特許第6910504号(P6910504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松本 浩一の特許一覧

<>
  • 特許6910504-ルアー 図000002
  • 特許6910504-ルアー 図000003
  • 特許6910504-ルアー 図000004
  • 特許6910504-ルアー 図000005
  • 特許6910504-ルアー 図000006
  • 特許6910504-ルアー 図000007
  • 特許6910504-ルアー 図000008
  • 特許6910504-ルアー 図000009
  • 特許6910504-ルアー 図000010
  • 特許6910504-ルアー 図000011
  • 特許6910504-ルアー 図000012
  • 特許6910504-ルアー 図000013
  • 特許6910504-ルアー 図000014
  • 特許6910504-ルアー 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6910504
(24)【登録日】2021年7月8日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/01 20060101AFI20210715BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   A01K85/01 B
   A01K85/00 G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-91052(P2020-91052)
(22)【出願日】2020年5月26日
(65)【公開番号】特開2020-141699(P2020-141699A)
(43)【公開日】2020年9月10日
【審査請求日】2020年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】520181135
【氏名又は名称】松本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100119769
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 清
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩一
【審査官】 赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3130860(JP,U)
【文献】 特開2006−115774(JP,A)
【文献】 特開2015−128401(JP,A)
【文献】 実開昭60−190269(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00−85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バス釣りに使用するクローラー系ルアーのルアー本体側面に取り付ける羽根状部品構造体であって、
該構造体は羽根状板と、ルアー本体が水平姿勢のときに該羽根状板を羽根面を垂直にした状態で水平旋回可能に取り付けておく留め具から構成され、
前記羽根状板は、羽根の根元部分に垂直方向に長い矩形穴が形成されており、
前記留め具は、ジョイント金具とストッパー螺子と2個の螺子で構成され、
前記ジョイント金具は、横長矩形板の両端部分を除く横長部を半円弧状に折り曲げた形状で、両端部分には前記螺子を通す穴が、半円弧状部の中央部分には前記ストッパー螺子を通す穴がそれぞれ形成されており、半円弧状部側面における前記ストッパー螺子用穴と半円弧の一方の端との間部分には半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り起こしが根元部を半円弧状部中央側にして縦方向中央部に設けられ、切り起こした先端部は半円弧状部の外側に向けて折り曲げてあり、
前記ストッパー螺子は、長さが前記半円弧状部の半径寸法より長く、頭部には螺子長手方向に延びる扁平なリング状部が形成されており、
かかる部品にて羽根状部品構造体を構成してルアー本体側面に取り付ける際は、前記ジョイント金具の一方の端部と半円弧状部とを前記羽根状板根元部分の矩形穴に通して羽根状板をジョイント金具に取付け、該状態にてジョイント金具を両端部がルアー本体の頭部、尾部に向かう姿勢にて前記2個の螺子にてルアー本体側面に取付け、該状態にて羽根状板を前記切り起こし側に寄せた状態にして前記ストッパー螺子を半円弧状部中央部の穴を通してルアー本体側面に螺子込むことにより羽根状部品構造体とするように構成されていることを特徴とする羽根状部品構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の羽根状部品構造体において、前記ストッパー螺子と該螺子を通す穴を無くし、前記切り起こした先端部は半円弧状部の外側に向けて折り曲げるのに代えて内側に折り曲げ、前記切り起こしが設けられた部分の半円弧状部の縦方向両側端には三角形状の突起を、その突起先端部間の距離が前記羽根状板根元部分の矩形穴縦方向長さより長くなる寸法で形成してあり、前記半円弧状部の中央と前記突起が設けられた側とは反対側の半円弧弧状部端部との間には半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り抜きが形成され、該切り抜き内には2辺間が一定の間隔角度を保つように形成された側面視略V字状のスプリングが、その一方の端は前記ジョイント金具の一方の端部をルアー本体側面に固定する螺子の螺子頭部とジョイント金具との間に挟まれた状態で固定され、他方の端は前記形成された切り抜きから半円弧状部の外側に突出させ、更にその先端部はV字が開く方向に僅かに傾けて折り曲げた状態で取り付けてあり、
かかる構成の羽根状部品構造体をルアー本体側面に取付けた状態にて羽根状板がルアー本体の尾部側に旋回した場合には、羽根状板の羽根の根元先端部が前記内側に折り曲げた切り起こし部に当接し、前記半円弧状部の外側の羽根状板部分に前記半円弧状部の外側に突出した略V字状スプリングの先端部が当接し、その状態で羽根状板が更にルアー本体の尾部側に旋回しようとすると略V字状スプリングの2辺間の角度が狭まるためその角度を広げようとする力が略V字状スプリングより発生して羽根状板に当接している略V字状スプリングの先端部から羽根状板に押し戻そうとする力が加わるように構成されていることを特徴とする羽根状部品構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバス釣りで使用されるルアーに関し、特にはルアー本体の両側面に鳥の羽根のようなパーツを水平旋回可能に取り付けるクローラー系ルアーの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
バス釣りではトップウォーターと呼ばれる釣り方が行われる。これは水面に浮かせたルアーをストレートリトリーブと呼ばれる一定の速さで引くことにより生き物のように泳がせてバスを誘う釣り方である。これに使用されるルアーは水面を騒がしく移動して音を立てるためノイジールアーとも呼ばれる。音を立てた騒がしい移動がバスにアピールして食いつきをよくすると言われる。
【0003】
ノイジールアーには3種類あり、その中にクローラー系ルアーと呼ばれるものがある。図11は代表的なクローラー系ルアー50の例である。ルアー本体51の両側面に鳥の羽根のようなパーツ52が取り付けられている。ルアー本体51を水面に浮かせた状態で一定の速さで引くと、この羽根52が水の抵抗を受けてクロールするように音をたてて水面を騒がしく移動する。
【0004】
図12の(1)は、このクローラー系ルアー50のルアー本体51の片側に取付けられた部品の分解図である。羽根52と、その羽根52を水平旋回可能に保持するためのジョイント金具53、2個の螺子54、ストッパー螺子55の4個からなる留め具とで構成されている。ストッパー螺子55は羽根52が尾側に傾くのを防止するための部品である。留め具を構成する4個の部品と羽根52は、図12の(2)に示すように組み合わせてルアー本体51の側面に取付けられている。ルアー本体51が水平状態では羽根52の表面はほぼ垂直となり、その垂直状態を保ったままジョイント金具53を中心に前後に水平旋回する。
【0005】
ルアー本体51が釣り糸により前方に引かれると、羽根52は水の抵抗を受けて後方側に旋回して図11に示すようにストッパー螺子55に当接して停止する。このように羽根52を側面にほぼ直角にした姿勢で停止することは、ルアーが騒がしく移動するには必要なことであるが、これには少し問題がある。このような姿勢で停止すると羽根52は水中の障害物に引っ掛かりやすく、引っ掛けた状態で無理に引くと変形してしまうことがある。
【0006】
また、羽根52は前進方向を向く位置まで旋回可能であるため、最初に水面に投げ込んだ際に、羽根52が図13に示すように閉じた状態になることがある。この閉じた状態になるのを防ぐため図14に示すように、ストッパー56を側面の前方にねじ込み式で設けたものもある。これら図12図13に示した従来の羽根取り付け方法では、2枚の羽根52の取り付けに、図21の方法では6個、図23の方法では8個のねじこみ部品を必要とする。このため組み付けが複雑、面倒で、重量が増す問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は、ルアー本体の両側面に水平旋回する羽根を取り付けるクローラー系ルアーにおいて、羽根をルアー本体に取り付ける取付け作業が簡単で、ルアー全体の軽量化を図ることのできる取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、バス釣りに使用するクローラー系ルアーのルアー本体側面に取り付ける羽根状部品構造体であって、
該構造体は羽根状板と、ルアー本体が水平姿勢のときに該羽根状板を羽根面を垂直にした状態で水平旋回可能に取り付けておく留め具から構成され、
前記羽根状板は、羽根の根元部分に垂直方向に長い矩形穴が形成されており、
前記留め具は、ジョイント金具とストッパー螺子と2個の螺子で構成され、
前記ジョイント金具は、横長矩形板の両端部分を除く横長部を半円弧状に折り曲げた形状で、両端部分には前記螺子を通す穴が、半円弧状部の中央部分には前記ストッパー螺子を通す穴がそれぞれ形成されており、半円弧状部側面における前記ストッパー螺子用穴と半円弧の一方の端との間部分には半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り起こしが根元部を半円弧状部中央側にして縦方向中央部に設けられ、切り起こした先端部は半円弧状部の外側に向けて折り曲げてあり、
前記ストッパー螺子は、長さが前記半円弧状部の半径寸法より長く、頭部には螺子長手方向に延びる扁平なリング状部が形成されており、
かかる部品にて羽根状部品構造体を構成してルアー本体側面に取り付ける際は、前記ジョイント金具の一方の端部と半円弧状部とを前記羽根状板根元部分の矩形穴に通して羽根状板をジョイント金具に取付け、該状態にてジョイント金具を両端部がルアー本体の頭部、尾部に向かう姿勢にて前記2個の螺子にてルアー本体側面に取付け、該状態にて羽根状板を前記切り起こし側に寄せた状態にして前記ストッパー螺子を半円弧状部中央部の穴を通してルアー本体側面に螺子込むことにより羽根状部品構造体とするように構成されていることを特徴とする羽根状部品構造体である。
【0009】
このような構造とすれば、従来のルアーで用いられていたストッパー56は不用となるため、ルアー全体の軽量化が図られると同時に取付けの手間も少なくなる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の羽根状部品構造体において、前記ストッパー螺子と該螺子を通す穴を無くし、前記切り起こした先端部は半円弧状部の外側に向けて折り曲げるのに代えて内側に折り曲げ、前記切り起こしが設けられた部分の半円弧状部の縦方向両側端には三角形状の突起を、その突起先端部間の距離が前記羽根状板根元部分の矩形穴縦方向長さより長くなる寸法で形成してあり、前記半円弧状部の中央と前記突起が設けられた側とは反対側の半円弧弧状部端部との間には半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り抜きが形成され、該切り抜き内には2辺間が一定の間隔角度を保つように形成された側面視略V字状のスプリングが、その一方の端は前記ジョイント金具の一方の端部をルアー本体側面に固定する螺子の螺子頭部とジョイント金具との間に挟まれた状態で固定され、他方の端は前記形成された切り抜きから半円弧状部の外側に突出させ、更にその先端部はV字が開く方向に僅かに傾けて折り曲げた状態で取り付けてあり、
かかる構成の羽根状部品構造体をルアー本体側面に取付けた状態にて羽根状板がルアー本体の尾部側に旋回した場合には、羽根状板の羽根の根元先端部が前記内側に折り曲げた切り起こし部に当接し、前記半円弧状部の外側の羽根状板部分に前記半円弧状部の外側に突出した略V字状スプリングの先端部が当接し、その状態で羽根状板が更にルアー本体の尾部側に旋回しようとすると略V字状スプリングの2辺間の角度が狭まるためその角度を広げようとする力が略V字状スプリングより発生して羽根状板に当接している略V字状スプリングの先端部から羽根状板に押し戻そうとする力が加わるように構成されていることを特徴とする羽根状部品構造体である。
【0011】
このような構造とすれば、従来のルアーで用いられていたストッパー56は不用となるためルアー全体の軽量化、取付けの手間削減に効果がある。また、羽根状板13が尾部側に急角度で旋回した場合には、スプリング16により押し戻す力が働く。スプリングによる押し戻しであるため、ストッパー螺子に衝突させて旋回を止める従来品のように羽根状板13に衝撃が加わることがないためルアー11の変形、破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る羽根状部品構造体2を取り付けたルアー1である。
図2】ルアー1の右側面に取り付ける羽根状部品構造体2の分解斜視図である。
図3】羽根状板3の尾側面がストッパー螺子に当接して静止した状態の側面図である。
図4】第2の実施形態に係る羽根状部品構造体12を取り付けたルアー11の平面図である。
図5】ルアー11の右側面に取り付ける羽根状部品構造体12の平面図である。
図6】羽根状部品構造体12の分解斜視図である。
図7】ジョイント金具15の斜視図と正面図である。
図8】スプリング16の構成説明図である。
図9】羽根状部品構造体12の平面図である。
図10】羽根状部品構造体12を取り付けたルアー11の平面図である。
図11】従来のクローラー系ルアー50の例である。
図12】従来のクローラー系ルアー50のルアー本体51片側に取付けられた部品の分解図である。
図13】羽根52が閉じた状態の平面図である。
図14】従来のクローラー系ルアー50のストッパー56の取り付け状態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る羽根状部品構造体の構成例を実施形態に分けて説明する。
(第1の実施形態)
図1の(1)は、第1の実施形態に係る羽根状部品構造体2を取り付けたルアー1の側面図、図1の(2)は平面図である。図2は、ルアー1の右側面に取り付ける羽根状部品構造体2の分解斜視図である。羽根状部品構造体2は、羽根状板3と、ルアー1の側面に取り付けられて羽根状板3を羽根面を垂直にした状態で水平旋回可能に保持する留め具4とで構成される。
【0014】
羽根状板3は、ルアー1に取り付けた状態ではルアー1の尾部側面がわずかに凸、頭部側面がわずかに凹となる形状に形成されている。また、羽根状板3の根元部分には垂直方向に長い矩形穴3aが形成されている。
【0015】
留め具4はジョイント金具5、ストッパー螺子6、2個の螺子7で構成されている。ジョイント金具5は、横長矩形板の両端部分を残してその間の横長矩形部を半円弧状に折り曲げた形状にされている。その両端部分には螺子7を通す穴5aが、半円弧状板の中央部分にはストッパー螺子6を通す穴5bが形成されている。ジョイント金具5の半円弧状板部におけるストッパー螺子用穴5bと半円弧の一方の端との間部分には半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り起こし5cが、その根元部が半円弧状板中央側に繋がった状態で縦方向中央部に設けられ、切り起こし先端部は半円弧状部の外側に向けて折り曲げてある。
【0016】
ストッパー螺子6は、長さがジョイント金具5の半円弧状部の半径寸法より長く、頭部には螺子長手方向に延びる扁平なリング状部6aが形成されている。
【0017】
このような部品からなる羽根状部品構造体2をルアー1の本体側面に取り付ける際は、最初にジョイント金具5の一方の端部と半円弧状板部を羽根状板3の根元部分に形成された矩形穴3aに通して羽根状板3をジョイント金具5に取付ける。その状態にてジョイント金具5を両端部がルアー本体の頭部、尾部に向く姿勢にし、2個の螺子7にてルアー1の本体側面に固定する。次に、羽根状板3を切り起こし5c側に寄せた状態にし、ストッパー螺子5を半円弧状部中央部の穴5bを通してルアー本体側面に螺子込む。これにより、羽根状部品構造体2は図1の(1)、(2)のように取り付けられた状態となる。
【0018】
羽根状板3は、ジョイント金具5に保持された状態で水平旋回可能で、頭部方向に向けて水平に旋回した場合は図1の(1)、図1の(2)に示すように、その側面を切り起こし5cの切り起こした先端部に頭部側面を当接させた状態で静止する。反対に尾部方向に向けて水平に旋回した場合は図3に示すように、その頭部側面をストッパー螺子6頭部の扁平なリング状部6aに当接させた状態で静止する。
【0019】
このような構造とすることにより、従来のルアーで用いられていたストッパー5は不用となるため、ルアー1全体の軽量化が図られると同時に取付けの手間も少なくなる。
【0020】
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態に係る羽根状部品構造体12を取り付けたルアー11の平面図である。図5はルアー11の右側面に取り付ける羽根状部品構造体12の平面図、図6はその分解斜視図である。羽根状部品構造体12は、羽根状板13と留め具14で構成されている。留め具14はルアー11の側面に取り付けられ、羽根状板13をその羽根面を垂直にした状態で水平旋回可能に保持する。
【0021】
羽根状板13は、ルアー11に取り付けた状態ではルアー11の尾部側面がわずかに凸、頭部側面がわずかに凹の形状にされている。また、羽根状板13の根元部分には垂直方向に長い矩形穴13aが形成されている。
【0022】
留め具14はジョイント金具15、スプリング16、2個の螺子17で構成されている。ジョイント金具15は、図6では平面図で示してあり、その斜視図を図7の(1)に、正面図を図7の(2)に示す。6図に示すように、ジョイント金具15は、横長矩形板の両端部分を残してその間の横長矩形部を半円弧状に折り曲げた形状にされている。の両端部分には螺子17を通す穴15aが形成されている。ジョイント金具15の半円弧状板部における半円弧中央と半円弧の一方の端との間部分には、半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り起こし15cが縦方向中央部に設けられている。その切り起こしの根元部は半円弧側面の中央側に繋がり、切り起こし先端部は半円弧状部の内側に向けて折り曲げてある。切り起こし15cが形成された円弧状部側面の縦方向両側には三角形状の突起15eが形成されている。
【0023】
ジョイント金具15の円弧状板側面における半円弧中央と切り起こし15cとは反対側の円弧端との間部分には、半円弧状板の縦方向幅の1/3程度幅の切り抜き穴15dが縦方向中央部に設けられている。この切り抜き穴15dは、スプリング16の取り付けに利用される。スプリング16は、羽根状板13がルアー11尾部側に一定角度以上に旋回しようとする時に、それを押し戻すためのものである。スプリング16は、弾性のある針金を図8の(1)に示す形状に折り曲げ、更に、側面視が図8の(2)に示す形状に折り曲げたものである。図8の(1)に示した形状の中央部には、針金をコイル状に巻いたスプリングが形成されている。取付けは図8の(3)示すように、ジョイント金具15をルアー11に固定する螺子17で一方の端をジョイント金具15の表面に押しつけた状態で固定する。固定した状態でスプリング16をジョイント金具15の円弧状部内側に納まるように取付け、その状態でスプリング16の他方の端をジョイント金具15の円弧状部外側に突出させる。図8の(1)におけるスプリング16の縦方向幅は、ジョイント金具15の円弧状部に設けた切り抜き穴15dの縦方向幅より僅かに狭くしてある。
【0024】
図9は、組み立てた羽根状部品構造体12の平面図である。図10は羽根状部品構造体12を取り付けた状態のルアー11の平面図である。羽根状板13が尾部側に急角度で旋回した状態が描いてある。この状態では、スプリング16は図8の(3)の点線のような形に押し縮められるため、図の矢印方向に戻ろうとする力が羽根状板13に加わる。羽根状板13を尾部側に旋回させようとする力が弱まると、そのスプリング16の力により羽根状板13は押し戻され、スプリング16の側面にほぼ直角な方向に向けた状態となる。
【0025】
羽根状板13がルアー11の頭部方向に急角度で旋回しようした場合には、羽根状板13の根元部分の矩形穴13aが切り起こし15cが形成された円弧状部側面の縦方向両側の三角形状突起15eに当接し、それ以上の旋回が阻止される。図4は、ルアー11が三角形状突起15eに当接した状態が描いてある。
【0026】
このような構造とすれば、従来のルアーで用いられていたストッパー5は不用となるためルアー全体の軽量化、取付けの手間削減に効果がある。また、羽根状板13が尾部側に急角度で旋回した場合には、スプリング16により押し戻す力が働く。スプリングによる押し戻しであるため、ストッパー螺子に衝突させて旋回を止める従来品のように羽根状板13に衝撃が加わることがないためルアー11の変形、破損が防止される。
【符号の説明】
【0027】
図面中、1、11はルアー、2、12は羽根状部品構造体、3、13は羽根状板、3a、13aは矩形穴、4、14は留め具、5、15はジョイント金具、6はストッパー螺子、5a、15aは螺子穴、5bはストッパー螺子穴、5c、15cは切り起こし、6はストッパー螺子、6aはリング状部、7、17は螺子、15dは切り抜き、16はスプリングを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14