(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6910691
(24)【登録日】2021年7月9日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】支持装置
(51)【国際特許分類】
F16F 15/06 20060101AFI20210715BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20210715BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
F16F15/06 G
E04H9/02 331Z
F16F15/04 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-67228(P2021-67228)
(22)【出願日】2021年4月12日
【審査請求日】2021年4月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517357826
【氏名又は名称】株式会社シェルタージャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196106
【弁理士】
【氏名又は名称】杉田 一直
(72)【発明者】
【氏名】矢野 昭彦
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−38617(JP,A)
【文献】
特開平10−213177(JP,A)
【文献】
特開2010−53958(JP,A)
【文献】
実開昭60−110509(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F15/04−15/08
E04H9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に連結された一対の下リンクと、
受台に連結された一対の上リンクと、
前記一対の下リンクと、前記一対の上リンクを連結する一対のジョイントと、
前記一対のジョイントの間に架け渡された防振ユニットを有する防振軸と、を備え、
前記防振ユニットは、第1部材と、前記第1部材に接触する第2部材と、特定引張力が負荷された状態で一端が前記第1部材に接続するとともに、他端が前記第2部材に接続するバネと、を含み、
前記防振軸に前記特定引張力を超える引張力が負荷されたとき、前記第1部材と前記第2部材の接触は解かれて、前記一対のジョイントの間の距離は増加するとともに、前記基台と前記受台の間の距離は減少することを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記防振ユニットは、前記第1部材と前記第2部材に接続する防振ゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材は協働して閉鎖空間を画定することを特徴とする請求項1または2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記第1部材および/または前記第2部材は、前記閉鎖空間に存する空気と外部空間に存する空気が相互に通過できる通過孔が設けられることを特徴とする請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記バネに負荷される前記特定引張力は、通常時に前記防振軸に負荷される引張力を超えるとともに、地震時に前記防振軸に負荷される引張力を超えないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の支持装置。
【請求項6】
前記防振軸を回動することで、前記基台と前記受台の間の距離は変化することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーラーハウス、仮設ハウス等を支持するための支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時に設置される仮設住宅やトレーラーハウス等の仮設施設は、所定の居住性や耐震性能を必要とするため、設営に際しては、地面にコンクリート基礎を敷設して、コンクリートが硬化した後、コンクリート基礎にあらかじめ埋設しておいたアンカーボルトに締結することが好ましい。しかし、これらの仮設施設は、短期間に設営する必要に迫られることや、使用後の撤収や再移動を考慮して、ジャッキやコンクリートブロックで支持する構造が数多く採用されている。
【0003】
ジャッキやコンクリートブロックで仮設施設を支持する支持構造は、地震に対する対策が十分になされていない場合がほとんどであり、支持構造と横ずれが発生する、あるいは仮設施設が支持構造から分離して倒壊する可能性は否定できない。
【0004】
特許文献1では、タイヤを利用した免振基礎構造が提案されている。具体的には、底板の上に立設された鋼管の内部に充填剤が充填されたホイール付のタイヤを複数積み重ねて、その中心部に油圧シリンダーを挿通し、油圧シリンダーの下端を底板に、上端を最上のホイールに固定することで免震機構を構成し、その上部に建物の下端を支える躯体支持部を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録公報第3209447号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で提案されている免振基礎構造は、充填剤が充填された複数個のタイヤを鋼管の中に積み上げる必要があることから、免振基礎構造の規模は大きくならざるを得ない。しかも、積み上げたタイヤの内側に油圧シリンダーを挿通させることから、施工についても必ずしも簡単であるとは言えない。さらに、油圧シリンダーとタイヤで建物を支持することから、建物内での人の移動や強風等に伴い、建物は揺れ動くこととなり、居住環境を悪化させる一因となる。
【0007】
本発明は、これらの問題点に着目してなされたものであり、コンパクトで可搬性に優れ、施工が容易で、しかも通常の使用状態では建物を振動させない防振機能を具備する支持装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための発明は、支持装置であって、基台に連結された一対の下リンクと、受台に連結された一対の上リンクと、一対の下リンクと、一対の上リンクを連結する一対のジョイントと、一対のジョイントの間に架け渡された防振ユニットを有する防振軸を備え、防振ユニットは、第1部材と、第1部材に接触する第2部材と、特定引張力が負荷された状態で一端が第1部材に接続するとともに、他端が第2部材に接続するバネを含み、防振軸に特定引張力を超える引張力が負荷されたとき、第1部材と第2部材の接触は解かれて、一対のジョイントの間の距離は増加するとともに、基台と受台の間の距離は減少することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、防振軸に負荷される張力が第1張力を超えない状態で基台と受台との距離は変化しないことから、支持装置に支持される建物は、防振軸に負荷される張力が第1張力を超えない状態で、揺れ動くことはない。
またこの構成によれば、地震の初動によって建物は衝撃を受けるが、防振軸に負荷される張力が第1張力を超えたとき、基台と受台の間の距離は減少してバネの弾性によって、衝撃を受けた瞬間の建物の急激な変位速度の変化は緩和される。
【0010】
好ましくは、防振ユニットは、第1部材と第2部材に接続する防振ゴムを含むことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、防振ユニットは、第1部材と第2部材に接続する防振ゴムを含むので、バネと防振ゴムの弾性によって、衝撃を受けた瞬間の建物の急激な変位速度の変化は緩和される。また、防振ゴムは変形に伴って急激にバネ定数が大きくなる性質を有しており、大きな衝撃エネルギーを吸収する機能を具備するので、防振ゴムが伸びることで建物が受ける衝撃を緩和できる。さらに、防振ゴムは、金属製のバネと比較して高い減衰機能を具備していることから、建物が衝撃を受けた後の、地震動に起因する振動を早期に減衰できる。
【0012】
好ましくは、第1部材と第2部材は協働して閉鎖空間を画定することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、閉鎖空間に存する空気が減圧されて外部空間から空気が流入することで、第1部材と第2部材は協働して減衰機能を具備できる。
【0014】
好ましくは、第1部材および/または第2部材は、閉鎖空間に存する空気と外部空間に存する空気が相互に通過できる通過孔が設けられることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、通過孔の大きさと位置を適宜選択することで、通過孔から閉鎖空間に流入・流出する空気の速度を適切に管理できて大きな減衰効果を得ることができる。
【0016】
好ましくは、バネに負荷される特定引張力は、通常時に防振軸に負荷される引張力を超えるとともに、地震時に防振軸に負荷される引張力を超えないことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、バネに負荷される特定引張力は、通常時に負荷される引張力を超えるので、通常時においては、建物は揺れることはない。また、地震時に負荷される引張力を超えないので、地震時においては、防振機能を発現する。
【0018】
好ましくは、防振軸を回動することで、基台と受台の間の距離は変化することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、防振軸を回動することで、基台と受台の間の距離は変化するので、高さ調整が簡単にできる。これにより不陸のある地面に設置する場合でも建物を簡単に設営できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】支持装置がトレーラーハウスを支持する正面図である。
【
図2】第1実施形態における支持装置の正面図である。
【
図3】(a)は、第1実施形態における防振ユニットの正面図である。(b)は、同、矢視A−Aの断面図である。
【
図4】(a)は、第2実施形態における防振ユニットの正面図である。(b)は、同、矢視B−Bの断面図である。
【
図5】(a)は、第3実施形態における防振ユニットの正面図である。(b)は、同、矢視C−Cの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1〜3を参照して本発明の第1実施形態を詳述する。
【0022】
図1に示す通り、支持装置1は、地面110に設けられた基礎2の上に載置された状態で、トレーラーハウス100の四隅を支持している。トレーラーハウス100に取り付けられている車輪101は、地面110に設けられた車止102によって回動が拘束されている。車輪101は、地面110に接地した状態で長期間同じ位置に留めておくと、変形が促進されることから、若干、地面110から浮かせた状態とすることが好ましい。本実施形態1において、支持装置1が支持する対象は、トレーラーハウス100であるが、車輪101が取付けられていない仮設ハウスとしてもよい。
【0023】
図2に示す通り、一対の下リンク11a、11bは一対の回動部12a、12bを介して基台10に回動できる状態で連結されている。また、一対の上リンク21a、21bは一対の回動部22a、22bを介して受台20に回動できる状態で連結されている。また、基台10は基礎2に載置され、受台20はトレーラーハウス100を支持している(
図1参照)。
【0024】
下リンク11aと上リンク21aはジョイント30aを介して相互に回動可能となるように連結されている。同様に下リンク11bと上リンク21bはジョイント30bを介して相互に回動可能となるように連結されている。また、ジョイント30a、30bの間に防振軸40が架け渡されている。
【0025】
防振軸40は、第1軸41、第2軸42、および防振ユニット43を有している。第1軸41と第2軸42は、防振ユニット43を介して接続している。第1軸41は、ネジ溝41aが形成されており、またジョイント30aには、ネジ溝41aに螺合するナット(図示略)が取付けられている。また第2軸42はジョイント30bに取り付けられた軸支筒31に軸支されている。軸支筒31は、第2軸42に着装されるスラスト受部45a、45bに挟持されている。第2軸42の端部には防振軸40を回動するためのハンドルを係合する係合部46が設けられている。
【0026】
ハンドルを使用して防振軸40を回動することで、ジョイント30aが進退され、一対のジョイント30a、30b間の間隔が拡大・縮小し、これに伴って、基台10と受台20の間の距離が変化する。
【0027】
図3に示す通り、防振ユニット43は、第1軸41に接続する第1部材51、第2軸42に接続する第2部材52、バネ55、および防振ゴム56で構成されている。
【0028】
第1部材51は、第1軸41に接続する底板61から底板71の方向に向かって一対のガイド板62、62が延びている構造である。第2部材52は、第2軸42に接続する底板71から底板61の方向に向かって一対のスライド板72、72が延びている構造である。ガイド板62は、両側端部にスライド板72の両側端部を挟持するガイド溝63が設けられており、先端は底板71と接触している。これにより、スライド板72は、ガイド溝63が伸びる方向に沿って移動する。また、スライド板72の先端は、自由端となっている。
【0029】
バネ55は、線部材がらせん状に巻かれたコイルバネであり、第1張力T1が付勢された状態で、一端は底板61の中央部と連結するとともに、他端は底板71の中央部と連結している。
【0030】
バネ55を中心として対象になる位置に防振ゴム56が配設されている。防振ゴム56は、自然長の状態で、一端は底板61と連結するとともに、他端は底板71と連結している。すなわち、この状態では、一対のガイド板62,62は第1張力T1と絶対値が同じとなる圧縮力が負荷された状態で底板71と接触している。
【0031】
本実施形態1の防振ユニット43の挙動について説明する。
【0032】
受台20に載荷される荷重の増加に伴って、ガイド板62と底板71の間に作用する圧縮力は徐々に減少する。このとき、バネ55は、第1張力T1が付勢された状態を維持している。この状態では、底板71と底板61の距離はほとんど変化しない。すなわち、受台20に荷重が載荷された状態でも、ガイド板62と底板71の間に圧縮力が作用する状態を維持できれば、受台20と基台10との距離は変化しない。
【0033】
トレーラーハウス100を通常時において使用する場合、発生すると想定される最大の荷重が受台20に載荷されたときに、ガイド板62と底板71の間に圧縮力が作用する状態を維持できるように第1張力T1を設定することで、トレーラーハウス100が、揺れ動くことはない。これにより、通常時において、トレーラーハウス100内で快適に過ごすことができる。
【0034】
地震に起因して、受台20に載荷される荷重がさらに増加すると、ガイド板62と底板71の間に圧縮力は作用しなくなり、ガイド板62と底板71の接触は解かれて、底板71と底板61の距離は増加する。このとき、バネ55と防振ゴム56は共に伸びることで協働して受台20に載荷された荷重に抗して、平衡状態を維持する。
【0035】
地震が継続することで、バネ55と防振ゴム56は共に伸び縮みを繰り返し、これに伴ってトレーラーハウス100は振動する。
【0036】
地震の初動によって、トレーラーハウス100は衝撃を受けるが、バネ55と防振ゴム56の弾性によって、衝撃を受けた瞬間のトレーラーハウス100自体の急激な変位速度の変化は緩和される。また、防振ゴム56は変形に伴って急激にバネ定数が大きくなる性質を有しており、大きな衝撃エネルギーを吸収するので、トレーラーハウス100が受ける衝撃を緩和できる。さらに、防振ゴム56は、金属製のバネに対して高い減衰機能を具備していることから、トレーラーハウス100が衝撃を受けた後の、地震動に起因する振動を早期に減衰できる。
【0037】
本実施形態1では、防振ゴム56は自然長の状態で、底板61、底板71と連結しているが、振動抑制効果を高めることを目的として、若干の張力または圧縮力を付勢した状態、すなわち自然長の状態より若干短い状態、または若干長い状態で底板61、底板71と連結してもよい。
【0038】
図4を参照して、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と実施形態2は、防振ユニットを除いてほぼ同じ構成であることから、主に防振ユニットについて説明する。実施形態1と同一の構成については、同様の符号を付し、異なる構成については200番台の符号を付す。
【0039】
防振ユニット243は、第1軸41に接続する第1部材251、第2軸42に接続する第2部材252、およびバネ255で構成されている。
【0040】
第1部材251は、第1軸41に接続する底板261から底板271の方向に向かって円筒形状の外筒262が延びている構造である。第2部材252は、第2軸42に接続する底板271から底板261の方向に向かって、円筒形状の内筒272が外筒262に内挿する状態で延びている構造である。これにより、内筒272は、外筒262が伸びる方向に沿って移動する。また、内筒272の先端は、自由端となっている。
【0041】
底板261には通過孔256が設けられており、外筒262の先端は底板271と接触している。通過孔256は、閉鎖空間200に存する空気と、外部空間210に存する空気を相互に通過させるための孔である。閉鎖空間200は、第1部材251と第2部材252が協働して画定する空間であり、外部空間210は、閉鎖空間200の外部領域の空間である。
【0042】
本実施形態では、通過孔256は底板261に設けられているが、底板271に設けてもよく、底板261、底板271の双方に設けてもよい。
【0043】
バネ255は、線部材がらせん状に巻かれた4個のコイルバネで構成されており、第1張力T201が付勢された状態で、一端は底板261の外周部と連結するとともに、他端は底板271の外周部と連結している。すなわち、この状態では、外筒262は第1張力T201と絶対値が同じとなる第1圧縮力が負荷された状態で底板271と接触している。内筒272が外筒262の伸びる方向に沿って円滑に移動するために、外筒262は均等な圧縮力が負荷される状態で底板271と接触することが好ましい。
【0044】
本実施形態2の防振ユニット243の挙動ついて説明する。防振ユニット243の挙動は防振ユニット43の挙動と共通する部分が多いことから、主に相違する点について説明する。
【0045】
地震に起因して、受台20に載荷される荷重がさらに増加すると、外筒262と底板271の間に圧縮力は作用しなくなり、底板271と底板261の距離は増加する。このとき、バネ255は伸びることで受台20に載荷された荷重に抗して、平衡状態を維持する。
【0046】
地震が継続することで、バネ255は伸び縮みを繰り返し、これに伴ってトレーラーハウス100は振動する。
【0047】
地震の初動によって、トレーラーハウス100は衝撃を受けるが、バネ255の弾性によって、衝撃を受けた瞬間においては、トレーラーハウス100自体の急激な変位速度の変化は緩和される。また、内筒272の移動に伴って、閉鎖空間200に存する空気と、外部空間210に存する空気は通過孔256を経由して相互に移動する。この通過孔256を通過するときの空気抵抗によって衝撃エネルギーは吸収されるので、トレーラーハウス100が受ける衝撃を緩和できる。さらに、空気が通過孔256を通過するときの減衰効果によって、トレーラーハウス100が衝撃を受けた後の、地震動に起因する振動を早期に減衰できる。
【0048】
図5を参照して、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3は、実施形態1、2とほぼ同じ構成であることから、主に相違する構成について説明する。実施形態1、2と同一の構成については、同様の符号を付し、異なる構成については300番台の符号を付す。
【0049】
バネ355は、線部材がらせん状に巻かれたコイルバネであり、第1張力T301が付勢された状態で、一端は円盤形状の底板261の外周部と連結するとともに、他端は円盤形状の底板271の外周部と連結している。また、防振ゴム356が、一端は底板261の外周部と連結するとともに、他端は底板271の外周部と連結している。バネ355、防振ゴム356は、底板261、271の円の中心と同心の仮想円の上に交互に90度の間隔をあけて配置されている。また、第1部材251と第2部材252の構成は、実施形態2と同様であることから説明は省略する。
【0050】
実施形態3の防振ユニット343は、実施形態1で説明した防振ゴム56の防振効果に加えて、実施形態2で説明した通過孔256を設けることによる効果を奏することができる。すなわち、実施形態1,2と比べて高い防振効果を具備する。
【0051】
本実施形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で改変できることは勿論である。例えば、防振ゴム、バネの個数や配置については、本実施形態1〜3に拘束されるものではない。具体的には、実施形態1において、バネは複数個でもよく、防振ゴムは複数個ではなく1個でもよい。また、バネとバネの間に防振ゴムを配置してもよい。実施形態2において、バネを閉鎖空間に配置してもよい。実施形態3において、防振ゴムを閉鎖空間に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の支持装置は構造物を支持するだけでなく、パンタグラフ式のジャッキとしても用いることができる。ジャッキとして用いる場合、バネが伸長することで支持対象物の過度な上昇を抑制できることから、産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0053】
1:支持装置
10:基台
11a、11b:下リンク
20:受台
21a、21b:上リンク
30a、30b:ジョイント
40:防振軸
43、243、343:防振ユニット
51、251:第1部材
52、252:第2部材
56、356:防振ゴム
200:閉鎖空間
210:外部空間
256:通過孔
T1、T201、T301:特定引張力
【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトで可搬性に優れ、施工が容易で、通常の使用状態では建物を振動させない防振機能を具備する支持装置を提供する。
【解決手段】一対の下リンク11a、11bは一対の回動部12a、12bを介して基台10に回動できる状態で連結されている。一対の上リンク21a、21bは一対の回動部22a、22bを介して受台20に回動できる状態で連結されている。下リンク11aと上リンク21aはジョイント30aを介して相互に回動可能となるように連結されている。下リンク11bと上リンク21bはジョイント30bを介して相互に回動可能となるように連結されている。ジョイント30a、30bの間に防振機能を具備する防振ユニットを有する防振軸40が架け渡されている。ハンドルを使用して防振軸40を回動することで、一対のジョイント30a、30b間の間隔が拡大・縮小し、受台10と基台20の間の距離が変化する。
【選択図】
図2