(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によるプリント回路基板及びその製造方法の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0010】
また、本明細書において、第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語により限定されない。
【0011】
また、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0012】
<プリント回路基板>
図1は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板1000を示す図である。
【0013】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板1000は、コア100と、コア100上にビルドアップ層200と、を含む。
【0014】
図2は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板1000のコア100を示す図である。
【0015】
図2を参照すると、本発明の一実施例に係るコア100は、炭素補強層110と、第1感光性絶縁層150と、を含み、炭素補強層110は、炭素材111と、絶縁層112と、を含む。
【0016】
炭素補強層110は、炭素材111の上下に絶縁層112が積層されて基板の剛性(stiffness)を高めることができる。
【0017】
炭素材111とは、炭素繊維(carbon fiber)、グラファイトシート(graphite sheet)等を含む概念である。
【0018】
炭素材111は、引張強度(tensile strength)と引張弾性率(Tensile modulus、引張に対する弾性係数)が高くて基板の剛性(stiffness)を高めることができる。
【0019】
炭素材111の引張弾性率は、400Gpa以上であり、好ましくは500Gpa以上であることができる。
【0020】
炭素材111の高い引張弾性率によりプリント回路基板1000の引張弾性率を50Gpa以上改善することができる。
【0021】
さらに、炭素材111は耐熱性に優れて、プリント回路基板の加工工程中の基板の変形を最小化することができる。
【0022】
炭素材111は、モジュラスの高いPAN系炭素繊維、耐変形性の高いピッチ(Pitch)系の炭素繊維のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0023】
炭素材111は、プリント回路基板の最適の引張強度(high tensile strength)及び引張弾性率を導出するために、炭素補強層110に含有される含有量、種類、及び配置形態を異ならせることができる。
【0024】
絶縁層112は、炭素材111上に形成可能である。
【0025】
絶縁層112は、樹脂材であってもよく、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド(PI)等の熱可塑性樹脂を含むことができ、本発明の一実施例に係る絶縁層112としては、感光性絶縁物質を用いることが好ましい。
【0026】
具体的には、絶縁層112がPID、ソルダーレジストなどの感光性絶縁物質で形成されることにより、レーザ、ドリルなどを使用せずに貫通ホールまたはビアホールを形成することができる。
【0027】
絶縁層112を貫通するビアを形成する方法は、プリント回路基板の製造方法でより詳細に説明する。
【0028】
プリント回路基板1000は、炭素補強層110を貫通する第1ビア121をさらに含むことができる。
【0029】
第1ビア121は、伝導性物質123で形成可能であり、伝導性ペーストのような伝導性物質123で充填されることができる。
【0030】
第1ビア121を伝導性ペーストで充填すると、伝導性ペーストの高い接着特性により電気伝導度を高めることができる。
【0031】
非伝導性物質122は、炭素補強層110と第1ビア121との間の電気的な絶縁のために第1ビア121と炭素補強層110との間に介在できる。
【0032】
プリント回路基板1000は、炭素補強層110上に形成される第1回路パターン131をさらに含むことができる。
【0033】
第1回路パターン131が形成された炭素補強層110の上には、第1感光性絶縁層150を積層することができる。
【0034】
第1感光性絶縁層150は、感光性絶縁物質で形成可能である。
【0035】
感光性絶縁物質は、PID(photo−imageable dielectric)、ソルダーレジスト(solder−resist)等を含む。
【0036】
PIDは、絶縁特性、遮光特性及び耐化学特性を有し、内部に微細なビアホール(30μm以下)を形成するに有利な物質である。
【0037】
第2ビア151は、第1感光性絶縁層150を貫通して形成することができ、第1回路パターン131に電気的に接続するように、第1回路パターン131上に形成することができる。
【0038】
第2ビア151に接続する第1回路パターン131は、パッドである。
【0039】
第2ビア151は、第1感光性絶縁層150の露光、現像工程によりビアホールを形成した後に、ビアホールに伝導性ペーストを充填することで形成可能である。
【0040】
図3は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板1000のビルドアップ層200を示す図である。
【0041】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るビルドアップ層200は、コア100上に積層され、第2感光性絶縁層250を含むことができる。
【0042】
ビルドアップ層200は、第2感光性絶縁層250が内部に形成される第2回路パターン231または第2感光性絶縁層250を貫通する第3ビア221を含むことができる。
【0043】
第2感光性絶縁層250は、第1感光性絶縁層150と同じ物質で形成することができ、第3ビア221は、第2ビア151と同様の工程により形成することができる。
【0044】
<プリント回路基板の製造方法>
図4は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0045】
図5から
図21は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法を示す工程図である。
【0046】
図4から
図21を参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法は、コア100を形成するステップS100と、コア100上にビルドアップ層200を形成するステップS200と、ビルドアップ層200を一括積層するステップS300と、を含む。
【0047】
図5から
図13は、本発明の一実施例に係るコア100を形成する製造方法を示す工程図であり、
図5から
図13を参照すると、コア100を形成するステップS100は、炭素材111上に絶縁層112を積層して炭素補強層110を形成するステップS110を含むことができる。
【0048】
次に、コア100を形成するステップS100は、炭素補強層110を貫通する第1ビア121を形成するステップS120をさらに含むことができる。
【0049】
第1ビア121を形成するステップS120は、炭素補強層110を貫通する第1貫通ホール10を形成するステップと、第1貫通ホール10の内部に非伝導性物質122を充填するステップと、非伝導性物質122の内部に第2貫通ホール20を形成するステップと、第2貫通ホール20の内部に伝導性物質123を充填するステップと、を含むことができる。
【0050】
第1貫通ホール10または第2貫通ホール20は、CNCドリルなどにより形成可能である。また、第1貫通ホール10は、絶縁層112が感光性絶縁物質で形成された場合は、露光及び現像工程により形成可能である。
【0051】
コア100と第1ビア121との絶縁のために、第1貫通ホール10の内部に非伝導性物質122を充填することができる。
【0052】
一方、本発明の実施例に係るコア100を形成するステップS100は、炭素補強層110上に第1回路パターン131を形成するステップS130をさらに含むことができる。第1回路パターン131は、回路及びパッドを含む概念である。
【0053】
炭素補強層110に第1ビア121または第1回路パターン131を形成した後に、第1ビア121または第1回路パターン131が形成された炭素補強層110上に第1感光性絶縁層150を形成することができる(S140)。
【0054】
その後、本発明の実施例に係るコア100を形成するステップS100は、第1感光性絶縁層150を貫通する第2ビア151を形成するステップS150をさらに含むことができる。
【0055】
第2ビア151は、第1感光性絶縁層150を貫通するビアホールを形成した後に、ビアホールに伝導性物質を充填して形成することができる。
【0056】
ビアホールは、レーザ、ドリルなどを用いたホールの加工なしで、第1感光性絶縁層150の露光、現像工程により形成可能である。
【0057】
また、第2ビア151は、伝導性ペーストを充填することで形成可能であり、ビアホールにメッキ層が形成されることを排除することではない。
【0058】
図14から
図21は、本発明の一実施例に係るビルドアップ層200を形成する製造方法を示す工程図である。
図14から
図21を参照すると、ビルドアップ層200を形成するステップS200は、一面にキャリア層222が形成された金属層211を準備するステップS210と、金属層211をエッチングして第2回路パターン231を形成するステップS220と、第2回路パターン231上に第2感光性絶縁層250を形成するステップS230と、第2感光性絶縁層250を貫通する第3ビア221を形成するステップS240と、キャリア層222を除去するステップS250と、を含むことができる。
【0059】
一面にキャリア層222が形成された金属層211を準備するステップS210において、キャリア層222は、金属層211を支持する手段であり、金属層211に回路の形成の際に歪み(warpage)などの発生を最小化するために金属層211の一面に形成される。
【0060】
キャリア層222には、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナプタレート(Polyethylene naphthalate)、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、及びポリエーテルエーテルケトン(Poly ether ether ketone)のうちのいずれか一つ以上が含まれることができる。
【0061】
金属層211は、銅箔であってもよく、厚さは、2μmから36μm範囲であってもよい。
【0062】
金属層211をエッチングして第2回路パターン231を形成するステップS220では、金属層211上にメッキを施し、エッチング工程を経て第2回路パターン231を形成することができる。
【0063】
第2回路パターン231は、サブトラックティブ(Substractive)工法、セミアディティブ(Semi−additive)工法、及びアディティブ(addive)工法のうちのいずれか一つの工法を用いて形成することができる。
【0064】
第2回路パターン231は、回路及びパッドを含む概念である。
【0065】
次に、第2回路パターン231上に第2感光性絶縁層250を形成するステップS230を行うことができる。
【0066】
第2感光性絶縁層250は、第1感光性絶縁層150と同じ感光性絶縁物質で形成することができる。
【0067】
次に、第2感光性絶縁層250を貫通する第3ビア221を形成するステップS240を行うことができる。
【0068】
第3ビア221を形成するステップS240は、第2感光性絶縁層250に第3貫通ホール30を形成するステップと、第3貫通ホール30に伝導性物質を充填するステップと、を含み、第2ビア151を形成するステップと同様に行われることができる。
【0069】
第3ビア221または第2回路パターン231が形成された第2感光性絶縁層250からキャリア層222を除去する(S250参照)ことにより、ビルドアップ層200を形成することができる。
【0070】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、ビルドアップ層200を複数形成するステップS300をさらに含むことができる。
【0071】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、複数のビルドアップ層200をコア100上に一括積層するステップS300をさらに含むことができる。
【0072】
ビルドアップ層をコアに順次積層する製造方法は、ビアホールの加工、積層、メッキ工程、検査及び表面処理工程を順次繰り返さなければならないので、製造工程の時間が長くなり、製造費用も増加することになる。
【0073】
したがって、複数のビルドアップ層200を一括的にコア100上に積層する製造方法は、ビルドアップ層200を順次にコア100上に積層する製造工程に比べて製造時間及びコスト面で有利である。
【0074】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、ビルドアップ層200の最外郭層にソルダーレジスト層270を形成するステップをさらに含むことができる。
【0075】
ソルダーレジスト層270がビルドアップ層200の最外郭層に形成されることにより、ビルドアップ層200に形成された回路パターンを保護することができる。
【0076】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、コアに、high strengthとhigh modulus特性を有する炭素繊維のような炭素材が含まれることにより、剛性(stiffness)を改善することができる。
【0077】
さらに、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造方法は、一括積層により形成されるので、多層プリント回路基板の製造の際に製造時間及び製造費用を低減することができる。
【0078】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を様々に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるといえよう。