【実施例】
【0048】
以下、実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、これらの実施例は、本発明を何ら限定もしくは制限するものでもない。
なお、各例における分散性は下記のとおりにして評価した。
【0049】
<分散安定性>
分散安定性(分散性)は、最終撹拌後に室温で静置し、72時間後の乳化組成物の外観の様子で評価を行った。「水層と油層の分離が明らかにあるもの」は×とし、「境界面が不鮮明な状態」を△、「分離が若干あるように見えるが、乳化状態にあるといえるもの」を△〇、明確な分離がほとんど確認できない、すなわち乳化状態にあるもの」を〇、明確な分離がまったく確認できない、すなわち非常に良好な乳化状態にあるもの」を◎とした。
【0050】
<実施例1>
油溶性物質としてシリコーンオイル120gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
【0051】
(1)24gのグリセリン(富士フイルム和光純薬(株)製、以下の例も同様)に、シルクナノファイバー水分散体((株)スギノマシン製 高圧噴射処理品 シルクナノファイバー濃度5wt%、平均径100nm以下、以下のシルクナノファイバーの例も同様)とイオン交換水をそれぞれ3g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイル(信越化学工業(株)製、製品名KF−96A−100CS、以下の例も同様)を(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表1に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0052】
<実施例2>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gを流動パラフィン(富士フイルム和光純薬(株)製、以下の例も同様)120gとした以外は実施例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0053】
<実施例3>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをスクワラン(純正化学(株)製、以下の例も同様)120gとした以外は実施例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
<実施例4>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをオリーブ油(富士フイルム和光純薬(株)製、以下の例も同様)120gとした以外は実施例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0055】
<実施例5>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをホホバ油(富士フイルム和光純薬(株)製、以下の例も同様)120gとした以外は実施例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
<実施例6>
油溶性物質として、実施例1と同じシリコーンオイル120gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)24gのグリセリンに実施例1使用したシルクナノファイバー水分散体を6g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間撹拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表1に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0057】
<実施例7>
(1)24gのグリセリンに、シルクナノファイバー水分散体を3gとイオン交換水を78g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で45g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表1に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0058】
<実施例8>
(1)24gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)に、シルクナノファイバー水分散体を3gとイオン交換水を48g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で75g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表1に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0059】
<比較例1>
比較例1として、油溶性物質としてシリコーンオイル120gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)24gのグリセリンにシルク粒子(平均粒径10〜40μm)とイオン交換水をそれぞれ3g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表1に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0060】
<比較例2>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをスクワラン120gとした以外は比較例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
<比較例3>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gを流動パラフィン120gとした以外は比較例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
<比較例4>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをオリーブ油120gとした以外は比較例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
<比較例5>
油溶性物質として、シリコーンオイル120gをホホバ油120gとした以外は比較例1と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
図1は、実施例1〜5である、シルクナノファイバーとシリコーンオイル、スクワラン、流動パラフィン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
【0065】
図2は、比較例1〜5である、シルク粒子とシリコーンオイル、スクワラン、流動パラフィン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
【0066】
図1と
図2から次のことが判明した。本実施例の、シルクナノファイバーと多価アルコールを添加した乳化組成物に油剤を加えたものは、乳化状態を維持し、72時間後にも分離しなかった。その後も経過観察しているが、同様に乳化状態を維持していた。ナノファイバーに解繊されていないシルク粒子では、油層と水層がほぼ完全に分離した。
【0067】
また、シルクナノファイバー濃度が0.1%(実施例1)、0.2%(実施例6)における粘度(25℃)を測定(レオメーターで72時間後)したところ、それぞれ、13000mPa・s、30000mPa・sであり、これらの粘度の比較から、乳化組成物の粘度は、ナノファイバーの濃度で制御することが可能であった。
【0068】
【表1】
【0069】
本実施例によれば、シルクナノファイバーと多価アルコールを添加した乳化物を60℃で30分間加熱した後に放冷したものは、ほとんど変色せずに優れた乳化性能を長期に亘って維持することができるといえる。
【0070】
<実施例9>
油溶性物質としてシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
【0071】
(1)16gのグリセリンに、キチンナノファイバー水分散体((株)スギノマシン製 BiNFi−s(SFO−20010)、キチンナノファイバー濃度10wt%、平均径20〜50nm、以下のキチンナノファイバーの例も同様)とイオン交換水をそれぞれ2g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表2に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0072】
<実施例10>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は実施例9と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0073】
<実施例11>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は実施例9と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0074】
<実施例12>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は実施例9と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0075】
<実施例13>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は実施例9と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0076】
<実施例14>
油溶性物質として、実施例1と同じシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリンに実施例9で使用したキチンナノファイバー水分散体を4g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間撹拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表2に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0077】
<実施例15>
(1)16gのグリセリンに、キチンナノファイバー水分散体を2gとイオン交換水を52g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で30g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表2に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0078】
<実施例16>
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)に、キチンナノファイバー水分散体を2gとイオン交換水を32g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で50g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表2に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0079】
<比較例6>
比較例6として、油溶性物質としてシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)にキチン粒子(平均粒径1〜300μm、アスペクト比(長径/短径)10未満)0.2gとイオン交換水を3.8g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表2に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0080】
<比較例7>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は比較例6と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0081】
<比較例8>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は比較例6と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0082】
<比較例9>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は比較例6と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0083】
<比較例10>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は比較例6と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0084】
図2は、実施例9〜13である、キチンナノファイバーとシリコーンオイル、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
【0085】
【表2】
【0086】
<実施例17>
油溶性物質としてシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
【0087】
(1)16gのグリセリンに、結晶性セルロース由来のナノファイバー水分散体((株)スギノマシン製BiNFi−s(AFO−10010)、結晶性セルロース由来のナノファイバー濃度10wt%、平均径20〜50nm、以下の結晶性セルロース由来のナノファイバーの例も同様)とイオン交換水をそれぞれ2g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0088】
<実施例18>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は実施例17と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0089】
<実施例19>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は実施例17と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0090】
<実施例20>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は実施例17と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0091】
<実施例21>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は実施例17と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0092】
<比較例11>
比較例11として、油溶性物質としてシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)に結晶性セルロース粒子(平均粒径10〜250μm、アスペクト比(長径/短径)10未満)を0.2gとイオン交換水を3.8g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0093】
<比較例12>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は比較例11と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0094】
<比較例13>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は比較例11と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0095】
<比較例14>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は比較例11と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0096】
<比較例15>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は比較例11と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0097】
<実施例22>
油溶性物質として、実施例17と同じシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリンに実施例17で使用した結晶性セルロース由来のナノファイバー水分散体を3gとイオン交換水を1g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間撹拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0098】
<実施例23>
(1)16gのグリセリンに、結晶性セルロース由来のナノファイバー水分散体を2gとイオン交換水を52g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で30g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0099】
<実施例24>
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)に、結晶性セルロース由来のナノファイバー水分散体を2gとイオン交換水を32g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で50g添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0100】
<実施例25>
油溶性物質として、実施例18と同じ流動パラフィン80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリンに実施例17で使用した結晶性セルロース由来のナノファイバー水分散体を3g、イオン交換水を1gそれぞれ添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機で流動パラフィンを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間撹拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表3に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0101】
<実施例26>
油溶性物質として、流動パラフィン80gをスクワラン80gとした以外は実施例25と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0102】
<実施例27>
油溶性物質として、流動パラフィン80gをオリーブ油80gとした以外は実施例25と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0103】
<実施例28>
油溶性物質として、流動パラフィン80gをホホバ油80gとした以外は実施例25と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0104】
図4は、実施例17〜21である、結晶性セルロース由来のナノファイバーとシリコーンオイル、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
図5は、実施例22、25〜28である、結晶性セルロース由来のナノファイバーとシリコーンオイル、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
【0105】
【表3】
【0106】
<実施例29>
油溶性物質としてシリコーンオイル80g使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
【0107】
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬(株)製、以下の例も同様)に、粉末セルロース由来のナノファイバー水分散体((株)スギノマシン製BiNFi−s(WFO−10010)、粉末セルロース由来のナノファイバー濃度10wt%、平均径20〜50nm、以下の粉末セルロース由来のナノファイバーの例も同様)とイオン交換水をそれぞれ2g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表4に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0108】
<実施例30>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は実施例29と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0109】
<実施例31>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は実施例29と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0110】
<実施例32>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は実施例29と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0111】
<実施例33>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は実施例29と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0112】
<比較例16>
比較例16として、油溶性物質としてシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリン(富士フイルム和光純薬製)に粉末セルロース粒子(平均粒径10〜250μm、アスペクト比(長径/短径)10未満)を0.2gとイオン交換水を3.8g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間攪拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表4に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0113】
<比較例17>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は比較例16と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0114】
<比較例18>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は比較例16と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0115】
<比較例19>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は比較例16と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0116】
<比較例20>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は比較例16と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0117】
<実施例34>
油溶性物質として、実施例29と同じシリコーンオイル80gを使用して、以下の手順で乳化組成物(D相中油型(O/D型)乳化組成物)の作製を行った。
(1)16gのグリセリンに実施例29で使用した粉末セルロース由来のナノファイバー水分散体を4g添加して、撹拌を10分間行い、均一な混合体を作製した。
(2)スリーワンモーター撹拌機でシリコーンオイルを(1)で作製した混合体に5ml/分の速度で添加した。
(3)添加終了後、300rpmで15分間撹拌し、D相中油型(O/D型)乳化組成物からなる自己乳化性油脂を得た。作製した乳化組成物について分散安定性の評価を行った。表4に乳化組成物中の各成分の割合(質量%)とともに評価結果とを示す。
【0118】
<実施例35>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gを流動パラフィン80gとした以外は実施例34と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0119】
<実施例36>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをスクワラン80gとした以外は実施例34と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0120】
<実施例37>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをオリーブ油80gとした以外は実施例34と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0121】
<実施例38>
油溶性物質として、シリコーンオイル80gをホホバ油80gとした以外は実施例34と同様にして、D相中油型(O/D型)乳化組成物を作製し分散安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0122】
図6は、実施例29〜33である、粉末セルロース由来のナノファイバーとシリコーンオイル、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
図7は、実施例34〜38である、粉末セルロース由来のナノファイバーとシリコーンオイル、流動パラフィン、スクワラン、オリーブ油、ホホバ油のそれぞれとを撹拌して得られた乳化組成物を観察した画像であり、72時間後の乳化組成物の画像である。
【0123】
【表4】
【0124】
以上の実施例等から、本発明の乳化組成物は、加熱処理が必要なレトルト食品や医療薬品や化粧料への適用が容易となり、また、例えば、化粧料に適用した場合に、熱処理に影響を受ける原料を処方に組み入れることが可能となり、その温度管理範囲の幅が広くなり、温度管理が容易となる等の効果が得られる。