(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6910596
(24)【登録日】2021年7月9日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/05 20060101AFI20210715BHJP
E03C 1/042 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
E03C1/05
E03C1/042 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-141154(P2017-141154)
(22)【出願日】2017年7月20日
(65)【公開番号】特開2019-19630(P2019-19630A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】酒井 智美
(72)【発明者】
【氏名】家令 稔
(72)【発明者】
【氏名】和田 翔太郎
【審査官】
津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−203530(JP,A)
【文献】
特開2009−052336(JP,A)
【文献】
特開2010−229757(JP,A)
【文献】
特開2003−253714(JP,A)
【文献】
特開2002−201681(JP,A)
【文献】
実開平05−054672(JP,U)
【文献】
特開2009−299326(JP,A)
【文献】
特開2009−287993(JP,A)
【文献】
特開2013−227764(JP,A)
【文献】
特開平05−287785(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0040405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/05
E03C 1/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知物を検知すると自動で吐水する吐水装置であって、
前記被検知物を検知するセンサと、
給水源からの水を吐水する吐水口と、
前記吐水口から吐水される水の吐水形態を切り替えるための操作部と、を有する本体部と、
前記センサおよび前記操作部からの信号を受けて前記吐水口からの吐水を制御する制御部と、を備え、
前記本体部は、一端が被取付部材に固定され、他端が使用者側である前方側に延伸するとともに、前記本体部の少なくとも一部が略水平方向に延伸する水平方向延伸部を有し、
前記センサは、前記センサの検知領域が前記吐水口よりも前方側となるよう前記水平方向延伸部に設けられ、
前記操作部は、前記本体部の他端であり、使用者と相対する他端面に設けられ、
前記センサは、前記制御部に受信信号値を送信し、
前記制御部は、前記受信信号値が第一閾値よりも大きい場合に前記吐水口からの吐水を開始するように構成され、前記受信信号値が前記第一閾値よりも大きい第二閾値よりも大きい期間中は前記吐水口からの吐水の開始を保留し、
前記制御部は、前記受信信号値が前記第二閾値よりも大きい期間が所定時間継続した場合に、前記吐水口からの吐水開始の保留を解除することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
被検知物を検知すると自動で吐水する吐水装置であって、
前記被検知物を検知するセンサと、
給水源からの水を吐水する吐水口と、
前記吐水口から吐水される水の吐水形態を切り替えるための操作部と、を有する本体部と、
前記センサおよび前記操作部からの信号を受けて前記吐水口からの吐水を制御する制御部と、を備え、
前記本体部は、一端が被取付部材に固定され、他端が使用者側である前方側に延伸するとともに、前記本体部の少なくとも一部が略水平方向に延伸する水平方向延伸部を有し、
前記センサは、前記センサの検知領域が前記吐水口よりも前方側となるよう前記水平方向延伸部に設けられ、
前記操作部は、前記本体部の他端であり、使用者と相対する他端面に設けられ、
前記センサは、前記制御部に受信信号値を送信し、
前記操作部は、前記制御部に操作状況を送信し、
前記制御部は、前記受信信号値が第一閾値よりも大きい場合に前記吐水口からの吐水を開始するように構成され、
さらに前記制御部は、
前記受信信号値が前記第一閾値よりも大きい場合で且つ前記操作部を操作されていない場合は、前記受信信号値に基づいて前記吐水口からの吐水を開始し、
前記受信信号値が前記第一閾値よりも大きい場合で且つ前記操作部を操作されている期間中は、前記吐水口からの吐水を保留することを特徴とする吐水装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作部が操作されている期間中は、前記センサの駆動を停止することを特徴とする請求項2に記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐水口に手を近づけると自動的に吐水する機能を有する吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動的に吐水する吐水装置の一形態として吐水装置の本体部とは別に洗面器やカウンターに操作スイッチを設け、吐水口から吐水される湯水の切替や、手動での吐止水を行うものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−61918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された吐水装置は、自動的に吐水を行うことができるとともに、使用者の使用シーンにあわせて、吐水される水の温度を変更できることや、バケツ等への水汲み作業時に連続的に水を吐水させることができるため、使用シーンにあった吐水を行うことができ、使い勝手の良い吐水装置が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載された吐水装置は、本体部とは別に洗面器やカウンターに吐水形態を変える操作スイッチが設けられているため、デザイン性を向上させる余地がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者の使用シーンあった吐水形態に切り替える操作部を設け、使用者の使い勝手を向上させるとともにデザイン性の高い吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る吐水装置は、被検知物を検知すると自動で吐水する吐水装置であって、被検知物を検知するセンサと、給水源からの水を吐水する吐水口と、吐水口から吐水される水の吐水形態を切り替えるための操作部と、を有する本体部と、センサおよび操作部からの信号を受けて前記吐水口からの吐水を制御する制御部と、を備え、本体部は、一端が被取付部材に固定され、他端が使用者側である前方側に延伸するとともに、本体部の少なくとも一部が略水平方向に延伸する水平方向延伸部を有し、センサは、センサの検知領域が吐水口よりも前方側となるよう水平方向延伸部に設けられ、操作部は、本体部の他端であり、使用者と相対する他端面に設けられることを特徴とする。
【0007】
第一の発明の吐水装置は、被検知物を検知するセンサを設け、自動的に水を吐水することができるとともに、吐水口から吐水される水の吐水形態を切り替えるための操作部を有することで、使用者の使用シーンにあった吐水を行うことができ、使い勝手がよい。さらに、操作部を本体部の他端であり、使用者と相対する他端面に設けることで、被取付部材に別途操作部を設ける必要がなく、デザイン性が低下することを防止できる。また、本体部の他端すなわち最も使用者に近い位置に操作部を配置することで、使用者は操作部までの距離が短くなり、操作性を向上させることができる。
【0008】
第二の発明の吐水装置は、センサは、制御部に受信信号値を送信し、制御部は、受信信号値が第一閾値よりも大きい場合に吐水口からの吐水を開始するように構成され、受信信号値が第一閾値よりも大きい第二閾値よりも大きい期間中は吐水口からの吐水の開始を保留することを特徴とする。
【0009】
操作部を本体部の他端面に設けることでデザイン性を向上させることができるが、操作部を操作するために使用者が手を近づけた際に被検知物を検知するためのセンサが、操作部を操作する手を検知してしまい、吐水口から水が吐水されてしまう恐れがあり、使用者が意図していない吐水が開始され、使用者に不快感を与えてしまう恐れがある。
そこで第二の発明の構成とすることで、制御部は、センサから受け取った受信信号値が第一閾値よりも大きい場合は被検知物があると判断し、吐水口から吐水を開始し、第一閾値よりも大きい第二閾値よりも大きい場合は、操作部への操作と判断し、第二閾値よりも大きい期間中は、吐水口からの吐水を保留することができ、使用者の意図しない吐水を防止することができる。したがって、使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0010】
第三の発明の吐水装置は、制御部は、受信信号値が第二閾値よりも大きい期間が所定時間継続した場合に、吐水口からの吐水開始の保留を解除することを特徴とする。
【0011】
第二の発明のように、受信信号値が第二閾値よりも大きい場合に吐水口からの吐水を保留することで、使用者の意図しない吐水を抑制できるが、吐水装置への手の出し方は使用者によって異なり、本体部に近い位置に差し出す使用者の場合、吐水が保留され続けてしまい、吐水を開始したいにも関わらず、吐水が開始されず、使用者に不快感を与えてしまう恐れがある。
そこで第三の発明の構成とすることで、受信信号値が第二閾値よりも大きい期間が所定時間以上継続した場合に、吐水口からの吐水開始の保留を解除することで、吐水の開始が保留され続けて使用者に不快感を与えてしまうことを抑制できる。
【0012】
第四の発明の吐水装置は、センサは、制御部に受信信号値を送信し、操作部は、制御部に操作状況を送信し、制御部は、受信信号値が第一閾値よりも大きい場合に吐水口からの吐水を開始するように構成され、さらに制御部は、受信信号値が第一閾値よりも大きい場合で且つ操作部を操作されていない場合は、受信信号値に基づいて吐水口からの吐水を開始し、受信信号値が第一閾値よりも大きい場合で且つ操作部を操作されている期間中は、吐水口からの吐水を保留する。
【0013】
第四の発明の構成とすることで、使用者が操作部を操作している場合は、吐水口からの吐水を保留するため、操作部を操作中に吐水が開始され、使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0014】
第五の発明の吐水装置は、制御部は、操作部が操作されている期間中は、センサの駆動を停止することを特徴とする。
【0015】
第五の発明の構成とすることで、操作部が操作されている期間中は、センサの駆動を停止するため、使用者が操作部を操作する手をセンサが検知してしまうことを抑制できる。したがって、使用者の意図しない吐水を防止することができ、使用者に不快感を与えてしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者の使用シーンあった吐水形態に切り替える操作部を設け、使用者の使い勝手を向上させるとともにデザイン性の高い吐水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態にかかる吐水装置の模式図である。
【
図2】本発明の実施形態にかかる吐水装置の概略構成図である。
【
図3】本発明の実施形態にかかる吐水装置の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態にかかる吐水装置の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符合を付して、重複する説明は省略する。なお、以下に示す実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
この吐水装置について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる吐水装置1の模式図である。
図1(a)は、吐水装置1が設けられる手洗い器Lの斜視図である。
図1(b)は、吐水装置1の側面図である。
【0020】
図1(a)および
図1(b)に示すように、吐水装置1は、手洗い器Lに取り付けられる。手洗い器Lは、吐水装置1から吐水された水を受けるボウルLBと、ボウルLBを支持し、ボウルLBの下部に設けられるキャビネットLCと、吐水装置1を取り付ける取付壁LWとを有する。
【0021】
吐水装置1は、給水管100と給水管100から供給される水を吐水する吐水口2と、吐水口2から吐水される水の吐水形態を切り替える操作部3と、後述する被検知物を検知するためのセンサ4とを有する本体部5から構成される。
【0022】
手洗い器Lを使用者が使用する際において、使用者が使用する位置側を前側とし、使用者から離れる方向を後側と定義する。
本体部5は、後側である一端を取付壁LWに固定され、後側から前側である他端に延伸するように構成されている。さらに、本体部5は、後側から前側に延伸する本体部5の少なくとも一部が略水平となるような水平方向延伸部6を有する。
【0023】
次に
図2を参照して吐水装置1の概略の構成を説明する。
図2は、本発明の実施形態にかかる吐水装置1の概略構成図である。
【0024】
図2に示すように、吐水装置1は、吐水口2、操作部3、センサ4、給水管100、開閉弁7、吐水形態切替部8、機能部9、制御部10とから構成される。
【0025】
吐水口2は、給水管100から供給される水を吐水する開口である。操作部3は、使用者が操作部3を接触操作することで、吐水口2から吐水される水の吐水形態を切り替えるものである。センサ4は、被検知物を検知するためのセンサ4である。吐水形態切替部8は、開閉弁7および機能部9とから構成される。開閉弁7は、給水管100に設けられ、給水管100の流路の開閉を行うものである。機能部9は、給水源から供給される水の温度変更することや水質を切り替えるものである。ここでいう水質とは、給水源から供給される水をろ過し、浄水用の水とすることや、殺菌力を持つ水に改質することをいう。
【0026】
制御部10は、センサ4からの受信信号値を受けて、開閉弁7を駆動させることで、吐水口2からの吐水の開始や終了を行う。また、制御部10は、操作部3の操作状況によって、機能部9とセンサ4を動作させるよう構成されている。
【0027】
次に
図3を参照して、吐水口2や操作部3、センサ4の位置関係について説明する。
図3は、本発明の実施形態にかかる吐水装置1の断面図である。
【0028】
図3に示すように、吐水装置1の本体部5の一端は固定部材11によって取付壁LWに固定されている。本体部5は、一端から他端に向けて水平方向に延伸する水平方向延伸部6を有し、水平方向延伸部6に吐水口2およびセンサ4が配置されている。水平方向延伸部6に設けられる吐水口2から吐水される水は、斜め前方側に吐水されるよう構成されている。また、水平方向延伸部6に設けられるセンサ4は、吐水口2よりも前方側に位置し、センサ4の検知エリアが斜め前方側となるよう構成されている。
【0029】
本体部5の他端である前側の端部には、使用者と相対するような他端面12が形成されており、この他端面12に操作部3が配置されている。
【0030】
次に、
図4を参照して吐水装置1の動作を説明する。
図4は、本発明の実施形態にかかる制御フローチャートである。
【0031】
制御部10は、動作が開始されると制御部10内に設けられるカウンタをゼロに設定する(ステップS100)。その後、制御部10は、センサ4を動作させる(ステップS101)。その後、制御部10は、センサ4からの受信信号値(センサ値)が第一閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS102)。
【0032】
制御部10は、ステップS102にてセンサ4からの受信信号値が第一閾値以下であると判断した場合は(S102のNO)、吐水中であるかを判断する(ステップS109)。制御部10はステップS109にて吐水中であると判断した場合は(S109のYES)、吐水を終了すなわち開閉弁7を閉止させて(ステップS110)、スタートに戻る。制御部10は、ステップS109にて吐水中ではないと判断した場合は(S109のNO)、スタートに戻るよう制御される。
【0033】
制御部10は、ステップS102にてセンサ4からの受信信号値が第一閾値よりも大きいと判断すると(S102のYES)、次に、センサ4からの受信信号値が第一閾値よりも大きい第二閾値よりも大きいかを判断する(ステップS103)。
【0034】
制御部10は、ステップS103にてセンサ4からの受信信号値が第二閾値以下であると判断すると(S103のNO)、その後止水中であるかを判断する(ステップS107)。制御部10は、ステップS107にて止水中であると判断すると(S107のYES)、吐水を開始すなわち開閉弁7を開放させて(ステップS108)、スタートに戻る。ステップS107にて止水中ではないと判断すると(S107のNO)、吐水状態を維持し、スタートに戻る制御を行う。
【0035】
ステップS103に戻り、制御部10がステップ103にてセンサ4からの受信信号値が第二閾値よりも大きいと判断すると(S103のYES)、操作部3が操作されている期間中か否かを判断する(ステップS104)。制御部10は、操作部3が操作されている期間中と判断すると(S104のYES)、スタートに戻るように制御される。操作部3が操作されている期間中は、吐水の開始を保留するように構成されている。なお、ここでの操作している期間中とは、使用者が操作部3に接触している期間中に加えて、接触状態から非接触状態へと状態遷移した後の所定の期間中も含んでいる。具体的には、使用者が操作部3から手を離した後も、手は操作部3の近傍に位置しているため、離した手が操作部3から十分に遠ざかるまでに必要な時間(例えば1秒程度)は操作期間中であるとみなす。
【0036】
次に制御部10は、ステップS104にて操作部3が操作されていないと判断すると(S104のNO)、制御部10内のカウンタを1プラスする(ステップS105)。その後、制御部10は、カウンタが10となったか否かを判断する(ステップS106)。
【0037】
制御部10は、ステップS106にてカウンタが10に到達していない場合は(S106のNO)、ステップS101に戻り、ステップS102〜S105の判断に基づいてカウンタが10になるまで継続する。制御部10は、ステップS106にてカウンタが10になったと判断すると(S106のYES)、前述したステップS107以降の制御を行う。なお、カウンタが10になるまでステップS101からS106を継続することでセンサ4からの受信信号値が所定時間以上継続したことと判断し、吐水開始の保留を解除するように構成されている。
【0038】
上述したように、被検知物を検知するセンサ4を設け、自動的に水を吐水することができるとともに、吐水口2から吐水される水の吐水形態を切り替えるための操作部3を有することで、使用者の使用シーンにあった吐水を行うことができ、使い勝手がよい。さらに、操作部3を本体部5の他端であり、使用者と相対する他端面12に設けることで、被取付壁LWに別途操作部3を設ける必要がなく、デザイン性が低下することを防止できる。また、本体部5の他端すなわち最も使用者に近い位置に操作部3を配置することで、使用者は操作部3までの距離が短くなり、操作性を向上させることができる。
【0039】
操作部3を本体部5の他端面12に設けることでデザイン性を向上させることができるが、操作部3を操作するために使用者が手を近づけた際に被検知物を検知するためのセンサ4が、操作部3を操作する手を検知してしまい、吐水口2から水が吐水されてしまう恐れがあり、使用者が意図していない吐水が開始され、使用者に不快感を与えてしまう恐れがある。そこで、制御部10は、センサ4から受け取った受信信号値が第一閾値よりも大きい場合は被検知物があると判断し、吐水口2から吐水を開始し、第一閾値よりも大きい第二閾値よりも大きい場合は、操作部3への操作と判断し、第二閾値よりも大きい期間中は、吐水口2からの吐水を保留することができ、使用者の意図しない吐水を防止することができる。したがって、使用者に不快感を与えることを抑制できる。また、操作部3の操作完了後の所定期間中も操作期間中とみなすことで、操作完了後に操作部3の近傍に留まっている使用者の手をセンサ4が検知しても吐水を保留することができる。
【0040】
制御部10がセンサ4からの受信信号値が第二閾値よりも大きい期間が所定時間以上継続した場合に、吐水口2からの吐水開始の保留を解除することで、吐水の開始が保留され続けて使用者に不快感を与えてしまうことを抑制できる。また、使用者が操作部3を操作している場合は、吐水口2からの吐水を保留するため、操作部3を操作中に吐水が開始され、使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0041】
さらに制御部10は、操作部3が操作されている期間中においてセンサ4の駆動を停止してもよい。この場合、
図4の制御フローチャートにおいて、操作期間中はステップS104に留まるように制御すればよい(ステップS100には戻らない)。このようにすることで、使用者が操作部3を操作する手をセンサ4が検知してしまうことを抑制できる。したがって、使用者の意図しない吐水を防止することができ、使用者に不快感を与えてしまうことを抑制できる。
【0042】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 吐水装置
2 吐水口
3 操作部
4 センサ
5 本体部
6 水平方向延伸部
7 開閉弁
8 吐水形態切替部
9 機能部
10 制御部
11 固定部材
12 他端面
L 手洗い器
LB ボウル
LC キャビネット
LW 取付壁(被取付部材)