特許第6910984号(P6910984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6910984
(24)【登録日】2021年7月9日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】脱出ハンマー収容具
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20210715BHJP
【FI】
   B60N3/02 A
   B60N3/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-69080(P2018-69080)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-177815(P2019-177815A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2020年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】竹中 晋平
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/159354(WO,A1)
【文献】 実開平03−109943(JP,U)
【文献】 実開昭57−174147(JP,U)
【文献】 実開平04−026835(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0032024(US,A1)
【文献】 特開2001−322431(JP,A)
【文献】 特開2002−104048(JP,A)
【文献】 実開昭57−150037(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00 − 3/18
B60R 5/00 − 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の室内に取り付けられ、
棒状に延びる把持部と、
前記把持部の両端に前記乗り物の内装部材に取り付ける取付部とを備えたアシストグリップに取り付けられる脱出ハンマー収容具であって、
前記把持部に固定される台座部を備えることを特徴とする脱出ハンマー収容具。
【請求項2】
前記収容具は、前記台座部を覆う蓋部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の脱出ハンマー収容具。
【請求項3】
前記収容具が前記把持部と前記取付部との間に囲まれた領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脱出ハンマー収容具。
【請求項4】
前記蓋部材が回動することにより、前記脱出用ハンマーの取り出しが可能となることを特徴とする請求項1に記載の脱出ハンマー収容具。
【請求項5】
前記アシストグリップは、前記取付部に設けられた前記把持部長手方向に延びる軸部材により、回動可能に前記乗り物の内装部材に取り付けられており、
前記把持部が前記上方に位置する非使用位置と、前記室内下方に位置する使用位置との切り替えが可能となることを特徴とする請求項1に記載の脱出ハンマー収容具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓ガラスを破壊するための脱出用ハンマーを収容する脱出ハンマー収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、帯状で中央部分が凹状に湾曲した把持部と、前記把持部の両端に各々垂設され、配設先の車両の窓ガラスが破壊可能なハンマー部材と、配設先の車両のルーフサイド内側に埋め込み固定され、前記ハンマー部材を挿通する挿通穴を有し、前記挿通穴から前記ハンマー部材が前記把持部とともに離脱可能な受部材と、前記挿通穴から前記ハンマー部材の離脱を禁止する状態、及び離脱可能な状態に切換える切換手段とを具備することを特徴とするハンマー付アシストグリップ(例えば特許文献1)がある。
【0003】
また、アシストグリップ(グラブレール)ではないが、発煙筒を利用した緊急脱出用工具(例えば特許文献2)がある。この緊急脱出工具は、発炎筒端部への冠着部を備え、自動車等の強化ガラスを割るためのハンマー部が発炎筒の長手方向に向くように設けられている。
【0004】
しかし、前記緊急脱出工具では、複数のハンマーを装備する場合、複数のハンマーに対応して専用の収納箇所も複数必要となるため、乗り物などの内部スペースに制約のあるものには不向きな面があり、また、専用収納箇所以外の例えばダッシュボードの内部に収納すると、緊急時に直ぐに取り出すことができない場合があり、使い勝手が悪い。
【0005】
これに対して、上記ハンマー付アシストグリップでは、通常時はアシストグリップとして使用するため、前記緊急脱出工具のように専用の収納場所が必要になるという問題はない。
【0006】
また、アシストグリップに脱出用ハンマーを内蔵したものがある(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2002−104048号公報
【特許文献2】特願2007−181902号公報
【特許文献3】WO2017/159354公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献3のアシストグリップは、既存のアシストグリップに対して後付けすることが難しいという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、既存のアシストグリップに対して後付けすることができる脱出ハンマー収容具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、乗り物の室内に取り付けられ、棒状に延びる把持部と、前記把持部の両端に前記乗り物の内装部材に取り付ける取付部とを備えたアシストグリップに脱出用ハンマーを収容する脱出ハンマー収容具であって、前記収容具は、前記把持部に固定される台座部を介して取り付けられることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記収容具は、前記台座部を覆う蓋部材を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記収容具が前記把持部と前記取付部との間に囲まれた領域に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記蓋部材が回動することにより、前記脱出用ハンマーの取り出しが可能となることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記アシストグリップは、前記取付部に設けられた前記把持部長手方向に延びる軸部材により、回動可能に前記乗り物の内装部材に取り付けられており、前記把持部が前記上方に位置する非使用位置と、前記室内下方に位置する使用位置との切り替えが可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の構成によれば、既存のアシストグリップに対して後付けすることが可能となる。
【0016】
請求項2の構成によれば、既存のアシストグリップに対して後付けすることが可能となる。
【0017】
請求項3の構成によれば、アシストグリップの握りやすさを妨げない。
【0018】
請求項4の構成によれば、脱出用ハンマーの取り出しが容易である。
【0019】
請求項5の構成によれば、アシストグリップの使用位置と非使用位置の切り替えが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1のアシストグリップの非使用位置を示す斜視図である。
図2】同上、収容具の分解斜視図である。
図3】同上、アシストグリップの非使用位置における断面図である。
図4】同上、アシストグリップの使用位置における断面図である。
図5】同上、回動機構付近で切断したアシストグリップの断面図である。
図6】同上、図5の状態から蓋部材の取り外した状態示す断面図である。
図7】同上、蓋部材を外した状態を示す斜視図である。
図8】同上、蓋部材に脱出用ハンマーを収容した状態を示す斜視図である。
図9】同上、脱出用ハンマーの分解図である。
図10】本発明の実施例2の収容具を取り付けた状態のアシストグリップの斜視図である。
図11】同上、収容具を取り付けた状態のアシストグリップの側面図である。
図12】同上、収容具から蓋部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図13】本発明の実施例3の収容具を取り付けた状態のアシストグリップの斜視図である。
図14】同上、収容具の分解斜視図である。
図15】同上、図13から蓋部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図16】本発明の実施例4の収容具を取り付けた状態のアシストグリップの斜視図である。
図17】同上、収容具を広げて脱出用ハンマーを露出した状態を示すアシストグリップの斜視図である。
図18】同上、収容具の分解斜視図である。
図19】同上、脱出用ハンマーを取り付けた状態で広げた収容具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明のアシストグリップの実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1図9は本発明の実施例1を示す。同図に示すように、アシストグリップ1は、本体2と取付部3とを一体に備える。前記本体2は、合成樹脂からなり、棒状に延びる把持部4と、この把持部4の長さ方向両端に一体に設けられた屈曲部たる湾曲部5,5とを備える。また、前記湾曲部5,5に前記取付部3,3がそれぞれ設けられ、前記取付部3は乗り物の内装部材6に取り付けられるものである。尚、取付部3は、湾曲部5の背面側に設けられている。
【0023】
前記内装部材6としては、乗り物の内部空間の内壁部が例示され、例えばアシストグリップ1は座席の側部上方に設けられる。
【0024】
前記本体2は、把持部4の外縁4Sが略真っ直ぐに形成され、両側の湾曲部5,5の外縁に凸状の曲面部5M,5Mが形成され、これら曲面部5M,5Mは前記把持部4の外縁4Sに連続して形成されている。
【0025】
また、把持部4の内縁4Uは略真っ直ぐに形成され、湾曲部5の内縁5Uは前記内縁4Uと略直交して形成されている。尚、図1において、把持部4の上側が外縁4Sであり、把持部4の下側が内縁4Uであり、以下、図1のアシストグリップ1の向きを基準として、アシストグリップ1などの上下を説明する。
【0026】
アシストグリップ1は、回動機構7によって、乗員に把持される使用位置と、乗員に把持されない非使用位置間において回動自在に内装部材6に支持されている。
【0027】
アシストグリップ1の湾曲部5の背面には、取付凹部8が設けられている。この取付凹部8には、内装部材6に取り付けられるベース部材9が収容され、湾曲部5とベース部材9を回動機構7の支持軸10が貫通し、アシストグリップ1を内装部材6に回動自在に支持している。また、回動機構7としては、アシストグリップ1を非使用位置へと付勢するねじりコイルばね等の付勢手段(図示せず)を備えている。
【0028】
前記本体2の内縁4Uには、収容具11が取り付けられている。収容具11は、前記本体2の内縁4Uに固定される台座部12と、台座部12を覆う蓋部材13とを備えている。
【0029】
台座部12は、把持部4の正面と背面に対応する正面部14と背面部15を把持部4の長手方向に沿うように形成し、円弧状の断面形状を有する内縁4Uに嵌合可能な湾曲した凹部からなる嵌合部16を上部に備え、ビスBを内縁4Uに打設可能とする底面部17を備えている。
【0030】
蓋部材13は、把持部4の長手方向に沿うように形成され、上方を開放した有底箱型形状に形成されており、非使用位置に車内側となる正面部18の中央部分には弾性係止部19を備え、非使用位置に内装部材6側に対向する背面部20の上部両端には、外向きに突設した湾曲した鉤状の係止爪21を備えている。
【0031】
蓋部材13の底面部には、長手方向に沿って形成された仕切板22が立設されている。
また、蓋部材13の背面部20の中央部分を蓋部材13内部へ向けて凹ませて形成された指掛け部23が形成されている。
【0032】
係止爪21は、背面部20の上部両端から上方へ延設された立ち上げ部24と、立ち上げ部24からアシストグリップ1の背面方向に円弧状に折り曲げた折り曲げ部25とを備えている。
【0033】
弾性係止部19は、正面部18に相互に間隔を有して形成された一対の切欠部26によって舌状に形成されたもので、上端に係合凸部27を備えている。
【0034】
尚、台座部12では、非使用位置に車内側となる正面部14の中央部分の内側には係合凸部27が係合可能な係合凹部14Aを備えている。
【0035】
台座部12の背面部15の両端下部には正面部14方向へと突設された係止片28をそれぞれ備えている。この係止片28には、係止爪21が係止可能となっている。
【0036】
前記収容具11には、ポンチタイプハンマーである脱出用ハンマー(以下、ハンマーと称す)29が着脱可能に収納される。
【0037】
ハンマー29は、合成樹脂製で略円筒状のハンマー本体30の先端に、硬質材料からなるポンチ31が固定して設けられている。蓋部材13に収納されたハンマー29のハンマー本体30は、仕切板22と指掛け部23の間に保持される。
【0038】
ハンマー本体30のポンチ31側はカバー部材32により覆われている。カバー部材32の外周には、切断部33を備えている。切断部33は、カバー部材32の外周より突設されたガイド部34と、ガイド部34とカバー部材32との間に形成された切欠き状に形成された案内溝35と、案内溝35に切断手段たる刃体36を設け、刃体36の刃部37は案内溝35から外部に突出しない構成となっている。
【0039】
図2は、収容具11の取り付け方法の一例を示している。台座部12の嵌合部16を内縁4Uに嵌合させた状態で底面部17と内縁4UとをビスB等で固着する。次に、ハンマー29が収納された蓋部材13をまずは係止片28の上部に係止爪21の折り曲げ部25を引っ掛けるようにして、係止爪21を係止片28に係合した後、弾性係止部19を係止凹部14Aに係合して、台座部12に蓋部材13を取り付けると、収容具11の取り付けが完了する。
【0040】
次に、図5図7を用いて、ハンマー29の取り出し方法について説明する。まず、蓋部材13の取り外し方法について、指掛け部23に指を掛けた状態で、弾性係止部19を押し込み、弾性係止部19と係止凹部14Aとの係止状態を解除し、回動機構7を回転軸として、蓋部材13を下方へ回転させる。係止片28に係合した状態の係止爪21は、前述のように蓋部材13を下方に回転させると、折り曲げ部25から立ち上げ部24へと係止片28に接触箇所を変化させた状態で係合している。続いて、係止爪21と係止片28の係合状態を解除して、蓋部材13を台座部12から取り外す。
【0041】
ここで、回動機構7を収容具11の背面部側に備えたことにより、蓋部材13が車内側に開くので、蓋部材13の取り外しが容易となる。
【0042】
また、蓋部材13の背面部20側に指掛け部23を備えたことにより、非使用位置において指を掛けるスペースを確保することができるので、蓋部材13の取り外しが容易となる。
【0043】
また、アシストグリップ1の使用位置での内装部材6と収容具11との隙間は、使用者の手を入れる隙間が確保されている。
【0044】
本実施例の収容具11は、乗り物の室内に取り付けられ、棒状に延びる把持部4と、前記把持部4の両端に前記乗り物の内装部材6に取り付ける取付部3とを備えたアシストグリップ1に脱出用ハンマー29を収容する脱出ハンマー収容具11であって、前記収容具11は、前記把持部4に固定される台座部12を介して取り付けられたことにより、既存のアシストグリップ1に対して後付けすることが可能となる。
【0045】
また、本実施例の収容具11は、前記台座部12を覆う蓋部材13を備えることにより、既存のアシストグリップ1に対して後付けすることが可能となる。
【0046】
また、本実施例の収容具11は、前記把持部4と前記取付部3との間に囲まれた領域に配置されたことにより、アシストグリップ1の握りやすさを妨げない。
【0047】
また、本実施例の収容具11は、前記蓋部材13が回動することにより、前記脱出用ハンマー29の取り出しが可能となることにより、脱出用ハンマー29の取り出しが容易である。
【0048】
また、本実施例では、前記アシストグリップ1は、前記取付部3に設けられた前記把持部4長手方向に延びる軸部材である支持軸10により、回動可能に前記乗り物の内装部材6に取り付けられており、前記把持部4が前記上方に位置する非使用位置と、前記室内下方に位置する使用位置との切り替えが可能となることにより、アシストグリップ1の使用位置と非使用位置の切り替えが可能となる。
【実施例2】
【0049】
図10及び図12は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の収容具11は、台座部12の嵌合部16の前方に収容部40を一体に備え、収容部40を覆う蓋部材41を備え、本体2の正面部側に収容具11を配置したものとなっている。収容部40は、嵌合部16の前方に形成された有底箱状に形成されたものである。
【0050】
蓋部材41は、正面部42の中央部分に弾性係止部43を備えている。弾性係止部43は、正面部42に相互に間隔を有して形成された一対の切欠部44によって舌状に形成されたもので、下端に係合凸部45を備えている。収容部40の正面部41の内側に弾性係止部43が係止可能な係合凹部46を備えている。
【0051】
尚、図示されていないが、本実施例の蓋部材41の背面部側に実施例1のような回動機構7や指掛け部を備えたものでもよいものとする。また、アシストグリップ1の使用位置での内装部材6と収容具11との隙間は、使用者の手を入れる隙間が確保されている。
【0052】
さらに、収容具11をアシストグリップ1の本体2の正面部に配置して、収容具11とアシストグリップ1の本体2を一緒に握ることで、略断面円形状の本体2を、手摺り等において一般的に握りやすい形状とされる楕円形状の縦横寸法に近い断面形状として握ることができるので、アシストグリップ1の握りやすさを向上させることができる。
【実施例3】
【0053】
図13及び図15は、本発明の実施例3を示し、上記実施例1及び2と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。収容具11は、台座部12の背面部15を下方に延設し、ハンマー29が保持される保持部50が形成されている。そして、台座部12と保持部50を覆う蓋部材51を備えている。
【0054】
蓋部材51は、正面部52、底面部53、そして正面部52の上端から底面部53の後端までを覆う略三角形状の左側面部54及び右側面部55をそれぞれ備えている。
【0055】
なお、保持部50では、蓋部材51を台座部12から取り外した状態で、保持部50からハンマー29が落下するのを防止するために、ハンマー本体30を保持する支持片56を複数備えている。また、アシストグリップ1の使用位置での内装部材6と収容具11との隙間は、使用者の手を入れる隙間が確保されている。
【実施例4】
【0056】
図16及び図19は、本発明の実施例4を示し、上記実施例1〜3と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。本実施例の台座部12は、アシストグリップ1の本体2に巻回した状態で取り付けられた複数の雌型面テープとしている。
【0057】
収納具11は、幅寸法を本体2の長手方向の寸法とほぼ同一とし、長さ寸法を本体2の全周より大きく形成された合成樹脂製の織布からなる。
【0058】
収納具11の一側面60の一端側には、雌型面テープ61が備えられている。また、収納具11の他側面62には、一端側に台座部12に着脱可能な複数の雄型面テープからなる着脱部63を備え、中央部分に筒型状のハンマー保持部64を備え、他端側には雌型面テープ61と着脱自在な雄型面テープ65を備え、他端にはストラップ66を備えている。
【0059】
図17図19を用いて収容具11の取り付け方法を説明する。まず、収容具11の他側面62側を本体2に向けて収容具11を本体2に巻きつけて、台座部12と着脱部63を固着させて、収容具11を本体2に取り付ける。次に、ハンマー保持部64にハンマー29を取り付けた状態で、収容具11をさらに本体2に巻きつけて、雌型面テープ61と雄型面テープ65を固着すると、ハンマー29が収容される。
【0060】
ハンマー29の取り出し方法についても図17図19を用いて説明すると、ストラップ66を掴み、雌型面テープ61と雄型面テープ65の固着状態を解除して、本体2に巻き付いていた収容具11をハンマー保持部64が露出するまで広げると、ハンマー29を取り出すことができる。
【0061】
また、アシストグリップ1の使用位置での内装部材6と収容具11との隙間は、使用者の手を入れる隙間が確保されている。
【0062】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。本実施例のアシストグリップは使用位置と非使用位置の間で回動可能なものとしたが、使用位置のまま固定された固定式のアシストグリップでもよいものとする。また、実施例4の各種面テープ12,61,63,65は、スナップボタン等の各種固着手段に変更可能であり、支持片56の形状や構成についても適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 アシストグリップ
3 取付部
4 把持部
6 内装部材
10 支持軸(回転軸)
11 収容具
12 台座部
13 蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19