(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6912082
(24)【登録日】2021年7月12日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】折畳みベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/12 20060101AFI20210715BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
A47C19/12 Z
A47C20/08 Z
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-153315(P2017-153315)
(22)【出願日】2017年8月8日
(65)【公開番号】特開2019-30510(P2019-30510A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】原島 徹
(72)【発明者】
【氏名】中野 美喜男
【審査官】
野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−237493(JP,A)
【文献】
特開2005−152233(JP,A)
【文献】
特開2016−131798(JP,A)
【文献】
米国特許第05806927(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C19/00−19/22
A61G 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の上半身側が載せられる上半身側寝台部と、使用者の下半身側が載せられる下半身側寝台部とを含む寝台部を有し、
ベッド側面視において、前記上半身側寝台部と前記下半身側寝台部とが略水平となる水平状態と、逆V字状に折り曲げられた折り畳み状態とに変形可能である折畳みベッドであって、
前記上半身側寝台部は、起き上がり部を含み、
前記起き上がり部は、水平状態と、前記上半身側寝台部に載せられた使用者の上半身側を斜めに起こすリクライニング状態とに変形可能に構成されており、
前記起き上がり部には、前記リクライニング状態への傾動により使用者側に突出するランバーサポートが設けられ、
前記ランバーサポートは、ランバーサポート突出部により使用者側に突出し、
前記ランバーサポート突出部は、カムとローラとを含み、
前記カムは、前記ランバーサポートの使用者とは反対側に設けられ、
前記ローラは、前記カムに接触する可動位置と、前記カムに接触しない待機位置とに変更可能であり、
前記待機位置の前記ローラは、前記起き上がり部の傾動角度に関係なく、前記カムに接触することがない折畳みベッド。
【請求項2】
前記起き上がり部は、使用者の頭部が載置される頭部側載置部と、前記頭部側載置部に連結されかつ使用者の背中が載置される背中側載置部とを含み、
前記背中側載置部は、ベッド幅方向に沿った第1枢軸周りで傾動し、
前記ランバーサポートは、前記背中側載置部に設けられている請求項1に記載の折畳みベッド。
【請求項3】
前記起き上がり部は、前記水平状態から前記リクライニング状態へ傾動するに際して、前記頭部側載置部が先行して上向きに傾動し、
前記背中側載置部は、前記頭部側載置部の傾動から遅れて上向きに傾動し、
前記ランバーサポートは、前記背中側載置部の傾動から遅れて突出する請求項2に記載の折畳みベッド。
【請求項4】
前記頭部側載置部には、前記第1枢軸に平行な第2枢軸周りで傾動する傾動アームがスライド自在に連結されており、
前記ランバーサポートは、前記第1枢軸に平行な第3枢軸周りで傾動可能に支持され、
前記第3枢軸は、前記ランバーサポートの前記頭部側載置部側を支持し、
前記ローラは、ローラ支持部を介して前記傾動アームに取り付けられている請求項2又は3に記載の折畳みベッド。
【請求項5】
前記ローラ支持部は、前記傾動アームに結合部材により、脱着自在に取り付けられ、
前記ローラは、前記ローラ支持部の前記結合部材を取り外して前記傾動アームに沿って移動させることにより、前記可動位置と、前記待機位置とに変更可能である請求項4に記載の折畳みベッド。
【請求項6】
前記ランバーサポートは、前記起き上がり部の水平状態で前記上半身側寝台部の寝台面と平行な第1面部と、前記第1面部に直交し、かつ、前記第1面部のベッド幅方向の両側に位置する一対の第2面部とを含む請求項2〜5のいずれかに記載の折畳みベッド。
【請求項7】
前記ランバーサポートは、前記第1枢軸に平行な第3枢軸周りで傾動可能に支持され、さらに、前記第1面部の前記第3枢軸とは反対側に位置する第3面部を含む請求項6に記載の折畳みベッド。
【請求項8】
前記第1面部は、平面を有する板状部と、前記板状部に形成された複数の貫通孔部とを有する請求項6又は7に記載の折畳みベッド。
【請求項9】
前記ランバーサポートの幅は、前記上半身側寝台部の幅の35%〜70%である請求項1〜8のいずれかに記載の折畳みベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝台部を折畳むことができる折畳みベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の上半身側が載せられる上半身側寝台部と、使用者の下半身側が載せられる下半身側寝台部とを含む寝台部を有する折畳みベッドが種々提案されている。このような折畳みベッドは、ベッド側面視において、上半身側寝台部と下半身側寝台部とが略水平となる水平状態と、逆V字状に折り曲げられた折り畳み状態とに変形可能である。
【0003】
例えば、下記特許文献1の折畳みベッドは、上半身側寝台部が、起き上がり部を含んでいる。このような起き上がり部は、水平状態と、上半身側寝台部に載せられた使用者の上半身を斜めに起こすリクライニング状態とに変形可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−100183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の折畳みベッドは、起き上がり部の傾動中心である第1枢軸をベッド長手方向の特定の位置に設けることで使用者の腹部等への圧迫を軽減している。しかしながら、この折畳みベッドは、起き上がり部が水平状態での使用に適した平坦な形状をしているため、折畳みベッドをリクライニング状態で長時間使用すると使用者の腰部等への負担が大きくなっていた。このため、リクライニング状態での姿勢保持には、更なる改善が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、リクライニング状態での使用者の良好な姿勢を保持して使用者の腰部等への負担を軽減する折畳みベッドを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、使用者の上半身側が載せられる上半身側寝台部と、使用者の下半身側が載せられる下半身側寝台部とを含む寝台部を有し、ベッド側面視において、前記上半身側寝台部と前記下半身側寝台部とが略水平となる水平状態と、逆V字状に折り曲げられた折り畳み状態とに変形可能である折畳みベッドであって、前記上半身側寝台部は、起き上がり部を含み、前記起き上がり部は、水平状態と、前記上半身側寝台部に載せられた使用者の上半身側を斜めに起こすリクライニング状態とに変形可能に構成されており、前記起き上がり部には、前記リクライニング状態への傾動により使用者側に突出するランバーサポートが設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記起き上がり部は、使用者の頭部が載置される頭部側載置部と、前記頭部側載置部に連結されかつ使用者の背中が載置される背中側載置部とを含み、前記背中側載置部は、ベッド幅方向に沿った第1枢軸周りで傾動し、前記ランバーサポートは、前記背中側載置部に設けられているのが望ましい。
【0009】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記起き上がり部は、前記水平状態から前記リクライニング状態へ傾動するに際して、前記頭部側載置部が先行して上向きに傾動し、前記背中側載置部は、前記頭部側載置部の傾動から遅れて上向きに傾動し、前記ランバーサポートは、前記背中側載置部の傾動から遅れて突出するのが望ましい。
【0010】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記頭部側載置部には、前記第1枢軸に平行な第2枢軸周りで傾動する傾動アームがスライド自在に連結されており、前記ランバーサポートは、前記第1枢軸に平行な第3枢軸周りで傾動可能に支持され、かつ、ランバーサポート突出部により使用者側に突出し、前記ランバーサポート突出部は、カムとローラとを含み、前記カムは、前記ランバーサポートの使用者とは反対側に設けられ、前記ローラは、前記傾動アームに取り付けられているのが望ましい。
【0011】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記ローラは、前記傾動アームに沿って移動させることにより、前記カムに接触する可動位置と、前記カムに接触しない待機位置とに変更可能であるのが望ましい。
【0012】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記ランバーサポートは、前記起き上がり部の水平状態で前記上半身側寝台部の寝台面と平行な第1面部と、前記第1面部に直交し、かつ、前記第1面部のベッド幅方向の両側に位置する一対の第2面部とを含むのが望ましい。
【0013】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記ランバーサポートは、前記第1枢軸と平行な第3枢軸周りで傾動可能に支持され、さらに、前記第1面部の前記第3枢軸とは反対側に位置する第3面部を含むのが望ましい。
【0014】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記第1面部は、平面を有する板状部と、前記板状部に形成された複数の貫通孔部とを有するのが望ましい。
【0015】
本発明に係る折畳みベッドにおいて、前記ランバーサポートの幅は、前記上半身側寝台部の幅の35%〜70%であるのが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の折畳みベッドにおいて、上半身側寝台部は、起き上がり部を含み、起き上がり部は、水平状態と、上半身側寝台部に載せられた使用者の上半身側を斜めに起こすリクライニング状態とに変形可能に構成されている。このような上半身側寝台部は、使用者の上半身側を斜めに起こすことを補助するとともに、使用者の上半身側を起こした状態でその姿勢を保持することができる。
【0017】
本発明の折畳みベッドにおいて、起き上がり部には、リクライニング状態への傾動により使用者側に突出するランバーサポートが設けられている。このような起き上がり部は、使用者がリクライニング状態で使用するときに使用者の腰部近傍を背中側から押圧することで、使用者の姿勢を良好な状態に保持して使用者の腰部等への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の水平状態の折畳みベッドの一実施形態を示す斜視図である。
【
図3】折り畳み状態の折畳みベッドの側面図である。
【
図4】リクライニング状態の折畳みベッドの斜視図である。
【
図7】起き上がり部の傾動状態を示す模式図である。(a)は、頭部側載置部が傾動した状態、(b)は、背中側載置部が傾動した状態、(c)は、ランバーサポートが突出した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1には、本実施形態の水平状態の折畳みベッド1の斜視図が示されており、
図2は、水平状態の折畳みベッド1の側面図である。
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の折畳みベッド1は、使用者が載せられる寝台面2Aを含む寝台部2と、寝台部2が載置されるベッドフレーム3と、ベッドフレーム3を支持する脚部4とを有している。
【0020】
また、本実施形態の折畳みベッド1は、ベッド長さ方向の一方側に取り付けられるヘッドボード5と、他方側に取り付けられるフットボード6と、ベッド幅方向の両側に取り付けられる一対のサイドグリップ7とを有している。本明細書では、折畳みベッド1のヘッドボード5側を使用者の上半身側S1とし、フットボード6側を使用者の下半身側S2とする。
【0021】
本実施形態の寝台部2は、使用者の上半身側S1が載せられる上半身側寝台部8と、使用者の下半身側S2が載せられる下半身側寝台部9とを含んでいる。
【0022】
図3は、折畳み状態の折畳みベッド1の側面図である。
図2及び
図3に示されるように、本実施形態の寝台部2は、ベッド側面視において、上半身側寝台部8と下半身側寝台部9とが略水平となる水平状態と、上半身側寝台部8と下半身側寝台部9とが逆V字状に折り曲げられた折畳み状態とに変形可能に構成されている。
【0023】
寝台部2の水平状態と折り畳み状態との変形は、上半身側寝台部8及び下半身側寝台部9が基準状態で行われる。この基準状態とは、上半身側寝台部8と下半身側寝台部9の寝台面2Aが、ベッドフレーム3のベッド長さ方向に平行な状態である。なお、本実施形態の折畳みベッド1は、折り畳み状態へ変形するに際して、ヘッドボード5、フットボード6及び一対のサイドグリップ7が取り外されている。
【0024】
図4は、リクライニング状態の折畳みベッド1の斜視図である。
図4に示されるように、本実施形態の上半身側寝台部8は、ベッドフレーム3に対して可動する起き上がり部10を含んでいる。
【0025】
図2及び
図4に示されるように、本実施形態の起き上がり部10は、水平状態と、上半身側寝台部8に載せられた使用者の上半身側S1を斜めに起こすリクライニング状態とに変形可能に構成されている。
【0026】
このような起き上がり部10を含む上半身側寝台部8は、使用者の上半身側S1を斜めに起こすことを補助するとともに、使用者の上半身側S1を起こした状態でその姿勢を保持することができる。
【0027】
図4に示されるように起き上がり部10には、リクライニング状態への傾動により使用者側に突出するランバーサポート14が設けられているのが望ましい。このような起き上がり部10は、使用者がリクライニング状態で使用するときに使用者の腰部近傍をランバーサポート14により背中側から押圧することで、使用者の姿勢を良好な状態に保持して使用者の腰部等への負担を軽減することができる。
【0028】
起き上がり部10は、例えば、使用者の頭部が載置される頭部側載置部10Aと、頭部側載置部10Aに連結されかつ使用者の背中が載置される背中側載置部10Bとを含んでいてもよい。
【0029】
この場合、起き上がり部10の水平状態からリクライニング状態への変形において、起き上がり部10の背中側載置部10Bは、例えば、ベッド幅方向に沿った第1枢軸11周りで傾動している。また、起き上がり部10の頭部側載置部10Aには、第1枢軸11に平行な第2枢軸12周りで傾動する傾動アーム15がスライド自在に連結されているのが望ましい。
【0030】
ランバーサポート14は、例えば、背中側載置部10Bに設けられている。ランバーサポート14は、第1枢軸11に平行な第3枢軸13周りで傾動可能に支持されるのが望ましい。本実施形態の第3枢軸13は、ランバーサポート14の頭部側載置部10A側を支持している。
【0031】
図5は、ランバーサポート14の拡大斜視図である。
図1及び
図5に示されるように、ランバーサポート14は、例えば、プレート状であって、起き上がり部10の水平状態で上半身側寝台部8の寝台面2Aと平行な第1面部14Aを含んでいる。ランバーサポート14は、また、第1面部14Aに直交し、かつ、第1面部14Aのベッド幅方向の両側に位置する一対の第2面部14Bを含んでいる。ランバーサポート14は、さらに、第1面部14Aの第3枢軸13とは反対側に位置する第3面部14Cを含んでいる。
【0032】
このようなランバーサポート14は、起き上がり部10から突出する部分が全て面部材で構成されるため、ランバーサポート14の起き上がり部10からの突出動作及び引込動作において、寝具等を挟み込むおそれがない。
【0033】
第1面部14Aは、平面を有する板状部14aと、板状部14aに形成された少なくとも1つ、好ましくは複数の貫通孔部14bとを有している。本実施形態の貫通孔部14bは、ベッド幅方向に長い長孔形状であるが、貫通孔部14bの形状は、例えば、ベッド長手方向に長い長孔形状であっても、円形の孔形状であってもよい。このような第1面部14Aを含むランバーサポート14は、剛性と通気性とを両立することができる。
【0034】
図4に示されるように、ランバーサポート14の幅W1は、好ましくは、上半身側寝台部8の幅W2の35%〜70%である。このようなランバーサポート14は、使用者の腰部近傍を押圧するのに必要な剛性を維持しつつ、使用者がベッドの中央位置以外で使用しているときにも、使用者の腰部近傍を押圧することができる。
【0035】
図6は、起き上がり部10の部分斜視図である。
図6に示されるように、本実施形態のランバーサポート14は、起き上がり部10がリクライニング状態へ傾動することで、一対のランバーサポート突出部16により押され、背中側載置部10Bから使用者側に突出する。各ランバーサポート突出部16は、例えば、カム17とローラ18とを含んでいる。
【0036】
本実施形態のカム17は、ランバーサポート14の裏面側、すなわち使用者とは反対側の面に、ランバーサポート14と一体的に設けられている。カム17は、例えば、ローラ18が接するカム面17Aを有している。カム17のカム面17Aの形状を調整することにより、ランバーサポート14の突出量は、起き上がり部10の傾動角度に応じて変更される。
【0037】
本実施形態のローラ18は、ローラ支持部18Aを介して傾動アーム15に取り付けられている。ローラ支持部18Aは、傾動アーム15にピン等の結合部材により、脱着自在に取り付けられるのが望ましい。このようなローラ18は、ローラ支持部18Aの結合部材を取り外すことで、傾動アーム15に沿って容易に移動させることができる。
【0038】
図7は、起き上がり部10の傾動状態を示す模式図である。
図7(a)に示されるように、本実施形態の起き上がり部10は、水平状態からリクライニング状態へ傾動するに際して、頭部側載置部10Aが先行して上向きに傾動する。
図7(b)に示されるように、背中側載置部10Bは、頭部側載置部10Aの傾動から遅れて上向きに傾動するのが望ましい。このような起き上がり部10は、使用者の上半身側S1を斜めに起こすときに、使用者が自分で起き上がるときと同じ順序で起こすので、使用者の身体への負担が軽減される。
【0039】
図7(c)に示されるように、本実施形態のランバーサポート14は、背中側載置部10Bの傾動から遅れて突出する。
図8(b)に示されるように、ランバーサポート14は、起き上がり部10が予め定められた角度θまで傾斜した時点から、突出動作を開始するのが望ましい。突出動作を開始する角度θは、好ましくは、20°〜40°である。このようなランバーサポート14は、起き上がり部10の傾動角度に応じて突出量を変更できるため、起き上がり部10のリクライニング状態に応じて、使用者の腰部近傍の押圧強度を変更することができる。
【0040】
図8は、ローラ18の待機位置を示す拡大側面図である。
図8に示されるように、ローラ18は、傾動アーム15に沿って移動させることにより、二点鎖線で表されるようなカム17に接触する可動位置と、実線で表されるようなカム17に接触しない待機位置とに変更可能に構成されている。待機位置のローラ18は、起き上がり部10の傾動角度に関係なく、カム17に接触することがない。このようなローラ18は、待機位置に取り付けることで、ランバーサポート14を突出させずに起き上がり部10をリクライニング状態にさせることができる。
【0041】
なお、寝台部2の寝台面2Aには、ウレタンフォーム等のクッション材からなるマット(図示省略)が設けられるのが望ましい。マットは、例えば、上半身側寝台部8から下半身側寝台部9にかけて一体的に設けられてもよいし、2つ以上に分割して構成されてもよい。
【0042】
図9は、分解された折畳みベッド1の斜視図である。
図1及び
図9に示されるように、本実施形態のベッドフレーム3は、上半身側寝台部8が載置される上半身側フレーム19と、下半身側寝台部9が載置される下半身側フレーム20とを含んでいる。上半身側フレーム19には、起き上がり部10をリクライニングさせるためのアクチュエータ(図示省略)が設けられるのが望ましい。
【0043】
図9に示されるように、本実施形態の上半身側フレーム19には、ヘッドボード5が着脱自在に取り付けられている。ヘッドボード5の着脱は、例えば、ヘッドボード5側に設けられたスリット状の第1係合部5aと上半身側フレーム19側に設けられた第2係合部19aとを係合させて行われる。第1係合部5aと第2係合部19aとは、係合時に不意に外れないように、例えば、抜け止めピン等で固定されるのが望ましい。
【0044】
本実施形態の下半身側フレーム20には、フットボード6が着脱自在に取り付けられている。フットボード6の着脱は、例えば、フットボード6側に設けられたスリット状の第3係合部6aと下半身側フレーム20側に設けられた第4係合部20aとを係合させて行われる。第3係合部6aと第4係合部20aとは、係合時に不意に外れないように、例えば、抜け止めピン等で固定されるのが望ましい。
【0045】
上半身側フレーム19及び下半身側フレーム20は、それぞれ、ベッド幅方向の両側に、サイドグリップ7を選択的に差し込むことで取り付け可能な第5係合部21を有するのが望ましい。本実施形態の各第5係合部21は、2つの孔部21aを含んでいる。第5係合部21には、断面コ字状のサイドカバー22が装着されるのが望ましい。
【0046】
サイドカバー22は、例えば、相対する第1面22A及び第2面22Bと、第1面22A及び第2面22Bを連結する第3面22Cとを含んでいる。本実施形態のサイドカバー22の第1面22Aは、第5係合部21に装着されたときに、第5係合部21の2つの孔部21aに対応する位置に、貫通孔22aが形成されている。
【0047】
このため、サイドカバー22は、第1面22Aを上方にして装着されることで、サイドカバー22を装着した状態でサイドグリップ7を取り付けることができる。また、サイドカバー22は、第2面22Bを上方にして装着されることで、サイドグリップ7を取り付けない第5係合部21を覆い隠すことができる。
【0048】
図2及び
図3に示されるように、本実施形態の脚部4は、床面Fに対してベッドフレーム3を水平移動自在に支持する複数の車輪部材23と、床面Fに対してベッドフレーム3の移動を妨げる複数の非車輪部材24とを含んでいる。このような車輪部材23は、寝台部2を、水平状態と折り畳み状態との間でスムーズに変形させるのに役立つ。また、非車輪部材24は、寝台部2が水平状態の折畳みベッド1の床面Fに対する移動を妨げることができる。
【0049】
本実施形態の車輪部材23は、寝台部2が水平状態のときに離地し、寝台部2が折り畳み状態のときに接地している。一方、本実施形態の非車輪部材24は、寝台部2が水平状態のときに接地し、寝台部2が折り畳み状態のときに離地している。
【0050】
脚部4は、例えば、寝台部2を水平状態から折り畳み状態に変形させることで、床面Fに接地する部材を非車輪部材24から車輪部材23に変更することができる。また、脚部4は、例えば、寝台部2を折り畳み状態から水平状態に変形させることで、床面Fに接地する部材を車輪部材23から非車輪部材24に変更することができる。
【0051】
このため、寝台部2が水平状態で配置された折畳みベッド1は、車輪部材23により、床面Fに対して水平移動するおそれがない。このような折畳みベッド1は、寝台部2が水平状態で配置された床面Fに対して移動し難く、使用者が安心して使用することができる。
【0052】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
【符号の説明】
【0053】
1 折畳みベッド
2 寝台部
8 上半身側寝台部
9 下半身側寝台部
10 起き上がり部
14 ランバーサポート