特許第6910034号(P6910034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6910034
(24)【登録日】2021年7月8日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】自転車変速ハブ
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/06 20060101AFI20210715BHJP
   F16H 3/083 20060101ALI20210715BHJP
   F16D 41/30 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   B62M11/06 E
   F16H3/083
   F16D41/30
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-559935(P2018-559935)
(86)(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公表番号】特表2019-516612(P2019-516612A)
(43)【公表日】2019年6月20日
(86)【国際出願番号】KR2017004367
(87)【国際公開番号】WO2017196003
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2020年4月20日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0058066
(32)【優先日】2016年5月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】319004870
【氏名又は名称】キム,ボク ソン
(73)【特許権者】
【識別番号】518398051
【氏名又は名称】キム,ド ファン
(73)【特許権者】
【識別番号】518398062
【氏名又は名称】バイジェン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボク ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ド ファン
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−210520(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0255356(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3146138(JP,U)
【文献】 特開2014−209031(JP,A)
【文献】 特表2016−509660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 11/06
F16H 3/00− 3/78
F16D 41/24
F16D 41/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力が入力され、外周面に複数の第1のポール(pawl)が備配されるハブ軸と、
前記第1のポールの出没を制御する変速制御手段と、
中心に前記ハブ軸が貫通し、内周面にラチェットが形成されて前記第1のポールによって回転力が伝達され、異なる歯数を有する複数の駆動歯車と、
前記駆動歯車とそれぞれ噛み合い、異なる歯数を有し、互いに結合されて回転する複数の被動歯車と、
前記駆動歯車のうち隣りの駆動歯車と結合され、外周面に第2のポールが備配される出力ホイールと、
車輪のスポークが連結され、内周面にラチェットが形成されて前記第2のポールによって回転力が伝達されるハブシェルと、
を備えることを特徴とする自転車変速ハブ。
【請求項2】
前記変速制御手段は、
変速のためのワイヤーと、
前記ワイヤーによって回転し、外周面にガイド孔が円周方向に対して斜めに形成されるアウターリングと、
前記アウターリングの内部に備配され、前記ガイド孔に拘束されるガイドピンが突設されて前記アウターリングの回転によって前記ハブ軸の軸方向に移動するインナーリングと、
前記インナーリングの移動によって前記第1のポールを出没させるレバーと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自転車変速ハブ。
【請求項3】
前記レバーは、
前記インナーリングの移動で付勢されて前記ハブ軸の軸中心方向へ移動する入力部と、
前記入力部と結合されて前記入力部の移動によって回転する回転ロッドと、
前記回転ロッドの回転によって突出して前記第1のポールを前記ハブ軸の円周面から突出させる出力部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の自転車変速ハブ。
【請求項4】
前記ハブ軸の外周面には、前記レバーが載置される載置溝が形成されることを特徴とする請求項3に記載の自転車変速ハブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の変速ハブに関し、より詳しくは、ハブ軸を直接的に回転させ、その入力された回転力をリング歯車なしに変速してハブシェルに伝達することのできる自転車変速ハブに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車の変速装置は、外装歯車と内装歯車とに分けられる。これらのうち、前記内装歯車は、固定されたハブ軸と太陽歯車、遊星歯車が軸結合されたキャリア及びリング歯車を含む遊星歯車システムで構成される。
【0003】
従来の遊星歯車システムは、クランクを回転させて発生させた回転力をチェーンを介して従動スプラケットを回転させ、従動スプラケットは、前記キャリアと結合されて回転させる構造であるため、チェーンなしにハブ軸を直接的に駆動しながら変速も可能な自転車を製造することができないという問題がある。
【0004】
さらに、従来の遊星歯車システムは、太陽歯車と遊星歯車だけではなく、リング歯車が必ず備配されなければならないため、構造が複雑であるという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題を解消するために案出されたものであり、本発明の目的は、ハブ軸を直接的に回転させ、その入力された回転力を変速することのできる自転車変速ハブを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、入力された回転力をリング歯車なしに変速してハブシェルに伝達することのできる自転車変速ハブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述したような技術的課題を解決するために、本発明による自転車変速ハブは、回転力が入力され、外周面に複数の第1のポール(pawl)が備配されるハブ軸と、前記第1のポールの出没を制御する変速制御手段と、中心に前記ハブ軸が貫通し、内周面にラチェットが形成されて前記第1のポールによって回転力が伝達され、異なる歯数を有する複数の駆動歯車と、前記駆動歯車とそれぞれ噛み合い、異なる歯数を有し、互いに結合されて回転する複数の被動歯車と、前記駆動歯車のうち隣りの駆動歯車と結合され、外周面に第2のポールが備配される出力ホイールと、車輪のスポーク(輻)が連結され、内周面にラチェットが形成されて前記第2のポールによって回転力が伝達されるハブシェルと、を備える。
【0008】
また、前記変速制御手段は、変速のためのワイヤーと、前記ワイヤーによって回転し、外周面にガイド孔が円周方向に対して斜めに形成されるアウターリングと、前記アウターリングの内部に備配され、前記ガイド孔に拘束されるガイドピンが突設されて前記アウターリングの回転によって前後進するインナーリングと、前記インナーリングの前後進によって前記第1のポールを出没させるレバーと、を備えることが好ましい。
【0009】
さらに、前記レバーは、前記インナーリングの前後進で付勢されて下降する入力部と、前記入力部と結合されて前記入力部の下降によって回転する回転ロッドと、前記回転ロッドの回転によって突出して前記第1のポールを上昇させる出力部と、を備えることが好ましい。
【0010】
さらにまた、前記ハブ軸の外周面には、前記レバーが載置される載置溝が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハブ軸を直接的に回転させ、その入力された回転力を変速することができるという効果がある。
【0012】
また、入力された回転力をリング歯車なしに変速してハブシェルに伝達することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による実施形態が取り付けられた自転車を示すものである。
図2】本発明による一実施形態を示すものである。
図3】本発明による一実施形態を示すものである。
図4】本発明による一実施形態を示すものである。
図5】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図6】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図7】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図8】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図9】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図10】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図11】本発明による実施形態の要部を示すものである。
図12】本発明による実施形態が取り付けられた他の自転車を示すものである。
図13】本発明による他の実施形態を示すものである。
図14】本発明による他の実施形態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて、本発明による自転車変速ハブの一実施形態の構成及び作用を詳しく説明する。
【0015】
図1は、本発明による実施形態1を前輪駆動自転車100に結合した状態であり、図2は、本発明による実施形態1にクランクが結合された状態を示すものである。同図から明らかなように、本発明による実施形態1は、前輪の中心軸に配設されている。また、この実施形態1は、ハブ軸10にクランクPを直結していることが分かる。このため、チェーンやスプラケットなしにクランクPのペダリングだけでハブ軸10を直接的に回転させるのである。なお、前記ハブ軸10の回転力は変速されてハブシェル60を回転させることになる。前記ハブシェル60の取付孔61には車輪のスポークが結合するが、ハブシェル60の回転で前輪R1が回転するのである。未説明符号「F」はフレームであり、「R2」は後輪である。
【0016】
図3及び図4を参照すると、本発明による実施形態1は、ハブ軸10と、変速制御手段(図7の「50」参照)と、駆動歯車20と、被動歯車30と、出力ホイール40及びハブシェル60を備える。
【0017】
前記ハブ軸10は、上述したように、クランクPと直接的に結合されて回転力が入力される構成要素であり、外周面に複数の第1のポールP1が備配される。
【0018】
前記ハブ軸10の外径には、歯数の異なる四つの第1の駆動歯車21、第2の駆動歯車22、第3の駆動歯車23及び第4の駆動歯車24が備配される。すなわち、ハブ軸10が駆動歯車21〜24を貫通するのである。前記駆動歯車21〜24の内周面には、前記第1のポールP1が選択的に引っ掛かるようにラチェット(図5の「23a」参照)が形成されている。
【0019】
また、前記駆動歯車21〜24の外径において噛み合う四つの第1の被動歯車31、第2の被動歯車32、第3の被動歯車33及び第4の被動歯車34が備配される。前記被動歯車31〜34は、異なる歯数を有する。結果的に、本実施形態においては、駆動歯車21〜24と被動歯車31〜34がそれぞれ四組噛み合う。
【0020】
さらに、前記複数の被動歯車31〜34は、隣り合うように並設されるが、いずれか一つが回転しても、全てがつれ回転するように互いに結合されている。このような被動歯車31〜34は、円筒状の歯車箱(図6の「36」参照)に固設される。
【0021】
詳しく説明すると、図6に示すように、前記歯車箱36には三つの軸35が備配され、各軸35には四つの被動歯車31〜34が軸結合されて備配されるのである。一方、被動歯車31〜34は、駆動歯車21〜24と噛み合って回転するが、このとき、歯車箱36は回転せず、被動歯車31〜34のみが軸35に結合された状態で回転する。
【0022】
さらにまた、前記駆動歯車21〜24及び被動歯車31〜34の一方の側には、変速された回転力を出力する出力ホイール40が備配されるが、特に、前記出力ホイール40は、最寄りの第1の駆動歯車21と結合される。したがって、前記第1の駆動歯車21が回転すれば、出力ホイール40もつれ回転するのである。前記出力ホイール40の外周面には、第2のポールP2が備配される。
【0023】
最後に、前記ハブシェル60の内周面には、前記第2のポールP2と選択的に噛み合うラチェット62が備配される。前記出力ホイール40の回転力を前記ハブシェル60に伝達する手段としては、第2のポールP2とラチェット62の代わりに、クラッチベアリングなど公知の手段が採用可能であるということはいうまでもない。
【0024】
図5を参照すると、ハブ軸10が四つの駆動歯車21〜24を貫通していることが分かる。また、前記ハブ軸10には四つの第1のポールP1が備配されるが、各第1のポールP1は、四つの駆動歯車21〜24と選択的に噛み合って、ハブ軸10の回転力を駆動歯車21〜24に選択的に伝達するのである。すなわち、いずれか一つの第1のポールP1がハブ軸10から突出すれば、突出した第1のポールP1に引っ掛かる駆動歯車21〜24が回転をするのである。したがって、前記駆動歯車21〜24は、第1のポールP1に引っ掛かるように内径にラチェット(23a参照)が形成されている。
【0025】
図7を参照すると、前記変速制御手段50は、アウターリング53と、インナーリング54と、を備える。前記アウターリング53は、外周面にガイド孔53aが円周方向に対して斜めに形成されており、前記アウターリング53の一方の側には、スプラケット52が形成されている。なお、前記スプラケット52には、ワイヤーとして変速用チェーン51が連結されるが、前記変速用チェーン51によって前記アウターリング53は両方向に回転する。
【0026】
本発明によれば、前記変速用チェーンの代わりに、通常のワイヤーが使用可能であるということはいうまでもない。
【0027】
また、前記アウターリング53の内部には、インナーリング54が備配されるが、前記インナーリング54の外周面には、前記ガイド孔53aに拘束されるガイドピン54aが形成される。したがって、前記変速用チェーン51を引っ張ってアウターリング53が元の位置からいずれか一方の側へと回転すれば、前記ガイド孔53aに拘束されたガイドピン54aが斜めに移動しながら、結果的に、インナーリング54を前進または後進させる。
【0028】
さらに、前記ハブ軸10の外周面には、レバー55が載置される載置溝が形成されているが、前記レバー55は、図8に示すように、インナーリング54の前進または後進で付勢されて下降する入力部55aと、前記入力部55aと結合され、前記入力部55aの下降によって回転する回転ロッド55bと、前記回転ロッド55bの回転によってハブ軸10の載置溝から突出して前記第1のポールP1を上昇スイングする出力部55cと、を備える。すなわち、前記出力部55cは、ハブ軸10の載置溝に備配されるが、第1のポールP1の下部に位置するのである。前記入力部55aには、玉軸受などの金属鋼球が回転自在に備配され、前記入力部55aの上面には、半球状の取付溝が形成されていて、金属鋼球が回転自在に載置されるのである。
【0029】
図9を参照すると、変速制御手段50における前記変速用チェーン51を引っ張ると、スプラケット52が回転することになり、スプラケット52と結合されたアウターリング53が元の位置において回転することになる。このような動作によって、ガイド孔53aに拘束されたガイドピン54aが移動をすることになって、インナーリング54が前進したり後進したりするのである。特に、インナーリング54が前進または後進をすると、インナーリング54によって入力部55aが押されて下降することになり、これと連動して、回転ロッド55bが回転して出力部55cが上昇し、その結果、第1のポールP1がハブ軸10から突出してこれに対応するいずれか一つの駆動歯車21〜24がハブ軸10の回転力を伝達されることになるのである。
【0030】
一方、この実施形態においては、ハブ軸10に四つのレバー55が取り付けられるが、前記変速用チェーン51を引っ張る度合いに応じて、インナーリング54がさらに前進しながら四つの入力部55aを順次に付勢して下降させ、これに伴い、反対側に形成された出力部55cを上昇させていずれか一つの第1のポールP1を突出させてこれと結合された駆動歯車21〜24に回転力を伝達するのである。各駆動歯車21〜24の歯数が異なり、かつ、これと噛み合う各被動歯車31〜34の歯数が異なるため、これに伴い、変速が行われるのである。
【0031】
図10及び図11は、レバー55がハブ軸10の載置溝に載置された状態を示すものである。図10は、入力部55aがハブ軸10の外径よりも突出した状態であるが、この状態では、出力部55cが載置溝の底面に位置して第1のポールP1がハブ軸10の外径から突出しなくなる。
【0032】
逆に、図11は、入力部55aが載置溝の底面に下降した状態を示すものである。この状態では、出力部55cが上昇しながら前記第1のポールP1を持ち上げてハブ軸10の外径よりも突出することになる。
【0033】
また、図11の状態で、インナーリング54がさらに前進をしたりさらに後進をしたりすると、入力部55aへのインナーリング54の付勢が解放される。これは、第1のポールP1を包み込んでいるワイヤースプリング(図9の「S」参照)によって第1のポールP1が下降をすることになり、回転ロッド55bの回転で再び入力部55aが上昇して元の位置に戻るのである。すると、第1のポールP1及び駆動歯車21〜24間の結合もまた解除される。
【0034】
以下、本発明による一実施形態によって変速される過程を説明する。
【0035】
図3及び図4を参照すると、クランクのペダリングでクランクに直結されたハブ軸10が回転をすることになり、一方では、変速制御手段50の制御で第1の駆動歯車21に係合する第1のポールP1を上昇させて第1の駆動歯車21を回転させる。第1の駆動歯車21は、前記ハブ軸10の回転速度で第1の駆動歯車21と結合された出力ホイール40を回転させ、出力ホイール40の外周面に配備された第2のポールP2がハブシェル60の内周面に形成されたラチェット62と係合してハブシェル60を回転させて前輪R1を回転させるのである。
【0036】
もし、使用者が変速用チェーン51を操作して、インナーリング54が複数の第1のポールP1のうち第3の駆動歯車23に対応する第1のポールP1を上昇させることになると、前記第3の駆動歯車23が第1のポールP1に係合して回転することになる。このとき、前記第3の駆動歯車23が回転をすることになると、これと噛み合っている第3の被動歯車33が回転をすることになり、第3の被動歯車33が回転するにも拘わらず、第1ないし第4の被動歯車31〜34はいずれも結合されているため、第3の被動歯車33の回転速度と同じ速度で全ての被動歯車30が回転をすることになる。したがって、第1の被動歯車31もまた、第3の被動歯車33の回転速度で回転をすることになるが、このように、第1の被動歯車31の回転によって第1の駆動歯車21が回転をすることになる。
【0037】
しかしながら、このとき、第1の駆動歯車21の回転速度は、ハブ軸10の回転速度ではなく、第3の駆動歯車23と第3の被動歯車33の歯数によって変速された速度で回転することになる。このように、第1の駆動歯車21は変換された速度で回転することになり、第1の駆動歯車21と結合された出力ホイール40もまた、変換された速度で回転し、出力ホイール40の外周面に配備された第2のポールP2によってハブシェル60もまた、変換された速度で回転するのである。
【0038】
一方、第1のポールP1と係合して第3の駆動歯車23が回転することになると、前記被動歯車31〜34はいずれも結合されているため、第3の被動歯車33だけではなく、全ての被動歯車31〜34が回転をすることになり、これに伴い、第3の駆動歯車23が回転することに加えて、残りの駆動歯車21、22、24もまた、共回転することになる。
【0039】
同様に、変速用チェーン51の操作で第4の駆動歯車24と係合する第1のポールP1を上昇させて、ハブ軸10の回転力で第4の駆動歯車24を回転させると、第4の駆動歯車24と第4の被動歯車34とが噛み合いながら回転することになる。このような動作は、第4の被動歯車34の回転速度で第1の被動歯車31もまた回転することになり、再び第1の被動歯車31と噛み合っている第1の駆動歯車21が変換された速度で回転することになる。これにつれて、出力ホイール40及びハブシェル60もまた、変換された速度で回転して後輪R2を変換された速度で回転させるのである。
【0040】
図12は、本発明による実施形態1が通常のチェーン自転車200に適用された状態を示すものである。同図に示すように、本発明による実施形態1は、通常のチェーン自転車200の後輪R2の中心に備配される。したがって、クランクPを付勢して回転させると、駆動スプラケット210が回転することになり、チェーンCを介して回転力が従動スプラケット11が回転することになり、従動スプラケット11と結合された後輪R2の中心軸であるハブ軸10が直接的に回転するのである。未説明符号「R1」は前輪であり、「F」はフレームである。
【0041】
図13及び図14は、図12に示す自転車に取り付けられるように変形された他の実施形態を示すものである。
【0042】
同図から明らかなように、チェーンCを介して回転力が伝達される従動スプラケット11がハブ軸10と一体形に結合されている。したがって、ペダリングを通じてクランクを回転させると、駆動スプラケット210が回転することになり、チェーンCを介して従動スプラケット11が回転して、その結果、ハブ軸10が回転する。
【0043】
このように、ハブ軸10が回転することになると、上述した実施形態と同じ動作で所望の速度に変換することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
また、クランクをハブ軸に直結してチェーンなしに駆動することもでき、あるいは、チェーンを介してハブ軸に回転力を伝達して駆動することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14