるような1つの単一CAMメッセージを形成することが想定されている。それに応じて、メッセージサイズは、表の右側の列に挙げられているように、および
図11に例示的に示しているように、タイムインスタンスに応じて変化する(想定された、CAMコンポーネントの異なった周期性に起因して、
図11は、CAM HFコンポーネント+CAMセキュリティ証明書の送信を示しておらず、前記の点においては、
図10の中央部分を参照)。
【0184】
異なったCAMコンポーネントは、特定のタイムインスタンスにおいて送信されるべき、可能性のあるCAMメッセージのそれぞれが、以下の表で例示的に示すように異なった周期性で送信されなければならないように、異なった周期性で送信されるべきである。
【表7】
【0185】
上記で想定されている送信周期性の値は、最低の送信速度を持つ、CAMメッセージ内の当該のCAMコンポーネントの周期性(例えば、CAM HFコンポーネントおよびCAM LFコンポーネントを含むCAMメッセージについては、CAM LFコンポーネントの500ms)に実際に関係している。示された送信周期性は、特定のCAMメッセージの送信周期性として理解されるべきではない。例えば、CAM HFコンポーネントおよびCAM LFコンポーネントを含むCAMメッセージは、実際に500ms毎には送信されない(1000ms毎に送信され、
図11を参照)。
【0186】
送信周期性について上記の表で例示的に想定された値は、144km/h超の単一の車両速度範囲について想定されたものであり、その速度範囲が、車両用UEによってサポートされるただ1つのものであると想定されている。
【0187】
可能性のある別の例示的なシナリオによれば、車両用UEは、1つのCAMコンポーネントのみ、例えばCAM HFコンポーネント、したがって、予測される固定サイズが122バイト(上記の表を参照)で、予測される固定周期性が100ms(上表を参照)の送信をサポートする。ただし、V2Vデータの特殊な特性は、異なったCAMコンポーネントの周期性が車両ダイナミクス、例えば車両用UEが走行している速度によって変化し得ることである。その結果、車両用UEが1つのCAMコンポーネントのみの送信をサポートしている場合でも、1つのCAMコンポーネントが送信されるべき周期性がやがて変化し、SPS割当てメカニズムによっていくつかの周期性が考慮に入れられる必要があるという結果を再びもたらし得る。これを、以下の表に例示する。
【表8】
【0188】
可能性のある別の例示的なシナリオによれば、車両用UEは、さまざまなCAMコンポーネント(例えばCAM HF、CAM LF、およびセキュリティ証明書の3つのすべてのCAMコンポーネント)の送信をサポートし、それに加えていくつかの速度(範囲)をサポートするものとする。結果としての変化する周期性およびメッセージサイズは、以下の表から明らかになる。
【表9】
【0189】
上記に例示したように、多くの異なった、CAMコンポーネントの組合せ(上記の表の左側の列)が存在し得、可能性のある異なったCAMメッセージサイズ(例えば122バイト、182バイト、299バイト、または239バイト)という結果をもたらし、また、車両用UEのための特定のCAMコンポーネントおよび/または場合によってはサポートされる速度(範囲)に応じて、可能性のある異なった周期性(例えば100ms、200ms、300ms、500ms、600ms、1000ms、1200ms)という結果をもたらす。準備フェーズにおいてeNBによって設定されるSPS設定は、このことを考慮に入れる必要があり、車両用UEが、サポートされる周期的データのいずれか(組合せ)を送信することができるように、適切なSPS設定が後にアクティブ化されるように、車両用UEによってサポートされる、結果としてのCAMメッセージ送信周期性および/または結果としてのCAMメッセージサイズと一致するものとする。
【0190】
上記の選択された例について例示するように、さまざまな異なったSPS設定が、eNodeBによって用意される。特に、最初は、簡潔にするため、いくつかの異なった周期性が考量に入れられるべきではあるが、周期性自体は時間と共に(例えば、速度変化に起因して)変化しないように、車両用UEは、いくつかのCAMコンポーネントの送信をサポートするが、1つの速度範囲、例えば144km/h超の最高の速度範囲のみをサポートすることが想定される。
【表10】
【0191】
上記の、第1の実施形態の例示的な実施態様では、車両用UEが送信するようにサポートされる、可能性のあるCAMコンポーネントのそれぞれに一致する1つの別々のSPS設定が存在するように、3つの異なったSPS設定1、2および3が、eNodeBによって設定される。可能性のある、CAM HFコンポーネントとCAMセキュリティ証明書との組合せについては、別々のCAMコンポーネントのための例示的な周期性に起因してこの特定の組合せは起こらないことを考慮して、この特定の例では別々のSPS設定は必要ではないことに留意するべきである。
【0192】
SPS設定1は、CAM HFコンポーネントの周期性である100ms毎に122バイトの基本のCAM HFコンポーネントを送信するのに十分な特定の無線リソースを割り当てる。それに応じて、UEは、CAM HFコンポーネントを含むCAMメッセージを送信するために、SPS設定1によって割り当てられた周期的無線リソースを使用する。
【0193】
また、SPS設定2は、CAM LFコンポーネントの周期性である500ms毎に60バイトの追加の(ピギーバックされた)CAM LFコンポーネントを送信するのに十分な特定の無線リソースを割り当てる。それに応じて、UEは、CAM LFコンポーネントを含むCAMメッセージを送信するために、SPS設定2によって割り当てられた周期的無線リソースを使用する。さらには、SPS設定3は、セキュリティ証明書の周期性に対応した1000ms毎に117バイトの追加の(ピギーバックされた)セキュリティ証明書を送信するのに十分な特定の無線リソースを割り当てる。それに応じて、UEは、セキュリティ証明書を含むCAMメッセージを送信するために、SPS設定3によって割り当てられた周期的無線リソースを使用する。
【0194】
図12は、第1の実施形態の例示的な一実施態様に係る、車両用UEによるCAMメッセージの送信について上記で例示的に想定した3つのSPS設定の使用を示している。
図12から明らかなように、3つのSPS設定は、車両用UEによって送信されるべき3つの異なったデータコンポーネントに一致している。同じタイムインスタンスにおいて送信されるべき複数のデータコンポーネントを包含している破線の四角は、上記で例示的に想定したように、これらの異なったデータコンポーネントが1つのCAMメッセージとして送信されることを示すものとする。
図12から明らかなように、いくつかのCAMコンポーネントが1つのCAMメッセージ内で送信されるべきタイムインスタンスにおいて、車両用UEは、CAMメッセージ全体(すなわち、複数のCAMコンポーネントを含む)を送信するために利用可能な十分な無線リソースを有するように、複数のSPS設定によって割り当てられた無線リソースを結合する。例えば、CAM HFコンポーネントをCAM LFコンポーネントと一緒に送信するとき、SPS設定1および2を介して割り当てられた無線リソースが結合されて(すなわち、合計され、ともに使用されて)、その結果、送信に利用可能な十分な無線リソースを有す。同様に、CAM HFコンポーネントをCAM LFコンポーネントおよびセキュリティ証明書と一緒に送信するとき、SPS設定1、2および3を介して割り当てられた無線リソースが結合されて、その結果、結合されたCAMメッセージ全体を送信するために利用可能な十分な無線リソースを有す。
【0195】
ちょうど説明したように、異なったSPS設定によって割り当てられた無線リソースは、車両用UEがより大きな結合されたCAMメッセージを送信するタイムインスタンスのために結合されなければならない場合がある。以下の、第1の実施形態の代替的な実施態様によれば、SPS設定によって別々に割り当てられた無線リソースのこの結合は、もはや必要ではない。代わりに、別々のSPS設定は、結果としての、単一のCAMメッセージのサイズをあらかじめ考慮に入れたような方法で、設定される。上記の議論に沿って、以下の表は、第1の実施形態のこの代替的な実施態様を例示的に示している。
【表11】
【0196】
表から明らかなように、SPS設定は、それぞれのSPS設定によって割り当てられた無線リソースの量がより大きく、それによって、いくつかのCAMコンポーネントが1つのCAMメッセージ内で送信されるときにより大きなCAMメッセージサイズを考慮に入れている点が、前の実施態様とは異なる。
【0197】
図12に対応して、
図13は、周期的なCAMデータ(コンポーネント)を送信するために異なったSPS設定が車両用UEによってどのように使用されるかを示している。車両用UEが1つのCAMメッセージ内でいくつかのCAMコンポーネントを送信するタイムインスタンスにおいて、車両用UEは、アクティブ化されているSPS設定のうち、より大きなCAMメッセージを送信するのに十分な無線リソースを提供するSPS設定を選択するものとする。第1の実施形態の、前の例示的な実施態様にあるように、車両用UEは、CAM HFコンポーネントのみを含むCAMメッセージを送信するためにSPS設定1を選択する。一方で、CAM HFコンポーネントをCAM LFコンポーネントと一緒に送信するとき、合計で182バイトを送信するために無線リソースが必要とされ、その結果、CAM HFコンポーネントおよびCAM LFコンポーネントを含む前記CAMメッセージを送信するために、車両UEは、SPS設定2を選択し、SPS設定2によって割り当てられた特定の無線リソースを使用するものとする。それに対応して、CAM HFコンポーネントをCAM LFコンポーネントおよびセキュリティ証明書と一緒に送信するとき、合計で299バイトを送信するために無線リソースが必要とされ、その結果、車両用UEは、SPS設定3を選択するものとする。このように、車両用UEは、3つのコンポーネントを含む前記CAMメッセージを送信するために、SPS設定3によって割り当てられた特定の無線リソースを使用する。
【0198】
図12および
図13に従った、第1の実施形態の上記で論じた実施態様は、車両用UEが、いくつかの速度範囲、例えば、3つの想定された速度範囲の、144超、72〜144、および48〜72、もサポートする、より複雑なケースにも適用することができ、それぞれのCAMコンポーネントのためにサポートされる追加の異なった周期性を結果としてもたらす。
【0199】
以下の表は、異なったSPS設定によって割り当てられた無線リソースは、いくつかのデータコンポーネントを含む結合されたCAMメッセージを送信することができるように十分な無線リソースを集めるために、車両用UEによって結合することができることを想定している(
図12についての議論を参照)。
【表12】
【0200】
上記の表から明らかなように、準備フェーズにおいてeNodeBは、後に1または複数のSPS設定をアクティブ化した時点で車両用UEが、対応するCAMコンポーネントを周期的な方法で送信することができるようにするように、適切な周期性で無線リソースをそれぞれ割り当てる、9つの別々のSPS設定を設定する。
【0201】
車両用UEの現在の速度に応じて、eNodeBは、速度が144km/h超のときはSPS設定1、2、および3のいずれかをアクティブ化し、または速度が72km/h〜144km/hのときはSPS設定4、5、および6をアクティブ化し、または速度が48km/h〜72km/hのときはSPS設定7、8、および9をアクティブ化しているように車両用UEを設定する。
【0202】
図14は、9つの別々のSPS設定を、異なったサイズのCAMメッセージを周期的に送信するために車両用UEによって使用することができる方法を示している。
図14の上の部分(すなわち、速度144km/h超を参照して)は、基本的に
図12に対応しているため、再度説明はしない。速度範囲72km/h〜144km/hについて、
図14は、異なったサイズのCAMメッセージを送信することができるようにするように、車両用UEが、アクティブ化されたSPS設定4、5、および6によって割り当てられた無線リソースをどのようにして結合するかを示している。特に、CAM HFコンポーネントおよびCAM LFコンポーネントから構成されたCAMメッセージは、SPS設定4および5によって割り当てられた無線リソースを結合することによって、車両用UEによって送信し得る。3つのコンポーネントすべて(CAM HF、CAM LF、セキュリティ証明書)から構成されたCAMメッセージは、SPS設定4、5および6によって割り当てられた無線リソースを結合し、および使用することによって、車両用UEによって送信することができる。CAM HFコンポーネントおよびセキュリティ証明書から構成されたCAMメッセージは、SPS設定4および6によって割り当てられた無線リソースを結合および使用することによって、車両用UEによって送信することができる。
【0203】
速度範囲48km/h〜72km/hについて、
図14は、異なったサイズのCAMメッセージを送信することができるように、車両用UEが、アクティブ化されたSPS設定7、8、および9によって割り当てられた無線リソースをどのようにして結合するかを示している。特に、CAM HFコンポーネントおよびCAM LFコンポーネントから構成されたCAMメッセージは、SPS設定7および8によって割り当てられた無線リソースを結合することによって、車両用UEによって送信し得る。3つのコンポーネントすべて(CAM HF、CAM LF、セキュリティ証明書)から構成されたCAMメッセージは、SPS設定7、8および9によって割り当てられた無線リソースを結合および使用することによって、車両用UEによって送信することができる。
【0204】
以下では、
図13と関連付けて説明した、第1の実施形態の代替的な実施態様は、ここでいくつかの速度範囲をサポートする車両用UEにも拡張することができる。
【表13】
【0205】
図15は、可能性のあるさまざまなCAMメッセージを送信するための、車両用UEによる、対応する、異なったSPS設定の使用を示している。
図15の上の部分(速度144km/h超を参照して)は、基本的に
図13に対応しているため、再度説明はしない。速度範囲72km/h〜144km/hについて、可能性のあるすべてのCAMコンポーネントの送信をサポートするために、4つの異なったSPS設定がeNodeBによって設定される。速度範囲144km/h超についてのシナリオとは異なり、車両用UEは実際、CAM HFコンポーネントおよびCAMセキュリティ証明書から構成されるCAMメッセージを送信しなければならない。第1の実施形態のこの代替的な実施態様では、eNodeBは、可能性のあるこのCAMメッセージのために、このように別々のSPS設定、すなわち、1000ms毎に239バイトを送信するのに十分な特定の無線リソースを割り当てるSPS設定7、を設定しなければならない。SPS設定4および6の無線リソースが、CAM HFコンポーネントおよびセキュリティ証明書から構成されるCAMメッセージを送信するために十分な(しかし多すぎない)リソースを割り当てるようにフレキシブルに結合することができた(
図14を参照)ので、このSPS設定7は、第1の実施形態の、前の実施態様では必要ではなかった。
【0206】
繰り返し述べるように、(さまざまなCAMデータコンポーネントの周期性に影響する車両ダイナミクスの一例として)UEが走行し得る、可能性のある異なった速度範囲をサポートするために、eNodeBによっていくつかのSPS設定が準備される。こうしたシナリオでは、複数のSPS設定を用意するとき、車両用UEによってサポートされる、可能性のある速度範囲が、考慮に入れられるべき異なった周期性に影響するため、eNBは、それらに関して通知されることも必要である。1つの選択肢は、車両用UEによってサポートされる速度範囲に関する明示的な情報を、eNBがその情報から、複数のSPS設定を用意するときに考慮される必要がある、結果としての、周期的データコンポーネントの異なった周期性を決定することができるように、例えば、周期性に関する情報と一緒に、またはそれとは別に、eNBに送信することである。別の選択肢は、サポートされる速度範囲に関してUEがeNBに追加で通知する必要がないように、車両用UEが、サポートされる速度範囲における周期性も含む、可能性のあるさまざまな周期性をあらかじめ送信することであり、eNBは、異なった速度範囲におけるCAMメッセージおよびコンポーネントの周期性についての標準化された定義など、この関係を築くことができるようにする特定の情報へeNBがアクセスできることを想定して、通知された異なった周期性から、サポートされる速度範囲を推定し得る。
【0207】
さらには、UEが周期的データの送信を実際に開始したいとき、eNBが、車両用UEが現在経験している当該の示された速度範囲のために用意されたSPS設定を選択およびアクティブ化し得るように、UEは、eNBに、自身の現在の速度について(または、自身が現在いる速度範囲について)通知するものとする。現在の速度に関する情報は、例えば、車両用UEがどのデータコンポーネントを送信したいのかの指示情報と一緒に、またはそれとは別に、車両用UEによって送信することができる。例えば、第1の実施形態の例示的な一実施態様は、この指示情報が、特定の論理チャネルグループについてUE内の対応するバッファ内でデータが待機中であることを示すバッファ状態通知であることを規定している。それに応じて、車両用UEの現在の速度に関する情報も、バッファ状態通知内で送信することができる。
【0208】
さらには、上述のように、CAMデータコンポーネントの周期性は、速度などの車両ダイナミクス、ただしそれは時間と共に変化し得るが、それに依存し得る。そのため、第1の実施形態のさらなる実施態様は、現在の車両ダイナミクス(例えば、車両用UEの速度)に応じて、アクティブ化されるSPS設定を変えることができるようにする。前記の点において、車両用UEは、それ自身の速度をモニタし得、自身が前にいた速度範囲と比べて速度範囲が変化してしまっているかどうかを判定し得る。この場合、車両用UEは、この速度範囲の変化についてeNodeBに通知し得る。あるいは、SPS設定に関わる速度範囲を特定の車両用UEが変更するときをeNodeB自身が判定し得るように、車両用UEは、自身の現在の速度に関する情報をeNodeBに定期的に送信し得る。いずれの場合も、このように、速度範囲の変化が、前にアクティブ化されたSPS設定の代わりに、当該の示された速度範囲のために用意された異なったSPS設定を選択およびアクティブ化するように、eNodeBをトリガし得る。車両用UEは、変化したSPS設定のためのこうしたアクティブ化コマンドを受信して、前にアクティブ化されたSPS設定をもはや使用せず、新たにアクティブ化されたSPS設定を使用する。
【0209】
第1の実施形態の別の代替的な実施態様によれば、現在の速度または現在の変更された速度範囲をeNodeBに送信する代わりに、車両用UEは、自身が特定の速度範囲を変更したと判定するとき、当該の変更された速度範囲のために必要な対応するSPS設定を実際に特定し得、速度範囲の変化によってこれらの新たなSPS設定を使用するためにeNodeBに要求を送信し得る。次に、eNodeBがこの要求を受信し、自身が要求に従うか否かを決定し得る。それに応じて、eNodeBは、SPS設定の変化が妥当であることを判定し得るため、要求されたSPS設定をアクティブ化するように、要求に対する応答をそれに応じて送信する。このように、車両用UEは、前にアクティブ化されたSPS設定をもはや使用せず、今度は新たにアクティブ化されたSPS設定を使用する。
【0210】
ちょうど説明したように、車両ダイナミクス(例えば速度)の変化に起因して、車両用UE内のSPS設定を変更するとき、第1の実施形態の可能な一実施態様によれば、車両用UEは、速度の頻繁な変更、およびその結果としてのSPS設定の頻繁な変更によってコンポーネントのいくつかが送信されないということを避けるために、CAMコンポーネントのすべて(すなわち、すべてのCAMコンポーネントを含むCAMメッセージ)を送信することから常に始め得る。
【0211】
上記に説明したように、車両用UEは、eNBに、車両用UEが将来送信しなければならないことになり得る、サポートされる周期的データに関する情報を送信する。第1の実施形態の以下の実施態様を参照しつつ詳細に説明するように、これは、さまざまな方法で実施され得る。第1の実施形態の例示的な一実施態様によれば、車両用UEは、車両用UEがサポートしており、その結果、将来実際に送信されなければならないことになり得るCAMメッセージ/コンポーネントの、可能性のある異なった周期性および/または可能性のある異なったメッセージサイズについて、eNodeBに明示的に通知し得る。このように、例えば、周期的データに関する情報は、車両用UEによってサポートされる、可能性のある周期性および/または可能性のあるCAMメッセージサイズのリストを含み得る。このように、eNodeBは、サポートされるさまざまな異なった周期性および/またはメッセージサイズのために適切なSPS設定を用意することができる。
【0212】
第1の実施形態のこの実施態様の変化形によれば、周期的データに関する情報は、1つのメッセージ内で、または少なくとも2つの別々のメッセージ内で送信され得る。特に、可能性のある周期性および可能性のあるメッセージサイズに関する情報は、1つのメッセージ、例えば、eNodeBにサイドリンク情報を示すために標準内で現在規定されているSidelinkUEInformation(例えば、UEがサイドリンク通信をすることに関心がある周波数、およびUEがそれのために専用リソースを割り当てられるよう要求するサイドリンク通信送信先)(参照により本明細書に組み込まれている非特許文献13のv13.0.0の6.2.2節を参照)に基づいているメッセージ内で送信され得る。以下に、第1の実施形態のこの実施態様に係る、例示的な拡張されたSidelinkUEInformationメッセージを定義する。
<SidelinkUEInformationメッセージ>
−−ASN1START
SidelinkUEInformation−r12::=SEQUENCE{
criticalExtensions CHOICE{
c1 CHOICE{
SidelinkUEInformation−r12 SidelinkUEInformation−r12−IEs,
spare3 NULL,spare2 NULL,spare1 NULL
},
criticalExtensionsFuture SEQUENCE{}
}
}
SidelinkUEInformation−r12−IEs::=SEQUENCE{
commRxInterestedFreq−r12 ARFCN−ValueEUTRA−r9 OPTIONAL,
commTxResourceReq−r12 SL−CommTxResourceReq−r12 OPTIONAL,
discRxInterest−r12 ENUMERATED{true} OPTIONAL,
discTxResourceReq−r12 INTEGER (1..63) OPTIONAL,
lateNonCriticalExtension OCTET STRING OPTIONAL,
nonCriticalExtension SidelinkUEInformation−v13x0−IEs OPTIONAL
}
SidelinkUEInformation−v13x0−IEs::=SEQUENCE{
commTxResourceReq121−r13 SL−CommTxResourceReqUC−r13 OPTIONAL,
commTxResourceInfoReqRelay−r13 SEQUENCE{
commTxResourceReqRelay−r13 SL−CommTxResourceReqUC−r13,
ue−Type−r13 ENUMERATED{relayUE,remoteUE}
}
OPTIONAL,
discTxResourceReq−v13x0 SEQUENCE{
carrierFreqDiscTx−r13 INTEGER(1..maxFreq),
discTxResourceReqAddFreq−r13 SL−DiscTxResourceReqPerFreqList−r13 OPTIONAL
}
OPTIONAL,
discTxResourceReqPS−r13 SL−DiscTxResourceReq−r13 OPTIONAL,
discRxGapReq−r13 SL−GapRequest−r13 OPTIONAL,
discTxGapReq−r13 SL−GapRequest−r13 OPTIONAL,
discSysInfoReportList−r13 SL−SysInfoReportList−r13 OPTIONAL,
nonCriticalExtension SEQUENCE{} OPTIONAL
}
SL−CommTxResourceReq−r12::=SEQUENCE{
carrierFreq−r12 ARFCN−ValueEUTRA−r9 OPTIONAL,
destinationInfoList−r12 SL−DestinationInfoList−r12
}
SL−CommTxResourceReqUC−r13::=SEQUENCE{
carrierFreq−r13 ARFCN−ValueEUTRA−r9 OPTIONAL,
destinationInfoListUC−r13 SL−DestinationInfoListUC−r13
}
SL−DiscTxResourceReqPerFreqList−r13::=SEQUENCE (SIZE (1..maxFreq)) OF SL−DiscTxResourceReq−r13
SL−DiscTxResourceReq−r13::=SEQUENCE{
carrierFreq−r13 ARFCN−ValueEUTRA−r9 OPTIONAL,
discTxResourceReq−r13 INTEGER (1..63)
}
SL−DestinationInfoList−r12::=SEQUENCE (SIZE (1..maxSL−Dest−r12)) OF SL−DestinationIdentity−r12
SL−DestinationIdentity−r12::=BIT STRING (SIZE (24))
SL−DestinationInfoListUC−r13::=SL−DestinationInfoList−r12
SL−SysInfoReportList−r13::=SEQUENCE (SIZE (1..maxSL−DiscSysInfoReportFreq−r13)) OF SL−SysInfoReport−r13
SidelinkUEInformation−v14x0−IEs::=SEQUENCE{
commTxResourceReq121−r14 SL−CommTxResourceReq−14 OPTIONAL,
.....}
SL−CommTxResourceReq−r14::=SEQUENCE{
carrierFreq−r14 ARFCN−ValueEUTRA−r9 Optional
destinationInfoListUC−r14 SL−DestinationInfoList−r14
SL−Traffic−r14 SL−TrafficList−r14 Optional
}
SL−TrafficList−r14::=SEQUENCE (SIZE (1..maxSL−Traffic−r14)) OF SL−TrafficType−r14
SL−TrafficType−r14::=SEQUENCE{
trafficType ENUMERATED{periodic,non−periodic}
periodicity ENUMERATED{
sf100,sf200,sf300,sf500,
sf600,sf1000,sf1200,spare10,
spare9,spare8,spare7,spare6,
spare5,spare4,spare3,spare2,
spare1}
messageSize INTEGER (1...300)
【0213】
第1の実施形態のこの実施態様のSidelinkUEInformationメッセージに例示的に導入される追加のエレメントは、上記において太字でかつ枠で囲まれている。それから明らかなように、CAMメッセージについて上記で述べたものなど、さまざまな異なった周期性を示すことができるようにする周期性フィールドが存在する。同様に、それぞれ1〜300バイトの値のさまざまな異なったメッセージサイズを示すことができるようにするメッセージサイズフィールドが提供される。任意に、トラフィックタイプフィールドは、UEが、データが周期的かそれとも非周期的かについてeNodeBに通知することを可能にする。
【0214】
あるいは、可能性のある周期性と一緒にメッセージサイズを示す代わりに、第1の実施形態のさらなる変化形によれば、メッセージサイズ(すなわち、UEが送信したいデータ量)は、バッファ状態通知と一緒に送信され、バッファ状態通知は、データが車両用UEによって送信されるのを待機中であることを示す。この場合、準備フェーズの一例において、eNodeBは、可能性のある異なった周期性に関する情報のみを受信し、可能性のある異なったメッセージサイズに関する情報は受信しないため、可能性のある異なった周期性の情報に基づいて、異なったSPS設定の用意に進む。例えば、eNodeBによって用意された複数のSPS設定は、周期性に関して異なるが、どの無線リソースが、およびいくつの無線リソースがSPS設定によって割り当てられるのかに関して明確ではない。次いで、車両用UEが、可能性のあるデータコンポーネントの1または複数を実際に送信し始めたい時点で、対応するバッファが埋められ、その結果として、バッファ状態通知がeNodeBに送信されるのをトリガし、それに基づいて、1または複数の、可能性のあるデータコンポーネントのためにUEが通信したいデータの量を実際に決定し得る。それに応じて、eNodeBは、(対応する適切な周期性の、)対応する適切なSPS設定を選択およびアクティブ化し、次いで、車両用UEのための選択されたSPS設定をアクティブ化すると同時に、それぞれのアクティブ化されたSPS設定について、どのリソースがそれぞれのアクティブ化されたSPS設定によって割り当てられるのかを示す。
【0215】
言い換えれば、
図11から
図15と関連付けて前に説明したのとは異なり、第1の実施形態のこの特定の変化形では、eNodeBは、無線リソースをあらかじめ指定(例えば、122バイトを送信するのに十分な無線リソースを定義するSPS設定1)せず、周期性のみを指定する。例えば、eNodeBは、(速度範囲144km/h超を想定して)100msの周期性で車両用UEによるCAM HFコンポーネントの送信をサポートするためにSPS設定1を用意し得、その他のSPS設定についても同様である。
図12について想定されるシナリオについて、eNodeBは、このように、すなわち、100ms、500ms、および1000ms毎の3つの周期性についてそれぞれに、3つの異なったSPS設定を用意する。
図14について想定されるシナリオについて、eNodeBは、速度範囲毎にそれぞれ3つで、9つの異なったSPS設定を用意する。
【0216】
第1の実施形態の別の例示的な実施態様によれば、可能性のある異なった周期性および/または可能性のある異なったメッセージサイズに関する情報を送信することに加えて、またはその代わりに、車両用UEが送信することをサポートされる、特定のデータコンポーネントに関して、車両用UEは、eNodeBに通知し得る。例えば、このように、周期性に関する情報は、将来車両用UEが送信することをサポートされるデータコンポーネントを特定するリストを含み得る。eNodeBは、これらの特定されたデータコンポーネントと関連付けられている、可能性のある周期性およびメッセージサイズについての情報へアクセスすることができ、例えば、3GPP標準は、可能性のある異なったCAMおよびそれらのコンポーネントのためにサイズおよび周期性を明示的に定義し得る。この方法では、このように、eNodeBは、サポートされるさまざまな異なった周期性および/またはメッセージサイズのために適切なSPS設定を用意することができる。
【0217】
上記では詳細に規定しないが、選択されたSPS設定をアクティブ化するためにeNodeBによって車両用UEに送信されるアクティブ化コマンドは、PDCCHすなわち物理ダウンリンク制御チャネルを介して送信されるメッセージとして例示的に実装され得る。例えば、現在指定されているSPSメカニズムについてと同様の方法で、eNodeBは、前に設定されたSPS設定の1または複数をアクティブ化するために1または複数のDCIを送信し得る。一例では、DCIがサイドリンクSPS用であり、Uu SPSまたはUuリンクダイナミック割当て用ではないことをUEが知る必要があるため、サイドリンクアクティブ化/非アクティブ化のためのDCIのために新たなC−RNTIが使用され得る。上述のとおり、第1の実施形態の特定の実施態様については、PDCCHメッセージも、アクティブ化されたSPS設定のためにUEが使用することになっている特定の無線リソースを特定し得る。
【0218】
上記で詳細には規定されていないが、eNodeBは、複数のSPS設定を決定した後、複数のSPS設定についてUEに通知するものとする。これは、例えば、radioResourceConfigDedicatedメッセージ内のsps−ConfigSidelinkなどのRRCメッセージとして実装され得る。Uuリンクのための現在のSPS設定は、radioResourceConfigDedicatedメッセージ内で送信される。サイドリンクのためのSPS設定を示すために、新たなエレメントをsps−ConfigSidelinkとして生成することができ、これも、radioResourceConfigDedicatedメッセージ内で送信することができる。上記に説明したように、準備フェーズにおいてeNodeBによって設定される複数のSPS設定は、例えば、周期性および無線リソースの両方を特定することができるか、または周期性のみを設定し得る(この場合、無線リソースは、次いで、eNodeBからUEに送信されるアクティブ化コマンドと一緒に特定することができる)。
【0219】
第1の実施形態の実施態様を、V2V、および他の車両用UEとサイドリンクコネクションを介して通信する車両用UEに基づいて説明してきたが、第1の実施形態の根底にある原理は、Uuインタフェースを介して車両用UEと例えばeNodeBとの間で、または例えばPC5インタフェースを介して車両用UEと路側機との間で、車両用データを送信するためにも適用することができる。
【0220】
さらには、第1の実施形態の実施態様を、車両用UEに基づいて説明してきたが、第1の実施形態の根底にある原理は、サイドリンクコネクションを介してeNBと、または他の「普通の」もしくは車両用のUEと通信する「普通の」UEによっても実行することができる。
【0221】
<ハードウェアおよびソフトウェアによる本開示の実施>
別の例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアと協働するソフトウェアを使用する、上記のさまざまな実施形態の実施態様に関連する。この関連で、ユーザ端末(移動端末)が提供される。ユーザ端末は、これらの方法に適切に関与する、受信部、送信部、プロセッサなどの、対応するエンティティを含んで、本明細書に記載されている方法を実行するように適合されている。
【0222】
さまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行され得るものとさらに認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスなどであってもよい。さまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行または具現化されてもよい。具体的には、上記の実施形態のそれぞれの記載において使用される各機能ブロックは、集積回路としてLSIによって実現することができる。これらの機能ブロックは、チップとして個別に形成してもよく、または、機能ブロックの一部またはすべてを含むように1つのチップを形成してもよい。これらのチップは、自身に結合されているデータ入出力部を含んでもよい。ここで、LSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとも称され得る。ただし、集積回路を実施する技術は、LSIに限定されず、専用回路または汎用プロセッサを使用することによって実現してもよい。また、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ:Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブルプロセッサを使用してもよい。
【0223】
さらには、さまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施してもよく、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行されるか、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組合せも可能であってよい。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納し得る。複数の異なる実施形態の個々の特徴は、個々に、または任意の組合せにおいて、別の実施形態の主題となり得ることにさらに留意されたい。
【0224】
具体的な実施形態に示した本開示に対してさまざまな変更および/または修正を行い得ることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において例示的であって、制限しようとするものではないと見なされるべきである。