特許第6911236号(P6911236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6911236
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】ダイヤル式施錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 37/02 20060101AFI20210715BHJP
   E05B 19/00 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   E05B37/02 Z
   E05B19/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-143998(P2017-143998)
(22)【出願日】2017年7月7日
(65)【公開番号】特開2019-15157(P2019-15157A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年6月17日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513174047
【氏名又は名称】松田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】松田 誠一
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3143531(JP,U)
【文献】 特開2008−280823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠本体と、複数のダイヤル部とを有するダイヤル式施錠装置であって、それぞれのダイヤル部に付した印の回転位置を、ダイヤル式施錠装置の基準位置と複数のダイヤル部毎に付けた印との角度や相対的な角度またはその角度における円弧長を示す鍵に示した開錠位置に合わせて開錠するダイヤル式施錠装置。
【請求項2】
ダイヤル式施錠装置の基準位置とダイヤル部に付けた印との角度や相対的な角度またはその角度における円弧長を開錠位置として示すもので、請求項1に記載のダイヤル式施錠装置を開錠するために用いる鍵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤル操作により開錠や施錠を行う南京錠やチェーンロックなどの施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
南京錠やチェーンロックには、ダイヤル式のものや鍵式のものがある。
【0003】
ダイヤル式の南京錠やチェーンロックは、数種類の数字や文字などの記号を並べたダイヤル部を複数個有し、複数個のダイヤル部にある記号が暗証番号となる特定の開錠記号列となるように基準位置に揃えて開錠する。
そして開錠記号列が揃った状態から崩す事で施錠する。
【0004】
ダイヤル式の南京錠やチェーンロックは、開錠記号列を知っている者であれば開錠できるため、複数の人が共同で利用する事ができる。
【0005】
一方、鍵式の南京錠やチェーンロックは、錠と一対になっている鍵を使って開錠するため、その鍵を持っている者にしか対になっている錠は開ける事ができない。
【0006】
多くの場合、鍵は金属でできており合鍵を作る事もできる。
合鍵を必要な数だけ用意すれば、複数の人が共同で対になっている錠を利用する事も可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3558772号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ダイヤル式の南京錠やチェーンロックは、ダイヤル部に記号が並び、特定の開錠記号列になるように基準位置に記号を揃えることで開錠する。
しかしながら記号の組合せはその数が有限であるため、開錠記号列を知らない者でも全ての記号の組合せを実施すれば、記号列が特定の開錠記号列に揃った時には開錠できてしまう。
【0009】
また開錠記号列を揃えるためには、各ダイヤルの記号を目視で区別する必要があり、ダイヤル錠が使用される場所は明るく視野を遮られない場所である必要がある。
【0010】
一方、鍵式の南京錠やチェーンロックは、鍵の所有者しか開錠できず防犯上の利点はあるが、鍵を忘れて持っていなかったり紛失してしまうと、錠の所有者でも開錠する事ができない。
開錠するためには現物の鍵や合鍵を再度用意する必要がある。
また、鍵は所持及び保管する煩わしさもあり、合鍵は専門業者でしか作れず簡単に入手する事はできない。
【0011】
これらの課題を解決するため、開錠方法を知らない者には開ける事が困難なダイヤル式施錠装置でありながら、簡単に管理・入手できる鍵を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のダイヤル式施錠装置は、錠に複数個あるダイヤル部に付けた印を、基準位置から任意の角度や相対的な角度またはその角度における円弧長の位置に合わせて開錠するダイヤル錠であり、その開錠位置を示すものとして鍵を用いる。
【0013】
鍵は、ダイヤル錠の基準位置と各ダイヤルに付けた印との角度を、角度や相対的な角度またはその角度における円弧長で示したものであり、材質や形状を問わず、大きさはダイヤル錠の印と対比して角度が合わせられる程度であれば、平面的なものでも立体的なものでも良い。
また画像を表示する装置があれば、画像の電子データでも鍵として使用する事ができる。
【0014】
錠や鍵に付けた印を、指で触った感覚で形や凹凸の違いを判断できる形状にすることで、ダイヤルの記号を見て判断できない暗い場所でも開錠できるようになる。
【発明の効果】
【0015】
開錠位置を知らない者が、アナログ量である任意の角度を全てのダイヤルについて合わせる事は非常に困難である。
錠本体にある基準位置とダイヤルに付けた印を、目盛りや表示などが無いところで合わせる事になるため、全ての組み合わせの数は無限に感じられ、非常に開錠しにくいものとなる。
また、複数のダイヤル部の角度が偶然合い、開錠できる確率も非常に低いため、防犯上の効果も大きい。
【0016】
角度や相対的な角度またはその角度における円弧長を示すものであれば、鍵として使用できる。
開錠位置を図形で示した紙や画像の電子データでも鍵として使用でき、角度は拡大縮小しても変わらないため、コピーして印刷した紙でも合鍵として使用する事ができる。また手で書き写したものであっても、合鍵として十分使用できる。
開錠状態における基準位置でのダイヤルの状態を撮した写真は、印の相対的な角度を示す鍵として使用できる。
特に紙や電子データは、持ち運び易い上に紛失もしにくく、保管にも便利である。また、電子データは電子メールを用いれば直ぐに他者に送る事ができ、緊急時には臨時で代理の者に錠を開錠してもらう事もできる。
【0017】
錠と鍵に付けた印が、指で触って判断できる程に区別が付くものであれば、指で触った感覚で錠のダイヤル部の印の位置を、鍵に付けた印の位置に合わせる事で角度を開錠位置に合わせた事になり、開錠する事ができる。
ダイヤル部の表示が見にくい場所や暗い場所での使用にも便利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】南京錠型のダイヤル錠と、平面図形による鍵を示す図である。
図2】チェーンロック型のダイヤル錠と、立体的なリング形状の鍵を示す図である。
図3】立体的なリング形状の鍵および帯状の鍵を示す図である。
図4図1で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図5図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図6図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図7図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図8図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図9図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図10図2で示したダイヤル部の構造の一例を示す図である。
図11】この発明の実施に加え、カモフラージュを行った実施例を示す図である。
図12】カモフラージュを行った錠と相対的な角度を示す鍵の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
尚、本実施の形態に記載されている構成要素の材質や形状等は、特に発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0020】
図1には本発明に係る南京錠型のダイヤル錠と、紙や電子データによる平面図形で表した鍵の実施例を示す。
【0021】
錠本体1は、上部に付いた逆U字形のシャックル15と、胴体部16からなる。胴体部16にはダイヤル121、122、123、124があり、その各ダイヤルには印131、132、133、134が付いている。
また、ダイヤル部の上側に位置する胴体部には、基準位置を示す印11を設ける。この例では印131から134を縦線(|)で示し、基準位置11は逆三角形(▽)で示している。
尚、ダイヤル錠1のダイヤル122の印132については、図中では見えない部分に位置しているため、図示していない。
【0022】
平面2で示したものは板や紙に記述した鍵であり、図形を用いて各ダイヤルの開錠位置を示している。
逆三角形(▽)21は基準位置を示し、基準位置21から中心点24に引いた直線25は、開錠位置を示す直線との角度をつくる基準線となる。中心点24を通る直線221、222、223、224は、各ダイヤルの開錠位置を示す直線であり、基準線25とのなす角度で各ダイヤルの開錠位置を示している。
また直線221から224の先端には、ダイヤルの上段側からの順序でダイヤルの番号を付けている。
円231および232は中心点24を中心とした半径の異なる同心円であり、半径はダイヤル錠の半径以上の寸法である事が望ましい。
【0023】
平面図形の鍵2を使用して、南京錠型のダイヤル錠1を開錠する方法を示す。先ず同心円231や232を目安に、ダイヤル錠1と鍵2の円の中心を合わせる。次にダイヤル錠1の基準位置11が、鍵2の基準位置21を通る基準線25の線上に位置するように合わせる。
その基準位置が合った状態で、ダイヤル錠1のダイヤル121の印131を、平面図形の鍵2の▲1▼で示した直線221の線上に位置するように合わせ、ダイヤル121を開錠できる状態にする。ダイヤル122の印132は▲2▼で示した直線222の線上に、ダイヤル123の印133は▲3▼で示した直線223の線上に、ダイヤル124の印134は▲4▼で示した直線224の線上に全て合わせると、ダイヤル錠は開錠状態となりシャックル15が上方に動くようになる。
【0024】
携帯端末3は、鍵となる図形を画像の電子データ4として使用した例である。開錠方法は前述の平面図形の鍵2と同様である。
【0025】
実施例1の利点を下記に示す。
【0026】
錠には基準位置(▽)と各ダイヤルに付けた印(|)しか表示が無い。
錠には他に目盛などの表示も無いため、開錠方法や開錠位置を知らない者には、印(|)を合わせる所が判らず、開錠することは難しい。
【0027】
紙や板に印刷した平面図形の鍵は、紙にコピーして簡単に合鍵を作ることができる。また手で紙に書き写したものでも合鍵とすることができる。一時的な使用目的であれば、紙に写した合鍵は使用後直ちに紙として処分・破棄できるので、合鍵の管理もし易い。
【0028】
画像の電子データとしての鍵は、共同使用者に簡単に送付することができる。例えば団体で倉庫を利用する場合、鍵の所有者が急用でその場所に行けない時でも、電子データを倉庫に来ている者の携帯電話やスマートフォンあるいはタブレットコンピュータなどの携帯端末に送れば、代理の者が錠を開けて倉庫を利用することができる。
画像データは角度を示した図形であるため、拡大や縮小して大きさを変えても、図中で示している角度は変わらないので、表示する携帯端末の画面寸法に寄らずに使用できる。
【実施例2】
【0029】
図2図3には立体的なリング形状の鍵と円弧長に寄る鍵の実施例を、本発明に係るチェーンロック型と南京錠型のダイヤル錠を用いて示す。
【0030】
図2で示すチェーンロック型ダイヤル錠5は、ワイヤー部54の一端にダイヤル部を含む本体55が、他端には本体55に連結する連結部56が取り付く構造となっている。ワイヤー部54は鎖のチェーンである場合もある。
本体55の基準位置51に近いダイヤル52には星形の印531を付け、次のダイヤル52には三日月形の印532を付けるなどして、全てのダイヤルの印を異なる形状にする。
尚、3つめのダイヤル52の印533については、図中では見えないところに位置しているため、図示していない。
【0031】
図2で示すらせん状のリング形状をした鍵6には、基準位置61とダイヤル錠に付けた印と同じ形状の印621、622、623、624が付いている。
ダイヤル錠5に付けた星形の印531には鍵6に付けた印621が対応し、三日月形の印532には鍵6の印622が、ひし形の印534には鍵6の印624が、それぞれ対応する。
ダイヤル錠5の印533が図中では見えないところにあるため、対応する鍵6の印623も同様に見えないところにあり、図示していない。
鍵6の印621から624の各位置は基準位置61を基準にして、ダイヤル錠5が開錠状態となる時にダイヤル部の印531から534が基準位置51となす角度と一致する位置に配置する。
【0032】
鍵6を使用して、ダイヤル錠5を開錠する方法を示す。
先ず基準位置を示す51と61の逆三角形が同じ向きになるように、鍵6のらせん状の隙間を使って、ダイヤル錠5のワイヤー部54を鍵6のリング形状の中に通す。
次に鍵6の基準位置61が、ダイヤル錠5の基準位置51と図中の水平方向に同じ位置になるように合わせる。
基準位置が合った状態で、ダイヤル錠5の印531を鍵6の印621の位置に合わせ、ダイヤル錠5の印532は鍵6の印622に、ダイヤル錠5の印533は鍵6の印623に、ダイヤル錠5の印534は鍵6の印624に、全て合わせた状態でダイヤル錠5は開錠状態となり、ダイヤル部を含む本体55から連結部56が外れ開錠する。
【0033】
図3は、南京錠型のダイヤル錠7に、立体的なリング形状の鍵800、801と帯状の平面図形の鍵802を使用した例である。
2つの鍵800と801はリングの径は異なるが、ダイヤル錠7が開錠状態となる時に基準位置71と各ダイヤル72の印731、732、733、734とのなす角度に一致する位置に、鍵800の基準位置811を基準にして、印821、822、823、824を配置している。また鍵801に付けた印についても同様である。
尚、ダイヤル錠7に付けた印733とリング状の鍵800、801に付けた印823については、図中では見えない位置にあるため、図示していない。開錠方法は図2で説明した方法と同様である。
【0034】
図3で帯状の紙に記述した鍵802は、円弧長を用いて開錠位置を示したものである。
鍵802に示した基準位置813から印841、842、843、844までの距離は、開錠時におけるダイヤル錠7の基準位置71とダイヤルに付けた印731から734とのなす角度をダイヤル部表面における円弧長に置き換えた距離と、等しくなっている。
開錠する時は、ダイヤル錠の基準位置71に鍵802の基準位置813の位置と向きを合わせ、この帯状の紙をダイヤル部に巻きつけて使用する。
各ダイヤルの印731から734を、鍵802に記述した印841から844の位置に合わせる事で鍵7は開錠する。
【0035】
実施例2の利点を下記に示す。
【0036】
ダイヤル錠5にある基準位置51と印531から534が凹凸がある印で、同様に鍵6の基準位置61と開錠位置を示す印621から624も凹凸のある印にする。
指で触れて各ダイヤルに付けた印の形状の区別が付くようにする事で、指の感覚でダイヤルの印を開錠位置を示す鍵の印の位置に合わせる事ができる。
暗い場所などでは視覚を使わずに指の感覚でダイヤル錠5と鍵6の印同士の位置を合わせて、開錠することができる。
【0037】
円弧長に合わせて作成した平面的な鍵802は、帯状の紙に手で書き写して簡易的に合鍵を製作することもできる。
【実施例3】
【0038】
図4から図10に本発明に係るダイヤル部の構造についての実施例を示す。図4図1に示したダイヤル121の構造の一つの実施例であり、ダイヤル121の円周上の任意の位置に印131を付ける。
【0039】
図5図6図2で示したダイヤル52の構造の一つの実施例である。
各ダイヤル52の円周上の任意の位置に印531と532を付ける。
【0040】
図7から図10は、図3で示したダイヤル72の構造の一つの実施例である。先行技術文献としてあげた特許文献1の特許第3558772号に示されているように、ダイヤル部の内部にロックギアを持たせて2重構造にし、開錠位置を変更する事ができるようにしている。
この例ではロックギア76とダイヤル72の嵌合する山が24個あるものを示している。
【0041】
実施例3の利点を下記に示す。
【0042】
図4から図6の実施例で示した印131、531、532は、ダイヤルの円周上360°、位置に制約無く付ける事ができる。
そのため1つのダイヤルについても開錠位置を微小な角度の増減を用いて設定できる。
【0043】
図7から図10では24山の嵌合例を示したが、山の数に制約は無い。
山の数が多い方が微小な角度の増減を調整でき、またダイヤル毎に山の数が異なるものを使用することも可能である。
特許文献1では、山の数がダイヤル表面の分割数に一致するよう制約があり、また表面の表示位置とロックギアとの位置関係もずれの無いように製作する必要があるが、本発明を実施する上では表面の印とロックギアの位置関係に制約は無く、精度を気にせず製作できる。
【実施例4】
【0044】
図11図12には、本発明に係る南京錠型のダイヤル錠においてカモフラージュの表示を施した実施例と、相対的な角度を示す鍵の実施例を示す。
この例は、チェーンロック型のダイヤル錠にも使用することができる。
【0045】
図11は各ダイヤルに数字の0から9の番号を均等に割り振った例である。この数字はカモフラージュであり、開錠位置を示すものではない。
この実施例では開錠位置を示す印として、数字の9と0の間にある境目が設定されており、ダイヤル921には印931が、ダイヤル923には印933が、ダイヤル924には印934が設定されている。
ここでは印931から934が開錠位置に来た時に、基準位置11に各ダイヤルにカモフラージュとして付けた数字の中心が来ないように微小な角度ずらしておく必要がある。
尚、ダイヤル922には印932が設定されているが、図中では見えない部分に印932が配置されているため、図示していない。
【0046】
図12は各ダイヤルに英文を記載した例である。
この英文はカモフラージュであり、開錠位置を示すものではない。
この実施例では開錠位置を示す印として英文の最後にあるピリオド(・)に設定されており、ダイヤル941には印951が、ダイヤル943には印953が、ダイヤル944には印954が設定されている。
尚、ダイヤル942には印952が設定されているが、図中では見えない部分に印952が配置されているため、図示していない。
【0047】
図11図12共に、鍵として図1で示した鍵2を記載している。
開錠方法は実施例1で記述した通りである。
【0048】
図12には、相対的な角度を示す鍵として写真999を使用した例を示す。
ダイヤルに付けたカモフラージュのための記号を利用すれば、開錠位置を示す印が相対的な位置関係・角度で、どこにあるか判断できる。全てのダイヤルに付けた印を開錠位置に移動した時の基準位置における記号の状態や位置を記録しておけば、鍵として使用できる。
錠を開錠する際には、記録した画像通りに、基準位置における記号の状態や位置を再現すれば、ダイヤルに付けた印は開錠位置に移動した状態となり、開錠することができる。
【0049】
実施例4の利点を下記に示す。
【0050】
図11で示した例においては基準位置と数字の中心をずらした事で、開錠方法を知らない者が従来からのダイヤル錠として全ての数字の組合せを実施しても開錠することはできない。
【0051】
図12ではピリオド以外にも、例えば英単語“is”のアルファベット“s”を印として設定する事もできる。
【0052】
図11図12の例では、開錠方法を知らない者には、開錠位置に合わせる印931から934や951から954自体がどれであるか判断できない。もし不正に鍵2を入手できたとしても、合わせる印を知らなけえば開錠する事は難しい。
【0053】
開錠状態にした時の基準位置におけるダイヤルの状態を写真に撮って画像として保存するだけで、鍵として利用できる。相対的な角度を示す鍵としての写真は図形の画像と同様に電子データとして扱うことができる。
【符号の説明】
【0054】
1…南京錠型のダイヤル錠、2、4…平面図形の鍵、3…携帯端末、
5…チェーンロック型のダイヤル錠、11、21…基準位置、
25…基準線、121…ダイヤル、131…印、
221、222、223、224…開錠位置、999…写真画像の鍵。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12