(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の再生リストが前記第1の再生リストと相違している旨の判定が行われたときにその旨を通知する再生リスト変更通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
前記再生リスト変更通知手段による通知には、前記選曲操作手順・再生リスト保持手段によって保持されている前記選曲操作の手順が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のオーディオ装置。
前記再生リスト比較手段は、前記携帯オーディオ端末の接続が維持された状態で前記第1および第2の再生リストの比較を繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオーディオ装置。
前記再生リスト比較手段は、前記携帯オーディオ端末の接続が解除された後であって再接続されたときに前記第1および第2の再生リストの比較を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオーディオ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたオーディオ装置では、ポータブルオーディオプレイヤから再生リストを取得することができた場合には、オーディオ装置はこの再生リストにしたがって楽曲の再生を行う。このため、接続中に何らかの原因によりポータブルオーディオプレイヤの再生リストが変更されてしまった場合であって、利用者が変更前の再生リストの内容での再生継続を希望する場合には、楽曲の選曲操作をやり直す必要があり、操作が煩雑になるという問題があった。例えば、利用者がポータブルオーディオプレイヤの操作を誤って、楽曲の再生を行う音楽アプリを終了させてしまって再度音楽アプリを起動したときにデフォルトの初期状態として全曲対象の再生が開始される場合が考えられる。何らかの原因により音楽アプリの実行が強制的に終了してしまって再度音楽アプリを起動した場合も同様である。
【0005】
また、接続を解除した状態でポータブルオーディオプレイヤの再生リストが利用者の操作によって変更された場合には、次にオーディオ装置にポータブルオーディオプレイヤを接続して楽曲の再生を行うと、変更された再生リストを用いた楽曲の再生を行うことになるが、利用者が元の再生リストを用いて楽曲の再生を行おうとすると、元の再生リストで楽曲再生を行うために再度一連の選曲操作を行う必要があり、やはり操作が煩雑になるという問題があった。
【0006】
さらに、上述した再生リストの変更に伴う操作の煩雑さは、ポータブルオーディオプレイヤ側の原因によって再生リストが変更された場合だけでなく、オーディオ装置側で再生リストが変更された場合も同じである。例えば、ジャンルやアーティスト、アルバムなどを指定する一連の選曲操作を行って作成された再生リストにしたがって楽曲の再生を開始した後、同様の手順を繰り返して作成された別の再生リストにしたがって楽曲の再生を開始したが、この楽曲が利用者の好みに合わない等の理由により最初の再生リストに戻って再生を行いたい場合がある。このような場合に最初の再生リストを作成した一連の操作をやり直す必要があり、操作が煩雑になる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、携帯オーディオ端末と連携して楽曲の再生を行う場合に以前の再生状態に簡単な操作で戻すことができるオーディオ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のオーディオ装置は、接続されている携帯オーディオ端末に格納された複数の楽曲に対応するオーディオデータを再生リストにしたがって読み出して楽曲の再生を行うオーディオ装置であって、利用者の選曲操作にしたがって、再生対象となる複数の楽曲を選択して楽曲の再生順番を指定する再生リストを作成する選曲手段と、再生リストを第1の再生リストとして選曲操作の手順とともに保持する選曲操作手順・再生リスト保持手段と、選曲手段によって作成された再生リストを携帯オーディオ端末に送って、再生対象となる楽曲の再生順番を指定する再生順番指定手段と、利用者によって楽曲の再生指示がなされたときに、携帯オーディオ端末が保持する再生リストにしたがって再生対象となる楽曲のオーディオデータを携帯オーディオ端末から読み出して再生する再生手段と、携帯オーディオ端末が保持する再生リストとしての第2の再生リストと、選曲操作手順・再生リスト保持手段が保持する第1の再生リストとを比較し、これら2つの再生リストの異同を判定する再生リスト比較手段と、第2の再生リストが第1の再生リストと相違している旨の判定が行われたときであって、利用者による所定の操作が行われたときに、第1の再生リストにしたがった楽曲の再生を再生手段に指示する再生復帰手段とを備えている。これにより、携帯オーディオ端末の再生リストが変更された場合に、オーディオ装置において行われる簡単な所定の操作で、変更前の再生リストを用いた再生状態に戻すことが可能となる。特に、所定の操作を1回の操作とすることにより、最も簡単な操作で以前の再生状態に戻すことが可能となる。
【0009】
また、上述した第2の再生リストが第1の再生リストと相違している旨の判定が行われたときにその旨を通知する再生リスト変更通知手段をさらに備えることが望ましい。これにより、再生リストが変更されたことを利用者が知ることができるため、通知を受けたタイミングで迅速に再生状態を変更することが可能となる。
【0010】
また、上述した再生リスト変更通知手段による通知には、選曲操作手順・再生リスト保持手段によって保持されている選曲操作の手順が含まれていることが望ましい。これにより、元の再生状態に対応する再生リストの内容を知ることができる。
【0011】
また、上述した再生リスト比較手段は、携帯オーディオ端末の接続が維持された状態で第1および第2の再生リストの比較を繰り返し行うことが望ましい。これにより、楽曲再生中に携帯オーディオ端末が誤操作されたり、何らかの異常により携帯オーディオ端末側で再生リストが変更された場合に、変更前の再生状態に容易に戻すことができる。
【0012】
また、上述した再生リスト比較手段は、携帯オーディオ端末の接続が解除された後であって再接続されたときに第1および第2の再生リストの比較を行うことが望ましい。これにより、接続を解除した状態で携帯オーディオ端末の再生内容を変更した場合であっても、次にオーディオ装置に携帯オーディオ端末を接続した際に接続解除前の再生状態に容易に戻すことができる。
【0013】
また、上述した選曲手段は、使用者の再度の選曲操作にしたがって第1の再生リストとは異なる第3の再生リストを作成し、再生順番指定手段は、選曲手段によって作成された第3の再生リストを携帯オーディオ端末に送って、再生対象となる楽曲の再生順番を指定し、再生手段は、利用者によって楽曲の再生指示がなされたときに、携帯オーディオ端末が保持する第3の再生リストにしたがって再生対象となる楽曲のオーディオデータを携帯オーディオ端末から読み出して再生し、再生復帰手段は、第3の再生リストにしたがって再生手段による再生が行われているときであって、利用者による所定の操作が行われたときに、第1の再生リストにしたがった楽曲の再生を再生手段に指示することが望ましい。これにより、オーディオ装置を用いた選曲操作を再度行って新たな再生リストが作成されて楽曲の再生が行われた場合であっても、簡単な操作により、元の再生リストにしたがった楽曲の再生状態に戻すことが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のオーディオ装置を適用した一実施形態の車載用オーディオシステムについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の車載用オーディオシステムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の車載用オーディオシステムは、相互に無線通信によって接続された車載オーディオ装置100と携帯オーディオ端末200とを含んで構成されている。例えば、これらの間を接続する無線通信としてはブルートゥース(登録商標)方式が用いられる。車載オーディオ装置100は、携帯オーディオ端末200から再生対象の楽曲に関する付属情報としての曲情報を取得することにより再生対象となる楽曲を選択する選曲処理を行うとともに、携帯オーディオ端末200から送信される楽曲再生に必要なオーディオデータを受信して楽曲再生を行うことが可能となる。曲情報には、各楽曲の曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンルなどが含まれる。なお、車載オーディオ装置100と携帯オーディオ端末200との間の接続は、ブルートゥース以外の無線通信によって行ったり、USBケーブルを介して行うなど他の方法を用いるようにしてもよい。
【0017】
図2は、車載オーディオ装置100の構成を示す図である。
図2に示すように、車載オーディオ装置100は、制御部110、通信インタフェース部(通信I/F)120、オーディオ処理部130、増幅器132、スピーカ134、表示処理部140、表示部142、操作部150、再生情報格納部160を備えている。この車載オーディオ装置100としては、楽曲再生に関する機能のみを有する場合の他、車載ナビゲーション装置やラジオ受信機、地上波デジタル放送受信機等の機能を併せ持つ場合が考えられる。
【0018】
制御部110は、車載オーディオ装置100の全体を制御する。この制御部110は、CPUおよびRAM、ROM等によって構成されており、所定のプログラムを実行することにより各種の動作を行う。制御部110の詳細については後述する。
【0019】
通信インタフェース部120は、ブルートゥース方式によって携帯オーディオ端末200との間で無線接続を行って各種データの送受信を行う通信装置(ブルートゥース機器)である。本実施形態では、ブルートゥース方式による無線通信に必要なハードウエアがこの通信インタフェース部120によって実現され、ソフトウエアが制御部110によって実現されている。
【0020】
オーディオ処理部130は、携帯オーディオ端末200から送られてきたオーディオデータを用いて楽曲再生を行うためのものであり、データ形式毎の音声復号処理等を行ってオーディオ信号を出力する。このオーディオ信号は、増幅器132によって増幅され、スピーカ134から出力される。なお、実際には、2チャンネルあるいはそれ以上のチャンネル数のオーディオ信号が再生されて出力されるが、
図2に示す構成では、簡略化して1つの増幅器132と1つのスピーカ134が図示されている。
【0021】
表示処理部140は、再生対象となる楽曲を選択する選曲処理を行う選曲画面や、再生中の楽曲に関する情報(曲情報)を表示するためのものであり、制御部110によって作成されたこれらの画像をLCD等の表示部142に表示する。操作部150は、利用者による選曲操作等の各種操作を受け付けるためのものであり、各種のスイッチや操作つまみ等が備わっている。本実施形態では、表示部142の画面に重ねて配置されるタッチパネルを用いて操作部150が構成されているものとする。また、リモートコントロールユニット等を用いて操作部150を構成するようにしてもよい。
【0022】
再生情報格納部160は、携帯オーディオ端末200から取得した曲情報(各楽曲の曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンルなど)や、曲情報を用いた選曲処理の結果作成された再生リストなど、広く楽曲の再生に必要な各種の情報を格納する。
【0023】
次に、制御部110について説明する。
図2に示すように、制御部110は、選曲処理部111、再生順番指定部112、再生処理部113、再生リスト比較部114、再生リスト変更通知部115、再生復帰処理部116を含んで構成されている。
【0024】
選曲処理部111は、利用者の選曲操作にしたがって選曲処理を行い、再生対象となる複数の楽曲を選択して楽曲の再生順番を指定する再生リストを作成する。この選曲処理は、ジャンルやアーティスト名、アルバム名を順番に選択して選曲対象となる一連の楽曲を決定するためのものであり、ジャンルやアーティスト名などが選択肢に含まれる選曲画面が表示部142に表示された状態で、利用者が再生を希望するジャンル等を順番に選択することにより、最終的に再生対象となる複数の楽曲が決定され、これら複数の楽曲が含まれる再生リストが作成される。例えば、アーティスト名が選択された後一のアルバム名が選択されてこのアルバムに含まれる複数の楽曲が再生対象として決定されると、この選択されたアルバムに含まれる複数の楽曲とそれらの再生順番とが特定された再生リストが作成される。また、アーティスト名が選択されてこのアーティストに対応する全ての楽曲が再生対象として決定されると、この選択されたアーティストに対応する全ての楽曲とそれらの再生順番とが特定された再生リストが作成される。作成された再生リスト(第1の再生リスト)と、この再生リストの作成に至った選曲操作の手順とが、選曲処理部111によって再生情報格納部160に格納される。
【0025】
再生順番指定部112は、選曲処理部111によって作成された再生リストを携帯オーディオ端末200に送って、再生対象となる楽曲の再生順番を指定する。
【0026】
再生処理部113は、選曲処理部111による選曲処理の後、利用者によって楽曲の再生指示がなされたときに、携帯オーディオ端末200が保持する再生リストにしたがって、再生対象となる楽曲のオーディオデータを携帯オーディオ端末200から読み出す。このオーディオデータは、オーディオ処理部130に入力され、対応する楽曲の再生が行われる。
【0027】
再生リスト比較部114は、携帯オーディオ端末200が保持する再生リスト(第2の再生リスト)と、再生情報格納部160に格納された再生リスト(第1の再生リスト)とを比較し、これら2つの再生リストの異同を判定する。
【0028】
再生リスト変更通知部115は、再生リスト比較部114によって第2の再生リストが第1の再生リストと相違している旨の判定が行われたときにその旨を通知する。例えば、この通知は、表示部142に所定のメッセージを表示することにより行われ、このメッセージには、再生情報格納部160に格納されている、第1の再生リストの作成に至った「選曲操作の手順」が含まれている。
【0029】
再生復帰処理部116は、再生リスト比較部114によって第2の再生リストが第1の再生リストと相違している旨の判定が行われたときであって、利用者による所定の操作(復帰操作)が行われたときに、第1の再生リストにしたがった楽曲の再生を再生処理部113に指示する。
【0030】
上述した選曲部111が選曲手段に、再生情報格納部160が選曲操作手順・再生リスト保持手段に、再生順番指定部112が再生順番指定手段に、再生処理部113、オーディオ処理部130が再生手段に、再生リスト比較部114が再生リスト比較手段に、再生復帰処理部116が再生復帰手段に、再生リスト変更通知部115が再生リスト変更通知手段にそれぞれ対応する。
【0031】
図3は、携帯オーディオ端末200の構成を示す図である。
図3に示すように、携帯オーディオ端末200は、制御部210、通信インタフェース部(通信I/F)220、オーディオ処理部230、増幅器232、スピーカ234、表示処理部240、表示部242、操作部250、楽曲格納部260を備えている。
【0032】
制御部210は、携帯オーディオ端末200全体を制御する。この制御部210は、CPUおよびRAM、ROM等によって構成されており、所定のプログラムを実行することにより各種の動作を行う。
【0033】
通信インタフェース部220は、ブルートゥース方式によって車載オーディオ装置100との間で無線接続を行って各種データの送受信を行う通信装置である。本実施形態では、ブルートゥース方式による無線通信に必要なハードウエアがこの通信インタフェース部220によって実現され、ソフトウエアが制御部210によって実現されている。
【0034】
オーディオ処理部230は、楽曲格納部260に記憶されているオーディオデータを再生するためのものであり、データ形式毎の音声復号処理等を行ってオーディオ信号を出力する。このオーディオ信号は、増幅器232によって増幅され、スピーカ234から、あるいはスピーカ234の代わりに接続されたイヤホン(図示せず)から出力される。
【0035】
表示処理部240は、車載オーディオ装置100から送られてくる再生リストの内容を表示したり、再生対象となる楽曲を選択する選曲処理を行う選曲画面や、再生中の楽曲に関する情報(曲情報)を表示するためのものであり、制御部210によって作成されたこれらの画像をLCD等の表示部242に表示する。操作部250は、利用者による各種操作を受け付けるためのものであり、各種のスイッチや操作つまみ等が備わっている。なお、表示部242の画面に重ねて配置されるタッチパネルを用いて操作部250を構成するようにしてもよい。
【0036】
楽曲格納部260は、複数の楽曲について、各楽曲の再生に必要なオーディオデータと、各楽曲の楽曲に関する付属情報としての曲情報(各楽曲の曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンルなど)を格納する。また、楽曲情報格納部260は、車載オーディオ装置100から送られてくる再生リストや、携帯オーディオ端末200において作成あるいは返送された再生リストを格納する。
【0037】
ところで、携帯オーディオ端末200は、単独で動作するオーディオプレーヤとしての機能を有しており、再生リスト(車載オーディオ装置100から送られてくるものを用いる場合の他、携帯オーディオ端末200において利用者の選曲操作に応じて作成、変更した再生リストを用いる場合がある)にしたがって、楽曲格納部260からオーディオデータを読み出してオーディオ処理部230に入力して楽曲の再生を行ったり、再生中の楽曲に対応する曲情報の内容を表示処理部240によって表示部242に表示することができる。
【0038】
これに加えて、車載オーディオ装置100と携帯オーディオ端末200は互いに連係して動作する機能を有しており、車載オーディオ装置100からの指示に応じて携帯オーディオ端末200から各楽曲のオーディオデータや曲情報を車載オーディオ装置100に送信し、車載オーディオ装置100において楽曲の再生や曲情報の表示を行うことができる。この機能は、例えば、車載オーディオ装置100および携帯オーディオ端末200のそれぞれが、ブルートゥース端末の音楽フォルダのフォルダ構成(フォルダー名、トラック名などの曲情報)の取得に対応したAVRCPver1.4に対応し、ブラウジング機能をサポートすることにより実現することができる。これにより、車載オーディオ装置100の制御部110内の再生処理部113は、携帯オーディオ端末200から各楽曲のオーディオデータを取得することが可能となる。
【0039】
本実施形態の車載用オーディオシステムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
【0040】
車載オーディオ装置200において選曲操作を行って再生対象の楽曲を特定して再生開始が指示されたときに、車載オーディオ装置100において作成された再生リストが携帯オーディオ端末200に送られ、以後、携帯オーディオ端末200から再生リストにしたがって送られてくるオーディオデータを受信して車載オーディオ装置100において楽曲の再生が行われる。その後、携帯オーディオ端末200が保持する再生リスト(第2の再生リスト)の内容が、車載オーディ装置100が保持する再生リスト(第1の再生リスト)の内容と相違する事態が生じると、それ以後の車載オーディオ装置100における楽曲の再生は、携帯オーディオ端末200が保持する再生リスト(第2の再生リスト)の内容にしたがって行われることになるが、本実施形態では、このような第1および第2の再生リストの内容相違が利用者に通知されるとともに、簡単な操作で、以前のように第1の再生リストにしたがった再生動作に復帰することができる。
【0041】
図4および
図5は、車載オーディオ装置100において楽曲の再生を開始した後に第1および第2の再生リストの内容相違が生じた場合の動作手順を示す流れ図である。
【0042】
車載オーディ装置100が起動されると、選曲処理部111は、携帯オーディオ端末200が接続されているか否かを判定する(ステップ100)。接続されていない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、携帯オーディオ端末200が接続されている場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われる。
【0043】
次に、選曲処理部111は、接続されている携帯オーディオ端末200から、楽曲格納部260に格納されている曲情報(各楽曲の曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンルなど)を取得する(ステップ102)。
【0044】
次に、選曲処理部111は、再生対象となる楽曲を選択する選曲操作が利用者によってなされたか否かを判定する(ステップ104)。例えば、この選曲操作は、利用者が操作部150を操作することにより、ジャンル、アーティスト名、アルバム名を順番に選択して行われる。選曲操作が行われない場合にはステップ104の判定において否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、選曲操作が行われた場合にはステップ104の判定において肯定判断が行われる。
【0045】
次に、選曲処理部111は、利用者の選曲操作に対応する選曲処理を行い(ステップ106)、再生対象となる複数の楽曲とその再生順番が少なくとも含まれる再生リストを作成する(ステップ108)。作成された再生リスト(再生対象となる複数の楽曲のリスト)は、表示部142に表示される。
【0046】
次に、再生処理部113は、利用者によって再生リストで示された楽曲の再生が指示されたか否かを判定する(ステップ110)。指示がない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、操作部150を用いて利用者によって楽曲の再生が指示されるとステップ110の判定において肯定判断が行われる。
【0047】
次に、再生順番指定部112は、選曲処理部111によって作成された再生リストを携帯オーディオ端末200に送って再生リストの同期をとって、再生対象となる楽曲の再生順番を指定する(ステップ112)。また、選曲処理部111は、作成した再生リスト(第1の再生リスト)を、この再生リストを作成する際の選曲操作の手順とともに再生情報格納部160に格納する(ステップ114)。
【0048】
その後、再生処理部113は、再生リストにしたがった順番で携帯オーディオ端末200から送られてくるオーディオデータを受け取ってオーディオ処理部130に入力し、再生リストの順番で楽曲の再生を行う(ステップ116)。
【0049】
このような再生動作と並行して、再生処理部113は、携帯オーディオ端末200との間の接続が解除されたか否かを判定する(ステップ118)。接続が解除されない場合には否定判断が行われる。次に、選曲処理部111は、次の選曲操作が行われたか否かを判定する(ステップ120)。ここで、「次の選曲操作」とは、その時点における再生リストとは内容が異なる再生リストが作成されるような楽曲を選択するための選択操作の意味である。例えば、あるアルバムに対応する複数の楽曲が含まれる再生リストにしたがった楽曲再生が行われているときに、これら複数の楽曲以外の楽曲の再生を希望する利用者が、新たにジャンルやアーティスト名などを選択する操作が次の選曲操作に該当する。次の選曲操作が行われない場合にはステップ120の判定において否定判断が行われる。
【0050】
次に、再生リスト比較部114は、その時点で携帯オーディオ端末200が保持している再生リスト(第2の再生リスト)と、ステップ114において再生情報格納部160に格納された再生リスト(第1の再生リスト)とを比較し(ステップ122)、同じであるか否かを判定する(ステップ124)。同じである場合には肯定判断が行われ、ステップ116に戻って楽曲の再生動作が継続される。また、第1および第2の再生リストが異なる場合(例えば、利用者の誤操作等により携帯オーディオ端末200側の再生リストが変更あるいはデフォルト状態にリセットされた場合など)にはステップ124の判定において否定判断が行われる。
【0051】
次に、再生リスト変更通知部115は、第1および第2の再生リストの内容が相違している旨の通知として、例えば、再生情報格納部160に格納されている、復帰情報としての「選曲操作の手順」と、復帰ボタンとを表示する(ステップ126)。
【0052】
図6は、復帰情報と復帰ボタンの一例を示す図である。
図6において、Rは復帰情報の通知であることを示す所定のマークを示している。また、Mは復帰情報としての「選曲操作の手順」であり、この例の「Rock→Album2→Track2−1」は、最初にジャンルとして「Rock」が選択され、次にアルバム名として「Album2」が選択され、最後にこのアルバム内の「Track2−1」の楽曲が選択されたことを示している。この復帰情報を見ることにより、利用者は、前回の選曲操作の内容を思い出すことができる。また、Bは復帰ボタンを示している。この復帰ボタンを選択(タッチパネルの場合には押下)することにより、復帰情報Mで示された各段階での選択操作を自動的に(利用者が実際に操作部150を操作することなく)実行することが可能となる。これらのマークR、復帰情報M、復帰ボタンBは、再生中の楽曲の再生画面に重ねて表示される。
【0053】
次に、復帰処理部116は、復帰ボタンBが利用者によって押下(タッチパネルの場合)されたか否かを判定する(ステップ128)。押下されない場合には否定判断が行われ、ステップ116に戻って楽曲の再生動作が継続される。また、復帰ボタンBが押下された場合にはステップ128の判定において肯定判断が行われる。この場合には、復帰処理部116は、復帰情報Mで示された各段階での選択操作と同等の処理(復帰処理)を行い、車載オーディオ装置100が保持している第1の再生リストにしたがった楽曲の再生を再生処理部113に指示する(ステップ130)。以後、ステップ112に戻って再生リストの同期処理以降の処理が繰り返される。
【0054】
また、携帯オーディオ端末200との間の接続状態が解除された場合にはステップ118の判定において肯定判断が行われる。次に、再生処理部113は、楽曲の再生動作を中断する(ステップ132)。次に、再生リスト比較部114は、携帯オーディオ端末200との接続が再開されたか否かを判定する(ステップ134)。接続が切断された状態を維持している場合には否定判断が行われ、ステップ132に戻って楽曲の再生動作の中断状態が継続される。また、携帯オーディオ端末200が再接続された場合にはステップ134の判定において肯定判断が行われる。この場合にはステップ122に移行し、再生リストの比較動作以降が繰り返される。携帯オーディオ端末200の接続が解除されてから再接続されるまでの間に、利用者がその時点の再生リストに含まれない楽曲を聴きたくなって新たな選曲操作を行ったり、誤って再生リストの初期化を行ったりして、携帯オーディオ端末200において再生リストが変更されると、ステップ124の再生リストの異同判定において否定判断が行われることになり、さらにステップ126の復帰情報と復帰ボタンを表示する動作が行われることになる。
【0055】
また、「次の選曲操作」が行われた場合にはステップ120の判定において肯定判断が行われる。この場合には、選曲処理部111は、利用者の新たな選曲操作に対応する選曲処理を行い(ステップ136)、再生対象となる複数の楽曲とその再生順番が少なくとも含まれる新たな再生リスト(第3の再生リスト)を作成する(ステップ138)。作成された再生リストは、表示部142に表示される。
【0056】
次に、再生処理部113は、利用者によって新たな再生リストで示された楽曲の再生が指示されたか否かを判定する(ステップ140)。指示がない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、操作部150を用いて利用者によって楽曲の再生が指示されるとステップ140の判定において肯定判断が行われる。
【0057】
次に、再生順番指定部112は、選曲処理部111によって作成された新たな再生リストを携帯オーディオ端末200に送って再生リストの同期をとって、再生対象となる新たな楽曲の再生順番を指定する(ステップ142)。また、選曲処理部111は、1つ前の再生リスト(第1の再生リスト)とこれに対応する選曲操作の手順を退避(例えば、再生情報格納部160の退避領域に格納する)するとともに(ステップ144)、今回新たに作成した再生リスト(第3の再生リスト)を、この新たな再生リストを作成する際の選曲操作の手順とともに再生情報格納部160に格納する(ステップ146)。
【0058】
次に、再生リスト比較部114は、その時点で携帯オーディオ端末200が保持している再生リスト(第2の再生リスト)と、ステップ146において再生情報格納部160に新たに格納された再生リスト(第3の再生リスト)とを比較し(ステップ148)、同じであるか否かを判定する(ステップ150)。同じである場合には肯定判断が行われ、再生リスト変更通知部115は、ステップ144において退避した第1の再生リストを用いた再生動作に復帰するための復帰情報としての「選曲操作の手順」と、復帰ボタンとを表示する(ステップ152)。これらの「選曲操作の手順」と復帰ボタンは、ステップ126で表示される「選曲操作の手順」と復帰ボタンと異なる表示態様で表示することが望ましい。その後、ステップ126に移行して復帰ボタンの押下判定が行われる。そして、復帰ボタンが押下された場合には、第3の再生リストにしたがった楽曲の再生動作から元の第1の再生リストにしたがった楽曲の再生動作に復帰する。
【0059】
また、第2の再生リストと第3の再生リストの内容が相違する場合(携帯オーディオ端末200において再生リストが変更されたり初期化された場合など)にはステップ150の判定において否定判断が行われる。この場合にはステップ126に移行し、新たに作成された第3の再生リストにしたがった楽曲の再生動作に復帰するための一連の処理が行われる。
【0060】
図7は、楽曲再生中に携帯オーディオ端末200側の再生リストが変更された場合の動作の概要を示す図である。
【0061】
利用者が「Album1」を聴くために選曲操作を行うと、車載オーディオ装置100と携帯オーディオ端末200との間で再生リストが同期し、楽曲の再生が開始される。その後、例えば携帯オーディオ端末200側において再生リストが初期化されると、この初期化された再生リストにしたがって楽曲の再生が継続される。この場合に、車載オーディオ装置100で保持されている再生リスト(第1の再生リスト)と携帯オーディオ端末200で保持されている再生リスト(第2の再生リスト)とが相違することになるため、車載オーディオ装置100において復帰ボタンが表示され、この復帰ボタンが利用者によって押下されると元の第1の再生リストにしたがった楽曲の再生動作に復帰することができる。
【0062】
図8は、車載オーディオ装置100による楽曲の再生後、一旦携帯オーディオ端末200の接続を解除し、再接続を行って車載オーディオ装置100による再生動作を再開する場合の動作の概要を示す図である。
【0063】
車内では、利用者によってジャンル「Rock」、アルバム「Album2」が選択されて車載オーディオ装置100における楽曲の再生が行われ、家に帰ってからは、ジャンル「Classic」、アルバム「Album1」が選択されて携帯オーディオ端末200における楽曲の再生が行われる。この場合に、再度携帯オーディオ端末200を車載オーディオ装置100に接続すると、接続解除前に車載オーディオ装置100が保持していた再生リスト(Album2に対応する第1の再生リスト)と、接続再開後に携帯オーディオ端末200が保持している再生リスト(Album1に対応する第2の再生リスト)とが相違することになるため、車載オーディオ装置100において復帰ボタンが表示され、この復帰ボタンが利用者によって押下されると元の第1の再生リストにしたがった楽曲の再生動作に復帰することができる。
【0064】
図9は、車載オーディオ装置100において複数回の選曲操作が行われた場合の動作の概要を示す図である。
【0065】
利用者が「Album1」を聴くために選曲操作を行ってこのAlbum1の楽曲を再生中に、利用者は、別の「Album1」を聴くために新たな選曲操作を行うものとする。このような選曲操作に対応して再生リストが第1の再生リストから第3の再生リストに変更され、これらの内容が相違することになるため、車載オーディオ装置100において復帰ボタンが表示され、この復帰ボタンが利用者によって押下されると1つ前の選曲操作に対応した第1の再生リストにしたがった楽曲の再生動作に復帰することができる。
【0066】
このように、本実施形態の車載オーディオ装置100では、携帯オーディオ端末200の再生リストが変更された場合に、車載オーディオ装置100において行われる簡単な所定の操作で、変更前の再生リストを用いた再生状態に戻すことが可能となる。特に、所定の操作を1回の操作(復帰ボタンの押下)とすることにより、最も簡単な操作で以前の再生状態に戻すことが可能となる。
【0067】
また、携帯オーディオ端末200側の再生リスト(第2の再生リスト)が車載オーディオ装置100側の再生リスト(第1の再生リスト)と相違している場合にその旨を通知することにより、再生リストが変更されたことを利用者が知ることができるため、通知を受けたタイミングで迅速に再生状態を変更することが可能となる。特に、この通知に、最初の再生リストによる楽曲再生を再現するための「選曲操作の手順」を含ませることにより、元の再生リストの内容を知ることができる。
【0068】
また、携帯オーディオ端末200の接続が維持された状態で第1および第2の再生リストの比較(ステップ122の比較動作)を繰り返し行うことにより、楽曲再生中に携帯オーディオ端末200が誤操作されたり、何らかの異常により携帯オーディオ端末200側で再生リストが変更された場合に、変更前の再生状態に容易に戻すことができる。
【0069】
また、携帯オーディオ端末200の接続が解除された後であって再接続されたとき(ステップ134で肯定判断)に第1および第2の再生リストの比較を行うことにより、接続を解除した状態で携帯オーディオ端末200の再生内容を変更した場合であっても、次に車載オーディオ装置100に携帯オーディオ端末200を接続した際に接続解除前の再生状態に容易に戻すことができる。
【0070】
また、車載オーディオ装置100を用いた選曲操作を再度行って新たな再生リストが作成されて楽曲の再生(ステップ152、128経由でステップ116において楽曲再生)が行われた場合であっても、簡単な操作により、元の再生リストにしたがった楽曲の再生状態に戻すことが可能になる。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、車載オーディオ装置100において本発明を適用したが、家庭等の屋内で使用する据え置き型のオーディオ装置やパーソナルコンピュータ等を用いたオーディオ装置などに本発明を適用してもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、車載オーディオ装置100において2回の選曲操作を行って再生リストの内容が変更されたときに、最初の再生リストにしたがった楽曲再生に復帰する場合について説明したが、3回以上の選曲操作を行って再生リストが2回以上変更された場合に、2回以上前の再生リストにしたがった楽曲再生に復帰できるようにしてもよい。それぞれの選曲操作(再生リスト)ごとに再生リストと復帰情報を退避し、それぞれに対応する復帰ボタン等を表示すればよい。