【文献】
Nicola Contuzzi, Sabina L. Campanelli, Caterina Casavola and Luciano Lamberti,“Manufacturing and Characterization of 18Ni Marage 300 Lattice Components by Selective Laser Melting”,materials 2013, 6,2013年 8月13日,p. 3451-3468,doi: 10.3390/ma6083451
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のメインビームが、前記翼弦方向にほぼ平行であるランドラインに沿って列状に前記外側パネル外板の前記内表面上に配列されている、請求項1に記載の空力ボディ。
前記複数のメインビームが、前記外側パネル外板の前記内表面上に二次元配列で配列されている空力ボディであって、前記複数のメインビームのうちの4つからなる各グループが四辺形のそれぞれの角を規定し、前記複数の対角支持支柱のうちの2つが、前記四辺形の対角において前記メインビーム間に延びており、前記複数の対角支持支柱のうちの2つは、前記四辺形内の節点において交差している、請求項1に記載の空力ボディ。
前記複数のメインビームが、前記外側パネル外板の前記内表面上に二次元配列で配列されている空力ボディであって、前記複数のメインビームのうちの4つからなる各グループが四辺形のそれぞれの角を規定し、前記複数の対角支持支柱のうちの2つが、前記四辺形の隣接する角において前記メインビーム間に延びており、前記複数の対角支持支柱のうちの2つは、前記四辺形の辺に沿った節点において交差している、請求項1に記載の空力ボディ。
前記外側パネル外板の前記内表面に接続された前記複数のメインビームの前記第1の端部とは反対側の、第2の端部で、前記複数のメインビームのうちの隣接するものに接続された横方向支持支柱をさらに含む、請求項1に記載の空力ボディ。
前記前縁の近傍の前記空力ボディ内に配置され、対応する前記複数のメインビームの前記第1の端部とは反対側の第2の端部で対応する前記複数のメインビームに接続された状態で後方に延びる、内側パネル外板をさらに備え、前記外側パネル外板と前記内側パネル外板は、それらの間に通気チャネルを規定し、前記複数の穿孔を、前記内側パネル外板から下流で前記空力ボディの前記内装表面と流体連通させる、請求項1に記載の空力ボディ。
前記複数のメインビームのうちのそれぞれが、前記メインビームが接続されている前記外側パネル外板の前記内表面の対応する部分に対してほぼ垂直である、請求項1に記載の空力ボディ。
前記複数のメインビームは前記翼弦方向にほぼ垂直であり、前記複数のメインビームの第2の端部は前記外側パネル外板の前記内表面に接続されている、請求項1に記載の空力ボディ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な記載は本質的に例示のためのものであり、本開示または本開示の実施形態の応用及び利用を限定することを意図していない。具体的な装置、技法、及び応用の説明は、例としてのみ提供されている。本書に記載の実施例の様々な変更形態は、当業者には容易に自明となろう。また、本書で規定される一般的な原理は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施例及び応用に適用され得る。さらに、上記の「技術分野」、「背景技術」、「発明の概要」、または下記の「発明を実施するための形態」で提示された明示または黙示のいかなる理論にも拘束されることを意図していない。本開示は、特許請求の範囲と一致した範囲であるべきであり、本書に記載され示される実施例によって限定されるべきではない。
【0011】
本開示の実施形態は、機能ブロック及び/または論理ブロックの構成要素、並びに様々な処理ステップを単位として、本書に記載され得る。こうしたブロック構成要素が、特定の機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェア構成要素によって実現され得ることは、理解されるべきである。簡潔にするため、空気力学、構造、製造に関する従来の技法及び構成要素、並びにシステム(及びシステムの個別の動作構成要素)の他の機能的側面は、本書では詳細には記載されない場合がある。加えて、本開示の実施形態が、様々な構造体と協同して実施され得ること、及び本書に記載の実施形態が単に本開示の例示的な実施形態に過ぎないことは、当業者に理解されるであろう。
【0012】
本開示の実施形態は、実用的で非限定的な用途、即ち翼型の前縁の文脈で本書に記載されている。しかし、本開示の実施形態は、こうした翼型の前縁という用途に限定されず、本書に記載された技法は、他の空力面の用途にも利用され得る。例えば、実施形態は、尾部構造、エンジン支柱、風力タービンブレード、空気の代わりに液体(例えば水)を利用する流体力学面などにも適用可能であり得る。
【0013】
本書の記載を読めば当業者には明らかになるように、以下は本開示の例示及び実施形態であり、これらの例に従って動作することに限定されない。本開示の例示的実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的変化が加えられ得る。
【0014】
本開示の実施形態は、図面をより具体的に参照しながら、
図1に示す航空機の製造及び保守方法100、及び
図2に示す航空機200に照らして説明され得る。製造前段階では、例示の方法100は、航空機200の仕様及び設計104と、材料の調達106とを含み得る。製造段階では、航空機200の構成要素及びサブアセンブリの製造108と、システムインテグレーション110とが行われる。その後、航空機200は、認可及び納品112を経て運航114に供され得る。航空機200には、顧客により運航される間に、(改造、再構成、改修なども含み得る)定期的な整備及び保守116が予定される。
【0015】
方法100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/またはオペレータ(例えば顧客)によって実行または実施され得る。本書の目的において、システムインテグレータは、限定されることなく任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含み得、第三者は、限定されることなく任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得、オペレータは、限定されることなく、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0016】
図2に示すように、例示的方法100によって製造される航空機200は、複数のシステム220及び内装222を有する機体218を含み得る。高レベルシステム220の例には、推進システム224、電気システム226、油圧システム228、及び環境システム230のうちの1つ以上が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例が示されているが、本開示の実施形態は、他の諸産業にも適用され得る。
【0017】
本書で実施される装置及び方法は、製造及び保守方法100の1つ以上の任意の段階で採用することができる。例えば、製造プロセス108に対応する構成要素またはサブアセンブリは、航空機200の運航中に製造される構成要素またはサブアセンブリと同様の方法で作製または製造され得る。加えて、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、またはそれらの組み合わせは、例えば、航空機200の組立てを実質的に効率化するか、または航空機200のコストを削減することにより、製造段階108及び110で利用され得る。同様に、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、またはそれらの組み合わせを、航空機200の運航中に、限定しないが例として、整備及び保守116に利用することができる。
【0018】
本開示の実施形態は、ハイブリッド層流制御を利用し、それによって表面摩擦抗力を低下させることで、航空機の外表面上に層流を作り、維持するようにする。ハイブリッド層流制御とは、表面付近の気流を層流状態から乱流状態に遷移させ得る不安定性を除去するために、翼といった表面の前縁部位内の小さな穴を通じて戦略的に吸引を行うことを意味し得る。
【0019】
図3は、表面302付近の乱流304が示されている、ハイブリッド層流制御なしの、垂直尾翼の断面300の図である。
図3に示すように、表面302付近の乱流304は完全に擾乱しており、それによって高い表面摩擦抗力が生じている。
【0020】
図4は、本開示の一実施形態による、ハイブリッド層流制御を提供する層流用波状補強接合構造402(波状補強構造402)を備える、垂直尾翼の断面400(翼型400)の図である。波状補強構造402の吸引エリア404は、翼型表面408付近に層流406を作り出す。吸引エリア404は、翼型表面408を通る空気の流動を可能にするために穿孔されており、気流を生じさせながら形状を維持するため補強されている。波状補強構造402の実施形態は、
図8〜
図20に照らして以下に記載される。
【0021】
本開示の実施形態は、航空機500(
図5)の外表面といった外表面の少なくとも一部上に層流を作り、
図5〜
図7に示す外装空力面上に層流境界層を維持する、パネル構造を提供する。
【0022】
図5は、限定しないが例として、垂直尾翼504、水平安定板506、エンジンナセル508、前縁操縦翼面510(即ちフラップ及びスポイラー)などといった、層流を受け得る様々な外部構造が示されている航空機500の図である。
【0023】
図6は、垂直尾翼504及び水平安定板506それぞれの上の、層流602及び604のおよその部位が示されている、航空機500の尾部600の図である。
【0024】
図7は、前縁操縦翼面510及びエンジンナセル508それぞれの上の、層流702及び704のおよその部位が示されている、航空機500の翼502の図である。
【0025】
図8は、本開示の一実施形態による、例示の層流用波状補強接合構造800(波状補強構造800)の斜視図である。波状補強構造800は、限定しないが例として、平坦なパネルや湾曲した前縁などを含む空力ボディであってよい。波状補強構造800は、有孔パネル外板802、1つ以上の波状補強材804、ストラップ806、エッジバンド808、及び波状補強材804の1つ以上の端部810を含む。
【0026】
有孔パネル外板802は、限定しないが例として、垂直尾翼504、水平安定板506、エンジンナセル508、前縁操縦翼面510など(
図5〜
図7)といった外側空力面上に層流を促進するため、複数の穿孔/穴812を介して、波状補強構造800の外表面908(
図9)から内表面910(
図9)へと空気902(
図9)を受動的に吸引することを可能にする。有孔パネル外板802は、限定しないが例として、炭素繊維補強ポリマー(CFRP)/CP2チタンなどからできていてよい。有孔パネル外板802の厚さ1508(
図15)は、限定しないが例として、約0.04インチ〜約0.063インチなどであってよい。
【0027】
穿孔/穴812は、層流表面を十分に平滑に維持しながら、外側表面908から内側表面910への適切な量の空気の受動吸引を可能にするため、限定しないが例として、好適に間隔を空けて配置され、形づくられ、ドリル(例えばレーザードリル)されるなどしている。こうして、有孔パネル外板802は、中を空気が通ることができるように好適に穿孔され、気流が生じ得るようにしながらその形状を維持するため、以下でさらに詳細に説明されるように補強されている。使用される穿孔/穴812の数は、限定しないが例として、飛行速度、局所マッハ数、構造完全性、空力的要件などに依存し得る。限定しないが例として、亜音速飛行の場合、穿孔/穴812の好適な数は、空気902を外表面/外部表面908から内表面910へと受動的に移動するため、外部空力面の表面圧力を約1psi低下させるようにして、設けられ得る。こうして、外部空力面上で層流が促進される。
【0028】
パネル/波状補強構造800を補強するため、波状補強材804が形成される。波状補強材804は、波状補強構造800の内表面910(
図9)に接合された(
図15)、波状加工された即ち波形にされた複合補強材を含む。例えば、波状補強材804を内表面910に接着接合することによって、従来型のファスナの必要は除外される。ファスナは、外部空力面上の気流を妨害し、層流の恩恵を低減するか、打ち消し得る。
図8に示す実施形態では、波状補強材804は、波状補強構造800の内表面910の、上側内表面828及び下側内表面830上に設置されている。
図8に示す実施形態では、上側内表面828及び下側内表面830のそれぞれに連結された1つ以上の中空部材818が、前縁308/814を補強している。
図8に示す実施形態では、波状補強材804は、2つの部品で形成されている。波状補強材804の製造を容易にするため、上側部品822及び下側部品824は、前縁308/814から切り離されている。こうして、波状補強材804の上側部品822と下側部品824は、前縁308/814を通って延びてはおらず、下記のようにストラップ806によって互いに連結されている。
【0029】
しかし別の実施形態では、波状補強材804は前縁308/814まで延びており(
図19の1902)、そのためストラップ806は使用されていない。こうして、下記のように、波状補強材804が、前縁308/814を囲む1つの連続した部品として製造され得るように、好適な複合材料が利用される。
【0030】
一実施形態では、波状補強材804は、翼型400上の下流方向の気流310に呼応して、前縁308/814のほぼ翼弦方向306(
図3)に、且つ前縁308/814にほぼ垂直に、配向されている。波状補強材804の配向は、前縁308/814の硬性のノーズ部と補助スパー(図示せず)との間にわたって、翼弦方向であるのが、構造上、より効率的である。しかし、限定しないが例として、外部空力面の様々な圧力ゾーン(
図5〜
図7)に応じて、波状補強材804には様々な形状が用いられ得る。波状補強材804は、限定しないが例として、六角形、V字形などであってよい。ほぼ全ての負荷条件及び環境条件において、構造的完全性を維持しながら空力的な多孔性の要件を満たすため、接合ジョイント部1502(
図15)は、ブロックする有孔パネル外板802上の穿孔/穴812の数が、ほぼ最小になるように構成され得る。こうして、
図9の検討に照らして以下でより詳細に説明されるように、気流は、有孔パネル外板802を通って波状補強材804を周り、機尾を向いた低圧の受動的排気口へと通過する。
【0031】
波状補強材804は、限定しないが例として、CP−2チタン、0±60のBMS9−223炭素繊維補強ポリマーの1層の組物などから作られていてよい。構造上の効率のため、組物の配向は、炭素繊維の約50%がほぼ翼弦方向306である配向でよい。60°の繊維は90°の繊維よりも鋭利な角で良く曲がり得るため、これによって製造が容易でもある。波状補強材804は、動作要件を満たすのに十分な曲げ剛性、平滑度、及びうねりを持った前縁308/814を提供し得る。加えて、波状補強材804は、有孔パネル外板802への良好な接合が可能である。この良好な接合によって、現行の方法の、真空チャック接合組み立てツールによる組み立ての間、部品がほぼ剛性に保持され、2つの剛体間の接合が、達成可能な部品公差によって最適化されないかもしれない点が緩和され得る。航空機の全般的な効率性の要求を満たすため、波状補強材804及び波状補強構造800は、可能な限り軽量になっている。
【0032】
上記のように、一実施形態では、波状補強材804は、内表面910上で連続して、一体の部品で形成されており(
図19の1902)、前縁308/814まで、及び前縁308/814を周って延びる、全面の補強材が提供されている。このように、波状補強材804はかなり軽量であり、限定しないが例として、「破断炭素繊維」を利用した炭素繊維補強ポリマー、牽切炭素繊維などといった、形成可能な構造を利用し得る。しかし代わりに、上記のように、波状補強材804は、2つ以上の部品から形成されていてよい。このように、タイトな半径の「ノーズ」部として形成することはできないかもしれない炭素繊維強化ポリマーの組物が、上記のように2つ以上の部品には形成されてよい。例示的な波状補強材804の幾何学的形状が、以下の
図11により詳細に示される。
【0033】
ストラップ806が、波状補強材804の上側部品822と下側部品824とを、互いに連結している。ストラップ806は、隆線部1102(
図11)では波状補強材804と合致するが、この場合も気流は通過する。
図8に示す実施形態では、ストラップ806は有孔パネル外板802に接触しない。ストラップ806は、限定しないが例として、約0.03インチから約0.06インチなどの厚さを有する、CP1チタンなどから作られていてよい。波状補強構造800に剛性と強度を与えるため、ストラップ806は、前縁814付近のエリアで接合される。ストラップ806は、限定しないが例として、
図8に示す平滑な表面、
図16に示す波状前縁ストラップ1604といった波状の表面などを備え得る。波状前縁ストラップ1604は、波状補強材804の上側部品822と下側部品824の間に連続性を提供し、それによって、上側部品822と下側部品824との間で空気を伝えさせる。
【0034】
有孔パネル外板802及び波状補強材804に、エッジバンド808が連結されている。エッジバンド808は、波状補強構造800を基礎構造(図示せず)に連結し、波状補強材804から空気を受流するプレナムチャンバの役割を果たす。エッジバンド808は、限定しないが例として、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、アルミニウム、などから作られていてよい。
【0035】
波状補強材804の端部810(排気口810)を通って、空気を外へ出すことが可能である。端部810によって、中空部材818が空気902(
図9)をエッジバンド808/プレナムチャンバへと流動させるための排気口が提供される。端部810は、限定しないが例として、三角形、円形、長方形などといった形状であってよい。端部810の角820は、端部810への応力の集中が防止されるようにして設けられている。
【0036】
現行のハニカムサンドイッチの前縁構造は、ハイブリッド層流を取り入れるのには適していない可能性がある。現行のハニカムサンドイッチパネルはまた、1)湿気を吸収し保持する傾向があり、2)点検をするのに最適でない可能性があり、3)修理をするのに、波状補強構造800と比べてより適切でない可能性がある。
【0037】
図9は、本開示の一実施形態による、気流が示されている、波状補強構造800の部分900の拡大図である。空気902は、有孔パネル外板802を通って流れ、続いて波状補強材804の中空部材818に沿って流れ、波状補強材804の端部810(排気口810)から流出する。こうして、波状補強構造800によって、有孔パネル外板802といった剛性の外板を提供する一方で有孔パネル外板802上に層流境界層を維持するための十分な量の吸気を可能にする、機尾を向いた低圧の受動的排気口が提供される。
【0038】
図10〜
図13は、波状補強構造800の例示の幾何学的形状を示す。
図10〜
図13は、
図1〜
図12に示す実施形態と同様の機能、材料、及び構造を有していてよい。したがって、一般的な特徴、機能、及び要素は、本書では重複を避けて記載しない場合がある。
【0039】
図10は、本開示の一実施形態による、波状補強材804、エッジバンド808、及び端部810が示されている、例示の波状補強構造800の断面1000の図である。
【0040】
図11は、本開示の一実施形態による、波状補強材804上の隆線1102を含む波形の形状が示されている、
図10に示す波状補強構造800の波状補強材804の断面A−A816の図である。
【0041】
図12は、本開示の一実施形態による、エッジバンド808、及び端部810が示されている、
図10に示す例示の波状補強構造800の断面B−B1002の拡大図である。
【0042】
図13は、本開示の一実施形態による、波状補強材804、及び前縁814が示されている、
図10に示す例示の波状補強構造800の断面C−C1004の拡大図である。
【0043】
図14は、本開示の一実施形態による、リブ補強材1404上に置かれた接着剤1402が示されている、例示の波状補強構造800のリブ補強材1404の上面1400の図である。このように、リブ補強材1404のそれぞれが、
図15に示す接合ジョイント部1502(補強節点)のそれぞれにおいて、接着剤1402を塗布される。
【0044】
図15は、本開示の一実施形態による、補強材/補強材間の接合1506と、接合ジョイント部1502における補強材/チタン間の接合が示されている、例示の波状補強構造800の補強材の断面図である。上記のように、接合ジョイント部1502は、有孔パネル外板802内のほぼ最小数の穿孔/穴812をブロックする一方で、
図9の検討に照らしてより詳細に上記されたように、穿孔/穴を通って、また波状補強材804を周って、機尾を向いた低圧の受動的排気口へと気流を通す。接合ライン幅1504を精密に制御することによって、接着剤1402によってブロックされる穿孔/穴812をほぼ正確に制御することが可能になる。こうして、本開示の実施形態によって、層流を提供するのに必要なほぼ正確な空気の移送を維持する一方で、有孔パネル外板802の補強が提供される。波状補強材804は、限定しないが例として、250F硬化膜接着剤を用いて炉内で、有孔パネル外板802に接合される。代わりに、波状補強材804は、限定しないが例として、熱接合または超音波接合(これは即ち熱可塑性補強材用である)などといった方法によって、有孔パネル外板802に接合されていてもよい。接合ジョイント部1502は、限定しないが例として、超音波式、光学式、サーモグラフ式の非破壊検査方法などといった検査方法によって検査することができる。接合ジョイント部1502の接合ラインの幅1504は、限定しないが例として、約0.14インチ〜約0.16インチなどであってよい。
【0045】
図16〜
図19は、
図1〜
図15に示す実施形態と同様の機能、材料、及び構造を有していてよい。したがって、一般的な特徴、機能、及び要素は、本書では重複を避けて記載しない場合がある。
【0046】
図16は、本開示の一実施形態による、波状加工された前縁ストラップ1604が示されている、例示の波状補強構造1600の斜視図である。波状補強構造1600は、前縁端1602、波状前縁ストラップ1604、内表面1612に連結された1つ以上の上側波状補強材1606、内表面1612に連結された1つ以上の下側波状補強材1608、及び1つ以上の端部1610を含む。
【0047】
図16に示すように、波状前縁ストラップ1604によって、(
図8の波状補強材804の上側部品822と下側部品824と同様に)上側波状補強材1606と下側波状補強材1608が互いに連結される。
図16に示す実施形態では、波状前縁ストラップ1604は、前縁端1602付近で波状補強構造1600の内表面1612のエリアから切り離されるように構成されている。
【0048】
図17は、例示の波状補強構造1600の一部の拡大
図1700であり、本開示の一実施形態によって、上側波状補強材1606と下側波状補強材1608の各前端1702で接合された波状前縁ストラップ1604によって互いに連結された、上側波状補強材1606と下側波状補強材1608が示されている。
【0049】
図18は、本開示の一実施形態による、例示の波状補強構造1600の部分1800の拡大図である。
図18に示すように、波状前縁ストラップ1604は、上側波状補強材1606及び下側波状補強材1608の隆線部1802と合致するが、この場合も気流906は通過する(
図9)。
【0050】
図19は、例示の一体型波状補強構造1900の一部の拡大図であり、本開示の一実施形態による、前縁1906の接合領域1904で内表面1612に接合された、波状補強材1902が示されている。波状補強材1902は一体型であり、前縁1906を周って連続している(
図16の1602)。波状補強材1902が一体型であり前縁308/814を周って連続しているため、波状前縁ストラップ1604といったストラップは、使用されていない。こうして、(例えば、端部810/1610の開口が十分でない場合、)波状補強材1902の前縁1906の周囲に、穿孔/穴812(
図8)が切開/ドリルされ得る。
【0051】
図20は、本開示の一実施形態による、例示の波状補強構造1600の、波状補強材2002及び波状ストラップ2004の断面2000の図である。
図20に示すように、波状ストラップ2004が波状補強材2002を互いに連結している。波状ストラップ2004は、内表面1612(
図16)に合致し、限定しないが例として、約1.0インチから約1.2インチの間隔で設置された隆線2008を含む。
【0052】
図21は、本開示の一実施形態による、翼型の前縁上に層流を提供するための、波状補強構造800/1600を提供するプロセス2100を示す、例示のフロー図である。プロセス2100に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって、機械的に実行され得る。例示の目的で、プロセス2100の以下の記載は、
図1〜
図20に関連して上記した要素に言及し得る。実際の実施形態では、プロセス2100の一部は、有孔パネル外板802、波状補強材804、ストラップ806、エッジバンド808、及び波状補強材804の端部810といった、波状補強構造800の種々の要素によって実行され得る。プロセス2100は、
図1〜
図20に示す実施形態と同様の機能、材料、及び構造を有していてよい。したがって、一般的な特徴、機能、及び要素は、本書では重複を避けて記載しない場合がある。
【0053】
プロセス2100は、翼型400といった、空力ボディである外表面908及び内表面910を含む有孔パネル外板802といった、有孔パネル外板を設けることによって開始され得る(タスク2102)。
【0054】
プロセス2100は次に、内表面910に連結された少なくとも1つの中空部材818を含む波状補強材804を設けることによって継続され得る(タスク2104)。
【0055】
プロセス2100は次に、この少なくとも1つの中空部材818を、空力ボディ上の下流方向の気流310に呼応してほぼ翼弦方向306に配向することによって、継続され得る(タスク2106)。
【0056】
図22は、本開示の一実施形態による、波状補強構造800/1600を提供し、翼型の前縁上に層流を提供するプロセス2200を示す、例示のフロー図である。プロセス2200に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって、機械的に実行され得る。例示の目的で、プロセス2200の以下の記載は、
図1〜
図20に関連して上記した要素に言及し得る。実際の実施形態では、プロセス2200の一部は、有孔パネル外板802、波状補強材804、ストラップ806、エッジバンド808、及び波状補強材804の端部810といった、波状補強構造800/1600の種々の要素によって実行され得る。プロセス2200は、
図1〜
図20に示す実施形態と同様の機能、材料、及び構造を有していてよい。したがって、一般的な特徴、機能、及び要素は、本書では重複を避けて記載しない場合がある。
【0057】
プロセス2200は、波状補強構造800(空力ボディ)の有孔パネル外板802の内表面910を、内表面910に連結された少なくとも1つの中空部材818で補強することによって開始され得る(タスク2202)。
【0058】
プロセス2200は次に、この少なくとも1つの中空部材818を、空力ボディ上の下流方向の気流310といった気流に呼応してほぼ翼弦方向306に配向することによって継続され得る(タスク2204)。
【0059】
プロセス2200は次に、空力ボディの有孔パネル外板802の外表面908を通じて、下流方向の気流310の少なくとも一部を吸引することによって継続され得る(タスク2206)。
【0060】
プロセス2200は次に、少なくとも1つの中空部材818を通じて、下流方向の気流310の少なくとも一部を引き入れることによって継続され得る(タスク2208)。
【0061】
こうして、本開示の様々な実施形態によって、空力ボディの外板を補強する一方で、空力ボディ上に層流境界層を維持するのに必要な空気の移送をほぼ正確に維持する方法が提供される。これらの実施形態では、前縁構造に気流が通り、それによって前縁構造の表面上に層流が生まれるが、それでもなお、層流にとってこれも必要である、求められる空力的形状は維持される。層流を維持する結果、今日運航中の民間航空機のほとんどで見られる従来の乱流と比較して、空力抵抗が大きく減少する。加えて、波状補強構造800は、表面の点検を容易にし、湿気をほぼこもらせず、点検容易な接合された波状重ね板(doubler)を介して修理可能であり、様々な材料及び材料の組合せから製作可能で、多くの層流以外の用途でも、ハニカムサンドイッチを代替するのに用いられ得る。
【0062】
乱流を低減し層流を作り出す気流を可能にする一方で有孔エリアでパネル外板を支持し得る、波状補強材以外の補強構造を使用して空力ボディを補強することも、可能であってよい。
図23は、本開示の一実施形態による、例示の層流用マイクロラティス補強構造2300の斜視図である。波状補強構造800と同様に、マイクロラティス補強構造2300は、限定しないが例として、平坦なパネルや湾曲した前縁などを含む空力ボディであってよい。マイクロラティス補強構造2300は、波状補強構造800と同様の構成を有していてよく、空力ボディの内装表面を周って延びる同様の有孔外側パネル外板2302を含み得、空力ボディの前縁2308を規定する内表面2304及び外表面2306を有し得る。
【0063】
外側パネル外板2302は、限定しないが例として、翼502、垂直尾翼504、水平安定板506、エンジンナセル508、前縁操縦翼面510、及び
図5〜
図7に示されているものといった、外部空力ボディ上で層流を促進するために、内表面2304から外表面2306へと延びる複数の穿孔/穴2310を介して、マイクロラティス補強構造2300の外表面2306から内表面2304への、空気の受動的な吸引を可能にし得る。外側パネル外板2302は、限定しないが例として、CFRP、CP2チタンなどからできていてよい。外側パネル外板2302の厚さは、空力ボディの所望の性能を実現するための必要に応じて、限定しないが例として、約0.04インチから約0.063インチであってよい。有孔パネル外板802の穿孔812に関して上記したのと同様にして層流を促進するため、外側パネル外板2302の穿孔2310は、外側パネル外板2302内で好適に間隔を空けて配置され、好適な形状をし、好適に形成されるなどしていてよい。
【0064】
マイクロラティス補強材構造2312は、外側パネル外板2302の形状と合致するようにして、またマイクロラティス補強構造2300を補強するようにして、形成されてよい。マイクロラティス補強材構造2312は、外側パネル外板2302の内表面2304に沿って、前縁2308から翼弦方向306に延びていてよく、外側パネル外板2302を通って穿孔2310の下流の位置で終端してよい。マイクロラティス補強材構造2312は、格子構造またはトラス構造を形成するように、対応する対角支持支柱2316と横方向支持支柱2318とによって相互接続された複数のメインビーム2314から形成されていてよい。メインビーム2314は、外側パネル外板2302の内表面2304に接続された第1の端部2314a(
図24の側面図)、及び、
図24の実施形態に示すように、メインビーム2314間に横方向支持支柱2318が接続され得る第2の支持支柱2318が接続され得る、第2の端部2314bを有し得る。メインビーム2314の第1の端部2314aは、限定しないが例として、熱接合、超音波接合(これは即ち熱可塑性補強材用である)、接着剤などといった適切な接合方法によって、外側パネル外板2302の内表面2304に接合されていてよい。製造方法に応じて、横方向支持支柱2318は、以下に記載されるフォトポリマーの現像プロセス中といった、メインビーム2314と対角支持支柱2316とが一緒に成形された後に追加され得るか、または、三次元(3D)印刷といった他のプロセスによって形成されるマイクロラティス補強材構造2312内において、メインビーム2314及び対角支持支柱2316と共に一体構成要素として形成され得る。他の実施形態では、メインビーム2314と対角支持支柱2316とによって外側パネル外板2302への十分な支持が提供される場合、横方向支持支柱2318は割愛されてよい。
【0065】
さらに示されるように、各対角支持支柱2316は、1つのメインビーム2314の第1の端部2314aと、隣接するメインビーム2314の第2の端部2314bとの間に延びていてよい。メインビーム2314の第1の端部2314aは、マイクロラティス補強材構造2312を所定の位置に固定するための、接着剤または他の適切な接合用化合物もしくは接合プロセスを用いて、内表面2304に接合されていてよい。隣接するメインビーム2314の各ペアは、その間に延びる1対の対角支持支柱2316を有し得、それによって、隣接する各メインビーム2314の第1の端部2314aが、もう1つの隣接するメインビーム2314の第2の端部2314bに接続されている。隣接するメインビーム2314に接続された対角支持支柱2316は、対角支持支柱2316同士が相互に動くのを防止し、横方向支持支柱2318と連動してマイクロラティス補強材構造2312に安定性を創出するため、節点2320で交差していてよい。メインビーム2314、対角支持支柱2316、及び横方向支持支柱2318の構成が例示であることは、当業者によって理解されるであろう。外側パネル外板2302への必要な支持を提供し、マイクロラティス補強構造2300を通って気流を提供するため、マイクロラティス補強材構造2312は、メインビーム2314の数、メインビーム2314及び支持支柱2316、2318のサイズ、マイクロラティス補強材構造2312の構成要素の方向などに基づいて調整され得、マイクロラティス補強材構造2312のこうした変更は、発明者らによって検討されている。
【0066】
図24は、メインビーム2314を相互接続している対角支持支柱2316の単一の層で形成され、外側パネル外板2302の内表面2304に対向する支持を提供する横方向支持支柱2318を有する、マイクロラティス補強材構造2312を示す。以下に記載される代替的な実施形態では、マイクロラティス補強材構造2312には、外側パネル外板2302への必要な構造的支持を作り出す必要に応じて、対角支持支柱2316の複数の層が設けられていてよい。こうした実施形態では、メインビーム2314は、空力ボディの内部にまでさらに延びていてよく、外側パネル外板2302の内表面2304の最も近傍の層と、メインビーム2314の第1の端部2314aとの間、及びメインビーム2314の第2の端部2314bとの間に、対角支持支柱2316の追加の層が加えられてよい。横方向支持支柱2318は、構造的支持の必要に応じて、対角支持支柱2316の層の間に設けられてよいか、もしくは、メインビーム2314の第2の端部2314bにのみ設けられてよいか、または、マイクロラティス補強材構造2312の構造的完全性のために必要でなければ、設けられなくてよい。図面から明らかなように、マイクロラティス補強材構造2312内のメインビーム2314、対角支持支柱2316、及び横方向支持支柱2318の配置は、それらの間に通気用間隙2322を規定し、外側パネル外板2302の穿孔2310を、マイクロラティス補強材構造2312よりも下流で、空力ボディの内装表面と流体連通させる。
【0067】
マイクロラティス補強材構造2312は、本書に記載され示されているような、オープンセルのマイクロラティス構造を形成するための、任意の適切な既知のプロセスを用いて製造され得る。例えば、マイクロラティス構造は、紫外線をバットに入った液状樹脂を通して投影して、マイクロラティス補強材構造2312のメインビーム2314、対角支持支柱2316、及び、特定の実施形態では横方向支持支柱2318内への光線に沿って樹脂を硬化させる、フォトポリマー現像プロセスを用いて形成され得る。外側パネル外板2302用に十分な構造的支持が提供される場合には、マイクロラティス構造を形成するために、複合材料が用いられ得る。他の実施形態では、複合材料構造はニッケル合金といった金属で被覆され、この構造は金属マイクロラティス構造に変換され得る。複合材料は金属被覆内に保持されていてよいか、またはある用途では、複合材料は、中空の金属マイクロラティス構造を外側パネル外板2302を支持するのに十分な強度のままにするための適切なプロセスによって、溶解しているか、もしくは他の態様で金属被覆内から除去されていてよい。フォトポリマーのプロセスを除外し、ロストワックス法または産業用鋳造を用いて、記載されるような中空の金属マイクロラティス構造を形成することによって、同様の結果が実現され得る。さらなる代替形態として、マイクロラティス補強材構造2302を形成する金属またはポリマーのオープンセル構造を生産するのに、3Dプリントが用いられ得る。3Dプリントの利用によって、マイクロラティス補強材構造2312の形成に用いられる繰り返し構造の配向、サイズ及び形状を変化させる機会が提供され得る。これらの製造方法は例示に過ぎず、本開示によるマイクロラティス補強材構造2312の形成を用途とする代替的な製造方法は、当業者には明らかであろうし、発明者らによって検討されている。
【0068】
図25及び
図26は、メインビーム2314と対角支持支柱2316との相互接続が変化している、マイクロラティス補強材構造2312の代替的な構成の上面図を示す。
図25を参照すると、メインビーム2314は、空力ボディの翼弦方向306にほぼ平行な、ランドライン(land line)2330に沿って、列状に、外側パネル外板2302の内表面2304上に配置されていてよい。ここでは、ある構成要素は、別の構成要素に対してほぼ平行もしくはほぼ垂直であってよく、またはその構成要素が特定の配向から5°以内であるときには、その特定の方向であってよい。ランドライン2330は、
図8及び
図9で、波状補強材804が有孔パネル外板802の内表面910に接続されている箇所に一致し得る。代替的な実施形態では、ランドライン2330と、それに伴ってメインビーム2314とは、マイクロラティス補強材構造2312が外側パネル外板2302を支持するための必要に応じて、間隔を空けて配置されていてよい。
【0069】
図25の実施形態では、メインビーム2314は、外側パネル外板2302の内表面2304上に二次元配列で配列されている。4つの隣接するメインビーム2314の各グループは、それぞれの角に配置されたメインビーム(複数)2314によって、四辺形2332を規定し得る。四辺形2332は、正方形に近似するものとして示されているが、実際の形状は、マイクロラティス補強材構造2312の所望の構造的特性を実現するための必要に応じて、長方形、ダイヤモンド形、菱形、長斜方形、凧形、台形などといった、任意の適切な四辺形であってよい。上記のように、四辺形2332の対角同士のメインビーム2314の間に2つの対角支持支柱2316が延びていてよく、これらは節点2320で交差してよい。この構成では、各節点2320は、四辺形2332を通って延びる、4つの交差する対角支持支柱2316を有し得る。
【0070】
図26は、マイクロラティス補強材構造2312の所望の構造的特性を実現するために、対角支持支柱2316が異なる態様でメインビーム2314と相互接続している、マイクロラティス補強材構造2312の代替的な構成を示す。メインビーム2314は、上記の態様と同様に、4つの隣接するメインビーム2314の各グループが四辺形2340を形成するように、ランドライン2330に沿って二次元配列で配列されていてよい。この実施形態では、四辺形2340の隣接する角同士のメインビーム2314の間に2つの対角支持支柱2316が延びていてよく、これらは、四辺形2340の一辺に沿って位置する節点2320で交差してよい。この構成では、各節点2320は、四辺形2340の一辺に沿って延びる、2つの交差する対角支持支柱2316を有する。マイクロラティス補強材構造2312内に、さらなる構成、示されている構成のさらなる組合せ、及び、メインビーム2314の対角支持支柱2316とのさらなる相互接続が実装され得ることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、メインビーム2314は、対角支持支柱2316によって相互接続されて、フォトポリマー現像プロセスにおいて光源アレイの配向を調整するか、または3Dプリンタを適切に構成することによって形成され得る、三次元の四面体のアイソグリッド構造または三角錐を形成し得る。こうした構成は、本開示によるマイクロラティス補強材構造2312の用途を有するものとして、発明者らによって検討されている。以下の検討の目的に、
図25及び
図26の構成、並びに代替的な構成が利用され得る。
【0071】
メインビーム2314と対角支持支柱2316の構成は、マイクロラティス補強材構造2312の所望の特性を実現するため、他の方法で変更され得る。
図27は、
図23のマイクロラティス補強構造2300の拡大部分側面図であり、前縁2308の近傍の、外側パネル外板2302及びマイクロラティス補強材構造2312が示されている。示される実施形態では、メインビーム2314のそれぞれは、メインビーム2314が接続されている外側パネル外板2302の内表面2304の対応する部分に、ほぼ垂直に配向されていてよい。メインビーム2314の第1の端部2314aは、対応するランドライン2330に沿って、ほぼ等間隔で間隔を空けて配置されていてよい。外側パネル外板2302の内表面2304が弧度を有していて平面でない限り、隣接するメインビーム2314の第2の端部間2314b間の距離は、対応する第1の端部2314a間の距離よりも小さくてよい。隣接する第2の端部2314b間の距離は、前縁2308の近傍のメインビーム2314の場合に最小であってよく、マイクロラティス補強材構造2312が前縁2308から離れて延びるのにつれて、増大してよい。横方向支持支柱2318の長さは、これに応じて変化してよい。
【0072】
下流方向の気流310及び翼弦方向306に呼応した、空力ボディ及びその前縁2308の配向に応じて、メインビーム314は、三次元上で内表面2304に対して必ずしも垂直でなくてよい。例えば、
図5〜
図7の翼502、垂直尾翼504、及び水平安定板506は、航空機500の機体から後方に角度づけられていて、これらの前縁は、下流方向の気流310及び翼弦方向306に対して垂直ではない。参照のため、
図7に三次元座標系が追記されている。X軸は、翼弦方向306及び下流方向の気流310に平行であり、Y軸は、航空機500の機体から対応する空力ボディ502、504、506の方向に延び且つX軸と垂直であり、Z軸は、X軸及びY軸と垂直である。
図7では、示されるように、翼502の前縁は、X−Y平面から見て翼弦方向306(X軸)と垂直ではない。
【0073】
空力ボディ502、504、506内では、上記のランドライン2330は、翼弦方向306及び下流方向の気流310と平行であってよいが、同様の理由により、X−Y平面内で前縁2308と垂直でなくてよい。ランドライン2330が外側パネル外板2302の内表面2304の曲率に従っているため、
図27に示すように、各ランドライン2330によって、翼弦方向306と平行なX−Z平面が規定される。
図27は、ランドライン2330によって規定されるX−Y平面に対して垂直に見え、且つX−Y平面内の前縁2308に対して鋭角に見える、外側パネル外板2302及びマイクロラティス補強材構造2312の図を示し得る。メインビーム2314は、対応するランドライン2330によって規定されるX−Z平面内に横たわっていてよく、したがって、前縁2308及び、X−Y平面内の内表面2304の対応する部分に対して、垂直でなくてよい。同時に、メインビーム2314は、
図27に示すように、対応するランドライン2330によって規定されるX−Z平面内で内表面2304と垂直であってよい。
【0074】
図28は、横方向支持支柱2318が内側パネル外板2350によって代替されている一実施形態を示す。内側パネル外板2350は、前縁2308の近傍の空力ボディ内に配置され、後方に延びていてよい。内側パネル外板2350は、マイクロラティス補強材構造2312の形状と合致するが、この場合も気流は通過する。内側パネル外板2350は、対応するメインビーム2314の第2の端部2314bに接続されていてよい。外側パネル外板2302と内側パネル外板2350は、それらの間に通気チャネル2352を規定し、穿孔2310を、内側パネル外板2350の下流で空力ボディの内装表面と流体連通させ得る。上記の波状補強材804と同様に、通気チャネル2352は、外側パネル外板2302上に層流境界層を維持するための十分な量の吸気を可能にする、機尾を向いた低圧の受動的排気口の機能を果たし得る。内側パネル外板2350は、マイクロラティス補強材構造2312の一部に対して、後方に延びていてよい。ある実施形態では、内側パネル外板2350は、外側パネル外板2302内の穿孔2310の下流に延びていてよく、マイクロラティス補強材構造2312の端部まで延び、マイクロラティス補強材2312のメインビーム2314それぞれの第2の端部2314bに接続されていてよい。内側パネル外板2350は、外側パネル外板2302と同一のまたは異なる軽量材から作られていてよい。限定しないが例として、内側パネル外板2350は、炭素繊維補強ポリマー、CP1またはCP2チタンなどから作られていてよい。内側パネル外板2350は、マイクロラティス補強構造2300に対してさらなる剛性と強度を提供するため、少なくとも前縁2308付近のエリアでマイクロラティス補強材構造2312に接合されている。代替的な実施形態では、内側パネル外板2350は、マイクロラティス補強構造2312内で、流入気が必ずしも通気チャネル2352を通ることなくプレナムエリアに流入するのを可能にする、通気用開口(図示せず)を有し得る。通気用開口は、内側パネル外板2350によって提供されるマイクロラティス補強材構造2312の支持を犠牲にすることなく、内側パネル外板2350を通る所望の流動を提供する、内側パネル外板2350を通る微細な穿孔、より大きな穴、スロット、または任意の他の適切な開口部であってよい。
【0075】
図29に転じると、マイクロラティス補強材構造2312のさらなる代替的な実施形態では、複数のメインビーム2314は、互いにほぼ平行に、且つ空力ボディの翼弦方向306にほぼ平行に、配向されていてよい。マイクロラティス補強材構造2312のこの構成は、メインビーム2314の配向を、
図27及び
図28の実施形態のように内表面2304に垂直に変えるよりも、設計及び製造がより容易であり得る。
図29の実施形態では、マイクロラティス補強材構造2312は、上記のようにメインビーム2314の第2の端部2314bと接続している横方向支持支柱2318によってさらに補強される。
図30の実施形態では、横方向支持支柱2318は、外側パネル外板2302と結び付いて、穿孔2310から空力ボディの内装表面へと気流を誘導する通気チャネル2352を規定している、内側パネル外板2350によって代替されている。
【0076】
図31は、
図29及び
図30の実施形態の変更形態を示す。ほぼ平行なメインビーム(複数)2314は、空力ボディの中まで、翼弦方向306にさらに延びている。メインビーム2314のさらに延びた長さを支持するため、マイクロラティス補強材構造2312は、メインビーム2314が空力ボディの前縁2308から下流へと延びるのにつれて、メインビーム2314と相互接続する対角支持支柱2316の複数の層を含んでいてよい。メインビーム2314の第2の端部2314bは外側パネル外板2302内の穿孔2310を超えて延びていてよく、それによって、マイクロラティス補強材構造2312は、外側パネル外板2302の有孔部分を完全に支持する。
【0077】
図32は、マイクロラティス補強材構造2312のさらなる代替的な実施形態を示す。複数のメインビーム2314は、空力ボディの翼弦方向306にほぼ垂直に配向されている。この配向では、メインビーム2314の第1の端部2314aと、第2の端部2314bの両方が、外側パネル外板2302の内表面2304に接続されていてよい。図面から分かるように、前縁2308の近傍のメインビーム2314は比較的短く、マイクロラティス補強構造2312が前縁2308から下流に延びるにつれて、メインビーム2314の長さは増大する。穿孔エリア内で外側パネル外板2302に必要な支持を提供するため、メインビームの長さが変化するのにつれて、必要に応じ、隣接するメインビーム2314間に、対角支持支柱2316の複数の層が設けられ得る。
【0078】
図33は、
図23〜
図32に示す本開示の実施形態による、マイクロラティス補強構造2300を提供し、空力ボディの前縁2308上に層流を提供する、プロセス2400を示す例示のフロー図である。プロセス2400に関連して実行される様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せによって、機械的に実行され得る。例示の目的で、プロセス2400の以下の記載は、
図2〜
図7、及び
図23〜
図32に関連して上記した要素に言及し得る。実際の実施形態では、プロセス2400の一部は、外側パネル外板2302、マイクロラティス補強材構造2312、及び内側パネル外板2350といった、マイクロラティス補強構造2300の種々の要素によって実行され得る。プロセス2400は、
図23〜
図32に示す実施形態と同様の機能、材料、及び構造を有していてよい。したがって、一般的な特徴、機能、及び要素は、本書では重複を避けて記載しない場合がある。
【0079】
プロセス2400は、ブロック2402で、空力ボディの外側パネル外板2302内に形成された穿孔2310を通って、下流方向の気流310の一部を伝えることによって開始され得る。外側パネル外板2302は、空力ボディの内装表面を少なくとも部分的に囲んで、延びている。プロセス2400は、ブロック2404で、内部に通気用間隙2322を規定し且つ空力ボディの前縁2308からほぼ翼弦方向306に延びている、マイクロラティス補強材構造2312を通って、穿孔2310からの下流方向の気流310の一部を誘導することによって、継続され得る。プロセス2400は次に、ブロック2406で、マイクロラティス補強材構造2312の通気用間隙2322を通って、下流方向の気流310を空力ボディの内装表面内に受流することによって、継続され得る。
【0080】
こうして、本開示の様々な実施形態によって、空力ボディの外側パネル外板2302を補強する一方で、空力ボディ上に層流境界層を維持するのに必要な空気のほぼ正確な移送を維持する、構造及び方法が提供される。これらの実施形態では、前縁構造体に空気が通り、それによって前縁構造体の表面上に層流が生まれるが、それでもなお、層流にとってこれも必要である、求められる空力的形状は維持される。層流を維持する結果、今日運航中の民間航空機のほとんどで見られる従来の乱流と比較して、空力抵抗が大きく減少する。加えて、メインビーム2314の第1の端部2314aを内表面2304に接合するのに必要な表面積は、波状補強材804の線部を接合するよりもわずかであるため、マイクロラティス補強構造2300がブロックする外側パネル外板2302の穿孔2310は、他の実施形態の波状補強材804の場合よりも、少なくてよい。さらに、マイクロラティス補強材構造2312内の通気用間隙2322を通る気流によって、外側パネル外板2302に開けられる穿孔2310の数は削減され得、それと共に、空力ボディのコストも連動して削減される。加えて、メインビーム2314の第1の端部2314aが完全に穿孔2310を回避し、確実にマイクロラティス補強材構造2312が穿孔2310を1つもブロックしないようにするため、マイクロラティス補強材構造2312の製造方法によって構造2312の形状を調整することが可能であってよい。
【0081】
上記の詳細な記載では、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されたが、多数の変形形態が存在することは、理解されるべきである。本書に記載する例示の単数または複数の実施形態が、いかなる態様においても、本件主題の範囲、適用性、または構成を限定することは意図されていないことも、また理解されるべきである。むしろ、上記の詳細な記載によって、記載の単数または複数の実施形態を実行するための便利なロードマップが当業者に提供されるであろう。特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更が加えられ得ることは、理解されるべきである。これには、本願出願の時点において既知の均等物、及び予見可能な均等物が含まれる。
【0082】
上記の記載では、共に「接続されている」または「連結されている」要素もしくは節点または特徴が言及されている。本書で用いられる場合、別様に明示されない限り、「接続されている」とは、1つの要素/節点/特徴が、別の要素/節点/特徴に直接結び付けられている(または直接通じている)ことを意味し、必ずしも機械的に結び付けられていることを意味しない。同様に、別様に明示されない限り、「連結されている」とは、1つの要素/節点/特徴が、別の要素/節点/特徴に直接もしくは間接的に結び付けられている(または直接もしくは間接的に通じている)ことを意味し、必ずしも機械的に結び付けられていることを意味しない。このように、
図8〜
図20は、要素の例示的な配置を示しているが、本開示の一実施形態では、追加で介在する要素、装置、特徴、または構成要素が存在していてよい。
【0083】
本開示の一態様によると、空力ボディであって、空力ボディ上の気流に呼応して翼弦方向を規定し、空力ボディは、内表面、外表面及び内表面から外表面に延びる複数の穿孔を有する外側パネル外板であって、空力ボディの内装表面を周って延び、空力ボディの前縁を規定する外側パネル外板と、それぞれが、外側パネル外板の内表面に接続された少なくとも第1の端部を有する複数のメインビーム、及びそれぞれが隣接するメインビーム間に対角に延び隣接するメインビームに接続された複数の対角支持支柱を含むマイクロラティス補強材構造とを備え、マイクロラティス補強材構造は、複数の穿孔の下流に外側パネル外板の内表面に沿って延び、複数のメインビーム及び複数の対角支持支柱は、それらの間に通気用間隙を規定し、複数の穿孔を、マイクロラティス補強材構造の下流で空力ボディの内装表面と流体連通させる、空力ボディが提供される。
【0084】
複数のメインビームが、翼弦方向にほぼ平行であるランドラインに沿って列状に外側パネル外板の内表面上に配列されている、空力ボディが開示される。
【0085】
複数のメインビームが、外側パネル外板の内表面上に二次元配列で配列されている、空力ボディが開示される。複数のメインビームのうちの4つからなる各グループが四辺形のそれぞれの角を規定し、複数の対角支持支柱のうちの2つが、四辺形の対角においてメインビーム間に延びており、この複数の対角支持支柱のうちの2つは、四辺形内の節点において交差している。
【0086】
複数のメインビームが、外側パネル外板の内表面上に二次元配列で配列されている、空力ボディが開示される。複数のメインビームのうちの4つからなる各グループが四辺形のそれぞれの角を規定し、複数の対角支持支柱のうちの2つが、四辺形の隣接する角においてメインビーム間に延びており、この複数の対角支持支柱のうちの2つは、四辺形内の辺に沿った節点において交差している。
【0087】
外側パネル外板の内表面に接続された複数のメインビームの第1の端部とは反対側の、第2の端部で、複数のメインビームのうちの隣接するものに接続された横方向支持支柱を含む空力ボディが、さらに開示される。
【0088】
前縁の近傍の空力ボディ内に配置され、対応する複数のメインビームの第1の端部とは反対側の第2の端部で、複数のメインビームのそれぞれに接続された状態で後方に延びる、内側パネル外板を含む、空力ボディがさらに開示される。外側パネル外板と内側パネル外板は、それらの間に通気チャネルを規定し、複数の穿孔を、内側パネル外板から下流で空力ボディの内装表面と流体連通させる。
【0089】
複数のメインビームのそれぞれが、メインビームが接続されている外側パネル外板の内表面の対応する部分に対してほぼ垂直である、空力ボディが開示される。
【0090】
複数のメインビームが、空力ボディの翼弦方向とほぼ平行である、空力ボディが開示される。
【0091】
複数のメインビームが、空力ボディの前縁から下流方向に延びるにつれて、複数のメインビームに接続された対角支持支柱の複数の層を備える、空力ボディがさらに開示される。
【0092】
複数のメインビームは翼弦方向とほぼ垂直であり、複数のメインビームの第2の端部は外側パネル外板の内表面に接続されている、空力ボディが開示される。
【0093】
本開示の別の態様によると、空力ボディの外装上を通る気流から層流を生成する方法であって、空力ボディは気流に呼応して翼弦方向を規定し、生成する方法は、空力ボディの内装表面を周って延びる空力ボディの外側パネル外板内に形成された穿孔を通って、気流の一部を伝えることと、内部に通気用間隙を規定し、空力ボディの前縁からほぼ翼弦方向に延びるマイクロラティス補強材構造を通るように、この穿孔からの気流の一部を向けることと、マイクロラティス補強材構造の通気用間隙を通って、空力ボディの内装表面内に気流を受流することを含む、生成する方法が提供される。
【0094】
マイクロラティス補強材構造を外側パネル外板の内表面に連結することによって空力ボディを補強することを含む、生成する方法がさらに開示される。
【0095】
マイクロラティス補強材構造が、複数のメインビーム及び、複数のメインビームと相互接続している複数の対角支持支柱によって形成されており、複数のメインビームが外側パネル外板の内表面に接続された第1の端部を有している、生成する方法が記載される。
【0096】
マイクロラティス補強材構造を通して気流をプレナムチャンバに伝える、生成する方法が、さらに開示される。
【0097】
本開示の別の一態様によると、空力ボディであって、空力ボディ上の気流に呼応して翼弦方向を規定し、空力ボディは、内表面、外表面及び内表面から外表面に延びる複数の穿孔を有する外側パネル外板であって、空力ボディの内装表面を周って延び、空力ボディの前縁を規定する外側パネル外板と、それぞれが、外側パネル外板の内表面に接続された少なくとも第1の端部を有する複数のメインビーム、及びそれぞれが隣接するメインビーム間に対角に延び隣接するメインビームに接続された複数の対角支持支柱を含むマイクロラティス補強材構造であって、複数の穿孔の下流に外側パネル外板の内表面に沿って延び、複数のメインビーム及び複数の対角支持支柱は、それらの間に通気用間隙を規定し、複数の穿孔を、マイクロラティス補強材構造の下流で空力ボディの内装表面と流体連通させる、マイクロラティス補強材構造と、内側パネル外板であって、前縁の近傍の空力ボディ内に配置され、対応する複数のメインビームの第1の端部とは反対側の第2の端部で対応する複数のメインビームに接続された状態で後方に延び、外側パネル外板と内側パネル外板とが、それらの間に通気チャネルを規定し、複数の穿孔を、内側パネル外板から下流で空力ボディの内装表面と流体連通させる、内側パネル外板とを備える、空力ボディが提供される。
【0098】
内側パネル外板が、複数の穿孔から下流に延びている、空力ボディが開示される。
【0099】
内側パネル外板がマイクロラティス補強材構造の端部まで延び、内側パネル外板が複数のメインビームのそれぞれの第2の端部に接続されている、空力ボディが開示される。
【0100】
複数のメインビームのそれぞれが、メインビームが接続されている外側パネル外板の内表面の対応する部分に対してほぼ垂直である、空力ボディが開示される。
【0101】
複数のメインビームが、空力ボディの翼弦方向とほぼ平行である、空力ボディが開示される。
【0102】
空力ボディの内装表面に配置され、通気チャネルと直接流体連通しているプレナムチャンバを備える、空力ボディがさらに開示される。
【0103】
本書で使用される用語及び語句、並びにその変形は、別様に明示されない限り、限定的ではなく非限定的に解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「限定せずに含む」などと解釈されるべきであり、「例」という用語は、検討されている項目の、網羅的または限定的なリストではなく、例示的な事例を提供するために用いられており、「従来型の」「伝統的な」「通常の」「標準的な」「既知の」といった形容詞や、同様の意味を持つ用語は、記載された用語を所与の期間や、所与の時点において利用可能な項目に限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、現時点または将来の任意の時点で利用可能または既知であり得る、従来型、伝統的、通常、または標準的な技術を包含するものとして解釈されるべきである。同様に、接続詞「及び」でつながれた項目のグループは、別様に明示されない限り、このグループ内のこれらの項目の存在が必要とされると解釈されるべきではなく、むしろ、「及び/または」として解釈されるべきである。同様に、接続詞「または」でつながれた項目のグループは、別様に明示されない限り、このグループ内で相互排他的であることを必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、これも「及び/または」として解釈されるべきである。さらに、本開示の項目、要素、または構成要素は、単数形で記載または特許請求の範囲に記載されているかもしれないが、単数への限定が明示されていない限り、複数形も特許請求の範囲の中であることが考慮されている。いくつかの例における、「1つ以上」「少なくとも」「限定しないが」などの意味を広げる単語及び語句の存在は、そうした意味を広げる語句が存在しない場合に、より意味の狭いケースが意図されているまたは必要とされるという意味であると解釈されるべきではない。