特許第6911706号(P6911706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6911706
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】停電対応支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20210715BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20210715BHJP
【FI】
   G06Q50/06
   G06Q10/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-208712(P2017-208712)
(22)【出願日】2017年10月30日
(65)【公開番号】特開2019-82770(P2019-82770A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津森 誠一
(72)【発明者】
【氏名】坂田 光
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−022676(JP,A)
【文献】 特開2010−015319(JP,A)
【文献】 特開2014−155385(JP,A)
【文献】 特開2016−093098(JP,A)
【文献】 特開2014−176117(JP,A)
【文献】 特開2017−107384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各需要家に設置された電力計量器としてのスマートメータと、
各需要家の前記スマートメータと通信網を介して接続され、前記スマートメータのデータ収集や管理を行うスマートメータ運用管理システムと、
顧客からの申出に対応するカスタマーセンターと、
顧客からの申出を管理する顧客申出管理システムと、
を備え、
前記顧客申出管理システムは、
前記カスタマーセンターの端末を介して顧客を特定する情報を受信すると共に故障票の作成依頼を受けた場合に、前記スマートメータ運用管理システムに対して対応する顧客のスマートメータの現在値情報の取得を要請する現在値情報取得要請手段と、
この現在値情報取得要請手段の要請に基づき前記スマートメータから取得した現在値情報を前記スマートメータ運用管理システムから受信した場合に、その現在値情報を前記カスタマーセンターの端末に表示させるべく前記カスタマーセンターの端末に送信する現在値情報送信手段と、
前記カスタマーセンターの端末を介して故障の受け付けが確定された場合に、前記受信した現在値情報を故障票に印刷させると共に、前記故障票を作業者がアクセス可能な工事手配データベースに格納する故障票起票手段と
作業者の携帯する端末に前記受信した現在値情報と共に工事手配の連絡を送信する工事手配手段と、
を具備することを特徴とする停電対応支援システム。
【請求項2】
前記顧客申出管理システムは、前記カスタマーセンターの端末を介して故障の受け付けが確定された場合に、前記受信した現在値情報に代えて、その現在値情報に基づき判定される電圧または電流の有無のみの情報を作業者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の停電対応支援システム。
【請求項3】
前記需要家の契約情報を管理する営業オンラインシステムを更に有し、前記顧客を特定する情報は、前記カスタマーセンターの端末を介して前記営業オンラインシステムから取得した情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の停電対応支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、需要家からの停電の連絡を受けた場合の対応を支援する停電対応支援システムに関し、特に、需要家からの連絡を受けた受付者の対応を支援し、また、現地を訪問して故障修理を行う作業者の対応を支援するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、停電(故障)修理の対応については、需要家からの停電(故障)の申し出があった場合に、受付者が停電(故障)の受け付けを行い、受付者から依頼を受けた作業者が現地を訪問して、故障修理を実施するようにしている。
この際、受付者は、お客様から停電状況や停電した際の使用状況を聞き取るが、作業者が現地を訪問し、電流・電圧の測定を実施しなければ故障個所を特定することができない場合もあるし、需要家から入手する停電情報のみしかないので、お客様にてブレーカ操作が可能である場合であっても、スマートメータより電源側に故障点がある可能性もあり、ブレーカ操作を依頼しづらいという不都合があった。
【0003】
そこで、近年において、配電系統において、各需要家の電力使用量を計測するために、各需要家毎の電力使用量を表す電力量データを遠方の監視所等に通信網を介して伝送することを可能とするスマートメータの設置が普及しつつあることに鑑み、このスマートメータを利用して配電線の事故停電の検出や配電線トランスの停電把握を的確に行うことが可能なシステムが提案されている(特許文献1参照)。
これは、スマートメータが所定時間毎に計測した電力使用量を表す電力量データを処理する電算機において、電力データが未更新のスマートメータを特定することで、当該スマートメータの電源が喪失していると判断するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−150640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電力データが更新しているか否かは、例えば、スマートメータが30分毎に電力量データを伝送している場合には、更新の有無の判断は、長くなると30分程かかるので、受付者が需要家からの停電(故障)の申し出を受けた場合に故障の状態を速やかに判断することができない場合がある。
このため、需要家からの停電(故障)の申し出があった場合に、ブレーカの操作の依頼の有無や、作業員の手配を速やかに行うことができず、顧客の対応が遅れる不都合が懸念される。
【0006】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、需要家から停電(故障)の申し出があった場合に、需要家に対する対応を速やかにかつ適切に行うことが可能であり、また、作業者に故障修理を依頼する場合にも、適切かつ迅速な修理に寄与することができる停電対応支援システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る停電対応支援システムは、
各需要家に設置された電力計量器としてのスマートメータと、
各需要家の前記スマートメータと通信網を介して接続され、前記スマートメータのデータ収集や管理を行うスマートメータ運用管理システムと、
顧客からの申出に対応するカスタマーセンターと、
顧客からの申出を管理する顧客申出管理システムと、
を備え、
前記顧客申出管理システムは、
前記カスタマーセンターの端末を介して顧客を特定する情報を受信すると共に故障票の作成依頼を受けた場合に、前記スマートメータ運用管理システムに対して対応する顧客のスマートメータの現在値情報の取得を要請する現在値情報取得要請手段と、
この現在値情報取得要請手段の要請に基づき前記スマートメータから取得した現在値情報を前記スマートメータ運用管理システムから受信した場合に、その現在値情報を前記カスタマーセンターの端末に表示させるべく前記カスタマーセンターの端末に送信する現在値情報送信手段と、
前記カスタマーセンターの端末を介して故障の受け付けが確定された場合に、前記受信した現在値情報を故障票に印刷させると共に、前記故障票を作業者がアクセス可能な工事手配データベースに格納する故障票起票手段と、
作業者の携帯する端末に前記受信した現在値情報と共に工事手配の連絡を送信する工事手配手段と、
を具備することを特徴としている。
【0008】
したがって、需要家から停電の申し出がカスタマーセンターにあった場合に、受付者がカスタマーセンターの端末を介して顧客を特定した上で故障票の作成を依頼すると、顧客申出管理システムは、これを受けて現在値情報取得要請手段により対応する顧客のスマートメータの現在値情報の取得をスマートメータ運用管理システムに対して要請する。スマートメータ運用管理システムは、これを受けて対応する顧客のスマートメータから現在値情報を取得し、顧客申出管理システムにその現在値情報を送信する。そして、顧客申出管理システムは、現在値情報送信手段により、受信した現在値情報をカスタマーセンターの端末に表示させるべくカスタマーセンターの端末に送信する。これにより、カスタマーセンターの端末には、対応する顧客のスマートメータの現在値情報が表示され、受け付けをしている顧客に対して、この現在値情報を見ながら、対応することが可能となる。
【0009】
例えば、現在値情報の電圧、電流値が、零またはエラー表示である場合には、スマートメータより電源側に故障点(停電原因箇所)があると判断できるので、顧客に対するブレーカの操作の依頼が不要であることを確認することができ、現在値情報が正常値である場合には、スマートメータより負荷側に故障点(停電原因箇所)がある可能性があるため、顧客にブレーカ操作を依頼しやすくなる。
【0010】
また、前記顧客申出管理システムは、前記カスタマーセンターの端末を介して故障の受け付けが確定された場合に、前記受信した現在値情報を故障票に印刷させると共に、前記故障票を作業者がアクセス可能な工事手配データベースに格納する故障票起票手段と、作業者の携帯する端末に前記受信した現在値情報と共に工事手配の連絡を送信する工事手配手段と、を更に有するので、作業者は、印刷された故障票を受け取れる状態であれば、その故障票を持参して現地へ赴くが、外出等により印刷された故障票を受けとることができない場合には、工事手配データベースにアクセスして、格納された故障票のデータを入手することで、作業者は故障票に記載されている顧客のスマートメータの現在値情報を見て対応することが可能となり、また、工事手配と共に送られる顧客のスマートメータの現在値情報を確認しながら対応することも可能となるので、現地において適切に且つ短時間で作業を行うことが可能となる。
【0011】
なお、作業者が起票された故障票を入手できないような場合、例えば、作業者が外出しているような場合には、作業者が携帯する端末に工事依頼の情報を送信することになるが、その場合に、携帯端末によっては、現在値情報をそのまま送信すると分かりにくくなるので、顧客申出管理システムは、前記カスタマーセンターの端末を介して故障の受け付けが確定された場合に、前記受信した現在値情報に代えて、その現在値情報に基づき判定される電圧または電流の有無のみの情報を他の作業依頼事項と共に作業者の携帯端末に送信するようにするとよい。
また、需要家の契約情報を管理する営業オンラインシステムを更に利用し、顧客を特定する情報は、カスタマーセンターの端末を介して前記営業オンラインシステムから取得した情報を用いるようにするとよい。
【発明の効果】
【0012】
以上述べたように、本発明によれば、カスタマーセンターの端末を介して顧客を特定すると共に故障票の作成依頼を受けた場合に、対応する顧客のスマートメータの現在値情報がカスタマーセンターの端末に送信され、その端末に表示されるので、受付者は、スマートメータの現在値情報を見ながら顧客に対応することが可能となり、故障点がスマートメータより電源側にあるのか負荷側にあるのかを即座に判断することができるので、ブレーカ操作の依頼の有無を明確に判断することができ、迅速かつ適切な対応が可能となる。
また、カスタマーセンターを介して故障の受け付けが確定された場合に、受信した現在値情報を故障票に印刷させることで、現場に赴く作業者は現在値情報を見て対応することが可能となるので、現地において適切に且つ短時間で作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る停電対応支援システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、本発明の処理例を示すフローチャートである。
図3図3は、スマートメータから取得した現在値情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
【0015】
図1において、本発明の実施形態に係る停電対応支援システムの構成図が示されている。同図に示されるように、配電線1が架設された電柱2上に配設されているトランス(TR1〜TRn)3に引込線4が接続され、この引込線4の需要家5側に電力使用量を計測する電力計量器としてのスマートメータ6が需要家毎に設置されている。この例では、それぞれのスマートメータ6は、需要家5の照明等の一般負荷7に対応して設けられており、所定時間毎に電力使用量を計測したり、外部からの要請に基づき現在値情報を計測したりするもので、これら計測データを通信手段を介して遠隔の後述するスマートメータ運用管理システム15へ送出する。
【0016】
電力会社のカスタマーセンター10は、電力供給を受けている顧客からの相談等を受ける窓口であり、電話による問い合わせに対応可能となっており、電話端末11やオペレータ端末12を備え、応答装置13を介してデータ通信や音声による通信を可能にする通信網20に接続されている。また、カスタマーセンター10のオペレータ端末12は、構内通信網21を介して、営業オンラインシステム14、スマートメータ運用管理システム15、顧客申出管理システムとしての営業ポータルシステム16が接続されている。
【0017】
ここで営業オンラインシステム14は、顧客である需要家の契約情報(住所、契約種別、お客様番号等)や負荷に関する情報(電気料金を含む顧客契約、電力の使用状況等)を管理するシステムであり、顧客情報が格納された顧客データベース17を備えている。
【0018】
スマートメータ運用管理システム15は、各需要家5に設置されているスマートメータ6のデータ収集や管理を行うシステムであり、通信装置18を介して通信網20に接続されている。
【0019】

営業ポータルシステム(顧客申出管理システム)16は、顧客からの申出の受付、申出に対する処理を実行すると共に、業務連絡票の作成、お客様の声シートの発行、故障票の起票等を行うシステムであり、停電(故障)の申し出であった場合には、前記スマートメータ運用管理システム15と連携して顧客からの停電(故障)の申し出に対応するようになっている。この営業ポータルシステム16には、起票された故障票のデータ等を格納する工事手配データベース19を備えている。
【0020】

図2に、上記システム構成において、顧客からの停電(故障)の申し出に対する処理例がフローチャートとして示されている。以下、このフローチャートに基づき、停電対応支援システムの処理例について説明する。
【0021】

需要家5が停電してお客様からカスタマーセンター10に電話にって連絡が入ると、カスタマーセンター10の受付者は、お客様から現在の状況やお客様を特定するための情報を聞き取る。受付者は、その情報に基づき、オペレータ端末12を操作して営業オンラインシステム14にアクセスし、顧客データベース17を参照してお客様番号を取得する等してお客様を特定する(ステップ50)。
【0022】

その後、オペレータ端末12から営業ポータルシステム16にアクセスして、特定された顧客のお客様番号を入力すると共に(ステップ52)、故障票を作成するために故障票の作成ボタンを押下する(ステップ54)。
【0023】

すると、営業ポータルシステム16は、お客様番号からそれに紐づけられた需要家のスマートメータ番号に基づき、対応する顧客のスマートメータ6の現在値情報の取得をスマートメータ運用管理システム15に対して要求する(ステップ56)。スマートメータ運用管理システム15は、対応する顧客のスマートメータ6に対して現在値情報の送信を要求し、これを受けてスマートメータ6から現在値情報を取得すると、その情報を営業ポータルシステム16に送信する。
【0024】

営業ポータルシステム16は、これを受けて、取得したスマートメータ6の現在値情報をカスタマーセンター10のオペレータ端末12に表示させるべく、カスタマーセンター10に送信する(ステップ58)。
これにより、オペレータ端末12には、顧客宅に設置されているスマートメータ6の現在値情報(例えば、図3で示すような表)が表示されるので、顧客の対応している受付者は、顧客宅のスマートメータ6まで電力がきているか否か、即ち、故障点(停電原因箇所)がスマートメータの電源側であるのか、負荷側であるのかを判断することが可能となる。
【0025】

スマートメータ6より電源側に故障点があれば、スマートメータ6は節電機能が起動し、通信機能に電源供給がなされないので、現在値情報にエラー表示がなされたり、零表示がなされるので、この場合には、顧客に何らかの操作を依頼することなく、直ちに工事手配の手続きを進めることが可能となる。また、スマートメータ6の現在値が正常であれば、故障点が負荷側にあると推定できるので、顧客にブレーカを操作してもらう等の対応を依頼することが可能となる。
【0026】

その後、停電(故障)の申し出の受け付けを確定させるべく受付完了を指示すると(受付完了ボタンを押下すると)(ステップ60)、取得したスマートメータ6の現在値情報が記された故障票が起票され(ステップ62)、自動的に印刷されると共にこの故障票が工事手配データベース19に格納され、作業者によるアクセスが可能な状態とする。
【0027】

作業者は、印刷された故障票を受け取れる状態であれば、その故障票を持参して現地へ赴くが、外出等により印刷された故障票を受けとることができないときは、営業ポータルシステム16にアクセスして、工事手配データベース19に格納された故障票のデータを入手したり(ステップ64)、作業者が携帯する端末にスマートメータ6の現在値情報と共に工事手配の連絡を送信する(ステップ66)。なお、携帯端末に送信する場合には、図3で示す現在値情報をそのまま送信すると分かりにくくなるので、現在値情報に基づき判定されるスマートメータ6の電圧または電流の「あり」、「なし」のみの情報を表示させるようにしてもよい。
【0028】
したがって、本システムによれば、顧客からの停電(故障)の申し出があった場合に、受付者は、顧客の対応をしている最中に顧客宅のスマートメータ6の現在値情報を確認することが可能となるので、顧客に対して適切な対応を依頼することが可能となる。また、電話にて故障修理を完了させることや停電範囲を縮小したうえで故障票を発行することができるなどのメリットもある。
また、現場に作業者が赴く場合でも、スマートメータ6の現在値情報を故障票によって把握できるので、故障点の特定を速やかに行うことが可能となり、停電復旧までの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0029】
なお、スマートメータ6は、単相3線式の場合、1側から電源を取っているため、現在値情報にエラー等の表示があった場合には、1側に故障点があることは分かるが、3側にも故障点がある可能性がある。しかし、顧客からの電話対応において、停電箇所が屋内の一部であるのか全部であるのかが確認できれば,3側の停電の有無をおおよそ判断することは可能である。
【符号の説明】
【0030】
5 需要家
6 スマートメータ
10 カスタマーセンター
12 オペレータ端末
14 営業オンラインシステム
15 スマートメータ運用管理システム
16 営業ポータルシステム(顧客申出管理システム)
20 通信網
図1
図2
図3