特許第6910558号(P6910558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6910558線形駆動および回転駆動可能なセンサ装置を備える3軸微小機械回転速度センサ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6910558
(24)【登録日】2021年7月8日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】線形駆動および回転駆動可能なセンサ装置を備える3軸微小機械回転速度センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5712 20120101AFI20210715BHJP
   G01C 19/574 20120101ALI20210715BHJP
【FI】
   G01C19/5712
   G01C19/574
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-533348(P2020-533348)
(86)(22)【出願日】2018年8月8日
(65)【公表番号】特表2020-532749(P2020-532749A)
(43)【公表日】2020年11月12日
(86)【国際出願番号】EP2018071565
(87)【国際公開番号】WO2019048171
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年5月1日
(31)【優先権主張番号】102017215503.5
(32)【優先日】2017年9月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】プリュッツ,オッド−アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ラスル,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クールマン,ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】リーバルト,ヤン−ティモ
(72)【発明者】
【氏名】キューネル,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ボーデ,ニエルス
(72)【発明者】
【氏名】クールマン,ニルス・フェリクス
(72)【発明者】
【氏名】デゲンフェルト−ショーンブルク,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ノイル,ラインハルト
【審査官】 眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0023600(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00−19/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小機械回転速度センサ装置であって、
第1の軸(z)を軸として振動するように駆動可能であり、第2の軸(y)を軸とした第1の外側回転速度および第3の軸(x)を軸とした第2の外側回転速度を検出するための第1の回転速度センサ装置(100)であって、第1、第2および第3の軸(z、y、x)が互いに直角に配置されている、第1の回転速度センサ装置(100)と、
第2の軸(y)に沿って線形に振動するように駆動装置(AT;AT′;AT″)によって駆動可能であり、第1軸(z)を軸とした第3の外側回転速度を検出するための第2の回転速度センサ装置(200;201;202)と、
を備え、
該第2回転速度センサ装置(200;201;202)が、駆動装置(200;201;202)によって第1回転速度センサ装置(100)を駆動するために、第1の連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)を介して第1回転速度センサ装置(100)に結合された、
微小機械回転速度センサ装置において、
回転駆動可能な前記第1回転速度センサ装置(100)が、
第1軸(z)を軸として振動するように駆動可能な第1のロータ装置(1a)と、
第1軸(z)を軸として第1ロータ装置(1a)に対して逆位相で振動するように駆動可能な2のロータ装置(1b)とを備え、
第1ロータ装置(1a)が、第1外側回転速度によって前記第2軸(y)を軸として傾斜可能であり、第2外側回転速度によって前記第3軸(x)を軸として傾斜可能であり、第2ロータ装置(1b)が、第1外側回転速度によって前記第2軸(y)を軸として傾斜可能であり、第2外側回転速度によって前記第3軸(x)を軸として、第1ロータ装置(1a)に対して逆平行に傾斜可能であり、
第1の連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)が、第1ロータ装置(1a)と第2ロータ装置(1b)とを連結する第1のばね装置(F12)を備え、これにより第2軸(y)を軸とした平行な傾斜が抑制され、第2軸(y)を軸とした逆平行な傾斜が可能になるようにし、
第3軸(x)を軸とした平行な傾斜が抑制され、第3軸(x)を軸とした逆平行な傾斜が可能になるように、第1ロータ装置(1a)と第2ロータ装置(1b)とを連結する第2の連結装置(K1、K2)と、
第2軸(y)を軸とした第1および第2のロータ装置(1a;1b)の逆平行な傾斜を検出するための第1の検出装置(CPX、CNX;CPX′、CNX′)と、
第3軸(x)を軸とした第1および第2のロータ装置(1a;1b)の逆平行な傾斜を検出するための第2の検出装置(CPX、CNX;CPX′、CNX′)と、
を備え、
線形に駆動可能な第2回転速度センサ装置(200;201;202)が、
第1フレーム(R1;R1′;R1″)および第2フレーム(R2;R2′、R2″)を有するフレーム装置(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)を備え、
第2フレーム(R2;R2′;R2″)が、第1フレーム(R1;R1′;R1″)によって少なくとも部分的に取り囲まれ、
第1フレーム(R1;R1′;R1″)が、前記第2軸(y)に沿って振動するように駆動可能であり、第2フレーム(R2;R2′;R2″)が、第2軸(y)に沿って第1フレーム(R1;R1′;R1″)とは逆位相で振動するように駆動可能であり、
第1フレームおよび第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)が、第3外側回転速度によって前記第1軸(z)を軸として前記第3軸(x)に沿って逆位相で振動するように撓み可能であり、
第3軸(x)に沿った第1および第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)の同位相の撓みが抑制され、第3軸(x)に沿った第1および第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)の逆位相の撓みが可能になるように、第1フレーム(R1;R1′;R1″)と第2フレーム(R2;R2′;R2″)とを連結する第3の連結装置(4a、4b;4a′〜4d′、4a″、4b″)と、
第3軸(x)に沿った第1および第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)の逆位相の撓みを検出するための第3の検出装置(EK1,EK2,EK3)とを備えた、
微小機械回転速度センサ装置。
【請求項2】
請求項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記第1および第2のフレーム(R1、R2)が、前記第1軸(z)を軸として前記第1および第2のロータ装置(1a;1b)を逆位相で振動するように駆動するために、第1連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)を介して第1および第2のロータ装置(1a;1b)に連結された、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項3】
請求項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記第1および第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)を駆動するための駆動フレーム装置(RA1、RA2、RA3;RA1″、RA2″)が設けられ、第4のばね装置(F11〜F18;F28〜F35)を介して第1フレーム(R1;R1′;R1″)および第2フレーム(R2;R2′;R2″)に結合された、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項4】
請求項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記駆動フレーム装置(RA1、RA2、RA3;RA1″、RA2″)が、前記第1軸(z)を軸として前記第1ロータ装置および第2ロータ装置(1a;1b)を逆位相で振動するように駆動するために、第1連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)を介して第1ロータ装置および第2ロータ装置(1a;1b)に結合された、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項5】
請求項またはに記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記駆動フレーム装置(RA1、RA2、RA3;RA1″、RA2″)が、第1の駆動フレーム(RA1)と、前記第1フレーム(R1′)の向かい合った側に配置された第2の駆動フレーム(RA2)と、前記第2フレーム(R2′)を取り囲み、第1フレーム(R1′)の上方を部分的に案内されている前記第3駆動フレーム(RA3)とを備え、第1および第2駆動フレーム(RA1、RA2)が、第5のばね装置(6a〜6d)を介して第3駆動フレーム(RA3)に結合された、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項6】
請求項またはに記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記駆動フレーム装置(RA1″、RA2″)が、前記第1フレーム(R1″)および前記第2フレーム(R2″)をU字状に取り囲む第1の駆動フレーム(RA1″)を備え、第1フレーム(R1″)と第2フレーム(RA1″)との間にフォーク状に挿入されている第2の駆動フレーム(RA2″)を備え、第1および第2の駆動フレーム(RA1″、RA2″)が、第6のばね装置(F20、F21)を介して結合された、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記第1連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)が、第1フレーム(R1;R1′;R1″)を第1ロータ装置(1a)に結合する第1のウェブ(S1)と第2のばね装置(F5)とを備え、第1連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)が、第2のウェブ(S2)と第3のばね装置(F6)とを備えた、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項8】
請求項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
前記第1連結装置(S1,F5;S2,F6;SA,SB,F12)が、第1ばね装置(F12)に結合された第3のウェブ(SA)と第4のウェブ(SB)とを有する、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
第2の連結装置(K1,K2)が、第7のばね装置(F1,F2)を介して前記第1および第2のロータ装置(1a、1b)に結合された第1のロッカー(3a)と、第8のばね装置(F3、F4)を介して第1および第2のロータ装置(1a、1b)に結合された第2のロッカー(3b)とを備えた、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
第3の連結装置(4a、4b;4a′〜4d′;4a″、4b″)が、複数のばねを有する第9のばね装置(4a、4b;4a′〜4d′;4a″、4b″)を備えた、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
第1の検出装置(CPY、CNY;CPY′、CNY′)および第2の検出装置(CPX、CNX;CPX′、CNX′)が、前記第1および第2のロータ装置(1a、1b)の下方に配置されたそれぞれの複数の容量性プレート電極を備えた、微小機械回転速度センサ装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の微小機械回転速度センサ装置において、
第3の検出装置(EK1、EK2、EK3)が、前記第1および第2のフレーム(R1、R2;R1′、R2′;R1″、R2″)内に配置された複数の容量性櫛歯電極を備え
た、微小機械回転速度センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小機械回転速度センサ装置および対応する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
任意の微小機械構成要素を使用することもできるが、自動車のための微小機械回転速度センサ装置に基づいて、本発明および本発明の基礎をなる課題を説明する。
【0003】
家庭用電化製品の分野では3軸回転速度センサの使用は一般的であるが、自動車用途では、一般に1軸回転速度センサが使用されている。
【0004】
より複雑な自動車用途では、例えば、自動運転または衛星ベースのナビゲーションのための慣性航法、カメラまたはLIDARに基づいた環境センサによる位置の決定、または2輪車用途においてもロバストな3軸ヨーレートセンサを必要とする。
【0005】
ドイツ特許出願公開第102010062095号明細書および国際公開第96/39615号は、2つのロータ装置を有する2軸回転速度センサ装置を開示しており、これらのロータ装置は逆位相で振動するように駆動可能であり、また第2および第3の軸を軸として非対称に傾斜させることができる。
【0006】
ドイツ特許出願公開第102010061755号明細書は、第1のコリオリ要素、第2のコリオリ要素、第3のコリオリ要素、および第4のコリオリ要素を有する回転速度センサを開示しており、第1のコリオリ要素および第4のコリオリ要素は第2の軸に対して平行に同方向に駆動可能であり、第2の軸は主延在平面に対して平行に、第1の軸に対して垂直に延在しており、第1および第2のコリオリ要素は第2の軸に対して平行に同方向に駆動可能であり、第1および第3のコリオリ要素は第2の軸に対して平行に反対方向に駆動可能である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、請求項1に記載の微小機械回転速度センサ装置および請求項15に記載の対応する製造方法を提供する。
【0008】
好ましい実施形態が、それぞれの従属請求項の対象である。
【0009】
発明の利点
本発明の基礎をなす思想は、共通の駆動機構を介しての1軸回転速度センサと2軸回転速度センサとの結合である。結果として得られる3軸ヨーレートセンサは、外部の線形加速度および回転加速度に対してロバストであり、特に自動車環境における安全関連用途の要件を満たす。
【0010】
3つの測定軸全てに共通の駆動機構を有する本発明による微小機械回転速度センサ装置は、3つの個別の回転速度センサに対していくつかの利点を提供する。1つの駆動機構しかないので、センサコアにおいて駆動構造ならびに接続パッドおよび関連する配線を節約することができる。したがって、1つの駆動制御回路のみを設ければよいので、ASICを小型に構築することもできる。例えば駆動力の寄生クロストークによる相互の影響を回避することができるように、異なる回転速度センサの異なる駆動周波数を回避することは、特に有利である。さらに、パッケージングはより簡単になり、個々の回転速度センサが互いに不整合となる可能性は、本発明による回転速度センサ装置の設計によって排除される。
【0011】
例えば、外力(振動)による(共振)励起またはシステムの機械装置または静電装置における非線形のクロストークにより3軸回転速度センサの誤った信号をもたらす恐れのある干渉モードを回避することができる。これに対して、3つの同一の1軸回転速度センサを使用する場合、全ての回転速度センサは、プロセスに基づいて異なる周波数で同じ干渉モードを有し、これにより、考慮する周波数範囲内の干渉モードの数は3倍になる。したがって、多軸回転速度センサでは、同じ検出構造が1つ以上の測定軸に対して感度を有するように設計することによって、干渉モードをさらに低減することが可能である。
【0012】
好ましい実施形態によれば、回転駆動可能な第1の回転速度センサ装置は、第1の軸を軸として振動するように駆動可能な第1のロータ装置と、第1軸を軸として第1ロータ装置に対して逆位相で振動するように駆動可能な2のロータ装置とを有する。第1ロータ装置は、第1の外側回転速度によって第2の軸を軸として傾斜可能であり、第2の外側回転速度によって第3の軸(x)を軸として傾斜可能であり、第2ロータ装置は、第1外側回転速度によって第2軸を軸として回転可能であり、第2外側回転速度によって第3軸(x)を軸として、第1ロータ装置に対して逆平行に傾斜可能である。第1の連結装置は、第1のばね装置を有し、このばね装置を介して、第1ロータ装置と第2ロータ装置が連結されており、これにより第2軸を軸とした平行な傾斜が抑制され、第2軸を軸とした逆平行な傾斜が可能となる。さらに、第3軸を軸とした平行な傾斜が抑制され、第3軸を軸とした逆平行な傾斜が可能になるように、第1ロータ装置と第2ロータ装置とを連結する第2の連結装置と、第2軸を軸とした第1および第2のロータ装置の逆平行な傾斜を検出するための第1の検出装置と、第3軸を軸とした第1および第2のロータ装置の逆平行な傾斜を検出するための第2の検出装置を設けている。このような第1の回転速度センサ装置は、ロバストに製造することができる。
【0013】
さらなる好ましい実施形態によれば、線形に駆動可能な第2の回転速度センサ装置は、第1フレームおよび第2フレームを有するフレーム装置を備え、第2フレームは、第1フレームによって少なくとも部分的に取り囲まれ、第1フレームは、第2軸に沿って振動するように駆動可能であり、第2フレームは、第2軸に沿って第1フレームとは逆位相で振動するように駆動可能であり、第1フレームおよび第2フレームは、第3の外側回転速度によって、第1軸を軸として第3軸に沿って逆位相で振動するように撓み可能である。さらに、第3軸に沿った第1および第2のフレームの同位相の撓みが抑制され、第3軸に沿った第1および第2のフレームの逆位相の撓みが可能になるように、第1フレームと第2フレームとを連結する第3の連結装置と、第3軸に沿った第1および第2のフレームの逆位相の撓みを検出するための第3の検出装置を設けている。このような第2回転速度センサ装置は、第1回転速度センサ装置に適切に連結することができる。
【0014】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1および第2のフレームは、第1軸を軸として第1および第2のロータ装置を逆位相で振動するように駆動するために、第1の連結装置を介して第1および第2のロータ装置に連結される。このようにして、簡単な線形の連結を実現することができる。
【0015】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1および第2のフレームを駆動するための駆動フレーム装置を設けており、第4のばね装置を介して第1フレームおよび第2フレームに結合している。このようにして、駆動領域を検出領域から効果的に分離することができる。
【0016】
さらなる好ましい実施形態によれば、駆動フレーム装置は、第1軸を軸として第1ロータ装置および第2ロータ装置を逆位相で振動するように駆動するために、第1の連結装置を介して第1ロータ装置および第2ロータ装置に結合している。このようにして、第1回転速度センサ装置も、線形の検出運動から分離される。
【0017】
さらに好ましい実施形態によれば、駆動フレーム装置は、第1の駆動フレームと、第1のフレームの両側に配置された第2の駆動フレームと、第2フレームを取り囲み、第1フレームの上方を部分的に案内されている第3の駆動フレームとを備え、第1および第2の駆動フレームは、第5のばね装置を介して第3の駆動フレームに結合している。これにより、第1および第2のフレームを対称的にクランプすることができる。
【0018】
さらに好ましい実施形態によれば、駆動フレーム装置は、第1フレームおよび第2フレームをU字形に取り囲む第1の駆動フレームを有し、第1フレームと第2フレームとの間にフォーク状に挿入している第2の駆動フレームを有し、第1および第2の駆動フレームは、第6のばね装置を介して結合されている。これにより、製造工程が簡略化される。
【0019】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1の連結装置は、第1フレームを第1ロータ装置に結合する第1のウェブと第2のばね装置とを備え、第1の連結装置は、第2のウェブと第3のばね装置とを備える。このようにして、効果的な線形の連結を達成することができる。
【0020】
さらなる好ましい実施形態によれば、第1連結装置は、第1のばね装置に結合された第3のウェブと第4のウェブとを有する。このようにして、非対称的な挙動に関して効果的な連結を達成することができる。
【0021】
さらに好ましい実施形態によれば、第2の連結装置は、第7のばね装置を介して第1および第2のロータ装置に結合された第1のロッカーと、第8のばね装置を介して第1および第2のロータ装置に結合された第2のロッカーとを有する。このことは、ロータ装置間の結合をさらに改善する。
【0022】
さらに好ましい実施形態によれば、第3の連結装置は、複数のばねを有する第9のばね装置を有する。このようなばねは、製造が容易であり、必要とされる特性に良好に適合させることができる。
【0023】
さらに好ましい発展形態によれば、第1の検出装置および第2の検出装置は、第1および第2のロータ装置の下方に配置されたそれぞれの複数の容量性プレート電極を備える。これにより、ロータ装置の傾斜を確実に検出することができる。
【0024】
さらに好ましい構成によれば、第3の検出装置は、第1および第2のフレーム内に配置された複数の容量性櫛歯電極を備える。このような駆動装置は、特に信頼性があり、ロバストである。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点を、以下に、図面を参照して実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図である。
図2】本発明の第2の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図である。
図3図3のa〜cは、本発明による微小機械回転速度センサ装置のためのばね連結装置を説明するための概略的な平面図である。
図4図4のa〜cは、本発明による微小機械回転速度センサ装置のためのさらなるばね連結装置を説明するための概略的な平面図である。
図5図5のa〜cは、本発明による微小機械回転速度センサ装置のための様々なばね懸吊装置を説明するための概略的な平面図である。
図6】本発明の第3の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図を示す。
図7】本発明の第4の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、同じ参照符号は、同じもしくは機能的に同じ要素を示す。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図である。
【0029】
図1において、参照番号100は、第1の回転速度センサ装置を示し、これは、第2の軸(y軸)を軸とした第1の外側回転の速度および第3の軸(x軸)を軸とした第2の外側回転の速度を検出するために、第1の軸(z軸)を軸として振動するように駆動可能である。第1、第2および第3の軸(z、y、x)は、互いに直角に配置されている。
【0030】
回転駆動可能なこの第1の回転速度センサ装置100は、第1軸(z軸)を軸として振動するように駆動可能な第1のロータ装置1aと、第1ロータ装置1aと逆位相で第1軸(z軸)を軸として振動するように駆動可能な第2のロータ装置1bとを有する。
【0031】
この第1の実施形態では、第1ロータ装置1aおよび第2ロータ装置1bはディスク形状に構成しており、付属の第1および第2の懸吊装置A1a、A1bは、それぞれの中央凹部に配置し、固定している。
【0032】
第1ロータ装置1aは、第1外側回転速度によって第2軸(y軸)を軸として傾斜可能であり、および第2外側回転速度によって第3軸(x軸)を軸として傾斜可能である。第2ロータ装置1bは、第1外側回転速度によって第2軸(y軸)を軸として傾斜可能であり、第2外側回転速度によって第3軸(x軸)を軸として、第1ロータ装置1aに対して逆平行に傾斜可能である。
【0033】
第1および第2のロータ装置1a、1bは、第2軸(y軸)を軸とした平行な傾斜が抑制され、第2軸(y軸)を軸とした逆平行の傾斜が可能になるように、異方性ばね定数に基づいて、第1のばね装置F12を介して連結している。
【0034】
さらに、ばね装置F12は、第1回転速度センサ装置100を第2の回転速度センサ装置200(以下に詳細に説明する)に結合する第1の連結装置の構成要素である。
【0035】
さらに、第1ロータ装置1aおよび第2ロータ装置1bを連結する第2連結装置K1、K2を設けており、これにより同様に第2連結装置K1、K2の異方性ばね定数に基づいて、第3軸(x軸)を軸とした平行な傾斜を抑制し、第3軸(x軸)を軸とした逆平行の傾斜を可能にする。
【0036】
第2連結装置K1、K2は、第1のロッカー3aを有する第1の部分K1を有し、第1ロッカー3aは、両側で、それぞれのばね装置F1、F2を介して第1および第2のロータ装置1a、1bに結合している。第1ロッカー3aは、基板(図示せず)に固定された第1の弾性サスペンションA1を有する。
【0037】
さらに、第2連結装置K1、K2は、第2の部分K2を有しており、それぞれのばね装置F3,F4を介して第1および第2のロータ装置1aに結合された第2のロッカー3bを含む。第2ロッカー3bは、基板(図示しない)に固定された第2の弾性サスペンションA2を有する。
【0038】
第1の検出装置CPY、CNY、CPY′、CNY′は、第2軸(y軸)を軸とした第1および第2ロータ装置1a、1bの逆平行な傾斜を検出する役割を果たす。第2の検出装置CPX、CNX、CPX′、CNX′は、第3軸(x軸)を軸とした第1および第2ロータ装置1a、1bの逆平行な傾斜を検出する役割を果たす。
【0039】
第1検出装置CPY、CNY、CPY′、CNY′および第2検出装置CPX、CNX、CPX′、CNX′は、例えば、図1にそれぞれの円で概略的に示しているように、第1および第2ロータ装置1a、1bの下方に配置したそれぞれ複数の容量性プレート電極を有する。
【0040】
参照番号200は、第1軸(z軸)を軸とした第3の外側回転の速度を検出するために、第2軸(y軸)に沿って線形に振動するように駆動可能な第2の回転速度センサ装置を示し、この第2回転速度センサ装置は、第1軸(z軸)を軸として第1回転速度センサ装置100を振動するように駆動するために第1回転速度センサ装置100に第1の連結装置S1、F5、S2、F6、SA、SB、F12を介して結合しており、上述したように、ばね装置F12は同時に、第1ロータ装置1aと第2ロータ装置1bとの間の連結装置を形成している。
【0041】
上述の線形に駆動可能な第2回転速度センサ装置200は、第1フレームR1および第2フレームR2を有するフレーム装置R1、R2を有し、第2フレームR2は、第1フレームR1によって完全に取り囲まれているか、もしくは第1フレームR1の凹部内に位置している。
【0042】
参照符号ATによって概略的にのみ示す駆動装置によって、第1フレームR1は、第2軸(y軸)に沿って振動するように駆動可能であり、第2フレームR2は、第2軸(y軸)に沿って第1フレームR1とは逆位相で振動するように駆動可能である。符号ABを付した矢印は、第1フレームR1および第2フレームR2のそれぞれの駆動運動を示す。この駆動装置ATは、例えば、それ自体公知の櫛歯電極駆動装置である。
【0043】
第1フレームR1および第2フレームR2は、第1軸(z軸)を軸とした第3外側回転速度によって、第3軸(x軸)に沿って逆位相で変更可能であり、このことは、検出運動として参照符号DBを有する矢印によって示している。
【0044】
第1フレームR1および第2フレームR2は、第3軸(x軸)に沿った第1および第2フレームR1、R2の同位相の撓みが抑制され、第3軸(x軸)に沿った第1および第2フレームR1、R2の逆位相の撓みが可能になるように、第3連結装置を介してばね4a、4bに結合している。これらの特別なばね4a、4b(以下により詳細に説明する)は同様に異方性ばね定数を有する。
【0045】
既に上述したように、第1および第2フレームR1、R2は、第1連結装置S1、F5、S2、F6、SA、SB、F12を介して第1軸(z軸)を軸として第1および第2ロータ装置1a、1bを振動するように駆動するため第1および第2ロータ装置1a、1bに結合しており、ばね装置F12は、同様に好ましくは、第2軸(y軸)を軸として第1および第2ロータ装置1a、1bを逆平行に傾斜させることを可能にする。したがって、駆動装置ATは、第1および第2回転速度センサ装置100、200のための共通の駆動装置としての役割を果たす。
【0046】
この第1連結装置は、特に、第1フレームR1を第1ロータ装置1aに結合する第1のウェブS1およびさらなるばね装置F5と、第1フレームR1を第2ロータ装置1bに結合する第2のウェブS2および第3のばね装置F6とを有する。この例では、第1および第2ウェブS1、S2は、第1フレームR1の短い側に直接に取り付けている。
【0047】
さらに、この第1連結装置は、ばね装置F12を介して第2フレームR2を第1および第2ロータ装置1a、1bに結合する第3のウェブSAおよび第4のウェブSBを有している。
【0048】
第2フレームR2は第1フレームR1によって完全に取り囲まれているので、2つのウェブSA、SBは、少なくとも参照番号5によって示す領域において、第1フレームR1および第2ロッカー3bよりも深い平面に延在している必要がある。このことは、例えば、対応するエッチングされた凹部によって実現することができる。
【0049】
最後に、第3の検出装置EK1、EK2、EK3は、第3軸(x軸)に沿った第1および第2フレームR1、R2の逆位相の撓みを検出するために、第2回転速度センサ装置200に設けている(検出運動DB)。
【0050】
この実施形態では、第3検出装置EK1、EK2、EK3は、第1の複数の容量性櫛歯電極EK1と、第2の複数の容量性櫛歯電極EK2と、第3の複数の容量性櫛歯電極EK3とを有する。
【0051】
第1の複数の容量性櫛形電極EK1および第2の複数の容量性櫛形電極EK2は、第1フレームR1の対応する凹部領域に、第1フレームR1の向かい合った縁部に配置され、第3の複数の容量性櫛形電極EK3は第2フレームR2の凹部内に配置されている。簡略化して示しているので、基板(図示しない)に固定されたそれぞれの容量性の対電極は、図示していない。
【0052】
第1フレームR1および第2フレームR2の質量は、便宜上、等しい大きさであり、幾何学配置は、共通の重心に基づいて、第2軸(y軸)および第3軸(x軸)に対して軸対称である。このような設計では、微小機械回転速度センサ装置は、外側の線形加速度および回転加速度に対して極めてロバストである。すなわち、線形加速度または回転加速度は検出信号を供給しない。
【0053】
図2は、本発明の第2の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図を示す。
【0054】
第2の実施形態では、第1回転速度センサ装置100は、上述した第1実施形態と同様に構成しているが、第2回転速度センサ装置201は、既に説明した第1実施形態の回転速度センサ装置200とは異なっている。
【0055】
線形に駆動可能な第2回転速度センサ装置201は、同様に、上述の第1フレームR1および第2フレームR2に類似して構成した第1フレームR1′および第2フレームR2′を有している。
【0056】
第1実施形態とは対照的に、第3の連結装置4a′〜4d′が第1フレームR1′および第のフレームR2′を介して連結されており、これらは、4つの異方性ばね4a′、4b′、4c′、4d′を有していて、すでに述べたように、好ましくは、第1フレームR1′および第2フレームR2′の非対称的な撓みを可能にする。
【0057】
第1実施形態に加えて、第2実施形態では第1フレームR1′および第2フレームR2′を逆位相で線形に駆動するための駆動フレーム装置RA1、RA2、RA3を設けており、これら駆動フレーム装置は、ばね要素F11〜F18を有する第4のばね装置を介して第1フレームR1′5および第2フレームR2′に結合している。
【0058】
駆動フレーム装置RA1、RA2、RA3は、駆動運動ABの方向にのみ移動可能であり、第1フレームR′および第2フレームR2′は、駆動運動ABの方向および検出運動DBの方向の両方に移動可能である。駆動フレーム装置RA1、RA2、RA3のための駆動装置AT′は、参照符号ATで概略的にのみ示しており、上述のように、例えば静電式の駆動櫛歯によって実現することができる。
【0059】
特に、駆動フレーム装置RA1、RA2、RA3は、第1、第2、第3の駆動フレームRA1、RA2、RA3を有する。第1駆動フレームRA1および第3駆動フレームRA3は、第1フレームR′の狭幅側にU字形に配置している。第3駆動フレームRA3は、第2フレームR2′を取り囲み、5aで示す領域において部分的に第1フレームR′の上方を案内されている。第1駆動フレームRA1および第3駆動フレームRA3は、異方性ばね6a、6b、6c、6dを有する第5のばね装置6a〜6dを介して第2駆動フレームRA2に結合している。
【0060】
上述した第1実施形態とは対照的に、第2の実施形態では、駆動フレーム装置RA1、RA2、RA3は、第1軸(z軸)を軸として第1および第2ロータ装置1a、1bを逆位相で振動するように駆動するために、第1および第2ロータ装置1a、1bに連結装置S1、F5、S2、F6、SA、SB、F12を介して結合している。
【0061】
この場合、ウェブS2、S1は第1もしくは第3の駆動フレームRA3もしくはRA3に結合しており、ウェブSA、SBは第2駆動フレームRA2に結合している。
【0062】
図3a)〜図3c)は、本発明による微小機械回転速度センサ装置のためのばね連結装置を説明するための概略的な平面図である。
【0063】
特に、図3a)〜図3c)は、図2による第3連結装置の異方性ばね4a′〜4d′の拡大図を示す。
【0064】
ばね4a′〜4d′は、第1、第2および第3の弾性的な肉薄のウェブB1、B2、B3とより広幅で堅固な結合ウェブSGとを有する。第1ウェブB1は第1フレームR′に結合し、第3ウェブB3は第2フレームR2′に結合している。第2ウェブB2は、基板(図示しない)に固定されている。図3a)は、撓んでいない状態を示し、図3b)は、駆動運動ABにより撓んだ状態を示し、図3c)は、検出運動DBにより撓んだ状態を示す。
【0065】
図4a)〜図4c)は、本発明による微小機械回転速度センサ装置のためのさらなるばね連結装置を説明するための概略的な平面図である。
【0066】
特に、異方性ばね40は、堅固で広幅なフレームRを有し、これに、第1の弾性的な肉薄のウェブB1′、第2の弾性的な肉薄のウェブB2′および第3の弾性的な肉薄のウェブB3′が連結している。第1弾性ウェブB1′は第1フレームR′に結合しており、第2弾性ウェブB2′は、基板(図示しない)およびフレームRの内部に接続しており、第3弾性ウェブB3′は、第2フレームR2′に結合している。図3b)、c)に類似して、図4b)、c)は、駆動運動ABもしくは検出運動DBにより撓んだ状態を示す。
【0067】
図5a)〜図5c)は、本発明による微小機械回転速度センサ装置のための異なるばね懸吊装置を説明するための概略的な平面図である。
【0068】
図5a)〜図5c)は、特に、第1および第2ロータ装置1a、1bの第1および第2懸吊装置A1a、A1bの3つの異なる構成A′、A″およびA″′を示す図である。
【0069】
第1の構成は、第1の折り畳まれたばねL1を有し、これは、第1軸(z軸)を軸として回転することができ、そして第2軸(y軸)および第3軸(x軸)を軸として傾斜することができる。
【0070】
第2の構成は、異なる折り畳まれたばねL2を有し、これは、上記と同じ機械的特性を有する。
【0071】
第3の構成A1″′は、弾性ばねL3a、L3b、L3cの組みを有し、これらは、湾曲した堅固なアーチ要素RK1、RK2を介して互いに結合されている。この第3の構成A1″′も、第1軸(z軸)を軸として回転し、第2軸(y軸)および第3軸(x軸)を軸として傾斜することができる。
【0072】
これら懸吊装置A′、A″、A″′は、基板(図示せず)の中央に固定している。
【0073】
図6は、本発明の第3の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図である。
【0074】
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、第2回転速度センサ装置202のみが、既に説明した第2回転速度センサ装置200、201と異なる。
【0075】
第1回転速度センサ装置100は、第1および第2の実施形態と同様に構成している。
【0076】
特に、第3実施形態による第2回転速度センサ装置202は、第3の連結装置4a″、4b″(図3a)〜図3c)参照)を介して互いに結合された第1フレームR1″および第2フレームR2″を有する。
【0077】
第1フレームR1″はU字形に構成しており、第2フレームR2″は、第3の連結装置のばね4a″、4b″を介してU字形の凹部で第3連結装置に懸吊している。フレームR1″、R2″は、駆動運動ABの方向および検出運動DBの方向の両方に移動することができる。
【0078】
駆動フレーム装置RA1″、RA2″を設けており、これは、第1の駆動フレームRA1″を有し、これは、第1フレームR1″と第2フレームR2″とをU字形に取り囲んでいる。さらに、第2の駆動フレームRA2″を設けており、これは、第1フレームR1″と第2フレームR2″との間にフォーク状に挿入され、そして第1および第2の駆動フレームRA1″、RA2″は、異方性ばねF20、F21を介して互いに結合している。
【0079】
第1駆動フレームRA1″は、異方性ばねF24、F25、F26、F27を介して基板(図示しない)にさらに結合している。第2駆動フレームRA2″は、ばねF22、F23を介して基板(図示しない)にさらに結合している。第1駆動フレームRA1″および第2駆動フレームRA2″のための駆動装置AT″は、分かりやすくするために概略的にのみ示している。
【0080】
第1駆動フレームRA1″は、ばねF28、F29、F30、F31を介して第1フレームR1″に結合しており、第2駆動フレームRA2″は、ばねF32、F33、F34、F35を介して第2フレームR2″に結合している。
【0081】
この実施形態では、ウェブS1、S2は第1駆動フレームRA1″に結合しており、ウェブSA、SBは第2駆動フレームRA2″に結合している。
【0082】
この第3実施形態では、第1フレームR1″および第1駆動フレームRA1″はU字形であり、したがって、ウェブSA、SBのためにアンダーパス領域(上記の領域5を参照)を設ける必要がなく、これにより、製造が簡略化される。
【0083】
アンダーパス領域5は、ウェブSA、SBと第2ロッカー3bとの間にのみ設ければよい。
【0084】
その他の点では、第3実施形態の機能および構造は、上述の第1および第2の実施形態と同様である。
【0085】
図7は、本発明の第4の実施形態による微小機械回転速度センサ装置を説明するための概略的な平面図を示す。
【0086】
この第4実施形態では、サスペンションA2およびばねF3、F4を有する第2ロッカー3bが省略されており、したがってこの領域においても、アンダーパス領域5を省略することができる。
【0087】
この第4実施形態の利点は、アンダーパスもしくは交差が不可欠ではなく、したがって機械的な層を省略することができることである。
【0088】
しかしながら、第4実施形態では、回転加速度のロバスト性が低下する。それにもかかわらず、質量と共通の重心との間隔が低減しているので、回転加速度に対する感度は、互いにかみ合う部分振動子の場合の方が互いに隣接する部分振動子よりも小さい。
【0089】
好ましい例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、これらに限定されない。特に、言及した材料およびトポロジーは、例示にすぎず、説明した例に限定されない。
【0090】
図示しないさらなる実施形態では、回転質量体に固定され結合された第1のロッカーを、同様に省略することもできるし、あるいはロータ装置間の連結ばね装置を省略することもできる。
【0091】
上記の実施形態に示した第1および第2の回転速度センサ装置の幾何学的形状および対称性は、例示にすぎず、必要に応じて変更することができる。
図1
図2
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図4a)】
図4b)】
図4c)】
図5a)】
図5b)】
図5c)】
図6
図7